JP2003128575A - 脳腫瘍治療剤 - Google Patents

脳腫瘍治療剤

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JP2003128575A
JP2003128575A JP2001327319A JP2001327319A JP2003128575A JP 2003128575 A JP2003128575 A JP 2003128575A JP 2001327319 A JP2001327319 A JP 2001327319A JP 2001327319 A JP2001327319 A JP 2001327319A JP 2003128575 A JP2003128575 A JP 2003128575A
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brain tumor
therapeutic agent
peptide
fas ligand
amino acid
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JP2001327319A
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Kazuo Tabuchi
和雄 田渕
Tetsuya Shiraishi
哲也 白石
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Mochida Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Mochida Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】蛋白質としてのFasリガンドを有効成分と
し、脳脊髄液内に投与することにより、より安全に、F
as/Fasリガンド系を介するアポトーシスを誘導す
る脳腫瘍治療剤の提供。 【解決手段】アポトーシス誘導活性を有する、Fasリ
ガンドのアミノ酸配列の少なくとも一部を有するペプチ
ドを含んだ蛋白質を有効成分とすることを特徴とする脳
腫瘍治療剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はFasリガンドまた
はそのアミノ酸配列の一部を含み、アポトーシス誘導活
性を有する蛋白質を有効成分とすることを特徴とする脳
腫瘍治療剤に関する。本発明はまた、このような蛋白質
を有効成分とする医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】Fasリガンドは、細胞表面抗原Fas
を発現する細胞に対してアポトーシスを誘導する生体内
分子として、長田らにより報告されたポリペプチドであ
り(Takahashi et al.Interna
tionalImmunology 6:1567,1
994)、TNFファミリーに属する分子量約40kD
のII型糖蛋白質で、TNFと同様に、生体内で3量体を
形成すると考えられている(Tanaka et a
l.EMBOJournal 14:1129,199
5)。また、ヒトFasリガンドはラットFasリガン
ド(Suda etal.Cell,75:1169,
1993)やマウスFasリガンド(Takahash
i et al.Cell 76:969,1994)
と細胞外領域において高いホモロジーを有しており、ヒ
トFasリガンドはヒトFasのみでなくラットFa
s、マウスFasをも認識し、アポトーシスを誘導する
ことができる。また、近年、アポトーシス、特にFas
を介するアポトーシスと種々の疾患及び生理現象との関
連が示唆されている。たとえば、ウイルス性劇症肝炎に
おける肝細胞死及びある種の自己免疫疾患等において、
Fasを介するアポトーシスの異常が関与する可能性が
示唆されている。また、癌細胞の増殖は、生体の細胞増
殖制御機構の過程であるアポトーシスを逸脱した無秩序
な増殖であり、放射線治療や抗癌剤を用いる化学療法も
癌細胞にアポトーシスを誘導させる方法の一つである。
例えば、ブレオマイシンもFas/Fasリガンドを介
したアポトーシスを誘導することが報告されている(M
izutani et al.Cancer 79:1
180,1997)。この様に抗癌剤とアポトーシスの
関係が研究されているが、これら現在知られている抗癌
剤は、腫瘍細胞に対する選択性に乏しく、副作用は免れ
得ないアポトーシス誘導法である。特に脳腫瘍について
みると、現在行われている脳腫瘍(グリオーマ)の治療
は腫瘍全体を完全に摘除することが基本であるが、悪性
の脳腫瘍においては境界が明確でないため、完全には摘
出できないことが多く、放射線治療、化学療法や免疫療
法を併用している。しかし、その予後は充分満足のいく
ものではない。例えば、マイトマイシンの血小板減少、
ニトロソウレア系の造血障害及び腎毒性、シクロフォス
ファミドの消化器毒性、シスプラチンの腎毒性及びブレ
オマイシンの副作用等がよく知られているように、抗癌
剤は癌細胞に対する効果が強いほど、正常細胞または生
体に対する副作用が強いために充分な効果が上げられて
いない。また、放射線療法においても脱毛及び呼吸器障
害等の副作用が知られている。さらに、発生場所によっ
ては外科手術も適応できないなど解決すべき問題は多
い。
【0003】一方ヒト悪性脳腫瘍ではFasリガンドの
受容体である、Fasの発現が高く、周りの正常組織で
は発現が低いこと(Shinoura et al.J
pn.J.Cancer Res.91:1044,2
000)、悪性度が高いほどFas発現率が高くなるこ
と(Tachibana et al.CancerR
es.55:5528,1995)、また、予後のいい
低グレードの脳腫瘍ではFasリガンドの発現レベルが
高いこと(Ehrmann et al.Neopla
sma 47:151,2000)が報告されている。
【0004】Fasリガンドの脳腫瘍治療の分野におけ
る臨床応用につながる例としてはアデノウイルスを用い
たFasリガンドcDNAの株化グリオーマ細胞U−3
73MGへの導入(Shinoura et al.J
pn.J.Cancer Res.91:1044,2
000)、Fasリガンド遺伝子を導入した細胞の局所
投与による癌治療法(国際公開番号WO98/4624
2)、Fasリガンドを発現させた細胞の培養膠芽腫細
胞への添加(Kawaguchi et al.Neu
rosurgery 46:431,2000)、Fa
sまたはFasリガンド上のアミノ酸配列から導かれる
アミノ酸配列を有し、Fas発現細胞に選択的にアポト
ーシスを誘導することができるペプチドを有効成分とす
る抗癌剤(特開2001−187799号公報)等の報
告がある。しかし、蛋白質としてのFasリガンドその
もの、若しくはその誘導体、またはFasリガンドの生
物学的活性を有する融合蛋白質等を用いた例はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ウイ
ルス、細胞等を介せず、蛋白質としてのFasリガンド
そのもの、若しくはその誘導体、またはFasリガンド
の生物学的活性を有する融合蛋白質を有効成分とし、脳
脊髄液内に投与することにより、より安全に、Fas/
Fasリガンド系を介するアポトーシスを誘導する脳腫
