JP2003139592A - 伝播時間差方式による超音波流量計 - Google Patents

伝播時間差方式による超音波流量計

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JP2003139592A JP2001335162A JP2001335162A JP2003139592A JP 2003139592 A JP2003139592 A JP 2003139592A JP 2001335162 A JP2001335162 A JP 2001335162A JP 2001335162 A JP2001335162 A JP 2001335162A JP 2003139592 A JP2003139592 A JP 2003139592A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】十分に高い分解能を得ることができるととも
に、アナログ・デジタルコンバータのサンプリング位相
の変動にかかわらず、安定した高精度の計測を行なうこ
とができ、優れた測定精度の超音波流量計を提供する。 【解決手段】流路用管体1の流体の流れ方向上流側と下
流側に取り付けた1対の超音波振動子2a、2bと、こ
れらの送受信を交互に切り替える切替器3と、受信信号
を増幅する増幅器5と、増幅された受信信号のゼロクロ
ス点を測定して上流向けおよび下流向け伝播時間を求
め、この伝播時間から流量信号を算出するデータ処理装
置9を備え、前記データ処理装置は受信信号の増幅波形
を複数の電圧値−時刻の対データに変換し、かつ、前記
増幅波形が時刻軸と交差する複数のゼロクロス点のう
ち、少なくとも1個のゼロクロス点を選び、このゼロク
ロス点の前後時刻に分布する複数個の前記対データか
ら、等次数の2つの近似式または3次以上の近似式を求
め、近似式の時刻軸切片からゼロクロス点の時刻近似値
を得て超音波の送信より受信までの伝播時間が算出され
る構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は伝播時間差方式(以
下時間差方式と称す)による超音波流量計の改良に関
し、特に伝播時間を十分に高い時間分解能とともに安定
に計測できる超音波流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】図10は従来の時間差方式による超音波
流量計の構成を示し、以下その概要を説明する。同図に
おいて符号1は流体入口1aと同出口1bを有する流路
用管体、2a、2bは管体の両端に設けた1対の超音波
振動子を示す。
【0003】3は切替器であり、励振パルス電圧源4と
受信信号の増幅器5とを上記振動子2aまたは2bへ交
互に切り替えて接続するが、その切替信号についてはこ
こでは触れない。
【0004】6は振幅を検知する第1コンパレータ、7
はその参照電圧源、8はゼロクロス点を検知する第2コ
ンパレータであり、前記増幅器5にて増幅された受信波
形の電圧値が前記参照電圧源7の電圧値を超えると第2
コンパレータ8はゼロクロス点を検知できる状態にな
る。
【0005】すなわち、第2コンパレータ8は第1コン
パレータ6の動作後における最初のゼロクロス点を検知
し、このゼロクロス点の受信時刻を検出する。
【0006】9はデータ処理装置であり、上記第2コン
パレータ8の出力を受けて振動子励振時刻から受信時刻
までの時間すなわち超音波伝播時間を算出する。
【0007】上述した構成により、切替器3を操作して
超音波が流体の流れに逆らう場合の伝播時間Tuと、流
れと同じ向きの場合の伝播時間Tdを測定すれば、これ
らの差から下記のように流速Vが、さらにこれに管断面
積Sを乗じて流量Qが求められることはよく知られてい
るので詳細には述べない。ただしCは音速、Lは振動子
間距離であり、かつCは(Tu+Td)より求められ
る。 Tu−Td=2LV/C2 ∴V=(Tu―Td)C2 /2L Q=SV
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の超
音波流量計には次のような技術的問題が生じる。伝播時
間をデジタル手段により計測する場合、十分に高い時間
分解能を得るためには、単に時間計測用のクロック周波
数を高くするだけでは不十分である。
