JP2003123711A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】明細書
【発明の名称】蓄電池
【特許請求の範囲】
【請求項1】 片面に正極活物質を有する第1の集電板と、片面に負極活物質を有する第2の集電板と、第1の開口部と第2の開口部とを有する電池容器とを備え、正極活物質と負極活物質とはセパレータを介して対向するように電池容器に収納され、第1の開口部は第1のパッキンを介して第1の集電体で封口され、第2の開口部は第2のパッキンを介して第2の集電体で封口されたことを特徴とする蓄電池。
【請求項2】
排気口または制御弁を備えたことを特徴とする、請求項1記載の蓄電池。
【請求項3】
請求項1または2記載の蓄電池が複数積層されたことを特徴とする、組電池。
【請求項4】
第1の集電板と第2集電板とを圧迫する圧迫手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の蓄電池。
【請求項5】
圧迫手段を端子としたことを特徴とする、請求項4記載の蓄電池。
【請求項6】
第1の集電板と第2集電板とを圧迫する圧迫手段を備えたことを特徴とする請求項3載の組電池。
【請求項7】
圧迫手段を端子としたことを特徴とする、請求項6記載の組電池。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蓄電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
蓄電池の形式には、角型、ボタン型などの形式があるが、近年、携帯電子機器の小型化に伴い、薄型電池の要求が多くなってきている。その中で、薄型の鉛蓄電池については、特開平1−134850に示すようなものが知られる。この電池は図1に示すように、正極活物質1、負極活物質2、およびセパレータ3から構成された極板群と、この極板群の側面を包囲する熱可塑性合成樹脂枠体6と、この熱可塑性合成樹脂枠体6の開口部を覆うように両側に位置し、極板側に面する内面に、前記熱可塑性合成樹脂枠体と熱溶着する熱可塑性樹脂フィルムあるいはシート5をラミネートした一対の金属板4とを備えている。
【0003】
ここで、熱可塑性樹脂フィルムあるいはシート5が完全に金属板4を覆わないようにする、あるいは、正極活物質1、負極活物質2と金属板4とを電気的に接触させることによって、金属板4を電池端子として使用することができる。このような電池にすると、従来の鉛蓄電池で必要であったポールや端子などを収納する空間が必要なくなり、体積効率に優れた鉛蓄電池を提供することが可能になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のような電池には、金属板に熱可塑性樹脂フィルムをラミネートする工程を要すること、熱可塑性合成樹脂枠体と熱可塑性樹脂フィルムをラミネートした金属板との熱溶着部分の強度が充分でなく、電解液が漏れやすいといった問題がある。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、製造容易で、かつ、耐漏液性に優れた薄型電池を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになした第1の発明は、片面に正極活物質を有する第1の集電板と、片面に負極活物質を有する第2の集電板と、第1の開口部と第2の開口部とを有する電池容器とを備え、正極活物質と負極活物質とはセパレータを介して対向するように電池容器に収納され、第1の開口部は第1のパッキンを介して第1の集電体で封口され、第2の開口部は第2のパッキンを介して第2の集電体で封口されたことを特徴とする蓄電池である。
【0007】
第2の発明は、排気口または制御弁を備えたことを特徴とする、第一の発明にかかる蓄電池である。
【0008】
第3の発明は、第1または2の発明の蓄電池が複数積層されたことを特徴とする組電池である。
【0009】
第4の発明は、第1の集電板と第2集電板とを圧迫する圧迫手段を配したことを特徴とする第1または2に発明にかかる蓄電池である。
【0010】
第5の発明は、前記圧迫手段を端子としたことを特徴とする、第4の発明にかかる蓄電池である。第6の発明は、第1の集電板と第2集電板とを圧迫する圧迫手段を備えたことを特徴とする、第3の発明にかかる組電池である。第7の発明は、圧迫手段を端子としたことを特徴とする、第6の発明にかかる組電池である。
【0011】
【発明の実施の形態】