瘍治療剤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、脳腫瘍患
者を救うべく、Fas/Fasリガンド系の機能及びF
as/Fasリガンド系を介するアポトーシスを脳腫瘍
治療に応用することを鋭意研究してきたが、脳腫瘍モデ
ルにおいてFasリガンドの生物学的活性を有する融合
蛋白質がその病態を改善することを見出し、本発明を完
成した。すなわち、本発明は、下記の脳腫瘍治療剤およ
び医薬組成物に関するものである。 (1)アポトーシス誘導活性を有する、Fasリガンド
のアミノ酸配列の少なくとも一部を有するペプチドを含
む蛋白質を有効成分とすることを特徴とする脳腫瘍治療
剤。 (2)前記蛋白質がFasリガンド融合蛋白質であるこ
とを特徴とする(1)に記載の脳腫瘍治療剤。 (3)前記融合蛋白質がオリゴマー形成能を有するペプ
チドを含むことを特徴とする(1)または(2)に記載
の脳腫瘍治療剤。 (4)前記アミノ酸配列が配列番号1に記載の配列であ
る(1)ないし(3)に記載の脳腫瘍治療剤。 (5)前記蛋白質がFLAG様ペプチド、ロイシンジッ
パーおよびFasリガンドのアミノ酸配列の少なくとも
一部を有するペプチドを含む融合蛋白質である(1)な
いし(4)に記載の脳腫瘍治療剤。 (6)前記融合蛋白質は、N末端側からFLAG様ペプ
チド、ロイシンジッパー、Fasリガンドのアミノ酸配
列の少なくとも一部を有するペプチドの順で連結されて
いることを特徴とする請求項5に記載の脳腫瘍治療剤。 (7)前記ロイシンジッパーが配列番号2に記載のアミ
ノ酸配列であり、前記FLAG様ペプチドが配列番号3
に記載のアミノ酸配列である(5)または(6)に記載
の脳腫瘍治療剤。 (8)前記融合蛋白質が配列番号4に記載の配列である
(2)ないし(6)に記載の脳腫瘍治療剤。 (9)脳腫瘍がグリオーマであることを特徴とする
(1)ないし(8)に記載の脳腫瘍治療剤。 (10)局所投与剤であることを特徴とする(1)ない
し(9)に記載の脳腫瘍治療剤。 (11)脳脊髄腔内への投与剤であることを特徴とする
(10)に記載の脳腫瘍治療剤。 (12)配列番号3に記載するFLAG様ペプチドと、
配列番号2に記載するロイシンジッパーと、配列番号1
に記載するFasリガンドのアミノ酸配列の少なくとも
一部を有するペプチドとが、この順でN末端側から連結
されている融合蛋白質を有効成分とする医薬組成物。 (13)配列番号4に記載する融合蛋白質を有効成分と
する医薬組成物。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の脳腫瘍治療剤により治療
対象とされる脳腫瘍は、頭蓋内に発生するすべての腫瘍
をいう。このような脳腫瘍の中でも、発生頻度の高い代
表的なものが神経膠腫(グリオーマ)であり、これはさ
らに、星細胞腫(アストロサイトーマ)、神経膠芽腫
(グリオブラストーマ)等を含む。脳腫瘍には、この
他、下垂体腺腫、神経鞘腫などがある。ただし、本発明
が治療対象とする脳腫瘍は、これらに限定されるもので
はなく、Fasを発現し、頭蓋内に発生する、もしくは
血液、肺や胃など他の臓器由来の腫瘍であっても、転移
により頭蓋内で増殖する腫瘍であれば含まれる。
【0008】次に、本発明においてFasリガンドと
は、少なくともその生物学的活性として、Fasに結合
し、Fasを発現する細胞にアポトーシスを誘導する活
性を有する物質である。Fasリガンドによるアポトー
シスの誘導は、Fasリガンドが細胞表面のFasに結
合し、Fasを介して、アポトーシスのシグナルが細胞
に伝達されるためと考えられている。ここでいうFas
あるいはFasリガンドは例えば、ヒト、マウス、ラッ
ト、モルモット、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウ
シ、ウマ、サル、ネコ、イヌ、マーモット等のいかなる
動物種由来のものであってもよいが、好ましくはヒト由
来のものである。
【0009】本発明において、脳腫瘍治療剤の有効成分
であるFasリガンドのアミノ酸配列の少なくとも一部
を有するペプチドとは、好ましくは配列表の配列番号1
に記載のアミノ酸配列の全体を有するペプチド、およ
び、そのアミノ酸配列の任意の長さからなる任意の一部
分を有するペプチドであり、Fasリガンドとしての生
物学的活性を有するものを意味する。もちろん、そのア
ミノ酸配列の任意の一部に加え、そのN末端、C末端の
いずれか一方、もしくはその両方に、例えばMet等の
任意の1つ以上のアミノ酸が付加してなるアミノ酸配列
で規定されるペプチド、あるいはアミノ酸配列中の任意
の位置に1つ以上のアミノ酸の変異、付加、欠失、置換
が生じたものであってもFasリガンドとしての生物学
的活性を有する限りにおいては、これに含まれる。例え
ばラットやマウスのFasリガンドのアミノ酸配列はヒ
トのFasリガンドのアミノ酸配列に複数の置換、欠失
が生じているものと位置づけることができるが、いずれ
もFasリガンドとしての生物学的活性を有することが
知られている。同様に、アカゲザル(Wang eta
l.Human Immunology 59:59
9,1998)やモルモット、ニワトリ、ウサギ、ブ
タ、ヒツジ、ウシ、ウマ、サル、ネコ、イヌ、マーモッ
ト等の他の動物種由来のFasリガンドであっても、F
asリガンドとしての生物学的活性を有する限りにおい
ては、本発明において使用するFasリガンドのアミノ
酸配列の少なくとも一部を有するペプチドに含まれる。
Fasリガンドのアミノ酸配列の少なくとも一部を有す
るペプチドの最も好適な一例は、Fasリガンドの細胞
外ドメインである。Fasリガンドの細胞外ドメイン
は、配列表の配列番号1に記載のヒトのFasリガンド
では103〜281アミノ酸部分に相当する。しかし、
本発明において使用する、融合蛋白質はアポトーシスを
誘導する活性を有するものであり、ヒトのFasリガン
ドにおいてはN末端から145〜281アミノ酸部分が
アポトーシス誘導活性に必要であることが知られてい
る。したがって、本発明において使用する融合蛋白質は
Fasリガンドのアミノ酸配列の少なくとも一部とし
て、ヒトのFasリガンドの145〜281アミノ酸部
分を含有するものである。しかし、アポトーシス誘導活
性がより強いものとしては、さらにヒトのFasリガン
ドの144アミノ酸部分を含有することが好ましい。
【0010】オリゴマー形成能を有するペプチドとは、
二量体、三量体、或いはそれより高度のオリゴマーへと
自己会合する能力があるペプチドのことであり、多くの
場合、α−ヘリックスやβ−シートのような2次構造を
とりうる。ロイシンジッパーが好適な1例として提供さ
れる。
【0011】ロイシンジッパーとは、数々の蛋白質にお
ける保存ドメインとして存在する、(abcdefg)
n (nは4あるいは5)と表示される反復性7残基モチ
ーフを意味するのに用いられる用語である。式中、aお
よびdは一般的にロイシンあるいはイソロイシンのよう
な疎水性残基であり、これらはヘリックスの同一面に並
んでいる(McLachlan et al.,J.M
ol.Biol.98:293,1975)。位置dに
存在するロイシン残基は大きな疎水性安定化エネルギー
の一因となっており、そしてこれは二量体形成にとって
重要である(Krystek et al.,Int.
