JP2003114235A - 呼気ガス採取装置および呼気ガス分析装置 - Google Patents

呼気ガス採取装置および呼気ガス分析装置

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JP2003114235A
JP2003114235A JP2001309041A JP2001309041A JP2003114235A JP 2003114235 A JP2003114235 A JP 2003114235A JP 2001309041 A JP2001309041 A JP 2001309041A JP 2001309041 A JP2001309041 A JP 2001309041A JP 2003114235 A JP2003114235 A JP 2003114235A
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container
gas
exhaled
sampling
exhalation
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JP2001309041A
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Masato Tanaka
正人 田中
Taizo Kihara
泰三 木原
Masahiro Akiyasu
昌宏 秋保
Eiichi Minagawa
栄一 皆川
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Aloka Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構造で、多数の検体に対し、安定・確実
に自動的に順次測定・分析を行うことができる呼気ガス
採取装置および呼気ガス分析装置を提供することを目的
とする。 【解決手段】本発明の呼気ガス分析装置1は、呼気ガス
容器13から呼気ガスを採取し、分析部8へと移送する
呼気ガス採取装置1aと、呼気ガス容器13から採取さ
れた呼気ガスを分析する分析部8とを有する。呼気ガス
採取装置1aは、呼気ガス容器13を搬送する搬送経路
4と、搬送経路4によって搬送された呼気ガス容器13
内の呼気ガスを採取する採取機構6とを有する。採取機
構6は、呼気ガス容器13内の呼気ガスを採取する採取
管631と、採取管631を呼気ガス容器13内に挿入
する際に呼気ガス容器13を吸着保持する吸盤635と
を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、呼気ガス容器に充
填された呼気ガスを採取する呼気ガス採取装置および呼
気ガス分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】被験者の呼気を分析することにより、例
えば体内細菌の有無の検査や、消化吸収検査、肝機能検
査等を行う方法が知られており、非侵襲かつ簡便な検査
方法として注目されている。
【0003】その一例として、胃内に生息し、慢性胃炎
や胃潰瘍等の原因になるとされるヘリコバクター・ピロ
リ(以下、「ピロリ菌」と言う。)に感染しているかど
うか、あるいは除菌治療が成功したかどうかを調べる呼
気ガス分析検査がある。
【0004】このピロリ菌の有無を調べる呼気ガス分析
検査においては、ピロリ菌の持つウレアーゼという酵素
が尿素をアンモニアと炭酸ガス(CO)に分解する性
質を持つことを利用する。すなわち、炭素原子を13
で構成して標識した尿素を試薬として被験者に経口投与
し、その投与の前後における被験者の呼気ガス中の
CO12COに対する存在比を例えばレーザー分
光法、赤外分光法、質量分析法等の方法で測定する。被
験者の胃にピロリ菌が生息していれば、投与した尿素が
分解されることにより13COが発生し、13CO
の存在比が増大する。したがって、投与前の13CO
の存在比に対する投与後の13COの存在比の増加量
を算出することにより、ピロリ菌の有無を判定すること
ができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、このような呼気
ガス分析検査に際しては、被験者の呼気を専用の呼気ガ
ス容器に採取・充填し、この容器を1つずつ手作業で呼
気ガス分析装置に接続し、呼気ガス分析装置内に呼気ガ
スを導入している。
【0006】このため、多数の検体に対して検査を行う
場合には、呼気ガス容器を呼気ガス分析装置に次々と付
け替える煩雑な作業を要し、呼気ガス分析検査が非効率
なものになっている。
【0007】今後、呼気ガス分析検査のさらなる普及が
予想されることから、検査効率の向上が必要とされてお
り、多数の検体に対して自動的に測定・分析を行うこと
ができるような呼気ガス分析装置が要望されている。
【0008】そのような呼気ガス分析装置においては、
複数(多数)の呼気ガス容器を収容し、それら容器に充
填された呼気ガスを順次自動で採取する呼気ガス採取装
置が必要とされる。
【0009】また、そのような呼気ガス採取装置は、多
数の呼気ガス容器から滞りなく安定的に呼気ガスを採取
する構成であり、なおかつそれぞれの呼気ガス容器から
正確・確実に呼気ガス容器を採取する構成であることが
望まれる。
【0010】本発明は、上記問題点に鑑み、簡単な構造
で、多数の検体に対し、安定・確実に自動的に順次測定
・分析を行うことができる呼気ガス採取装置および呼気
ガス分析装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(18)の本発明により達成される。
【0012】(1) 呼気ガス容器内の呼気ガスを採取
する採取管と、前記採取管を前記呼気ガス容器内に挿入
する際に該呼気ガス容器を保持する保持手段とを具備す
ることを特徴とする呼気ガス採取装置。
【0013】(2) 呼気ガス容器を搬送する搬送手段
と、前記搬送手段によって搬送された前記呼気ガス容器
内の呼気ガスを採取する採取管と、前記採取管を前記呼
気ガス容器内に挿入する際に該呼気ガス容器を保持する
保持手段とを具備することを特徴とする呼気ガス採取装
置。
【0014】(3) 前記保持手段は、前記呼気ガス容
器の少なくとも1箇所を吸着保持するように構成されて
いる上記(1)または(2)に記載の呼気ガス採取装
置。
【0015】(4) 前記保持手段は、前記呼気ガス容
器を吸着する少なくとも1つの吸盤と、前記吸盤内を負
圧にする吸引手段を有する上記(3)に記載の呼気ガス
採取装置。
【0016】(5) 前記保持手段は、第1の吸盤およ
び第2の吸盤を有し、前記採取管は、これら2つの吸盤
の間から前記呼気ガス容器内に挿入される上記(4)に
記載の呼気ガス採取装置。
【0017】(6) 前記呼気ガス容器に対する前記第
1の吸盤の吸着位置と、前記第2の吸盤の吸着位置と、
前記採取管の挿入位置とがほぼ直線上に並ぶよう構成さ
れている上記(5)に記載の呼気ガス採取装置。
【0018】(7) 前記吸盤は、カップ状の吸着部
と、該吸着部に連通し、伸縮自在に構成された伸縮部と
を有する上記(4)ないし(6)のいずれかに記載の呼
気ガス採取装置。
【0019】(8) 前記採取管は、前記呼気ガス容器
の表面に対してほぼ垂直方向に移動して前記呼気ガス容
器内に挿入される上記(1)ないし(7)のいずれかに
記載の呼気ガス採取装置。
【0020】(9) 前記呼気ガス容器は、可撓性を有
するシート材によって構成されている上記(1)ないし
(8)のいずれかに記載の呼気ガス採取装置。
【0021】(10) 前記採取管は、針先部を有し、
前記呼気ガス容器に刺通される上記(1)ないし(9)
のいずれかに記載の呼気ガス採取装置。
【0022】(11) 前記呼気ガス容器に対し、前記
保持手段を接近・離間させる駆動手段を有する上記
(1)ないし(10)のいずれかに記載の呼気ガス採取
装置。
【0023】(12) 前記駆動手段はカム機構を備え
ている上記(11)に記載の呼気ガス採取装置。
【0024】(13) 前記保持手段による呼気ガス容
器の保持を検出する検出手段を有する上記(1)ないし
(12)のいずれかに記載の呼気ガス採取装置。
【0025】(14) 上記(1)ないし(13)のい
ずれかに記載の呼気ガス採取装置と、呼気ガスの分析を
行う分析部とを具備することを特徴とする呼気ガス分析
装置。
【0026】(15) 複数の情報の中から同一の被験
者の情報を特定し分析を行う上記(14)に記載の呼気
ガス分析装置。
【0027】(16) 前記採取手段は、採取した呼気
ガスを前記分析部に移送するよう構成されている上記
(14)または(15)に記載の呼気ガス分析装置。
【0028】(17) 前記分析部は、呼気ガス中の同
位体の含有比を分析するよう構成されている上記(1
4)ないし(16)のいずれかに記載の呼気ガス分析装
置。
【0029】(18) 前記同位体は13COおよび
12COである上記(17)に記載の呼気ガス分析装
置。
【0030】本発明の他の目的、作用および効果は図面
を参照して行う以下の好適実施形態の説明から、より明
らかとなるであろう。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の呼気ガス採取装置
および呼気ガス分析装置を添付図面に示す好適な実施形
態に基づいて詳細に説明する。
【0032】図1は、本発明の呼気ガス分析装置の全体
構成を示す側面図である。図2は、同装置の構成を示す
上面図である。図3は、同装置の搬送経路に設けられた
第1のコンベヤーを示す側面図である。図4は、同第1
のコンベヤーの上面図である。図5は、同装置に設けら
れる進入規制ゲートが開放位置にある状態を示す側面図
である。図6は、同装置に設けられる進入規制ゲートが
遮蔽位置にある状態を示す側面図である。図7(a)
は、同装置の搬送経路に設けられる押さえ部材の平面図
であり、図7(b)は、同押さえ部材の側面図である。
図8(a)は、同装置のセンサー付近に詰まりが発生した
状態を示す側面図であり、図8(b)は、同装置内に所定
数以上の呼気ガス容器が導入された状態を示す側面図で
ある。図9は、同装置の送出機構が容器の送出を禁止す
る姿勢にある状態を示す側面図である。図10は、同装
置の送出機構が容器の送出を許容する姿勢にある状態を
示す側面図である。図11は、同装置の採取部の上面図
である。図12は、同装置の採取部が退避している状態
を示す側面図である。図13は、同装置の採取部が呼気
ガス容器を吸着している状態を示す側面図である。図1
4は、同装置の採取部の採取管が呼気ガス容器に刺通さ
れた状態を示す側面図である。図15は、同装置の位置
決め装置が退避している状態を示す側面図である。図1
6は、同装置の位置決め装置が呼気ガス容器を回転させ
ている状態を示す側面図である。図17は、同装置の位
置決め装置が呼気ガス容器の回転を停止した状態を示す
側面図である。図18は、同装置の蓄積部の押圧部材が
上方に位置している状態を示す側面図である。図19
は、同装置の蓄積部の押圧部材が作動し、呼気ガス容器
を圧搾している状態を示す側面図である。図20は、同
装置の回路構成を示すブロック図である。図21は、同
装置に付加装置を取り付けた状態を示す側面図である。
図22は、同装置に集積部を取り付けた状態を示す側面
図である。図23は、同装置に装填される呼気ガス容器
を示す平面図である。図24は、同呼気ガス容器の下面
図である。図25は、呼気ガスを充填した状態における
図23中のX−X線断面図である。
【0033】なお、以下の説明では、図1中の右側を
「前方」、左側を「後方」として説明する。
【0034】本発明の呼気ガス分析装置(以下、単に
「分析装置」と言う。)1は、レーザー分光法により呼
気ガス中の13CO12COとの存在比を測定す
