JP2003112953A - 酸化硫黄含有火山灰を利用した水硬性固化材の製造法 - Google Patents

酸化硫黄含有火山灰を利用した水硬性固化材の製造法

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silicate
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友久 田邊
Minoru Tanaka
実 田中
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一宏 大久保
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幸夫 小坂
Shozo Ichige
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Nanae Naitou
七絵 内藤
Hiroyuki Naito
博之 内藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大量に噴出して処理処分に窮している酸化硫
黄含有火山灰、例えば三宅島の火山灰等を原料として大
量需要のある有用商品に応用する開発技術は未だ完成さ
れていない。さらに、従来技術における水硬性固化材で
あるポルトランドセメントでは、有害重金属のクロムを
含有しており問題となっている。また、水ガラス系固化
材では、常温硬化における固化体に耐水性がなく実用化
に乏しい。したがって、無公害材料により常温で水硬性
固化を可能とする安価な水硬性固化材の製造が求められ
ている。 【解決手段】 予め酸化硫黄含有火山灰をカルシヤ組成
物による加熱処理ならびに水酸化アルカリによる反応処
理の2段階の活性化処理でで回収した活性化ケイ酸塩に
対して、カルシヤ組成物、さらに必要に応じて補助組成
物を均質混和せしめることにより粉末ワンパック複合組
成物で構成される無公害型の水硬性固化材を製造する方
法の提供による。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化硫黄含有火山
灰を利用した水硬性固化材の製造法に関し;より詳細に
は、酸化硫黄含有火山灰をカルシヤ組成物による加熱処
理ならびに水酸化アルカリによる反応処理の2段階の活
性化処理でで回収した活性化ケイ酸塩にカルシヤ組成
物、必要に応じて補助組成物を均質混和せしめた粉末ワ
ンパック複合組成物で構成される水硬性固化材の製造法
に関する。
【0002】
【従来技術】従来技術における常温でセメンティング処
理を可能にする代表的な水硬性固化材としては、一般的
に下記に示す3種類を代表的に挙げることができる。 漆喰やポルトランドセメントとして実績があるカル
シウム塩を中心とする水硬性鉱物類の水和反応によるセ
メンティング材料。 彫刻や歯型等で焼石こうとして実績のある部分脱水
された硫酸カルシウムの水和反応によるプラスター材
料。 古くより水ガラスとして実績があるケイ酸アルカリ
の酸中和により生成するシリカゲルのシロキサン結合で
固化体を形成する水ガラス系固化材料。 シラノール基を有すケイ酸塩原料とカルシヤ成分と
の複合組成物により、水性で耐熱性の固化体形成を可能
とするシリカ−カルシヤ系固化材料。
【0003】水硬性固化材として一般に汎用されてきた
セメンテイング材料としては、ポルトランドセメント
(以下「セメント」と略記)が代表的である。セメント
は、石灰岩と粘土を主原料に1400℃の高熱処理で製
造されている。セメントで成型加工されるコンクリート
製品は、セメント粉末に骨材と水とを加え混練してカル
シウム系鉱物の水和生成物で形成されており、建築や土
木の分野で、またコンクリート二次加工品分野で広く使
用され、JIS化されて汎用されている。
【0004】しかるにセメントの製造において、アルカ
リサイドにあるセメント原料を高温の1400℃でクリ
ンカー処理せねばならず、このクリンカー処理を行うロ
ータリーキルンの耐熱で耐アルカリ性が求められる耐火
レンガにマグクロレンガ(酸化クロムとマグネシヤを主
成分)を使用していることからであることから、セメン
ト製品に有害重金属であるクロム(6価)元素の混入が
避けられず、セメントもしくはセメント製品を経由して
のクロムの環境への汚染が問題(参照例:平成12年3
月24日付け旧通産省通達)となっている。
【0005】プラスター材料としては、2水塩の硫酸カ
ルシウムを部分脱水した半水石こうの焼石こうが一般的
である。焼石こうは、水和反応による固化体を形成する
ことから、古くより手軽な固化材として使用されてき
た。しかるに、焼石こうから形成される水和石こうは、
固化時の収縮が大きく、高強度の固化体が望めず、また
耐熱性がなく、用途が制限されている。
【0006】水ガラス系固化材料としては、水ガラスで
代表されるシラノール基を含有するケイ酸アルカリが一
般的である。バインダーとしては、ケイ酸アルカリに酸
性化合物または塩類化合物を硬化剤として加え、この時
のシリカのゾル−ゲル生成からなるポリシロキサン結合
で構成されるシリカポリマーの形成を利用している。
【0007】しかし、水ガラス系固化材料には種々課題
を残している。例えば、水ガラス系固化材は、ケイ酸ア
ルカリと酸性もしくは塩類化合部の硬化剤の併用を基本
としており、施工性と生成固化体の諸物性発現のバラン
スが悪い。即ち、施工性を重視して作業時間を確保する
と生成固化体の諸物性発現が悪く、一方生成固化体の諸
物性発現を速くすると施工・作業性が悪くなる傾向にあ
る。
【0008】また、ケイ酸アルカリを原料とする水ガラ
ス系固化材料において、常温施工で形成する固化体は、
一般に生成固化体中に水可溶性のアルカリ塩が副生して
残る傾向にある。したがって、生成固化体に再度水が接
触する時は、この副生残存してシリカに隣接しているア
ルカリ塩が水に再溶解してシリカ成分を再溶解せしめて
しまい、生成固化体に耐水性がなく、屋外等での使用に
は適さない。
【0009】また、生成固化体に残存する水可溶性のア
ルカリ塩は、空気中の水分や炭酸ガスと反応して炭酸ア
ルカリを発生させ、所謂白化現象を固化体表面に発生す
ることが避けられない。これら問題点がケイ酸アルカリ
を原料とする水ガラス系固化材料では、実用上未解決で
あり、これを原因とする商品トラブルは絶えず、ケイ酸
アルカリを固化材に応用する商品化は未だ多くの問題点
を残している。
【0010】水ガラス系の接着・固化材料としては、本
発明者等の先願技術として、変性水ガラス溶液と無機質
リン酸塩の組み合わせによる硬化組成物の技術開示が、
特公昭53−24212号、特公昭53−109558
号、特公昭56−6387号、特公昭57−42581
号等の公報に示され、特公昭53−24206号にはケ
イ酸アルカリに有効な各種リン酸ケイ素の組み合わせか
らなる硬化組成物の技術が詳細に記載されている。
【0011】また、粉状のケイ酸アルカリをベースにワ
ンパックされた無機結着剤組成物の開示が特公昭58−
58306号、特公平1−53230号、特公平2−1
791号、特公平2−56299号等に示され、粉状ワ
ンパック無機結着剤組成物に特定された条件下(700
℃以上の高温熱処理)で特別製造された結晶性もしくは
非晶質のケイ酸バリウム粉末を併用することにより、そ
のペーストスラリーの流動性が改善されることが開示さ
れている。さらにまた、上記特公昭53−24206号
と共に特開平11−246261号にリン酸分の徐放性
を特定した固化材を配合した水ガラス組成物の技術開示
がある。
【0012】シリカ−カルシヤ系固化材としては、シリ
カ系素材とナトリウム系素材とカルシヤ系素材を主成分
として構成される水硬性固化材で常温で耐熱性・耐水性
の固化体類を形成せしめる技術は、本発明者等の先願技
術(特開平11−246261、特開平11−2636
61、特願2000−351931、特願2001−8
3816)として出願開示されている。またその一部技
術は既に実用化されて実績を挙げている。
【0013】先願技術のシリカ−カルシヤ系固化材料に
おいて、固化体を構成するポリシロキサン結合からなる
シリカポリマーは、シラノール基を有するケイ酸が重要
な役割を果たしている。先願技術のシリカ−カルシヤ系
固化材料におけるシラノール基を有するケイ酸は、常に
アルカリサイドにあるケイ酸アルカリ、シリカ−アルカ
リ組成物、ケイ酸含有のアルカリ組成物等に求められて
きた。
【0014】しかし、先願技術において、原料となるケ
イ酸塩を火山灰に求め、このケイ酸塩にイオン性アルカ
リ金属を反応せしめてシラノール基を確保する技術の開
示はあるが、酸化硫黄含有火山灰を原料としてシラノー
ル基を確保するために含有酸化硫黄成分に着目し、効率
よくシラノール基を確保する特別な技術的開示はなされ
ていない。ましてや原料に酸化硫黄含有の火山灰、例え
ば三宅島火山灰を予めアルカリ性素材としてカルシヤ系
素材を選択して酸化硫黄に対応した一段目処理を施した
後、シラノール基を調製して水硬性固化材を製造してい
る例示はない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、処
