JP2003138201A - 建物の浄化塗材及び浄化塗着工法 - Google Patents

建物の浄化塗材及び浄化塗着工法

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JP2003138201A
JP2003138201A JP2001372028A JP2001372028A JP2003138201A JP 2003138201 A JP2003138201 A JP 2003138201A JP 2001372028 A JP2001372028 A JP 2001372028A JP 2001372028 A JP2001372028 A JP 2001372028A JP 2003138201 A JP2003138201 A JP 2003138201A
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Takashi Sugai
敬 菅井
Hironobu Miura
広宣 三浦
Shoei Miura
将栄 三浦
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 建物空間の下地材や内装材表面に簡便に且強
靭強固な塗着層が形成でき、而も揮発性有機化合物や臭
気ガスの吸着と分解消去及び調湿作用とにより浄化せし
め、安全で衛生的且快適な建物空間になしえる建物の浄
化塗材及び浄化塗着工法を提供する。 【構成】 平均粒径が10乃至100μmで比表面積が
70m/g以上並びに塩基置換容量(meq/100
g)が160mg以上で且吸湿能力が50%以上の人工
ゼオライト粉体30乃至50%重量割合と、セルロース
誘導体成分が2乃至5%割合の水溶液からなる透気透湿
塗着剤15乃至25%重量とを予め混合し、更にアクリ
ル樹脂若しくは共重合樹脂成分が30乃至45%割合の
エマルジョン溶液からなる塗着層形成剤25乃至45%
重量割合、及び水7乃至15%重量割合で混合され、且
粘度が20,000乃至40,000ポイズに調整され
てなる建物の浄化塗材、及び該浄化塗材を鏝若しくは塗
着ローラーにより若しくは加水により粘度低下を図った
うえ噴霧器により建物空間内の被着体面に直接塗着層を
塗着形成させる浄化塗着工法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は密閉性の高い建物空間に
おいて発生する揮発性有機化合物や臭気ガスの拡散滞留
や結露の発生、並びに細菌、黴の繁殖或いは衛生害虫の
蝟集等により汚染された建物空間を浄化する建物の浄化
塗材及び浄化塗着工法に関する。
【0002】近年における建物は、建築構造や付帯する
建築金物の寸法精度の向上とともに新建材や内装材の使
用とも相俟って密閉性が著しく高まっており、これがた
め内装材自体を初め塗料や施工に係る接着剤等から揮散
する揮発性有機化合物が建物空間内に拡散滞留して数多
の疾病が惹起され、更に密閉性の高まりにより建物空間
が年間を通して温暖化するため、食物残滓や使用者の汗
や体液或いは皮膚等の落下物が短時に変性や腐敗して臭
気を発生するとともに、該臭気が内装材や家具調度品等
に付着浸透し、且結露の発生とともに細菌特には黴の繁
殖が増長されてこれによる異臭の発生とともに、ダニ等
の衛生害虫が蝟集し著しく建物空間内が不快且非衛生的
となるばかりか、これら細菌や黴或いは衛生害虫等の死
骸がアレルゲンとなってアトピー性皮膚炎や喘息を発症
せしめる結果ともなっている。
【0004】とりわけ揮発性有機化合物中のホルムアル
デヒドは、シックハウス症候群の原因物質中最も危険性
が高いことから、住宅の品質確保の促進等に関する法律
により、その濃度表示の義務が課せられるに至ってい
る。これがため建築業界においてはこれの濃度測定に対
し積極的に取組みはじめたものの、現状においては内装
