JP2003121337A - 粒子径の計測装置と計測方法 - Google Patents

粒子径の計測装置と計測方法

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JP2003121337A
JP2003121337A JP2002205896A JP2002205896A JP2003121337A JP 2003121337 A JP2003121337 A JP 2003121337A JP 2002205896 A JP2002205896 A JP 2002205896A JP 2002205896 A JP2002205896 A JP 2002205896A JP 2003121337 A JP2003121337 A JP 2003121337A
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light
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laser light
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particle
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JP2002205896A
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English (en)
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Hideo Kusuzawa
英夫 楠澤
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Sysmex Corp
Original Assignee
Sysmex Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で、単純なデータ処理で粒子径の
計測を行うこと。 【解決手段】 レーザ光源と、そのレーザ光源から出射
されるレーザ光を受けてそのコヒーレンスを低下させて
出射するコヒーレンス低下素子と、コヒーレンス低下素
子の出射光を輪帯光に変換する輪帯光形成部と、その輪
帯光を対象粒子に集光して照射する内面反射ミラーと、
照射された対象粒子からの散乱光を輪帯光の内側で受光
する対物レンズと、対物レンズを介して前記散乱光を受
光するための受光素子と、受光素子によって得られる散
乱光の強度から単調増加関数により粒子径を算出する演
算部とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は粒子径の計測装置
と計測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の粒子径計測方法としては、電解質
溶液に対象粒子を懸濁させてその体積を電気的に検知す
る電気的検知法(例えば特開昭46−6840号公報参
照)や、対象粒子を光学的に撮像して、得られた画像か
ら粒子径を解析する画像解析法(例えば、特開平8−1
36439号公報参照)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】また、光散乱を利用す
る粒子径計測方法としては、その散乱の特徴から粒子径
を推定する方法が知られている。しかし、粒子の大きさ
との間に良好な対応関係がなりたつような散乱の特徴を
見出すことが容易でなく、散乱光強度からの粒子径の算
出が複雑になるという問題点がある。この発明は、コヒ
ーレンスを低下させたレーザ光で対象粒子を暗視野照明
することにより、対象粒子の粒径が簡単に計測できる原
理を見出し、その原理を用いて能率よく粒子径を測定す
ることが可能な粒子径計測装置と方法を提供するもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、レーザ光源
と、そのレーザ光源から出射されるレーザ光を受けてそ
のコヒーレンスを低下させて出射するコヒーレンス低下
素子と、コヒーレンス低下素子の出射光を輪帯光に変換
する輪帯光形成部と、その輪帯光を対象粒子に集光して
照射する内面反射ミラーと、照射された対象粒子からの
散乱光を輪帯光の内側で受光する対物レンズと、対物レ
ンズからの光を受光するための受光素子と、受光素子に
よって得られる散乱光の強度から単調増加関数により粒
子径を算出する演算部とを備える粒径計測装置を提供す
るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】この発明の装置の対象粒子は、血
液や尿などに含まれる有形物質、ファインセラミック
ス、顔料、化粧品用パウダー、トナー、研磨用パウダー