るものである。
【0035】この分析装置1を使用して呼気ガス分析検
査を行う場合には、図23ないし図25に示す呼気ガス
容器(以下、単に「容器」と言う。)13に被験者から
呼気ガスを採取・充填し、これを分析装置1の内部に導
入する。
【0036】まず、この分析装置1に導入される容器1
3の構成について説明する。容器13は、図23ないし
図25に示すように、容器本体131と、該容器本体1
31に設置され、充填された呼気ガスの流出を防止する
逆止弁140とを有している。以下、各部の構成につい
て説明する。
【0037】容器本体131は、可撓性を有するシート
材で構成された袋状をなしており、その内部に呼気ガス
が充填される。
【0038】この容器本体131は、本実施形態では、
呼気ガスが充填されていない状態では、長方形のシート
状をなしており、その一方の短辺部に、吹込口132が
設けられている。
【0039】容器13に呼気ガスを採取する際には、こ
の吹込口132から例えばストローのような管状の吹込
具(図示せず)を容器本体131の内部に差し込み、該
吹込具を介して呼気を吹き込む。
【0040】本実施形態では、容器本体131は、長方
形状のシート材を2枚重ね合わせ、その縁部(周囲)を
シール(接合)して形成されている。すなわち、吹込口
132の両脇に位置する肩部133、133と、側部
(長辺部)134、134と、吹込口132と反対側の
端部135とがそれぞれシールされている(四方シー
ル)。
【0041】このような構成に限らず、容器本体131
は、例えば、1枚のシートを半分に折って、その縁部を
「コ」字状にシール(三方シール)してなるものや、筒
状のシート材の両端をシールしてなるものなどであって
もよい。この場合は、側部134、134の一方のシー
ルを省略することができ、より容易に製造することがで
きる。
【0042】シート材をシールする方法としては、特に
限定されず、例えば、融着(熱融着、高周波融着、超音
波融着等)、接着剤による接着等の方法が挙げられる。
【0043】吹込口132の縁部からは、外側に突出す
る突出部136、137がそれぞれ設けられており、突
出部137の端部139は、突出部136の端部138
よりも外側に延長されている。このように、突出部13
6、137がその端部138、139の位置をずらして
設けられていることにより、突出部136、137のそ
れぞれを容易に指等でつまむことができる。この操作に
より、吹込口132を容易に開くことができ、前記吹込
具を容易に挿入することができる。本実施形態では、こ
の突出部136、137は、後述する逆止弁140を形
成するシート材を容器本体131の外側まで延長するこ
とにより形成されている。
【0044】容器本体131を形成するシート材の構成
材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リ塩化ビニル、ポリスチレン等のポリエステル、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリアミド、
ポリイミド、アイオノマー等、あるいは、これらを含む
ポリマーアロイ等の各種合成樹脂材料が挙げられる。
【0045】また、前記シート材は、単層構造でも、2
層または3層以上の多層積層構造でもよいが、多層積層
構造であるのが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)と、エチレン−酢酸ビニルランダム
共重合体鹸化物(エバール)と、ポリエチレンとをこの
順に積層したような構造であるのが好ましい。
【0046】また、このようなシート材は、充填された
呼気ガスが実質的に透過しないようなガスバリア性を有
するものであるのが好ましい。
【0047】このような容器本体131は、呼気ガスが
充填された状態(以下、「呼気ガス充填状態」と言う)
において、略円柱状の外形をなす。ただし、ここで言う
「外形」は、側部134、134等のシール部を含まな
い外形を言う。本実施形態では、容器本体131は、呼
気ガス充填状態において、その両端部付近を除き、横断
面形状が図25に示すように略円形をなす。
【0048】呼気ガス充填状態においては、容器本体1
31が略円柱状の外形をなすことにより、容器13は、
転動可能となる。よって、容器13は、後述する多数の
検体に対して自動的に測定・分析を行う本発明の呼気ガ
ス分析装置1において、好適に用いることができる。
【0049】なお、側部134、134のシール部は、
可撓性を有していることから、呼気ガス充填状態の容器
13が搬送される際、図25中の矢印方向に容易に折れ
曲がる(倒れ込む)。よって、側部134、134は、
ほとんど搬送に影響しない(妨げとならない)。
【0050】逆止弁140は、可撓性を有するシート材
からなる筒状部材で構成されており、容器本体131の
内部に設置されている。この逆止弁140の一端部は、
吹込口132の縁部にシールして接合されており、ここ
から容器本体131の中央付近まで筒状に延びるように
形成されている。
【0051】図示の構成では、この逆止弁140は、2
枚の細長いシート材を重ね合わせ、その側部134、1
34をそれぞれシールして筒状に形成されている。逆止
弁140は、このような構成に限らず、半分に折り重ね
た1枚のシート材の側部をシールして形成されていても
よく、筒状のシート材で構成されていてもよい。シート
材の構成材料や、シールの方法については、容器本体1
31の説明で述べた方法と同様である。
【0052】容器13に被検者の呼気ガスを採取する際
には、前記吹込具を吹込口132から逆止弁140の内
部に挿入して、呼気を吹き込む。すなわち、呼気ガス
は、逆止弁140の内側を通って、容器本体131の内
部に充填される。
【0053】十分な量の呼気ガスを吹き込んだ後、前記
吹込具を抜去すると、逆止弁140は、自動的に閉じ
て、充填された呼気ガスの流出を防止する機能を発揮す
る。このとき、逆止弁140は、図25中矢印で示すよ
うに、容器本体131の内部に充填された呼気ガスの圧
力によって、押しつぶされるように閉塞する。
【0054】このような逆止弁140が設けられている
ことにより、呼気を吹き込んだ後に、直ちに逆止弁14
0が閉じて流路が遮断されるため、充填した呼気ガスの
流出や、外気の混入が少ない。これにより、検査(測
定)精度の向上が図れる。また、吹込口132をテープ
やクリップなどで封止する操作が不要であり、便利であ
る。
【0055】特に、容器本体131を把持するなどし
て、膨張した容器本体131を押圧するような力が作用
した場合でも、内部の圧力が高まって逆止弁140がよ
り強い力で閉塞されるので、充填された呼気ガスの流出
をより確実に防止することができる。
【0056】図23に示すように、容器本体131の表
面には、例えば、被検者の病院名、検査試薬投与前後の
別、被検者の氏名、呼気の採取日等を記入する記入欄1
41が設けられている。
【0057】また、図24に示すように、容器本体13
1の裏面には、情報表示部142が設けられており、該
情報表示部142には、情報表示体143(ラベル)が
付される。この情報表示部142の4角には、鉤かっこ
144などの目印が付されており、この内側に情報表示
体143が例えば貼着等により付される。
【0058】情報表示体143は、情報担体としてのバ
ーコード145を有しており、該バーコード145の走
査方向(バーに垂直な方向)が容器本体131の長手方
向と同方向になるように付されている。これにより、容
器本体131が略円柱状の外形をなした状態でも、容器
本体131の外面の湾曲の影響を受けずにバーコード1
45を走査することができ、読み取りを確実に行うこと
ができる。
【0059】本実施形態のバーコード145には、充填
された呼気ガスに関する情報(以下、「検体情報」と言
う)がコード化して担持されている。この検体情報とし
ては、例えば被検者のID番号、氏名、年齢、性別、身
長、体重、病歴、病院名、検査試薬投与前後の別、採取
年月日等が挙げられる。なお、情報表示体143に使用
する情報担体は、バーコードに限らず、他の2次元コー
ドなどであっても良い。
【0060】情報表示体143に担持された検体情報
は、位置決め装置7に設置された後述するバーコードリ
ーダー78により読み取られ、検査(測定)結果の管理
に用いられる。これにより、それぞれの容器13に充填
された呼気ガスを特定することができ、検査(測定)結
果の管理を容易に行うことができる。
【0061】次に、本発明の分析装置1の各部の構成に
ついて説明する。分析装置1は、被験者から採取した呼
気ガスが充填された容器13を後述する搬送経路4によ
り複数搬送することができ、これらの容器13に充填さ
れた呼気ガスに対して、自動的に、好ましくは連続的に
(順次)、測定(分析)を行うことができるものであ
る。
【0062】図1および図2に示すように、分析装置1
は、容器13から呼気ガスを採取し、分析部8へと移送
する呼気ガス採取装置(以下、「採取装置」とする。)
1aと、容器13から採取された呼気ガスを分析する分
析部8とを有する。
【0063】採取装置1aは、全体形状としてほぼ直方
体状をなすケーシング21に覆われている。また、その
前面上部には、被験者から採取した呼気ガスが充填され
た容器13を導入する導入口22などが設けられてい
る。
【0064】図1に示すように、採取装置1aの内部に
は、搬送経路4への容器13の進入を規制する進入規制
ゲート3と、装置内部に進入した容器13を後述する採
取部61へと搬送する搬送経路4と、容器13内の呼気
ガスを採取する採取機構6と、搬送経路4から採取機構
6へと容器13を順次送出する送出機構5と、採取機構
6から分析部8へと呼気ガスを移送する第2の吸引ポン
プ84(図20参照)と、採取機構6による呼気ガス採
取後の呼気ガス容器13を蓄積する蓄積部9とが設けら
れている。また、分析部8は、採取装置1aのケーシン
グ21の内部に設けられている。本実施形態において
は、採取装置1aの内部に分析部8を設けているが、こ
の構成に限らず、採取装置1aによって採取された呼気
ガスを採取装置1aの外部に設けられた分析部8へと移
送する構成とすることも可能である。
【0065】また、分析装置1の内部には、分析装置1
の各部に電力を供給する電源部(図示せず)と、分析装
置1全体を制御するコンピューターなどの制御手段25
(図20参照)とが設けられている。
【0066】また、制御手段25には、電源のON・O
FFや、後述する各種センサーの検出結果、コンベヤー
の駆動状況、容器13のバーコード145から読み取ら
れた各種の情報、採取部61の駆動状態、分析部8から
の測定結果などを表示する表示手段26が設けられてい
る。表示手段26は、例えばLCDなどの液晶パネル
や、CRTなどのモニターや、発光ダイオードなどのラ
ンプ類などから構成される。なお、表示手段26は、分
析装置1の外部に設けられたパソコンなどであってもよ
い。
【0067】以下、各部の構成について説明する。進入
規制ゲート3は、導入口22を開閉し、容器13の分析
装置1内部への進入を規制するものである。
【0068】図5および図6に示すように、進入規制ゲ
ート3は、導入口22を遮蔽する遮蔽部材31と、遮蔽
部材31を駆動するモーターなどのゲート駆動源33
(図20参照)とを備えている。
【0069】遮蔽部材31は、図5および図6に示すよ
うに、ほぼ扇型をなす板状の部材であり、図2に示すよ
うに、分析装置1内部へと導入される容器13の長手方
向に3枚並設されている。また、これらの遮蔽部材31
は、1本の回転軸32に固定されており、ゲート駆動源
33の動力により、この回転軸32を中心に所定角度回
動するよう構成されている。
【0070】また、導入口22の下部に位置する底板2