材自体はもとより塗料や接着剤においてもホルムアルデ
ヒドを含む揮発性有機化合物を排除せしむることは事実
上不可能とされ、而もこれら揮発性有機化合物の濃度が
測定されたとしても、その有効な対処手段は開発されて
いない。
【0005】従ってかかるシックハウスに対処すべき有
効な手段は、建物空間内の空気と外気との積極的換気を
図るしかないが、建物空間内の空気は冬期における暖房
や夏期における冷房等により適温に保持されてなるた
め、これら空気を換気させることは再び膨大な暖房や冷
房エネルギーを消費することとなり莫大な維持コストが
強いられるばかりか、各区画毎に換気装置を設置する必
要も生じその設置コストも莫大なものとなる。
【0006】発明者等はかかる状況に鑑み研究を重ねた
結果、従来周知の天然ゼオライトが微細で且膨大な多孔
質の構造を有し揮発性有機化合物や臭気ガス等に対して
吸着性を保持することを初め、塩基置換性や触媒作用或
いは調湿作用も保持することが知られており、既に数多
の製品開発がなされてきたものの実用性能を発揮するま
でに至らず結局土壌改良材の一部として利用されている
に過ぎない。
【0007】他方において発明者等は産業廃棄物として
の鋳造廃砂の再資源化のための人工ゼオライト生産に参
画し、その生成された人工ゼオライトが微粒状で微細且
膨大数の微孔を有し、揮発性有機化合物や臭気ガスに対
し優れた吸着性とともに吸着容量も著しく大きく、而も
高い塩基置換性を保持することから吸着された揮発性有
機化合物や臭気ガスを分解消去しえること、及び吸着量
の飽和が排除され吸着性が長期に亘って保持されるこ
と、或いは過剰な湿気に対して優れた吸湿性を保持する
とともに、この吸湿された水分を結晶構造の間隙内に保
水し且乾燥に伴って放湿させる所謂高い調湿作用が発揮
されることに着目し本発明に至った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】即ち本発明は密閉性の
高い建物空間の下地材や壁或いは内装材の表面に簡便に
且強靭で強固な塗着層が形成でき、而も建物空間内の揮
発性有機化合物や臭気ガスの吸着と分解消去及び多湿時
の吸湿と乾燥時の放湿に伴う調湿作用で建物空間を浄化
せしめ、以って安全で衛生的且快適な建物空間となしえ
る建物の浄化塗材及び浄化塗着工法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに本発明が用いた技術的手段は、浄化塗材として揮発
性有機化合物や臭気ガスの積極的吸着並びに過剰湿気の
吸湿と放湿をなさしめるうえからは特定の吸着性並びに
吸湿性等の条件を具備する人工ゼオライト粉体を採用す
る必要があり、この吸着性や吸放湿性を積極的に発揮さ
せるうえからは人工ゼオライト粉体の接触表面積率が極
めて大きなことが好適であること、及び塗着層の形成に
際して塗着表面を平滑に形成せしむるうえから、その平
均粒径としては少なくとも10μmから最大100μm
のものが選ばれ、且揮発性有機化合物や臭気ガスを効率
良く吸着させ若しくは湿気を吸放湿せしむるためには十
分な吸着容量或いは吸湿容量が望まれるため、その比表
面積において少なくとも70m/g以上のものが選ば
れる。加えて本発明は建物空間の下地材や壁或いは内装
材表面に塗着され且長期に亘って揮発性有機化合物や臭
気ガスの分解消去による安全性の確保と消臭及び吸着容
量の飽和を排除し吸着性を維持させるためには高い塩基
置換性が要請されることから、その塩基置換容量(me
q/100g)が少なくとも160mg以上のものが選
ばれ、而も建物空間内における過剰湿気の吸湿と乾燥時
の放湿により結露の防止と細菌、黴の繁殖を抑制し衛生
的且快適な建物空間の環境を形成せしめるうえから、そ
の吸湿能力としては少なくとも50%以上の人工ゼオラ
イト粉体が選択使用される。
【0010】そしてかかる人工ゼオライト粉体の優れた