【0009】このことは、L/C=(Tu+Td)/2
を前記Vの式に入れて、 (Tu−Td)/(Tu+Td)=V/C なる式においてC=1.5km/s、V=1m/sとす
れば伝播時間差は伝播時間の1/1000以下であるこ
と、および通常使用される振動子の共振周波数が1〜2
MHzであること、したがって所要のクロック周波数が
極めて高くなることから容易に理解できる。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明に係る第1発明の伝播時間差方式による
超音波流量計は、流路用管体の流体の流れ方向上流側と
下流側における流路用管体の外側にそれぞれ取り付けた
1対の超音波振動子と、これら1対の超音波振動子の送
信、受信を交互に切り替える切替器と、流体内を伝播す
る超音波により受信側の振動子に生じる受信信号を増幅
する増幅器と、増幅された受信信号のゼロクロス点を測
定して上流向けおよび下流向け伝播時間を求め、この伝
播時間から流量信号を算出するデータ処理装置を備え、
前記データ処理装置は前記増幅後の受信信号の増幅波形
を複数の電圧値−時刻の対データに変換し、かつ、前記
増幅波形が時刻軸と交差する複数のゼロクロス点のう
ち、少なくとも1個のゼロクロス点を選び、このゼロク
ロス点の前後時刻に分布する複数個の前記対データの中
から、電圧絶対値が最小の対データを含む複数の対デー
タを選んで第1の対データ群とし、同じく電圧絶対値が
最小の対データを含み、第1の対データ群とは構成が同
一ではない複数の対データを選んで第2の対データ群と
し、各対データ群を構成する複数の対データに基づき、
電圧値を変数とし、時刻をその関数とする等次数の近似
式をそれぞれ求め、これら2式の時刻軸切片の平均値を
もって前記ゼロクロス点の時刻近似値とするとともに、
この近似値により超音波の送信より受信までの伝播時間
が算出されることを特徴としている。
【0011】また、上記第1の発明における実施態様
は、前記第1の対データ群と第2の対データ群が、nを
整数として前記電圧絶対値が最小の対データの電圧極性
に応じ、一方の対データ群においては同一極性側にさら
にn+1個、反対の極性側にn個の対データが選ばれ、
他方のデータ群においては同一極性側にさらにn個、反
対の極性側にn+1個の対データが選ばれ、好適には前
記nを、n=1とすることを特徴としている。
【0012】また、第1の発明における他の実施態様
は、前記2つの近似式を、ともに最小自乗法により得ら
れる直線とすることを特徴としている。
【0013】本発明に係る第2の伝播時間差方式による
超音波流量計は、流路用管体の流体の流れ方向上流側と
下流側における流路用管体の外側にそれぞれ取り付けた
1対の超音波振動子と、これら1対の超音波振動子の送
信、受信を交互に切り替える切替器と、流体内を伝播す
る超音波により受信側の振動子に生じる受信信号を増幅
する増幅器と、増幅された受信信号のゼロクロス点を測
定して上流向けおよび下流向け伝播時間を求め、この伝
播時間から流量信号を算出するデータ処理装置を備え、
前記データ処理装置は前記増幅後の受信信号の増幅波形
を複数の電圧値−時刻の対データに変換し、かつ、前記
増幅波形が時刻軸と交差する複数のゼロクロス点のう
ち、少なくとも1個のゼロクロス点を選び、このゼロク
ロス点の前後時刻に分布する複数個の前記対データの中
から、電圧絶対値が最小の対データを含む複数の対デー
タを選んで対データ群とし、この対データ群中の対デー
タに基づき、電圧値を変数とし、時刻をその関数とする
3次以上の次数を有する近似式を求め、この式の時刻軸
切片の平均値をもって前記ゼロクロス点の時刻近似値と
するとともに、この近似値により超音波の送信より受信
までの伝播時間が算出されることを特徴としている。
【0014】また、上記第2の発明における実施態様
は、前記対データ群は、nを整数として前記電圧絶対値
が最小の対データの時刻の前後からさらにそれぞれn個
ずつの対データが選ばれ、好適には前記nを、n=2と
することを特徴としている。
【0015】さらに、上記第2の発明における他の実施
態様は、前記対データ群は、nを整数として前記電圧絶
対値が最小の対データの時刻の前後に、この対データの
電圧極性に応じて、同一極性側にさらにn+1個、反対
の極性側にn個の対データが選ばれ、好適には前記n
