JP2003112421A - 液滴吐出装置およびインクジェット記録ヘッド - Google Patents

液滴吐出装置およびインクジェット記録ヘッド

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JP2003112421A
JP2003112421A JP2002221528A JP2002221528A JP2003112421A JP 2003112421 A JP2003112421 A JP 2003112421A JP 2002221528 A JP2002221528 A JP 2002221528A JP 2002221528 A JP2002221528 A JP 2002221528A JP 2003112421 A JP2003112421 A JP 2003112421A
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ejection
droplet discharge
ink
droplet
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Kazuo Sanada
和男 眞田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液滴を吐出する多数のノズル、各ノズルに対応
するヒータやアクチュエータ等の吐出手段毎に(従っ
て、ノズル毎に)形成される個別インク流路等、個々の
液滴吐出毎に独立した液体供給手段を不要とした、新規
な液滴吐出装置、および、これを利用するインクジェッ
ト記録ヘッドを提供する。 【解決手段】少なくとも液滴吐出面に連通する3次元的
な空隙を有する液体保持体と、各々が、前記液体保持体
の前記3次元的な空隙に保持された液体の一部に吐出エ
ネルギを印加して、微細液滴を前記液滴吐出面から吐出
する複数の吐出デバイスからなるアレイとを有し、前記
アレイの各吐出デバイスに応じた前記微細液滴が、吐出
されることにより、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク液滴吐出面
から開放された空間にインク液滴を吐出させて飛翔さ
せ、記録もしくは塗装するインクジェット装置等に利用
される液滴吐出装置の技術分野に属し、詳しくは、個々
の吐出単位に対する個別の液体流路を有さない、新しい
構造を有する液滴吐出装置、および、この液滴吐出装置
を利用するインクジェット記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】ヒータによる加熱でインクの一部を急速
に気化させ、その膨張力等によってインク液滴をノズル
から吐出させる、サーマルインクジェット方式が各種の
プリンタやプロッタに利用されている(特開昭48−9
622号公報、同54−51837号公報等参照)。ま
た、静電気やピエゾ素子等を利用するアクチュエータで
振動板を振動して、そのエネルギによってインク液滴を
ノズルから吐出させる、静電方式や圧電方式のインクジ
ェットプリンタやインクジェットプロッタも知られてい
る(特開平11−309850号公報等参照)。
【0003】インクジェット方式による画像記録を行う
インクジェット記録ヘッドは、一般的に、一方向に配列
された多数のノズル、個々のノズルに対応して配置され
るヒータやアクチュエータ等のインク吐出手段、各吐出
手段(ノズル)にインクを供給する個別のインク流路あ
るいは各吐出手段毎のインク室、個別インク流路あるい
はインク室にインクを供給する共通のインク流路を有し
て構成される。また、共通のインク流路には、プリンタ
(ヘッドユニット)に装着されるインクタンクから、イ
ンクジェット記録ヘッドが装着されるフレームに形成さ
れるインク供給路を経て、インクが供給される。
【0004】このようなインクジェット記録ヘッドは、
微細な加工が可能な半導体製造技術を利用して製造され
ており、600npi(ノズル/インチ)を超える、高
いノズル密度を有するものも実現されている。しかしな
がら、上述のような構成を有する従来のインクジェット
記録ヘッドには、多数のノズル、各ノズルに対応する吐
出手段にインクを供給する個別のインク流路やインク室
等が必要であり、これが、さらなる微細化の妨げになる