理処分に窮している酸化硫黄含有火山灰を有効利用する
ことを目的として、水硬性固化材のケイ酸塩原料として
利用し、同時に従来技術における水硬性固化材としての
課題を克服して、無公害型の水硬性固化材を安価に製造
して提供することを目的としている。
【0016】したがって、本発明が解決せねばならない
課題は、ポルトランドセメントや水ガラス系固化材等に
おける製造、性能・物性、施工・作業、環境等が抱えて
いる諸問題、ならびに本発明者等の先願技術における水
硬性固化材において未解決に終わっている酸性サイドに
ある火山灰利用の水硬性固化材の製造法にある。
【0017】一方、酸化硫黄を含有する火山は、例えば
三宅島火山灰の有効利用は、ガラスやゼオライト等の原
料として検討され、一部実績を挙げている。しかるに大
量発生した硫黄酸化物含有の火山灰を大量消費するため
には、大量需要が見込める分野での有用商品としての用
途開発による有効大量活用が求められている。
【0018】特に、ケイ酸塩類を活性化するための活性
化剤としてイオン性アルカリ金属元素、例えばナトリウ
ムイオン等を採択した場合、アルカリ金属元素が酸化硫
黄含有の火山灰が含有する酸化硫黄に無駄に消費されて
しまい、固化材として必要とするシラノール基の形成が
阻害され、配合したアルカリ金属元素がシラノール基形
成に有効に活用されていない課題を残している。
【0019】また、先に示した本発明者等の先願技術
は、固化体形成の基礎となるシリカポリマーを形成する
シラノール基を有するケイ酸塩原料は、常にアルカリサ
イドにあるケイ酸アルカリ組成物やシリカ−アルカリ組
成物等を水硬性固化材の原料とする技術である。しかる
に酸化硫黄含有で酸性サイドにある火山灰を水硬性固化
材の原料にして、含有酸化硫黄を利用して、耐水性で耐
熱性を発揮し、重金属類を水不溶性に固定化機能を有す
る水硬性固化材の製造法の開示は未だない。
【0020】
【発明の目的】本発明の目的は、従来技術におけるセメ
ントや水ガラス系固化材における課題を解消し、酸化硫
黄含有の火山灰を原料にして無公害型の水硬性固化材を
安価に提供して、常温硬化による固化体形成を可能にす
ることにより、酸化硫黄含有火山灰の有効利用を可能と
し、同時に環境問題の解消にも貢献することにある。
【0021】
【課題を解消するための手段】本発明によれば、ケイ酸
塩原料(A)に対して2段階の活性化処理により回収さ
れる活性ケイ酸塩(C)にカルシヤ組成物(DC)を混
和せしめた二者で構成される粉末ワンパック複合組成物
(S2)に調製される水硬性固化材(S)の製造法にお
いて;上記のケイ酸塩原料(A)が、乾燥物基準で主成
分であるシリカをSiOで表して38ないしは72重
量%、アルミナをAlで表して9ないしは22重
量%、酸化鉄をFeで表して3ないし15重量%
および酸化硫黄をSOで表して4ないし14重量%含
有している酸化硫黄含有火山灰(AS)であり;上記の
2段階の活性化処理が、ケイ酸塩原料(A)に対してカ
ルシヤ組成物(DC)を加熱反応せしめてカルシヤ−シ
リカ(B)を回収する1段目処理、ならびにカルシヤ−
シリカ(B)に対して水酸化アルカリ(DA)を混合反
応せしめて活性ケイ酸塩(C)を回収する2段目処理と
の組み合わせ処理であり;
【0022】上記のカルシヤ組成物(DC)が、下記組
成式(1) (式中:wは零を含む10以下の数)で表わされるカル
シヤ化合物より選ばれた単独ないしは2種以上の組み合
わせで構成されるカルシヤ成分をCaOで表して少なく
とも70重量%含有しているカルシヤ化合物であり;上
記の1段目処理が、ケイ酸塩原料(A)を乾燥物基準で
100重量部に対して、必要に応じて水を25重量部以
下の量で、カルシヤ組成物(DC)を5ないしは50重
量部の量範囲で均質混合した混合物を500ないし80
0℃の雰囲気に暴露する加熱反応処理に付してカルシヤ
−シリカ(B)を回収する処理であり;
【0023】上記の水酸化アルカリ(DA)が、下記組
成式(2) (式中:Mはリチウム、ナトリウムおよびカリウム元素
群の単独ないしは2種以上の組み合わせで構成されるア
ルカリ金属元素)で表されるアルカリ金属元素の水酸化
物であり;上記の2段目処理が、1段目処理により回収
したカルシヤ−シリカ(B)100重量部に対して、水
酸化アルカリ(DA)を15ないしは35重量部の量、
さらに必要に応じて水を40重量部以下の量で加えた均
質混和物を反応処理と乾燥処理に付して含有遊離水分量
を20重量%以下になるように調製してシラノール基を
有する活性ケイ酸塩(C)を回収する処理であり;上記
の水硬性固化材(S)が、活性ケイ酸塩(C)を乾燥物
基準で100重量部に対してカルシヤ組成物(DC)を
5ないし200重量部の量割合で均質混和された二者で
構成される粉末ワンパック複合組成物(S2)に調製さ
れている水硬性固化材の製造法が提供される。
【0024】本発明によれば、前記のケイ酸塩原料
(A)が酸化硫黄含有火山灰(AS)と粘土質鉱物(A
C)の複合ケイ酸塩(AM)であり;上記の粘土質鉱物
(AC)が、乾燥物基準において含有シリカをSiO
で表して20ないしは80重量%ならびに含有アルミナ
をAlで表して5ないしは50重量%含有してい
る岩石類の風化物を主成分とする粘土質ケイ酸塩であ
り;上記のケイ酸塩原料(A)が、粘土質鉱物(AC)
ならびに酸化硫黄含有火山灰(AS)との複合ケイ酸塩
(AM)中に酸化硫黄含有火山灰(AS)を50重量%
以上含有している複合ケイ酸塩(AM)である水硬性固
化材の製造法が提供される。
【0025】本発明によれば、前記の二者で構成される
粉末ワンパック複合組成物(S2)に補助組成物(E)
を加えた三者で構成される粉末ワンパック複合組成物
(S3)に調製されている水硬性固化材(S)の製造法
において;前記の補助組成物(E)が、下記組成式
(3) (式中:MIIはカルシウム、マグネシウムないし亜鉛
元素群の単独ないしは2種以上の組み合わせ元素、aは
零を含む5.0以下の数、wは零を含む9.0以下の
数)で表わされるアルカリ土類金属のアルミン酸塩また
はアルミナの水和物の群の単独ないし2種以上の組み合
わせアルミニウム化合物で構成されるアルミナ組成物
(E1)であり;上記の水硬性固化材(S)が、二者構
成のワンパック複合組成物(S2)を乾燥物基準で10
0重量部に対して、補助組成物(E)を0.1ないし6
0重量部の量割合で均質混和された三者で構成される粉
末ワンパック複合組成物(S3)に調製されている水硬
性固化材の製造法が提供される。
【0026】本発明によれば、前記の補助組成物(E)
が、下記組成式(4) (式中:Mはアルカリ金属元素、MIIはアルカリ土
類金属元素、MIIIは3価のアルミニウムないしは鉄
元素、a、bおよびcは各零を含む20以下の数、wは
零を含む25以下の数、nは2または3の数)で表わさ
れる塩基性塩もしくは正塩のアルカリ金属を含むアルミ
ニウムもしくは鉄の硫黄のオキシ酸塩群より選ばれた単
独ないしは2種以上の組み合わせ硫黄のオキシ酸塩で構
成される硫酸塩組成物(E2)である水硬性固化材の製
造法が提供される。
【0027】本発明によれば、前記の補助組成物(E)
が、下記単位格子化学組成式(5) (式中:Mは原子価nの金属陽イオン、x+yは単位格
子当りの四面体数)で表されるアルミノケイ酸塩を主成
分とするゼオライトもしくはゼオライト前駆体群で構成
されるあタネ組成物(E3)である水硬性固化材の製造
法が提供される。
【0028】本発明によれば、前記の補助組成物(E)
が、アルミナ組成物(E1)、硫酸塩組成物(E2)も
しくはタネ組成物(E3)群の2種以上の組み合わせ組
成物で構成される粉末の複数補助組成物(E4)である
水硬性固化材の製造法が提供される。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明における水硬性固化材
(S)の製造法は、硫黄酸化物含有火山灰を原料として
常温固化処理を可能とする水硬性固化材(S)を安全で
安価に製造する方法にあり、硫黄酸化物含有火山灰の主
成分であるシリカ、アルミナならびに酸化硫黄を水硬性
固化材(S)の構成成分として有効活用する製造法であ
る。
【0030】本発明のケイ酸塩原料(A)として好適に
採択可能な酸化硫黄含有火山灰(AS)としては、乾燥
物基準で主成分であるシリカをSiOで表して38な
いし72重量%、ならびに含有アルミナをAl
表して12ないし22重量%、含有酸化鉄をFe
で表して3ないし18重量%、また含有酸化硫黄をSO
で表して4ないし14重量%含有している火山灰、例
えば三宅島の火山灰等を好適に挙げることができる。
【0031】火山灰は、火山活動により発生しているこ
とから熱履歴を受けているが、火山噴火を起こしてから
の時間経過ならびに発生火山灰が自然界に暴露されてき
た状況(地上、地中、海中等)等により異なるが、ケイ
酸塩を主成分とする粉状ないしは塊状の鉱物として産出
される。勿論、火山灰は噴出時は無水状態であるが、そ
の後の自然界での経時変化等により、自然界より受けた
風化や化学変化等により含水状態や粘土質状態に変質し
ている。しかし、硫黄酸化物を含有する限りにおいて、
