JP2003135586A - 細胞移植用担体及びこれを用いた細胞移植用材料 - Google Patents

細胞移植用担体及びこれを用いた細胞移植用材料

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JP2003135586A
JP2003135586A JP2001342173A JP2001342173A JP2003135586A JP 2003135586 A JP2003135586 A JP 2003135586A JP 2001342173 A JP2001342173 A JP 2001342173A JP 2001342173 A JP2001342173 A JP 2001342173A JP 2003135586 A JP2003135586 A JP 2003135586A
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cell
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Kunihiko Mitsubuchi
邦彦 満渕
Takehisa Matsuda
武久 松田
Kozo Nakamura
耕三 中村
Yasuhide Nakayama
泰秀 中山
Atsuto Hoshikawa
淳人 星川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 患部への移植細胞の運搬や、患部における移
植細胞の保持を確実に行うことができるとともに、患部
において必要となる機械的強度と弾性とを兼ね備え、さ
らには隣接組織への十分な接着性を有する細胞移植用担
体、及び該細胞移植用担体を利用した移植用材料を提供
する。 【解決手段】 細胞移植用担体を、ラジカル重合可能な
エチレン性不飽和基を複数有する生体吸収性高分子と、
光ラジカル重合開始剤とを含有する水溶液から構成し、
細胞移植後に光照射により液状からゲル状に硬化させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移植すべき細胞の
患部への運搬や患部における保持等の目的に用いられる
細胞移植用担体、及び移植すべき細胞が含まれる移植用
材料に関する。
【0002】
【従来の技術】関節軟骨は治癒能力に乏しいため、いっ
たん損傷を受けると修復することは困難である。しか
し、近年の組織再生工学の進歩によって軟骨細胞をはじ
めとする種々の細胞の培養が可能となったことを契機と
して、培養軟骨細胞を患部に移植して軟骨損傷を再建す
る試みがなされ、一部では臨床応用も開始されている。
【0003】例えば、関節軟骨損傷に対して、培養軟骨
細胞を浮遊液の状態で移植する方法が開発され(Brittbe
rgら, New Eng. J Med. 331, 889-895 (1994))、臨床応
用されている。しかし、この方法では移植細胞が患部か
ら漏出し、患部に確実に保持されないおそれがある。
【0004】そこで、軟骨細胞の移植にあたっては、移
植細胞の患部への運搬や、患部における保持等のための
担体(細胞移植用担体)の開発が重要であり、かかる点
から、移植細胞が生体組織を再建するまでの足場となる
種々のマトリックスが開発されている。
【0005】例えば、グリコール酸と乳酸の共重合体か
らなる繊維(Vacanti, last. Reconstr. Surg. 88, 753
(1991))、コラーゲンスポンジ(浅敷ら, Biomaterial 1
7, 155-162 (1996))等が、移植される軟骨細胞の足場と
して開発されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、グリコ
ール酸と乳酸の共重合体からなる繊維、コラーゲンスポ
ンジ等のマトリックスは、機械的強度や隣接組織への接
着性が不十分であるため、損傷部位において一定の形状
を維持することができず、損傷部位において間隙や内部
ひずみが発生するおそれがある。したがって、これらの
マトリックスを用いた実用的な軟骨組織の再生は難し
い。
【0007】そこで、本発明は、患部への移植細胞の運
搬や、患部における移植細胞の保持を確実に行うことが
できるとともに、患部において必要となる機械的強度と
弾性とを兼ね備え、さらには隣接組織への十分な接着性
を有する細胞移植用担体、及び該細胞移植用担体を利用
した移植用材料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は以下の細胞移植用担体及び移植用材料を提
供する。 (1)光照射により液状からゲル状に硬化する細胞移植