を、n=1とすることを特徴としている。
【0016】また、上記第2の発明におけるさらに他の
実施態様は、前記対データ群は、nを整数として前記電
圧絶対値が最小の対データの時刻の前後に、この対デー
タの電圧極性に応じて、同一極性側にさらにn個、反対
の極性側にn+1個の対データが選ばれ、好適には前記
nを、n=1とすることを特徴としている。
【0017】
【実施例】以下、本発明に係る超音波流量計の実施例を
添付図面に基づいて説明する。なお、図1において符号
1〜5は図10に示した従来のものに付した符号に対応
するので、説明は省略する。
【0018】本実施例の流量計は、データ処理装置9と
して数10MS/s程度のサンプリングレートと、10
〜12ビット程度の分解能を有するアナログ・デジタル
変換器(以下、ADCと称す)10と、高速デジタル信
号処理器(以下、DSPと称す)11を備え、増幅器5
にて増幅された受信波形のデータをこのデータ処理装置
9にて演算処理する点を特徴としている。
【0019】振動子の共振周波数が例えば2MHzのと
きの受信波形をこのようなADCによりサンプリングす
る結果、図2に●印で示すようなデータが得られる(煩
雑さを避けるためにピークP1 付近のみにつき、個数も
減らして示す)。ここで○印はこのピークおよび隣接ピ
ークに付随するゼロクロス点の一例を示す。
【0020】本発明におけるデータ処理装置9は増幅後
の受信信号の増幅波形を前記ADC10において複数の
電圧値−時刻の対データに変換し、少なくとも1個のゼ
ロクロス点例えばq1付近の前後時刻に分布する複数個
の前記対データに基づき、DSP11における演算によ
ってq1の時刻近似値を求める。
【0021】しかして本発明の流量計においては、上述
したデータ処理装置9によるゼロクロス点の時刻近似値
の演算に関し、大別して2つの演算方式があり、以下各
演算方式について詳述する。
【0022】<第1の演算方式>第1の演算方式におい
ては、ゼロクロス点の前後時刻における複数の電圧値−
時刻の対データ中から任意の対データを選んで2組の対
データ群を決め、各対データ群の対データに基づいて互
いに次数の等しい近似式を求め、これら近似式の時刻軸
切片の平均値をゼロクロス点の近似値とするものであ
る。
【0023】なお、前記2組の対データ群は、電圧絶対
値が最小である対データ(以下、最小対データと称す
る)をともに含み、他の対データは重複するものがあっ
てもよいが、云うまでもなく2組の対データ群は同一と
ならないようにしなければならない。
【0024】次に、上述した第1の演算方式の具体例を
図3(a)、(b)に基づいて説明する。なお、図3(a)は図
2に示した受信波形グラフにおけるゼロクロス点q1
近を拡大して示し、図3(b)は(a)をさらに拡大して示す
ものである。
【0025】まず、第1の対データ群として前記最小対
データa1と、その他の対データa2、a3、b1等を選
び、第2の対データ群として同じく最小対データa
1と、その他の対データa2、b1、b2等を選ぶ。
【0026】これら2つの対データ群につき、電圧値を
変数とし、時刻をその関数とする次数の等しい近似式を
それぞれ求め、これら2つの近似式L1、L2の時刻軸切
片r 1およびr2の平均値を前記ゼロクロス点q1の近似
値とする。
【0027】ここで、上記近似式として電圧値を変数と
し、時刻をその関数とする理由は、これと逆の場合に比
べて時刻切片を求めるのが遥かに容易な点にある。
【0028】すなわち、時刻を変数、電圧値をその関数
とし、次数が2次以上の近似式である場合、時刻切片を
求めるには、電圧を表す時刻の多次式の各項の係数を求
めた後に式の根を算出しなければならないので、計算が
煩雑になるからである。
【0029】上述のようにして求めたゼロクロス点q1
の近似値から超音波の伝播時間を求め、流体の流方向に
対する正逆方向の伝播時間の差から流量信号が得られ
る。なお、各対データ群を構成する対データの数は通常
偶数でよいが、データ数によっては奇数がよい結果を与
えることもある。
【0030】次に上述した第1の演算方式における実施
態様について説明する。前記2組の対データ群における
対データの個数について、前記最小対データの電圧極性
に応じ、nを整数として一方の対データ群は最小対デー