本発明の酸化硫黄含有火山灰(AS)として好適に採択
することができる。
【0032】本発明で採択するケイ酸塩原料(A)は、
硫黄酸化物の含有を前提とするが、硫黄酸化物を少量も
しくは含有しない火山灰、例えば普賢岳堆積物、桜島火
山灰、有珠山火山灰等のケイ酸塩、さらにはフロケイ酸
塩等を主成分とするケイ酸塩である粘土質鉱物(AC)
が酸化硫黄含有火山灰(AS)に共存している複合ケイ
酸塩(AM)も本発明のケイ酸塩原料(A)として採択
することができる。
【0033】本発明の複合ケイ酸塩(AM)を形成する
粘土質鉱物(AC)は、乾燥物基準で含有シリカをSi
で表して20ないしは80重量%、含有アルミナを
Alで表して5ないしは50重量%含有している
粘土質鉱物であることが好適である。そして、本発明複
合ケイ酸塩(AM)は、酸化硫黄含有火山灰(AS)を
少なくとも50重量%以上含有していることが好まし
い。勿論ケイ酸塩原料(A)における酸化硫黄含有火山
灰(AS)の組成調整を行うために粘土質鉱物(AC)
を積極的に併配合することもできる。
【0034】粘土質鉱物(AC)としては、層状粘土鉱
物であるフェロケイ酸塩を選びことができる。フェロケ
イ酸塩としては、非晶質のアロフェンやヒシンゲル石お
よび結晶質のフェロケイ酸塩(2:1型層のパイロフェ
ライト、タルク、雲母群、モンモリロナイト石群、パー
ミキュル石;2:2型層のリョクデイ石群;1:1型層
のカオリナイト)とイノケイ酸塩(パリゴルスカイト
群)を挙げることができる。
【0035】さらに粘土質鉱物(AC)としては、過去
において噴出した火山灰が堆積し、次いで風化が進行し
て変質形成した関東ローム等の一般土壌、さらに田圃や
畑等の粘土質鉱物、海・河川・沼・ダム等に堆積してい
るヘドロ、フェロケイ酸塩であるカオリン等も好適に挙
げることができる。これらの粘土質鉱物(AC)は、一
般にアルカリとの反応に富んであり、本発明のケイ酸塩
原料(A)として好適である。
【0036】本発明においては、酸化硫黄含有火山灰
(AS)または複合ケイ酸塩(AM)からなるケイ酸塩
原料(A)を2段階の活性化処理に付して回収される活
性なシラノール基を有する活性ケイ酸塩(C)は、本発
明の水硬性固化材(S)の構成成分として重要であり、
水硬性固化材(S)による固化体形成において重要な役
割を果たす。
【0037】本発明の2段階の活性化処理工程は、1段
目処理においてケイ酸塩原料(A)に対するカルシヤ組
成物(DC)による加熱反応処理によりカルシヤ−シリ
カ(B)を回収する工程と、さらに2段目処理において
カルシヤ−シリカ(B)に対する水酸化アルカリ(D
A)による反応処理により活性なシラノール基を豊富に
有する活性ケイ酸塩(C)を回収する工程との2段階に
わたる処理工程により達成される。
【0038】1段目処理において重要なことは、カルシ
ヤ組成物(DC)が、ケイ酸塩原料(A)の主成分であ
るケイ酸アルミニウムにアタック反応して、シリカ−ア
ルミナの塩結合に反応して、新たなカルシウム塩(ケイ
酸カルシウムやアルミン酸カルシウム等)を形成して生
成するカルシヤ−シリカ(B)が回収されることにあ
る。
【0039】1段目の処理で採択され、しかも後述する
水硬性固化材(S)の構成成分でもあるカルシヤを主成
分とするカルシヤ組成物(DC)としては、下記組成式
(1) (式中:wは零を含む10以下の数)で表わされるカル
シウム化合物群より選ばれた単独ないし2種以上の組み
合わせで構成されてカルシヤをCaOで表して少なくと
も70重量%含有しているカルシヤ組成物(DC)を好
適に挙げることができる。
【0040】本発明のカルシヤ組成物(DC)は、1段
目処理剤として、また水硬性固化材(S)の構成成分と
しての2役を熟す。その代表的組成は、上記の組成式
(1)で示されるカルシウム化合物でって、カルシヤ成
分をCaOで表して70重量%以上含有しているカルシ
ヤを主成分とするカルシヤ化合物であれば良い。
【0041】一般に、本発明で2役を熟すカルシヤ組成
物(DC)の主成分であるカルシウム化合物は、本発明
の活性ケイ酸塩(C)ならびに水硬性固化材(S)、さ
らに目的に応じて形成される固化体に求められる作業
性、固化体物性、用途・目的、価格等に応じて、天然の
鉱物資源もしくはホタテやかき等貝殻類を含む炭酸カル
シウム等の脱炭酸製品、さらには合成化学薬品、工業薬
品、廃棄物類等の単品もしくは組み合わせ組成物の中か
らから適宜選択して採択することができる。
【0042】本発明で好適に求められるカルシヤ組成物
(DC)としては、天然ないしは合成のカルシウムの酸
化物や水酸化物が好ましく、具体的な例としては、反応
性に富んでおり、安価であり、工業的に生産され入手の
容易さから、生石灰やカルシヤ等、また水酸化カルシウ
ムである消石灰等を好適に挙げることができる。
【0043】しかし、カルシウム化合物は、空気中に存
在する炭酸や水との反応に敏感で、一部だが炭酸塩や水
酸化物を形成する場合が多い。したがって、本発明の活
性ケイ酸塩(C)や水硬性固化材(S)に採択するに際
し、使用目的や用途、施工作業性等により適宜選択し、
必要に応じて予め精製処理して採択することが望まし
い。
【0044】本発明の2段階処理における1段目処理に
おいて、酸化硫黄含有火山灰(AS)や複合ケイ酸塩
(AM)からなるケイ酸塩原料(A)を乾燥物基準で1
00重量部に水を少なくとも10重量部の量で加えて湿
らしておく必要がある。この時ケイ酸塩(A)が既に水
分を含有している時は水分を加える必要はなく、むしろ
ケイ酸塩原料(A)が多量に水分を含有する時は、脱水
・乾燥による水分調整が必要である。
【0045】次いで、湿潤しているケイ酸塩原料(A)
を乾燥物基準で100重量部に対して、カルシヤ組成物
(DC)をCaOで表して少なくとも含有アルミナとの
反応当量に相当する量である5ないしは50重量部の量
範囲で均質に混合した均質混合物を調製する。ここに調
製した均質混合物を500ないしは800℃の雰囲気に
暴露する加熱反応に付することによりカルシヤ−シリカ
(B)が回収される。
【0046】1段目の処理において、ケイ酸塩原料
(A)とカルシヤ組成物(DC)との均質混合物の調製
に際して、カルシヤ組成物(DC)配合量が5重量部以
下の量では、ケイ酸−アルミニウムの結合に代わるカル
シウム塩を好適に生成できない。また、カルシヤ組成物
(DC)を50重量部以上の量で添加混合してもカルシ
ウム塩の生成に特段の効果ある反応を期待はできず、む
しろ処理量が増加するデメリットが生ずる。
【0047】但しカルシヤ組成物(DC)は、本発明水
硬性固化材(S)の構成成分として必須成成分であり、
水硬性固化材(S)の構成に必要な量の範囲で酸化カル
シウム等のカルシヤ組成物(DC)が1段目処理で50
重量部の量範囲を超えて添加配合されても水硬性固化材
(S)の構成成分としては構わない。したがって、50
重量部の量範囲を超えて余分に添加配合されたカルシヤ
組成物(DC)は、1段目処理では充填剤として共存し
ており、水硬性固化材(S)としての調製時に効果を発
揮する。
【0048】1段目処理の加熱反応による活性化処理の
処理温度が500℃より低い時には、ケイ酸塩原料
(A)のケイ酸塩とカルシヤ組成物(DC)との反応が
完成されず、目的とする活性ケイ酸塩(C)の生成が望
めない。また、加熱反応による活性化処理の処理温度が
800℃より高い時には、ケイ酸塩原料(A)がシンタ
リングする傾向にあり、目的とするカルシヤ−シリカ
(B)の好適な生成が望めない。
【0049】1段目の処理において、ケイ酸塩原料
(A)に処理剤として添加配合されたカルシヤ組成物
(DC)による加熱反応処理により回収されるカルシヤ
−シリカ(B)は、2段目の処理における水酸化アルカ
リとの反応によって生成するシラノール基を有する活性
ケイ酸塩(C)を容易に生成せしめる原料として重要で
ある。したがって、次いで行う2段目処理の水酸化アル
カリ(DA)による反応処理により、シリカ成分は容易
にシラノール基を生成し、水硬性固化材(S)に必要な
シラノール基を充分に確保することができ、水硬性固化
材(S)としての機能を有効に発揮する。
【0050】また、本発明のケイ酸塩原料(A)が含有
している酸化硫黄は、一般に火山灰中で硫酸カルシウム
を形成しているが、遊離の酸化硫黄が反応処理材として
配合されるカルシヤ組成物(DC)のカルシヤで硫酸カ
ルシウムに固定化される。固定される硫酸カルシウム
は、水硬性固化材(S)の構成に必要にして有効な硫酸
カルシウムを予め共存せしめる効果があり、水硬性固化
材(S)の構成成分に有効である。
【0051】本発明の2段階処理における2段目の処理
は、1段目処理で回収した活性化されたカルシヤ−シリ
カ(B)を原料にして、水酸化アルカリ(DA)により
反応処理して、回収されるシラノール基をする活性ケイ
酸塩(C)を含有遊離水分量が20重量%以下になるよ
うに乾燥等の脱水処理で調製して、本発明の水硬性固化
材(S)の構成成分となる活性ケイ酸塩(C)とするこ
とにある。
【0052】本発明で採択される水酸化アルカリ(D
A)は、下記組成式(2) (式中:Mはリチウム、ナトリウムおよびカリウム元素
