JP2003109722A - 発熱体 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 温度制御装置や自己温度制御機能などによっ
て所定の温度域を保持できるように構成された発熱体に
おいて、発熱体の全部位の異常を、精度良く監視できる
保安装置を内蔵する発熱体を提供する。 【解決手段】 発熱体を発熱抵抗体4と、前記発熱抵抗
体4に熱的に結合されると共に、電気的に直列に接続さ
れてなり、正抵抗温度特性により、大きな抵抗値の変化
桁数を有する面状の保護抵抗体5とから構成すること
で、発熱抵抗体が通常発熱温度を越える発熱を生じた場
合、面状均熱発熱状態から線状の電圧集中発熱状態に移
行し、発熱抵抗体4に比較して保護抵抗体5の抵抗値が
遥かに大きくなり、直列接続回路の電流を大きく抑制
し、実質的に発熱抵抗体4は発熱停止状態となる。
て所定の温度域を保持できるように構成された発熱体に
おいて、発熱体の全部位の異常を、精度良く監視できる
保安装置を内蔵する発熱体を提供する。 【解決手段】 発熱体を発熱抵抗体4と、前記発熱抵抗
体4に熱的に結合されると共に、電気的に直列に接続さ
れてなり、正抵抗温度特性により、大きな抵抗値の変化
桁数を有する面状の保護抵抗体5とから構成すること
で、発熱抵抗体が通常発熱温度を越える発熱を生じた場
合、面状均熱発熱状態から線状の電圧集中発熱状態に移
行し、発熱抵抗体4に比較して保護抵抗体5の抵抗値が
遥かに大きくなり、直列接続回路の電流を大きく抑制
し、実質的に発熱抵抗体4は発熱停止状態となる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、暖房、加熱、乾燥
などの熱源として用いることのできる発熱体に関するも
のである。
などの熱源として用いることのできる発熱体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の発熱体としては、例え
ば、特開昭60−180084号公報に記載されるよう
なものがあった。図7は前記公報に記載された発熱体の
断面図であり、図7(a)は正常時、図7(b)は異常
発熱時の状態を示す。図7に示しているように、従来の
発熱体は、常用発熱温度よりも高温の所定温度におい
て、熱分解反応によりガスを生成する常時固体の化合物
22を、発熱体21の内部に混入するものである。発熱
体が何らかの異常によって燃焼したり、電極間のスパー
クによって燃焼したりすることを想定すると、そのよう
な状態に至る過程で、常用発熱温度を越える高温状態が
必ず発生する。この状態では、発熱体の内部に混入され
た化合物22は熱分解反応を生じ、ガスによる空間2
2’を生成し、発熱体を膨張させるとともに発熱体の導
電経路を遮断する。この作用によって、抵抗体が異常加
熱や燃焼などを未然に防止するものであった。
ば、特開昭60−180084号公報に記載されるよう
なものがあった。図7は前記公報に記載された発熱体の
断面図であり、図7(a)は正常時、図7(b)は異常
発熱時の状態を示す。図7に示しているように、従来の
発熱体は、常用発熱温度よりも高温の所定温度におい
て、熱分解反応によりガスを生成する常時固体の化合物
22を、発熱体21の内部に混入するものである。発熱
体が何らかの異常によって燃焼したり、電極間のスパー
クによって燃焼したりすることを想定すると、そのよう
な状態に至る過程で、常用発熱温度を越える高温状態が
必ず発生する。この状態では、発熱体の内部に混入され
た化合物22は熱分解反応を生じ、ガスによる空間2
2’を生成し、発熱体を膨張させるとともに発熱体の導
電経路を遮断する。この作用によって、抵抗体が異常加
熱や燃焼などを未然に防止するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術による安全機能は瀬戸際的な安全機能であって、こ
のような機構が動作しないような発熱体が望まれる。最
終安全機構としては一定の価値があるが、従来の技術に
よる安全機能を保安装置として位置付けることには無理
があった。この種の発熱体は、通常、温度制御装置や自
己温度制御機能などによって所定の温度域を保持できる
ように構成されており、万一、このような温度制御が失
われたときには温度ヒューズなどの温度過昇防止装置が
機能して、異常過熱を未然に防止する保安装置が組み込
まれている。
技術による安全機能は瀬戸際的な安全機能であって、こ
のような機構が動作しないような発熱体が望まれる。最
終安全機構としては一定の価値があるが、従来の技術に
よる安全機能を保安装置として位置付けることには無理
があった。この種の発熱体は、通常、温度制御装置や自
己温度制御機能などによって所定の温度域を保持できる
ように構成されており、万一、このような温度制御が失
われたときには温度ヒューズなどの温度過昇防止装置が
機能して、異常過熱を未然に防止する保安装置が組み込
まれている。
【0004】しかし、このような保安装置は部分的な温
度監視に限定されるために、加熱面が大面積の場合など
は保安装置を数多く設ける必要があった。また、その対
策として、過熱検知センサー線を張り巡らせたり、面状
温度センサーなどを組込む方法があるが、製品構成上の
制約があったり、別途、制御回路が必要になるなど、実
用面では致命的とも言える制約となっていた。このよう
に、従来の発熱体は、保安機能の不充分な点を認識し、
構成面の工夫で安全性を確保できる用途についてのみ使
用されてきた。また、従来の発熱体の中で、正抵抗温度
特性発熱体は自己保安機能内蔵型という区分で見られが
ちであるが、このような発熱体であっても、1部品故障
時の安全対策として、温度ヒューズなどの保安装置が組
込まれることが多い。このように、発熱体自身に自己保
安機能を内蔵できるならば、従来の課題は解消し、これ
