JP2003130490A

JP2003130490A - 水熱源ヒートポンプを用いた空調・給湯方法およびその装置

Info

Publication number: JP2003130490A
Application number: JP2001320857A
Authority: JP
Inventors: Shinji Takasugi; 真司高杉; Keiji Sato; 敬二佐藤; Ken Ikeuchi; 研池内
Original assignee: JMC GEOTHERMAL ENGINEERING CO; JMC GEOTHERMAL ENGINEERING CO Ltd
Current assignee: JMC GEOTHERMAL ENGINEERING CO; JMC GEOTHERMAL ENGINEERING CO Ltd
Priority date: 2001-10-18
Filing date: 2001-10-18
Publication date: 2003-05-08

Abstract

(57)【要約】【課題】高効率の安定した熱供給が可能な水熱源ヒー
トポンプを用いた空調・給湯装置および方法について提
案すること。【解決手段】水熱源ヒートポンプを用いて空調・給湯
を行なう方法において、該ヒートポンプの運転に当た
り、熱源として温泉廃湯を、そして冷熱源として河川水
を用いること、および前記熱源と共に、補助熱源として
地中熱を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、水熱源ヒートポンプか
ら発生する熱を、住宅あるいは各種熱消費設備の空調お
よび給湯熱源として利用する、高効率・省エネルギー空
調・給湯方法およびその装置についての提案である。

【０００２】

【従来の技術】従来、熱消費施設における空調・給湯装
置の熱源は、石炭や石油等の化石燃料を利用するのが普
通である。しかしながら、近年の化石燃料の涸渇や、こ
れら燃料の燃焼により排出される二酸化炭素等、地球環
境に影響を与える排ガスの増加に伴い、化石燃料に代わ
る熱源が強く求められているのが実情である。

【０００３】これに対し、最近、空気あるいは地中熱を
熱源としたヒートポンプを用いた空調および給湯システ
ムが開発され、その導入が推進されている。このシステ
ムは、地中熱など、これまで利用されていなかった未利
用エネルギーを熱源として利用できること、および従来
のボイラーシステムとは異なり、燃焼によらないクリー
ンエネルギーシステムであることから注目され、こうし
たシステムの導入により、二酸化炭素の排出量は、ガス
または灯油ボイラーに対し、約70〜80%も削減できると
いう報告もある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術の下に使われているヒートポンプは、熱の供給量が熱
源水の量や温度変動に左右されやすいという傾向があ
る。例えば、空気を熱源として利用した場合には、空気
の温度変化によって熱回収量が大きく変動することにな
り、高効率運転状態を安定して得ることは難しいという
問題点があった。一方、地中熱を熱源とした場合、地熱
の温度変化が年間を通じてほとんどないことから、高効
率運転を安定して得ることができるが、一方で、その地
熱を得るためには、数十m〜数百mレベルの井戸を掘削す
る必要があり、多額の費用が必要となるという問題点が
あった。

【０００５】そこで、本発明の目的は、安価で安定した
熱供給を高い効率を維持して運転できる空調・給湯方法
とその装置、とくに水熱源ヒートポンプを用いた空調・
給湯方法およびその装置について提案することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】発明者らは、従来のヒー
トポンプを用いた空調・給湯装置およびその運転方法が
抱えている上述した課題を解決し、上記目的を実現する
ため鋭意研究を行なった結果、以下の内容を要旨構成と
する本発明に想到した。すなわち、本発明は、水熱源ヒ
ートポンプを用いて空調・給湯を行なう方法において、
該ヒートポンプの運転に当たり、熱源として温泉廃湯
を、そして冷熱源として河川水を用いることを特徴とす
る水熱源ヒートポンプを用いた空調・給湯方法である。

【０００７】また、本発明は水熱源ヒートポンプを用い
て空調・給湯を行なう方法において、該ヒートポンプの
運転に当たり、熱源として温泉廃湯を、そして冷熱源と
して河川水を用いると共に、補助熱源として地中熱を用
いることを特徴とする水熱源ヒートポンプを用いた空調
・給湯方法である。

【０００８】なお、上記の本発明においては、水熱源ヒ
ートポンプから発生した余剰熱を、温水または氷として
蓄熱することが好ましい。

【０００９】上記方法の実施に当たって、本発明は、水
熱源ヒートポンプを用いて空調・給湯を行なう装置にお
いて、該ヒートポンプは温泉廃湯または河川水を熱源も
しくは冷熱源として運転されるものであることを特徴と
する水熱源ヒートポンプを用いた空調・給湯装置を用い
る。