性能を発揮せしめて長期に亘り建物空間の浄化を図るた
めには、該人工ゼオライト粉体を建物空間内の下地材や
壁或いは内装材表面に所要の厚さを以って簡便に且強靭
で強固な塗着層を形成させるために浄化塗材として使用
するものであって、この浄化塗材は下地材や壁或いは内
装材表面に強靭且強固な塗着層を形成させる塗着層形成
剤により人工ゼオライトが保持する吸着性や吸湿性が阻
害されぬよう、予め人工ゼオライト粉体30乃至50%
重量に対してセルロース誘導体成分が2乃至5%割合の
水溶液からなる透気透湿塗着剤15乃至25%重量割合
とを予め混合させたうえ、更に下地材や壁或いは内装材
表面に強靭で且強固な塗着層を形成させるためにアクリ
ル樹脂成分若しくはアクリル共重合樹脂成分が30乃至
45%割合のエマルジョン溶液からなる塗着層形成剤を
25乃至45%重量割合と且水を7乃至15%重量割合
で混合させ、而も多様な塗着手段で塗着可能なようその
粘度を20,000乃至40,000ポイズに調整させ
てなる浄化塗材の構成に存するもので、更にセルロース
誘導体成分としてヒドロキシプロピルメチルセルロース
を用いる構成、及び該浄化塗材を下地材や壁に塗着し内
装仕上げとなし若しくは内装材の外表面に塗着層を形成
させる場合には美装価値も要請されるため、その全体量
に対して酸化チタン、酸化鉄、黄土、酸化クロム、コバ
ルト青若しくは群青、カーボンブラック等からなる無機
顔料が3乃至6.5%重量割合で混合された構成の建物
の浄化塗材に存する。
【0011】そしてかかる建物の浄化塗材の塗着手段と
しては、塗着層形成剤としてのアクリル樹脂若しくはア
クリル共重合樹脂成分が30乃至45%割合のエマルジ
ョン溶液の塗着性と且浄化塗材全体の粘度とにより、鏝
や塗着ローラーへの添着と離着所謂鏝離れやローラー離
れを保持し而も塗着性も保持されてなるもので、塗着層
を薄く形成させる場合にはペイントローラー、ウーロー
ラーに添着させ、或いは塗着層をやや厚めに形成させる
場合にはスポンジローラーや砂骨ローラーに添着させ、
更には十分な厚さを以って形成させる場合には鏝を用い
て建物内の下地材や壁或いは内装材表面に所要の厚さを
以って直接塗着して塗着層を形成させる浄化塗着工法の
構成、及び広大な建物空間内の塗着手段としては該浄化
塗材に適宜割合量の加水をなし、低粘度となしたるうえ
噴霧器を用いて下地材や内装材表面に直接噴霧塗着させ
る浄化塗着工法の構成に存する。
【0012】
【作用】本発明は上述の如き構成を用いてなるため、次
のような特有の作用を有する。即ち浄化塗材においては
使用される人工ゼオライト粉体の平均粒径が10乃至1
00μmで比表面積が少なくとも70m/g以上並び
に塩基置換容量(meq/100g)が160mg以上
で且吸湿能力が50%以上のものが選択され、而も該人
工ゼオライト粉体の30乃至50%重量割合相当に対し
て透気透湿塗着剤としてセルロース誘導体成分が2乃至
5%割合の水溶液15乃至25%重量割合相当とが予め
混合されるため、吸着性や吸湿性に係る人工ゼオライト
粉体表面に膨大数に存在する微孔が、該セルロース誘導
体成分により包着されるとともに、次いで下地材や内装
材表面等の被着体と強固な塗着をなし、且形成される塗
着層に強靭性を付与せしめるアクリル樹脂若しくはアク
リル共重合樹脂成分が30乃至45%割合のエマルジョ
ン溶液25乃至45%重量割合相当と、及び水7乃至1
5%重量割合相当とが混合され、その粘度が20,00
0乃至40,000ポイズに調整されてなるから、塗着
層形成剤のアクリル樹脂若しくはアクリル共重合樹脂成
分の塗着性と且粘度により鏝やローラーへの添着と鏝離
れやローラー離れが極めて良くなり所望の厚さの塗着層
が均質に形成しえるとともに人工ゼオライト粉体の粒径
も100μm以下であるから塗着層の表面が平滑に仕上
る。