3には、図2に示すように、これら3枚の遮蔽部材31
を導入口22の内部へと突出させるため、各遮蔽部材3
1の位置に合わせて3つの突出口24が設けられてい
る。
【0071】遮蔽部材31は、搬送経路4の始端部に位
置する導入口22を遮蔽し、導入口22から容器13が
搬送経路4へ進入することを禁止する遮蔽位置(図6参
照)と、導入口22を開放し、導入口22から容器13
が搬送経路4へ進入することを許容する開放位置(図5
参照)との間で移動し得るよう構成されている。
【0072】すなわち、遮蔽部材31は、図5に示す開
放位置においては、底板23の下方へ収納されている。
この状態では、導入口22は開放されており、容器13
は搬送経路4へと進入することができる。
【0073】一方、この遮蔽部材31が図5に示す開放
位置から図6に示す遮蔽位置に向かって図5中反時計方
向に回動すると、この遮蔽部材31の上部が底板23の
突出口24から底板23の上方、つまり導入口22の内
部へと突出する。この状態では、導入口22は、遮蔽部
材31によって遮蔽されており、容器13は搬送経路4
へと進入することができない。
【0074】また、遮蔽部材31を駆動するゲート駆動
源33は、制御手段25(図20参照)によって制御さ
れる。
【0075】すなわち、ゲート駆動源33(図5・図6
中図示せず)は、図20に示すように、制御手段25に
電気的に接続されている。制御手段25は、後述する搬
送経路4に設けられた検出手段(センサー49aないし
49d)からの情報に基づいて進入規制ゲート3を開放
位置あるいは遮蔽位置へと回動させる。
【0076】より詳しくは、後述する搬送経路4に設け
られた搬送手段(第1、第2のコンベヤー44、46)
の駆動時に、センサー49aないし49dによって搬送
経路4の少なくとも一部における容器13の搬送の異常
が検出された場合、あるいはセンサー49aないし49
dによって搬送経路4内部に所定数の容器13が検出さ
れた場合に、ゲート駆動源33を制御し、遮蔽部材31
を遮蔽位置に変位させ、容器13の分析装置1内部への
進入を規制する。
【0077】このように、進入規制ゲート3により搬送
経路4への容器13の導入が規制されるため、搬送経路
4の一部で容器13が詰まった場合や、搬送経路4に所
定数以上の容器13が蓄積された場合に、容器13が無
理に押し込まれることによる分析装置1の故障が防止さ
れる。
【0078】なお、センサー49aないし49dによる
搬送経路4内部の容器13の検出方法については後に詳
述する。
【0079】搬送経路4は、図1に示すように、導入口
22からほぼ水平に分析装置1の内部へと伸びる第1の
経路41と、第1の経路41の下方に位置し、第1の経
路41の終端側にその始端部が位置する第2の経路42
と、第1の経路41および第2の経路42の間に位置
し、容器13を第1の経路41から第2の経路42へと
案内する折返し経路43とを有している。また、この搬
送経路4は、図2に示すように、容器13をその長手方
向に垂直な方向に搬送するよう構成されている。
【0080】第1の経路41および第2の経路42に
は、それぞれ、容器13を複数集積し、採取部61へと
順次送出する搬送手段として、図1中右側から左側に向
かって容器13を搬送する第1のコンベヤー44と、図
1中左側から右側に向かって容器13を搬送する第2の
コンベヤー46とが設けられている。
【0081】また、これら各コンベヤーの上方には、第
1、第2の経路41、42に沿って設けられ、容器13
との当接により容器13の搬送を補助する押さえ部材4
7、47が設けられている。
【0082】折返し経路43には、図1に示すように、
第1の経路41の終端の上部から第2の経路42の始端
付近へと延出し、当該折返し経路43を画定するガイド
部材48と、容器13を案内する車輪(アイドルローラ
ー)482とが設けられている。車輪482は、ガイド
部材48に設けられた突出口481から折返し経路43
内へ突出している。
【0083】また、第1、第2の経路41、42には、
これらの経路における容器13の存在状態を検出する検
出手段として、センサー49aないし49dが設けられ
ている。
【0084】以下、第1のコンベヤー44について説明
する。なお、第2のコンベヤー46については、第1の
コンベヤー44とほぼ同一の構成であるため、説明を省
略する。
【0085】図3に示すように、第1のコンベヤー44
は、1対のローラー441、442と、これらのローラ
ー441、442に巻回される摩擦部材としてのベルト
443と、ローラー441、442を駆動するモーター
などのベルト駆動源444(図4・図20参照)と、ベ
ルト443の張力を調節する調節手段としての補助ロー
ラー445とを備えている。
【0086】ローラー441、442は、第1のコンベ
ヤー44の両端部(前端部および後端部)に1つずつ設
けられており、前側(図1中右側)に位置するローラー
441は、図4に示すモーターなどのベルト駆動源44
4に接続されている。ベルト駆動源444は、図20に
示すように、制御手段25と電気的に接続されており、
制御手段25の制御により作動する。また、ベルト駆動
源444による第1、第2のコンベヤー44、46の駆
動状況は、表示手段26に表示される。
【0087】また、第1のコンベヤー44の後方(図1
中左側)に位置するローラー442は、第1のコンベヤ
ー44の2つのローラー441、442にベルト443
を取り付ける際などに、これらのローラー441、44
2の間隔を調節したり、当該ローラー442に巻回され
たベルト443の張力などを調節したりするため、水平
方向に変位可能に構成されている。
【0088】すなわち、ローラー442は、水平方向に
変位可能な第1の固定部材446に固定されている。第
1の固定部材446は、水平方向に延びる長孔状に形成
された4つの取付孔447を有しており、これらの取付
孔(長孔)447と、ケーシング21に螺合される固定
ネジ448とを用いてケーシング21へと固定されてい
る。そして、ケーシング21に対する第1の固定部材4
46の取付け位置、すなわち取付孔447に対する固定
ネジ448の取付け位置を調節することにより、ローラ
ー442の水平方向の位置を調節できるようになってい
る。なお、これらのローラー441、442に対するベ
ルト443の取付け方法については後に説明する。
【0089】ベルト443は、可撓性を有する材料で無
端状に形成されたエンドレスベルトである。また、容器
13との接触面となるベルト443の表面は、容器13
とベルト443との間の摩擦を高めるため、ゴム質材で
構成されている。また、ベルト443の表面には、図示
しない凹凸が設けられている。
【0090】また、ベルト443は、図4に示すよう
に、第1の経路41の左右に2本設けられており、ロー
ラー441、442の左右両端部に取り付けられてい
る。
【0091】補助ローラー445は、図3および図4に
示すように、ローラー441、442の間に設けられて
いる。
【0092】この補助ローラー445は、図3に示すよ
うに、ベルト443の容器13の搬送に寄与しない側の
部分となる第1のコンベヤー44の下側に設けられてい
る。また、補助ローラー445は、ローラー441、4
42の下側に位置するベルト443の下側の面を上方へ
と押圧するよう構成されており、ローラー441、44
2にベルト443を取り付けた後にベルト443の張力
を微調節する調節手段として機能する。
【0093】すなわち、補助ローラー445は、鉛直方
向(上下方向)に変位可能な第2の固定部材449に固定
されている。第2の固定部材449は、鉛直方向に延び
る長孔状に形成された2つの取付孔(長孔)450を有
している。補助ローラー445は、これらの取付孔45
0とケーシング21に螺合される固定ネジ451とを用
いてケーシング21へと固定されている。
【0094】そして、補助ローラー445は、ケーシン
グ21に対する第2の固定部材449の取付け位置、す
なわち取付孔450の取付け位置を調節することによ
り、その高さを調節でき、それにより、ベルト443の
張力を変更できるようになっている。
【0095】以下、第1のコンベヤー44のローラー4
41、442に対するベルト443の取付け方法につい
て説明する。
【0096】まず、ローラー441、442にベルト4
43を通す。次に、ローラー442を後方(図3中左方
向)に移動させ、ローラー441、442の間隔と、ベ
ルト443の大まかな張力とを調節した後、ローラー4
42を固定する。
【0097】次に、補助ローラー445を鉛直方向(図
3中上下方向)に移動させ、ベルト443の張力を微調
節した後、補助ローラー445を固定する。
【0098】このような手順により、ベルト443は、
ローラー441、442に対し、確実に固定される。
【0099】なお、本実施形態においては、容器13を
ベルト443およびローラー441、442から構成さ
れた第1、第2のコンベヤー44、46によって搬送し
ているが、この構成に限らず、容器13を搬送経路の搬
送方向に複数並設されたローラーのみによって搬送する
構成としても良い。その場合には、容器13とローラー
との間の摩擦を高めるため、容器13との接触面となる
ローラーの表面にゴム質材で構成された摩擦部材を設け
ることが好ましい。
【0100】また、摩擦部材を構成する材料としては、
特に限定されないが、例えば、天然ゴム、合成ゴム、熱
可塑性エラストマーなどの各種ゴム質材が挙げられる。
【0101】押さえ部材47は、容器13との摩擦が少
ない樹脂または金属などの材料で形成された板状の長尺
物であり、図7(a)および(b)に示すように、その
長手方向両端部に一対のガイド部471、471を有し
ている。ガイド部471、471は、当該押さえ部材4
7の両端部を反曲させることによって形成されている。
これらのガイド部471、471は、押さえ部材47と
ベルト443との間に容器13を案内する機能を有して
いる。
【0102】また、押さえ部材47は、図1に示すよう
に、第1、第2のコンベヤー44、46の各々の上方に
設けられており、その長手方向が容器13の搬送方向
(ベルト443の長手方向)とほぼ平行に設けられてい
る。また、押さえ部材47の下側の面は、第1、第2の
コンベヤー44、46のベルト443の上側の面とほぼ
平行に設置されている。
【0103】また、押さえ部材47をケーシング21に
支持する支持部472には、例えば、コイル状のスプリ
ング(図示せず)が設けられている。このスプリング
は、押さえ部材47を第1、第2のコンベヤー44、4
6側(図1中下側)に付勢する付勢手段として機能す
る。
【0104】また、押さえ部材47とベルト443との
間の距離は、図25に示すように呼気ガスが充填された
状態の容器13の直径以下の大きさに設定されている。
【0105】上述した構成により、容器13は、第1、
第2の経路41、42に位置した場合に、押さえ部材4
7と第1、第2のコンベヤー44、46とによって挟持
されるとともに、押さえ部材47の押圧により第1、第
2のコンベヤー44、46のベルト443に所定の圧力
で当接する。このため、容器13を第1、第2のコンベ
ヤー44、46によって確実に搬送することができる。
【0106】センサー49aないし49dは、第1、第
2の経路41、42に位置する容器13の位置情報を検
出する検出手段として機能するものである。センサー4
9aないし49dは、光センサーであり、第1、第2の
経路41、42を挟んで対向配置される発光部491と
受光部492とを有している。これらのセンサー49a
ないし49dは、発光部491から受光部492へと投
射した光の光路上の遮光物となる容器13の存在を検出
する。
【0107】より詳しくは、センサー49aないし49
dのいずれかの発光部491からの光が、容器13など