J.Peptide Res.38:229,199
1)。また、ロイシンジッパーの上記式aおよびd残基
に対応するアミノ酸置換がロイシンジッパーのオリゴマ
ー形成特性を変化させることが見いだされた(Harb
ury et al.,Science 262:14
01,1993)。位置aの全ての残基がイソロイシン
に代わる場合には、ロイシンジッパーは依然として平行
二量体を形成する。この変化に加え、位置dのロイシン
残基が全てイソロイシンに代わる場合には、得られるペ
プチドは溶液中において自発的に三量体平行らせん状コ
イルを形成する。位置dの全てのアミノ酸をイソロイシ
ンで、そして位置aの全てのアミノ酸をロイシンで置換
すると四量体を形成する。オリゴマー形成のメカニズム
が同一であるかぎり、これらの置換を含むペプチドは依
然としてロイシンジッパーとして引用される。ロイシン
ジッパーの好適な例は、前記位置aおよびd残基がすべ
てイソロイシンに代えられた、いわゆるイソロイシンジ
ッパーであり、もっとも好適な1例は、配列番号2に記
載される配列を有するものであるがオリゴマー形成能を
有するかぎりにおいてはこれに限定されるものではな
い。オリゴマー形成能を有するペプチドの他の例として
は、p53の四量体化に関与する配列、血小板因子4、
ヒストンH3およびH4蛋白質の一部の配列などが知ら
れている(これらは、特表平11−508126号公報
に詳細に記載され、本明細書はこれを引用として明細書
の内容とする。)。ここで、アミノ酸配列中の任意の位
置に1つ以上のアミノ酸の変異、付加、欠失、置換が生
じたものであってもロイシンジッパーとしての生物学的
活性を有する限りにおいては、これに含まれる。
【0012】FLAGペプチドとは、本来、生物活性を
変化させず、特異的モノクローナル抗体により認識され
るエピトープを提供し、発現される融合蛋白質の迅速な
検出および容易な精製を可能にするためのものである
が、組換え蛋白質の産生量を増加させる効果を有してい
る。本発明において使用するFLAG様ペプチドとは、
FLAGペプチドと同様の組換え蛋白質の産生量を増加
させる効果を有するペプチドを意味する。FLAGペプ
チドの好適態様は、配列番号3に記載する配列である
が、この効果を有する限りにおいては、そのアミノ酸配
列の任意の一部に加え、そのN末端、C末端のいずれか
一方、もしくはその両方に、例えばMet等の任意の1
つ以上のアミノ酸が付加してなるアミノ酸配列で規定さ
れるペプチド、あるいはアミノ酸配列中の任意の位置に
1つ以上のアミノ酸の変異、付加、欠失、置換が生じた
ものであっても、これに含まれる。例えば、Asp−L
eu−Tyr−Asp−Asp−Asp−Asp−Ly
sというアミノ酸配列からなるペプチドも、配列番号3
に記載の配列と同等の機能を有するものとして含まれ
る。
【0013】本発明において使用する融合蛋白質は、F
asリガンドのアミノ酸配列の少なくとも一部を有する
ペプチド、オリゴマー形成能を有するペプチドおよびF
LAG様ペプチドのいずれをも含み、Fasリガンドの
生物学的活性を有する、すなわち、少なくともFasと
結合し、Fasを発現している細胞にアポトーシスを誘
導する活性を保持している。融合蛋白質は、Fasリガ
ンドの生物学的活性を有している限り、その構成に関し
て、3種のペプチドはいかなる順序で連結されてもよい
し、任意のリンカー配列やシグナル配列を含むこともで
きる。リンカー配列は、当技術分野において周知であ
る。シグナル配列の例としては、マウスTリンパ球抗原
CD8シグナル配列、バキュロウイルスgp67蛋白シ
グナル配列、G−CSFシグナル配列、ヒトFasシグ
ナル配列のような蛋白質の分泌を促すシグナル配列が挙
げられる。
【0014】該融合蛋白質の好適な1例は、N末端側か
らFLAG様ペプチド、ロイシンジッパー、ヒトFas
リガンドの細胞外ドメインの順に連結された融合蛋白質
である。最も好適な1例は配列表の配列番号4に示され
るアミノ酸配列を有するものであり、N末端側からFL
AGペプチド、ロイシンジッパー、ヒトFasリガンド
の細胞外ドメインの順に連結された融合蛋白質である
が、ヒトFasシグナル配列の一部を含んでいてもかま
わない。
【0015】本発明の脳腫瘍治療剤は、Fasリガンド
のアミノ酸配列の少なくとも一部を有するペプチドを含
んだ比較的分子量の大きい蛋白質(単一ポリペプチドと
して26kDa超)を有効成分とする。これにより、本
発明の脳腫瘍治療剤は、有効成分の流動性が低く、投与
した際に所望の部位、すなわち腫瘍の存在する組織に保
持され、他の組織に副作用を及ぼすことなく、脳腫瘍に
効率良く作用する。また、このような比較的分子量の大
きい蛋白質を有効成分とするため、治療剤の生物学的半
減期が長く、より長期にわたって脳腫瘍に作用すること
ができる。これにより、脳腫瘍の治療する上で必要とな
る薬剤の投与回数をより少なくすることができる。さら
に、合成物ではなく、もともと生体内に存在するFas
リガンドを有効成分とするため、免疫原性が少ない。
【0016】本発明の脳腫瘍治療剤の投与方法は特に限
定されないが、脳腫瘍に効率よく作用し、さらに他組織
への副作用等を排除できることから、局所投与が好まし
い。より好ましくは脳脊髄内投与であり、とりわけ脊髄
内投与、大曹内投与等が好ましいが、外科的な摘出手術
時において、より完璧にするために、あるいは外科的な
摘出が困難な場合などに、腫瘍組織あるいは摘出組織周
辺に直接接触させる方法、除放性になるよう工夫された
カプセル等を埋め込む方法も含まれる。
【0017】本発明の医薬組成物は、上記したアポトー
シス誘導活性を有する、Fasリガンドのアミノ酸配列
の一部を有するペプチドを含む蛋白質を有効成分とし、
医薬上許容される担体または溶媒の類を、本発明で使用
する融合蛋白質と適宜組み合わせて種々の剤形としたも
のである。より詳細には、防腐剤、等張化剤、安定化剤
(例えば糖、糖アルコール、ヒト血清アルブミン、ヒト
免疫グロブリン、α2マクログロブリン、アミノ酸な
ど)、分散剤(例えばイオン性界面活性剤、非イオン性
界面活性剤など)、酸化防止剤(例えばアスコルビン
酸、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸
プロピル、dl−α−トコフェロールなど)、緩衝剤、
保存剤(例えばパラベン、ベンジルアルコール、塩化ベ
ンザルコニウムなど)、更には必要に応じて滅菌水、植
物油、無害性有機溶媒あるいは無害性溶解補助剤(例え
ばグリセリン、プロピレングリコールなど)、乳化剤、
懸濁化剤(例えばツイーン80、アラビアゴム溶液な
ど)などと適宜選択して組み合わせて適当な医薬用製剤
に調製することができる。
【0018】この剤形としては、例えば水性もしくは非
水性の注射剤、乳濁性もしくは懸濁性の注射剤、あるい
は用時溶解、乳濁または懸濁して用いる固形注射剤等が
挙げられる。これらは例えばメンブランフィルターによ
る濾過、殺菌剤の配合または紫外線照射などによって無