【0013】そして浄化塗材の塗着乾燥により形成され
る塗着層内の人工ゼオライト粉体の微孔を包着している
セルロース誘導体成分は、その大半の水の蒸散による乾
燥に伴い吸着性や吸湿性を保持するとともに、塗着層の
強靭性付与のためのアクリル樹脂若しくはアクリル共重
合樹脂成分も55乃至70%が水分で、浄化塗材に対す
る成分割合は実質的に7乃至20%程度であるから、水
分蒸散により大多数の蒸散孔や間隙が生成され、人工ゼ
オライト粉体の保持する吸着性や吸湿性が阻害されず十
分に発揮されることとなる。
【0014】
【実施例】以下に本発明実施例を図とともに説明すれ
ば、図1は人工ゼオライト粉体1の拡大説明図であって
本発明は密閉性の高い建物空間内に拡散滞留し、或いは
発生する揮発性有機化合物や臭気ガスの吸着と分解並び
に消臭、及び過剰な湿気の吸湿と乾燥時の放湿所謂調湿
により安全で快適且衛生的建物空間を提供するものであ
って、該揮発性有機化合物や臭気ガスの吸着分解と消臭
及び調湿は人工ゼオライト粉体1に依拠するものである
から、使用する人工ゼオライト粉体1は特定の性能条件
のものが選択される必要がある。
【0015】即ち建物空間内に拡散滞留し或いは発生す
る揮発性有機化合物や臭気ガスは極めて静かな流動状態
にあるため、建物内の天井面や壁面に塗着される塗着層
3内の人工ゼオライト粉体1は接触表面積率の大きなも
のにより積極的な吸着や吸湿を図る必要があるため、平
均粒径としては少なくとも10μmから最大100μm
のものが望まれるもので、かかる理由はその平均粒径が
10μm以下の微粒状のものでは取扱い性に難点がある
こと、及びその平均粒径が100μm以上となると塗着
された塗着層3の表面状態が悪くなることにある。加え
て使用する人工ゼオライト粉体1は拡散滞留し或いは発
生する揮発性有機化合物や臭気ガスを効率良く吸着吸湿
させる必要上十分に大きな吸着容量或いは吸湿容量を具
備することが望まれる。そしてかかる吸着容量や吸湿容
量は塗着層3の形成時における実質的吸着容量や吸湿容
量が大きく保持されることにあるから塗着層3の形成に
際しては人工ゼオライト粉体1の吸着性や吸湿性に係る
微細且膨大数の微孔1Aの閉塞による吸着容量や吸湿容
量の低下を予め考慮しておくことが肝要で、これがため
には吸着容量や吸湿容量所謂比表面積が少なくとも70
/g以上好ましくは120乃至150m/g以上
のものが必要となる。
【0016】更に本発明は建物空間の天井や壁面に塗着
されたうえ長期間に亘って揮発性有機化合物や臭気ガス
を吸着し分解並びに消臭をなさしむるものであるから、
単に積極的且効率的に吸着させるのみでは短時に吸着飽
和に至り吸着性はもとより揮発性有機化合物の分解や消
臭効果が喪失される結果となる。これがため選択される
人工ゼオライト粉体1は吸着された揮発性有機化合物や
臭気ガスを分解消去せしめて吸着飽和を排除しえる高い
塩基置換性を保持するものが望まれるため、その塩基置
換容量(meq/100g)としては少なくとも160
mg以上好ましくは200乃至240mg以上のものが
使用される。更に過剰な湿気を吸湿させてその水分を結
晶構造間隙内に保水させ、且乾燥に際して放湿させて建
物空間内を安定した湿度に保持し、結露の防止とともに
細菌や黴の繁殖を抑制させて快適且衛生的な建物空間と
なすうえから、その吸湿能力において少なくとも50%
以上好ましくは70%以上の人工ゼオライト粉体1が採
用される。加えてかかる人工ゼオライト粉体1の選択に
際して考慮すべきは、人工ゼオライトの生成における前
処理において苛性ソーダが使用される場合にはNaイオ
ンを保持するナトリウム型ゼオライトが生成されるが、
本発明の如き揮発性有機化合物や臭気の吸着と分解消去
を効果的になしうるうえからは、CaイオンやFeイオ
ン或いはMgイオンに置換させたものが望まれる。
【0017】かくして選択された人工ゼオライト粉体1