タと同一の極性側にさらにn+1個、反対の極性側にn
個を選び、他方の対データ群は同一極性側にさらにn
個、反対側にn+1個を選ぶよう構成する。
【0031】一般に近似式を演算する際のデータ数が多
い程、近似精度は高まると考えられるが、ADC10の
サンプリングレートが超音波振動子の周波数に比べて十
分には高くない場合、データ数を増やせば近似式の次数
を挙げる必要が生じ、計算が煩雑になる割には精度は向
上せず、前記数値例ではnとしてn=1が好適である。
【0032】また、近似式として、一般に最小自乗法に
よる式を使用するが、データ数と近似式の次数の差を1
としていわゆる補間公式を使用するのが簡便である。な
お、図3は直線近似の例を示している。
【0033】<実施態様1−1>次に、第1の演算方式
につき、実際の測定において得られる受信波形に近い波
形を想定した数値シミュレーションの結果を図4乃至図
6に基づいて説明する。図4は受信信号の模擬波形であ
り、その周波数は2MHz、ADC10のサンプリング
レートは50MS/sとしてある。
【0034】同図4中に示した6つのゼロクロス点q1
〜q6につき、第1と第2の各対データ群における対デ
ータ数を4とし、近似式には最小自乗法による直線近似
式を使用してADC10のサンプリングの位相が変化し
たときのゼロクロス時刻誤差をシミュレーションにより
求めた結果を図5に示す。
【0035】ここで、横軸は各ゼロクロス点を基準とす
る最小対データの時刻を表し、その極性は受信波形の尾
に向かう方向を正としている。
【0036】この図5に示された結果から、各ゼロクロ
ス点によって誤差は異なるが、そのサンプリング位相変
化による誤差変動すなわち安定性は100ps程度に収
まっていて、十分実用になることがわかる。なお、この
誤差そのものは伝播時間の一部として扱うことができ
る。
【0037】<実施態様1−2>さらに、図6は第1と
第2の各対データ群における対データ数を4とし、近似
式には電圧値を変数とし、時刻をその関数とする補間3
次式を使用したときの誤差を示し、その位相変化による
誤差変動は最も大きいゼロクロス点q1においても40
ps程度に減少しており、精度の高い測定を行なえるこ
とがわかる。
【0038】<第2の演算方式>次に、本発明に係る第
2の演算方式について説明する。上述した第1の演算方
式においては2組の対データ群に基づいて2つの近似式
を求めたが、この第2の演算方式においては、ゼロクロ
ス点q1の前後時刻における複数の対データを選んで1
つの対データ群とし、この対データ群を構成する対デー
タに基づいて3次以上の次数の近似式を1つ求め、この
近似式の時刻軸切片を前記ゼロクロス点の時刻近似値と
する。なお、上記対データ群は前記最小対データを必ず
含むものとする。
【0039】具体的には、対データ群を最小データa1
と、その他の対データa2、a3、b1、b2、b3等を選
び、これらの対データにつき電圧値を変数とし、時刻を
その関数とする3次以上の次数の近似式を1つ求め、こ
の近似式の時刻軸切片をゼロクロス点q1の時刻近似値
とする。
【0040】そして、この時刻近似値より超音波の伝播
時間を求め、流体の流方向に対する正逆方向の伝播時間
の差から流量信号を得る。なお、近似式として電圧値を
変数とし、時刻をその関数とする理由は、第1の演算方
式と同じであり、時刻切片を求めるのが容易である点に
ある。
【0041】ところで、複数の対データから近似式を演
算してゼロクロス点を求めるには、最小自乗法による直
線(1次式)を使用するのが一般的であるが、この演算
方法では伝播時間の演算に適用する場合近似精度が不十
分であるので、上述した第2の演算方式では3次以上の
次数の近似式を用いている。
【0042】上述した第1の演算方式と第2の演算方式
とを比較すると、近似式を得るのに用いる対データの総
数が同じである場合、第1の演算方式では2つの近似式
を使用するので、近似式の次数が少なくて済み、したが
って、時間軸切片の計算が第2の演算方式よりも容易で
ある。ただし、近似精度は一般に第2の演算方式の方が
優れているので、必要に応じていずれかの方式を選ぶ。
【0043】また、上述した各演算方式の説明では、1
つのゼロクロス点の近似値を求める場合について述べた
が、複数のゼロクロス点について上述した各演算方式と
同様の手順で近似値を求め、得られた複数の時刻近似値