場合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点を解消し、インクジェット記録ヘッド
等に利用される液滴吐出装置であって、液滴を吐出する
多数のノズル、各ノズルに対応するヒータやアクチュエ
ータ等の吐出手段毎に(従って、ノズル毎に)形成され
る個別インク流路等、個々の液滴吐出毎に独立した液体
供給手段を不要とした、新規な液滴吐出装置、および、
これを利用するインクジェット記録ヘッドを提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の第1の態様は、少なくとも液滴吐出面に連
通する3次元的な空隙を有する液体保持体と、各々が、
前記液体保持体の前記3次元的な空隙に保持された液体
の一部に吐出エネルギを印加して、微細液滴を前記液滴
吐出面から吐出する複数の吐出デバイスからなるアレイ
とを有し、前記アレイの各吐出デバイスに応じた前記微
細液滴が、吐出されることを特徴とする液滴吐出装置を
提供するものである。
【0007】ここで、前記アレイの各吐出デバイスは、
個々に駆動されるのが好ましい。あるいは、前記アレイ
のいくつかの吐出デバイスは、1つの駆動源によって同
時に駆動されても良い。また、前記液体保持体は、少な
くとも前記液滴吐出面およびこの液滴吐出面に向かう方
向と略直交する方向に連通する3次元的な空隙を有する
薄い多孔質体であるのが好ましい。また、前記多孔質体
は、少なくとも前記液滴吐出面およびこの液滴吐出面に
向かう方向と略直交する膜面方向に連通する3次元的な
空隙を有する多孔質膜であるのが好ましい。
【0008】また、前記アレイの各吐出デバイスは、前
記多孔質体の前記液滴吐出面と逆側に配置され、前記多
孔質体内の液体の一部を前記液滴吐出面に向かう方向に
押動する押動手段であるのが好ましい。また、前記押動
手段は、前記多孔質体とともにその内部の液体を前記液
滴吐出面に向かう方向に押動するアクチュエータである
のが好ましく、また、前記アクチュエータは、バイモル
フ型のピエゾ素子であるのが好ましい。また、前記多孔
質体は、弾性を有し、前記押動手段は、前記多孔質体の
前記液滴吐出面の逆側の面に実質的に接触して配置され
るのが好ましい。
【0009】また、前記押動手段は、前記微細液滴とな
る液体を加熱するヒータを利用して、気泡を発生させ、
前記多孔質体内の液体の一部を前記液滴吐出面に向かう
方向に押動するものであるのが好ましい。また、前記吐
出デバイスは、前記液体保持体の前記液滴吐出面の逆側
の面に実質的に接触して配置されるのが好ましい。ま
た、前記微細液滴のサイズは、駆動されるアクチュエー
タのサイズによって規定されるのが好ましい。
【0010】さらに、本発明の第2の態様は、上記の各
液滴吐出装置をインクの吐出手段として、そのまま用い
る、または、一次元的、二次元的もしくは三次元的に配
列して用いることを特徴とするインクジェット記録ヘッ
ドを提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の液滴吐出装置、お
よび、この液滴吐出装置を用いる本発明のインクジェッ
ト記録ヘッドについて、添付の図面に示される好適実施
例を基に詳細に説明する。
【0012】図1(A)および(B)に、本発明のイン
クジェット記録ヘッドの一例の概略斜視図を示す。図1
(A)および(B)に示されるインクジェット記録ヘッ
ド(以下、単に記録ヘッドとする)10は、本発明の液
滴吐出装置を利用するものであって、基本的に、基板1
2と、図中に矢印xで示される一方向に配列される多数
のアクチュエータ14からなるアクチュエータアレイ
と、多孔質膜16とを有するものである。なお、図1
(B)においては、多孔質膜16は点線で示している。
【0013】図示例の記録ヘッド10においては、多孔
質膜16の上面(基板12と逆側の面(以下、こちら側
を表面(液滴吐出面)側とし、基板12の側を裏面側と
する))が液滴の吐出面である。また、図示例において
は、1つのアクチュエータ14が、微細インク液滴の吐
出単位、すなわち、通常の(インクジェット)記録ヘッ
ドにおける1つのノズルに対応し、このアクチュエータ
14の配列(アレイ)方向(矢印x方向、以下、主走査
方向とする)が、通常の記録ヘッドにおける、いわゆる
ノズル列方向である。従って、この記録ヘッド10でイ
ンクジェットによる画像を記録する際には、多孔質膜1
