JP2003117660A - ハイドロフォーミング部品の抵抗溶接方法および抵抗溶接用ハイドロフォーミング部品 - Google Patents

ハイドロフォーミング部品の抵抗溶接方法および抵抗溶接用ハイドロフォーミング部品

Info

Publication number
JP2003117660A
JP2003117660A JP2001313570A JP2001313570A JP2003117660A JP 2003117660 A JP2003117660 A JP 2003117660A JP 2001313570 A JP2001313570 A JP 2001313570A JP 2001313570 A JP2001313570 A JP 2001313570A JP 2003117660 A JP2003117660 A JP 2003117660A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydroforming
component
projection
welding
resistance welding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001313570A
Other languages
English (en)
Inventor
Hatsuhiko Oikawa
初彦 及川
Itsuro Hiroshige
逸朗 弘重
Junichi Kobayashi
順一 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2001313570A priority Critical patent/JP2003117660A/ja
Publication of JP2003117660A publication Critical patent/JP2003117660A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハイドロフォーミング部品の抵抗溶接におい
て、溶接部で安定してナゲットを形成させ、信頼性ある
継手を得る。 【解決手段】 ハイドロフォーミング部品の抵抗溶接に
おいて、プロジェクションが形成されたハイドロフォー
ミング部品を用いることにより、ハイドロフォーミング
部品の溶接部の変形を抑制して接触状態を良好に保ち、
ナゲットを安定に形成させることにより、他部品とハイ
ドロフォーミング部品を安定して溶接する。好ましく
は、ハイドロフォーミング部品の板厚が2.6mm以下
である。また、プロジェクションは直径が2mm以上7
mm以下、高さが0.5mm以上1.5mm以下であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抵抗溶接方法に関
し、特に自動車車体などの組立の際に用いられるハイド
ロフォーミング部品と鋼板との抵抗溶接方法および抵抗
溶接用ハイドロフォーミング部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、炭酸ガスの増加による地球温暖化
が環境問題として大きく取り上げられる中で、自動車、
鉄道、船舶などの輸送機関では炭酸ガスの排出量を削減
しようという動きがある。このような背景で、自動車分
野では、炭酸ガスの排出量の削減を狙った車体重量の低
減のために、自動車用部品としてハイドロフォーミング
部品の使用が検討され、そのニーズは高まっている。
【0003】ハイドロフォーミング部品は、一般に鋼状
部材を所望形状の成形型内にセットし、鋼管内部から液
圧をかけて膨張変形させて製造され、従来の鋼板をプレ
ス成形後フランジ部同士を溶接する自動車用部品に比べ
て、フランジ部が不必要であり、かつ各部位の板厚の調
整・最適化が可能であるため、その分自動車用部品の軽
量化が図られる。
【0004】一方、自動車車体の組立行程における接合
方法としては、主に抵抗溶接、すなわち、スポット溶接
が使われているが、ハイドロフォーミング部品と他の部
材をスポット溶接する場合には、次のような問題があっ
た。
【0005】図1に従来のスポット溶接方法によりハイ
ドロフォーミング部品と他の部品を接合する場合の一例
を示す。ハイドロフォーミング部品2と他の部品である
鋼板1とのスポット溶接は、ハイドロフォーミング部品
2の平坦部に他の部品である鋼板1を重ね合わせ、鋼板
1外側に水冷されたキャップ型銅電極3を配置するとと