まであきらめていたような用途で使用できたり、また、
考えられないほど簡素な構成になるなど、非常に大きな
価値を引き出すものと考えられる。
度監視に限定されるために、加熱面が大面積の場合など
は保安装置を数多く設ける必要があった。また、その対
策として、過熱検知センサー線を張り巡らせたり、面状
温度センサーなどを組込む方法があるが、製品構成上の
制約があったり、別途、制御回路が必要になるなど、実
用面では致命的とも言える制約となっていた。このよう
に、従来の発熱体は、保安機能の不充分な点を認識し、
構成面の工夫で安全性を確保できる用途についてのみ使
用されてきた。また、従来の発熱体の中で、正抵抗温度
特性発熱体は自己保安機能内蔵型という区分で見られが
ちであるが、このような発熱体であっても、1部品故障
時の安全対策として、温度ヒューズなどの保安装置が組
込まれることが多い。このように、発熱体自身に自己保
安機能を内蔵できるならば、従来の課題は解消し、これ
まであきらめていたような用途で使用できたり、また、
考えられないほど簡素な構成になるなど、非常に大きな
価値を引き出すものと考えられる。
【0005】本発明は、発熱体の全ての部分の異常の有
無を、瀬戸際に至る前に、発熱体自身が、精度良く、常
時監視できる保安機能を内蔵する発熱体を提供するもの
で、発熱体の設計の自由度を増し、より多様な用途に応
用できるようにすることを目的とする。
無を、瀬戸際に至る前に、発熱体自身が、精度良く、常
時監視できる保安機能を内蔵する発熱体を提供するもの
で、発熱体の設計の自由度を増し、より多様な用途に応
用できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記従来の課題を解決す
るために、本発明の発熱体は、発熱抵抗体と、前記発熱
抵抗体に熱的に結合されると共に、電気的に直列に接続
されてなり、正抵抗温度特性により、大きな抵抗値の変
化桁数を有する面状の保護抵抗体とからなる発熱体であ
って、前記保護抵抗体が前記発熱抵抗体に比較して抵抗
値の配分比率が小さく、前記発熱抵抗体が主体的に発熱
する通常発熱状態と、前記発熱抵抗体の通常発熱温度を
越える発熱が生じた場合、前記保護抵抗体の温度が所定
温度以上に増大し、その温度域における正抵抗温度係数
による抵抗値増大によって、前記保護抵抗体の抵抗値の
配分比率が高まることによって応分の発熱量を増大させ
ると共に、前記保護抵抗体は前記発熱量増大による温度
増大、前記温度増大による抵抗値増大、前記抵抗値増大
による抵抗値配分比率の増大、前期抵抗値配分比率の増
大による発熱量増大の過程を繰り返し、前記保護抵抗体
の熱拡散能力を越える電力密度に到達し、面状均熱発熱
状態から線状の電圧集中発熱状態に移行し、前記集中発
熱部分が大幅に高抵抗化することにより、前記発熱抵抗
体に比較して前記保護抵抗体の抵抗値が遥かに大きくな
り、直列接続回路に印加される電圧の大半を前記保護抵
抗体が受け持つと共に、前記直列接続回路の電流を抑制
する実質的に発熱停止状態となる発熱停止状態とを有す
るようにしたものである。
るために、本発明の発熱体は、発熱抵抗体と、前記発熱
抵抗体に熱的に結合されると共に、電気的に直列に接続
されてなり、正抵抗温度特性により、大きな抵抗値の変
化桁数を有する面状の保護抵抗体とからなる発熱体であ
って、前記保護抵抗体が前記発熱抵抗体に比較して抵抗
値の配分比率が小さく、前記発熱抵抗体が主体的に発熱
する通常発熱状態と、前記発熱抵抗体の通常発熱温度を
越える発熱が生じた場合、前記保護抵抗体の温度が所定
温度以上に増大し、その温度域における正抵抗温度係数
による抵抗値増大によって、前記保護抵抗体の抵抗値の
配分比率が高まることによって応分の発熱量を増大させ
ると共に、前記保護抵抗体は前記発熱量増大による温度
増大、前記温度増大による抵抗値増大、前記抵抗値増大
による抵抗値配分比率の増大、前期抵抗値配分比率の増
大による発熱量増大の過程を繰り返し、前記保護抵抗体
の熱拡散能力を越える電力密度に到達し、面状均熱発熱
状態から線状の電圧集中発熱状態に移行し、前記集中発
熱部分が大幅に高抵抗化することにより、前記発熱抵抗
体に比較して前記保護抵抗体の抵抗値が遥かに大きくな
り、直列接続回路に印加される電圧の大半を前記保護抵
抗体が受け持つと共に、前記直列接続回路の電流を抑制
する実質的に発熱停止状態となる発熱停止状態とを有す
るようにしたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、発熱抵
抗体と、前記発熱抵抗体に熱的に結合されると共に、電
気的に直列に接続されてなり、正抵抗温度特性により、
大きな抵抗値の変化桁数を有する面状の保護抵抗体とか
らなる発熱体である。通常の発熱状態では、保護抵抗体
は発熱抵抗体に比較して抵抗値の配分比率が小さく、直
列回路であるために発熱量は抵抗値に比例し、前記発熱
抵抗体が主体的に発熱する。発熱抵抗体が通常発熱温度
を越える発熱を生じた場合、前記保護抵抗体も熱的に結
合されているために所定温度以上に増大する。前記保護
抵抗体は正抵抗温度特性を有するために抵抗値は増大
し、直列回路において、抵抗値の配分比率が高まるため
に応分の発熱量を増大させる。その結果、保護抵抗体は
発熱量増大による温度増大、温度増大による抵抗値増
大、抵抗値増大による抵抗値配分比率の増大、抵抗値配
分比率の増大による発熱量増大の過程を繰り返し、保護
抵抗体の熱拡散能力を越える電力密度に到達し、面状均
熱発熱状態から線状の電圧集中発熱状態に移行し、前記
集中発熱部分が正抵抗温度特性の最大抵抗値の近辺まで
大幅に高抵抗化することにより、発熱抵抗体に比較して
保護抵抗体の抵抗値が遥かに大きくなり、直列回路に印
加される電圧の大半を保護抵抗体が受け持つと共に、直