菌化される。これらはまた無菌の個体組成物を製造し、
用時溶解、乳濁、または懸濁して用いる注射剤とするこ
ともできる。
【0019】本発明の脳腫瘍治療剤の投与量は、症状に
より異なるが、通常、成人に対して一日あたり、全身投
与(静脈内投与等の非経口投与)の場合、約1〜100
0mgの範囲以内で、好ましくは約10〜100mgの範囲
で投与されるが、患者の容態等に応じて適宜増減される
ものであり、これに限定されるものではない。また、全
量を単回あるいは2〜6回に分割して投与することや、
点滴静注等も可能である。局所投与の場合も、症状によ
り異なるが、脊髄内投与などの方法により適量投与する
ことができる。また、治療剤の剤形、投与方法、1日当
たりの投与回数、症状の程度、体重、年齢等によって適
宜増減することが好ましい。なお、本発明の化合物は従
来の治療薬と併用することも可能である。
【0020】
【実施例】以下に、実施例をもって本発明を一層具体的
に説明するが、これらは一例として示すものであり、本
発明はこれらにより何等限定されるものではない。ま
た、以下の記載において用いる略号は、該分野における
慣用略号に基づくものである。
【0021】(実施例1)ヒトFasリガンド融合蛋白
質発現ベクターの作製 (1)ロイシンジッパーとヒトFasリガンド細胞外ド
メインの融合蛋白質を発現するプラスミドpM1807
を以下に示す方法で作製した。センスプライマー1(A
CCATGCTGGGCATCTGGACCCTCCT
ACCTCTGGTTCTTACGTCTGTTGC
T)、アンチセンスプライマー1(ATTTCTTCG
ATCTTGTCTTCGATTTGTTTCATTC
TAGCAACAGACGTAAGAACCAG)、セ
ンスプライマー2(GAAGACAAGATCGAAG
AAATTCTTTCGAAAATCTATCACAT
CGAAAATGAG)、アンチセンスプライマー2
(GCGTTCGCCGATTAATTTCTTGAT
TCTGGCAATCTCATTTTCGATGTGA
TAGA)、センスプライマー3(TGCGAATTC
ACCATGCTGGGCATCTGG)、アンチセン
スプライマー3(GGAAGAGCTGCAGCAGG
CGTTCGCCGATTAATTTC)、センスプラ
イマー4(GGCGAACGCCTGCTGCAGCT
CTTCCACCTACAG)およびアンチセンスプラ
イマー4(AATAAGCTTGGTACCCTATT
AGAGCTTATATAA)を化学合成機にて合成し
た。このセンスプライマー1はヒトFasシグナル配列
をコードする配列を含んでいる。アンチセンスプライマ
ー1はヒトFasシグナル配列をコードする配列の3'
末端領域とロイシンジッパーをコードする配列の5' 末
端領域を含んでいる。センスプライマー2はロイシンジ
ッパーをコードする配列の中間領域を含んでいる。アン
チセンスプライマー2はロイシンジッパーをコードする
配列の3' 末端領域を含んでいる。センスプライマー3
はヒトFasシグナル配列をコードする配列の5' 末端
領域とEcoRIサイト(GAATTC)を含んでい
る。アンチセンスプライマー3はロイシンジッパーをコ
ードする配列の3' 末端領域、PstIサイト(CTG
CAG)およびヒトFasリガンド細胞外ドメインのN
末端側をコードする塩基配列を含んでいる。センスプラ
イマー4はロイシンジッパーをコードする配列、3' 末
端領域のPstIサイト(CTGCAG)およびヒトF
asリガンド細胞外ドメインのN末端側をコードする塩
基配列を含んでいる。アンチセンスプライマー4はヒト
FasリガンドのC末端側をコードする配列、TAA終
止コドンおよびKpnIサイト(GGTACC)を含ん
でいる。
【0022】得られたセンスプライマー1およびアンチ
センスプライマー1と、センスプライマー2およびアン
チセンスプライマー2とをそれぞれ50pmol、dA
TP、dCTP、dGTP、dTTPをそれぞれ10n
mol、Pfu DNAポリメラーゼ(ストラタジーン
社)を1.25ユニットおよび添付の10×Pfuバッ
ファー5μLを含む50μLの溶液を調製した。DNA
サーマルサイクラー(PCRシステム9600、アプラ
イドバイオシステムズ社)を使用して;94℃で30
秒;55℃で30秒;72℃で1分を1サイクルとする
PCRを30サイクル行った。得られたPCR産物をそ
れぞれ0.5μL、センスプライマー3およびアンチセ
ンスプライマー3をそれぞれ50pmolを含む50μ
LのPCR反応液を調製し、上記と同様にPCRを行っ
た。
【0023】一方、センスプライマー4およびアンチセ
ンスプライマー4をそれぞれ50pmol、鋳型として
ヒトFasリガンドをコードする配列を含むプラスミド
pBX−hFL1(国際公開番号WO95/1329
3)を1ng含む50μLのPCR反応液を調製し、同
様にPCRを行った。さらに、センスプライマー3およ
びアンチセンスプライマー3を用いて得られたPCR産
物とセンスプライマー4およびアンチセンスプライマー
4を用いて得られたPCR産物をそれぞれ0.5μL、
センスプライマー3およびアンチセンスプライマー4を
それぞれ50pmolを含む50μLのPCR反応液を
調製し、同様にPCRを行った。
【0024】得られたPCR産物をEcoRIおよびK
pnIで二重消化した。一方、EFプロモーター下にヒ
トFasリガンド細胞外ドメインをコードする配列を持
ちDHFR遺伝子を含む発現プラスミドpM1070
(国際公開番号WO95/13293)をEcoRIお
よびKpnIで二重消化し、アガロース電気泳動に供し
た後、約7kbpの断片を回収し精製した。このベクタ
ー側断片に上述のEcoRIおよびKpnIで消化した
PCR産物の断片を組み込み、得られたプラスミドをp
M1807と命名した。
【0025】(2)FLAGペプチドとヒトFasリガ
ンド細胞外ドメインの融合蛋白質を発現するプラスミド
pM1809を以下に示す方法で作製した。アンチセン
スプライマー5(CTTGTCATCGTCATCCT
TGTAGTCAGCAACAGACGTAAGAAC
C)、センスプライマー5(GACTACAAGGAT
GACGATGACAAGCAGCTCTTCCACC
TACAG)を化学合成機にて合成した。このアンチセ
ンスプライマー5はヒトFasシグナル配列をコードす
る配列の3' 末端領域とFLAGペプチドをコードする
配列を含んでいる。センスプライマー5はFLAGペプ
チドをコードする配列とヒトFasリガンド細胞外ドメ
インのN末端側をコードする塩基配列を含んでいる。
【0026】得られたアンチセンスプライマー5と実施
例1(1)で作製したセンスプライマー3をそれぞれ5
0pmol、鋳型としてセンスプライマー1を0.05
pmol含む50μLのPCR反応液を調製し、実施例
1(1)と同様にPCRを行った。一方、センスプライ
マー5および実施例1(1)で作製したアンチセンスプ
ライマー4をそれぞれ50pmol、鋳型として実施例
1(1)で使用したpBX−hFL1を1ng含む50