用担体であって、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和
基を複数有する生体吸収性高分子と光ラジカル重合開始
剤とを含有する水溶液からなることを特徴とする前記細
胞移植用担体。 (2)前記エチレン性不飽和基がスチリル基であって、
前記生体吸収性高分子がゼラチンであることを特徴とす
る前記(1)記載の細胞移植用担体。 (3)移植すべき細胞と、前記(1)又は(2)記載の
細胞移植用担体と、前記細胞の生育に必要な栄養成分と
を含有することを特徴とする細胞移植用材料。 (4)前記細胞が、ラジカル捕獲剤を含有する培地で培
養して得られた細胞であることを特徴とする前記(3)
記載の細胞移植用材料。 (5)前記細胞が、軟骨細胞又は間葉系幹細胞であるこ
とを特徴とする前記(4)記載の細胞移植用材料。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の細胞移植用担体は、光照射により液状か
らゲル状に硬化する細胞移植用担体であって、ラジカル
重合可能なエチレン性不飽和基を複数有する生体吸収性
高分子と光ラジカル重合開始剤とを含有する水溶液から
なることを特徴とする。
【0010】「ラジカル重合可能なエチレン性不飽和
基」の種類は特に限定されるものではなく、例えば、少
なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する官能
基が挙げられる。このような官能基の具体例としては、
アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、スチリ
ル基、アリル基、シンナモイル基、シンナミリデン基等
が挙げられ、これらのうち、好ましいものとして、スチ
リル基が挙げられる。スチリル基は他のエチレン性不飽
和基と比べて疎水性が高く、水溶液中で会合するため、
重合効率が向上する。したがって、スチリル基を用いれ
ば、本発明の細胞移植用担体の硬化時間を短縮化するこ
とができる。
【0011】「生体吸収性高分子」は、生体内で分解
し、最終的には体内に吸収される高分子である限り、そ
の種類は特に限定されるものではなく、タンパク質、多
糖類等が挙げられる。タンパク質の具体例としては、コ
ラーゲン、アルブミン、フィブロネクチン、フィブリ
ン、フィブロイン、ゼラチン、ラミニン、ビトロネクチ
ン等の天然高分子、ポリ(L−グルタミン酸)等の合成
高分子等が挙げられ、これらのうち、好ましいタンパク
質として、ゼラチンが挙げられる。ゼラチンは、水に高
濃度に溶解できるため、ゼラチンを用いれば、本発明の
細胞移植用担体がゲル状に硬化したときの機械的強度を
向上させることができる。また、ゼラチンは、細胞接着
性を有するので、ゼラチンを用いれば、本発明の細胞移
植用担体の移植部位における組織接着性を向上させるこ
とができる。さらに、ゼラチンは、安価で大量に入手で
きる、分子量の種類が豊富である等の有利な点も有す
る。
【0012】また、多糖類の具体例としては、ヘパリ
ン、グルコサミノグリカン、セルロース、デンプン、ヒ
アルロン酸、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、これ
らの共重合体等の天然高分子、乳酸−グリコール酸共重
合体、ポリリンゴ酸、ポリ(ε−カプロラクトン)等の
合成高分子が挙げられ、これらのうち、好ましい多糖類
として、ヘパリンが挙げられる。ヘパリンは、血液抗凝
固活性を有するので、本発明の細胞移植用担体を、血液
と接触する組織(例えば血管)への細胞移植用担体とし
て用いる場合に有利である。
【0013】生体吸収性高分子は、一分子あたり複数の
エチレン性不飽和基を有する。生体吸収性高分子が有す
るエチレン性不飽和基の種類は1種類であってもよいし
2種類以上であってもよいが、生体吸収性高分子へのエ
チレン性不飽和基の導入、重合反応の制御等の観点か
ら、生体吸収性高分子が有するエチレン性不飽和基は1
種類であることが好ましい。
【0014】生体吸収性高分子へのエチレン性不飽和基
の導入は、導入するエチレン性不飽和基の種類に応じて
常法により行うことができる。例えば、タンパク質への
エチレン性不飽和基の導入は、縮合剤であるカルボジイ
ミド類の存在下で、タンパク質と、エチレン性不飽和基
及びカルボキシル基を有する化合物(例えばスチリル基
を導入する際には4−ビニル安息香酸)とを反応させる
ことにより行うことができる。この反応においては、タ
ンパク質のアミノ基と、エチレン性不飽和基を有する化
合物のカルボキシル基とが反応し、アミド結合を介して
タンパク質へエチレン性不飽和基が導入される。また、
多糖類へのエチレン性不飽和基の導入は、縮合剤である