もに、このキャップ型銅電極3と対向するようにハイド
ロフォーミング部品2外側に水冷されたブロック型銅電
極4を配置し、これらの電極3、4によりハイドロフォ
ーミング部品2と鋼板1の接触部を加圧しながら通電、
溶融させ、その後、電極保持により溶融部分を凝固させ
てナゲット5を形成させることにより行われる。
【0006】しかしながら、鋼板1同士の重ね合わせス
ポット溶接に比べて、ハイドロフォーミング部品2と鋼
板1などの他の部品との重ね合わせスポット溶接の場合
は、電極3、4による加圧、通電時に、ハイドロフォー
ミング部品2が中空構造であるためハイドロフォーミン
グ部品2と鋼板1の接触部に加圧力が伝達され難く、ま
た、通電加熱による温度上昇に伴って溶接部周辺の変形
抵抗が低下し、V字型に変形するため溶接部で十分な接
触が保てなくなる。この現象は、特に、板厚が2.6m
m以下の薄手のハイドロフォーミング部品を用いた場合
に顕著となる。
【0007】その結果、電極による加圧、通電時に接触
面積が減少し十分な大きさの溶融部が形成できなくなっ
たり、ナゲット径にばらつきを生じたり、非接触部位が
溶融されずにナゲット内に欠陥を生じたり、通電加熱中
に散り(接触部に生成された溶融金属が飛散する現象)
が発生する等、の問題が生じて継手強度などの良好な溶
接品質および安定した溶接を維持することが難しくな
り、最悪時には溶接が不可能となる。
【0008】上記の問題を解決するための手段として
は、通電加熱中のハイドロフォーミング部品の変形を抑
制するために加圧力を低くすると共に、通電加熱中に散
り(接触部に生成された溶融金属が飛散する現象)が発
生しないような加圧力を維持するように制御する方法が
考えられる。しかし、通電加熱中の変形を抑制し、かつ
散りが発生しないような加圧力は、ハイドロフォーミン
グ部品の板厚や溶接電流などの他の条件によって変わる
ため、加圧力の最適制御は現実的に難しい。
【0009】特に、ハイドロフォーミング部品の板厚が
2.6mm以下の条件では、通電加熱中の変形が大き
く、通常の自動車車体組立ラインで使用される溶接機の
最低加圧力でも通電加熱中に変形を十分に抑制すること
ができず、十分な大きさのナゲットが形成されない。
【0010】一方、ハイドロフォーミング部品の板厚を
増加させて剛性を上げることによって、通電加熱中の変
形を抑制することは可能であるが、自動車車体の重量が
増加することとなり得策とは言えない。
【0011】また、溶接点数を増やすことにより溶接継
手強度を向上させることが可能であるが、溶接時間の増
加を招き、自動車の生産性の低下、製造コストの上昇お
よび設計自由度の制限をもたらす原因となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述の通り、近年、自
動車車体の軽量化のために、自動車用部品としてハイド
ロフォーミング部品の適用ニーズが高まっている一方、
安定した溶接を可能とし、継手強度などの良好な溶接部
品質が得られるハイドロフォーミング部品のスポット溶
接方法は、まだ、確立されていないのが現状である。
【0013】特に、板厚が2.6mm以下の薄肉ハイド
ロフォーミング部品のスポット溶接では、通常の自動車
車体組立ラインで使用される溶接機を用いる限り、溶接
点数を増やすなどの方法でしか、所要の溶接継手強度を
得ることができず、自動車の生産性の低下、製造コスト
の上昇および設計自由度の制限をもたらす原因となって
いた。
【0014】本発明は、従来技術の問題を踏まえ、加
圧、通電加熱中の変形を抑制し、かつ、散りが発生しな
いような所定加圧力を維持することができ、よって、安
定した溶接を可能とし、継手強度などの良好な溶接部品
質が得られるハイドロフォーミング部品の抵抗溶接方法
を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】発明者らは、加圧、通電
加熱中の変形を抑制し、かつ、散りが発生しないような
所定加圧力を維持することができる、ハイドロフォーミ
ング部品のスポット溶接方法について、鋭意研究を重ね
た結果、ハイドロフォーミング部品又は他の部品にプロ
ジェクションを形成し、該プロジェクションを介して前
記ハイドロフォーミング部品と他の部品の接触部をプロ
ジェクション溶接することにより、安定した溶接が維持
され、継手強度などの溶接部品質の向上が可能であるこ
とを見出した。
【0016】本発明は、これらの知見に基づいてなされ