6の表面を受像紙P(図1(A)に点線で示す)に対面
させて、主走査方向と直交する副走査方向(矢印y方
向)に、記録ヘッド10と受像紙とを相対的に移動しつ
つ、記録画像に応じて後述するようにアクチュエータ1
4を変調駆動してインク(微細液滴)を吐出することに
より、画像記録を行う。
【0014】図示例の記録ヘッド10は、例えば半導体
製造技術を利用してSiウエハに形成されるものであ
り、基板12は、例えばSi基板である。図1(B)に
示されるように、このような基板12の表面には、アク
チュエータ14が形成され、さらに、基板12には、ア
クチュエータ14を駆動するためのLSIや配線等が形
成される。
【0015】また、図示例においては、各アクチュエー
タ14の間には、基板12を貫通して、後述する多孔質
膜16にインク( 液体) を供給するインク供給孔18が
穿孔される。従って、インク供給孔18には、この記録
ヘッド10が搭載されるユニットに装着されるインクタ
ンク等のインク供給源が接続される。なお、本発明にお
いて、多孔質膜16へのインクの供給は、このような基
板12に形成された貫通孔に限定はされず、多孔質膜1
6の端部(端面)からインクを供給してもよく、両者を
併用してもよい。
【0016】アクチュエータ14は、多孔質膜16をそ
の内部に保持されている液体とともに膜面と直交する方
向(すなわちインク液滴の吐出方向)に向かって押動し
て押し上げることにより、多孔質膜16内に保持された
インクを微細液滴として吐出させる吐出デバイスとして
機能するものである。前述のように、図示例では、1つ
のアクチュエータ14が、微細液滴の1つの吐出単位と
なる。ここで、1つのアクチュエータ14によって吐出
される1つの吐出単位の微細液滴は、一個の微細液滴で
あっても、複数の微細液滴の集合体であっても良いし、
複数の微細液滴の集合体である場合には、個々の微細液
滴は完全に分離されていなくても良く、一部が結合した
ものであっても良い。図示例においては、一例として、
アクチュエータ14は、PZTを用いたバイモルフ構造
のアクチュエータを利用して、多孔質膜16を押し上げ
るための押動手段として機能する。
【0017】本発明において、アクチュエータ14に
は、特に限定はなく、利用する多孔質膜16からの微細
液滴吐出に必要な押動力と駆動量(押し上げのストロー
ク)を有するものであれば、各種の膜振動手段が利用可
能である。具体的には、ピエゾ素子等の圧電素子(圧電
アクチュエータ)を利用するアクチュエータ、静電方式
のインクジェット記録ヘッドのように静電気で振動板を
振動させるアクチュエータ、サーマルインクジェット記
録ヘッドのように、ヒータによってインク(液体)を急
速に加熱して気化させ(、気泡を発生させ)ることによ
り、気化したインク(気泡)の圧力によって多孔質膜1
6内に保持されているインクを押圧する(押し出す)ま
たは押動するアクチュエータ等が利用可能である。
【0018】図示例の記録ヘッド10においては、基板
12の表面全面を覆うようにして、多孔質膜16が配置
される。本発明において、多孔質膜16は、少なくとも
膜面方向および空間に開放された表面(すなわち液滴吐
出面)に連通する三次元的な空隙を有する多孔質の膜で
あって、例えば、スポンジのようにして、インク供給孔
18から供給されたインクを毛管現象によって全域に移
送して含浸し、かつ保持する。多孔質膜16は、その裏
面側にアクチュエータ14が位置するように配置され、
好ましくはその裏面側が実質的にアクチュエータ14に
接触した状態で配置される。また、多孔質膜16は、ア
クチュエータ14による押動によって変位して、保持し
ているインク(液体)を微細液滴として吐出する。図2
に、本発明の記録ヘッド10(液滴吐出装置)におけ
る、インク液滴の吐出および飛翔の概念を示す。
【0019】記録ヘッド10においては、前述のよう
に、インク供給孔18から多孔質膜16に供給されたイ
ンクが、毛管現象によって多孔質膜16の全域に移送さ
れ、かつ、保持された状態となっている。すなわち、ア
クチュエータ14の前に実質的に接触して所定厚のイン
クの薄膜が形成されたような状態となっている。
【0020】図2(A)に示される非駆動状態から、ア
クチュエータ14に駆動エネルギが供給されると、アク
チュエータ14は、図2(B)に示されるように、実質
的に接触している多孔質膜16を表面方向に押動し、変