カルボジイミド類の存在下で、多糖類と、エチレン性不
飽和基及びカルボキシル基を有する化合物(例えばスチ
リル基を導入する際には4−ビニル安息香酸)とを反応
させることにより行うことができる。この反応において
は、多糖類の水酸基と、エチレン性不飽和基を有する化
合物のカルボキシル基とが反応し、エステル結合を介し
て多糖類へエチレン性不飽和基が導入される。生体吸収
性高分子へのエチレン性不飽和基の導入の際には、カル
ボジイミド類として、ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド、ジエチルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジ
イミド、エチルシクロヘキシルカルボジイミド、ジフェ
ニルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチル
アミノプロピル)カルボジイミド、1−シクロヘキシル
−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
塩酸塩等を用いることができる。
【0015】本発明の細胞移植用担体に含有される「ラ
ジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有する生体吸収
性高分子」(以下「ラジカル重合性生体吸収性高分子」
という場合がある。)の種類は1種類であってもよいし
2種類以上であってもよい。また、本発明の細胞移植用
担体に含有されるラジカル重合性生体吸収性高分子の量
は、本発明の細胞移植用担体が光照射により液状からゲ
ル状に硬化し得る量であり、その量はエチレン性不飽和
基の種類や生体吸収性高分子の種類等に応じて適宜選択
し得るが、その量は本発明の細胞移植用担体全体の通常
25〜50重量%、好ましくは40〜45重量%であ
る。
【0016】「光ラジカル重合開始剤」は、光照射によ
りラジカルを発生する化合物である限り特に限定される
ものではなく、例えば、カンファキノン、アセトフェノ
ン、ベンゾフェノン、ジメトキシフェニルアセトフェノ
ン等のカルボニル化合物及びそれらの誘導体;ジチオカ
ルバメート、ザンテート、チオフェノール等のイオウ化
合物及びそれらの誘導体;過酸化ベンゾイル、ブチルペ
ルオキシド等の過酸化物及びそれらの誘導体;アゾビス
イソブチロニトリル、アゾビスイソ酪酸エステル等のア
ゾビス化合物及びそれらの誘導体;ブロモプロパン、ク
ロロメチルナフタレン等のハロゲン化合物及びそれらの
誘導体;フェニルアジド等のアジド化合物及びそれらの
誘導体;ローダミン、エリトロン、フルオレセイン、エ
オシン等のキサンテン系色素及びそれらの誘導体;リボ
フラビン及びそれらの誘導体等が挙げられ、これらのう
ち、好ましい光重合開始剤として、カンファキノンが挙
げられる。カンファキノンは、その安全性が確立されて
いる点で有利である。
【0017】本発明の細胞移植用担体に含有される光ラ
ジカル重合開始剤の種類は1種類であってもよいし2種
類以上であってもよい。また、本発明の細胞移植用担体
に含有される光ラジカル重合開始剤の量は、本発明の細
胞移植用担体が光照射により液状からゲル状に硬化し得
る量であり、その量はエチレン性不飽和基の種類や生体
吸収性高分子の種類等に応じて適宜選択し得るが、その
量はラジカル重合性生体吸収性高分子の通常0.01〜
1重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%である。ま
た、光ラジカル重合開始剤は、ラジカル重合性生体吸収
性高分子に化学的に結合した状態で含有されていもよ
く、本発明において「光ラジカル重合開始剤を含有す
る」という語は、光ラジカル重合開始剤がラジカル重合
性生体吸収性高分子に化学的に結合した状態で水溶液に
含有される場合をも含む意味で用いる。
【0018】本発明の細胞移植用担体において、ラジカ
ル重合性生体吸収性高分子と光ラジカル重合開始剤とが
含有される「水溶液」の種類は、移植すべき細胞が生存
し得る水溶液である限り特に限定されるものではなく、
例えば、リンガー溶液、ロック溶液等の生理的塩類溶
液、リン酸緩衝溶液、タイロート液、ハンクス液、アー
ル液、ヘペス液等の平衡塩類溶液等が挙げられる。「水
溶液」は、移植すべき細胞が生育し増殖するために必要
な栄養成分を含有していてもよい。
【0019】本発明の細胞移植用担体は、移植すべき細
胞の生育・増殖を妨げない限り、ラジカル重合性生体吸
収性高分子以外のラジカル重合性化合物(例えばビニル
化合物)を含有していもよい。
【0020】本発明の細胞移植用担体の対象となる細胞
の種類は特に限定されるものではなく、移植部位に応じ
て適宜選択することができる。細胞移植は、関節軟骨等