たものであり、すなわち、本発明の要旨とするところ
は、以下の通りである。 (1)ハイドロフォーミング部品を他の部品に抵抗溶接
する際に、前記ハイドロフォーミング部品又は他の部品
にプロジェクションを形成し、該プロジェクションを介
して前記ハイドロフォーミング部品と他の部品の接触部
をプロジェクション溶接することを特徴とするハイドロ
フォーミング部品の抵抗溶接方法。 (2)前記ハイドロフォーミング部品の板厚が2.6m
m以下であることを特徴とする上記(1)に記載のハイ
ドロフォーミング部品の抵抗溶接方法。 (3)前記プロジェクションは直径が2mm以上7mm
以下、高さが0.5mm以上1.5mm以下であること
を特徴とする上記(1)又は(2)に記載のハイドロフ
ォーミング部品の抵抗溶接方法。 (4)前記プロジェクションをハイドロフォーミング部
品に形成することを特徴とする上記(1)乃至(3)の
いずれかに記載のハイドロフォーミング部品の抵抗溶接
方法。 (5)プロジェクションを備え、ハイドロフォーミング
部品の板厚が2.6mm以下であることを特徴とする抵
抗溶接用ハイドロフォーミング部品。 (6)直径が2mm以上7mm以下、高さが0.5mm
以上1.5mm以下のプロジェクションを備えたことを
特徴とする上記(5)に記載の抵抗溶接用ハイドロフォ
ーミング部品。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、図面を用いて、本発明に
係るハイドロフォーミング部品のプロジェクション溶接
方法およびそれに用いるハイドロフォーミング部品につ
いて、作用とともに詳細に説明する。
【0018】図2に本発明に係るハイドロフォーミング
部品のプロジェクション溶接方法を説明するための模式
図を示す。
【0019】ここでは、本発明法によりハイドロフォー
ミング部品7を他部品としての鋼板1にプロジェクショ
ン溶接する場合について説明する。
【0020】本発明の好ましい実施の形態では、ハイド
ロフォーミング部品7の平坦部の接合しようとする箇所
に、予め、直径が2mm以上7mm以下、高さが0.5
mm以上1.5mm以下のプロジェクション6を形成
し、このプロジェクション6が接合面側になるようにし
て鋼板1と重ね合わせ、鋼板1外側に水冷されたキャッ
プ型銅電極3を配置するとともに、このキャップ型銅電
極3と対向するようにハイドロフォーミング部品2外側
に水冷されたブロック型銅電極4を配置し、これらの電
極3、4によりハイドロフォーミング部品7と鋼板1の
接触部、すなわちプロジェクション6の部分を加圧しな
がら通電、溶融させ、その後、電極保持により溶融部分
を凝固させてナゲット5を形成させることにより行われ
る。
【0021】本発明では、電極3、4による加圧、通電
加熱時に、従来法に比べて低い加圧力でも、ハイドロフ
ォーミング部品7の平坦部に形成されたプロジェクショ
ン6により鋼板1に安定して接触させることができ、か
つプロジェクション6を通じて電流を集中的に流す(電
流密度を向上する)ことができるため、効率的な発熱に
よる低い電流での溶接が可能となる。
【0022】その結果、従来の課題であった通電加熱中
の温度上昇に起因する変形抵抗の低下および溶接部周辺
の変形による接触面積の減少を最小限に抑えることが可
能となり、十分な大きさの溶融部の形成が可能となる。
【0023】また、従来は、通電加熱中のハイドロフォ
ーミング部品7の溶接部周辺での変形により溶接部中央
が接触不良となり、図1に示す中心部が未溶融で周囲の
みが溶融した中心部欠損型のナゲット5(溶接欠陥)が
発生し易かったが、本発明ではハイドロフォーミング部
品7に形成されたプロジェクション6により溶接部の中
心から周囲まで安定して溶融するため、図2(b)に示
す中心部欠損のない綺麗なナゲット5が形成される。
【0024】さらに、従来は、通電加熱中の溶接部周辺
の変形による接触面積の減少や溶接部中央の接触不良を
抑制するために加圧力を低くすることにより、通電加熱
中に散り(接触部に生成された溶融金属が飛散する現
象)が発生しやすかったが、本発明では、低い加圧力で
も安定した接触が得られるためこのような散りの発生を
抑制できる。
【0025】以上の通り、本発明により従来に比べて継
手強度などの良好な溶接品質および安定した溶接を維持
することが可能となる。
【0026】本発明は、自動車用部品として使用される
通常の板厚、例えば、0.8mm〜3.0mm程度のハ
イドロフォーミング部品の溶接において、上記のような