の遮光物によって遮断され、受光部492へと到達しな
くなると、制御手段25(図20参照)は、そのような
状態となっているセンサーの位置において容器13が検
出されているものと判断する。
【0108】なお、本実施形態で使用されているセンサ
ーは一例であり、第1、第2の経路41、42におい
て、容器13が検出可能なものであれば、どのようなセ
ンサーを用いても良い。光センサーとしては、例えば反
射型のセンサーを用いても良い。また、光センサーの
他、タッチセンサー、磁気センサー、静電容量センサー
などの他の種類のセンサーを用いてもよい。
【0109】これらのセンサー49aないし49dの検
出結果に基づいて、制御手段25は、進入規制ゲート3
や送出機構5、採取部61などの制御を行う。また、こ
れらのセンサー49aないし49dによる検出結果は、
表示手段26に表示され、分析装置1の外部から内部の
状況が確認できるようになっている。
【0110】本実施形態においては、センサー49aな
いし49dは、図1に示すように、それぞれ、第1の経
路41の始端部、第1の経路41の中間部、第2の経路
42の中間部、第2の経路42の終端部に設けられてい
る。
【0111】センサー49aは、主に進入規制ゲート3
からの容器13の導入の検知に用いられ、センサー49
bおよび49cは、第1、第2の経路41、42におけ
る容器13の詰まりなどの検知に用いられ、センサー4
9dは、後述する送出機構5へ供給される容器13の検
知に用いられる。
【0112】以下、センサー49bおよび49cと制御
手段25とによる分析装置1内部の容器13の検出方法
の一例を説明する。ただし、以下の検出方法は一例であ
り、他の検出方法によって容器13の詰まりや速度を検
出することも可能である。
【0113】本実施形態においては、センサー49bお
よび49cは、第1、第2のコンベヤー44、46の駆
動時に検知を行うよう構成されている。
【0114】まず、容器13が第1、第2のコンベヤー
44、46によって通常の速度で搬送されている場合に
は、容器13はセンサー49bおよび49cの光路上を
通常の速度で通過する。この場合、センサー49bおよ
び49cの光路は、容器13によって一時的に遮断され
るが、第1、第2のコンベヤー44、46の搬送によっ
て容器13が光路上から離脱するため、光路は容器13
の通過後に復帰する。なお、この場合にセンサー49b
および49cの光路が容器13によって遮断されてから
復帰するまでの時間は、容器13の直径と第1、第2の
コンベヤー44、46による搬送速度が一定であるた
め、ほぼ一定の長さとなる。
【0115】このように、センサー49b、49cの光
路が、一時的に遮蔽され、所定時間経過後に復帰する場
合は、制御手段25は、容器13が第1、第2のコンベ
ヤー44、46によって通常の速度で搬送されているも
のと判断する。
【0116】次に、容器13が第1の経路41または第
2の経路42において詰まった場合には、容器13は、
センサー49bまたは49cの位置で停滞する。例え
ば、図8(a)に示すように、センサー49bの位置付
近で詰まりが発生した場合、センサー49bの光路が、
光路上に停滞している容器13によって遮断されたまま
となり、前記所定時間が経過した後も復帰しない。
【0117】このように、センサー49bまたは49c
の光路が遮蔽され、所定時間経過後も復帰しない場合に
は、制御手段25は、センサー49bまたは49cの位
置付近において詰まりが発生し、それによって容器13
が停滞しているものと判断する。
【0118】次に、容器13が第1、第2の経路41、
42に所定数以上導入された場合には、容器13は、図
8(b)に示すように、センサー49bおよび49cの両
方の位置において停滞する。この場合、センサー49b
および49cの光路は、いずれも光路上で停滞する容器
13によって遮断されたままとなり、詰まりが発生した
場合と同様に所定時間が経過した後も復帰しない。
【0119】このように、センサー49bおよび49c
の光路がいずれも遮断され、所定時間経過後も復帰しな
い場合には、制御手段25は、搬送経路4に所定数以上
の容器13が導入されたものと判断する。
【0120】そして、制御手段25は、第1、第2の経
路41、42において容器13の詰まりが発生した場合
や、所定数以上の容器13が導入された場合に、第1、
第2のコンベヤー44、46を停止させるとともに、進
入規制ゲート3を閉鎖し、容器13の搬送経路4への進
入を防止する。
【0121】送出機構5は、第2の経路42の終端側に
設けられており、第2の経路42から後述する採取機構
6へと容器13を順次送出する。
【0122】この送出機構5は、図9および図10に示
すように、容器13の送出を禁止する姿勢と許容する姿
勢とに変位可能なゲート部52と送出する容器13以外
の容器13の送出を規制するストッパ部53とを備えた
送出部材51と、送出部材51を駆動させる送出部材駆
動源55(図9・図10中図示せず)とを有している。
送出部材駆動源55は、例えばモーターなどで構成され
ており、制御手段25に対し、電気的に接続されている
(図20参照)。この送出部材駆動源55は、制御手段
25の制御に基づいて作動する。
【0123】送出部材51は、図1に示すように、第2
のコンベヤー46の終端部の上方に設けられている。
【0124】また、送出部材51の図1中右端部にゲー
ト部52が設けられており、左端部にストッパ部53が
設けられている。そして、ゲート部52とストッパ部5
3とが連動し、回転軸54を中心に回動可能に設けられ
ている。
【0125】この送出機構5は、以下のように作動して
第2のコンベヤー46から採取機構6へと容器13を送
出する。
【0126】図9に示す状態では、第2のコンベヤー4
6の終端部に位置する容器13aは、ゲート部52によ
って、採取機構6への送出が阻止されている。この状態
から送出部材51が送出部材駆動源55の駆動力によっ
て図9中反時計方向に回転すると、送出部材51は、図
10に示す状態となる。
【0127】図10に示す状態では、第2のコンベヤー
46の終端部に位置する容器13aは、ゲート部52に
よる送出の禁止が解除され、採取機構6へと送出され
る。一方、図10に示すように、送出される容器13a
以外の容器13bは、ストッパ部53によって移動が規
制されており、第2のコンベヤー46上の送出部材51
の手前側に留まっている。
【0128】そして、図10に示す状態から、送出部材
51が送出部材駆動源55の駆動力によって図10中時
計方向に回転すると、それまで送出部材51の手前側に
位置していた容器13bは、ストッパ部53による移動
の規制が解除され、第2のコンベヤー46の搬送によっ
て第2のコンベヤー46の終端側に移動し、再び図9に
示す状態となる。
【0129】この送出機構5は、以上の一連の動作を繰
り返すことにより、採取機構6へと容器13を順次(1
個ずつ)送出する。
【0130】本実施形態においては、この送出機構5に
より第2のコンベヤー46上に載置された複数の容器1
3が採取機構6へと順次送出される。また、この送出機
構5により、複数の容器13が一度に採取機構6へと送
出されることが防止される。
【0131】また、この送出機構5は、ゲート部52と
ストッパ部53とが連動するよう構成されているため、
1つの駆動源で簡易かつ確実に両者を駆動できる。
【0132】採取機構6は、容器13内部の呼気ガスを
採取する採取部61と、容器13を位置決めする位置決
め装置7と、容器13に付された情報表示体(バーコー
ド145)から情報を読み取る情報読取手段(バーコー
ドリーダー78)とを備えている。また、この採取機構
6の駆動状態は、表示手段26に表示され、分析装置1
の外部から確認できるようになっている。
【0133】採取部61は、図11ないし図14に示す
ように、基部62と、基部62に固定された第1のアー
ム63および第2のアーム66と、第1、第2のアーム
63、66を駆動する第1、第2のカム671、672
を備えたカム機構とを有している。なお、第1、第2の
アーム63、66は、図12ないし図14に示す付勢部
材、例えばコイルバネ639、662の付勢力によって
図12ないし図14中反時計方向(左方向)へと常時付
勢されている。
【0134】第1のアーム63は、図11ないし図14
に示すように、回転軸661に回動可能に設けられてお
り、第1のカム671によって図12ないし図14中時
計方向(右方向)へと回動するよう構成されている。
【0135】第1のアーム63には、図11ないし図1
4に示すように、採取管631と、採取管631の両側
に位置する一対の吸盤635、635と、吸盤635の
両側に位置する一対の接触センサー65、65とが設け
られている。
【0136】第1のアーム63は、第1のカム671の
回転運動を採取管631および吸盤635、635の往
復運動へと変換し、採取管631および吸盤635、6
35を容器13に接近・離間させる機能を有している。
【0137】採取管631は、容器13に充填された呼
気ガスの採取に用いられるものであり、例えばステンレ
スなどの金属管で形成されている。この採取管631の
先端部は、容器13に刺通される鋭利な針先部632と
なっている。この針先部632は、本実施形態において
は、採取管631を斜めに切断することにより形成され
ている。なお、針先部632の形状は、容器13に刺通
できる形状であれば特に限定されない。
【0138】また、採取管631の長手方向中央部に
は、リング状の押圧部634が固定されている。この押
圧部634は、第2のアーム66が図12ないし図14
中時計方向(右方向)へと回動する際に、この第2のア
ーム66によって押圧される。それにより当該採取管6
31が容器13の側面に接近する方向(図11中上方
向、図13中右方向)に移動される。
【0139】また、図12ないし図14に示すように、
採取管631の基端部には可撓性を有する材質から形成
されたチューブ633が接続されている。採取管631
によって採取された呼気ガスは、このチューブ633を
介して分析装置1へと送出される。
【0140】吸盤635、635は、採取管631によ
り呼気ガスを採取する際に容器13を保持するために用
いられるものである。これらの吸盤635、635は、
可撓性を有するゴム質材などで構成されており、容器1
3に当接するカップ状の吸着部636と、吸着部636
に連通する伸縮部637とを有している。
【0141】伸縮部637は、蛇腹状をなしており、図
12ないし図14中左右方向(図11中上下方向)に伸
縮自在に構成されている。また、吸盤635、635の
基端側には、それぞれ、吸着部636および伸縮部63
7の内部と連通するチューブ638が接続されている。
このチューブ638は、図示しない第1の吸引ポンプ6
4(図20参照)などの吸引手段と接続されている。そ
して、吸盤635、635の内部は、第1の吸引ポンプ
64の吸引により負圧とされ、それにより容器13が吸
盤635、635へと吸着され、保持されるようになっ
ている。
【0142】また、図11ないし図14に示すように、
採取管631および吸盤635、635は、ほぼ平行に
並べて配置されており、容器13に対するこれらの吸盤
635、635の吸着位置と、採取管631の挿入位置
とがほぼ直線上に並ぶように構成されている。そして、
採取管631が、吸盤635、635の間から容器13
内へと挿入されるようになっている。
【0143】このように、吸盤635、635の吸着位
置と、採取管631の挿入位置とをほぼ直線上に並ぶよ
うにこれらを配置することで、採取管631と、当該採
取管631が刺通される容器13の表面とがほぼ垂直と
なる。そのため、採取管631の針先部632は、第2
のアーム66の押圧によって軸方向に移動した際に、容