は、建物空間内の下地材や壁若しくは内装材表面等の被
着体面3Aに所要の厚さで塗着層3を形成せしめ実用使
用がなされるものであるから、該塗着層3を形成する浄
化塗材2の作成が必要となる。即ちこの浄化塗材2は人
工ゼオライト粉体1を広範な被着体面3Aと強固に塗着
しえる塗着性や、塗着形成に際して鏝やローラー等の塗
着具との添着及び離着所謂鏝離れやローラー離れが良
く、而も塗着形成される塗着層3の人工ゼオライト粉体
1が揮発性有機化合物や臭気ガスの吸着や分解消去或い
は調湿を発揮しえ、且良好な仕上がりが実現できるもの
でなくてはならない。
【0018】これがため浄化塗材2は、図2に示すよう
に人工ゼオライト粉体1を全体量に対して30乃至50
%重量割合で用いるとともに、透気透湿塗着剤2Aとし
て全体量に対して15乃至25%重量割合で且セルロー
ス誘導体成分が2乃至5%割合の水溶液とを予め混合さ
せる。即ち該透気透湿塗着剤2Aと人工ゼオライト粉体
1とを予め混合させる所以は塗着層3の被着体面3Aに
対する塗着性と形成される塗着層3に強靭性を付与せし
めるために混合される塗着層形成剤2Bにより人工ゼオ
ライト粉体1の外表面の膨大数の微孔1Aが包被閉塞さ
れて吸着性や吸湿性が阻害されることを防止するため、
該透気透湿塗着剤2Aで予め人工ゼオライト粉体1の外
表面を包着させることにある。セルロース誘導体成分は
塗着剤として使用した場合に、その乾燥時には透気性や
透湿性を保持することが知られており且実質的なセルロ
ース誘導体成分も0.3乃至1.2%程度であるため、
人工ゼオライト粉体1の吸着性や吸湿性が十分発揮され
ることとなる。セルロース誘導体成分としてはメチルセ
ルロース、エチルセルロース、ベンジンセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース等が挙げられるが、特に注目
すべきはヒドロキシプロピルメチルセルロースは形成さ
れる塗着層3における揮発性有機化合物や臭気ガスの吸
着性が極めて優れることにある。
【0019】人工ゼオライト粉体1と透気透湿塗着剤2
Aとが所要の重量割合で混合されたうえは、更に全体量
に対してアクリル樹脂若しくはアクリル共重合樹脂成分
が30乃至45%割合のエマルジョン溶液からなる塗着
層形成剤2Bが25乃至45%重量割合及び水が7乃至
15%重量割合で混合される。この塗着層形成剤2Bは
形成される塗着層3の被着体面3Aとの強固な塗着性と
且形成される塗着層3に十分な強靭性や耐久性を付与せ
しめるものであって、アクリル樹脂成分としてはアクリ
ル酸エステルやメタクリル酸エステルが挙げられるが、
具体的にはアクリル共重合樹脂として使用されることが
一般的で塗着層3に柔軟性を付与せしめるうえからはア
クリル酸ブチルやアクリル酸2−エチルエキシル等が、
更に塗着層3の硬度を高めるうえからはアクリル酸スチ
レンやアクリル酸メタクリル酸メチル等が挙げられる。
【0020】加えて全体量に対し7乃至15%重量割合
の水2Cが混合される所以は、本発明においては被着体
面3Aに所要の厚さを以って塗着層3を形成させ使用に
供されるものであり、該塗着層3の形成には塗着具4と
して左官用の鏝4Aやペイントローラー、ウーローラ
ー、スポンジローラー或いは砂骨ローラー等の塗着ロー
ラー4Bが使用されるもので、塗着に際してこれら塗着
具4への添着性と離着性所謂鏝離れやローラー離れが重
要な要件とされ、且塗着時における塗着層3のタレの発
生が無く而も塗着層3の均質な形成も極めて重要とされ
る。更に塗着具4により簡便な塗着を図るうえからは、
その粘度が少なくとも20,000ポイズ以上で最大で
も40,000ポイズが要請されるため、かかる粘度の
調整のために水2Cが加水されて本発明建物の浄化塗材
2が形成される。
【0021】更に塗着層3は、建物空間内の下地材や壁