本発明の効果が得られる。
【0027】特に板厚が2.6mm以下の薄肉ハイドロ
フォーミング部品の溶接では、従来、通常の自動車車体
組立ラインで使用される溶接機を用いる限り、溶接点数
を増やすなどの方法でしか、所要の溶接継手強度を得る
ことができず、自動車の生産性の低下、製造コストの上
昇および設計自由度の制限をもたらす原因となっていた
が、本発明のプロジェクション溶接の適用により電流密
度の向上、発熱効率の向上などの効果をより有効に利用
して溶接点数を増やすなどの方法によらずとも継手強度
などの溶接品質を顕著に向上できる。即ち、本発明の上
記(2)にあるとおり、肉厚2.6mm以下のハイドロ
フォーミング部品の溶接において、本発明のプロジェク
ション溶接の効果を特に発揮することができる。一方、
ハイドロフォーミング部品の肉厚が0.8mm未満とな
ると、プロジェクション溶接を用いた場合においても所
要の溶接強度を確保しづらくなるので、板厚は0.8m
m以上とすることが好ましい。
【0028】また、本発明において、継手強度などの良
好な溶接品質および安定した溶接を維持するためにハイ
ドロフォーミング部品に形成させるプロジェクションの
形状は特に限定する必要はないが、その寸法は、本発明
の上記(3)にあるとおり、直径を2mm以上7mm以
下、高さを0.5mm以上1.5mm以下と規定すると
特に好ましい。
【0029】ここで、直径は、平坦部の表面レベルでの
水平断面での測定値であり、高さは、水平断面の中心位
置での平坦部の表面レベルから最大張り出し高さまでの
測定値である。なお、平坦部の表面レベルでの水平断面
の形状が、楕円、多角形など、円以外の場合は、断面積
が等しい円相当の直径とする。
【0030】特にハイドロフォーミング部品の溶接にお
いては、前述したように、ハイドロフォーミング部品が
中空構造であるためハイドロフォーミング部品と他の部
品との接触部に加圧力が伝達されにくい。ハイドロフォ
ーミング部品の溶接に際し、プロジェクションの直径ま
たは高さが上記の下限値よりも小さい場合には、電流が
不安定になってナゲット径がばらついたり、プロジェク
ションがつぶれやすくなったり、プロジェクションのみ
を接触させるのが困難となり溶接部中央の接触不良の抑
制効果が得られなくなる。即ち、本発明においては、ハ
イドロフォーミング部品の接合にプロジェクション溶接
を適用するに際し、プロジェクションの好適な直径の下
限が2mmであり、好適な高さの下限が0.5mmであ
る点を明らかにしたところに特徴がある。
【0031】一方、プロジェクションの直径または高さ
が上記の上限値より大きい場合には、プロジェクション
を介して電流を集中的に流して(電流密度を向上)、効
率的な発熱による低い電流での溶接を可能とする効果が
得られなくなる。
【0032】プロジェクションの形状としては、コーン
型、ボタン型など、特に制限されるものではない。
【0033】プロジェクションは、ハイドロフォーミン
グ部品あるいは接合する相手の他の部品のいずれに形成
してもよいが、本発明の上記(4)にあるように、ハイ
ドロフォーミング部品にプロジェクションを形成すると
より好ましい。ハイドロフォーミング部品の平坦部での
プロジェクションの形成は、ハイドロフォーミング部品
の製造工程で使用する成形型を、通常のものからプロジ
ェクション部を持つものに一部設計変更するだけで生産
性を低下させずに容易に実現でき、また、溶接したい任
意の位置にプロジェクションを形成させることが可能と
なる。
【0034】本発明において、プロジェクションの寸法
以外のその他の溶接条件、例えば、溶接時の加圧力、電
流および通電時間、ならびに通電後の保持時間は、プロ
ジェクションの寸法に応じて適宜選択すれば良いが、こ
れらの条件は増加させすぎると、加圧、通電加熱中のハ
イドロフォーミング部品の変形を助長させ、安定した良
好なナゲットの形成に悪影響を及ぼすため、最小限の値
で溶接するのが望ましい。
【0035】従来のスポット溶接では、1組の電極で1
個所のスポット溶接を行っていたが、本発明のインジェ
クション溶接を適用する場合においては、複数のインジ
ェクションを形成しておくことにより、1組の電極で同
時に複数個所の溶接を行うことが可能になる。
【0036】本発明で用いるハイドロフォーミング部品
と鋼板などの他部品の材質は、特に限定するものではな
く、引張強さが260〜1300MPa程度のものであ
ればどのような鋼板であっても使用することができる。