μLのPCR反応液を調製し、同様にPCRを行った。
得られたPCR産物をそれぞれ0.5μL、センスプラ
イマー3およびアンチセンスプライマー4をそれぞれ5
0pmolを含む50μLのPCR反応液を調製し、同
様にPCRを行った。
【0027】こうして得られたPCR産物をEcoRI
およびKpnIで二重消化し、実施例1(1)と同様に
pM1070のEcoRIおよびKpnIで二重消化し
たベクター側断片に組み込み、得られたプラスミドをp
M1809と命名した。
【0028】(3)プラスミドpUC−IZFLを以下
に示す方法で作製した。pUC118(宝酒造製)をP
stIで消化し、DNA Blunting Kit
(宝酒造製)を用いて末端を平滑化した後ライゲーショ
ンを行うことで、PstIサイトをつぶしたpUC11
8を得た。このプラスミドをEcoRIおよびKpnI
で二重消化し、実施例1(1)で作製したロイシンジッ
パーおよびヒトFasリガンド細胞外ドメインを含むP
CR産物をEcoRIおよびKpnIで二重消化した断
片を組み込み、得られたプラスミドをpUC−IZFL
と命名した。
【0029】(4)FLAGペプチドとロイシンジッパ
ーとヒトFasリガンド細胞外ドメインの融合蛋白質
(以下FLAG−IleZip−shFasLと略記)
を発現するプラスミドpM1815を以下に示す方法で
作製した。アンチセンスプライマー6(GTTTCAT
TCTCTTGTCATCGTCATCCTTGT
A)、センスプライマー6(CGATGACAAGAG
AATGAAACAAATCGAAGAC)を化学合成
機にて合成した。このアンチセンスプライマー6はFL
AGペプチドをコードする配列とロイシンジッパーをコ
ードする配列の5' 末端領域を含んでいる。センスプラ
イマー6はFLAGペプチドをコードする配列の3' 末
端領域とロイシンジッパーをコードする配列の5' 末端
領域を含んでいる。
【0030】得られたアンチセンスプライマー6と実施
例1(1)で作製したセンスプライマー3をそれぞれ5
0pmol、鋳型として実施例1(2)で作製したpM
1809を1ng含む50μLのPCR反応液を調製
し、実施例1(1)と同様にPCRを行った。一方、セ
ンスプライマー6および実施例1(1)で作製したアン
チセンスプライマー3をそれぞれ50pmol、鋳型と
して実施例1(1)で作製したpM1807を1ng含
む50μLのPCR反応液を調製し、同様にPCRを行
った。得られたPCR産物をそれぞれ0.5μL、セン
スプライマー3およびアンチセンスプライマー3をそれ
ぞれ50pmolを含む50μLのPCR反応液を調製
し、同様にPCRを行った。
【0031】こうして得られたPCR産物をEcoRI
およびPstIで二重消化した。一方、実施例1(3)
で作製したpUC−IZFLをEcoRIおよびPst
Iで二重消化し、アガロース電気泳動に供した後、約
3.7kbpの断片を回収し精製した。このベクター側
断片に上述のEcoRIおよびPstIで消化したPC
R産物の断片を組み込み、プラスミドを得た。このプラ
スミドを更にEcoRIおよびKpnIで二重消化し、
実施例1(1)と同様にpM1807のEcoRIおよ
びKpnIで二重消化したベクター側断片に組み込み、
得られたプラスミドをpM1815と命名した。プラス
ミドpM1815は、平成12年5月12日付で日本国
茨城県つくば市東一丁目一番一号中央第六の独立行政法
人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託し
(受託番号FERM P−17853)、さらに平成1
3年5月8日付で原寄託から国際寄託に移管した(寄託
番号FERM BP−7575)。
【0032】(実施例2)FLAG−IleZip−s
hFasLの発現 (1)COS−1細胞を用いたFLAG−IleZip
−shFasLの発現を以下に示す方法で行った。実施
例1で作成したpM1815をCOS−1細胞へ導入し
その上清中に該蛋白質を発現、分泌させた。すなわち、
1μgのプラスミドを2μLの10mMTris−HC
l(pH7.4)/1mM エチレンジアミン四酢酸溶
液に溶解した。これらに、それぞれ0.2mg/mL
DEAE−デキストランおよび50mM Tris−H
Cl(pH7.4)を含有するD−MEM(日水製薬
製)0.7mLを添加し、DNA−DEAEデキストラ
ン混合液を作製した。6ウエルプレート内でセミコンフ
ルエントまで単層培養したCOS−1細胞にDNA−D
EAEデキストラン混合液を滴下し、CO2 インキュベ
ータ中で、37℃にて培養した。4時間後、DNA−D
EAEデキストラン混合液を除去し、10%FBS(ギ
ブコ社製)を含有するD−MEMに交換し、さらに96
時間培養した。プラスミドを導入したCOS−1細胞の
培養上清を回収し、以下の(2)および実施例3〜6に
使用した。
【0033】(2)COS−1細胞培養上清中のFLA
G−IleZip−shFasLの定量を以下に示す方
法で行った。培養上清中のFLAG−IleZip−s
hFasLの定量は、Fasリガンド特異的な抗体(固
相化抗体としてF918−20−2、西洋ワサビペルオ
キシダーゼ標識抗体としてF919−9−18、各抗体
の詳細は国際公開番号WO97/02290に記載され
ている)を用いたEIA(Enzyme immuno
assay)にて実施した。
【0034】(実施例3)FLAG−IleZip−s
hFasLのFas発現腫瘍細胞株に対する細胞傷害活
性を、以下の方法で該融合蛋白質を添加して培養し、細
胞の死滅の割合を検討した。 (1)ラットFas遺伝子のクローニング ラットグリオーマ細胞由来株化培養細胞 C6細胞をト
リプシン処理により培養フラスコよりはがし、1 ×10
6 個を遠心により回収し、「RNeasy mini
kit」( QIAGEN社製) を用いてRNAを回収し
た。回収したRNAを吸光度により定量し、「Supe
rscriptPreamplificationSy
stem for FirstStrandcDNAS
ynthesis」キット( ギブコBRL社製) を用い
てcDNAを合成し、これを鋳型としてセンスプライマ
ー7(TGCGAATTCGATATGCTGTGGA
TCATG)とアンチセンスプライマー7(CGCGG
ATCCTTATCACTCCAGACTTTGTC
C)を用いてPCRを実施した。このセンスプライマー
7はラットFasシグナルペプチドをコードする配列の
5’末端領域、Kozak配列及び翻訳開始コドン(G
ATATG)、EcoRIサイト( GAATTC) を含
み、アンチセンスプライマー7はラットFasのC末端
側をコードする配列、終止コドン(TGA及びTA
A)、BamH1サイト( GGATCC) を含んでい
る。このセンスプライマー7およびアンチセンスプライ
マー7をそれぞれ20pmol、cDNAを1μL、d
ATP、dCTP、dGTP、dTTPをそれぞれ10
nmol、EX Taq DNAポリメラーゼ(宝酒造