群の単独ないしは2種以上の組み合わせで構成されるア
ルカリ金属元素)で表されるアルカリ金属元素の水酸化
物を好適に上げることができる。
【0053】2段目の処理で採択する水酸化アルカリ
(DA)は、リチウム、ナトリウムおよびカリウム群元
素の単独ないしは2種以上の組み合わせで構成される水
酸化アルカリが好適であるが、一般に水酸化アルカリ
(DA)は、入手が容易で安価であることから、水酸化
ナトリウムが最も好適である。しかし、作業性や用途・
目的に応じて、アルカリ金属元素の種類・量・濃度等を
選択し、これら条件を組み合わせて選択することが、本
発明の水硬性固化材(S)を形成させる上で好適であ
る。
【0054】2段目処理で採択するは、酸化硫黄含有火
山灰(AS)および複合ケイ酸塩(AM)を1段目処理
により活性化したカルシヤ−シリカ(B)を乾燥物基準
で100重量部に対して、水酸化アルカリ(DA)を1
5ないしは35重量部の量、さらに必要に応じて水を4
0重量部以下の量で加えて均質混和して活性化反応を行
うことにより活性ケイ酸塩(C)が調製されて回収され
る。
【0055】本発明における2段目処理で採択される水
酸化アルカリ(DA)の配合量が、1段目処理で回収し
たカルシヤ−シリカ(B)100重量部に対して15重
量部の量より少ない時は、水硬性固化材(S)の固化機
能に必要なシラノール基の充分な確保が困難となり好ま
しくない。また水酸化アルカリ(DA)の配合量が35
重量部の量より多い時は、酸化硫黄含有火山灰(AS)
および複合ケイ酸塩(AM)が含有しているケイ酸のシ
ラノール基化を越えて系内に余分なアルカリ金属イオン
を残すことになり、水硬性固化材(S)で形成される固
化体を強いアルカリ性にして好ましくない。
【0056】本発明の2段階処理で採択する水酸化アル
カリ(DA)、例えばNaOHは、濃度が5重量%以上
になると「毒物及び劇物取締法」の適用を受けることか
ら取扱に関しては、充分な注意を払う必要がある。但
し、NaOH濃度が5重量%以下では、法適用の除外項
目にあり、本発明の水硬性固化材(S)を商品化して取
扱の立場からもアルカリ成分(NaOH)濃度を5重量
%以下にすることは好ましい。
【0057】本発明における水硬性固化材(S)は、ケ
イ酸塩原料(A)を原料に2段階処理で回収した活性ケ
イ酸(C)とカルシヤを主成分とするカルシヤ組成物
(DC)の二者で構成される粉末ワンパック複合組成物
(S2)に調製されていることを基本としている。さら
に本発明においては、水硬性固化材(S)により形成さ
れる固化体に求められる特性に応じて、各種の補助組成
物(E)を配合した三者で構成される粉末ワンパック複
合組成物(S3)を調製することができる。
【0058】本発明の水硬性固化材(S)においては、
活性ケイ酸塩(C)を中心に構成されるが、活性ケイ酸
塩(C)の調製時に処理剤として採択したカルシヤ組成
物(DC)を水硬性固化材(S)の必須構成成分として
も採択するところに本発明の特徴がある。しかも、本発
明の水硬性固化材(S)は、耐水性で耐熱性の固化体形
成を可能としており、固化対象となる素材に有害な重金
属類が含有する場合も、これらの重金属類を水不溶性に
固定化し、重金属類の環境への汚染拡散を阻止すること
ができることから、環境問題の解消に貢献することがで
きる。
【0059】本発明の水硬性固化材(S)である粉末ワ
ンパック複合組成物(S2)は、前述したケイ酸塩原料
(A)に2段階の処理により回収した活性ケイ酸塩
(C)を乾燥物基準で100重量部に対して、カルシヤ
組成物(DC)を5ないし200重量部の量割合で二者
を均質に混合することにより製造される。
【0060】さらに粉末ワンパック複合組成物(S3)
は、二者構成の粉状ワンパック複合組成物(S2)を乾
燥物基準で100重量部に対して、補助組成物(E)を
0.1ないし60重量部の量割合の範囲で、また補助組
成物(E)の種類(例えばタネ組成物(E3)等)や水
硬性固化材(S)の用途・目的等に対応して好適には
0.1ないし10重量部の量割合の範囲で、また別の補
助組成物(E)の種類(例えば硫酸根組成物(E2)
等)や水硬性固化材(S)の用途・目的等に対応して好
適には5ないし60重量部の量割合の範囲で三者を均質
に混合することにより、目的に応じて製造することがで
きる。
【0061】補助組成物(E)の配合割合は、水硬性固
化材(S)で固化体形成する時の目的、用途、作業状況
等に応じて別途付加配合されて併用されることも可能で
ある。しかし、水硬性固化材(S)を構成する活性ケイ
酸塩(C)とカルシヤ組成物(DC)を予めワンパック
状態に複合化するに際して、補助組成物(E)を同時に
付加配合して複合組成物としておくことが、作業性効率
を向上させる上から好適である。
【0062】本発明の補助組成物(E)には、下記の4
種類を好適に挙げることができる。 アルカリに易反応性のアルミナ含有化合物等であるア
ルミナ組成物(E1) 硫酸根含有化合物(硫酸・鉄アルミ、明礬等)である
硫酸根組成物(E2) ゼオライト結晶成長タネとするアルミノケイ酸塩であ
るタネ組成物(E3) 組成物(E1)ないしは(E5)2種以上の複数組成
物であ複数補助組成物(E4)
【0063】本発明において、生成固化体の緻密性の向
上と重金属類の固定化のためにゼオライトの生成は重要
である。本発明の活性ケイ酸塩(C)には、原料のケイ
酸塩原料(A)が含有しているアルミナ成分を含有して
いるが、形成固化体中でゼオライトを生成せしめるに必
要にして充分なアルミナ成分が不足する場合がある。こ
うような場合にゼオライトの生成に必要な量のアルミナ
成分を補充するためにアルミナ組成物(E1)の補填が
必要である。
【0064】本発明の水硬性固化材(S)に必要に応じ
て付加配合される補助組成物(E)のアルミナ組成物
(E1)としては、下記組成式(3) (式中:MIIはカルシウム、マグネシウムないし亜鉛
元素群の単独ないし2種以上の組み合わせ元素のaは零
を含む5.0以下の数、wは零を含む9.0以下の数)
で表わされるアルカリ土類金属のアルミン酸塩またはア
ルミナ水和物群の単独ないし2種以上組み合わせで構成
されるアルミニウム化合物を挙げることができる。
【0065】本発明で選択されるアルミナ組成物(E
1)の具体的な例としては、イオン性アルカリに可溶な
アルミナ含有化合物が好適であり、一般には工業薬品で
もある水酸化アルミニウムを好適に挙げることができ
る。さらに、イオン性アルカリに可溶なボーキサイト等
アルミニウム含有の各種化合物や鉱物類を選び、アルミ
ナ補充組成物(E1)として適宜付加配合することがで
きる。
【0066】本発明における水硬性固化材(S)は、基
本的に活性ケイ酸塩(C)とカルシヤ組成物(DC)と
で構成されるが、本発明の水硬性固化材(S)から形成
される固化体の強度を補強する目的で、形成されるポリ
シロキサン結合からなるシリカポリマーのすき間に良質
の硫酸カルシウムの水和物を形成せしめることは有効で
ある。
【0067】本発明においては、活性ケイ酸塩(C)の
ケイ酸塩原料(A)には酸化硫黄を含有する火山灰を選
択していることから、既に系内には硫酸根が共存してい
るが、本発明で調製される固化体にさらなる固化体強度
を求める時は、さらに硫酸根が補充補填されて硫酸カル
シウムの水和物を形成せしめることが有効である。この
硫酸根を補填する補助組成物(E)として、硫酸根組成
物(E2)は有効である。
【0068】本発明の水硬性固化材(S)に必要に応じ
て付加配合される補助組成物(E)の硫酸根組成物(E
2)としては、下記組成式(4) (式中:Mはアルカリ金属元素、MIIはアルカリ土
類金属元素、MIIIは3価のアルミニウムないしは鉄
元素、a、bおよびcは各零を含む20以下の数、wは
零を含む25以下の数、nは2または3の数)で表わさ
れる塩基性塩もしくは正塩のアルカリ金属を含むアルミ
ニウムもしくは鉄の硫酸塩群より選ばれた単独ないしは
2種以上の組み合わせで構成される硫酸根含有化合物を
挙げることができる。
【0069】本発明に好適な硫酸根組成物(E2)とし
て、硫酸アルミニウムを主成分とする明礬組成物(E2
−a)、硫酸カルシウムを主成分とする石こう型組成物
(E2−b)ならびに硫酸ナトリウムを主成分とする芒
硝型組成物(E2−c)、これらを複合させた複合型組
成物(E2−d)の4種類をさらに分類して挙げること
ができる。
【0070】硫酸根組成物(E2)の明礬型組成物(E
2−a)としては、下記組成式(4−a) (式中:Mはアルカリ金属元素、MIIIは3価のア
ルミニウムないしは鉄元素、aは0.2ないし20の
数、bは1ないし20の数、wは零を含む25以下の
数、nは2または3の数)で表わされる塩基性塩もしく
は正塩のアルカリ金属を含むアルミニウムもしくは鉄の
硫黄のオキシ酸塩複塩群より選ばれた単独ないしは2種
以上の組み合わせで構成される明礬型組成物を好適に挙
げることができる。
【0071】一般に、明礬型組成物(E2−a)である
アルカリ金属元素のアルミニウムもしくは鉄の硫黄のオ
キシ酸塩としては、硫酸アルミニウムと硫酸カリウムと
の混合溶液から生成する正八面体のKSO・Al
(SO・24HOの複塩結晶が代表的である。