器13の表面に対してほぼ垂直方向に移動するととも
に、容器13の表面にほぼ垂直に刺通される。そのた
め、容器13に対して針先部632が好適な角度でより
確実に刺通される。
【0144】接触センサー65は、吸盤635、635
の左右に設けられている。この接触センサー65は、図
20に示すように、制御手段25に電気的に接続されて
おり、吸盤635、635に対する容器13の吸着の検
出に用いられる。
【0145】第2のアーム66は、第1のアーム63と
同様に回転軸661に回動可能に設けられており、後述
する第2のカム672によって図12ないし図14中時
計方向(右方向)に回動するよう構成されている。
【0146】第2のアーム66は、第2のカム672の
回転運動を採取管631の往復運動に変換する機能を有
している。すなわち、採取管631に設けられた押圧部
634を図12ないし図14中右方向へと押圧し、採取
管631を軸方向(容器13へと接近する方向)に移動
させる機能を有している。
【0147】第1、第2のカム671、672は、図1
1ないし図14に示すように、第1、第2の回転軸67
3、674に対して回転可能に設けられ、各々がほぼ円
形をなす偏心カムである。これらのカムは、当該採取機
構6の第1、第2のアーム63、66を駆動するカム機
構を構成している。
【0148】第1のカム671は、図11中左側に設け
られており、制御手段25に電気的に接続された第1の
モーター676に取り付けられている。この第1のカム
671は、第1のモーター676の回転によって、第1
のアームを図12中時計方向(右方向)に回動する。
【0149】第2のカム672は、図11中右側に設け
られおり、第1のカム671と同様に、制御手段25に
電気的に接続された第2のモーター677に取り付けら
れている。この第2のカム672は、第2のモーター6
77の回転によって第2のアーム66を図12中時計方
向(右方向)に回動する。
【0150】以下、採取部61の動作について説明す
る。まず、後述する位置決め装置7による容器13の位
置決めが完了すると、制御手段25は、第1、第2のア
ーム63、66をそれぞれ図12中時計方向に回動さ
せ、採取管631および吸盤635、635を容器13
に接近させるとともに、採取管631を容器13に刺通
する。
【0151】すなわち、図12に示す状態では、第1、
第2のアーム63、66は、容器13から離間した位置
にある。このとき、第1、第2のアーム63、66は、
コイルバネ639、662による図12中左方向に向か
う付勢力によって、第1、第2のカム671、672に
それぞれ当接している。
【0152】この状態から第1のカム671が図12中
時計方向(図12中矢印a方向)に回転すると、第1の
アーム63が第1のカム671の押圧により回転軸66
1を中心に図12中時計方向(図12中矢印b方向)に
回動する。そして、それにより採取管631および吸盤
635、635が容器13へと接近する。そして、図1
3に示す状態となる。
【0153】なお、第1の回転軸673には、回転セン
サー675(図20参照)が設けられている。第1のカ
ム671は、図13に示す状態となった時点で、この回
転センサー675からの信号に基づく制御手段25の制
御によって回転を停止する。
【0154】図13に示す状態では、第1のアーム63
の吸盤635が容器13の側面に当接している。また、
接触センサー65は、容器13の側面によって押圧され
ており、それにより容器13の吸盤635への当接が検
出されている。
【0155】接触センサー65によって吸盤635が容
器13に当接していることが検出されると、制御手段2
5の制御により、第1の吸引ポンプ64(図20参照)
は、吸盤635内部の吸引を開始する。この第1の吸引
ポンプ64の吸引により、吸盤635内部は負圧とな
り、容器13は吸盤635に吸着される。
【0156】この状態から、第2のカム672が図13
中時計方向(図13中矢印a方向)に回転すると、第2
のアーム66は、第2の回転軸674を中心に図13中
時計方向(図13中矢印b方向)に回動し、採取管63
1を図13中右方向(図13中矢印c方向)へと移動さ
せる。
【0157】この移動により、採取管631は、容器1
3に刺通され、図14に示す状態となる。
【0158】なお、第1の回転軸673と同様に、第2
の回転軸674にも図示しない回転センサーが設けられ
ている。第2のカム672は、図14に示す状態となっ
た時点で、この回転センサーからの信号に基づく制御手
段25の制御によって回転を停止する。
【0159】そして、採取管631に接続された第2の
吸引ポンプ84(図20参照)は、容器13内部の呼気
ガスの吸引を開始する。
【0160】第2の吸引ポンプ84による呼気ガスの吸
引が終了すると、制御手段25は、第1、第2の吸引ポ
ンプ64、84を停止させ、吸盤635、635による
容器13の吸着を解除し、呼気ガスの吸引を停止させ
る。そして、先程の手順と逆の手順により第1、第2の
アーム63、66をそれぞれ図14中反時計方向に回動
させ、採取管631を抜去するとともに、採取管631
および吸盤635、635を容器13から離間させる。
なお、このとき、容器13は自重により図18に示すよ
うに、蓄積部9へと落下する。
【0161】すなわち、呼気ガスの吸引が終了すると、
図14に示す状態から第2のカム672が図14中反時
計方向(図14中矢印a方向)に回転し、第2のアーム
66がコイルバネ662からの付勢力により回転軸66
1を中心に図14中反時計方向(図14中矢印b方向)
に回動する。そして、それにより、容器13に刺通され
ていた採取管631が抜去される。
【0162】第2のカム672の回転の停止により、第
2のアーム66の回動が停止すると、第1のカム671
が図14中反時計方向に回転し、第1のアーム63が、
第2のアーム66と同様にコイルバネ639からの付勢
力により回転軸661を中心に図14中反時計方向に回
動する。そして、それにより採取管631および吸盤6
35、635が容器13から離間する。そして、再び図
12に示す状態となる。
【0163】この採取機構6は、以上の一連の動作を繰
り返すことにより、容器13から呼気ガスを採取する。
【0164】位置決め装置7は、送出機構5から送出さ
れた容器13を採取部61によって採取可能な位置に位
置決めする。
【0165】位置決め装置7は、図15ないし図17に
示すように、レバー71と、レバー71を駆動させるレ
バー駆動源75(図20参照)と、レバー71の長手方
向両端部に回動可能に固定された第1のローラー73お
よび第2のローラー74と、第1、第2のローラー7
3、74を駆動させるローラー駆動源76(図20参
照)と、第1、第2のローラー73、74と対向する位
置に設けられ、容器13の周面に当接する支持板77
と、容器13に付されたバーコード145の情報を読み
取るバーコードリーダー78とを有している。レバー駆
動源75およびローラー駆動源76は、制御手段25の
制御に基づいて回動するよう構成されており、これらの
動作の状況は、表示手段26に表示され、外部から確認
できるようになっている。
【0166】レバー71は、回転軸72を中心に回動可
能に取り付けられており、レバー駆動源の動力によって
図15に示す第1の位置と、図16および図17に示す
第2の位置との間で回動し得るよう構成されている。
【0167】また、レバー71には、第1、第2のロー
ラー73、74が取り付けられている。第1、第2のロ
ーラー73、74は、各々が容器13の回転中心とほぼ
平行な回転軸を中心として回転するよう構成されてお
り、容器13に当接して容器13に回転力を付与するよ
う構成されている。また、第1、第2のローラー73、
74の間には間隙が設けられており、この間隙からバー
コードリーダー78による走査が行われるようになって
いる。
【0168】バーコードリーダー78は、レバー71を
挟んで採取部61と対向する位置に設けられている。バ
ーコードリーダー78は、例えば視認可能なレーザー光
を照射してバーコード145上を走査し、その反射光を
光電変換素子等により読み取ることにより、バーコード
145と非接触でバーコード145に担持された情報を
読み取ることができるものである。
【0169】本実施形態においては、バーコードリーダ
ー78は、図16および図17に示すように、レーザー
光を第1のローラー73と第2のローラー74との間の
間隙から容器13に向かって照射するよう構成されてい
る。また、このバーコードリーダー78は、容器13の
長手方向(図16および図17の紙面に垂直な方向)に
走査を行うよう設置されている。
【0170】また、このバーコードリーダー78は、図
20に示すように、制御手段25に電気的に接続されて
おり、読み取った情報を制御手段25へと送信する。ま
た、このバーコードリーダー78によって読み取られた
情報のうちの全部または一部は、表示手段26に表示さ
れる。
【0171】なお、バーコードリーダー78によって読
み取られた情報を出力する手段としては、前述した表示
手段26に表示する構成の他、制御手段25に接続され
た図示しないメモリーに記憶する構成や、図示しないプ
リンタなどに出力する構成を用いることもできる。
【0172】以下、位置決め装置7の動作について説明
する。図15に示す状態では、レバー71は、第1の位
置に位置している。このとき、第1のローラー73は、
第2のコンベヤー46から離間した位置に退避してお
り、送出機構5から送出された容器13の移動を阻害し
ないようになっている。
【0173】容器13が送出機構5による送出によって
第2のコンベヤー46の終端から自重により落下し、第
2のローラー74と支持板77との間に移動すると、レ
バー71がレバー駆動源の動力によって回転軸72を中
心に図15中反時計方向(図15中矢印方向)に回転
し、第2の位置へと移動する。そして、図16に示す状
態となる。このとき、第1、第2のローラー73、74
および支持板77は容器13の側面に当接している。
【0174】この状態から、ローラー駆動源の動力によ
って、第1、第2のローラー73、74が図中時計方向
(図16中矢印a方向)に回転すると、これらのローラ
ー73、74の回転によって容器13が図16中反時計
方向(図16中矢印b方向)に回転する。また、第1、
第2のローラー73、74の回転と同時にバーコードリ
ーダー78が容器13に付されたバーコード145の走
査を開始する。
【0175】容器13が第1、第2のローラー73、7
4によって回転し、バーコード145がバーコードリー
ダー78によって読取り可能な位置に到達すると、バー
コードリーダー78により容器13のバーコード145
の情報が読み取られ、バーコードリーダー78からの情
報が制御手段25へと送信される。また、バーコードリ
ーダー78からの情報は、必要に応じて表示部26に出
力される。
【0176】バーコードリーダー78からの情報を受信
した制御手段25は、第1、第2のローラー73、74
の回転を停止させ、容器13を位置決めするとともに、
採取部61を図16中時計方向(図16中矢印d方向)
に回動させる。そして、図17に示す状態となる。
【0177】この状態では、図17に示すように、容器
13の裏面(バーコード145が付されている面)はバ
ーコードリーダー78側に位置しており、容器13の表
面は、採取部61側に位置している。そして、採取部6
1の吸盤635は容器13の表面に当接している。
【0178】このように、本実施形態においては、容器
13に付されたバーコード145がバーコードリーダー
78によって読み取られた時点で第1、第2のローラー
73、74の回転を停止させ、それにより容器13を位
置決めし、採取部61に対する容器13の姿勢を決定す