【００１０】また、本発明は、水熱源ヒートポンプを用
いて空調・給湯を行なう装置において、ヒートポンプは
温泉廃水または河川水を熱源もしくは冷熱源として運転
されるものであると共に、地中熱を補助熱源とするもの
であることを特徴とする水熱源ヒートポンプを用いた空
調・給湯装置を提案する。

【００１１】なお、上記各装置においては、水熱源ヒー
トポンプから発生した余剰熱を、温水または氷として蓄
熱することが好ましい。

【００１２】

【発明の実施の形態】発明者らは、火山国である日本に
は温泉等の豊富な地下熱源があり、そうした温泉水の廃
熱（温泉廃湯）などは、安定した熱源となり得るのでは
ないかと考えた。たとえば、暖房用途に特化したもので
は、温泉地において温泉水と水とを熱交換し、暖房に利
用している事例がある。そこで、本発明では、温泉水の
廃熱（温泉廃湯）を安定した熱源としてヒートポンプに
利用することに着目した。この場合、暖房用途において
は、ほぼ100％の高効率で循環媒体の加熱運転を継続し
て行なうことができる。

【００１３】しかしながら、同様にして冷房運転を行な
う場合には、高温の温泉廃湯でヒートポンプ内を循環す
る冷媒から熱を回収し、冷水を作り出すことになるた
め、冷房効率はかなり低くなってしまう。そこで、本発
明では、ヒートポンプの冷房運転時には、温泉廃湯の供
給ラインを、河川水の供給ラインに切換え、河川水を冷
熱源として使用することにした。このことにより、本発
明では、冷房用途においても、高効率な冷房運転を確保
することができるようになる。

【００１４】また、とくに熱需要が高い場合には、補助
熱源として、たとえば地中熱（温度5℃〜15℃）を回収
し、これを前記主熱源（温泉廃湯）と組み合わせて利用
することにより、高効率なヒートポンプ運転の継続を確
保することができる。

【００１５】また、一般的に、住宅および各種熱消費設
備における夜間の熱需要は、昼間と比較して少なく、夜
間には余剰熱が発生する。一方、夜間の電力料金は、昼
間よりも安価であり、夜間電力を有効に利用することが
望ましい。そこで、本発明では、蓄熱槽を設け、夜間の
余剰熱を温水または氷として蓄熱し、昼間の熱需要の多
い時間帯に使用することにより、使用電力のピーク分散
およびエネルギーの有効利用を図ることにした。

【００１６】

【実施例】本発明に用いられる水熱源ヒートポンプを用
いた空調・給湯装置は、図１に示すとおり、熱交換器が
配設されている熱源または冷熱源となる温泉廃湯槽また
は河川と、冷暖房機や熱消費設備との間に、１ないし複
数個のヒートポンプと、蓄熱槽および水の供給ができる
貯湯槽を配置し、これらを必要なバルブ及び循環ポンプ
を介し、配管をもって接続し、その配管内循環媒体を適
宜の場所に循環させながら、必要な熱媒、冷媒を得るも
のである。さらに、この装置は、必要に応じて、前記温
泉廃湯槽又は河川とヒートポンプとの間に地中熱熱源採
取装置を配置して構成する。

【００１７】次に、図１を用いて、本発明システムの具
体的な運転方法の好適実施例を説明する。（暖房運転時）ヒートポンプ3a、3bと温泉廃湯槽１との
間を循環する媒体9a、9bを、温泉廃湯槽１の熱を利用
し、この槽内に設置した熱交換器2a、2bを介して昇温
（30〜35℃）させ、ヒートポンプ3a、3bに導く。温泉廃
湯から回収した熱は、媒体9a、9bにより、ヒートポンプ
3a、3b内の循環媒体10a、10bを昇温（50〜60℃）し、ヒ
ートポンプ3a、3bと蓄熱槽4間を循環する媒体11a、11b
を介して、蓄熱槽4内に蓄積される。このとき、蓄熱槽4
内の常温の媒体の温度は、50℃程度まで昇温される。従
って、熱消費設備である空調装置、すなわち冷暖房機の
ファンコイル5中を循環させる循環媒体6もまた、昇温さ
れる。こうして、継続した暖房運転ができる。

【００１８】なお、本発明においては、前記ヒートポン
プ3a、3bに付帯させて、前記蓄熱槽4とは別に、バッフ
ァ機能をもつと同時に循環媒体を供給するための貯湯槽
7を配管接続されている。この貯湯槽7内の媒体もまた、
上述したように、ヒートポンプ3a、3bによって50〜60℃
程度まで昇温されるが、この昇温された熱水を、住宅等
の給湯熱源または、温泉貯湯タンクの昇温熱源として利用
できる。この場合において、もしヒートポンプ3a、3bよ
り余剰熱が発生した場合には、50℃程度の温水として、
蓄熱槽4内に蓄積し、暖房需要の多い時間帯に優先的に
利用するようにしてもよい。