を平均すれば、より精度と安定度の高い伝播時間が得ら
れ、したがって高精度の流量測定を行なうことができる
ことは明らかである。
【0044】<実施態様2−1>次に上述した第2の演
算方式における実施態様について説明する。前記対デー
タ群を構成する対データとして、前記最小対データと、
この最小対データの時刻前と同時刻後に分布する対デー
タをそれぞれ2個ずつ選び、これら5つの対データに基
づいて電圧値を変数とし、時刻をその関数とする近似式
として最小自乗法による3次近似式を使用したときのシ
ミュレーション結果を図7に示す。
【0045】このシミュレーション結果から、第2の演
算方式により得られたゼロクロス点の近似値は実用上十
分な精度を有するということがわかる。
【0046】<実施態様2−2>さらに、図8は第2の
演算方式において、対データ群を構成する対データを、
最小対データと同一の極性側にさらに1個、反対の極性
側に2個を選び、これら4つの対データにつき電圧値を
変数とし、時刻をその関数とする3次補間式を使用した
ときの誤差を示し、その位相変化による誤差変動は図6
に示した第1の演算方式によるシミュレーション結果よ
り少なく、良好な結果が得られた。
【0047】<他の実施例>本発明に係る超音波流量計
における検出器の構成としては、図1に示すように流路
用管体1に直管1aの両端に超音波振動子2a、2bを
設ける構成の他に、例えば図9に示すように超音波振動
子12a、12bを、直管よりなる流路用管体13の外
周に設けたいわゆるクランプオン形とする場合もあり、
図1の構成と同様に適用できて良好な結果が得られる。
【0048】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、受信
波形のゼロクロス点の時刻近似値を2つの近似式からま
たは3次以上の1つの近似式から演算して求めるので、
十分に高い分解能を得ることができるとともに、ADC
のサンプリング位相の変動にかかわらず、安定した高精
度の計測を行なうことができ、優れた測定精度の超音波
流量計を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波流量計の構成図。
【図2】本発明における受信波形を示すグラフ。
【図3】(a)は図2のグラフにおけるゼロクロス点付近
を拡大して示すグラフであり、(b)はさらに拡大して示
すグラフ。
【図4】受信波形を模擬した波形を示すグラフ。
【図5】実施態様1−1による誤差評価の一例を示すグ
ラフ。
【図6】実施態様1−2による誤差評価の一例を示すグ
ラフ。
【図7】実施態様2−1による誤差評価の一例を示すグ
ラフ。
【図8】実施態様2−2による誤差評価の一例を示すグ
ラフ。
【図9】本発明の流量計における検出器の他の例を示す
一部破断正面図。
【図10】従来の伝播時間差方式による超音波流量計の
構成図。
【符号の説明】 1 流路用管体 2a、2b 超音波振動子 3 切替器 4 励振電圧源 5 増幅器 6 第1のコンパレータ 7 参照電圧 8 第2のコンパレータ 9 データ処理装置 10 アナログ・デジタル変換器 11 高速デジタル信号処理器 12a、12b 超音波振動子 13 流路用管体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 重田 邦和 東京都八王子市打越町983−55 有限会社 テクノデータ内 Fターム(参考) 2F035 DA14 DA23

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 流路用管体の流体の流れ方向上流側と
    下流側における流路用管体の外側にそれぞれ取り付けた
    1対の超音波振動子と、これら1対の超音波振動子の送
    信、受信を交互に切り替える切替器と、流体内を伝播す
    る超音波により受信側の振動子に生じる受信信号を増幅
    する増幅器と、増幅された受信信号のゼロクロス点を測
    定して上流向けおよび下流向け伝播時間を求め、この伝
    播時間から流量信号を算出するデータ処理装置を備え、
    (b) 前記データ処理装置は前記増幅後の受信信号の増幅
    波形を複数の電圧値−時刻の対データに変換し、(c) か
    つ、前記増幅波形が時刻軸と交差する複数のゼロクロス