なお、本発明の硫酸根組成物(E2)としては、(4−
a)式のおけるcが零の場合である硫酸アルミニウムや
硫酸鉄をも好適に採択することができる。
【0072】さらに、本発明においては、固化対象材料
に重金属類が含有されていても、その重金属類を水不溶
性に固定化することができる。この場合、重金属類であ
るひ素を固定化する機能性を有する鉄イオンの共存は有
効である。したがって、本発明の水硬性固化材(S)に
鉄イオンが共存することは、特にひ素やクロム等の重金
属類の水不溶化が可能となり、本発明の水硬性固化材
(S)にとって有効である。
【0073】硫酸根組成物(E2)の石こう型組成物
(E2−b)としては、下記組成式(4−b) (式中:aは1ないし20の数、bは零を含む10以下
の数、a≧b、wは零を含む2以下の数、nは2または
3の数)で表わされる塩基性塩もしくは正塩のカルシウ
ムを主成分として、マグネシウムをも含む硫黄のオキシ
酸塩の群より選ばれた単独ないしは2種以上の組み合わ
せで構成されるアルカリ土類金属の硫黄塩である石こう
型組成物を好適に挙げることができる。
【0074】アルカリ土類金属の硫黄塩である石こう型
組成物(E2−b)は、天然産または複分解方式の合成
石こう(化学石こう)、副生石こう(排煙脱硫石こうや
化学工業における廃硫酸処理等、例えばリン酸石こう)
が一般的である。カルシウムは、代表的に二水塩、半水
塩ならびに無水塩の3種類の結晶形で分類され、さらに
半水塩で2種類、無水塩で4種類の結晶形に分類され、
計7種類の結晶形がある。
【0075】半水塩の硫酸カルシウムは、二水塩の硫酸
カルシウムを60ないしは150℃の加熱条件下に脱水
処理されて、α−型やβ−型の半水塩の石こうが生成す
る。さらに半水塩の硫酸カルシウムを105ないしは1
200℃の間でそれぞれの加熱条件を与えることにより
4種類の無水塩の硫酸カルシウム、所謂焼石こうが生成
する。
【0076】石こう類は、それぞれ一定の溶解度を有し
ており、水に可溶性である。特に、半水石こうの焼石こ
うは、水と混ぜると二水塩の硫酸カルシウムに戻り、固
化体を形成することから、各種型材、石こうプラスター
として汎用されている。しかし、200℃以上に熱せら
れた無水石こうは、水と混ぜても水溶解性が低く、硬着
性は起き難く、一般的に固化体を形成し難いが、本発明
のアルカリサイドにある無水石こうは反応が起こり、固
化材成分として有効に効果を発揮する。
【0077】本発明で採択される石こう型組成物(E2
−b)として、これらの二水塩、半水塩、無水塩のいず
れの硫酸カルシウムをも採択することが可能である。し
かも、正塩の硫酸カルシムウムだけでなく、遊離のカル
シヤをマグネシヤが共存して、塩基性塩を形成している
硫酸カルシウムを採択することも有効である。
【0078】さらに、本発明の石こう型組成物(E2−
b)として、亜硫酸塩のカルシウムや硫酸マグネシウム
等を共存する複合型硫酸カルシウムを採択することも可
能である。また本発明のアルカリ土類金属の硫酸塩とし
ては、低価格で入手が容易であり、産業廃棄物の副生石
こう類は、本発明の原料として経済的に有利である。
【0079】硫酸根組成物(E2)の芒硝型組成物(E
2−c)としては、下記組成式(4−c) (式中:Mはアルカリ金属元素、eは1ないしは20
の数、wは零を含む20以下の数、nは2または3の
数)で表わされる塩基性塩または正塩のリチウム、ナト
リウム、カリウムであるアルカリ金属の硫黄のオキシ酸
塩群より選ばれた単独ないし2種以上組み合わせで構成
される芒硝型組成物を好適に挙げることができる。
【0080】芒硝型組成物(E2−c)であるナトリウ
ムもしくはカリウムであるアルカリ金属の硫黄のオキシ
酸塩化合物は、芒硝(NaSO・10HOもしく
は無水塩)として天然にも産し、また石灰芒硝である石
こうとの複塩として岩塩産地で産する。工業的には、人
絹結晶芒硝として副生されたり、他の化学工業で副生生
産されている。
【0081】本発明においては、不純物を含む天然産な
らびに工業的合成・副生品いずれの芒硝も採択可能であ
り、さらにカリウム等を含む複塩や塩基性塩も採択可能
であり、さらに炭酸塩が共存している混合塩も、またア
ルカリ土類金属のカルシウムやマグネシウム等の硫酸塩
を含む化合物も採択可能である。
【0082】本発明の硫酸根組成物(E2)における複
合型組成物(E2−d)としては、前記の明礬型組成物
(E2−a)、石こう型組成物(E2−b)および芒硝
型組成物(E2−c)群の2種以上の組み合わせで構成
される複合型組成物を、水硬性固化材(S)ならびに固
化体製造時の作業性や固化体物性に応じて適宜複合内容
を変えて選ぶことができる。
【0083】本発明においては、本発明の水硬性固化材
(S)から形成される固化体中にアルミノケイ酸塩であ
るゼオライト類がマトリックスを構成する一員として形
成されるることが重要である。ゼオライト類の結晶を固
化体中に速やかに成長させるための結晶成長タネとし
て、ゼオライト類の結晶を水硬性固化材(S)中に予め
共存せしめておくことがゼオライト類を効率よく形成せ
しめる上で有効である。
【0084】本発明の水硬性固化材(S)に必要に応じ
て付加配合される補助組成物(E)のタネ組成物(E
3)としては、下記単位格子の化学組成式(5) (式中:Mは原子価nの金属陽イオン、x+yは単位格
子当りの四面体数)で表されるアルミノケイ酸塩でゼオ
ライト構造を有するゼオライトが結晶成長用のタネ組成
物として挙げることができる。
【0085】特に本発明におけるタネ組成物(E3)と
しては、天然品を選ぶこともできるが、結晶成長タネと
しては、工業的に合成され結晶型が定まっている4Aタ
イプの合成ゼオライトが好適である。さらに、これらの
タネとなる合成ゼオライトは、粒径が10μ以下、好む
らくは5μ以下の微細粒子であることが好ましい。
【0086】本発明で採択される補助組成物(E)にお
ける他の態様として、本発明の水硬性固化材(S3)に
求められる性能や機能性によって、前記したアルミナ組
成物(E1)、硫酸根組成物(E2)、タネ組成物(E
3)、硫酸根組成物(E4)、硬化補強組成物(E5)
ないしは硬化調整組成物(E8)群の2種以上の組み合
わせ組成物で構成される粉末状の複数補助組成物(E
6)を挙げることができる。
【0087】複数補助組成物(E6)は、本発明の水硬
性固化材(S)で形成される固化体に求められる目的・
用途ならびに補助的改善に応じて、各種の補助組成物
(E)等を組み合わせて使用することが好まく、補助的
改善を図ると共に、固化体の形成条件ならびに物性に相
乗効果を期待することができる。補助組成物(E)の採
択の種類および組み合わせ内容、さらに量的配合割合等
は、予め行う簡単な予備実験によって決定することがで
きる。
【0088】本発明の水硬性固化材(S)で耐水性で耐
熱性を発揮する固化体を調製する技術・条件は、本発明
者等による先願技術(特開平11−263661、特願
2000−351931、特願2001−83816
等)に開示されている技術・条件に準拠することにより
達成される。即ち、水硬性固化材(S)に対して、水も
しくは必要に応じて固化対象素材と共に均質混和して流
動性ないしは可塑性の変形性混和物を調製し、次いでこ
の変形性混和物を各用途・目的に応じた特定形態に確保
した後、常温固化処理工程に付することにより各分野で
有効活用できる固化体として提供することができる。
【0089】本発明の明細書においては、本発明の水硬
性固化材(S)を評価するために、本発明の水硬性固化
材(S)を用いて、それぞれの条件(実施例参照)によ
り固化体を調製して供試料とし、この供試料の作業性、
強度、重金属類の水溶出等の試験に付し、その結果から
各水硬性固化材(S)の性能を特定した。
【0090】本発明の二者構成のワンパック複合組成物
(S2)または三者構成のワンパック複合組成物(S
3)は、水硬性固化材(S)単独ないしは固化対象素材
と共に水を併用して均質混和物を形成せしめる時、流動
性ないし可塑性状態の単品の変形性混和物または直接の
変形性混和物が調製される。また、単品変形性混和物ま
たは直接変形性混和物に各種の添加素材組成物を併用付
加して均質混和物を形成せしめる時は、流動性ないし可
塑性状態の複合変形性混和物を調製することができる。
【0091】流動性ないしは可塑性の変形性混和物を非
流動性の固化体に変質せしめる固化処理工程は、一般に
変形性混和物を常温を含む400℃以下の大気中もしく
は80℃以下の水中に解放して達成される。この固化処
理工程により変形性混和物は、硬化体に変質するための
反応・養生が進行して固化体として提供される。
【0092】さらにまた、変形性混和物を固化処理工程
に付する条件は、80℃以下の常温ないしは400℃の
範囲で、大気中の常圧は勿論のこと、加圧、減圧、振
動、流し込み、押し込み、鋳込み等の各種条件下で施行
することができる。また、固化処理時の養生条件におい
ても、常温養生のみならず加熱養生、蒸気養生、加圧養
生、減圧養生、特定ガス置換養生等の各種の雰囲気条件
を採択することができる。
【0093】さらに、固化処理工程の雰囲気として、固
