JP2003136198A - 輸送機器用アルミニウム合金の半溶融成型ビレットの製造方法 - Google Patents
輸送機器用アルミニウム合金の半溶融成型ビレットの製造方法Info
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Abstract
る製品が均質な輸送機器用アルミニウム合金の半溶融成
型ビレットの製造方法の提供。 【解決手段】 Cu4.0wt%以下、Si5.0〜1
0wt%、Mg0.2〜0.7wt%、Zn0.35w
t%以下、Fe0.55wt%以下、Mn0.5wt%
以下と、Ti0.005〜0.5wt%及びB0.00
01〜0.5wt%の少なくとも1種以上を含み、残部
が実質的にAlの組成から成り、共晶Siの平均粒径が
40μm以下でしかも、デンドライト枝間隔が200μ
m以下であるアルミニウム合金を製造し、次いで歪み率
5〜50%、加工導入速度11〜50mm/sec.で
200℃以下の温度で冷間型枠鍛造にて加工歪みを導入
し、その後共晶温度以上に昇温し、液相率が20〜80
%となる温度で保持して半溶融成型する。
Description
用いるアルミニウム合金の半溶融成型ビレットの製造方
法に関するものである。
スト法は、従来の金型鋳造法と比較し鋳造偏析やガス巻
き込み、引け巣等の欠陥が少なく、金型寿命が長いなど
の利点があり最近注目されている技術である。これに使
用するビレットの鋳造方法としては、ペネシー・アルマ
ックス方式として知られているビレット段階で初晶α
(Al)相を球状化するため、半溶融温度域で電磁撹拌
を行う方法(方式A)や、鋳造時に通常添加されている
量よりも多量のAl−Ti−Bを添加し、その後半溶融
温度域まで昇温し、初晶α(Al)相を球状化させる方
法(方式B)がある。また、押出・圧延にて歪みを導入
後、方式Bのように昇温し球状化させる方法(方式C)
が広く知られている。
場合、方式Aでは工程が非常に煩雑で、製造コストが高
くつく不具合があった。また、方式Bでは、多量のAl
−Ti−Bを添加するため溶融炉内でのTiB2沈降に
よる品質不安定が発生し、更に方式Cの圧延により歪み
を導入する方法は均一な歪みの導入が難しく、また押出
では常温押出により作業工程が煩雑で、しかも均一な歪
み導入が難しいし、両歪み導入法とも加工後の製品加工
が必要となり、量産化や低コスト化が図れないという問
題があった。
方法が開示されている。即ち、そこには第1項中に「完
全に固化した金属または金属合金材料をその再結晶温度
未満の温度で変形する工程、該材料の微小構造の再結晶
を起こさせるために変形材料を加熱する工程、および該
材料の温度をその固相線温度を上回る温度に上昇させる
ことによりチキソトロピック的な挙動を呈する液状マト
リックス中に独立した粒子を形成させるために、再結晶
構造を部分的に融解させる工程を備えた方法」である。
この方法は、該材料の微小構造の再結晶を起こさせるた
めに変形材料を加熱する工程、および該材料の温度をそ
の固相線温度を上回る温度に上昇させるといういわば2
段階加熱とも言うべき加熱が行われる。このような方法
は、従来の技術に比べれば、改善された技術と言える
が、やはり2段階の加熱を必要とし、工程が複雑で加熱
制御が難しいという問題があった。
工程が簡素で低コスト化を促進でき、得られる製品が均
質な輸送機器用アルミニウム合金の半溶融成型ビレット
の製造方法を提供することを目的とするものである。
め、本願の輸送機器用アルミニウム合金の半溶融成型ビ
レットの製造方法は、Cu4.0wt%以下、Si5.
0〜10wt%、Mg0.2〜0.7wt%、Zn0.