第1の発明において、パッキンとは、ゴム製Oリングやゴム製パッキンを含むシール部材を総称するものである。また、電池容器は、ABS(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンのコポリマー)のような合成樹脂を用い、中空平板状で両側面が開口した矩形状とすることができる。両側面の開口部の大きさは、内部に収納する活物質や集電体の大きさに応じて、適宜決めることができる。また、必要に応じて排気口を設けてもよい(第2の発明)。
【0012】
パッキンは耐電解液性を有するものが好ましい。パッキンを2つ(2周)以上使用し、内側のパッキンが劣化しても、外側のパッキンで漏れを防止できるような構造とすることもできる。さらに、パッキンとしてOリングを使用する場合には、事前に電池容器にOリングを収納できる溝を刻んだものを使用すると耐漏液性が向上する。
【0013】
集電板の材質は、電解液や活物質の種類に応じて適宜選択することができるが、例えば鉛蓄電池の場合、正極集電板には、希硫酸に対して耐食性の強い二酸化錫で被覆した金属板を使用することによって、正極集電体の腐食による多孔化を防止して電解液の漏液がさらに低減できる。金属板に二酸化錫を被覆する方法としては、スパッタ、蒸着などの他に、金属基材状に金属錫を電気メッキまたは溶融メッキによって析出させた後、酸素含有雰囲気下において500℃程度に加熱し、金属錫を二酸化錫に酸化させる方法もある。なお、負極集電体については、二酸化錫で被覆した金属板を使用する必要はなく、鉛板や鉛メッキした金属板や樹脂板などが使用できる。
【0014】
この他、電池容器の集電体による封口の際に、接着剤等を使用すること、あるいは充填材等を電池の周りに配することも可能である。また、必要に応じて、電池内圧が上昇した際に、電池内圧を開放する制御弁を設けることもできる(第2の発明)。さらに電池容器や集電体の大きさや厚み、材質、使用するパッキンの数や材質などは設計に係る事項であるので、製造者の任意である。
【0015】
【0016】
さらに正負極集電板に端子耳部を形成する他、端子耳を形成せずに集電板をそのまま平板状端子として利用することもできる。さらに、一方の集電板を電池容器よりも小さくし、他方の集電板を電池容器よりも大きくして、大きいほうの集電板を折り曲げて、その末端を小さいほうの集電板のある面に固定することにより、電池容器の一面で電力を取り出せるようにすることも可能である。さらに、電池容器の開口部を有する面の面積よりも金属板の面積を小さくして、金属板の端部が電池容器からはみ出さなくすることもできる。
【0017】
第3の発明は、第1または2の発明による蓄電池を複数積層した組電池である。隣接する電池同士は第1の集電板と第2の集電板とが接触していることとは、ひとつ目の電池の正極集電板(または負極集電板)とふたつ目の電池の負極集電板(または正極集電板)が接するように積層すること、すなわち直列接続であることを示す。このとき、蓄電池は同一容量、同一サイズの電池を、電池の方向を揃えて積層することが望ましい。組電池として一体化するには、ボルトナット、ベルト、収納容器等を用いることができる。
【0018】
これにより、コンパクトで軽量な組電池を提供することが可能になる。
【0019】
本発明による単電池または組電池の両端の集電板を圧迫手段により、両端の集電板から中心方向に向かって圧迫することによって、集電板の膨れや電解液の漏出を防止できる。この適用は、単電池についてひとつの圧迫手段を用いでもよいし、ひとつの組電池についてひとつの圧迫手段を用いてもよい(第4、6の発明)。第1の集電板と第2の集電板の少なくとも一方を、端子として利用できる構造や形状にすることにより、別途端子を設ける必要がなくなり、電池の重量増加を抑制する面でも有利になる(第5や7の発明)。
【0020】
これによれば、コンパクトで軽量、かつ、集電板の膨れや電解液の漏出を防止できる電池が得られる。
【0021】
【実施例】
本発明の実施例を、図面に従って制御弁式鉛蓄電池について説明する。
【0022】
図2は本発明の一例である電池容器の上面図である。材質はABSであり、厚みは3mm、幅100mm、高さ150mmである。電池容器本体30aに、Oリングを収納できる溝301が刻まれるとともに制御弁式鉛蓄電池の弁部となる開口部302が設けられている。図3は前記容器の断面図である。
【0023】