鋼種についても、固溶強化型、析出強化型(Ti析出
型、Nb析出型)、2相組織型(フェライトとマルテン
サイトからなる2相組織、あるいはフェライトとベイナ
イトからなる2相組織)、加工誘起変態型(10%以下
の残留オーステナイトを含むフェライト主体組織)をは
じめとして、どのような鋼種であっても良い。その製造
方法も、熱間圧延法でも冷間圧延法でも良い。なお、め
っき鋼板を使用する場合は、めっきの種類は、導電性の
ものならいずれの種類(例えば、Zn、Zn−Fe、Z
n−Ni、Zn−Al、Sn−Zn、など)であっても
良いが、目付量は両面で100/100g/m2以下の
ものが望ましい。
【0037】
【実施例】以下に実施例により本発明の効果を説明す
る。ハイドロフォーミング部品の平坦部にプロジェクシ
ョンを形成するプロジェクション溶接方法およびプロジ
ェクションを形成しない従来のスポット方法により、ハ
イドロフォーミング部品と鋼板との溶接を実施した。
【0038】ハイドロフォーミング部品は、鋼種がJS
H270C、JSC270E(記号は日本鉄鋼連盟規格
に準拠)、板厚が2.9、1.0mmで断面形状が八角
形の管状部材を用い、プロジェクションを形成したもの
は、ハイドロフォーミング部品の平坦部に直径が2.0
〜8.0mm、高さが0.5〜1.7mmのプロジェク
ションが形成されているものを用いた。また、ハイドロ
フォーミング部品と溶接する鋼板は、鋼種がJSC27
0E、板厚が1.6、1.0mmの軟鋼板を用いた。
【0039】ハイドロフォーミング部品の平坦部にプロ
ジェクションを形成するプロジェクション溶接方法は、
図2に示すような配置で、溶接用のキャップ型銅電極3
としては、F型(フラット型、電極径:16mm、クロ
ム銅製)電極を、ブロック型銅電極4としては、平板型
(板厚:10mm、寸法:200×200mm)電極を
用いて、表1に示す溶接条件でプロジェクション溶接を
実施した。
【0040】プロジェクションを形成しない従来のスポ
ット溶接方法は、図1に示すような配置で、溶接用のキ
ャップ型銅電極3としては、DR型(ドームラジアス
型、電極径16mm、電極先端径6.0mm、電極先端
曲率径40mm)電極を、ブロック型銅電極4として
は、平板型(板厚:10mm、寸法:200×200m
m)電極を用いて、表1に示す溶接条件でスポット溶接
を実施した。
【0041】溶接後、溶接継手から、JISの規格に基
づいて断面組織観察用および引張せん断試験用の試験片
をそれぞれ切り出し、ナゲットの形成状況の観察および
継手の引張せん断強さ(TSS)を測定した。それらの
評価結果も表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】本発明の範囲内の条件で実施した本発明例
(条件No.1〜11、15〜25)は、いずれも溶接
欠陥の無い良好なナゲットが形成され、継ぎ手の引張せ
ん断強さも、ナゲット径に比例して高い値を示した。そ
の中でも、本発明の好適な範囲内で実施した本発明例
(条件No.1〜4、7〜9、15〜18、21〜2
3)については、ナゲット径、引張せん断強さともに、
特に良好な結果を得ることができた。
【0044】また、ハイドロフォーミング部品にプロジ
ェクションを形成しない従来のスポット溶接方法(条件
No.12〜14、26〜28)では、いずれも、ハイ
ドロフォーミング部品が変形して散りが発生し、ナゲッ
トは周囲のみがわずかに溶融した内欠型のナゲットとな
り、そのため継手の引張せん断強さも本発明例に比べ低
い値を示した。
【0045】なお、以上の試験結果は、ハイドロフォー
ミング部品の板厚が2.9、1.0mmおよび鋼板の板
厚が1.6、1.0mmの場合のものであるが、発明者
らは、ハイドロフォーミング部品または鋼板として、そ
の板厚が0.8〜3.0mmの範囲、通常の自動車用部
品に用いられる鋼種の範囲、めっき鋼板を用いても、本
発明法を適用することによりで安定したナゲットの形
成、および高い継手引張せん断強さが得られることを確
認している。
【0046】
【発明の効果】以上、述べたように、本発明では、プロ
ジェクションが形成されたハイドロフォーミング部品を
用いることにより、他部品とハイドロフォーミング部品
を安定して溶接することが可能になった。本発明では、
主に、自動車用部品として用いられるハイドロフォーミ
ング部品と他部品の溶接において、信頼性ある継手特性
を得ることが可能となる。これにより、自動車分野など