列回路の電流を大きく抑制し、実質的に発熱抵抗体は発
熱停止状態となる。
抗体と、前記発熱抵抗体に熱的に結合されると共に、電
気的に直列に接続されてなり、正抵抗温度特性により、
大きな抵抗値の変化桁数を有する面状の保護抵抗体とか
らなる発熱体である。通常の発熱状態では、保護抵抗体
は発熱抵抗体に比較して抵抗値の配分比率が小さく、直
列回路であるために発熱量は抵抗値に比例し、前記発熱
抵抗体が主体的に発熱する。発熱抵抗体が通常発熱温度
を越える発熱を生じた場合、前記保護抵抗体も熱的に結
合されているために所定温度以上に増大する。前記保護
抵抗体は正抵抗温度特性を有するために抵抗値は増大
し、直列回路において、抵抗値の配分比率が高まるため
に応分の発熱量を増大させる。その結果、保護抵抗体は
発熱量増大による温度増大、温度増大による抵抗値増
大、抵抗値増大による抵抗値配分比率の増大、抵抗値配
分比率の増大による発熱量増大の過程を繰り返し、保護
抵抗体の熱拡散能力を越える電力密度に到達し、面状均
熱発熱状態から線状の電圧集中発熱状態に移行し、前記
集中発熱部分が正抵抗温度特性の最大抵抗値の近辺まで
大幅に高抵抗化することにより、発熱抵抗体に比較して
保護抵抗体の抵抗値が遥かに大きくなり、直列回路に印
加される電圧の大半を保護抵抗体が受け持つと共に、直
列回路の電流を大きく抑制し、実質的に発熱抵抗体は発
熱停止状態となる。
【0008】請求項2に記載の発明は、発熱抵抗体も正
抵抗温度特性を有するものであり、発熱抵抗体は自己温
度制御機能によって所定の温度域を保持する機能を有す
る。発熱抵抗体と直列に接続されている保護抵抗体は、
通常は抵抗値が低く、発熱抵抗体が主体的に発熱する。
この発熱抵抗体が正抵抗温度特性による自己温度制御機
能にもかかわらず、通常の発熱温度域を越える発熱を生
じた場合、発熱抵抗体と直列に接続されている保護抵抗
体は抵抗値を増大させて、最終的には線状発熱線状の電
圧集中発熱状態に移行し、集中発熱部分が正抵抗温度特
性の最大抵抗値の近辺まで大幅に高抵抗化することによ
り、発熱抵抗体に比較して保護抵抗体の抵抗値が遥かに
大きくなり、直列回路に印加される電圧の大半を保護抵
抗体が受け持つと共に、直列回路の電流を大きく抑制
し、実質的に発熱抵抗体は発熱停止状態となる。
抵抗温度特性を有するものであり、発熱抵抗体は自己温
度制御機能によって所定の温度域を保持する機能を有す
る。発熱抵抗体と直列に接続されている保護抵抗体は、
通常は抵抗値が低く、発熱抵抗体が主体的に発熱する。
この発熱抵抗体が正抵抗温度特性による自己温度制御機
能にもかかわらず、通常の発熱温度域を越える発熱を生
じた場合、発熱抵抗体と直列に接続されている保護抵抗
体は抵抗値を増大させて、最終的には線状発熱線状の電
圧集中発熱状態に移行し、集中発熱部分が正抵抗温度特
性の最大抵抗値の近辺まで大幅に高抵抗化することによ
り、発熱抵抗体に比較して保護抵抗体の抵抗値が遥かに
大きくなり、直列回路に印加される電圧の大半を保護抵
抗体が受け持つと共に、直列回路の電流を大きく抑制
し、実質的に発熱抵抗体は発熱停止状態となる。
【0009】請求項3に記載の発明は、発熱抵抗体が面
状であり、発熱抵抗体と保護抵抗体が面方向に隣接され
て一体に形成されてなるものであり、面状発熱体を形成
するとともに、発熱抵抗体と保護抵抗体との熱的結合を
可能にする。発熱抵抗体と保護抵抗体の直列回路によ
り、発熱抵抗体は通常発熱状態と実質的な発熱停止状態
とを有する。
状であり、発熱抵抗体と保護抵抗体が面方向に隣接され
て一体に形成されてなるものであり、面状発熱体を形成
するとともに、発熱抵抗体と保護抵抗体との熱的結合を
可能にする。発熱抵抗体と保護抵抗体の直列回路によ
り、発熱抵抗体は通常発熱状態と実質的な発熱停止状態
とを有する。
【0010】請求項4に記載の発明は、発熱抵抗体ある
いは保護抵抗体の少なくとも一方が電気的に並列に分割
されているものである。電気的に並列に分割されること
によって、発熱抵抗体あるいは保護抵抗体は冗長設計が
可能となる。特に、発熱抵抗体は外的要因によって部分
的に断線する場合が想定され、部分断線であっても、断
線箇所に電圧ストレスが集中する現象などによって全面
断線に至る場合がある。そのような場合に、複数に分割
することによって、発熱量の低下を最小限にとどめるこ
とができる。また、保護抵抗体も外的要因によって部分
的に断線する場合が想定され、断線箇所に電圧ストレス
が集中する現象などによって、電圧集中発熱現象が保護
抵抗体の全体に拡大する場合がある。複数に分割するこ
とによって、このような現象を防止できるので、発熱抵
抗体が通常発熱状態にあるにもかかわらず、保安動作に
よって実質的に発熱停止状態となるようなことを避ける
ことができる。
いは保護抵抗体の少なくとも一方が電気的に並列に分割
されているものである。電気的に並列に分割されること
によって、発熱抵抗体あるいは保護抵抗体は冗長設計が
可能となる。特に、発熱抵抗体は外的要因によって部分
的に断線する場合が想定され、部分断線であっても、断
線箇所に電圧ストレスが集中する現象などによって全面
断線に至る場合がある。そのような場合に、複数に分割
することによって、発熱量の低下を最小限にとどめるこ
とができる。また、保護抵抗体も外的要因によって部分
的に断線する場合が想定され、断線箇所に電圧ストレス
が集中する現象などによって、電圧集中発熱現象が保護
抵抗体の全体に拡大する場合がある。複数に分割するこ
とによって、このような現象を防止できるので、発熱抵
抗体が通常発熱状態にあるにもかかわらず、保安動作に
よって実質的に発熱停止状態となるようなことを避ける
ことができる。
【0011】請求項5に記載の発明は、複数に分割され
た各々の発熱抵抗体には、発熱抵抗体毎に独立に形成さ
れた保護抵抗体が接続され、発熱抵抗体と保護抵抗体と