位させる。このアクチュエータ14の変位によって、こ
の領域の多孔質膜16に保持されているインクに押動方
向の慣性力(吐出エネルギ)が与えられ、図2(B)〜
(C)に示されるように、インクは、インク液滴dとし
て多孔質膜16から飛び出し、インク液滴dとして飛翔
する。なお、駆動したアクチュエータ14は、図2
(D)に示されるように、即座に非駆動状態に戻る。す
なわち、インクを連続的に吐出する際には、アクチュエ
ータ14は、多孔質膜16を振動させるような状態とな
る。
【0021】図示例においては、アクチュエータ14
は、多孔質膜16に実質的に接触した状態で配置されて
おり、多孔質膜16自体を押動して、その内部に保持さ
れているインクに慣性力(吐出エネルギ)を付与してい
るが、本発明はこれに限定されず、アクチュエータ14
を多孔質膜16との間に隙間を開けて配置し、この隙間
をインクで満たし、すなわち両者の隙間にインクの層を
介在させ、この隙間に介在するインクをアクチュエータ
14によって押動して慣性力を付与することにより、こ
れに続く(すなわち接している)、多孔質膜16内に含
浸されているインクに慣性力を付与しても良い。この
時、多孔質膜16は、変形しても良いし、変形しなくて
も良い。
【0022】なお、前述のヒータを用いるサーマルタイ
プのアクチュエータの場合には、インクの気化によって
発生した気泡によって、直接、多孔質膜内に含浸されて
いるインクを押圧してインクに慣性力を付与して、また
は、多孔質膜に接するインクを押動して慣性力を付与す
ることにより、これに続く、多孔質膜内に含浸されてい
るインクを押圧してインクに慣性力を付与して、微細液
滴として液体吐出面から吐出させても良い。この場合に
は、多孔質膜を変形させても良いし、変形させなくても
良い。あるいは、サーマルタイプの場合には、弾性(柔
軟性)を有する多孔質膜を用い、インクの気化(気泡)
によって多孔質膜を押し潰し、その押し潰しの力、なら
びに、インクの気化(気泡)による押圧によって、多孔
質膜に含浸されるインクを微細液滴として吐出させても
良い。すなわち、この例においては、インクを連続的に
吐出する際には、多孔質膜は、アクチュエータによって
連続的に「凹→復元」を繰り返す状態となる。
【0023】また、インク液滴dの吐出等によって多孔
質膜16のインクが無くなった領域には、図2(C)〜
(D)に矢印で示されるように、毛管現象によって、速
やかに多孔質膜16の他の領域からインクが移送され、
再度、インクを含浸/保持した状態となり、いわゆるリ
フィルが行われる。
【0024】以上の説明から明らかなように、本発明に
おいては、多孔質膜16の三次元的な空隙(細孔)が、
ノズル、ノズル等のインク液滴の吐出単位への個別のイ
ンク供給路、各インクの吐出単位に共通のインク供給手
段、インクの吐出位置におけるインク保持体、インク液
滴量の規制手段を兼ねている。すなわち、本発明は、多
孔質膜16および多孔質膜の押動手段で記録ヘッドを構
成することにより、従来の記録ヘッドでは必須の構成要
件であった、インク液滴の吐出単位を構成するノズル、
各ノズル毎の個別のインク流路やインク室、これらにイ
ンクを供給する供給インク流路の無い、全く新しい(イ
ンクジェット)記録ヘッド(液滴吐出装置)を実現して
いる。
【0025】本発明において、多孔質膜16としては、
所定量のインクを不要に外部に流出することなく保持
し、かつ、アクチュエータ14の駆動によって、所定量
のインクを微細液滴として吐出(好ましくは、対応する
領域のインク全部を吐出)できるものであれば、各種の
材料が利用可能である。また、アクチュエータ14の1
回の駆動で吐出される1吐出単位の微細液滴の体積は、
基本的に、多孔質膜16の厚さおよび多孔率、アクチュ
エータ14の面積やストロークや押動力や押動速度等に
よって決定される。
【0026】従って、本発明においては、吐出するイン
ク液滴の1吐出単位の液量、利用するインクの種類(粘
度や比重等)などに応じて、目的とするインクの吐出を
実現できるように、剛性、弾性や柔軟性(特に、前述の
ヒータを用いるタイプの場合)、孔径、多孔率(空隙
率)、厚さ、等を考慮して多孔質膜16を構成する多孔
質材を選択し、また、必要な押動力(押圧力)や押動速
度、ストローク等を考慮して、アクチュエータ14を選
択/設計すればよい。
【0027】具体的には、多孔質膜16は、孔径が0.