或いは内装材表面に塗着させることから美装価値も求め
られる。従って浄化塗材2に対して3乃至6.5%重量
割合で酸化チタン、酸化鉄、黄土、酸化クロム、コバル
ト青若しくは群青、カーボンブラックからなる無機顔料
2Dが混合され適宜の着色を施すことが望まれる。
【0022】而してかかる浄化塗材2を用いて塗着層3
を塗着形成する手段についてみると、図3は塗着された
塗着層3の断面説明図、図4は塗着ローラー4Bを用い
てなる塗着方法の説明図であって、塗着方法としては予
め所要量の浄化塗材2を塗材バット4C内に注入してお
き、この注入された浄化塗材2の上面に塗着ローラー4
Bを接触摺動させながら浄化塗材2を該塗着ローラー4
Bに添着させたうえ被着体面3Aに直接塗着させるもの
で、かかる場合に留意すべきは塗着ローラー4Bとして
ペイントローラーやウーローラーの如き塗着ローラー面
が平滑なものでは、その粘度によっても多少異るが略
0.2乃至0.4mm程度の比較的薄い塗着層3の形成
となるため、厚い塗着層3の形成には数回に亘る重ね塗
りが必要となるが、反面において形成される塗着層3は
極めて均質で良好な表面状態に仕上げることができる。
【0023】更に厚い塗着層3を形成させる場合にはス
ポンジローラーや砂骨ローラーの使用が好適であるが、
形成される塗着層3の表面状態が粗雑な仕上がりとなる
ため塗着層表面の均しが望まれる。無論非常に厚い塗着
層3の形成に際しては鏝の使用が用いられる。他方大き
な建物施設等における建物空間は広大な面積に及ぶた
め、かかる鏝4Aや塗着ロール4Bによる塗着層3の形
成では莫大な労力時間が強いられることとなる。そこで
かかる場合においては噴霧による塗着方法が有利であっ
て、かかる噴霧による塗着方法では図5に示す如き噴霧
器4Dが使用されるもので、該噴霧気4Dには特段制約
はなく、その上部に浄化塗材2を所要量注入させる注入
タンク40Dを有し且一方側には加圧空気を供給する加
圧ホース41Dが連結され且他方側に噴霧のための噴霧
ノズル42Dを設けた構造のものが挙げられる。
【0024】当然にかかる噴霧による塗着方法において
は、使用する浄化塗材2が良好に噴霧される程度にまで
粘度を下げてやることが要請されるもので、通常におい
ては浄化塗材2に対して略10乃至20%重量割合の加
水をなし、その粘度が略7,000乃至15,000ポ
イズ程度に低下させて使用される。そして好ましくは該
噴霧による塗着方法に用いる浄化塗材2としては、使用
する人工ゼオライト粉体1の平均粒径も10乃至30μ
m程度の微粒のものの使用が噴霧上望まれる。本発明に
おける建物の浄化塗着工法はかかる構成よりなるもので
あって、図6に示すように建物空間の下地材や壁或いは
内装材表面等の被着体面3Aに直接且所要の厚さで塗着
層3を噴霧塗着形成させれば良い。
【0025】以下に本発明浄化塗材で形成した塗着層に
おける揮発性有機化合物と臭気ガスの吸着分解性、及び
調湿性試験結果を述べれば試験装置としては厚さ5mm
の耐水ベニヤ板材で内容積1mの開閉蓋を有する密閉
箱を作成のうえ、その内壁面全体に厚さ1mmの塗着層
を形成させたものを使用した。この塗着層の形成に用い
た浄化塗材は人工ゼオライト粉体40%重量とヒドキシ
プロピルメチルセルロース3%水溶液を15%重量割合
で混合し、更にアクリルスチレン共重合樹脂成分35%
のエマルジョン溶液30%重量割合及び水20%重量割
合で混合し、粘度が27,000ポイズのものを使用し
た。試験に際しては前記塗着層が未形成の試験装置によ
るものを対照とし、吸着分解性試験にはホルムアルデヒ
ドガスとアンモニアガスを用い、且試験方法は試験装置
内にそれぞれのガスを所定濃度で注入し、初期ガス濃度
と時間経過毎の残留ガス濃度を測定し吸着分解性を判断
したもので、結果は表1に示すように揮発性有機化合物
や臭気ガスが短時に且著しく吸着分解されることが理解
される。