からなる直列接続回路を一対の給電電極間に電気的に並
列に配列させて、一体に形成されてなるものである。発
熱抵抗体と保護抵抗体とからなる直列接続回路を分割し
ないで形成すると、この発熱体は、広域での温度異常が
あった場合には保護抵抗体の抵抗値に反映できるが、局
所的に温度異常があった場合には保護抵抗体の抵抗値に
は反映されない。また、保護動作によって実質的な発熱
停止状態になれば、発熱体全体が機能を停止してしまう
が、複数に分割することにより、発熱体の部位毎に異常
の有無を検出して、異常部分のみ実質的な発熱停止状態
とすることが可能になる。分割が多いほど、あるいは、
細分化されるほど、発熱体の異常検出精度が高まり、保
安装置としての機能が大幅に改善されるとともに、保安
動作した場合の発熱体の損傷も軽減される。
た各々の発熱抵抗体には、発熱抵抗体毎に独立に形成さ
れた保護抵抗体が接続され、発熱抵抗体と保護抵抗体と
からなる直列接続回路を一対の給電電極間に電気的に並
列に配列させて、一体に形成されてなるものである。発
熱抵抗体と保護抵抗体とからなる直列接続回路を分割し
ないで形成すると、この発熱体は、広域での温度異常が
あった場合には保護抵抗体の抵抗値に反映できるが、局
所的に温度異常があった場合には保護抵抗体の抵抗値に
は反映されない。また、保護動作によって実質的な発熱
停止状態になれば、発熱体全体が機能を停止してしまう
が、複数に分割することにより、発熱体の部位毎に異常
の有無を検出して、異常部分のみ実質的な発熱停止状態
とすることが可能になる。分割が多いほど、あるいは、
細分化されるほど、発熱体の異常検出精度が高まり、保
安装置としての機能が大幅に改善されるとともに、保安
動作した場合の発熱体の損傷も軽減される。
【0012】請求項6に記載の発明は、複数に分割され
た各々の発熱抵抗体には、発熱抵抗体毎に独立に形成さ
れた保護抵抗体が接続され、発熱抵抗体と保護抵抗体と
からなる直列接続回路を、発熱抵抗体と保護抵抗体の順
序を交互に変えて、一対の給電電極間に電気的に並列に
配列させて一体に形成されてなるものである。保護抵抗
体は通常発熱状態ではほとんど発熱しないので、発熱体
のその部分の温度はやや低下する。特に、並列方向で保
護抵抗体を並べると、温度が低い部分が連続的に形成さ
れてしまうが、並列方向で発熱抵抗体と保護抵抗体を交
互に入れ替えて配置することにより、保護抵抗体部分の
温度低下を抑制できる。
た各々の発熱抵抗体には、発熱抵抗体毎に独立に形成さ
れた保護抵抗体が接続され、発熱抵抗体と保護抵抗体と
からなる直列接続回路を、発熱抵抗体と保護抵抗体の順
序を交互に変えて、一対の給電電極間に電気的に並列に
配列させて一体に形成されてなるものである。保護抵抗
体は通常発熱状態ではほとんど発熱しないので、発熱体
のその部分の温度はやや低下する。特に、並列方向で保
護抵抗体を並べると、温度が低い部分が連続的に形成さ
れてしまうが、並列方向で発熱抵抗体と保護抵抗体を交
互に入れ替えて配置することにより、保護抵抗体部分の
温度低下を抑制できる。
【0013】請求項7に記載の発明は、発熱抵抗体ある
いは保護抵抗体の少なくとも一方が複数に分割されて、
前記発熱抵抗体あるいは前記保護抵抗体の間に挿入され
る形で電気的に直列に接続されてなるものである。発熱
抵抗体と保護抵抗体は隣接しているが、それぞれの面積
が大きいと熱的結合が低下する。発熱抵抗体あるいは保
護抵抗体の少なくとも一方を複数に分割して、発熱抵抗
体・保護抵抗体・発熱抵抗体あるいは保護抵抗体・発熱
抵抗体・保護抵抗体のように互いに直列に挿入すること
により、発熱抵抗体及び保護抵抗体が細分化されるとと
もに熱的な結合を高めることができる。その結果、発熱
体の異常検出精度が高まり、保安装置としての機能が大
幅に改善されるとともに、保安動作した場合の発熱体の
損傷も軽減される。
いは保護抵抗体の少なくとも一方が複数に分割されて、
前記発熱抵抗体あるいは前記保護抵抗体の間に挿入され
る形で電気的に直列に接続されてなるものである。発熱
抵抗体と保護抵抗体は隣接しているが、それぞれの面積
が大きいと熱的結合が低下する。発熱抵抗体あるいは保
護抵抗体の少なくとも一方を複数に分割して、発熱抵抗
体・保護抵抗体・発熱抵抗体あるいは保護抵抗体・発熱
抵抗体・保護抵抗体のように互いに直列に挿入すること
により、発熱抵抗体及び保護抵抗体が細分化されるとと
もに熱的な結合を高めることができる。その結果、発熱
体の異常検出精度が高まり、保安装置としての機能が大
幅に改善されるとともに、保安動作した場合の発熱体の
損傷も軽減される。
【0014】請求項8に記載の発明は、発熱抵抗体ある
いは保護抵抗体の少なくとも一方が複数に分割されて、
発熱抵抗体あるいは保護抵抗体の間に挿入される形で電
気的に直列に接続されてなる直列接続回路を、一対の給
電電極間に電気的に並列に配列させて一体に形成されて
なるものである。直列回路の中で発熱抵抗体と保護抵抗
体を分割するとともに、並列方向の中でも発熱抵抗体と
保護抵抗体を分割することにより、発熱抵抗体及び保護
抵抗体が細分化されるとともに熱的な結合を高めること
ができる。その結果、発熱体の異常検出精度が高まり、
保安装置としての機能が大幅に改善されるとともに、保
安動作した場合の発熱体の損傷も軽減される。
いは保護抵抗体の少なくとも一方が複数に分割されて、
発熱抵抗体あるいは保護抵抗体の間に挿入される形で電
気的に直列に接続されてなる直列接続回路を、一対の給
電電極間に電気的に並列に配列させて一体に形成されて
なるものである。直列回路の中で発熱抵抗体と保護抵抗
体を分割するとともに、並列方向の中でも発熱抵抗体と
保護抵抗体を分割することにより、発熱抵抗体及び保護
抵抗体が細分化されるとともに熱的な結合を高めること
ができる。その結果、発熱体の異常検出精度が高まり、