社製)を0.5ユニットおよび添付の10×EX Ta
qバッファー2μLを含む20μLの溶液を調製し、D
NAサーマルサイクラー(PCRシステム9600、ア
プライドバイオシステムズ社製)を使用し、94℃で3
0秒、60℃で30秒、72℃で1 分を1 サイクルとす
るPCRを30サイクル行い、得られたPCR産物をE
Fプロモーター下にPCR産物をクローニングする配列
を持ちBlasticidin耐性遺伝子を含む発現プ
ラスミドpEF6/V5−His−TOPO(インビト
ロジェン社製)に組み込み、プラスミドpM1818を
得た。
【0035】(2)Fas発現腫瘍細胞株の樹立 C6細胞1 ×106 個を直径10cmの培養用ディッシ
ュに10%FBSを含むD−MEM培地10mLに懸濁
して植え込み、翌日、その細胞に前項で調製したラット
Fas遺伝子の発現プラスミドpM1818を遺伝子導
入試薬FuGENE6(ロッシュ・ダイアグノスティッ
ク社製)を用いてトランスフェクションし、その翌日、
ディッシュからトリプシン処理により細胞をはがして、
1 枚のディッシュから得られた細胞を3倍から10倍に
希釈して新しいディッシュに植え込んだ。一昼夜培養の
後、培地に最終濃度10μg/mLとなるように抗生物
質Blasticidin(科研製薬製)を添加して約
2週間培養後、Blasticidin耐性となった細
胞を96ウェルプレートに単離した。この薬剤耐性細胞
の中から次項に示す方法を用い、FLAG−IleZi
p−shFasL刺激感受性を指標としてFas高発現
細胞、C6−rFas細胞を選別した。
【0036】(3)細胞傷害活性の検討 C6細胞並びに前項で得られたFas刺激感受性を高め
たC6−rFas細胞を2×105 細胞/mLとなるよ
うに10%FBSを含むD−MEM培地に懸濁し、それ
を96ウエルプレートに50μL/ウエル(1×104
個/ウエル)ずつ植え込んだ。翌日、10%FBSを含
むD−MEM培地にてFLAG−IleZip−shF
asLを検定する濃度(終濃度0.3、1、3、10、
30、100および300ng/mL)に希釈した。こ
の溶液を50μL/ウエルとなるように先の細胞を植え
込んだウエルに添加し37℃のCO2 インキュベータ中
で約20時間培養後、細胞傷害活性を測定した。活性測
定は、ミトコンドリアの酵素活性を指標に生存細胞数を
検定するWST−1試薬(Premix WST−1C
ell Proliferation Assay S
ystem, 宝酒造製)を10μL/ウエル添加し3
7℃のCO2 インキュベータ中で2ないし3時間培養
後、吸光度(450nm−620nm)を測定すること
で実施した。細胞傷害活性は、バックグランドとして細
胞を植え込んでいないウエルの値を差し引いた後、FL
AG−IleZip−shFasLを全く含まない培地
で同様に測定したウエルの値を100%として細胞生存
率として算出した。 細胞生存率(%)=(検定するウエルの吸光度−細胞非
添加ウエルの吸光度)/(FLAG−IleZip−s
hFasL非添加ウエルの吸光度−細胞非添加ウエルの
吸光度)×100 図1に示すように、C6−rFas細胞に対し、FLA
G−IleZip−shFasLは用量依存的に細胞傷
害活性を示した。
【0037】(実施例4)ラット脳腫瘍モデルに対する
効果の検討 9−10週齢の雄性SD系ラットを塩酸メデトミジン
0.1mLおよびケタミン0.5mL筋注にて麻酔し、
頚部を前屈させ頭部固定器に頭部を固定して後頭から後
頚部までを正中切開し、筋肉を鈍的に剥離し、後頭骨お
よび第一頚椎を露出させた。さらに後頭骨と第一頚椎間
の硬膜を露出させ、29ゲージ針を後頭骨と第一頚椎間
から大槽内へ刺入し脳脊髄液約100μLを吸引採取し
た後、実施例3で得たFas高発現C6細胞株C6−r
Fas細胞1 ×106 個を100μLの人工髄液で懸濁
し、29ゲージ針を使って大槽内に移植した。1日後、
同様の方法で麻酔をかけ、頭部を固定し、硬膜を露出
し、人工髄液150μL(コントロール群)、FLAG
−IleZip−shFasL 50μL(A群)、F
LAG−IleZip−shFasL 100μL(B
群)、FLAG−IleZip−shFasL 150
μL(C群)をそれぞれ大槽内に注入し、さらに1日
後、麻酔下で10%緩衝化ホルマリンで経心的に灌流し
て脳を摘出し、同液に数日間浸し、固定した。
【0038】<人工髄液の調製>以下のA液10mLお
よびB液20mLを生理食塩水500mLに溶解して調
製した。 A液:塩化カリウム77.4mg、塩化マグネシウム・
6水和物127.4mg、塩化カルシウム・2水和物9
2.4mg、補正用乳酸ナトリウム液(大塚製薬製)
0.896mL、15%糖液(菱山製薬製)7.64m
Lを蒸留水に溶解し、10mLに調製した。 B液:リン酸二水素カリウム81.6mg、メイロン8
4(大塚製薬製)3.794mL) を蒸留水に溶解し、
20mLに調製した。
【0039】<病理検査>摘出した脳のcoronal
sectionを作製してH−E染色し、全視野の中
でクモ膜下腔に腫瘍細胞が最も多く認められる部位を2
00倍で2ヵ所写真をとり、クモ膜下に存在する腫瘍細
胞数をカウントした。H−E染色による評価は、クモ膜
下腔に腫瘍細胞が認められないものを0、1から2層の
腫瘍細胞が認められるもの1、3から5層の腫瘍細胞が
認められるものを2、6層以上の腫瘍細胞が認められる
ものを3とし、その値を平均して表した。またTUNE
L染色してアポトーシスを起こしている細胞を観察し、
apoptotic index(TUNEL染色陽性
率で表される)を求めた。その結果、表1に示すよう
に、FLAG−IleZip−shFasLを投与する
ことにより生着腫瘍細胞数は減少し、112.5μg /
bodyでは腫瘍細胞の生着は完全に抑制された。ま
た、生着した腫瘍も投与量に依存して、アポトーシスの
指標であるapoptotic indexの増加が認
められ、アポトーシスを起こしていることが確認され
た。
【0040】 表1 ラット脳腫瘍モデルに対する効果の検討 ──────────────────────────────── Fas投与量 HF染色評価 生着細胞数 Apoptotic Index μg/body cells/area % ──────────────────────────────── 0.0 2.0 321 0.6 37.5 0.7 75 12.4 75.0 1.0 114 19.2 112.5 0.0 0 − ──────────────────────────────── FasL=FLAG・IleZip・shFasL
【0041】(実施例5)安全性試験 ― ラット静脈
内投与 6週齢の雌性ウィスター ハノーバー系ラットを5群に
わけ、コントロールまたはFLAG−IleZip−s
hFasLの0.1%ヒト血清アルブミン−PBS
(−)溶液を0.1、0.2、0.3mg/kgの用量
で尾静脈内投与し、24時間後、頚静脈より、採血し、
GOT、GPTを全血マルチロータV−DPP( 第一化