のように自己修復能力に乏しい組織の損傷治療に有用で
あるので、本発明の細胞移植用担体は、軟骨損傷部位に
軟骨細胞、間葉系幹細胞(例えば、骨髄由来、筋由来、
末梢血由来の間葉系幹細胞)等を移植するための細胞移
植用担体として用いる際に特に優れた効果を発揮する。
間葉系幹細胞は多分化能をもつ細胞で、骨、軟骨、筋
肉、腱等に分化し得るので、かかる間葉系幹細胞を用い
れば、種々の組織における損傷を治療することが可能で
ある。
【0021】また、本発明の細胞移植用担体の対象とな
る移植部位も特に限定されるものではない。本発明の細
胞移植用担体は、細胞移植時には液状であって患部へ速
やかに浸潤するとともに、細胞移植後には光照射により
ゲル状に硬化して、移植部位において間隙や内部ひずみ
を発生させることなく、移植部位において移植細胞を確
実に保持することができるので、移植部位が複雑な形態
を有する場合に特に優れた効果を発揮する。
【0022】本発明の細胞移植用担体を利用することに
よって、光照射により液状からゲル状へ硬化(ゲル化)
する細胞移植用材料を製造することができる。すなわ
ち、本発明の細胞移植用材料は、移植すべき細胞と、本
発明の細胞移植用担体と、前記細胞の生育に必要な栄養
成分とを含有することを特徴とする。
【0023】移植すべき細胞の種類は特に限定されるも
のではなく、移植部位に応じて適宜選択される。例え
ば、移植部位が、軟骨損傷部位である場合には、移植す
べき細胞は、軟骨細胞、間葉系幹細胞(例えば、骨髄由
来、筋由来、末梢血由来の間葉系幹細胞)等である。
【0024】移植すべき細胞の生育に必要な栄養成分と
しては、例えば、Na、K、Ca、Mg、P、Cl等の無機成分、
細胞の代謝能力に応じた炭素源や窒素源、アミノ酸、ビ
タミン、ホルモン、サイトカイン(例えばBMPやFGF等の
軟骨再生を促すサイトカイン)等が挙げられ、細胞の種
類に応じて適宜選択することができる。これらの栄養成
分が含有された細胞移植用材料を作製する際には、RPMI
1640培地、EagleのMEM培地、DMEM培地またはこれら培地
に牛胎児血清等を添加した培地等を利用すると簡便であ
る。
【0025】本発明の細胞移植用材料に含有される移植
すべき細胞は、ラジカル捕獲剤を含有する培地で培養し
て得られた細胞であることが好ましい。光照射により光
ラジカル重合開始剤から発生するラジカルは、本発明の
移植用材料に含有される移植すべき細胞に対して細胞障
害性を示す。この細胞障害性は、移植すべき細胞の全て
を死滅させる程度のものではないが、移植すべき細胞を
予めラジカル捕獲剤を含有する培地で培養して当該細胞
内におけるラジカル捕獲剤の濃度を高めておけば、移植
すべき細胞の生存率を向上させることができる。
【0026】ラジカル捕獲剤としては、例えば、α−ト
コフェロール(ビタミンE)、N−アセチルシステイ
ン、アスコルビン酸(ビタミンC)、尿酸、アルブミ
ン、ビリルビン、ユビキノール、フラボノイド等が挙げ
られ、これらのうち、好ましいラジカル捕獲剤として
は、α−トコフェロール、N−アセチルシステイン等が
挙げられる。α−トコフェロール、N−アセチルシステ
インは代表的なラジカル捕獲剤として既にその効果が広
く認められている。また、α−トコフェロール、N−ア
セチルシステインはそれぞれ脂溶性、水溶性であるの
で、その同時添加により相乗的な作用を発揮させること
ができる。
【0027】細胞を培養する際のラジカル捕獲剤の培地
への添加量は特に限定されるものではないが、例えば、
ラジカル捕獲剤としてα−トコフェロールを用いる場合
には10〜500μMの濃度の範囲で適宜調整でき、ラ
ジカル捕獲剤としてN−アセチルシステインを用いる場
合には10〜30mMの範囲で適宜調整することができ
る。培養の条件は培養する細胞の種類等に応じて適宜調
節することができる。培養は細胞が細胞内に十分量のラ
ジカル捕獲剤を蓄積するまで行うことが好ましい。
【0028】本発明の細胞移植用担体又は細胞移植用材
料を液状からゲル状に硬化させる際の光照射に用いる光
源としては、ハロゲンランプ、キセノンランプ、白熱ラ
ンプ、水銀ランプ、エキシマレーザー、アルゴンイオン
レーザー等が挙げられ、これらの光源を用いて好ましく
は波長300〜500nmの光を照射する。光照射は本
発明の細胞移植用担体又は細胞移植用材料がゲル化する
まで行い、ゲル化までの時間は通常0.5〜3分程度で
ある。
【0029】本発明の細胞移植用担体又は細胞移植用材
料が光照射により液状からゲル状に硬化(ゲル化)する
機構は次のとおりである。光照射によって光ラジカル重
合開始剤からラジカルが生成し、生成したラジカルによ
りエチレン性不飽和基のラジカル重合が開始する。ラジ