保安装置としての機能が大幅に改善されるとともに、保
安動作した場合の発熱体の損傷も軽減される。
【0015】請求項9に記載の発明は、発熱抵抗体ある
いは保護抵抗体の少なくとも一方が複数に分割されて、
発熱抵抗体あるいは保護抵抗体の間に挿入される形で電
気的に直列に接続されてなる直列接続回路を、発熱抵抗
体と保護抵抗体の配列を交互に変えて、一対の給電電極
間に電気的に並列に配列させて一体に形成されてなるも
のである。直列回路の中で発熱抵抗体と保護抵抗体を分
割するとともに、並列方向の中でも発熱抵抗体と保護抵
抗体を分割することにより、発熱抵抗体及び保護抵抗体
が細分化されるとともに熱的な結合を高めることができ
る。しかし、保護抵抗体は通常発熱状態ではほとんど発
熱しないので、発熱体のその部分の温度はやや低下す
る。特に、並列方向で保護抵抗体を並べると、温度が低
い部分が形成されてしまうが、並列方向で発熱抵抗体と
保護抵抗体を交互に配置することにより、保護抵抗体部
分の温度低下を低減できる。
いは保護抵抗体の少なくとも一方が複数に分割されて、
発熱抵抗体あるいは保護抵抗体の間に挿入される形で電
気的に直列に接続されてなる直列接続回路を、発熱抵抗
体と保護抵抗体の配列を交互に変えて、一対の給電電極
間に電気的に並列に配列させて一体に形成されてなるも
のである。直列回路の中で発熱抵抗体と保護抵抗体を分
割するとともに、並列方向の中でも発熱抵抗体と保護抵
抗体を分割することにより、発熱抵抗体及び保護抵抗体
が細分化されるとともに熱的な結合を高めることができ
る。しかし、保護抵抗体は通常発熱状態ではほとんど発
熱しないので、発熱体のその部分の温度はやや低下す
る。特に、並列方向で保護抵抗体を並べると、温度が低
い部分が形成されてしまうが、並列方向で発熱抵抗体と
保護抵抗体を交互に配置することにより、保護抵抗体部
分の温度低下を低減できる。
【0016】請求項10に記載の発明は、発熱抵抗体及
び保護抵抗体にはそれぞれ一対の電極が備わり、発熱抵
抗体と保護抵抗体の間に存在する電極は、発熱抵抗体と
保護抵抗体の共用であると共に、電源に接続されない中
間電極であり、中間電極を除く電極を給電電極としてな
るものである。通常、発熱抵抗体と保護抵抗体はそれぞ
れ一対の電極を有しているが、電気的に直列に接続する
ための電極を共有化することによって、電気的結合を確
実なものとするとともに、構造を簡素化できる。また、
この中間電極の電位は発熱抵抗体と保護抵抗体の抵抗配
分比率に依存するために、常に変動しており、電源を含
め、どこにも接続されない独立の中間電極となる。中間
電極を除いた、一対の電極から給電することによって発
熱抵抗体と保護抵抗体の直列回路が形成でき、保護抵抗
体は保安装置として機能することができる。
び保護抵抗体にはそれぞれ一対の電極が備わり、発熱抵
抗体と保護抵抗体の間に存在する電極は、発熱抵抗体と
保護抵抗体の共用であると共に、電源に接続されない中
間電極であり、中間電極を除く電極を給電電極としてな
るものである。通常、発熱抵抗体と保護抵抗体はそれぞ
れ一対の電極を有しているが、電気的に直列に接続する
ための電極を共有化することによって、電気的結合を確
実なものとするとともに、構造を簡素化できる。また、
この中間電極の電位は発熱抵抗体と保護抵抗体の抵抗配
分比率に依存するために、常に変動しており、電源を含
め、どこにも接続されない独立の中間電極となる。中間
電極を除いた、一対の電極から給電することによって発
熱抵抗体と保護抵抗体の直列回路が形成でき、保護抵抗
体は保安装置として機能することができる。
【0017】請求項11に記載の発明は、複数に分割さ
れた各々の発熱抵抗体には、発熱抵抗体毎に独立に形成
された島状の中間電極が接続され、中間電極には、発熱
抵抗体毎に独立に形成された保護抵抗体が接続され、発
熱抵抗体と中間電極と保護抵抗体とからなる直列接続回
路を一対の給電電極間に電気的に並列に配列させて一体
に形成されてなるものである。島状の中間電極は、発熱
抵抗体と保護抵抗体を電気的に直列に接続するための共
有電極であり、共有化することによって、電気的結合を
確実なものとするとともに、構造を簡素化できる。ま
た、この中間電極の電位は発熱抵抗体と保護抵抗体の抵
抗配分比率に依存するために、常に変動しており、並列
に形成される直列接続回路の各中間電極の電位もそれぞ
れ異なっている。独立して島状に形成された中間電極
は、それぞれの保護抵抗体が独立に保安装置としての機
能を果たすことを可能にする。
れた各々の発熱抵抗体には、発熱抵抗体毎に独立に形成
された島状の中間電極が接続され、中間電極には、発熱
抵抗体毎に独立に形成された保護抵抗体が接続され、発
熱抵抗体と中間電極と保護抵抗体とからなる直列接続回
路を一対の給電電極間に電気的に並列に配列させて一体
に形成されてなるものである。島状の中間電極は、発熱
抵抗体と保護抵抗体を電気的に直列に接続するための共
有電極であり、共有化することによって、電気的結合を
確実なものとするとともに、構造を簡素化できる。ま
た、この中間電極の電位は発熱抵抗体と保護抵抗体の抵
抗配分比率に依存するために、常に変動しており、並列
に形成される直列接続回路の各中間電極の電位もそれぞ
れ異なっている。独立して島状に形成された中間電極
は、それぞれの保護抵抗体が独立に保安装置としての機
能を果たすことを可能にする。
【0018】請求項12に記載の発明は、電気絶縁基材
面に形成された一対の給電電極と前記一対の給電電極の
間に、不連続に、島状に形成された複数の中間電極と、
前記給電電極の一方と、前記島状に形成された中間電極
間に、前記中間電極毎に形成された複数の発熱抵抗体
と、前記給電電極の他方と島状に形成された前記中間電
極間に、前記中間電極毎に形成された複数の保護抵抗体
とからなるものである。電気絶縁基材の存在により、一