【0026】
【表1】
【0027】次に調湿性試験は同様試験装置を用い吸湿
性については装置内を所要湿度に保持し、初期湿度と時
間経過による湿度低下を測定して吸湿性を判断し放湿性
については所要の低湿度に保持し、その初期湿度と時間
経過による湿度上昇を測定し放湿性を判断したもので、
結果は表2の通り優れた調湿性が発揮されることが窺れ
る。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明は以上のように特定の性能を保持
する人工ゼオライト粉体が全体量に対し30乃至50%
重量割合で使用され、且該人工ゼオライト粉体が全体量
の15乃至25%重量割合で且セルロース誘導体成分を
2乃至5%割合の水溶液からなる透気透湿塗着剤と予め
混合されるため、人工ゼオライト粉体の吸着性や吸湿性
に係る膨大数の微孔がセルロース誘導体成分で包着さ
れ、而してアクリル樹脂若しくはアクリル共重合樹脂成
分が30乃至45%割合のエマルジョン溶液からなる塗
着層形成剤25乃至45%重量割合、及び水7乃至15
%重量割合で混合されたうえ、その粘度が20,000
乃至40,000ポイズに調整されて浄化塗材が形成さ
れ、更には該浄化塗材に対し3乃至6.5%重量割合で
無機顔料が混合されなるから、鏝や塗着ローラーへの添
着や鏝離れやローラー離れが極めて良く、且塗着層形成
剤の塗着性により広範囲の被着体面と直接に而も簡便に
所要の厚さの塗着層が強固に塗着形成しえるため、短時
間で能率良く塗着作業ができるばかりか適宜割合の加水
で自在に粘度を低下しえるため噴霧による塗着層の形成
ができ、広大な建物空間でも能率良く塗着作業がなしえ
るとともに形成される塗着層も均質な仕上げと且着色に
よる美装価値の高い塗着層が形成される。
【0030】そして塗着された塗着層はその乾燥に際
し、人工ゼオライト粉体を包着している透気透湿塗着剤
中の多量の水分及び塗着層形成剤中の多量の水分が塗着
層外に蒸散されるに伴い膨大数の蒸散孔を形成して蒸散
されるため、塗着層の痩せが殆んど生せず、従って少な
い浄化塗材量で所望の厚さの塗着層が形成できるととも
に、人工ゼオライト粉体が保持する積極的効率的吸着性
や吸湿性が阻害されぬため、建物空間内に拡散滞留し若
しくは発生する揮発性有機化合物や臭気ガスが吸着さ
れ、且その高い塩基置換性により分解消去されるため吸
着飽和が排除され長期間に亘って吸着性が保持され而も
消臭もなされるから、安全で快適な建物空間が創出され
る。更に人工ゼオライト粉体により高い調湿効果が発揮
されるため結露の発生防止はもとより細菌や黴の繁殖も
抑制されるばかりか、衛生害虫の蝟集も抑制されて極め
て衛星的な建物空間が創出される等、優れた多くの特長
を具備する建物の浄化塗材及び浄化塗着工法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】人工ゼオライト粉体の拡大説明図である。
【図2】浄化塗材の一部拡大説明図である。
【図3】塗着層の断面拡大説明図である。
【図4】塗着ローラーによる塗着方法の説明図である。
【図5】噴霧器の説明図である。
【図6】塗着層が形成された態様図である。
【符号の説明】
1 人工ゼオライト粉体 1A 人工ゼオライト粉体の微孔 2 浄化塗材 2A 透気透湿塗着剤 2B 塗着層形成剤 2C 水 2D 無機顔料 3 塗着層 3A 被着体面 4 塗着具 4A 鏝 4B 塗着ローラー 4C 塗材バット 4D 噴霧器 40D 注入タンク 41D 加圧ホース 42D 噴霧ノズル