図4は 図2および図3に示した電池容器を用いた単電池の断面図である。電池容器30aの両面の溝に、ゴム製Oリング33を収納するとともに、電池容器の開口部内にセパレータ34を収納し、厚さ100μmのチタン板を厚さ40μmの二酸化錫皮膜で被覆した正極集電体に二酸化鉛を主体とする正極活物質32を取り付けたものと、厚さ100μmの鉛板の負極集電体に海綿状金属鉛を主体とする負極活物質35を取り付けたものとを、セパレータ34を介して活物質同士が対向するように、集電体で電池容器を挟み込んだ形状となっている。そして排気口302から希硫酸を主成分とする電解液を注液し、弁40を取り付ける。ここで、正負極集電体31、36は、図4に示すように電池容器30に接していることが望ましいが、正負極集電体31、36は最低限、Oリング33の全周にわたって接していれば本発明の目的にかなう。また、本実施例においては、電池容器30と正負極集電体31、36との界面に相当する部分に、エポキシ系の接着剤を塗布した。なお、正極集電体31と正極活物質32、および、負極集電体36と負極活物質35はそれぞれどちらも電気的に接触が保たれていることが必須である。この他、図4では正負極集電体31、36の大きさが電池容器と同じ大きさで示されているが、正負極集電体31,36の大きさは、Oリング33に全周で接触できる大きさ以上であれば、設計に応じて電池容器よりも小さくてもよいし、電池容器よりも大きくてもよい。同様に正極活物質、セパレータ、負極活物質の厚み、大きさ等は設計にかかわる事項である。さらに、本実施例で用いた正極集電体は、チタン合金を溶融錫中に浸漬することによって錫皮膜を取り付けた後、酸素を含む雰囲気下で、500℃にて2時間焼成することによって二酸化錫皮膜とした。この皮膜は、最低限正極集電体が電解液に接する可能性のある面に形成されていればよく、特に全面被覆の必要はない。
【0024】
しかし、このままの状態で電池を充放電すると、正負極集電体と電池容器との接合が十分ではないため、集電体と電池容器とが剥がれてしまう場合がある。そこで、図5に示す断面図のように、図4の単電池をひとつまたは複数個、直列接続になるように積層し、圧迫部材37で前記のひとつまたは複数個の単電池を挟み込んで圧迫する。なお、図5では圧迫用の補助枠材39を使用して、ネジ38によって固定したが、その固定に補助枠材39を使用せずに電池容器30に直接ネジ止めしてもよいし、ネジを使用せずにかしめることもできる。ここで、圧迫部材37に金属などの導電材料を用いると、正極集電体31と負極集電体36とが直接圧迫部材37と接するために端子として利用でき好適である。このようにして、ひとつまたは複数個の電池を積層して圧迫する工程では、前述した通り、電池容器30と正負極集電体31、36との界面に塗布した接着剤が乾く前に製造できる。なお、図5に示したように制御弁式鉛蓄電池の弁にキャップ弁40を使用する場合には、キャップ弁40を押さえるための部材が必要になる(図5では補助枠材39がそれを兼ねる)。
【0025】
上記実施例の他、図6に示したように電池容器30に溝を2周にわたって設け、各溝にOリング33を配して製造することもできる。こうすると、内側のOリングが劣化しても外側のOリングが漏液を防ぐことができる。当然、Oリングの数は2つに限るものではなく、2つ以上あってもよい。但し、数を多くしすぎると製造工程が煩雑になるので、設計によって適した個数を選択することができる。
【0026】
この他、図7、 図8に示すように、電池容器30と正負極集電体31、36との間にわずかの隙間を設け、そこに接着剤や充填材50aを流し、電池容器30と正負極集電体31、36との結合を強固にすると同時に耐漏液性を向上させることもできる。
【0027】
さらに、図9および図10に示すように、ひとつまたは複数の単電池を圧迫部材37と補助枠材39で囲い、ひとつまたは複数の単電池と、圧迫部材37および補助枠材39との空間に接着剤や充填材50を流し込んで、より電池の強度を向上させることもできる。但し、この場合、図示したように弁40の動作を妨げるまで接着剤や充填材50を流し込んではならない。
【0028】
以上のように、本実施例では鉛蓄電池について論じたが、アルカリ蓄電池やリチウムイオン蓄電池を始め、他の一次電池および二次電池にも本発明の適用は可能である。
【0029】
【発明の効果】
本発明によって、対漏液性に優れた蓄電池が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の蓄電池を示す図である。
【図2】 本発明の実施例を示す図である。
【図3】 本発明の実施例を示す図である。
【図4】 本発明の実施例を示す図である。
【図5】 本発明の実施例を示す図である。
【図6】 本発明の実施例を示す図である。
【図7】 本発明の実施例を示す図である。
【図8】 本発明の実施例を示す図である。
【図9】 本発明の実施例を示す図である。
【図10】 本発明の実施例を示す図である。
【符号の説明】
30 電池容器
31 正極集電体
32 正極活物質
33 パッキン
34 セパレータ
35 負極活物質
36 負極集電体
37 圧迫部材
39 補助枠材
40 弁