対の給電電極及び島状の中間電極を印刷などの工法で合
理的に形成できるようになる。また、同様にして、給電
電極の一方と中間電極間に中間電極毎に複数の発熱抵抗
体を合理的に形成すること、給電電極の他方と中間電極
間に中間電極毎に保護抵抗体を合理的に形成することを
可能にする。
面に形成された一対の給電電極と前記一対の給電電極の
間に、不連続に、島状に形成された複数の中間電極と、
前記給電電極の一方と、前記島状に形成された中間電極
間に、前記中間電極毎に形成された複数の発熱抵抗体
と、前記給電電極の他方と島状に形成された前記中間電
極間に、前記中間電極毎に形成された複数の保護抵抗体
とからなるものである。電気絶縁基材の存在により、一
対の給電電極及び島状の中間電極を印刷などの工法で合
理的に形成できるようになる。また、同様にして、給電
電極の一方と中間電極間に中間電極毎に複数の発熱抵抗
体を合理的に形成すること、給電電極の他方と中間電極
間に中間電極毎に保護抵抗体を合理的に形成することを
可能にする。
【0019】請求項13に記載の発明は、保護抵抗体に
接する中間電極と給電電極は、それぞれの主電極から複
数の枝状電極を分岐させ、前記枝状電極を対向させるこ
とによって低抵抗化されてなるものである。保護抵抗体
は発熱抵抗体よりも低抵抗化されなければならないが、
保護抵抗体と発熱抵抗体を接続する電極を共用の中間電
極とするとともに、保護抵抗体に接する中間電極と給電
電極の双方から、複数の枝状電極を分岐させ、前記枝状
電極を対向させることによって、保護抵抗体の電極間隔
に対する発熱幅寸法を大きくすることができる。この作
用によって、発熱抵抗体に対して保護抵抗体の抵抗値を
大幅に低下することができる。また、小面積で低抵抗化
が可能となるので、保護抵抗体の装架面積を小さくする
ことが可能になる。
接する中間電極と給電電極は、それぞれの主電極から複
数の枝状電極を分岐させ、前記枝状電極を対向させるこ
とによって低抵抗化されてなるものである。保護抵抗体
は発熱抵抗体よりも低抵抗化されなければならないが、
保護抵抗体と発熱抵抗体を接続する電極を共用の中間電
極とするとともに、保護抵抗体に接する中間電極と給電
電極の双方から、複数の枝状電極を分岐させ、前記枝状
電極を対向させることによって、保護抵抗体の電極間隔
に対する発熱幅寸法を大きくすることができる。この作
用によって、発熱抵抗体に対して保護抵抗体の抵抗値を
大幅に低下することができる。また、小面積で低抵抗化
が可能となるので、保護抵抗体の装架面積を小さくする
ことが可能になる。
【0020】請求項14に記載の発明は、枝状電極を設
ける前と比較して、枝状電極を設けたことによる、発熱
抵抗体の面積に対する保護抵抗体の面積の比が50%以
上低減されるものである。発熱抵抗体の面積に対する保
護抵抗体の面積の比は、保護抵抗体は通常発熱状態では
実質的に非発熱部であるので、その面積比率が小さいほ
ど好ましい。例えば、その面積が発熱抵抗体の10分の
1近辺にでもなれば、発熱抵抗体の配置にさほど工夫を
凝らさなくても、均一な温度分布が得られると考えられ
る。保護抵抗体の面積を小さくするには、小面積で低抵
抗の保護抵抗体を形成する必要があるが、枝状電極構成
を用いれば、面積抵抗値に比較して、1桁以上の低抵抗
が可能であり、少なくとも50%以上の小面積化が達成
できる。
ける前と比較して、枝状電極を設けたことによる、発熱
抵抗体の面積に対する保護抵抗体の面積の比が50%以
上低減されるものである。発熱抵抗体の面積に対する保
護抵抗体の面積の比は、保護抵抗体は通常発熱状態では
実質的に非発熱部であるので、その面積比率が小さいほ
ど好ましい。例えば、その面積が発熱抵抗体の10分の
1近辺にでもなれば、発熱抵抗体の配置にさほど工夫を
凝らさなくても、均一な温度分布が得られると考えられ
る。保護抵抗体の面積を小さくするには、小面積で低抵
抗の保護抵抗体を形成する必要があるが、枝状電極構成
を用いれば、面積抵抗値に比較して、1桁以上の低抵抗
が可能であり、少なくとも50%以上の小面積化が達成
できる。
【0021】請求項15に記載の発明は、発熱抵抗体に
給電する一対の電極と保護抵抗体に給電する一対の電極
のうち、発熱抵抗体と保護抵抗体の間にある電極を省略
し、発熱抵抗体と保護抵抗体が直接、電気的に結合され
てなるものである。中間電極を介さずに発熱抵抗体と保
護抵抗体を直接結合することにより、発熱体の構成が簡
素化され、中間電極部分による非発熱面積を削減するこ
とができる。
給電する一対の電極と保護抵抗体に給電する一対の電極
のうち、発熱抵抗体と保護抵抗体の間にある電極を省略
し、発熱抵抗体と保護抵抗体が直接、電気的に結合され
てなるものである。中間電極を介さずに発熱抵抗体と保
護抵抗体を直接結合することにより、発熱体の構成が簡
素化され、中間電極部分による非発熱面積を削減するこ
とができる。
【0022】請求項16に記載の発明は、発熱抵抗体は
温度調節装置によって最大温度域が設定されるものであ
り、前記最大温度域よりも低い温度域において、通常発
熱状態であり、前記最大温度域よりも高い温度域におい
て、実質的に発熱停止状態となるものである。保護抵抗
体は瀬戸際で働く最終安全装置ではなく、通常の保安装
置であるので、温度調節装置が異常となったときに、す
なわち、温度調節装置が最大温度域を保持できなくなっ
たときに、実質的に発熱停止状態となるように発熱抵抗
体と保護抵抗体の抵抗特性及び電力密度などを設定する
ことによって保安動作が可能となる。
温度調節装置によって最大温度域が設定されるものであ
り、前記最大温度域よりも低い温度域において、通常発
熱状態であり、前記最大温度域よりも高い温度域におい
て、実質的に発熱停止状態となるものである。保護抵抗
体は瀬戸際で働く最終安全装置ではなく、通常の保安装