化処理工程の実施雰囲気を水中で行うことも可能であ
り、特に固化対象に含水ケイ酸塩素材を選び、水硬性固
化材を配合混和せしめて調製した変形性混和物を充分な
水の存在下もしくは水中で固化処理に付しても、耐水性
で耐熱性の固化体に変質せしめることが可能である。
【0094】本発明の水硬性固化材(S)により、含水
泥状のケイ酸塩素材を固化対象として調製された流動性
ないしは可塑性の変形性混和物が、充分な水共存下また
は水中で常温固化処理工程に付しても固化体を形成する
ことは、軟弱地盤の改良、海底や川底の浚渫土の固化、
ダム等のヘドロや排水処理等における含水泥状泥土を非
流動性に変質せしめて固化体形成が可能であり、含水泥
状泥土を改良・改質土に変質せしめ、含水泥状泥土類を
再利用せしめる処理方法として有効である。
【0095】また、本発明の水硬性固化材(S)を採択
することにより、流動性ないしは可塑性の変形性混和物
を固化処理工程に付して変質せしめた固化体は、その一
軸圧縮強度が少なくとも0.2N/mm以上を発揮
し、さらに配合内容ならびに固化処理工程によっては1
N/mm以上を発揮し、またさらに強度発現を主体と
する配合・条件を選択する時は2N/mm以上の強度
を有する固化体を提供することができる。
【0096】本発明の水硬性固化材(S)を採択するこ
とにより、流動性ないしは可塑性の変形性混和物を調製
するに際して、水硬性固化材(S)が活性ケイ酸塩
(C)とカルシヤ組成物(DC)に加えて、アルミニウ
ム成分や硫酸根等の酸性成分が付加された水硬性固化材
(S)である時には、固化対象のケイ酸塩系素材とで調
製される変形性混和物を常温固化処理工程により、生成
固化体のpH値を11未満に管理することが可能とな
り、処理物の環境へのアルカリによる弊害を解消するこ
とができる。
【0097】本発明水硬性固化材(S)を採択すること
により、固化対象のケイ酸塩系素材やカルシヤ組成物
(DC)が重金属類を含有している場合でも、ここに変
質される固化体は、本発明の常温固化処理工程下にて反
応・養生を進行せしめることにより、固化体中に生成す
るアルミノケイ酸塩あるゼオライトもしくはゼオライト
前駆体が重金属類を取り込んで形成され、水不溶性の塩
類化合物を形成し、含有重金属類が水不溶出状態に固定
化された耐水性で耐熱性の固化体として提供される。
【0098】本発明の水硬性固化材(S)により調製さ
れる流動性ないしは可塑性の変形性混和物は、予め、各
種の特定形態を確保して、常温固化処理工程に付して特
定形態の固化体が提供できる。代表的特定形態として、
粒状体、粉粒体、特定構造体、付着膜体、異層顆粒体、
集合群体、改良改質土等を好適に挙げることができる。
【0099】
【本発明の物性評価試験方法】以下、本発明の水硬性固
化材(S)に係る物性等を評価するため、評価用試験体
の調製方法および試験方法を下記に示す。試験方法は原
則としてJIS規格に準拠するが、評価方法一部におい
て特別な試験方法も採用している。
【0100】1.物性評価用の標準試験体(円柱状試験
体と顆粒状試験体)の調製 本発明の水硬性固化材(S)により調製した固化体の標
準試験体として、モルタル対応の試験方法に準拠して調
製した円柱状試験体と顆粒状試験体の2種類を標準試験
体とした。それぞれの試験体の調製条件は下記の通りで
ある。
【0101】円柱状試験体は、所定量の水硬性固化材
(S)と砂と水とで調製された変形性混和物(G)をφ
50×100mmの円柱状の型に注入充填し、表面をビ
ニールシートで覆った密封状態もしくはオープン状態で
室温(約25℃)にて所定時間(7日または28日間)
反応・養生した後、脱型して円柱状試験体とした。顆粒
状試験体は、所定量の水硬性固化材(S)と水とで調製
された変形性混和物(G)を約2〜6mmの顆粒状に成
型した後、室温(約25℃)もしくは所定温度に所定時
間[標準:25℃×48時間]反応・養生して顆粒状試
験体とした。
【0102】2.固化体強度試験(一軸圧縮強度試験) 固化体強度は、調製した円柱状試験体(n数=3)を、
圧縮強度試験機により一軸方向の圧縮破壊強度試験に付
し、その時の破壊強度を測定しN/mmで表示した。
なお、オープン状態で28日開放養生した試験体が1.
5N/mm以上を示す場合または水中養生もしくは密
閉状態で28日密閉養生した試験体が0.1N/mm
以上を示した場合を「合格」と評価した。しかし、固化
体の用途・目的によっては「合格」評価基準に拘束され
ることなく固化体として採択が可能な場合もある。
【0103】3.顆粒体の強度評価 調製した約5mmφの顆粒状試験体(n数=5)を、2
枚の鉄板の間に挟み、上部に10kgの分銅を静かに載
せて加圧し、この時の10kg加圧により顆粒体が潰れ
なときを顆粒状試験体に顆粒状固化体の「強度あり」と
評価した。
【0104】4.生成固化体の耐水性評価 調製した顆粒状試験体を、約20℃に保たれた水中に1
日間浸漬し、浸漬後の試験体の固化体強度を測定し、固
化体強度が少なくとも50%確保されてている場合を耐
水性「あり」とし、浸漬後の試験体の固化体強度が50
%確保されていない場合を耐水性「なし」と評価した。
【0105】5.生成固化体の耐熱性評価 調製した顆粒状試験体を、室温乾燥後、400℃の電気
オーブン中に2時間暴露し、暴露後の試験体の固化体強
度が少なくとも50%確保されている場合を耐熱性「あ
り」とし、暴露後の試験体の固化体強度が50%確保さ
れていない場合を耐熱性「なし」と評価した。
【0106】6.生成固化体のpH値 水硬性固化材(S)の所定量を固化対象のケイ酸塩素材
に加えて均質に混和した後、混和物を常温で24時間放
置してpH値測定用供試料とした。pH値測定は、供試
料の所定量をビーカーに採り、供試料の5倍量に相当す
る蒸留水を加えて蒸留水中に分散せしめ10分間放置し
た後、その上澄液のpH値をpHメーターで測定した。
【0107】7.重金属類の水溶出試験 調製した顆粒状試験体を、JIS K 0102の規定
に準拠し、旧環境庁告示第13号に定める方法により、
重金属類の水溶出試験を行った。なお、有害重金属とし
ては6価クロム、カドミニウム、鉛、全シアン、ひ素、
総水銀があるが、本実施例では、れら重金属の代表とし
て鉛元素を選び測定した。結果の表示に際し、水溶出試
験における重金属の濃度検出限界以下を「ND」として
表示した。
【0108】
【実施例】本発明の水硬性固化材(S)の製造法につい
て具体的例示を以て以下説明する。但し、活性ケイ酸塩
(C)の原料となるケイ酸塩原料(A)、ならびに必要
に応じて付加配合される補助組成物(E)については、
各具体的例示を参考例において予め説明する。
【0109】[参考例1]本参考例において、活性ケイ
酸塩(B)の原料となるケイ酸塩原料(A)である複合
ケイ酸塩(AM)を構成する粘土質土壌(AC)につい
て説明する。粘土質土壌(AC)としては、層状粘土鉱
物、含水泥土(ヘドロ)ならびに火山灰性粘土から5種
類を選び、その代表的組成と共に下記表R1に示す。
【0110】層状粘土鉱物としてはスメクタイト族の2
−八面体型モンモリロナイト族に分類される酸性白土
(AC−1)を選び、含水泥土としては大阪湾より採取
した海底ヘドロ(AC−2)と隅田川より採取した河川
底ヘドロ(AC−3)を選び、火山灰性粘土としては九
州普賢岳の堆積火山灰である火山灰(AC−4)ならび
に火山灰質粘土である関東ローム(AC−5)をれ選ん
だ。
【0111】
【0112】[参考例2]本参考例において、必要に応
じて水硬性固化材(S)に付加配合される補助組成物
(E)であるアルミナ補充組成物(E1)について説明
する。アルミナ補充組成物(E1)として、市販工業薬
品の中から、易反応性のアルミニウム含有化合物である
水酸化アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、ケイ酸
アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カル
シウムを選んだ。また、廃棄物類の中から易反応性アル
ミニウム化合物を含有する火力発電所排出のフライアッ
シュ粉末、ペーパースラッジを乾留条件下で焼却した炭
−ケイ酸塩の焼却灰を選んだ。各アルミナ補充組成物の
主たる組成成分を表R2に併せ表示する。
【0113】
【0114】[参考例3]本参考例において、必要に応
じて水硬性固化材(S)に付加配合される補助組成物
(E)の硫酸根組成物(E2)である明礬型組成物(E
2−a)、石膏型組成物(E2−b)、芒硝型組成物
(E2−c)ならびに複合型組成物(E2−d)につい
て説明する。 硫酸根補充組成物(E2)は、市販の試
薬や工業薬品、さらに特別な合成品の中から表R3に示
す硫黄のオキシ酸塩化合物を選んだ。また複合型組成物
(E2−d)は、表R3に示す量割合で複合させた硫黄
のオキシ酸塩化合物を選んだ。
【0115】
【0116】[参考例4]本参考例において、必要に応
じて水硬性固化材(S)に付加配合される補助組成物
(E)であるタネ組成物(E3)について説明する。タ
ネ組成物(E3)としては、市販工業薬品のなかからア
ルミノケイ酸塩でAl/Si原子比が4,2で、環員数