のような無機物の粉体、および食品添加物のような有機
物の粒体を含む。粒子径としては、1〜20μm程度で
ある。また、この計測装置によって計測される対象粒子
は、溶液中に浮遊する状態のものであってもよいし、ガ
ラスのような板の上に固定された状態のものであっても
よい。
【0006】この発明の1つの特徴は、暗視野照明、つ
まり輪帯光を対象レンズの外側から集光して対象粒子を
照明し、対象物からの散乱光を輪帯光の内側で受光する
点にある。この発明の他の特徴としてはレーザ光源から
出射されるレーザ光のコヒーレンスを低下させるコヒー
レンス低下素子を用いる点にある。
【0007】この発明において、受光素子によって得ら
れる散乱光強度から単調増加関数により粒子径が算出さ
れる原理を次に説明する。レーザ光源から出射されるレ
ーザ光、つまりコヒーレント光を対象粒子上に集光した
場合、光の定在波は図8で示すように、光強度(照度)
Iが相対位置Lに対して明らかに変化する照度分布が対
象粒子上に形成される。一方、この発明のように、コヒ
ーレント光のコヒーレンスを低下させたパーシャルコヒ
ーレント光を対象粒子上に集光すると、光の定常波は図
9のようになる。なお、図8、9の横軸は対象粒子上の
相対位置L、縦軸は相対照度Iである。図9は図8に比
較して照度の振幅が小さくなり、照度分布の縞の間隔が
短くなっている。その上、図9では光のオフセット成分
(ある一定の明るさ)の上に微小な縞の変化が重畳して
いる。
【0008】ところで、この発明では図9に示される定
在波の光で対象粒子を暗視野照明するので、このオフセ
ット成分は散乱に寄与しないため受光素子により検出さ
れない。従って、図9に示す微小な明暗の変化のみが対
象粒子から検出されることになる。
【0009】一般に、或る照度分布(照度縞)が対象粒
子表面上に存在することがその粒子が光散乱する基本現
象であると考えることができる。この考えに基づき、照
度縞間隔が長い場合と短い場合について、粒子表面にど
のように照度縞が発生するかを図10と図11に模式的
に示す。ここでは1つの照度縞を1個の破線の丸として
いる。実際には粒子表面全体にくまなく照度縞が発生す
るが、説明を容易にするために、粒子表面に破線の丸を
一列に並べた場合について説明する。
【0010】図10の(a),(b),(c)に示すよ
うに破線の丸が大きい場合、大きさの異なる粒子Pa,
Pb,Pcに対して破線の丸が配置されるとその数は5
個又は4個になり、中間の大きさの粒子Pbに対して破
線の丸の数が4.5個となるような配置をとることは不
可能である。つまり、破線の丸が大きい場合には粒子表
面に破線の丸がくまなく存在できない。従って、破線の
丸が大きい場合には、粒子表面積に対して表面に存在で
きる破線の丸の数が離散的な数値を取らざる得ない。こ
れが、粒子径により散乱強度が極端に変化することを意
味している。
【0011】一方、図11の(a),(b),(c)に
示すように破線の丸が小さい場合には大きさの異なる粒
子Pa,Pb,Pcに対してその離散の程度が小さくな
る。つまり、粒子表面に破線の丸がくまなく存在できる
ので、粒子表面積の増大に対して散乱光強度は単調増加
し、かつ、粒子の表面積−散乱光強度の関係は近似的に
連続関数とみなせる。
【0012】ここで、粒子表面積は粒子径の2乗関数で
あることから、粒子径をXとすると、散乱強度YはY=
aX2+bX+Cと表現できる。なお、aが小さいとき
にはYは緩やかな放物線を描くことになり、ある粒子径
の範囲では、粒子径XとYとの関係は一次関数に近似さ
れる。このように、本発明で得られる粒子径は散乱光強
度から単調増加関数により算出される。
【0013】レーザ光源としては、連続あるいはパルス
状のレーザー光を照射することが可能な例えば、Arレ
ーザーや、LD励起YAG+KTPレーザーや半導体レ
ーザーなどを用いることができる。
【0014】コヒーレンス低下素子としては、光強度の
むらがないようにレーザー光のコヒーレンスを低下させ
ることが可能な各種の装置を用いることができる。コヒ
ーレンス低下素子は、時間コヒーレンスを低下させる光
学素子および空間コヒーレンスを低下させる光学素子の
一方または、両方から構成されてもよい。
【0015】時間コヒーレンスを低下させる光学素子
は、自己位相変調用光ファイバーであり、空間コヒーレ
ンスを低下させる光学素子は、カレイドスコープであっ
てもよい。
【0016】上記、時間コヒーレンス低下素子は、光の
スペクトル幅を広げる光位相変調素子から構成すること
ができる。
【0017】この場合の光位相変調素子としては、マイ
クロ波共振器の中に、例えば、LiNbO3やLiTa
3やTeO2等の電気光学結晶(非線形結晶とも呼ばれ
る)を配置したものを用いることができる。光位相変調
素子としては、例えば、NEW FOCUS,Inc.