01μm〜10μm程度のものを用いればよい。多孔質
膜16の具体的な好適例としては、ミクロ相分離法(相
転換法)で生産されているPSE(孔径0.1μm〜
0.45μm 富士写真フイルム社製)等が例示され
る。
【0028】本発明においては、多孔質膜16は、三次
元的な空隙で膜面方向および膜厚方向に連通するととも
に最終的に表面(液滴吐出面)に連通するもので、か
つ、裏面側にアクチュエータ14が配置されるものであ
れば良く、好ましくは、実質的にアクチュエータ14の
表面に接触していればよい。従って、例えば、インクか
らアクチュエータ14等を保護するために、多孔質膜1
6とアクチュエータ14との間(あるいはさらに、イン
ク供給孔18の部分を除く基板12との間)に、非イン
ク通過性のシート等を有してもよい。あるいは、多孔質
膜16の押動を妨害しなければ、各アクチュエータ14
に対応するインク吐出用の開口が形成されたシート(プ
レート)を多孔質膜16の表面に配置してもよい。
【0029】このような本発明の記録ヘッド10(液滴
吐出装置)は、前述のように、Siウエハ等を用いて、
公知の半導体製造技術を利用して製造すればよい。
【0030】ところで、インクジェットによる画像記録
において、例えば、600dpiの記録密度を実現する
ためには、仮に1dotを40μm×40μmとして、
最高濃度のベタ画像(均一濃度画像)が可能なように、
図3(A)および(B)に点線で示すようなインク液滴
の吐出が必要となる。この際において、受像紙Pとイン
クとの接触角を30°とすると、1dotで約10pL
(リットル)のインク液滴が必要である。すなわち、こ
の例においては、図3(C)に概念的に示されるよう
に、1回のアクチュエータ14の駆動で、1dot=4
0μm×40μm×6.25μmのインク液滴の吐出が
可能なように、記録ヘッド10を構成する多孔質膜16
の厚さおよび多孔率、さらには、アクチュエータ14の
面積やストローク等を選択/設定すればよい。
【0031】ここで、インクジェットによる画像記録の
高速化には、1dotのインク液滴量を低減するのが効
果的であることが知られている。本発明者の検討によれ
ば、例えば図4(A)および(B)に示されるように、
600dpiに対応する40μm×40μmを10μm
×10μmの16ブロックに分割(以下、この分割され
たドットをs−dotとする)して、s−dotによる
16個の微細インク液滴(点線)で1dotを構成する
ことにより、接触角が同じ30°であれば、0.16p
L×16=2.56pLのインク量で、最高濃度のベタ
画像が表現できる。すなわち、インク量を約7pL低減
できる。
【0032】本発明の記録ヘッドにおいては、図5に示
されるように、40μm×40μmの1dotに対応す
る液滴吐出領域に、10μm×10μmのs−dotに
対応する16個のアクチュエータ20を配列するととも
に、図4(C)に概念的に示されるように、1つのs−
dotにつき、1回のアクチュエータ20の駆動で、s
−dot=10μm×10μm×1.6μmの微細イン
ク液滴の吐出が可能なように、多孔質膜16の厚さおよ
び多孔率、さらには、アクチュエータ20のストローク
等を選択/設定すれば、これを実現できる。
【0033】従来の(インクジェット)記録ヘッドで、
この図4に示されるような画像記録を実現するために
は、2400npi(ノズル/インチ)相当のノズル列
を4列並べる必要があり、実質的に不可能である。これ
に対し、本発明の記録ヘッドは、前述のように、半導体
製造技術を利用して作成することができ、アクチュエー
タの微細化等は容易である。しかも、個別インク流路や
共通インク流路を有さないという構成上、従来の記録ヘ
ッドと異なり、アクチュエータ20すなわちs−dot
に対応する微細インク液滴吐出単位を二次元的に配列す
ることも、容易に可能である。さらに、図4に示される
記録方法によれば、dotの厚さ方向のサイズを減らす
ことができるので、多孔質膜16の厚さ、アクチュエー
タ20のストロークや押動力等を大幅に低減でき、アク
チュエータ20の選択性やコスト等の点で、より有利に
なる。
【0034】本発明の記録ヘッド(液滴吐出装置)にお
いて、1dotを複数のs−dotで表現する場合に
は、各s−dotに対応するアクチュエータ20を別々
に駆動する必要はなく、複数あるいは図5に示されるよ
うに全部のアクチュエータ20を1つの駆動源で同時に
駆動してもよい。また、この際には、図5中に点線で示