カル重合性生体吸収性高分子は、光照射によりラジカル
重合を開始するエチレン性不飽和基を複数有しているの
で(すなわち多官能性であるので)、光照射によりエチ
レン性不飽和基のラジカル重合が開始されると、生体吸
収性高分子同士はエチレン性不飽和基を介して架橋さ
れ、網目構造が形成される。これによって、本発明の細
胞移植用担体又は細胞移植用材料は液状からゲル状に硬
化(ゲル化)する。
【0030】本発明の細胞移植用担体又は細胞移植用材
料は、細胞移植前においては光照射せずに液状としてお
き、液状のまま細胞移植に用い、細胞移植後に光照射し
てゲル状に硬化させる。
【0031】本発明の細胞移植用担体又は細胞移植用材
料は、細胞移植時には液状であり、患部へ速やかに浸潤
するので、患部への移植細胞の運搬を確実に行うことが
できる。その一方で、細胞移植後には、光照射によりゲ
ル状に硬化し、移植細胞はゲル中に保持されるので、患
部における移植細胞の保持を確実に行うことができる。
そして、患部に保持された移植細胞は、光照射により形
成されたゲルを足場として生育し増殖することができ
る。
【0032】また、本発明の細胞移植用担体又は細胞移
植用材料は、ラジカル重合の進行に伴って液状からゲル
状への硬化が進行し、生体吸収性高分子同士の架橋密度
が増加するので、形成されるゲルの膨潤度が減少する。
すなわち、ラジカル重合の進行に伴って、形成されるゲ
ルの機械的強度が増加する。したがって、光照射時間、
生体吸収性高分子へのエチレン性不飽和基の導入率、生
体吸収性高分子の濃度、光ラジカル重合開始剤の添加量
等を調節することによって、細胞移植後に移植細胞を保
持するゲルの機械的強度と弾性とを適宜調節し、患部に
おいて必要となる機械的強度と弾性とを兼ね備えたゲル
(例えば、移植部位が軟骨損傷部位である場合には、代
替軟骨として機能し得る機械的強度と弾性とを兼ね備え
たゲル)を形成することができる。なお、ラジカル重合
可能なエチレン性不飽和基を複数有する生体吸収性高分
子(例えば複数のスチリル基を有するゼラチン)を含有
する水溶液に光照射すると、照射時間に応じて強度の高
いゲルが高い収量で生成することは既に確認されている
(例えば、特開2001−224677号公報)。
【0033】さらに、本発明の細胞移植用担体又は細胞
移植用材料は、生体組織表面において速やかに硬化させ
ることにより隣接組織へ強固に接着することができる。
なお、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を複数有
する生体吸収性高分子(例えば複数のスチリル基を有す
るゼラチン)の生体組織への接着性は既に確認されてい
る(例えば、特開2001−224677号公報)。
【0034】さらに、本発明の細胞移植用担体又は細胞
移植用材料は、細胞移植時には液状であって患部へ速や
かに浸潤するとともに、細胞移植後には機械的強度と弾
性とを兼ね備えたゲルとなり、さらには隣接組織への十
分な接着性を有しているので、移植部位の形態に適合し
た成形が可能であって移植部位における間隙や内部ひず
みを発生させることがなく、これにより移植細胞を効率
よく生育及び増殖させることができる。
【0035】
【実施例】〔実施例1〕4−ビニル安息香酸0.57g
(3.4mmol)を含む水溶液50mlを0℃に冷却
し、これに1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロ
ピル)カルボジイミド塩酸塩1.48g(7.7mmo
l)を加えた。0℃で1時間撹拌した後、1g(0.0
1mmol)のゼラチン(分子量95,000)を溶解
したリン酸緩衝溶液50mlを加え、室温で一晩撹拌を
続けた。セルロースチューブを用い流水下で3日間透析
した後、凍結乾燥を行い、白色綿状のスチレン化ゼラチ
ン0.99gを得た。このスチレン化ゼラチンは、ゼラ
チン中のリジン残基にスチリル基をアミド結合させたも
のであり、ラジカルによってスチリル基中の二重結合が
切断され、近接するスチリル基同士が重合することによ
って自己硬化する。
【0036】20%FBSを含むDMEM培地とスチレ
ン化ゼラチンとを重量比7:3で混合し、さらにスチレ
ン化ゼラチンの0.1重量%相当のカンファキノン(C
Q)を添加したゼラチン溶液を作製した。なお、カンフ
ァキノンは可視光を照射するとラジカルを発生する光ラ
ジカル重合開始剤である。
【0037】[第1群]第1群では、軟骨系株細胞である
ATDC5(理化学研究所細胞バンクより入手)3×1
個をDMEM培地10μLに懸濁し、96ウェルプ
レートに滴下した後、上記ゼラチン溶液50μLを加え
て混合した。
【0038】[第2群]第2群では、上記細胞として、ラ
ジカル捕獲剤であるN−アセチルシステイン30mM