学薬品製) を用いてベストスキャン全血自動分析装置P
C−2001(米国Abaxis社製)で測定した。そ
の結果、表2に示すように、GOTおよびGPTは薬物
非投与群に比べて変化は認められず、死亡例もなかっ
た。
【0042】 表2 安全性試験 ラット静脈内投与 ───────────────────────────── FasL投与量 GOT GPT (mg/kg i. v. ) (IU/dL) (IU/dL) ───────────────────────────── 0.0 63 22 0.1 62 25 0.2 57 22 0.3 68 27 ───────────────────────────── FasL=FLAG・IleZip・shFasL
【0043】(実施例6)安全試験 ― ラット大槽内
投与 9週齢の雌性ウィスター ハノーバー系ラットを1 群3
匹にわけ、FLAG−IleZip−shFasLの人
工髄液溶液を15μg/20μL/bodyの用量
(0.1mg/kg相当)で大槽内投与し、24時間後
観察したが、コントロール群との差は認められなかっ
た。
【0044】
【発明の効果】本発明の脳腫瘍治療剤は、Fas結合活
性およびアポトーシス発現活性といったFasリガンド
のFasリガンドとしての生物学的活性の強いFasリ
ガンド融合蛋白質を有効成分とする。このため、大槽内
投与により、髄腔内に浸潤したFasを発現するグリオ
ーマ細胞に低用量でアポトーシスを誘導することができ
る。また、治療効果が認められた用量のFasリガンド
を大槽内投与しても副作用は認められず、脳腫瘍の治療
剤として有用である。
【0045】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Mochida Pharmaceutical Co.,LTD. <120> Brain tumor remedy <130> MD0605 <160> 4 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 281 <212> PRT <213> human <400> 1 Met Gln Gln Pro Phe Asn Tyr Pro Tyr Pro Gln Ile Tyr Trp Val 5 10 15 Asp Ser Ser Ala Ser Ser Pro Trp Ala Pro Pro Gly Thr Val Leu 20 25 30 Pro Cys Pro Thr Ser Val Pro Arg Arg Pro Gly Gln Arg Arg Pro 35 40 45 Pro Pro Pro Pro Pro Pro Pro Pro Leu Pro Pro Pro Pro Pro Pro 50 55 60 Pro Pro Leu Pro Pro Leu Pro Leu Pro Pro Leu Lys Lys Arg Gly 65 70 75 Asn His Ser Thr Gly Leu Cys Leu Leu Val Met Phe Phe Met Val 80 85 90 Leu Val Ala Leu Val Gly Leu Gly Leu Gly Met Phe Gln Leu Phe 95 100 105 His Leu Gln Lys Glu Leu Ala Glu Leu Arg Glu Ser Thr Ser Gln 110 115 120 Met His Thr Ala Ser Ser Leu Glu Lys Gln Ile Gly His Pro Ser 125 130 135 Pro Pro Pro Glu Lys Lys Glu Leu Arg Lys Val Ala His Leu Thr 140 145 150 Gly Lys Ser Asn Ser Arg Ser Met Pro Leu Glu Trp Glu Asp Thr 155 160 165 Tyr Gly Ile Val Leu Leu Ser Gly Val Lys Tyr Lys Lys Gly Gly 170 175 180 Leu Val Ile Asn Glu Thr Gly Leu Tyr Phe Val Tyr Ser Lys Val 185 190 195 Tyr Phe Arg Gly Gln Ser Cys Asn Asn Leu Pro Leu Ser His Lys 200 205 210 Val Tyr Met Arg Asn Ser Lys Tyr Pro Gln Asp Leu Val Met Met 215 220 225 Glu Gly Lys Met Met Ser Tyr Cys Thr Thr Gly Gln Met Trp Ala 230 235 240 Arg Ser Ser Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn Leu Thr Ser Ala Asp 245 250 255 His Leu Tyr Val Asn Val Ser Glu Leu Ser Leu Val Asn Phe Glu 260 265 270 Glu Ser Gln Thr Phe Phe Gly Leu Tyr Lys Leu 275 280 281
【0046】 <210> 2 <211> 33 <212> PRT <223> artificial <400> 2 Arg Met Lys Gln Ile Glu Asp Lys Ile Glu Glu Ile Leu Ser Lys 5 10 15 Ile Tyr His Ile Glu Asn Glu Ile Ala Arg Ile Lys Lys Leu Ile 20 25 30 Gly Glu Arg 33
【0047】 <210> 3 <211> 8 <212> PRT <213> artificial <400> 3 Asp Tyr Lys Asp Asp Asp Asp Lys
【0048】 <210> 4 <211> 714 <212> DNA <213> artificial <400> 4 atg ctg ggc atc tgg acc ctc cta cct ctg gtt ctt acg tct gtt gct Met Leu Gly Ile Trp Thr Leu Leu Pro Leu Val Leu Thr Ser Val Ala 1 5 10 15 gac tac aag gat gac gat gac aag aga atg aaa caa atc gaa gac aag Asp Tyr Lys Asp Asp Asp Asp Lys Arg Met Lys Gln Ile Glu Asp Lys 20 25 30 atc gaa gaa att ctt tcg aaa atc tat cac atc gaa aat gag att gcc Ile Glu Glu Ile Leu Ser Lys Ile Tyr His Ile Glu Asn Glu Ile Ala 