【００１９】一般に、かかるヒートポンプ3a、3bの効率
は、このシステムの稼動に伴い貯湯槽7内の温度が低下
することによって、徐々に低下する。そこで、その効率
がある設定値以下となった場合には、ヒートポンプ3bの
熱源側に接続された地中熱熱源採取装置8内の循環ポン
プを自動で始動させ、地中熱の集熱を開始する。つま
り、この場合、温水廃熱と地中熱の2つの熱源を併用し
て使用（熱回収）することになり、常に一定の熱量を高
い効率で供給する上で有効に機能する。

【００２０】（冷房運転時）冷房運転時には、ヒートポ
ンプ3a、3b内の循環媒体10a、10bの流れを、暖房運転時
とは逆方向にする。この場合、冷却効率を向上させるた
めに、ヒートポンプ3a、3bの冷却熱源としては河川水が
用いられる。このとき、蓄熱槽4内に蓄えられる媒体
は、0℃以下の温度まで冷却され、これを冷房熱源とし
て利用する。また、余剰熱は、0℃以下の冷媒として蓄
熱槽4内に蓄えられ、上述した暖房運転のときと同じよ
うに運転して冷房需要の多い時間帯に利用するようにし
てもよい。

【００２１】また、河川水からの回収熱量が不足する時
には、ヒートポンプ3bの熱源側に接続された地中熱熱源
採取装置8内の循環ポンプを自動で始動させ、地中熱の
集熱を開始する。つまり、この場合、ヒートポンプを運
転するのに必要な冷熱外として河川水と地中熱の2つの
冷熱源を併用して熱回収することになり、常に一定の熱
量を高い効率で供給することができる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
未利用エネルギーである温泉水の廃熱や河川水を熱源と
して運転されるヒートポンプを用いた住宅、各種熱消費
設備の冷暖房および給湯システムを提供することができ
る。すなわち、廃棄エネルギーと自然エネルギーを有効
に利用することができるようになる。また、熱源の不足
時には、地中熱を併用して利用すれば、常に高効率かつ
省エネルギー性に優れたシステムが実現できる。さら
に、蓄熱方式を併用すれば、さらに省エネルギーが実現
でき、使用電力の平準化にも貢献できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の空調・給湯システムのシステム
フロー図である。

【符号の説明】

１・・・温泉廃湯槽２ａ・・・熱交換器２ｂ・・・熱交換器３ａ・・・ヒートポンプＡ３ｂ・・・ヒートポンプＢ４・・・蓄熱槽５・・・ファンコイル６・・・ファンコイル循環媒体７・・・貯湯槽８・・・地中熱熱源採取装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者池内研東京都中央区日本橋小網町８番４号地熱エンジニアリング株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】水熱源ヒートポンプを用いて空調・給湯
を行なう方法において、該ヒートポンプの運転に当た
り、熱源として温泉廃湯を、そして冷熱源として河川水
を用いることを特徴とする水熱源ヒートポンプを用いた
空調・給湯方法。
【請求項２】水熱源ヒートポンプを用いて空調・給湯
を行なう方法において、該ヒートポンプの運転に当た
り、熱源として温泉廃湯を、そして冷熱源として河川水
を用いると共に、補助熱源として地中熱を用いることを
特徴とする水熱源ヒートポンプを用いた空調・給湯方
法。
【請求項３】水熱源ヒートポンプから発生した余剰熱
を、温水または氷として蓄熱することを特徴とする請求
項１または２に記載の空調・給湯方法。
【請求項４】水熱源ヒートポンプを用いて空調・給湯
を行なう装置において、該ヒートポンプは、温泉廃湯ま
たは河川水を、熱源もしくは冷熱源として運転されるも
のであることを特徴とする水熱源ヒートポンプを用いた
空調・給湯装置。
【請求項５】水熱源ヒートポンプを用いて空調・給湯
を行なう装置において、該ヒートポンプは、温泉廃水ま
たは河川水を、熱源もしくは冷熱源として運転されるも
のであると共に、地中熱を補助熱源とするものであるこ
とを特徴とする水熱源ヒートポンプを用いた空調・給湯
装置。
【請求項６】水熱源ヒートポンプから発生した余剰熱
を、蓄熱槽に温水または氷として蓄熱することを特徴と
する請求項４または５に記載の空調・給湯装置。