(第2−1群)又はα−トコフェロール(ビタミンE)
100μM(第2−2群)をDMEM培地に添加して4
8時間インキュベートしたものを使用し、この細胞と上
記ゼラチン溶液とを第1群と同様にして混合した。
【0039】第1群及び第2群で得られた混合液に、歯
科用ハロゲンランプ(株式会社トクヤマ製,歯科用可視
光線照射器)を用いて2分間可視光を照射することによ
り、液状からゲル状に硬化(ゲル化)させて硬化体を
得、この硬化体内部において上記細胞を培養した。細胞
培養は、10%牛胎仔血清含有DMEM培地(週3回交
換)を用いて、37℃、炭酸ガス濃度5%の条件下で行
った。
【0040】硬化直後、培養3日後、培養7日後に上記
硬化体を0.05%コラゲナーゼ溶液で溶解して細胞を
回収し 蛍光色素を用いてDNA濃度を測定し硬化体内
部における生存細胞数を計測した。各群3検体作製し、
その平均値により評価した。各群における細胞数を表1
に示す。なお、表1に示す細胞数の単位は(×10
個)である。
【0041】 [表1] 硬化直後 培養3日後 培養7日後 第1群 9.38±2.03 5.22±1.74 19.2±1.1 第2−1群 13.6±1.74 7.67±1.59 23.07±2.98 第2−2群 16.4±1.59 5.44±1.27 24.36±4.41
【0042】表1の第1群の結果に示されるように、硬
化直後に回収される細胞数は硬化前の細胞の約半数で、
培養3日後には約1/6に減少したが、培養7日後には
増加していた。また、表1の第2群の結果に示されるよ
うに、ラジカル捕獲剤による細胞の前処理によって生存
細胞数が増加した。
【0043】また、培養中の硬化体を位相差顕微鏡で直
接観察した結果を図1及び図2に示す。図1は硬化体内
部の観察結果、図2は、硬化体表面の観察結果である。
硬化体内部では円形の細胞が散在していたが(図1参
照)、硬化体表面近傍では細胞突起を伸ばした細胞が増
殖しており(図2参照)、細胞数増加は主として表面近
傍に存在する細胞に由来するものと考えられる。
【0044】これらの結果より、スチレン化ゼラチン溶
液のゲル状への硬化の際、溶液中の細胞は、光照射によ
って光ラジカル重合開始剤から発生するラジカルの影響
(細胞障害性)を受けるものの、その一部はなおも生存
し続け、光照射により形成された硬化体(ゲル)の内部
に保持され、ゲルを足場として生育し増殖することがで
きることが示された。また、ラジカル捕獲剤の前処理に
よって細胞内のラジカル捕獲剤の濃度を高めておけば、
細胞の生存率及び増殖率を向上させることができること
が示された。
【0045】〔実施例2〕生後4〜8週齢の雄性日本白
色家兎(埼玉実験動物研究所より入手)を屠殺後、上腕
骨近位関節面、大腿骨遠位関節面、脛骨近位関節面から
関節軟骨組織を採取し、軟骨組織の薄層を細切後、0.
05%コラゲナーゼ溶液中で16〜20時間振盪するこ
とにより軟骨基質を溶解し、軟骨組織から間接軟骨細胞
を回収した。
【0046】光照射により形成されるゲル状硬化体内で
軟骨細胞としての形質が維持されているかを確認するた
めに、上記関節軟骨細胞を実施例1の第1群と同様にゼ
ラチン溶液と混合した後、硬化させて2週間又は3週間
培養した。培養後、ゲル状硬化体内の細胞からRNAを
抽出し、軟骨組織特異的なタンパク質であるタイプIIコ
ラーゲンのmRNA及びアグリカンコアプロテイン(ag
grecan core protein)のmRNAの発現をRT−PC
Rにより調べた。
【0047】RT−PCRは次のようにして行った。ゲ
ル状硬化体を0.05%コラゲナーゼ溶液中で1時間振
盪し、ゼラチンを溶解することによりゲル状硬化体内部
の細胞を回収した。RNeasy miniキット(QIAGEN社製)
を用いて細胞内の全RNAを抽出し、このうち5μgの
RNAを逆転写酵素(スーパースクリプトII;GIBCO社
製)を用いて逆転写してcDNAを作製した。これを鋳
型とし、ウサギのタイプIIコラーゲン及びアグリカンコ
アプロテインをコードするDNAに特異的なプライマー
を用いてPCRを行い、PCR増幅産物の有無を検出し
た。
【0048】PCR増幅産物の電気泳動結果を図3に示
す。なお、図3中、「ColII」はタイプIIコラーゲンに
関する結果であり、「Aggrecan」はアグリカンコアプロ
テインに関する結果である。
【0049】図3に示すように、培養後2週間又は3週
間のいずれの培養物においても、軟骨組織特的なタンパ
ク質であるタイプIIコラーゲン及びアグリカンコアプロ
テインのmRNAの存在が確認された。このことから、
ゲル状硬化体内で培養された軟骨細胞が軟骨細胞として
の細胞形質を維持していることが確認された。