るようになっている。そのため、当該位置決め装置7に
よって容器13が位置決めされた際に、バーコード14
5が付された容器13の裏面が、バーコードリーダー7
8側に位置し、バーコード145の反対側に位置する容
器13の表面が、採取部61の側に位置するようになっ
ている。
【0179】そのため、容器13に付されたバーコード
145をバーコードリーダー78で読み取り可能な位置
と、採取部61によって容器13内部の呼気ガスを採取
可能な位置とがほぼ同じ位置となることから、バーコー
ド145の読み取りと呼気ガスの採取とを迅速に行うこ
とができる。
【0180】また、本実施形態においては、容器13の
姿勢を決定した際に、図17に示すように、容器13に
付されたバーコード145が採取部61のほぼ反対側に
位置するため、容器13に採取管631を刺通する際
に、バーコード145が採取管631の刺通の障害とな
るおそれがない。
【0181】また、本実施形態の構成により採取管63
1がバーコード145に刺通されることがないため、バ
ーコード145の貼着に使用される粘着剤が採取管63
1へと付着するおそれがない。
【0182】また、使用済みの容器13のバーコード1
45を再度読み取る必要が生じた場合にも、採取管63
1の刺通によるバーコード145の破損のおそれがな
く、使用済みの容器13のバーコード145がそのまま
の状態で残っているため、バーコード145を正常に判
読することができる。
【0183】分析部8は、測定セル81と、測定セル8
1の近傍に設けられたLD(レーザーダイオード)82
およびPD(フォトダイオード)83とを有している。
LD82およびPD83は、それぞれ、制御手段25に
対して電気的に接続されている(図20参照)。
【0184】測定セル81は、第2のコンベヤー46の
下部に前後方向に沿って配置されており、細長い長方形
状の内部空間を有している。
【0185】分析装置1の図1中左側の下部には、後方
寄りに、測定セル81の内部空間を減圧(真空)状態に
する第2の吸引ポンプ84が設置されており、測定セル
81に対し、チューブ633を介して接続されている。
第2の吸引ポンプ84は、制御手段25に対し電気的に
接続されている(図20参照)。
【0186】容器13から採取部61によって採取され
た呼気ガスが測定セル81に導入される際には、第2の
吸引ポンプ84によって測定セル81の内部が減圧(真
空)状態とされる。そして、この減圧状態により容器1
3内の呼気ガスが採取部61などを介して吸引され、測
定セル81の内部に移送される。
【0187】LD82は、測定セル81内に導入された
呼気ガスに対してレーザー光85を照射する。このレー
ザー光85は、測定セル81の内壁で反射した後、PD
83で受光され、光電変換される。これにより、PD8
3は、受光光量に応じた電圧(信号)を出力する。
【0188】制御手段25は、LD82を制御してレー
ザー光85の波長を掃引し、PD83からの信号により
呼気ガスの光吸収スペクトルを測定する。13CO
12COとは、吸収波長が僅かに異なるため、スペク
トル強度比から13CO 12COとの存在比が求
められる。
【0189】そして、分析部8によって得られた容器1
3内の呼気ガスの情報は、バーコードリーダー78から
得られた被験者の情報とともに制御手段25に接続され
た図示しないメモリーに記憶されるか、あるいは図示し
ないモニターやプリンタなどの表示部に出力される。
【0190】なお、バーコードリーダー78から得られ
た被験者の情報と分析部8によって得られた呼気ガスの
検査結果とは各容器13毎にまとめられ、ピロリ菌の検
出に用いられる。
【0191】すなわち、ピロリ菌の検出の際には、被験
者から得られた投薬前・後の2種類の呼気ガスが用いら
れ、それらを比較することによって被験者がピロリ菌に
感染しているか否が判定される。
【0192】当該分析装置1においては、まず分析装置
1は、搬送された容器13に充填された呼気ガスを順次
測定していき、被験者の情報と測定結果とを1組にして
蓄積していく。より詳しくは、制御手段25は、当該制
御手段25に接続されたメモリーにバーコードリーダー
78によって読み取られた被験者の氏名や、呼気ガスの
種類、すなわち被験者への投薬前・後の情報などを記憶
するとともに、分析部8によって容器13内部の呼気ガ
スの測定を行い、その検査結果と被験者の情報とを1組
にして蓄積する。
【0193】次に、分析装置1は、制御手段25による
測定によって得られた複数組の情報の中から同一被験者
から得られた2つの情報を選び出して組み合わせ、それ
らの情報を比較することにより被験者がピロリ菌に感染
しているか否かを判定する。
【0194】このような構成とすることで、分析装置1
は、複数の被験者から得られた呼気ガスの検体を任意の
順序で分析装置1内部へ投入しても、同一の被験者の呼
気ガスを特定し、測定を行うことができる。
【0195】蓄積部9は、図18および図19に示すよ
うに、位置決め装置7および採取部61の下方に位置し
ており、採取部61による呼気ガス採取後の容器13を
蓄積する蓄積ボックス91と、蓄積ボックス91に蓄積
された容器13の内部に残留する気体を圧搾するほぼ板
状の押圧部材92と、押圧部材92を駆動する駆動機構
93と、駆動機構93を作動するモーターなどの押圧部
材駆動源95とを有している。なお、蓄積ボックス91
の内部には、その内部に蓄積された容器13の量を検出
するため、センサー96が設けられている。センサー9
6は、制御手段25および表示手段26に接続されてお
り、センサー96からの検出結果は表示手段26へと出
力される。また、蓄積ボックス91の内部に蓄積された
呼気ガス採取後の容器13は、蓄積ボックス91の側面
に設けられた図示しない扉から分析装置1の外部に取り
出される。
【0196】駆動機構93は、図18に示すように、外
周面に雄ネジ状のネジ部(スクリュー)が形成されたロ
ッド931と、ロッド931のネジ部に螺合する雌ネジ
状のネジ部が形成され、ロッド931の回転によって該
ロッド931上を軸方向に往復移動するよう構成された
スライダ932と、スライダ932に押圧部材92を固
定するアーム933とを備えている。
【0197】ロッド931は、押圧部材駆動源(モータ
ー)95に取り付けられており、該押圧部材駆動源95
の駆動力によって図18中上下方向に延びる軸を中心に
回転するよう構成されている。
【0198】また、スライダ932は、アーム933を
介して押圧部材92を支持するとともに、ロッド931
の回転に伴う当該スライダ932の鉛直方向(図18お
よび図19中上下方向)の往復動により、押圧部材92
を上下に変位させる機能を有している。
【0199】押圧部材92は、蓄積ボックス91の底面
とほぼ平行となり得るよう構成された平面を有する板状
の部材であり、アーム933を介してスライダ932に
支持されている。
【0200】以下、押圧部材92の動作について説明す
る。採取部61により呼気ガスの採取が終わると、容器
13は、位置決め装置7の第2のローラー74および採
取部61の間から自由落下により蓄積ボックス91へと
送出され、蓄積される。容器13は、図18に示すよう
に、積み重ねられた状態で順次蓄積される。
【0201】蓄積ボックス91に所定量の容器13が蓄
積されたことをセンサー96が検知すると、その旨が表
示手段26に表示される。また、これと同時に、制御手
段25の制御により、押圧部材駆動源95は、ロッド9
31を所定方向に回転させ、スライダ932を下方へと
移動させる。このとき、押圧部材92およびアーム94
は、スライダ932とともに図18中下方へと移動す
る。
【0202】また、制御手段25は、センサー96によ
り容器13が検出された際に、採取部61をはじめ、進
入規制ゲート3、第1、第2のコンベヤー44、46、
送出機構5などの装置の作動を停止(禁止)する。また、
センサー96による容器13の検出が終了した際に、こ
れらの装置の作動を再開させる。
【0203】そして、それにより、蓄積部9における容
器13の詰まりが防止され、また、押圧部材92が蓄積
ボックス91の下側に位置している時に、容器13が蓄
積ボックス91の内部に送出され、押圧部材92の上部
に容器13が落下するなどの不具合が防止される。
【0204】図19に示すように、押圧部材92が蓄積
ボックス91の底面付近に到達すると、蓄積ボックス9
1の底面と押圧部材92との間に位置する容器13は圧
搾され、容器13内部に残留する呼気ガスその他の気体
が抜気される。
【0205】容器13内部の抜気が完了すると、制御手
段25の制御により、押圧部材駆動源95は、ロッド9
31を前記所定方向と反対の方向に回転させ、スライダ
932を図19中上方へと移動させる。このとき、押圧
部材92およびアーム94は、スライダ932とともに
図19中上方へと移動し、再び図18に示す状態とな
る。
【0206】以上の一連の動作により、押圧部材92
は、容器13内部に残留する気体を抜気する。
【0207】このように、本実施形態においては、呼気
ガス採取後の容器13を蓄積部9に蓄積する構成となっ
ていることから、呼気ガス採取後の容器13が分析装置
1の外部へと排出され、分析装置1の周囲に容器13が
散乱することがない。
【0208】また、容器13を押圧部材92によって押
圧することで、蓄積ボックス91内部に蓄積された容器
13の体積を減少させることができ、より多くの容器1
3を当該蓄積部9内に蓄積できるようになっている。
【0209】なお、蓄積部9内において容器13を圧搾
し、容器13内部に残留する気体を抜気するための構成
は、上記構成に限らない。
【0210】例えば、本実施形態と同様に、板状の押圧
部材を蓄積ボックス91の底面と平行に往復動させる機
構として、ラックギヤとピニオンギヤとを備えた駆動機
構を用いることができる。
【0211】また、蓄積ボックス91の側面に、板状の
押圧部材の1辺を回動自在に固定し、押圧部材駆動源の
駆動力により押圧部材を駆動させ、蓄積ボックス91の
底面と押圧部材とで容器13を挟んで圧搾する構成を用
いることもできる。
【0212】また、採取機構6による呼気ガス採取後の
容器13を少なくとも1つのローラーによって圧搾し、
圧搾後の容器13を蓄積ボックス91へと送出する構成
を用いることもできる。
【0213】次に、本発明の分析装置1の動作(作用)
について説明する。 [1] 電源が入れられると、搬送経路4の第1、第2の
コンベヤー44、46が作動し、センサー49aないし
49dが容器13の検出を開始する。そして、搬送経路
4内において容器13の搬送の異常が発生していないこ
とが確認されると、進入規制ゲート3が図6に示す遮蔽
位置から図5に示す開放位置に移動し、容器の進入を許
容する姿勢となる。
【0214】[2] 導入口22から容器13を搬送経路
4へ投入する。投入された容器13は、第1、第2のコ
ンベヤー44、46によって搬送され、送出機構5へと
到達する。
【0215】[3] 送出機構5は、送出部材51の位置
に容器13が到達し、かつ位置決め装置7内部に容器1
3が存在していないことが確認されると、送出部材51
を図9に示す姿勢から、図10に示す姿勢へと反時計方
向に回動させる。それにより容器13は1つずつ取り出
され、位置決め装置7へと送出される。
【0216】[4] 位置決め装置7は、容器13が到達
したことを確認すると、レバー71を図15に示す姿勢
から図16に示す姿勢へと図15中反時計方向に回動さ
せ、容器13に第1、第2のローラー73、74を当接
させるとともに、第1、第2のローラー73、74を時
計方向に回転させる。このとき、バーコードリーダー7
8は容器13に付されたバーコード145の走査を開始
する。
【0217】[5] バーコードリーダー78により、容
器13に付されたバーコード145が読み取られると、