35wt%以下、Fe0.55wt%以下、Mn0.5
wt%以下と、Ti0.005〜0.5wt%及びB
0.0001〜0.5wt%の少なくとも1種以上を含
み、残部が実質的にAlの組成から成り、共晶Siの平
均粒径が40μm以下で、しかもデンドライト枝間隔
(DAS)が200μm以下であるアルミニウム合金を
製造し、次いで歪み率5〜50%、加工導入速度11〜
50mm/sec.で200℃以下の温度で冷間型枠鍛
造にて加工歪みを導入し、その後共晶温度以上に昇温
し、液相率が20〜80%となる温度で保持して半溶融
成型する方法である。
の分断球状化及び鋳造応力の解放のために、加工歪みを
導入する前に、450〜550℃の温度で1〜10時間
の均質化処理を行うと好ましい。
送機器用アルミニウム合金の半溶融成型ビレットの製造
方法は、Cu4.0wt%以下、Si5.0〜10wt
%、Mg0.2〜0.7wt%、Zn0.35wt%以
下、Fe0.55wt%以下、Mn0.5wt%以下
と、Ti0.005〜0.5wt%及びB0.0001
〜0.5wt%の少なくとも1種以上と、Sr0.00
1〜0.10wt%、Na0.003〜0.02wt%
及びSb0.05〜0.3wt%の中の少なくとも1種
以上を含み、残部が実質的にAlの組成から成り、共晶
Siの平均粒径が40μm以下でしかも、デンドライト
枝間隔(DAS)が200μm以下であるアルミニウム
合金を製造し、次いで歪み率5〜50%、加工導入速度
11〜50mm/sec.で200℃以下の温度で冷間
型枠鍛造にて加工歪みを導入し、その後共晶温度以上に
昇温し、液相率が20〜80%となる温度で保持して半
溶融成型する方法である。
の分断球状化及び鋳造応力の解放のために、加工歪みを
導入する前に、450〜550℃の温度で1〜10時間
の均質化処理を行うと好ましい。
合金成分量の数値限定等種々の数値限定理由について詳
述する。
スの強化に寄与するが、4.0wt%を超えると耐食性
が悪くなるので4.0wt%以下とした。
し、鋳造割れ・引け巣を改善し、耐摩摩耗性を向上させ
るが、その量が5.0wt%未満ではそれらの効果が少
なく、一方10wt%を超えると伸び・靱性が劣化し冷
間鍛造加工性が悪くなるので5.0〜10wt%とし
た。
上に寄与するが、0.2wt%未満ではその効果が少な
く、一方0.7wt%を超えるとMg2Siの析出量が
過多となり靱性の低下をまねくので0.2〜0.7wt
%とした。
35wt%を上限とした。
なり伸び・靱性・耐食性に悪影響を及ぼすが、0.55
wt%以下ならば実質的に悪影響が見られない。
るが、0.5wt%を超えると、Al−Fe−Si−M
n系化合物の脆い金属間化合物が多くなり、加工性に悪
影響を及ぼすので0.5wt%を上限とした。
割れの発生を防止するが、0.005wt%未満ではそ
の効果が少なく、一方0.5wt%を超えると、TiA
l3の巨大な晶出物の発生を促進させ、冷間鍛造加工時
の割れを生じるため0.005〜0.5wt%とした。
微細化し、鋳塊割れの発生を防止するが、0.0001
wt%未満ではその効果は小さく、一方0.5wt%を
超えると冷間鍛造加工時の割れをまねくので0.000
1〜0.5wt%とした。
伸びを向上させるが、その量が0.001wt%未満で
はそれらの効果が少なく、一方0.10wt%を超える
と加工性の低下や、ガス・介在物混入の原因となるため
その量を0.001〜0.10wt%とした。
伸びを向上させるが、その量が0.003wt%未満で
はそれらの効果が少なく、一方0.02wt%を超える
と流動性や、脱ガス性の低下の原因となるためその量を
0.003〜0.2wt%とした。
るが、その量が0.05wt%未満ではその効果を発現
させるのに不充分であり、一方0.3wt%を超えると
靱性が低下するためその量を0.05〜0.3wt%と
した。
も、デンドライト枝間隔(DAS)が200μm以下で
あるビレットを鋳造するが、共晶Siの平均粒径が40
μmを超えしかも、デンドライト枝間隔(DAS)が2
00μmを超えると、半溶融温度域に加熱した際に初晶
α(Al)相の均一微細球状化が難しくなるし、また均
質化処理を行う場合には均質化処理に時間を要するの
で、共晶Siの平均粒径が40μm以下でしかも、デン
ドライト枝間隔(DAS)を200μm以下とした。
ことにより、鋳造時に結晶粒界に晶出したAl2Cu、
Mg2Si等の晶出物がマトリックスに固溶する。ま
た、均質化処理によって共晶Siを球状化し冷間鍛造加
工時の変形抵抗を小さくする。均質化処理温度が450
℃未満や1時間に達しない加熱時間では、固溶化が充分
得られず、また、共晶Siの球状化や、鋳造歪の除去も
不充分である。しかし550℃を超える処理温度では、
共晶融解が発生し鍛造時の加工性を損なう。また、10
時間を越える加熱時間では、加熱時間の長時間に見合っ
た均質化の効果上昇が見られず、加熱エネルギーの損失
となる。このため、均質化処理条件は450〜550℃
の温度で1〜10時間加熱とした。
き、かつ少ない加工率で歪みが有効に導入されるように
冷間鍛造で行い、なおかつ鍛造用ビレットの全体に均一
に歪みが導入されるように型枠鍛造とする。歪み率は、
5%未満の場合には歪み導入が少ないため半溶融温度域
まで昇温しても初晶α(Al)相の均一な球状化は図れ
ず、一方50%を超えると初晶α(Al)相サイズに変
化は見られないのみならず冷間鍛造時に割れが発生する
ため、5〜50%とした。ここでの歪み率は、鍛造用ビ
レットの元の長さをL1とし、鍛造後のビレットの長さ
をL2とした時、(L1−L2)/L1×100(%)
で定義した。
細化と均質化処理を加えることにより大幅にアップでき
る、生産性から言えば、加工導入速度はできるだけ早い
方が好ましい。11mm/sec.未満では生産性が劣
り、しかしながら50mm/sec.を超えると冷間鍛
造時に割れが生じたり、鍛造デットゾーンが発生し、歪
みが均一に導入されないため11〜50mm/sec.