すように、アクチュエータ20の間隙にインク供給孔2
2を形成してもよい。さらに、1dotの分割数も16
に限定はされず、例えば、同じく600dpiの画像記
録において、5μm×5μmをs−dotとして、8×
8の64のs−dotで1dotを表現してもよい。
【0035】二次元的なアクチュエータ(インク吐出手
段)の配列が容易な本発明においては、1dotを表現
するインク吐出単位を副走査方向に複数配列して、時分
割的に画像を記録することにより、各アクチュエータ毎
のインク吐出量を低減することも可能である。例えば、
図4に示されるような、16個のs−dotで1dot
を表現する際において、図6に概念的に示されるよう
に、4×4=16個のs−dotで1dotを表現する
インク吐出単位を副走査方向(矢印y方向)に2つ配列
して、時分割によるインク吐出で1dotの濃度を表現
してもよい。これにより、単純計算では、1回のアクチ
ュエータ20の駆動で吐出するインクのdot厚さ方向
のサイズを0.8μmにできる。また、このような1d
otを表現するインク吐出単位の数は、2以上であって
もよく、例えば、同様に16個配列することにより、単
純計算では、同サイズを0.1μmにでき、より、アク
チュエータ20のストロークや押動力等を大幅に低減で
き、アクチュエータ20の選択性やコスト等の点で有利
になる。
【0036】上述した例では、本発明の液体保持体とし
て、多孔質膜16を用いているが、本発明はこれに限定
されず、少なくとも液滴吐出面に連通する3次元的な空
隙を有する液体保持体であれば、どのようなものでも良
く、例えば、厚みが薄い多孔質体であっても良い。さら
に、本発明の液体保持体としては、ゲル状のインクを保
持することのできる交換可能な多孔質フィルムやゲルイ
ンク担持多孔質フィルムなどであっても良い。このよう
な多孔質フィルムは、インク液を補充するための液系や
ポンプなどの駆動系等が不要であるので、交換が容易で
あることから、多孔質フィルム自体を交換して印刷や塗
布や塗工を行うことができ、取扱が容易であり、ディス
ポーザブルタイプとすることもでき、液体吐出装置、ひ
いてはインクジェット記録ヘッドを小型化することが可
能であるという効果も有する。
【0037】なお、本発明のインクジェット記録ヘッド
は、図1に示す記録ヘッド10のように、アクチュエー
タが一次元的に配列された本発明の液滴吐出装置をその
まま一次元ヘッドとして用いるものであっても良いし、
本発明の液滴吐出装置を一次元的に配列して長尺なライ
ン(一次元)ヘッドとして用いるものであっても良い
し、図5に示す記録ヘッドのように、アクチュエータが
二次元的に配列された本発明の液滴吐出装置をそのまま
二次元ヘッドとして用いるものであっても良く、また、
アクチュエータが一次元的に配列された本発明の液滴吐
出装置をアクチュエータの配列方向と直交する方向に複
数配列して二次元ヘッドとして用いるものであっても良
い。
【0038】さらに、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドは、アクチュエータが三次元的に配列された本発明の
液滴吐出装置をそのまま用いるものであっても良いし、
アクチュエータが一次元的または二次元的に配置された
本発明の液滴吐出装置を三次元的に配列して用いるもの
であっても良い。例えば、一次元ヘッドまたは二次元ヘ
ッドを円筒形のドラムの外表面の形状に合わせて三次元
的に配置した三次元ヘッドを本発明のインクジェット記
録ヘッドとして用いて、ドラムの外表面に被着された受
像紙に記録するようにしても良い。
【0039】以上、本発明の液滴吐出装置およびインク
ジェット記録ヘッドについて詳細に説明したが、本発明
は、上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいの
は、もちろんである。例えば、以上の例は、本発明の液
滴吐出装置をインクジェットプリンタに利用した例であ
るが、本発明はこれに限定はされず、各種の液滴吐出装
置に利用可能であり、インクジェット記録ヘッド以外に
も、微小なパターンで接着剤を塗布する装置等にも、好
適に利用可能である。
【0040】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、従来は必須であったノズル、各ノズルへの個別
のインク供給路、各個別インク供給路への共通インク供
給路等を有さない、新規な液滴吐出装置、および、この