でのハイドロフォーミング部品の適用が拡大され、軽量
化による低燃費化、炭酸ガス排出量の削減が達成される
ため、本発明の社会的貢献は大きいものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】他部品とハイドロフォーミング部品のスポット
溶接を説明するための断面図である。
【図2】本発明のプロジェクション溶接方法を説明する
ための断面図であり、(a)は溶接前、(b)は溶接後
の状況を示す。
【符号の説明】
1 他部品(鋼板) 2 ハイドロフォーミング部品 3 キャップ型銅電極 4 ブロック型銅電極 5 ナゲット 6 プロジェクション 7 プロジェクションが形成されたハイドロフォーミン
グ部品
フロントページの続き (72)発明者 小林 順一 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハイドロフォーミング部品を他の部品に
    抵抗溶接する際に、前記ハイドロフォーミング部品又は
    他の部品にプロジェクションを形成し、該プロジェクシ
    ョンを介して前記ハイドロフォーミング部品と他の部品
    の接触部をプロジェクション溶接することを特徴とする
    ハイドロフォーミング部品の抵抗溶接方法。
  2. 【請求項2】 前記ハイドロフォーミング部品の板厚が
    2.6mm以下であることを特徴とする請求項1に記載
    のハイドロフォーミング部品の抵抗溶接方法。
  3. 【請求項3】 前記プロジェクションは直径が2mm以
    上7mm以下、高さが0.5mm以上1.5mm以下で
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載のハイドロ
    フォーミング部品の抵抗溶接方法。
  4. 【請求項4】 前記プロジェクションをハイドロフォー
    ミング部品に形成することを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれかに記載のハイドロフォーミング部品の抵抗溶
    接方法。
  5. 【請求項5】 プロジェクションを備え、ハイドロフォ
    ーミング部品の板厚が2.6mm以下であることを特徴
    とする抵抗溶接用ハイドロフォーミング部品。
  6. 【請求項6】 直径が2mm以上7mm以下、高さが
    0.5mm以上1.5mm以下のプロジェクションを備
    えたことを特徴とする請求項5に記載の抵抗溶接用ハイ
    ドロフォーミング部品。
JP2001313570A 2001-10-11 2001-10-11 ハイドロフォーミング部品の抵抗溶接方法および抵抗溶接用ハイドロフォーミング部品 Withdrawn JP2003117660A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001313570A JP2003117660A (ja) 2001-10-11 2001-10-11 ハイドロフォーミング部品の抵抗溶接方法および抵抗溶接用ハイドロフォーミング部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001313570A JP2003117660A (ja) 2001-10-11 2001-10-11 ハイドロフォーミング部品の抵抗溶接方法および抵抗溶接用ハイドロフォーミング部品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003117660A true JP2003117660A (ja) 2003-04-23

Family

ID=19132019

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001313570A Withdrawn JP2003117660A (ja) 2001-10-11 2001-10-11 ハイドロフォーミング部品の抵抗溶接方法および抵抗溶接用ハイドロフォーミング部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003117660A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012049203A1 (de) * 2010-10-16 2012-04-19 Mekra Lang Gmbh & Co. Kg. Befestigungssystem für anbauteile an einem fahrzeug mit profilartigem anschlussteil; fahrzeug mit einem solchen befestigungssystem