とした。また、冷間型粋鍛造の際のビレット温度は、2
00℃を越えると所定の加工率に対する歪み導入が不充
分となり、半溶融温度に昇温しても初晶α(Al)相が
粒状組織とならないため200℃以下とした。
し、液相率が20〜80%となる温度で保持して半溶融
成型するが、液相率が20%未満では初晶α(Al)相
の均一な球状化は図れず、半溶融成型の変形抵抗が大き
く加圧成型が困難となる。また、80%を超えると均一
な組織を有する成型品が得られない。このため、共晶温
度以上の半溶融温度域での液相率は20〜80%とし
た。
本発明方法で用いる冷間型枠鍛造の模式図であり、図中
符号1は鍛造用金型、2は鍛造用金型ポンチ、3はアル
ミニウム合金ビレットを示す。
i、B及びSrをそれぞれ下記表1に示すような組成と
なるように溶湯を調製し、連続鋳造にてアルミニウム合
金ビレットを鋳造した。
を、表2に示す条件で処理し、半溶融成型の成型性、半
溶融成型後の初晶α(Al)相の形状を評価した結果も
表2に併記した。
2で示す成型条件で成型した際に割れが発生せず成型性
が良好なものを○とし、割れが見られるものを×で判定
した。半溶融成型の成型性は、良好なものを○とし、成
型性の悪いものを×と判定した。半溶融成型後の初晶α
(Al)相の形状は、球状化が認められているものを○
とし、球状化が不充分であるものを×と判定した。半溶
融成型後の初晶α(Al)相の微細均一化では、初晶α
(Al)相のサイズが100μm以下を○とし、100
μmを越えるサイズのものを×と判定した。
○評価の代表例顕微鏡組織写真を示し、図3は、微細均
一化が×評価の代表例顕微鏡組織写真を示している。
ば、従来の半溶融ビレットよりも工程が簡素化され低コ
スト化が図れる。また、得られる組織も初晶α(Al)
相サイズが平均100μm以下で、かつ初晶α(Al)
相の面積率50%の均一球状化組織となっており、自動
車部材等の輸送機器用として使用が可能である。
例の顕微鏡組織写真であり、倍率は92倍である。
例の顕微鏡組織写真であり、倍率は92倍である。
Claims (4)
- 【請求項1】 Cu4.0wt%以下、Si5.0〜1
0wt%、Mg0.2〜0.7wt%、Zn0.35w
t%以下、Fe0.55wt%以下、Mn0.5wt%
以下と、Ti0.005〜0.5wt%及びB0.00
01〜0.5wt%の少なくとも1種以上を含み、残部
が実質的にAlの組成から成り、共晶Siの平均粒径が
40μm以下でしかも、デンドライト枝間隔が200μ
m以下であるアルミニウム合金を製造し、次いで歪み率
5〜50%、加工導入速度11〜50mm/sec.で
200℃以下の温度で、冷間型枠鍛造にて加工歪みを導
入し、その後共晶温度以上に昇温し、液相率が20〜8
0%となる温度で保持して半溶融成型することを特徴と
する輸送機器用アルミニウム合金の半溶融成型ビレット
の製造方法。 - 【請求項2】 アルミニウム合金を製造し、加工歪みを
導入する前に、450〜550℃の温度で1〜10時間
の均質化処理を行うことを特徴とする請求項1記載の輸
送機器用アルミニウム合金の半溶融成型ビレットの製造
方法。 - 【請求項3】 Cu4.0wt%以下、Si5.0〜1
0wt%、Mg0.2〜0.7wt%、Zn0.35w
t%以下、Fe0.55wt%以下、Mn0.5wt%
以下と、Ti0.005〜0.5wt%及びB0.00
01〜0.5wt%の少なくとも1種以上と、Sr0.
001〜0.10wt%、Na0.003〜0.02w
t%及びSb0.05〜0.3wt%の中の少なくとも
1種以上を含み、残部が実質的にAlの組成から成り、
共晶Siの平均粒径が40μm以下でしかも、デンドラ
イト枝間隔が200μm以下であるアルミニウム合金を
製造し、次いで歪み率5〜50%、加工導入速度11〜
50mm/sec.で200℃以下の温度で冷間型枠鍛
造にて加工歪みを導入し、その後共晶温度以上に昇温
し、液相率が20〜80%となる温度で保持して半溶融
成型することを特徴とする輸送機器用アルミニウム合金
の半溶融成型ビレットの製造方法。 - 【請求項4】 アルミニウム合金を製造し、加工歪みを
導入する前に、450〜550℃の温度で1〜10時間
の均質化処理を行うことを特徴とする請求項3記載の輸
送機器用アルミニウム合金の半溶融成型ビレットの製造
方法。
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CN112760527A (zh) * | 2020-12-22 | 2021-05-07 | 衢州学院 | 一种高压定向凝固材料及其方法 |
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2001
- 2001-10-31 JP JP2001334666A patent/JP3676723B2/ja not_active Expired - Fee Related
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