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/02 C09D 5/02 5/16 5/16 7/12 7/12 101/00 101/00 E04B 1/62 E04B 1/62 Z 1/64 1/64 D E04F 13/02 E04F 13/02 A Fターム(参考) 2E001 DB03 DH00 DH21 FA03 FA10 FA14 GA03 GA06 HA00 JC03 JD02 4D075 AA02 AC48 AC57 CA34 DC02 EA05 EA13 EB01 EB07 EB22 EB52 EB56 EB57 EC01 EC02 EC54 4J038 BA022 BA032 CG001 HA036 HA216 HA436 KA08 MA08 MA10 NA05 PB05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が10乃至100μmで比表面
    積が70m/g以上並びに塩基置換容量(meq/1
    00g)が160mg以上で、且吸湿能力が50%以上
    の人工ゼイライト粉体30乃至50%重量割合を、セル
    ロース誘導体成分が2乃至5%割合の水溶液からなる透
    気透湿塗着剤15乃至25%重量割合とを予め混合し、
    更にアクリル樹脂若しくはアクリル共重合樹脂成分が3
    0乃至45%割合のエマルジョン溶液からなる塗着層形
    成剤25乃至45%重量割合及び水7乃至15%重量割
    合とを混合させ、その粘度が20,000乃至40,0
    00ポイズに調整されてなることを特徴とする建物の浄
    化塗材。
  2. 【請求項2】 セルロース誘導体成分がヒドロキシプロ
    ピルメチルセルロースである請求項1記載の建物の浄化
    塗材。
  3. 【請求項3】 全体量に対して酸化チタン、酸化鉄、黄
    土、酸化クロム、コバルト青若しくは群青、カーボンブ
    ラックからなる無機顔料が3乃至6.5%重量割合で混
    合される請求項1若しくは請求項2記載の建物の浄化塗
    材。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3記載の建物の浄化
    塗材を、鏝若しくはペイントローラー、ウーローラー、
    スポンジローラー或いは砂骨ローラーからなる塗着ロー
    ラーを用い、建物内下地材や壁若しくは内装材表面に所
    要の厚さを以って塗着層を直接塗着形成させることを特
    徴とする建物の浄化塗着工法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項3記載の建物の浄化
    塗材に適宜割合で加水し、低粘度となしたるうえ噴霧器
    により建物内の下地材や壁若しくは内装材表面に所要の
    厚さの塗着層を噴霧塗着形成させる建物の浄化塗着工
    法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012097507A (ja) * 2010-11-04 2012-05-24 Js Corp 内装改修方法
KR101535151B1 (ko) * 2013-05-16 2015-07-09 정영 흡습성 및 방습성을 가지는 기능성 실내용 건축마감재 조성물 및 그 제조방법
CN106752432A (zh) * 2016-12-28 2017-05-31 朱斌 一种制备湿敏型复合涂料的方法
CN106867351A (zh) * 2017-03-17 2017-06-20 陇东学院 黄土生态内墙乳胶漆及其制备方法
JP2018531090A (ja) * 2015-10-07 2018-10-25 ロディア・アツェトウ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツングRhodia Acetow GmbH 建築材における複合材料の使用、建築材及び空気浄化の方法

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