置であるので、温度調節装置が異常となったときに、す
なわち、温度調節装置が最大温度域を保持できなくなっ
たときに、実質的に発熱停止状態となるように発熱抵抗
体と保護抵抗体の抵抗特性及び電力密度などを設定する
ことによって保安動作が可能となる。
【0023】請求項17に記載の発明は、発熱抵抗体は
正抵抗温度係数を有すると共に、定格発熱量の温度依存
特性と定格放熱量の収支が一致する定格飽和温度域と、
最大発熱量の温度依存特性と最小放熱量の収支が一致す
る最大飽和温度域を有し、前記定格飽和温度域を含む、
前記最大飽和温度域よりも低い飽和温度域において、通
常発熱状態であり、前記最大飽和温度域よりも高い温度
域において、実質的に発熱停止状態となるものである。
正抵抗温度係数を有する発熱抵抗体による温度制御機能
として、通常の放熱条件下で想定される定格飽和温度域
と、保温条件下で想定される最大飽和温度域が存在す
る。このような温度域はいずれも通常発熱状態であり、
発熱抵抗体がこのような温度域を越えたときに、すなわ
ち、正抵抗温度特性による温度制御機能にもかかわら
ず、所定の温度を越えたときに、実質的に発熱停止状態
となるように、発熱抵抗体と保護抵抗体の抵抗特性及び
電力密度などを設定することによって保安動作が可能と
なる。
正抵抗温度係数を有すると共に、定格発熱量の温度依存
特性と定格放熱量の収支が一致する定格飽和温度域と、
最大発熱量の温度依存特性と最小放熱量の収支が一致す
る最大飽和温度域を有し、前記定格飽和温度域を含む、
前記最大飽和温度域よりも低い飽和温度域において、通
常発熱状態であり、前記最大飽和温度域よりも高い温度
域において、実質的に発熱停止状態となるものである。
正抵抗温度係数を有する発熱抵抗体による温度制御機能
として、通常の放熱条件下で想定される定格飽和温度域
と、保温条件下で想定される最大飽和温度域が存在す
る。このような温度域はいずれも通常発熱状態であり、
発熱抵抗体がこのような温度域を越えたときに、すなわ
ち、正抵抗温度特性による温度制御機能にもかかわら
ず、所定の温度を越えたときに、実質的に発熱停止状態
となるように、発熱抵抗体と保護抵抗体の抵抗特性及び
電力密度などを設定することによって保安動作が可能と
なる。
【0024】請求項18に記載の発明は、最大飽和温度
域よりも低い温度域において、発熱抵抗体の電力密度よ
りも保護抵抗体の電力密度が低く、最大飽和温度域より
も高い温度域において、発熱抵抗体の電力密度よりも保
護抵抗体の電力密度が高くなるように、最大飽和温度域
以上の温度域で発熱抵抗体と保護抵抗体の電力密度温度
特性曲線を交差させると共に、発熱抵抗体と保護抵抗体
の電流通過幅寸法を調整して電流密度を調整してなるも
のである。発熱抵抗体と保護抵抗体の直列接続回路にお
いて、通常発熱状態から実質的に発熱停止状態に切り替
わるのは、正確には、発熱抵抗体よりも保護抵抗体の抵
抗値が高くなり、保護抵抗体の発熱量が発熱抵抗体を上
回った時点ではなく、放熱熱抵抗が同一であれば、電力
密度が上回った時点である。発熱抵抗体及び保護抵抗体
は共に正抵抗温度特性を有するが、定格飽和温度域及び
最大飽和温度域からなる通常発熱状態では発熱抵抗体の
方の電力密度が低く、最大飽和温度域を越えた時点で保
護抵抗体の電力密度が高くなるように、温度によって電
力密度が交差する特性にすることによって自動的に切り
替えることができる。このために、抵抗温度係数や面積
抵抗値などの調整に加えて、発熱抵抗体と保護抵抗体の
電流通過幅寸法を調整することによって相対的な抵抗
値、発熱放熱面積、電力密度などの調整が可能であり、
通常発熱状態と実質的な発熱停止状態を有する発熱体を
形成できる。
域よりも低い温度域において、発熱抵抗体の電力密度よ
りも保護抵抗体の電力密度が低く、最大飽和温度域より
も高い温度域において、発熱抵抗体の電力密度よりも保
護抵抗体の電力密度が高くなるように、最大飽和温度域
以上の温度域で発熱抵抗体と保護抵抗体の電力密度温度
特性曲線を交差させると共に、発熱抵抗体と保護抵抗体
の電流通過幅寸法を調整して電流密度を調整してなるも
のである。発熱抵抗体と保護抵抗体の直列接続回路にお
いて、通常発熱状態から実質的に発熱停止状態に切り替
わるのは、正確には、発熱抵抗体よりも保護抵抗体の抵
抗値が高くなり、保護抵抗体の発熱量が発熱抵抗体を上
回った時点ではなく、放熱熱抵抗が同一であれば、電力
密度が上回った時点である。発熱抵抗体及び保護抵抗体
は共に正抵抗温度特性を有するが、定格飽和温度域及び
最大飽和温度域からなる通常発熱状態では発熱抵抗体の
方の電力密度が低く、最大飽和温度域を越えた時点で保
護抵抗体の電力密度が高くなるように、温度によって電
力密度が交差する特性にすることによって自動的に切り
替えることができる。このために、抵抗温度係数や面積
抵抗値などの調整に加えて、発熱抵抗体と保護抵抗体の
電流通過幅寸法を調整することによって相対的な抵抗
値、発熱放熱面積、電力密度などの調整が可能であり、
通常発熱状態と実質的な発熱停止状態を有する発熱体を
形成できる。
【0025】請求項19に記載の発明は、最大飽和温度
域よりも低い温度域において、発熱抵抗体の面積抵抗値
よりも保護抵抗体の面積抵抗値が低く、最大飽和温度域
よりも高い温度域において、発熱抵抗体の面積抵抗値よ
りも保護抵抗体の面積抵抗値が高くなるように、抵抗温
度特性が最大飽和温度域以上の温度域で交差する特性を
有してなるものである。発熱抵抗体と保護抵抗体の直列
接続回路において、通常発熱状態から実質的に発熱停止
状態に切り替わるのは、発熱抵抗体よりも保護抵抗体の
電力密度が上回った時点である。発熱抵抗体及び保護抵
抗体は共に正抵抗温度特性を有するが、定格飽和温度域
及び最大飽和温度域からなる通常発熱状態では発熱抵抗
体の電力密度が低く、最大飽和温度域を越えた時点で保