の"Bulk Electro−Optic Modu
lator 4841"が使用できる。
【0018】この光位相変調素子の使用方法としては、
電気光学結晶内にレーザーを透過させておき、マイクロ
波共振器に、外部から駆動手段によりマイクロ波を入力
することによって、電気光学結晶内を透過するレーザー
のスペクトル幅を広げ、時間的コヒーレンスを低下させ
る。従って、上記電気光学結晶から光位相変調素子を作
製することが可能である。
【0019】このとき、マイクロ波共振器の共振により
小さい入力パワーで大きな電界を作り出すことができ、
その電界と結晶の電気光学効果が有効に働く方向に結晶
を配置しておくと、効率良く光周波の位相変調を行うこ
とができる。ここで、光周波とは光の波長のことであ
り、例えば、0.532μmの波長の光である場合に
は、光の速度は3×108m/secであるので、56
3T(テラ)Hzの周波数の光に相当する。
【0020】また、この発明のコヒーレンス低下素子
を、時間コヒーレンスを低下させるシングルモードの光
ファイバーから構成することができる。さらに、コヒー
レンス低下素子を、光の空間伝搬をランダムにし、空間
コヒーレンスを低下させる光ファイバーおよび波面変換
素子から構成することもできる。
【0021】この場合の光ファイバーとしては、使用す
るレーザー光の波長に対してシングルモードで伝搬する
シングルモードの光ファイバーを用いることが好まし
い。シングルモード光ファイバーを使用すると、入射パ
ルス光の2次元的な光強度分布の変動を抑えるととも
に、伝搬するコア内において光エネルギー密度が高くな
るので、自己集束効果、自己位相変調効果を生じ、空間
的コヒーレンスを低下させるだけでなく、時間的コヒー
レンスを低下させることも可能である。
【0022】波面変換素子としては、内面を光学研磨し
たステンレスシームレスパイプや、両端面と円周面を光
学研磨し、さらに円周外面には光を反射させるためのア
ルミ蒸着を施したガラス円柱、あるいは、大口径のマル
チモード光ファイバーを用いることができる。
【0023】この波面変換素子は、レーザー光を集光レ
ンズで絞った後、光強度分布におけるリップルが光学シ
ステムの分解能以下になるように選ぶ。要するに、リッ
プルの影響が受光素子の検出データに表れないようにす
る。
【0024】その際、使用するパルスレーザー光源の特
性によりリップルの周期が変化するため、良好な検出デ
ータを得るためには、レーザー照明系の集光レンズを含
む照明光学系は、ケラー照明系を採用するのが好まし
い。
【0025】なお、波面変換素子としてマルチモード光
ファイバーを用いる場合には、そのマルチモード光ファ
イバーを直線状に固定しておくことにより、2次元的光
強度分布を一層安定させることができる。
【0026】光ファイバーと波面変換素子とを用いる場
合には、レーザーを、まず、光ファイバーに入射し、光
ファイバーからの出射光を直接波面変換素子に入射する
ようにする。
【0027】また、この発明においては、コヒーレンス
低下素子を、光のスペクトル幅を広げる(時間コヒーレ
ンスを低下させる)光位相変調素子と、光の空間伝搬を
ランダムにする(空間コヒーレンスを低下する)マルチ
モードの光ファイバーおよび波面変換素子とから構成す
ることができる。その場合、低コヒーレンス化手段は、
光の進行方向に対して、光位相変調素子、マルチモード
の光ファイバー、波面変換素子の順に配置することが好
ましい。
【0028】この発明において、コヒーレンス低下素子
の出射光を輪帯光に変換する輪帯光形成部は、頂点がコ
ヒーレンス低下素子に対向しコヒーレンス低下素子から
の出射光を放射状に反射する円錐状外面反射ミラーと、
円錐状外面反射ミラーをとり囲みその反射光をうけて輪
帯光を形成する円錐状内面反射ミラーとからなってもよ
い。
【0029】ここで、受光素子としては、フォトダイオ
ード、フォトトランジスタ、フォトマルチプライヤーチ
ューブ又はCCDなどを用いることができる。
【0030】また、演算部には、少なくとも単調増加関
数を用いて粒子径を演算する機能を有するものが要求さ