が8であり、4Aタイプと称せられており、2次粒径が
20μ以下の微粉末である合成ゼオライト(E3−1)
ならびに天然ゼオライト(山形県産:E3−2)を選ん
だ。
【0117】[参考例5]本参考例において、必要に応
じて水硬性固化材(S)に付加配合される補助組成物
(E)である複数補助組成物(E4)について説明す
る。複数補助組成物(E4)は、必要な補助組成物
(E)を均質混合して調製し、構成する各補助組成物
(E)の内容と配合比率は表R4に併せ表示する。
【0118】
【0119】[実施例1]本実施例において、酸化硫黄
含有火山灰(AS)または酸化硫黄含有火山灰(AS)
に粘土質土壌(AC)が加った複合ケイ酸塩(AM)か
らなるケイ酸塩原料(A)に対して、カルシヤ組成物
(DC)を加えて2段階の処理を施すことして調製した
活性ケイ酸塩(C)について説明する。
【0120】ケイ酸塩原料(A)の酸化硫黄含有火山灰
(AS)としては、三宅島より採取した酸化硫黄含有火
山灰(AS−1)を選んだ。また複合ケイ酸塩(AM)
としては、三宅島で採取した酸化硫黄含有火山灰(AS
−1)を乾燥物基準で100重量部に対して、参考例1
に示した酸性白土(AC−1)、海底ヘドロ(AC−
2)ならびに関東ローム(AC−5)をそれぞれ30重
量部の量で均質に加えて調製した複合ケイ酸塩(AM)
3種類を選んだ。それぞれの代表的組成内容を表1に表
示する。
【0121】
【0122】2段階の処理では、酸化硫黄含有火山灰
(AS)または酸化硫黄含有火山灰(AS)に粘土質土
壌(AC)を加えた複合ケイ酸塩(AM)からなるケイ
酸塩原料(A)に対して、カルシヤ組成物(DC)を加
えて熱反応処理してシリカ−カルシヤ(B)を回収する
1段目の処理、さらにシリカ−カルシヤ(B)にアルカ
リ金属の水酸化物(DA)を加えて反応処理する2段目
の処理で活性ケイ酸塩(C)を回収する。
【0123】1段目の処理では、ケイ酸塩原料(A)を
乾燥物基準で100重量部に対して、水を18重量部加
えた後、カルシヤ組成物(DC)として生石灰(Ca
O:DC−1)を選び、表2に示す量割合で加えて三者
を均質混和せしめた混和物を500ないし800℃に確
保された電気炉中で約1時間反応せしめてカルシヤ−シ
リカ(B)を回収した。
【0124】2段目の処理では、1段目の処理で回収し
たカルシヤ−シリカ(B)を乾燥物基準で100重量部
に対して、アルカリ金属の水酸化物(DA)として苛性
ソーダ(NaOH)を選び、苛性ソーダならびに水を表
2に示す量割合で加えて均質混和せした混和物を常温
(発熱あり)で約1時間反応せしめて活性ケイ酸塩
(C)を回収した。ここに回収した活性ケイ酸塩(C)
は、水分を20重量%になるように乾燥による脱水処理
をして、粉末状の活性ケイ酸塩(C)に調製して回収し
た。
【0125】なお、本発明における技術的効果を比較評
価するための比較例として、本実施例における2段階処
理において、ケイ酸塩原料(A)を1段目の処理のみ、
もしくは1段目の処理なしの2段目の処理のみで処理し
た場合の処理物を調製して、比較例として評価した。
【0126】比較例において、1段目の処理のみで回収
した処理火山灰を比較例活性ケイ酸塩(HC−1)とし
た。一方ケイ酸塩原料(A)に1段目の処理を施さず、
直接2段目の処理である苛性ソーダならびに水を加えて
均質混和せしめて約1時間反応せしめた処理火山灰物を
比較例活性ケイ酸塩(HC−2)とした。これらの処理
における配合割合等を表2に併せ表示する。
【0127】ここに調製回収した各活性ケイ酸塩(C)
の評価は、ここに調製回収した活性ケイ酸塩(C)を構
成成分とする水硬性固化材(S)を調製したところ、即
ち実施例2以降において水硬性固化材(S)を調製した
固化体における諸物性を測定して、その値から評価し
た。
【0128】
【0129】[実施例2]本実施例において、酸化硫黄
含有火山灰(AS)または複合ケイ酸塩(AC)からな
るケイ酸塩原料(A)で調製された活性ケイ酸塩(C)
とカルシヤ組成物(DC)の二者構成による粉末ワンパ
ック複合組成物(S3)の水硬性固化材(S)について
説明する。
【0130】活性ケイ酸塩(C)としては、実施例1に
示した2段階処理で調製した活性ケイ酸塩(C)を選ん
だ。カルシヤ組成物(DC)としては、酸化カルシウム
(DC−1)なたびに水酸化カルシウム(DC−1)の
2種類を選んだ。二者構成の粉末ワンパック複合組成物
(S2)の水硬性固化材(S)の調製は、表3に示す種
類と量割合(乾燥物基準)で活性ケイ酸塩(C)とカル
シヤ組成物(DC)をワンパック状に均質混合して各ワ
ンパック複合組成物(S2)を製造した。
【0131】ここに製造した各水硬性固化材(S)を評
価するために、物性評価試験方法に準拠して、表3に示
す量割合の水硬性固化材(S)と砂(3号品)と水とで
試験体を調製し、固化体強度試験(7日)、耐水性評価
ならびに耐熱性評価を行った。
【0132】
【0133】また、従来型技術における比較例として、
常温で固化体形成を可能にする固化剤としてポルトラン
ドセメントおよび酸硬化型水ガラス[2号水ガラス+リ
ン酸アルミニウム+水]の2種類を選び、表3に示す配
合内容で固化体を調製した。なお、実施例1で調製した
2種類の比較例活性ケイ酸塩(CH)による比較例水硬
性固化材で調製した固化体ならびに従来型技術による比
較例固化体についても実施例同様に固化体強度試験(7
日)、耐水性評価ならびに耐熱性評価を行った。それら
の結果を表3に併せ表示する。
【0134】以上の結果、酸化硫黄含有火山灰(AS)
をケイ酸塩原料(A)として調製した活性ケイ酸塩
(C)とカルシヤ組成物(DC)の二者構成で調製され
る粉末ワンパック複合組成物(S2)からなる水硬性固
化材(S)が、耐水性ならびに耐熱性を発揮して強度を
有する固化体を有効に形成することが良く理解される。
【0135】[実施例3]本実施例において、酸化硫黄
含有火山灰(AS)または複合ケイ酸塩(AM)からな
るケイ酸塩原料(A)で調製された活性ケイ酸塩(C)
とカルシヤ組成物(DC)[酸化カルシウム:DC−1
および水酸化カルシウム:DC−2]の二者構成で調製
される粉状ワンパック複合組成物(S2)に、さらに補
助組成物(E)を付加配合した三者構成で調製される粉
末ワンパック複合組成物(S3)の水硬性固化材(S)
について説明する。
【0136】三者構成の粉末ワンパック複合組成物(S
3)を構成する二者構成の粉末ワンパック複合組成物
(S2)は、実施例2で調製した二者構成の粉末ワンパ
ック複合組成物(S2)より選び、粉末ワンパック複合
組成物(S3)を構成する補助組成物(E)は、参考例
2ないしは参考例5に示した補助組成物(E)[アルミ
ナ組成物(E1)、硫酸根組成物(E2)、タネ組成物
(E3)ならびに複数補助組成物(E4)]より選ん
だ。
【0137】三者構成で調製される粉末ワンパック複合
組成物(S3)の水硬性固化材(S)は、二者構成の粉
末ワンパック複合組成物(S2)に対して、アルミナ組
成物(E1)、硫酸根組成物(E2)、タネ組成物(E
3)ならびに複数補助組成物(E4)より選んだ補助組
成物(E)を表4に示す量割合で均質混合して、各水硬
性固化材(S)を製造した。
【0138】ここに製造した粉末ワンパック複合組成物
(S3)を評価するために、物性評価試験方法に準拠し
て、表4に示す量割合で調製した粉末ワンパック複合組
成物(S3)と砂(3号品)と水とで試験体を調製し、
固化体強度試験(7日)、耐水性評価ならびに耐熱性評
価を行った。それらの結果を表4に併せ表示する。
【0139】
【0140】以上の結果、酸化硫黄含有火山灰(AS)
をケイ酸塩原料(A)として調製した活性ケイ酸塩
(C)とカルシヤ組成物(DC)の二者構成のワンパッ
ク複合組成物(S2)に、さらに各種の硬化補助組成物
(E)を添加配合した三者構成のワンパック複合組成物
(S3)が、補助組成物(E)の機能性をしめして、耐
水性ならびに耐熱性を発揮して強度を有する固化体を有
効に形成せしめることが良く理解される。
【0141】[実施例4]本実施例において、酸化硫黄
含有火山灰(AS)または複合ケイ酸塩(AC)からな
るケイ酸塩原料(A)で調製された活性ケイ酸塩(C)
とカルシヤ組成物(DC)の二者構成の水硬性固化材
(S2)、さらに補助組成物(E)を添加配合した三者
構成の水硬性固化材(S3)を採択して調製した固化体
の諸物性に関して、既に記載した固化体強度、耐水性な
らびに耐熱性以外の諸物性について説明する。
【0142】ワンパック複合組成物(S2)ならびにワ
ンパック複合組成物(S3)としては、実施例2および
実施例3で調製した水硬性固化材(S)の中から選ん
だ。本実施例における固化体に関する諸物性は、前述し
た物性評価試験方法に準拠して、生成固化体のpH値な
らびに重金属類の水溶出について測定した。
【0143】なお、本実施例における重金属類の水溶出
試験を含む諸物性の試験測定に際して、固化対象とする
素材として、実施例1で選んだ複合ケイ酸塩(AM)の
中から海底ヘドロ(AC−2)を選んだ。海底ヘドロ
(AC−2)が含有する重金属類は、金属元素基準(単
位:mg/Kg)で表して、Pb:8.6、Hg:0.