US10343232B2 (en) 2014-12-05 2019-07-09 Hyundai Motor Company Resistance welding device and method for welding vehicle part using the same

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012049203A1 (de) * 2010-10-16 2012-04-19 Mekra Lang Gmbh & Co. Kg. Befestigungssystem für anbauteile an einem fahrzeug mit profilartigem anschlussteil; fahrzeug mit einem solchen befestigungssystem
US8807511B2 (en) 2010-10-16 2014-08-19 Mekra Lang Gmbh & Co. Kg Fastening system for add-on parts on a vehicle having a profile-like connection part
US10343232B2 (en) 2014-12-05 2019-07-09 Hyundai Motor Company Resistance welding device and method for welding vehicle part using the same
US11440126B2 (en) 2014-12-05 2022-09-13 Hyundai Motor Company Method for resistance welding

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105358284B (zh) 电阻点焊方法
KR102058305B1 (ko) 저항 스폿 용접 방법 및 용접 부재의 제조 방법
KR20150023936A (ko) 조인트 강도가 우수한 고강도 강판의 스폿 용접 방법
JP4543823B2 (ja) 抵抗スポット溶接方法
JP2007268604A (ja) 抵抗スポット溶接方法
JP3922263B2 (ja) 抵抗スポット溶接継手の製造方法
CN102672332A (zh) 一种用于延长镀锌薄钢板电阻点焊电极使用寿命的方法
JP2011067853A (ja) 高強度鋼板のスポット溶接方法
CN103958110A (zh) 电阻点焊接头
RU2676542C2 (ru) Способ дуговой точечной сварки и сварочный аппарат для его осуществления
JP2010240740A (ja) 抵抗スポット溶接継手の製造方法
CN108025387A (zh) 点焊方法
CN112605512A (zh) 一种780Mpa级热轧双相车轮钢的脉冲闪光对焊方法
CN110834139B (zh) 一种电阻点焊异种金属的方法
JP2017047475A (ja) スポット溶接方法
JP2010131666A (ja) スポット溶接用電極
JP2003103377A (ja) 高強度めっき鋼板のスポット溶接方法
JP5168204B2 (ja) 鋼板のスポット溶接方法
US6765170B2 (en) Method for single sided spot welding
JP6136249B2 (ja) スポット溶接用電極、スポット溶接方法およびスポット溶接部材
JP2011230129A (ja) 薄鋼板のスポット溶接方法
JP2006021216A (ja) テーラードブランクプレス成形部品の製造方法
JP2002172469A (ja) 高強度鋼板のスポット溶接方法
JP2003117660A (ja) ハイドロフォーミング部品の抵抗溶接方法および抵抗溶接用ハイドロフォーミング部品
JP5640409B2 (ja) 抵抗スポット溶接継手の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050104