    点のうち、少なくとも1個のゼロクロス点を選び、この
    ゼロクロス点の前後時刻に分布する複数個の前記対デー
    タの中から、電圧絶対値が最小の対データを含む複数の
    対データを選んで第1の対データ群とし、同じく電圧絶
    対値が最小の対データを含み、第1の対データ群とは構
    成が同一ではない複数の対データを選んで第2の対デー
    タ群とし、各対データ群を構成する複数の対データに基
    づき、電圧値を変数とし、時刻をその関数とする等次数
    の近似式をそれぞれ求め、これら2式の時刻軸切片の平
    均値をもって前記ゼロクロス点の時刻近似値とするとと
    もに、この近似値により超音波の送信より受信までの伝
    播時間が算出される伝播時間差方式による超音波流量
    計。
  2. 【請求項2】前記第1の対データ群と第2の対データ群
    は、nを整数として前記電圧絶対値が最小の対データの
    電圧極性に応じ、一方の対データ群においては同一極性
    側にさらにn+1個、反対の極性側にn個の対データが
    選ばれ、他方のデータ群においては同一極性側にさらに
    n個、反対の極性側にn+1個の対データが選ばれる請
    求項1に記載の伝播時間差方式による超音波流量計。
  3. 【請求項3】前記nを、n=1とする請求項2に記載の
    伝播時間差方式による超音波流量計。
  4. 【請求項4】前記2つの近似式を、ともに最小自乗法に
    より得られる直線とする請求項1に記載の伝播時間差方
    式による超音波流量計。
  5. 【請求項5】(a) 流路用管体の流体の流れ方向上流側と
    下流側における流路用管体の外側にそれぞれ取り付けた
    1対の超音波振動子と、これら1対の超音波振動子の送
    信、受信を交互に切り替える切替器と、流体内を伝播す
    る超音波により受信側の振動子に生じる受信信号を増幅
    する増幅器と、増幅された受信信号のゼロクロス点を測
    定して上流向けおよび下流向け伝播時間を求め、この伝
    播時間から流量信号を算出するデータ処理装置を備え、
    (b) 前記データ処理装置は前記増幅後の受信信号の増幅
    波形を複数の電圧値−時刻の対データに変換し、(c) か
    つ、前記増幅波形が時刻軸と交差する複数のゼロクロス
    点のうち、少なくとも1個のゼロクロス点を選び、この
    ゼロクロス点の前後時刻に分布する複数個の前記対デー
    タの中から、電圧絶対値が最小の対データを含む複数の
    対データを選んで対データ群とし、この対データ群中の
    対データに基づき、電圧値を変数とし、時刻をその関数
    とする3次以上の次数を有する近似式を求め、この式の
    時刻軸切片の平均値をもって前記ゼロクロス点の時刻近
    似値とするとともに、この近似値により超音波の送信よ
    り受信までの伝播時間が算出される伝播時間差方式によ
    る超音波流量計。
  6. 【請求項6】前記対データ群は、nを整数として前記電
    圧絶対値が最小の対データの時刻の前後からさらにそれ
    ぞれn個ずつの対データが選ばれる請求項5に記載の伝
    播時間差方式による超音波流量計。
  7. 【請求項7】前記nを、n=2とする請求項6に記載の
    伝播時間差方式による超音波流量計。
  8. 【請求項8】前記対データ群は、nを整数として前記電
    圧絶対値が最小の対データの時刻の前後に、この対デー
    タの電圧極性に応じて、同一極性側にさらにn+1個、
    反対の極性側にn個の対データが選ばれる請求項5に記
    載の伝播時間差方式による超音波流量計。
  9. 【請求項9】前記対データ群は、nを整数として前記電
    圧絶対値が最小の対データの時刻の前後に、この対デー
    タの電圧極性に応じて、同一極性側にさらにn個、反対
    の極性側にn+1個の対データが選ばれる請求項5に記
    載の伝播時間差方式超音波流量計。
  10. 【請求項10】前記nを、n=1とする請求項8および
    9に記載の伝播時間差方式超音波流量計。
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