【0050】〔実施例3〕実施例2で調製したゲル状硬
化体内の軟骨細胞から軟骨基質が産生されているか否か
を組織像によって観察した。
【0051】組織標本は、ゲル状硬化体を20%中性ホ
ルマリンで固定した後、パラフィンに包埋し、厚さ5μ
mの薄切片を切り出して、サフラニン−O又はトルイジ
ンブルーで染色することにより作製した。なお、サフラ
ニン−O染色によってオレンジ色に染まる部分、及びト
ルイジンブルー染色によってメタクロマジー(異染性)
を示す部分が、軟骨基質の主要成分であるプロテオグリ
カンを示す。
【0052】培養1週目におけるトルイジンブルー染色
及びサフラニン−O染色の結果をそれぞれ図4及び図5
に、培養2週目におけるおけるトルイジンブルー染色及
びサフラニン−O染色の結果をそれぞれ図6及び図7
に、培養3週目おけるトルイジンブルー染色及びサフラ
ニン−O染色の結果をそれぞれ図8及び図9に示す。な
お、トルイジンブルー染色の結果を示す図の倍率は×1
0であり、サフラニン−O染色の結果を示す図の倍率は
×50である。
【0053】図4及び図5に示すように、培養後1週目
の組織像では散在する細胞周囲にメタクロマジーを示す
小腔が認められた。この小腔は硬化体内に包埋された軟
骨細胞が、酸素を出すことにより周囲のゲルが溶解し形
成されたものである。第6〜9に示すように、次第に小
腔は拡大し、内部に含まれる細胞数の増加とともに小腔
内の酸性ムコ多糖(プロテオグリカン)の沈着も増強し
ていた。図8及び図9に示すように、培養後3週目で
は、小腔の周囲にもメタクロマジーを示す領域が拡大
し、硬化体の全体で酸性ムコ多糖の形成が認められた。
このことから、硬化体内の軟骨細胞が実際に軟骨組織特
異的なタンパク質を産生していることが確認された。
【0054】〔実施例4〕雄性日本白色家兎(埼玉実験
動物研究所より入手)の大腿骨及び脛骨骨髄内より骨髄
血を採取し、骨髄血を遠心分離して回収した細胞を培養
皿に播種し、培養皿上に接着した細胞のみを骨髄由来間
葉系幹細胞として以下の実験に用いた。
【0055】上記骨髄由来間葉系幹細胞を、実施例1の
第1群と同様にゼラチン溶液(このゼラチン溶液には1
0%牛胎仔血清含有DMEM培地を含有させてある。)
と混合した後、硬化させて2週間又は3週間培養した。
培養は、TGF−β 10ng/mL及びデキサメタゾ
ン10−7モルを加えたDMEM培地を用いた。培養
後、ゲル状硬化体内の細胞からRNAを抽出し、軟骨組
織特異的なタンパク質であるタイプIIコラーゲンのmR
NA及びアグリカンコアプロテイン(aggrecan core pr
otein)のmRNAの発現を、実施例2と同様にしてR
T−PCRにより調べた。
【0056】PCR増幅産物の電気泳動結果を図10に
示す。図10に示すように、培養後2週間又は3週間の
いずれの培養物においても、軟骨組織特的なタンパク質
であるタイプIIコラーゲン及びアグリカンコアプロテイ
ンのmRNAの存在が確認された。このことから、ゲル
状硬化体内で培養された骨髄由来間葉系幹細胞が軟骨特
異的遺伝子を発現する細胞に分化していることが確認さ
れた。
【0057】〔実施例5〕実施例4で調製したゲル状硬
化体内の骨髄由来間葉系幹細胞から軟骨基質が産生され
ているか否かを、実施例3と同様に組織像によって観察
した。
【0058】培養1週目におけるトルイジンブルー染色
及びサフラニン−O染色の結果をそれぞれ図11及び図
12に、培養2週目におけるおけるトルイジンブルー染
色及びサフラニン−O染色の結果をそれぞれ図13及び
図14に、培養3週目おけるトルイジンブルー染色及び
サフラニン−O染色の結果をそれぞれ図15及び図16
に示す。なお、トルイジンブルー染色の結果を示す図の
倍率は×10であり、サフラニン−O染色の結果を示す
図の倍率は×50である。
【0059】図13及び図14に示すように、培養2週
目では軟骨様基質の産生はわずかであるが、図15及び
図16に示すように、培養3週目では関節軟骨細胞に比
べて(実施例3参照)やや染色性は劣るものの、硬化体
全体で軟骨様基質が染色されており、軟骨細胞と同様に
硬化体内に包埋された骨髄由来間葉系幹細胞が実際に軟
骨組織特異的なタンパク質を産生していることが確認さ
れた。
【0060】
【発明の効果】本発明により、患部への移植細胞の運搬
や、患部における移植細胞の保持を確実に行うことがで
きるとともに、患部において必要となる機械的強度と弾
性とを兼ね備え、さらには隣接組織への十分な接着性を
有する細胞移植用担体、及び該細胞移植用担体を利用し
た移植用材料が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】スチレン化ゼラチン溶液をゲル状に硬化させて