50 接着剤および/または充填材
【発明の名称】蓄電池
【特許請求の範囲】
【請求項1】 片面に正極活物質を有する第1の集電板と、片面に負極活物質を有する第2の集電板と、第1の開口部と第2の開口部とを有する電池容器とを備え、正極活物質と負極活物質とはセパレータを介して対向するように電池容器に収納され、第1の開口部は第1のパッキンを介して第1の集電体で封口され、第2の開口部は第2のパッキンを介して第2の集電体で封口されたことを特徴とする蓄電池。
【請求項2】
排気口または制御弁を備えたことを特徴とする、請求項1記載の蓄電池。
【請求項3】
請求項1または2記載の蓄電池が複数積層されたことを特徴とする、組電池。
【請求項4】
第1の集電板と第2集電板とを圧迫する圧迫手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の蓄電池。
【請求項5】
圧迫手段を端子としたことを特徴とする、請求項4記載の蓄電池。
【請求項6】
第1の集電板と第2集電板とを圧迫する圧迫手段を備えたことを特徴とする請求項3載の組電池。
【請求項7】
圧迫手段を端子としたことを特徴とする、請求項6記載の組電池。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蓄電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
蓄電池の形式には、角型、ボタン型などの形式があるが、近年、携帯電子機器の小型化に伴い、薄型電池の要求が多くなってきている。その中で、薄型の鉛蓄電池については、特開平1−134850に示すようなものが知られる。この電池は図1に示すように、正極活物質1、負極活物質2、およびセパレータ3から構成された極板群と、この極板群の側面を包囲する熱可塑性合成樹脂枠体6と、この熱可塑性合成樹脂枠体6の開口部を覆うように両側に位置し、極板側に面する内面に、前記熱可塑性合成樹脂枠体と熱溶着する熱可塑性樹脂フィルムあるいはシート5をラミネートした一対の金属板4とを備えている。
【0003】
ここで、熱可塑性樹脂フィルムあるいはシート5が完全に金属板4を覆わないようにする、あるいは、正極活物質1、負極活物質2と金属板4とを電気的に接触させることによって、金属板4を電池端子として使用することができる。このような電池にすると、従来の鉛蓄電池で必要であったポールや端子などを収納する空間が必要なくなり、体積効率に優れた鉛蓄電池を提供することが可能になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のような電池には、金属板に熱可塑性樹脂フィルムをラミネートする工程を要すること、熱可塑性合成樹脂枠体と熱可塑性樹脂フィルムをラミネートした金属板との熱溶着部分の強度が充分でなく、電解液が漏れやすいといった問題がある。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、製造容易で、かつ、耐漏液性に優れた薄型電池を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになした第1の発明は、片面に正極活物質を有する第1の集電板と、片面に負極活物質を有する第2の集電板と、第1の開口部と第2の開口部とを有する電池容器とを備え、正極活物質と負極活物質とはセパレータを介して対向するように電池容器に収納され、第1の開口部は第1のパッキンを介して第1の集電体で封口され、第2の開口部は第2のパッキンを介して第2の集電体で封口されたことを特徴とする蓄電池である。
【0007】
第2の発明は、排気口または制御弁を備えたことを特徴とする、第一の発明にかかる蓄電池である。
【0008】
第3の発明は、第1または2の発明の蓄電池が複数積層されたことを特徴とする組電池である。
【0009】
第4の発明は、第1の集電板と第2集電板とを圧迫する圧迫手段を配したことを特徴とする第1または2に発明にかかる蓄電池である。
【0010】
第5の発明は、前記圧迫手段を端子としたことを特徴とする、第4の発明にかかる蓄電池である。第6の発明は、第1の集電板と第2集電板とを圧迫する圧迫手段を備えたことを特徴とする、第3の発明にかかる組電池である。第7の発明は、圧迫手段を端子としたことを特徴とする、第6の発明にかかる組電池である。
【0011】
【発明の実施の形態】
第1の発明において、パッキンとは、ゴム製Oリングやゴム製パッキンを含むシール部材を総称するものである。また、電池容器は、ABS(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンのコポリマー)のような合成樹脂を用い、中空平板状で両側面が開口した矩形状とすることができる。両側面の開口部の大きさは、内部に収納する活物質や集電体の大きさに応じて、適宜決めることができる。また、必要に応じて排気口を設けてもよい(第2の発明)。