位置決め装置7は第1、第2のローラー73、74の回
転を停止させ、容器13の姿勢を決定する。このとき、
容器13に付されたバーコード145は、図17に示す
ように、採取部61の反対側を向いており、採取部61
の採取管631の刺通の障害となることがない。
【0218】[6] 採取部61の第1のカム671が図
12に示す状態から図12中時計方向に回転し、それに
より、第1のアーム63が図12中時計方向に回動し、
吸盤635が容器13に当接する。
【0219】[7] 接触センサー65により容器13が
吸盤635に当接していることが確認されると、吸盤6
35内部が吸引ポンプによって吸引され、容器13が吸
盤635へと吸着される。
【0220】[8] 第2のカム672が図13中時計方
向に回転し、第2のアーム66が図13中時計方向に回
動する。それにより、採取管631が図13中右方向へ
と移動し、容器13へと刺通される。
【0221】[9] 採取管631に接続された第2の吸
引ポンプ84の吸引により、容器13内部の呼気ガスが
採取され、分析部8へと移送される。そして、測定セル
81は測定(分析)を行う。測定セル81による測定結
果の情報は、容器13に付されたバーコードの情報とと
もに図示しないメモリーなどに一旦記憶されるか、ある
いは図示しないモニタやプリンタなどの表示部に出力さ
れる。
【0222】[10] 呼気ガスの採取が終了すると、第
2のカム672が図14中反時計方向に回転し、第2の
アーム66が図14中反時計方向に回動する。それによ
り、採取管631が図14中左方向へと移動し、容器1
3から抜去される。
【0223】[11] 採取管631が抜去されると、容
器13は自重により蓄積部9へと自由落下し、蓄積され
る。
【0224】[12] 蓄積部9内に所定数以上の容器1
3が蓄積されていることが確認されると、押圧部材92
が図18中下方へと移動し、容器13を圧搾する。それ
により容器13内部に残留する呼気ガスが抜気され、蓄
積部9内により多くの容器13を蓄積できるようにな
る。
【0225】[13] 押圧部材92が上昇し、再び蓄積
部9へと容器13が蓄積される。
【0226】分析装置1は、[3]ないし[13]の一連の
動作を繰り返し、搬送経路4内の容器13から順次呼気
ガスを採取するとともに、呼気ガスの分析を行う。
【0227】さて、上述した分析装置1において、搬送
経路4に収容可能な数量より多くの容器13の分析を行
う場合には、搬送経路4を前側に延長する延長経路を備
えた付加装置か、あるいは搬送経路4に導入される容器
13を搬送経路4の始端部付近に集積し、搬送経路4へ
と順次送出する集積部などを選択的に設置し、分析装置
1により自動で測定できる容器13の量を増加させるこ
とができる。
【0228】まず、上記構成の分析装置1に選択的に設
置することができる付加装置10の構成について説明す
る。
【0229】この付加装置10は、図21に示すよう
に、搬送経路4の上部に並設されている。また、この付
加装置10は、ネジ結合などにより分析装置1に対して
着脱可能に設置される。
【0230】この付加装置10の延長経路106には、
搬送経路4に設けられた第1のコンベヤー44および第
2のコンベヤー46と同様の複数のコンベヤー101a
ないし101dが設けられている。
【0231】これらのコンベヤー101aないし101
dは、分析装置1の第1、第2のコンベヤー44、46
と同様に、一対のローラーと、これらのローラーに巻回
される無端状のベルトと、ローラーを駆動するローラー
駆動源(図示せず)と、ベルトの張力を調節する補助ロ
ーラーとを備えている。そして、隣接する2つのコンベ
ヤーが互いに異なる方向に容器13を搬送するよう構成
されている。
【0232】また、これら各コンベヤー101aないし
101dの上方には、搬送経路4と同様に、容器13を
コンベヤー側に押圧し、コンベヤー101aないし10
1dによる容器13の搬送を補助する押さえ部材が設け
られている。
【0233】また、隣接する2つのコンベヤー、例え
ば、コンベヤー101aおよびコンベヤー101bの終
端と始端との間には、搬送経路4と同様に、コンベヤー
101aの終端からコンベヤー101bの始端へと容器
13を案内するガイド部材107と車輪108とが設け
られている。
【0234】また、この延長経路(前延長経路)106
には、延長経路106内部での容器13の搬送の異常を
検出するためのセンサー103が設けられている。セン
サー103による延長経路106内部の容器13の検出
方法については、分析装置1に設けられたセンサー49
aないし49dと同様であるため、説明を省略する。
【0235】また、この延長経路106の最上部に位置
するコンベヤー101aの始端部には、当該延長経路1
06内部に所定数以上の容器13が導入されたり、当該
延長経路106内部に詰まりなどが発生した際に延長経
路106内部への容器13の進入を規制するため、進入
規制ゲート102が設けられている。この進入規制ゲー
ト102の構成については、分析装置1の進入規制ゲー
ト3と同一の構成であるため、説明を省略する。
【0236】また、この延長経路106の最下部に位置
するコンベヤー101dの終端部には、延長経路106
内部の容器13を分析装置1へと順次送出するための送
出機構104が設けられている。送出機構104は、分
析装置1の送出機構5と同様の送出部材105と、送出
部材105によって送出された容器13を分析装置1の
導入口22へと案内するための受け板109とを備えて
いる。受け板109は、分析装置1の導入口22と連続
した平面をなすよう構成されており、分析装置1に作業
者が手で容器13を投入する場合と同様に、容器13が
導入口22にスムースに導入されるようになっている。
送出部材105の動作やその他の構成については、分析
装置1の送出機構5と同一のため、説明を省略する。
【0237】なお、この付加装置10の上述したコンベ
ヤー101aないし101d、センサー103、進入規
制ゲート102、送出機構104は、図示しないコネク
タなどを介して分析装置1の制御手段25や表示手段2
6に電気的に接続され、制御手段25の制御によって動
作するよう構成されている。また、この付加装置10の
動作状況は、表示手段26に表示される。
【0238】以下、この付加装置10の動作について説
明する。進入規制ゲート102の開放時に容器13を延
長経路106に導入すると、容器13は、コンベヤー1
01aないし101d上を搬送され、送出機構104に
到達する。
【0239】送出機構104は、分析装置1の進入規制
ゲート3が開放されており、かつセンサー49aにより
容器13が進入規制ゲート3付近に存在していない場合
にのみ分析装置1の送出機構5と同様に制御手段25の
制御により、容器13を分析装置1の進入規制ゲート3
へと順次送出する。
【0240】このように、付加装置10は、分析装置1
の搬送経路4を前側に延長し、それにより、1度の装填
作業で分析装置1の採取部61へと自動で供給すること
のできる容器13の数を増加させる機能を有している。
【0241】また、付加装置10は、当該付加装置10
内部において容器13を往復移動させる構成となってい
ることから、当該付加装置10の導入口を分析装置1と
同じ方向(前側)に位置させることができる。よって、
容器13の導入口が、付加装置10の有無に関わらず分
析装置1の前側に位置することから、付加装置10の装
着後も装着前と同様の手順で容器13を分析装置1に導
入することができ、分析装置1と同様の良好な操作性が
得られる。
【0242】また、当該付加装置10内部を容器13が
往復動する構成とすることで、効率的にスペースを利用
することができるため、収納可能な容器13が多く、か
つ小型な構造とすることができる。
【0243】また、付加装置10の下部は、分析装置1
の上部に着脱自在であり、また、付加装置10の上部
は、分析装置1と同様の形状となっていることから、付
加装置10の上部にさらに付加装置10を重ねて取り付
けることができる。したがって、分析装置1の上部に任
意の数の付加装置10を連結して設けることができる。
【0244】また、付加装置10は、分析装置1と同様
に、進入規制ゲート102と送出機構104とにより、
延長経路106内部や分析装置1の進入規制ゲート10
2付近における容器13の詰まりを防止する構成となっ
ている。
【0245】次に、上記構成の分析装置1に選択的に設
置することができる集積部11の構成について説明す
る。
【0246】集積部11は、図22に示すように、容器
13を集積する本体部111と、本体部111の下端に
一体に設けられたホッパー部116と、ホッパー部11
6の下端に一体に設けられ、分析装置1の導入口22に
接続される導入路120とを有している。この集積部1
1は、分析装置1より高位側に位置しており、容器13
を自由落下により導入口22へと送出する。
【0247】本体部111は、上下に開口を有する角筒
状をなしており、前壁部112と、後壁部113と、前
壁部112および後壁部113の両端をそれぞれ連結す
る一対の側壁部114とを有している。ここで、側壁部
114同士の間隔は、呼気ガス充填時の容器13の長さ
より若干大きな寸法となっており、容器13を本体部1
11へと装填した際に、容器13の長手方向両端部が各
側壁部114に対向するようになっている。また、この
本体部111の上側の開口115は容器13の投入口と
なっている。
【0248】ホッパー部116は、本体部111の前壁
部112および後壁部113とそれぞれ連結された傾斜
部117、117と、本体部111の各側壁部114と
連続した平面をなす一対の側壁部118と、容器13を
排出する排出口119を有している。傾斜部117、1
17は、図22に示すように、上方から下方に向かうに
したがって両者の間隔が狭まるように設けられており、
これらの下端同士の間隔は、呼気ガス充填時の容器13
の直径より若干大きな寸法となっている。
【0249】そのため、ホッパー部116の下端の排出
口119から1度に2つ以上の容器13が排出されるこ
とがなく、容器13が1つずつ導入路120へと排出さ
れるようになっている。
【0250】導入路120は、ホッパー部116の排出
口119とほぼ同一の形状の断面を有する角筒体であ
り、ホッパー部116の排出口119と分析装置1の導
入口22とを接続する。導入路120は、図22に示す
ように、中央部がなだらかな円弧状に撓んだ形状となっ
ている。またこの導入路120の下端部の4つの壁面
は、分析装置1の導入口22の周囲の4つの壁面とそれ
ぞれほぼ平面をなすように構成されている。このため、
導入路120内を移動する容器13がスムースに分析装
置1の導入口22へと送出される。
【0251】以下、この集積部11の作用(集積部11
に装填された容器13の動き)について説明する。
【0252】容器13は、本体部111の上部の開口1
15から投入され、図22に示すように、その長手方向
両端部が本体部111の両側壁部114に対向するよう
に集積される。
【0253】本体部111内の容器13は、自重により
下方へ進み、ホッパー部116へと移動する。
【0254】ホッパー部116内の容器13は、自重に
より下方へと進むとともに、傾斜部117、117に案
内され、排出口119から1つずつ導入路120に送出
される。
【0255】導入路120へ送出された容器13は、自
重(自由落下)により下方へと進み、導入口22へと移
動する。容器13は、分析装置1の進入規制ゲート3の
規制により、導入口22から順次搬送経路4へと導入さ
れる。
【0256】このように、集積部11は、分析装置1の
搬送経路4の始端部に容器13を一旦集積し、順次搬送
経路4へと送出する構成となっており、それにより、付