得られた硬化体内で軟骨細胞を培養したときの、位相差
顕微鏡による硬化体内部の観察結果を示す図である。
【図2】スチレン化ゼラチン溶液をゲル状に硬化させて
得られた硬化体内で軟骨細胞を培養したときの、位相差
顕微鏡による硬化体表面の観察結果を示す図である。
【図3】軟骨組織特的なタンパク質であるタイプIIコラ
ーゲン及びアグリカンコアプロテインのmRNAの存在
を確認するために行った、RT−PCRによるPCR増
幅産物の電気泳動結果を示す図である。
【図4】軟骨細胞をゲル状硬化体内で培養したときの、
培養1週目におけるトルイジンブルー染色の結果を示す
図である。
【図5】軟骨細胞をゲル状硬化体内で培養したときの、
培養1週目におけるサフラニン−O染色の結果を示す図
である。
【図6】軟骨細胞をゲル状硬化体内で培養したときの、
培養2週目におけるおけるトルイジンブルー染色の結果
を示す図である。
【図7】軟骨細胞をゲル状硬化体内で培養したときの、
培養2週目におけるサフラニン−O染色の結果を示す図
である。
【図8】軟骨細胞をゲル状硬化体内で培養したときの、
培養3週目におけるトルイジンブルー染色の結果を示す
図である。
【図9】軟骨細胞をゲル状硬化体内で培養したときの、
培養3週目におけるサフラニン−O染色の結果を示す図
である。
【図10】軟骨組織特的なタンパク質であるタイプIIコ
ラーゲン及びアグリカンコアプロテインのmRNAの存
在を確認するために行った、RT−PCRによるPCR
増幅産物の電気泳動結果を示す図である。
【図11】骨髄由来間葉系幹細胞をゲル状硬化体内で培
養したときの、培養1週目におけるトルイジンブルー染
色の結果を示す図である。
【図12】骨髄由来間葉系幹細胞をゲル状硬化体内で培
養したときの、培養1週目におけるサフラニン−O染色
の結果を示す図である。
【図13】骨髄由来間葉系幹細胞をゲル状硬化体内で培
養したときの、培養2週目におけるおけるトルイジンブ
ルー染色の結果を示す図である。
【図14】骨髄由来間葉系幹細胞をゲル状硬化体内で培
養したときの、培養2週目におけるサフラニン−O染色
の結果を示す図である。
【図15】骨髄由来間葉系幹細胞をゲル状硬化体内で培
養したときの、培養3週目におけるトルイジンブルー染
色の結果を示す図である。
【図16】骨髄由来間葉系幹細胞をゲル状硬化体内で培
養したときの、培養3週目におけるサフラニン−O染色
の結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 300090824 中山 泰秀 大阪府豊中市緑丘3ー11−15−310 (71)出願人 501433402 星川 淳人 東京都江東区塩浜2−7−5−513 (72)発明者 満渕 邦彦 東京都板橋区前野町6−24 前野台団地5 −307 (72)発明者 松田 武久 福岡県福岡市東区千早6−1 13−36 (72)発明者 中村 耕三 東京都練馬区北町2−23−13 (72)発明者 中山 泰秀 大阪府豊中市緑丘3−11−15−310 (72)発明者 星川 淳人 東京都江東区塩浜2−7−5−513 Fターム(参考) 4B065 AA90X BB04 BB19 BC48 CA44 4C081 AB01 AB11 BA12 BA16 CA021 CA032 CD151 CD34

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光照射により液状からゲル状に硬化する
    細胞移植用担体であって、ラジカル重合可能なエチレン
    性不飽和基を複数有する生体吸収性高分子と光ラジカル
    重合開始剤とを含有する水溶液からなることを特徴とす
    る前記細胞移植用担体。
  2. 【請求項2】 前記エチレン性不飽和基がスチリル基で
    あって、前記生体吸収性高分子がゼラチンであることを
    特徴とする請求項1記載の細胞移植用担体。
  3. 【請求項3】 移植すべき細胞と、請求項1又は2記載
    の細胞移植用担体と、前記細胞の生育に必要な栄養成分
    とを含有することを特徴とする細胞移植用材料。
  4. 【請求項4】 前記細胞が、ラジカル捕獲剤を含有する
    培地で培養して得られた細胞であることを特徴とする請
    求項3記載の細胞移植用材料。
  5. 【請求項5】 前記細胞が、軟骨細胞又は間葉系幹細胞
    であることを特徴とする請求項4記載の細胞移植用材
    料。
JP2001342173A 2001-11-07 2001-11-07 細胞移植用担体及びこれを用いた細胞移植用材料 Pending JP2003135586A (ja)

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