液滴吐出吐出手段を利用する新規なインクジェット記録
ヘッドが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)および(B)は、本発明のインクジェ
ット記録ヘッドの一例の概略斜視図である。
【図2】 (A)〜(D)は、図1に示されるインクジ
ェット記録ヘッドからのインク液滴の吐出を説明するた
めの概念図である。
【図3】 (A)〜(C)は、本発明のインクジェット
記録ヘッドによる画像記録の一例を説明するための概念
図である。
【図4】 (A)〜(C)は、本発明のインクジェット
記録ヘッドによる画像記録の別の例を説明するための概
念図である。
【図5】 本発明のインクジェット記録ヘッドの別の例
の概略図である。
【図6】 本発明のインクジェット記録ヘッドによる画
像記録の別の例を説明するための概念図である。
【符号の説明】
10 (インクジェット)記録ヘッド 12 基板 14,20 アクチュエータ 16 多孔質膜 18,22 インク供給孔

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも液滴吐出面に連通する3次元的
    な空隙を有する液体保持体と、 各々が、前記液体保持体の前記3次元的な空隙に保持さ
    れた液体の一部に吐出エネルギを印加して、微細液滴を
    前記液滴吐出面から吐出する複数の吐出デバイスからな
    るアレイとを有し、 前記アレイの各吐出デバイスに応じた前記微細液滴が、
    吐出されることを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 【請求項2】前記液体保持体は、少なくとも前記液滴吐
    出面およびこの液滴吐出面に向かう方向と略直交する方
    向に連通する3次元的な空隙を有する薄い多孔質体であ
    る請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. 【請求項3】前記多孔質体は、少なくとも前記液滴吐出
    面およびこの液滴吐出面に向かう方向と略直交する膜面
    方向に連通する3次元的な空隙を有する多孔質膜である
    請求項2に記載の液滴吐出装置。
  4. 【請求項4】前記アレイの各吐出デバイスは、前記多孔
    質体の前記液滴吐出面と逆側に配置され、前記多孔質体
    内の液体の一部を前記液滴吐出面に向かう方向に押動す
    る押動手段である請求項2または3に記載の液滴吐出装
    置。
  5. 【請求項5】前記押動手段は、前記多孔質体とともにそ
    の内部の液体を前記液滴吐出面に向かう方向に押動する
    アクチュエータである請求項4に記載の液滴吐出装置。
  6. 【請求項6】前記アクチュエータは、バイモルフ型のピ
    エゾ素子である請求項5に記載の液滴吐出装置。
  7. 【請求項7】前記多孔質体は、弾性を有し、 前記押動手段は、前記多孔質体の前記液滴吐出面の逆側
    の面に実質的に接触して配置される請求項4〜6のいず
    れかに記載の液滴吐出装置。
  8. 【請求項8】前記押動手段は、前記微細液滴となる液体
    を加熱するヒータを利用して、気泡を発生させ、前記多
    孔質体内の液体の一部を前記液滴吐出面に向かう方向に
    押動するものである請求項4に記載の液滴吐出装置。
  9. 【請求項9】前記吐出デバイスは、前記液体保持体の前
    記液滴吐出面の逆側の面に実質的に接触して配置される
    請求項1〜3のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  10. 【請求項10】前記微細液滴のサイズは、駆動される吐
    出デバイスのサイズによって規定される請求項1〜9の
    いずれかに記載の液滴吐出装置。
  11. 【請求項11】請求項1〜9のいずれかに記載の液滴吐
    出装置をインクの吐出手段として、そのまま用いる、ま
    たは、一次元的、二次元的もしくは三次元的に配列して
    用いることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100339218C (zh) * 2003-12-15 2007-09-26 佳能株式会社 压电膜元件及其制造方法和液体吐出头

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