れるが、これはCPU,ROM,RAMなどを内蔵する
マイクロコンピュータで構成できる。
【0031】この発明の装置は、液体を吐出するノズル
をさらに備え、対象粒子がその液体内に含まれ、対物レ
ンズはノズルの先端方向から散乱光を受光してもよい。
また、壁面に透明部分を有するセルをさらに備え、ノズ
ルはその先端が透明部分に対向するようにセルに挿入さ
れ、対物レンズはセルの外から透明部分を介して対象粒
子の散乱光を受光してもよい。
【0032】この発明は別の観点から、レーザ光源から
出射されるレーザ光のコヒーレンスを低下させ、コヒー
レンスの低下したレーザ光で対象粒子を暗視野照明し、
照明された対象粒子の散乱光の強度を計測し、散乱光強
度に比例する値を粒子径とする粒子形測定方法と装置を
提供するものである。
【0033】
【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいてこの発明
を詳述する。これによってこの発明が限定されるもので
はない。
【0034】図1はこの発明による粒子径計測装置の構
成を示す構成説明図である。図1に示すように、主鏡筒
1の一端には、セル23の近傍に対物レンズ3と対物レ
ンズ3を囲む円錐状内面反射ミラー3aとが設けられ、
他端には集光レンズ4と受光素子(例えばフォトダイオ
ード)5が設けられている。
【0035】さらに、照明鏡筒6の下端部には変換素子
22が固定され、変換素子22は透光枚7を備え、透光
板7の下面には、中央部に円錐状外面反射ミラー8が接
着され、周縁部に円錐状内面反射ミラー9が接着されて
いる。照明鏡筒6の外部には、レーザー光源10と入射
レンズ14とコヒーレンス低下素子11とからなる光源
ユニット20が設けられ、主鏡筒1の中央部には環状の
平面ミラー13が設けられている。
【0036】図2は図1におけるコヒーレンス低下素子
11の詳細断面図である。図2に示すようにコヒーレン
ス低下素子11は保持具19内に光ファイバー12を備
え、光ファイバー12の出射光はコリメートレンズ15
およびビームエキスパンダーレンズ12a、12bを介
して外部へ出射される。なお、16aと16bはそれぞ
れ光束を絞るための視野アイリス(絞り)である。
【0037】この実施例においては、レーザー光源10
には波長532nmの半導体レーザ(スペクトラフィジ
クス社製7300)を使用し、コヒーレンス低下素子1
1の光ファイバー12にはカライドスコープ(住友電工
(株)製大口径マルチモード光ファイバーMKH−08
型)を使用している。また透光板7にはレーザー光の波
長程度の粗さに両面を仕上げた厚さ3mmのPMMA製
の平板を用いている。
【0038】図3はセル23の詳細断面図であり、セル
23の本体23aは半球状の凹部23bを有し、凹部2
3bの開口にはリング状スペーサ23cを介して透明ガ
ラス板23eが接合され、それによって凹部23bは密
閉されている。
【0039】本体23aは耐薬品性を有するステンレス
鋼(SUS316)からなる。ノズル21はステンレス
鋼(SUS316)からなり、半球状凹部23bの中央
に位置するように本体23aを貫通して設けられる。リ
ング状スペーサ23cには2つの排液チューブ23f,
23gが貫通している。
【0040】このような構成において、セル23にノズ
ル21の先端から粒子含有液(対象粒子を含む溶液)が
吐出されると、その流れが層流になるようにノズル1の
内径やノズル内壁の形態に合わせてその流速が決定され
る。
【0041】次に、図1に示すようにレーザー光源10
から出射され入射レンズ14を通過した光束は、コヒー
レンス低下素子11によってコヒーレンスが低下し、光
強度分布が平坦化される。コヒーレント低下素子11か
ら出射した光束Lは円錐状外面反射ミラー8に入射して
水平方向に360度放射状に反射される。
【0042】放射状に反射された光束は、円錐状内面反
射ミラー9によって垂直方向に反射され輪帯光L1に変
換される。輪帯光に変換された光束L1は透光板7を介
して環状平面ミラー13によって対物レンズ3の方向に
反射され、さらに円錐状内面反射ミラー3aによって反