【0012】
パッキンは耐電解液性を有するものが好ましい。パッキンを2つ(2周)以上使用し、内側のパッキンが劣化しても、外側のパッキンで漏れを防止できるような構造とすることもできる。さらに、パッキンとしてOリングを使用する場合には、事前に電池容器にOリングを収納できる溝を刻んだものを使用すると耐漏液性が向上する。
【0013】
集電板の材質は、電解液や活物質の種類に応じて適宜選択することができるが、例えば鉛蓄電池の場合、正極集電板には、希硫酸に対して耐食性の強い二酸化錫で被覆した金属板を使用することによって、正極集電体の腐食による多孔化を防止して電解液の漏液がさらに低減できる。金属板に二酸化錫を被覆する方法としては、スパッタ、蒸着などの他に、金属基材状に金属錫を電気メッキまたは溶融メッキによって析出させた後、酸素含有雰囲気下において500℃程度に加熱し、金属錫を二酸化錫に酸化させる方法もある。なお、負極集電体については、二酸化錫で被覆した金属板を使用する必要はなく、鉛板や鉛メッキした金属板や樹脂板などが使用できる。
【0014】
この他、電池容器の集電体による封口の際に、接着剤等を使用すること、あるいは充填材等を電池の周りに配することも可能である。また、必要に応じて、電池内圧が上昇した際に、電池内圧を開放する制御弁を設けることもできる(第2の発明)。さらに電池容器や集電体の大きさや厚み、材質、使用するパッキンの数や材質などは設計に係る事項であるので、製造者の任意である。
【0015】
【0016】
さらに正負極集電板に端子耳部を形成する他、端子耳を形成せずに集電板をそのまま平板状端子として利用することもできる。さらに、一方の集電板を電池容器よりも小さくし、他方の集電板を電池容器よりも大きくして、大きいほうの集電板を折り曲げて、その末端を小さいほうの集電板のある面に固定することにより、電池容器の一面で電力を取り出せるようにすることも可能である。さらに、電池容器の開口部を有する面の面積よりも金属板の面積を小さくして、金属板の端部が電池容器からはみ出さなくすることもできる。
【0017】
第3の発明は、第1または2の発明による蓄電池を複数積層した組電池である。隣接する電池同士は第1の集電板と第2の集電板とが接触していることとは、ひとつ目の電池の正極集電板(または負極集電板)とふたつ目の電池の負極集電板(または正極集電板)が接するように積層すること、すなわち直列接続であることを示す。このとき、蓄電池は同一容量、同一サイズの電池を、電池の方向を揃えて積層することが望ましい。組電池として一体化するには、ボルトナット、ベルト、収納容器等を用いることができる。
【0018】
これにより、コンパクトで軽量な組電池を提供することが可能になる。
【0019】
本発明による単電池または組電池の両端の集電板を圧迫手段により、両端の集電板から中心方向に向かって圧迫することによって、集電板の膨れや電解液の漏出を防止できる。この適用は、単電池についてひとつの圧迫手段を用いでもよいし、ひとつの組電池についてひとつの圧迫手段を用いてもよい(第4、6の発明)。第1の集電板と第2の集電板の少なくとも一方を、端子として利用できる構造や形状にすることにより、別途端子を設ける必要がなくなり、電池の重量増加を抑制する面でも有利になる(第5や7の発明)。
【0020】
これによれば、コンパクトで軽量、かつ、集電板の膨れや電解液の漏出を防止できる電池が得られる。
【0021】
【実施例】
本発明の実施例を、図面に従って制御弁式鉛蓄電池について説明する。
【0022】
図2は本発明の一例である電池容器の上面図である。材質はABSであり、厚みは3mm、幅100mm、高さ150mmである。電池容器本体30aに、Oリングを収納できる溝301が刻まれるとともに制御弁式鉛蓄電池の弁部となる開口部302が設けられている。図3は前記容器の断面図である。
【0023】