加装置10と同様に、1度の装填作業で分析装置1の採
取部61へと自動で供給することのできる容器13の数
を増加させる機能を有している。
【0257】なお、この集積部11も付加装置10と同
様に、分析装置1の上方にネジ結合などにより着脱可能
に取り付けられる。
【0258】また、集積部11は、分析装置1へと導入
される容器13の量に応じてその容量が異なるものに交
換して用いることができ、それにより、より効率的に容
器13を分析装置1へと導入することができる。
【0259】上述した付加装置10および集積部11
は、いずれもネジ結合などにより分析装置1に着脱可能
に構成されていることから、装填される容器13の数量
に応じてこれらの装置の使用・不使用を決定でき、効率
的に作業を行うことができる。
【0260】最後に、本発明は、上述した実施形態に限
定されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲
で種々の変更および改良が可能であることは言うまでも
ない。そして、本発明の呼気ガス分析装置を構成する各
部は、同様の機能を備えた任意の構成と置換することが
できる。
【0261】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、簡
単な構造で、多数の呼気ガス容器を搬送経路によって安
定的に順次採取機構へと送ることができ、採取機構にお
いて呼気ガス容器から確実に呼気ガスを採取することが
できる。
【0262】また、採取機構の採取管を呼気ガス容器に
挿入して呼気ガスを採取する際に、呼気ガス容器を保持
する保持手段を有する構成となっていることから、呼気
ガス容器に確実に採取管を挿入し、呼気ガスを採取する
ことができる。
【0263】そして、この保持手段を呼気ガス容器を吸
着保持する吸盤によって構成した場合には、呼気ガス容
器の保持および解除の動作を簡単な構成で確実に行うこ
とができる。
【0264】そして、採取管と吸盤とを平行に並べて配
設することにより、呼気ガス容器に採取管を刺通する際
に採取管と呼気ガス容器の表面とが垂直となり、採取管
が呼気ガス容器により確実に刺通される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の呼気ガス分析装置の全体構成を示す側
面図である。
【図2】同装置の構成を示す上面図である。
【図3】同装置の搬送経路に設けられた第1のコンベヤ
ーを示す側面図である。
【図4】同第1のコンベヤーの上面図である。
【図5】同装置に設けられる進入規制ゲートが開放位置
にある状態を示す側面図である。
【図6】同装置に設けられる進入規制ゲートが遮蔽位置
にある状態を示す側面図である。
【図7】図7(a)は、同装置の搬送経路に設けられる
押さえ部材の平面図であり、図7(b)は、同押さえ部
材の側面図である。
【図8】図8(a)は、同装置のセンサー付近に詰まりが
発生した状態を示す側面図であり、図8(b)は、同装置
内に所定数以上の呼気ガス容器が導入された状態を示す
側面図である。
【図9】同装置の送出機構が容器の送出を禁止する姿勢
にある状態を示す側面図である。
【図10】同装置の送出機構が容器の送出を許容する姿
勢にある状態を示す側面図である。
【図11】同装置の採取部の上面図である。
【図12】同装置の採取部が退避している状態を示す側
面図である。
【図13】同装置の採取部が呼気ガス容器を吸着してい
る状態を示す側面図である。
【図14】同装置の採取部の採取管が呼気ガス容器に刺
通された状態を示す側面図である。
【図15】同装置の位置決め装置が退避している状態を
示す側面図である。
【図16】同装置の位置決め装置が呼気ガス容器を回転
させている状態を示す側面図である。
【図17】同装置の位置決め装置が呼気ガス容器の回転
を停止した状態を示す側面図である。
【図18】同装置の蓄積部の押圧部材が上方に位置して
いる状態を示す側面図である。
【図19】同装置の蓄積部の押圧部材が作動し、呼気ガ
ス容器を圧搾している状態を示す側面図である。
【図20】同装置の回路構成を示すブロック図である。
【図21】同装置に付加装置を取り付けた状態を示す側
面図である。
【図22】同装置に集積部を取り付けた状態を示す側面
図である。
【図23】同装置に装填される呼気ガス容器を示す平面
図である。
【図24】同呼気ガス容器の下面図である。
【図25】呼気ガスを充填した状態における図23中の
X−X線断面図である。
【符号の説明】
1 呼気ガス分析装置 1a 呼気ガス採取装置 21 ケーシング 22 導入口 23 底板 24 突出口 25 制御手段 26 表示手段 3 進入規制ゲート 31 遮蔽部材 32 回転軸 33 ゲート駆動源 4 搬送経路 41 第1の経路 42 第2の経路 43 折返し経路 44 第1のコンベヤー 441、442 ローラー 443 ベルト 444 ベルト駆動源 445 補助ローラー 446 第1の固定部材 447 取付孔 448 固定ネジ 449 第2の固定部材 450 取付孔 451 固定ネジ 46 第2のコンベヤー 47 押さえ部材 471 ガイド部 472 支持部 48 ガイド部材 481 突出口 482 車輪 49a〜49d センサー 491 発光部 492 受光部 5 送出機構 51 送出部材 52 ゲート部 53 ストッパ部 54 回転軸 55 送出部材駆動源 6 採取機構 61 採取部 62 基部 63 第1のアーム 631 採取管 632 針先部 633 チューブ 634 押圧部 635 吸盤 636 吸着部 637 伸縮部 638 チューブ 639 コイルバネ 64 第1の吸引ポンプ 65 接触センサー 66 第2のアーム 661 回転軸 662 コイルバネ 671 第1のカム 672 第2のカム 673 第1の回転軸 674 第2の回転軸 675 回転センサー 676 第1のモーター 677 第2のモーター 7 位置決め装置 71 レバー 72 回転軸 73 第1のローラー 74 第2のローラー 75 レバー駆動源 76 ローラー駆動源 77 支持板 78 バーコードリーダー 8 分析部 81 測定セル 82 LD 83 PD 84 第2の吸引ポンプ 85 レーザー光 9 蓄積部 91 蓄積ボックス 92 押圧部材 93 駆動機構 931 ロッド 932 スライダ 933 アーム 95 押圧部材駆動源 96 センサー 10 付加装置 101 コンベヤー 102 進入規制ゲート 103 センサー 104 送出機構 105 送出部材 106 延長経路 107 ガイド部材 108 車輪 109 受け板 11 集積部 111 本体部 112 前壁部 113 後壁部 114 側壁部 115 開口 116 ホッパー部 117 傾斜部 118 側壁部 119 排出口 120 導入路 13 呼気ガス容器 131 容器本体 132 吹込口 133 肩部 134 側部 135 端部 136、137 突出部 138、139 端部 140 逆止弁 141 記入欄 142 情報表示部 143 情報表示体 144 鉤かっこ 145 バーコード 146 側部
フロントページの続き (72)発明者 秋保 昌宏 東京都三鷹市牟礼6丁目22番1号 アロカ 株式会社内 (72)発明者 皆川 栄一 東京都三鷹市牟礼6丁目22番1号 アロカ 株式会社内 Fターム(参考) 2G052 AA34 AA38 AB06 AD02 AD22 AD42 CA04 CA08 CA42 GA11 GA24 HC02 JA04 JA05 JA07 2G058 AA03 CB12 GA01 GE01 GE04

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 呼気ガス容器内の呼気ガスを採取する採
    取管と、 前記採取管を前記呼気ガス容器内に挿入する際に該呼気
    ガス容器を保持する保持手段とを具備することを特徴と
    する呼気ガス採取装置。
  2. 【請求項2】 呼気ガス容器を搬送する搬送手段と、 前記搬送手段によって搬送された前記呼気ガス容器内の
    呼気ガスを採取する採取管と、 前記採取管を前記呼気ガス容器内に挿入する際に該呼気
    ガス容器を保持する保持手段とを具備することを特徴と
    する呼気ガス採取装置。
  3. 【請求項3】 前記保持手段は、前記呼気ガス容器の少
    なくとも1箇所を吸着保持するように構成されている請
    求項1または2に記載の呼気ガス採取装置。
  4. 【請求項4】 前記保持手段は、前記呼気ガス容器を吸
    着する少なくとも1つの吸盤と、 前記吸盤内を負圧にする吸引手段を有する請求項3に記
    載の呼気ガス採取装置。
  5. 【請求項5】 前記保持手段は、第1の吸盤および第2
    の吸盤を有し、 前記採取管は、これら2つの吸盤の間から前記呼気ガス
    容器内に挿入される請求項4に記載の呼気ガス採取装
    置。
  6. 【請求項6】 前記呼気ガス容器に対する前記第1の吸
    盤の吸着位置と、前記第2の吸盤の吸着位置と、前記採
    取管の挿入位置とがほぼ直線上に並ぶよう構成されてい
    る請求項5に記載の呼気ガス採取装置。
  7. 【請求項7】 前記吸盤は、カップ状の吸着部と、該吸
    着部に連通し、伸縮自在に構成された伸縮部とを有する
    請求項4ないし6のいずれかに記載の呼気ガス採取装
    置。
  8. 【請求項8】 前記採取管は、前記呼気ガス容器の表面
    に対してほぼ垂直方向に移動して前記呼気ガス容器内に
    挿入される請求項1ないし7のいずれかに記載の呼気ガ
    ス採取装置。
  9. 【請求項9】 前記呼気ガス容器は、可撓性を有するシ
    ート材によって構成されている請求項1ないし8のいず
    れかに記載の呼気ガス採取装置。
  10. 【請求項10】 前記採取管は、針先部を有し、前記呼
    気ガス容器に刺通される請求項1ないし9のいずれかに
    記載の呼気ガス採取装置。
  11. 【請求項11】 前記呼気ガス容器に対し、前記保持手
    段を接近・離間させる駆動手段を有する請求項1ないし
    10のいずれかに記載の呼気ガス採取装置。
  12. 【請求項12】 前記駆動手段はカム機構を備えている
    請求項11に記載の呼気ガス採取装置。
  13. 【請求項13】 前記保持手段による呼気ガス容器の保
    持を検出する検出手段を有する請求項1ないし12のい
    ずれかに記載の呼気ガス採取装置。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし13のいずれかに記載
    の呼気ガス採取装置と、 呼気ガスの分析を行う分析部とを具備することを特徴と
    する呼気ガス分析装置。
  15. 【請求項15】 複数の情報の中から同一の被験者の情
    報を特定し分析を行う請求項14に記載の呼気ガス分析
    装置。
  16. 【請求項16】 前記採取手段は、採取した呼気ガスを
    前記分析部に移送するよう構成されている請求項14ま
    たは15に記載の呼気ガス分析装置。
  17. 【請求項17】 前記分析部は、呼気ガス中の同位体の
    含有比を分析するよう構成されている請求項14ないし
    16のいずれかに記載の呼気ガス分析装置。
  18. 【請求項18】 前記同位体は13COおよび12
    である請求項17に記載の呼気ガス分析装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113607505A (zh) * 2021-08-24 2021-11-05 鲁东大学 一种医学空气中病毒检测装置

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