射されて対物レンズ3の外側から360度にわたってセ
ル23へ入射する。
【0043】図4はセル23の要部拡大図であり、ノズ
ル21の先端から粒子含有液Sが透明ガラス板23eに
向かって吐出される状態を示している。ノズル21の先
端において、吐出する粒子含有液Sの層流の中に、レー
ザ光L1による暗視野照明領域R1が形成される。
【0044】この場合、レーザ光L1の光束の強度分布
を均一にすることにより、領域R1では流れに直交する
方向の距離に対して図5に示すように均一な照明光強度
が得られるので、流れに直交する方向の粒子通過位置に
よる検出散乱光強度のバラツキはなくなる。
【0045】また、上記のようにコヒーレンス低下素子
11は、レーザ光源10からのレーザー光のコヒーレン
スを充分に低下させその光強度分布を平坦化し、透光板
7はその表面がレーザー光の波長程度の粗さによってレ
ーザー光の光位相を変動させ空間コヒーレンスをさらに
低下させる。
【0046】一方、暗視野照明領域R1においてレーザ
光L1により照明された粒子から出た散乱光は、図1の
対物レンズ3に受光されさらに集光レンズ4により受光
素子5へ集光される。そして、演算部30は、受光素子
5によって検出された散乱光強度から粒子径を算出し、
算出結果を出力部40に出力させる。
【0047】図6はこの実施例の粒子径計測装置を用い
て粒子径と散乱光強度との関係を実測した結果の一例を
示す。対象粒子として直径1.5〜10μmのラテック
ス粒子を用いている。これによって、粒子径と散乱光強
度とは図6に示すようにほぼ比例関係にある。
【0048】この関係から、粒子径yは散乱光強度xの
一次関数(線形関数) y=ax+b(a,bは定数)……(1) として表されることが見出された。従って、演算部30
は式(1)を用いて粒子径を簡単に算出することができ
る。
【0049】ここで、セル23へ粒子含有液の供給と排
出を行う流体系の構成と動作について図7を用いてさら
に説明する。計測工程において、先ず、バルブV1,V
2が開かれ、測定の対象となる粒子を含む粒子含有液
が、陰圧ポンプP1の陰圧により測定溶液タンクT1か
ら試料チャンバーC1へ供給される。その供給が終了す
るとバルブV1,V2は閉じられる。
【0050】次に、バルブV3,V4,V5,V6が開
かれると、陽圧ポンプP2の陽圧により試料チャンバー
C1から粒子含有液がバルブV3とノズル1を介してセ
ル23内へ吐出される。セル23内へ吐出された粒子含
有液は排液チューブ23gとバルブV4とを介して廃液
チャンバーC2へ排出され、さらにバルブV5を介して
外部へ排出される。この期間に前述のように散乱光強度
の計測が行われる。この工程が終了すると、バルブV
3,V4,V5,V6は閉じられる。
【0051】次に流路の洗浄工程が行われる。つまり、
バルブV7,V3,V4,V8が開かれると、陰圧ポン
プP1の陰圧により、洗浄液タンクT2から洗浄液がバ
ルブV7,試料チャンバーC1,バルブV3,ノズル
1,セル3,バルブV4そして廃液チャンバーC2へと
流れ、流路の洗浄が行われる。この工程が終了するとバ
ルブV7,V3,V4,V8は閉じられる。
【0052】次に、セル23の洗浄工程が行われる。バ
ルブV10,V9,V8が開かれると、陰圧ポンプP1
の陰圧により、洗浄液が洗浄液タンクT2からバルブV
10と排液チューブ23gを介してセル23に供給さ
れ、さらにバルブV9を介して廃液チャンバーC2へ排
出される。この工程が終了するとバルブV10,V9,
V8は閉じられる。
【0053】次に、試料チャンバーC1の洗浄工程が行
われる。まず、バルブV7,V2が開かれると、陰圧ポ
ンプP1の陰圧により洗浄液が洗浄液タンクT2からバ
ルブV7を介して試料チャンバーC1へ供給される。次
に、バルブV7とV2が閉じられ、バルブV6,V11
が開かれると、陽圧ポンプP2の陽圧により試料チャン
バーC1の洗浄液はバルブV11を介して排出される。
このように、試料チャンバーC1に対して洗浄液の供給
と排出を行う工程が複数回くり返されると、試料チャン
バーC1の洗浄工程が終了する。
【0054】