35 40 45 aga atc aag aaa tta atc ggc gaa cgc ctg ctg cag ctc ttc cac cta Arg Ile Lys Lys Leu Ile Gly Glu Arg Leu Leu Gln Leu Phe His Leu 50 55 60 cag aag gag ctg gca gaa ctc cga gag tct acc agc cag atg cac aca Gln Lys Glu Leu Ala Glu Leu Arg Glu Ser Thr Ser Gln Met His Thr 65 70 75 80 gca tca tct ttg gag aag caa ata ggc cac ccc agt cca ccc cct gaa Ala Ser Ser Leu Glu Lys Gln Ile Gly His Pro Ser Pro Pro Pro Glu 85 90 95 aaa aag gag ctg agg aaa gtg gcc cat tta aca ggc aag tcc aac tca Lys Lys Glu Leu Arg Lys Val Ala His Leu Thr Gly Lys Ser Asn Ser 100 105 110 agg tcc atg cct ctg gaa tgg gaa gac acc tat gga att gtc ctg ctt Arg Ser Met Pro Leu Glu Trp Glu Asp Thr Tyr Gly Ile Val Leu Leu 115 120 125 tct gga gtg aag tat aag aag ggt ggc ctt gtg atc aat gaa act ggg Ser Gly Val Lys Tyr Lys Lys Gly Gly Leu Val Ile Asn Glu Thr Gly 130 135 140 ctg tac ttt gta tat tcc aaa gta tac ttc cgg ggt caa tct tgc aac Leu Tyr Phe Val Tyr Ser Lys Val Tyr Phe Arg Gly Gln Ser Cys Asn 145 150 155 160 aac ctg ccc ctg agc cac aag gtc tac atg agg aac tct aag tat ccc Asn Leu Pro Leu Ser His Lys Val Tyr Met Arg Asn Ser Lys Tyr Pro 165 170 175 cag gat ctg gtg atg atg gag ggg aag atg atg agc tac tgc act act Gln Asp Leu Val Met Met Glu Gly Lys Met Met Ser Tyr Cys Thr Thr 180 185 190 ggg cag atg tgg gcc cgc agc agc tac ctg ggg gca gtg ttc aat ctt Gly Gln Met Trp Ala Arg Ser Ser Tyr Leu Gly Ala Val Phe Asn Leu 195 200 205 acc agt gct gat cat tta tat gtc aac gta tct gag ctc tct ctg gtc Thr Ser Ala Asp His Leu Tyr Val Asn Val Ser Glu Leu Ser Leu Val 210 215 220 aat ttt gag gaa tct cag acg ttt ttc ggc tta tat aag ctc Asn Phe Glu Glu Ser Gln Thr Phe Phe Gly Leu Tyr Lys Leu 225 230 235
【図面の簡単な説明】
【図1】 Fas遺伝子を導入したC6−rFas細胞
および親株C6細胞に対するFLAG−IleZip−
shFasLによる細胞傷害活性を示す図である。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アポトーシス誘導活性を有する、Fasリ
    ガンドのアミノ酸配列の少なくとも一部を有するペプチ
    ドを含む蛋白質を有効成分とすることを特徴とする脳腫
    瘍治療剤。
  2. 【請求項2】前記蛋白質がFasリガンド融合蛋白質で
    あることを特徴とする請求項1に記載の脳腫瘍治療剤。
  3. 【請求項3】前記融合蛋白質がオリゴマー形成能を有す
    るペプチドを含むことを特徴とする請求項1または2に
    記載の脳腫瘍治療剤。
  4. 【請求項4】前記Fasリガンドのアミノ酸配列が、配
    列番号1に記載するアミノ酸配列である請求項1ないし
    3のいずれかに記載の脳腫瘍治療剤。
  5. 【請求項5】前記蛋白質がFLAG様ペプチド、ロイシ
    ンジッパー、およびFasリガンドのアミノ酸配列の少
    なくとも一部を有するペプチドを含む融合蛋白質である
    請求項1ないし4のいずれかに記載の脳腫瘍治療剤。
  6. 【請求項6】前記融合蛋白質は、N末端側からFLAG
    様ペプチド、ロイシンジッパー、Fasリガンドのアミ
    ノ酸配列の少なくとも一部を有するペプチドの順で連結
    されていることを特徴とする請求項5に記載の脳腫瘍治
    療剤。
  7. 【請求項7】前記ロイシンジッパーが配列番号2に記載
    のアミノ酸配列であり、前記FLAG様ペプチドが配列
    番号3に記載のアミノ酸配列である請求項5または6に
    記載の脳腫瘍治療剤。
  8. 【請求項8】前記融合蛋白質が配列番号4に記載の配列
    である請求項2ないし6に記載の脳腫瘍治療剤。
  9. 【請求項9】脳腫瘍がグリオーマであることを特徴とす
    る請求項1ないし8のいずれかに記載の脳腫瘍治療剤。
  10. 【請求項10】局所投与剤であることを特徴とする請求
    項1ないし9のいずれかに記載の脳腫瘍治療剤。
  11. 【請求項11】脳脊髄腔内への投与剤であることを特徴
    とする請求項10に記載の脳腫瘍治療剤。
  12. 【請求項12】配列番号3に記載するFLAG様ペプチ
    ドと、配列番号2に記載するロイシンジッパーと、配列
    番号1に記載するFasリガンドのアミノ酸配列の少な
    くとも一部を有するペプチドとが、この順でN末端側か
    ら連結されている融合蛋白質を有効成分とする医薬組成
    物。
  13. 【請求項13】配列番号4に記載する融合蛋白質を有効
    成分とする医薬組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107184976A (zh) * 2008-11-20 2017-09-22 弗·哈夫曼-拉罗切有限公司 治疗性蛋白质制剂

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