05、As:4.3、Cd:0.1、Cr:12であ
り、pH値は7.8であった。
【0144】試験体の調製法は、固化対象素材の含水海
底ヘドロ(AC−2)を乾燥物基準に換算してで100
重量部に相当する量対して、表5に示した水硬性固化材
(S)の種類と量を直接加えて均質混和後、密閉中の常
温に7日放置して供試料試験体とした。
【0145】なお、本発明技術の効果を明確化するた
め、従来技術で汎用されているポルトランドセメントを
常温における比較水硬性固化材に選び、海底ヘドロ(A
C−2)を固化対象として実施例同様にして試験体を調
製して比較例(HS3−1)とし、その測定結果を表5
に併せ表示した。なお、比較例に用いたポルトランドセ
メントが含有する重金属類は、金属元素基準(単位:m
g/Kg)で表して、Pb:54、Hg:0.1、A
s:7.4、Cd:1.2、Cr:80であった。
【0146】
【0147】以上の結果、海底ヘドロを固化対象とし
て、酸化硫黄含有火山灰(AS)をケイ酸塩原料(A)
として調製した活性ケイ酸塩(C)とカルシヤ組成物
(DC)の二者構成のワンパック複合組成物(S2)に
より調製した固化体が、有用強度を有して耐水性で耐熱
性を発揮するのみならず、ワンパック複合組成物(S
2)含有のアルカリ成分を固定化して固化体のpH値を
押さえ、しかも比較例におけるポルトランドセメントの
場合と異なり、固化対象素材に共存する重金属類を水不
溶に固定化し、有害重金属類の環境への拡散を阻止しす
る機能が良く理解される。
【0148】
【発明の効果】本発明の効果は、酸化硫黄含有火山灰を
原料にして無公害型水硬性固化材の製造法を提供するこ
とにより、製造された水硬性固化材が耐水性で耐熱性を
発揮する固化体形成を常温で可能にしており、しかもこ
こに形成される固化体が重金属類の水不溶性化機能を有
しており、酸化硫黄含有火山灰を有用な無公害型水硬性
固化材として有効に利用できる共に環境問題の解消にも
貢献できることにある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大久保 一宏 東京都北区西が丘三丁目13番10号 東京都 立産業技術研究所内 (72)発明者 小坂 幸夫 東京都北区西が丘三丁目13番10号 東京都 立産業技術研究所内 (72)発明者 市毛 省三 茨城県水戸市城東二丁目4番28号 (72)発明者 内藤 七絵 東京都港区南青山六丁目6番20号 (72)発明者 内藤 博之 東京都港区南青山六丁目6番20号 Fターム(参考) 4H026 CA06 CB05 CC06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケイ酸塩原料(A)に対して2段階の活
    性化処理により回収される活性ケイ酸塩(C)にカルシ
    ヤ組成物(DC)を混和せしめた二者で構成される粉末
    ワンパック複合組成物(S2)に調製される水硬性固化
    材(S)の製造法において;上記のケイ酸塩原料(A)
    が、乾燥物基準で主成分であるシリカをSiOで表し
    て38ないしは72重量%、アルミナをAlで表
    して9ないしは22重量%、酸化鉄をFeで表し
    て3ないし15重量%および酸化硫黄をSOで表して
    4ないし14重量%含有している酸化硫黄含有火山灰
    (AS)であり;上記の2段階の活性化処理が、ケイ酸
    塩原料(A)に対してカルシヤ組成物(DC)を加熱反
    応せしめてカルシヤ−シリカ(B)を回収する1段目処
    理、ならびにカルシヤ−シリカ(B)に対して水酸化ア
    ルカリ(DA)を混合反応せしめて活性ケイ酸塩(C)
    を回収する2段目処理との組み合わせ処理であり;上記
    のカルシヤ組成物(DC)が、下記組成式(1) (式中:wは零を含む10以下の数)で表わされるカル
    シヤ化合物より選ばれた単独ないしは2種以上の組み合
    わせで構成されるカルシヤ成分をCaOで表して少なく
    とも70重量%含有しているカルシヤ化合物であり;上
    記の1段目処理が、ケイ酸塩原料(A)を乾燥物基準で
    100重量部に対して、必要に応じて水を25重量部以
    下の量で、カルシヤ組成物(DC)を5ないしは50重
    量部の量範囲で均質混合した混合物を500ないし80
    0℃の雰囲気に暴露する加熱反応処理に付してカルシヤ
    −シリカ(B)を回収する処理であり;上記の水酸化ア
    ルカリ(DA)が、下記組成式(2) (式中:Mはリチウム、ナトリウムおよびカリウム元素
    群の単独ないしは2種以上の組み合わせで構成されるア
    ルカリ金属元素)で表されるアルカリ金属元素の水酸化
    物であり;上記の2段目処理が、1段目処理により回収
    したカルシヤ−シリカ(B)100重量部に対して、水
    酸化アルカリ(DA)を15ないしは35重量部の量、
    さらに必要に応じて水を40重量部以下の量で加えた均
    質混和物を反応処理と乾燥処理に付して含有遊離水分量
    を20重量%以下になるように調製してシラノール基を
    有する活性ケイ酸塩(C)を回収する処理であり;上記
    の水硬性固化材(S)が、活性ケイ酸塩(C)を乾燥物
    基準で100重量部に対してカルシヤ組成物(DC)を
    5ないし200重量部の量割合で均質混和された二者で
    構成される粉末ワンパック複合組成物(S2)に調製さ
    れていることを特徴とする水硬性固化材の製造法。
  2. 【請求項2】 前記のケイ酸塩原料(A)が酸化硫黄含
    有火山灰(AS)と粘土質鉱物(AC)の複合ケイ酸塩
    (AM)であり;上記の粘土質鉱物(AC)が、乾燥物
    基準において含有シリカをSiOで表して20ないし
    は80重量%ならびに含有アルミナをAlで表し
    て5ないしは50重量%含有している岩石類の風化物を
    主成分とする粘土質ケイ酸塩であり;上記のケイ酸塩原
    料(A)が、粘土質鉱物(AC)ならびに酸化硫黄含有
    火山灰(AS)との複合ケイ酸塩(AM)中に酸化硫黄
    含有火山灰(AS)を50重量%以上含有している複合
    ケイ酸塩(AM)である請求項1記載の水硬性固化材の
    製造法。
  3. 【請求項3】 前記の二者で構成される粉末ワンパック
    複合組成物(S2)に補助組成物(E)を加えた三者で
    構成される粉末ワンパック複合組成物(S3)に調製さ
    れている水硬性固化材(S)の製造法において;前記の
    補助組成物(E)が、下記組成式(3) (式中:MIIはカルシウム、マグネシウムないし亜鉛
    元素群の単独ないしは2種以上の組み合わせ元素、aは
    零を含む5.0以下の数、wは零を含む9.0以下の
    数)で表わされるアルカリ土類金属のアルミン酸塩また
    はアルミナの水和物の群の単独ないし2種以上の組み合
    わせアルミニウム化合物で構成されるアルミナ組成物
    (E1)であり;上記の水硬性固化材(S)が、二者構
    成のワンパック複合組成物(S2)を乾燥物基準で10
    0重量部に対して、補助組成物(E)を0.1ないし6
    0重量部の量割合で均質混和された三者で構成される粉
    末ワンパック複合組成物(S3)に調製されている請求
    項1ないし2記載の水硬性固化材の製造法。
  4. 【請求項4】 前記の補助組成物(E)が、下記組成式
    (4) (式中:Mはアルカリ金属元素、MIIはアルカリ土
    類金属元素、MIIIは3価のアルミニウムないしは鉄
    元素、a,bおよびcは各零を含む20以下の数、wは
    零を含む25以下の数、nは2または3の数)で表わさ
    れる塩基性塩もしくは正塩のアルカリ金属を含むアルミ
    ニウムもしくは鉄の硫黄のオキシ酸塩群より選ばれた単
    独ないしは2種以上の組み合わせ硫黄のオキシ酸塩で構
    成される硫酸塩組成物(E2)である請求項3記載の水
    硬性固化材の製造法。
  5. 【請求項5】 前記の補助組成物(E)が、下記単位格
    子化学組成式(5) (式中:Mは原子価nの金属陽イオン、x+yは単位格
    子当りの四面体数)で表されるアルミノケイ酸塩を主成
    分とするゼオライトもしくはゼオライト前駆体群(ゼオ
    ライト類)で構成されるあタネ組成物(E3)である請
    求項3記載の水硬性固化材の製造法。
  6. 【請求項6】 前記の補助組成物(E)が、アルミナ組
    成物(E1)、硫酸塩組成物(E2)もしくはタネ組成
    物(E3)群の2種以上の組み合わせ組成物で構成され
    る粉末の複数補助組成物(E6)である請求項3記載の
    水硬性固化材の製造法。
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