図4は 図2および図3に示した電池容器を用いた単電池の断面図である。電池容器30aの両面の溝に、ゴム製Oリング33を収納するとともに、電池容器の開口部内にセパレータ34を収納し、厚さ100μmのチタン板を厚さ40μmの二酸化錫皮膜で被覆した正極集電体に二酸化鉛を主体とする正極活物質32を取り付けたものと、厚さ100μmの鉛板の負極集電体に海綿状金属鉛を主体とする負極活物質35を取り付けたものとを、セパレータ34を介して活物質同士が対向するように、集電体で電池容器を挟み込んだ形状となっている。そして排気口302から希硫酸を主成分とする電解液を注液し、弁40を取り付ける。ここで、正負極集電体31、36は、図4に示すように電池容器30に接していることが望ましいが、正負極集電体31、36は最低限、Oリング33の全周にわたって接していれば本発明の目的にかなう。また、本実施例においては、電池容器30と正負極集電体31、36との界面に相当する部分に、エポキシ系の接着剤を塗布した。なお、正極集電体31と正極活物質32、および、負極集電体36と負極活物質35はそれぞれどちらも電気的に接触が保たれていることが必須である。この他、図4では正負極集電体31、36の大きさが電池容器と同じ大きさで示されているが、正負極集電体31,36の大きさは、Oリング33に全周で接触できる大きさ以上であれば、設計に応じて電池容器よりも小さくてもよいし、電池容器よりも大きくてもよい。同様に正極活物質、セパレータ、負極活物質の厚み、大きさ等は設計にかかわる事項である。さらに、本実施例で用いた正極集電体は、チタン合金を溶融錫中に浸漬することによって錫皮膜を取り付けた後、酸素を含む雰囲気下で、500℃にて2時間焼成することによって二酸化錫皮膜とした。この皮膜は、最低限正極集電体が電解液に接する可能性のある面に形成されていればよく、特に全面被覆の必要はない。
【0024】
しかし、このままの状態で電池を充放電すると、正負極集電体と電池容器との接合が十分ではないため、集電体と電池容器とが剥がれてしまう場合がある。そこで、図5に示す断面図のように、図4の単電池をひとつまたは複数個、直列接続になるように積層し、圧迫部材37で前記のひとつまたは複数個の単電池を挟み込んで圧迫する。なお、図5では圧迫用の補助枠材39を使用して、ネジ38によって固定したが、その固定に補助枠材39を使用せずに電池容器30に直接ネジ止めしてもよいし、ネジを使用せずにかしめることもできる。ここで、圧迫部材37に金属などの導電材料を用いると、正極集電体31と負極集電体36とが直接圧迫部材37と接するために端子として利用でき好適である。このようにして、ひとつまたは複数個の電池を積層して圧迫する工程では、前述した通り、電池容器30と正負極集電体31、36との界面に塗布した接着剤が乾く前に製造できる。なお、図5に示したように制御弁式鉛蓄電池の弁にキャップ弁40を使用する場合には、キャップ弁40を押さえるための部材が必要になる(図5では補助枠材39がそれを兼ねる)。
【0025】
上記実施例の他、図6に示したように電池容器30に溝を2周にわたって設け、各溝にOリング33を配して製造することもできる。こうすると、内側のOリングが劣化しても外側のOリングが漏液を防ぐことができる。当然、Oリングの数は2つに限るものではなく、2つ以上あってもよい。但し、数を多くしすぎると製造工程が煩雑になるので、設計によって適した個数を選択することができる。
【0026】
この他、図7、 図8に示すように、電池容器30と正負極集電体31、36との間にわずかの隙間を設け、そこに接着剤や充填材50aを流し、電池容器30と正負極集電体31、36との結合を強固にすると同時に耐漏液性を向上させることもできる。
【0027】
さらに、図9および図10に示すように、ひとつまたは複数の単電池を圧迫部材37と補助枠材39で囲い、ひとつまたは複数の単電池と、圧迫部材37および補助枠材39との空間に接着剤や充填材50を流し込んで、より電池の強度を向上させることもできる。但し、この場合、図示したように弁40の動作を妨げるまで接着剤や充填材50を流し込んではならない。
【0028】
以上のように、本実施例では鉛蓄電池について論じたが、アルカリ蓄電池やリチウムイオン蓄電池を始め、他の一次電池および二次電池にも本発明の適用は可能である。
【0029】
【発明の効果】
本発明によって、対漏液性に優れた蓄電池が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の蓄電池を示す図である。
【図2】 本発明の実施例を示す図である。
【図3】 本発明の実施例を示す図である。
【図4】 本発明の実施例を示す図である。
【図5】 本発明の実施例を示す図である。
【図6】 本発明の実施例を示す図である。
【図7】 本発明の実施例を示す図である。
【図8】 本発明の実施例を示す図である。
【図9】 本発明の実施例を示す図である。
【図10】 本発明の実施例を示す図である。
【符号の説明】
30 電池容器
31 正極集電体
32 正極活物質
33 パッキン
34 セパレータ
35 負極活物質
36 負極集電体
37 圧迫部材
39 補助枠材
40 弁
50 接着剤および/または充填材
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