【発明の効果】この発明によれば、コヒーレンスを低下
させたレーザ光で対象粒子を暗視野照明することによ
り、粒子の散乱光強度が粒子径の単調増加関数で表され
るので、単純な装置と簡単なデータ処理で粒子径を効率
よく計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による実施例の構成説明図である。
【図2】図1の要部詳細断面図である。
【図3】図1の要部詳細断面図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】図4の限外照明領域の照明光の強度分布図であ
る。
【図6】実施例によって得られた粒子径と散乱光強度と
の関係を示すグラフである。
【図7】実施例の流体系を示す系統図である。
【図8】この発明の原理を説明するための照度分布図で
ある。
【図9】この発明の原理を説明するための照度分布図で
ある。
【図10】粒子上に形成される照度縞の説明図である。
【図11】粒子上に形成される照度縞の説明図である。
【符号の説明】
1 主鏡筒 3 対物レンズ 3a 円錐状内面反射ミラー 4 集光レンズ 5 受光素子 6 照明鏡筒 7 透光板 8 円錐状外面反射ミラー 9 円錐状内面反射ミラー 10 レーザー光源 11 コヒーレンス低下素子 13 環状平面ミラー 14 入射レンズ 23 セル

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光源と、そのレーザ光源から出射
    されるレーザ光を受けてそのコヒーレンスを低下させて
    出射するコヒーレンス低下素子と、コヒーレンス低下素
    子の出射光を輪帯光に変換する輪帯光形成部と、その輪
    帯光を対象粒子に集光して照射する内面反射ミラーと、
    照射された対象粒子からの散乱光を輪帯光の内側で受光
    する対物レンズと、対物レンズを介して前記散乱光を受
    光するための受光素子と、受光素子によって得られる散
    乱光の強度から単調増加関数により粒子径を算出する演
    算部とを備える粒径計測装置。
  2. 【請求項2】 輪帯光形成部は、頂点がコヒーレンス低
    下素子に対向しコヒーレンス低下素子からの出射光を放
    射状に反射する円錐状外面反射ミラーと、円錐状外面反
    射ミラーをとり囲みその反射光をうけて輪帯光を形成す
    る円錐状内面反射ミラーとからなるなる請求項1記載の
    粒径計測装置。
  3. 【請求項3】 コヒーレンス低下素子が光ファイバーか
    らなる請求項1記載の粒径計測装置。
  4. 【請求項4】 単調増加関数が一次関数である請求項1
    記載の粒径計測装置。
  5. 【請求項5】 液体を吐出するノズルをさらに備え、対
    象粒子がその液体内に含まれ、対物レンズはノズルの先
    端方向から散乱光を受光する請求項1記載の粒子径計測
    装置。
  6. 【請求項6】 透明部分を有する壁に囲まれた中空セル
    をさらに備え、ノズルはその先端が透明部分に対向する
    ようにセルに挿入され、対物レンズはセルの外から透明
    部分を介して対象粒子の散乱光を受光する請求項5記載
    の粒子径計測装置。
  7. 【請求項7】 レーザ光源から出射されるレーザ光のコ
    ヒーレンスを低下させ、コヒーレンスの低下したレーザ
    光で対象粒子に対して暗視野照明を施し、照明された対
    象粒子の散乱光の強度を計測し、散乱光強度に実質的に
    比例する値を粒子径とする粒子径計測方法。
  8. 【請求項8】 レーザ光源から出射されるレーザ光のコ
    ヒーレンスを低下させるコヒーレンス低下手段と、コヒ
    ーレンスの低下したレーザ光で対象粒子に対して暗視野
    照明を施す暗視野照明手段と、照明された対象粒子の散
    乱強度を計測する計測手段と、散乱強度に実質的に比例
    する値を粒子径とする演算手段を備える粒子径計測装
    置。
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