護抵抗体の電力密度が高くなるように、温度によって電
力密度が交差する特性にすることによって達成できる。
電力密度を温度によって交差させるるためには、その基
本となる抵抗温度特性を交差させる必要があるが、その
特性の基準となるのは面積抵抗値である。面積抵抗値が
温度によって交差すれば、発熱抵抗体と保護抵抗体の幅
寸法を同一にした場合、それぞれの抵抗体の電極間隔を
任意に設定しても、抵抗値の増減に見合う面積の増減が
伴うために、電力密度が交差することになる。この作用
によって、最大飽和温度域よりも低い温度域において通
常発熱状態であり、最大飽和温度域よりも高い温度域に
おいて実質的な発熱停止状態を有する発熱体を容易に形
成できる。
域よりも低い温度域において、発熱抵抗体の面積抵抗値
よりも保護抵抗体の面積抵抗値が低く、最大飽和温度域
よりも高い温度域において、発熱抵抗体の面積抵抗値よ
りも保護抵抗体の面積抵抗値が高くなるように、抵抗温
度特性が最大飽和温度域以上の温度域で交差する特性を
有してなるものである。発熱抵抗体と保護抵抗体の直列
接続回路において、通常発熱状態から実質的に発熱停止
状態に切り替わるのは、発熱抵抗体よりも保護抵抗体の
電力密度が上回った時点である。発熱抵抗体及び保護抵
抗体は共に正抵抗温度特性を有するが、定格飽和温度域
及び最大飽和温度域からなる通常発熱状態では発熱抵抗
体の電力密度が低く、最大飽和温度域を越えた時点で保
護抵抗体の電力密度が高くなるように、温度によって電
力密度が交差する特性にすることによって達成できる。
電力密度を温度によって交差させるるためには、その基
本となる抵抗温度特性を交差させる必要があるが、その
特性の基準となるのは面積抵抗値である。面積抵抗値が
温度によって交差すれば、発熱抵抗体と保護抵抗体の幅
寸法を同一にした場合、それぞれの抵抗体の電極間隔を
任意に設定しても、抵抗値の増減に見合う面積の増減が
伴うために、電力密度が交差することになる。この作用
によって、最大飽和温度域よりも低い温度域において通
常発熱状態であり、最大飽和温度域よりも高い温度域に
おいて実質的な発熱停止状態を有する発熱体を容易に形
成できる。
【0026】請求項20に記載の発明は、発熱抵抗体及
び保護抵抗体は、結晶性重合体と導電性微粉末を主成分
とするとともに、発熱抵抗体を構成する結晶性重合体と
保護抵抗体を構成する結晶性重合体との融点に差を設け
るものである。抵抗値、面積抵抗値、電力密度などを温
度によって交差させるには、抵抗温度特性を調整する必
要があるが、融点の異なる結晶性重合体を組み合わせる
ことにより、抵抗温度係数が最大となる温度域に差を設
けることができる。保護抵抗体を構成する結晶性重合体
に高融点の結晶性重合体を用いれば、結晶性重合体の融
点が高いほど抵抗温度係数が最大となる温度も高くなる
ので、低温時は保護抵抗体の方が低抵抗であっても、高
温時には逆転して保護抵抗体の方が高抵抗とすることが
できる。また、発熱抵抗体を構成する結晶性重合体に高
融点の結晶性重合体を用いれば、結晶性重合体の融点が
高いほど抵抗温度係数が最大となる温度も高くなるの
で、低温時は保護抵抗体の方が低抵抗であっても、高温
時には逆転して保護抵抗体の方が高抵抗とすることがで
きる。この作用によって、通常発熱状態と実質的な発熱
停止状態を有する発熱体を容易に形成することができ
る。
び保護抵抗体は、結晶性重合体と導電性微粉末を主成分
とするとともに、発熱抵抗体を構成する結晶性重合体と
保護抵抗体を構成する結晶性重合体との融点に差を設け
るものである。抵抗値、面積抵抗値、電力密度などを温
度によって交差させるには、抵抗温度特性を調整する必
要があるが、融点の異なる結晶性重合体を組み合わせる
ことにより、抵抗温度係数が最大となる温度域に差を設
けることができる。保護抵抗体を構成する結晶性重合体
に高融点の結晶性重合体を用いれば、結晶性重合体の融
点が高いほど抵抗温度係数が最大となる温度も高くなる
ので、低温時は保護抵抗体の方が低抵抗であっても、高
温時には逆転して保護抵抗体の方が高抵抗とすることが
できる。また、発熱抵抗体を構成する結晶性重合体に高
融点の結晶性重合体を用いれば、結晶性重合体の融点が
高いほど抵抗温度係数が最大となる温度も高くなるの
で、低温時は保護抵抗体の方が低抵抗であっても、高温
時には逆転して保護抵抗体の方が高抵抗とすることがで
きる。この作用によって、通常発熱状態と実質的な発熱
停止状態を有する発熱体を容易に形成することができ
る。
【0027】請求項21記載の発明は、発熱抵抗体及び
保護抵抗体は、結晶性重合体と導電性微粉末を主成分と
するとともに、発熱抵抗体を構成する導電性微粉末より
も保護抵抗体を構成する導電性微粉末の方がより大きな
粒子径の微粉末を含んでなるものである。抵抗値、面積
抵抗値、電力密度などを温度によって交差させるには、
抵抗温度特性を調整する必要があるが、粒子径の異なる
導電性微粉末を組み合わせることにより、抵抗温度係数
に差を設けることができる。保護抵抗体を構成する結晶
性重合体に粒子径の大きな導電性微粉末を用いれば、粒
子径の大きな導電性微粉末の方が抵抗温度係数が大きく
なる傾向にあるので、低温時は保護抵抗体の方が低抵抗
であっても、高温時には逆転して保護抵抗体の方が高抵
抗とすることができる。この作用によって、通常発熱状
態と実質的な発熱停止状態を有する発熱体を容易に形成
することができる。
保護抵抗体は、結晶性重合体と導電性微粉末を主成分と
するとともに、発熱抵抗体を構成する導電性微粉末より
も保護抵抗体を構成する導電性微粉末の方がより大きな
粒子径の微粉末を含んでなるものである。抵抗値、面積
抵抗値、電力密度などを温度によって交差させるには、
抵抗温度特性を調整する必要があるが、粒子径の異なる
導電性微粉末を組み合わせることにより、抵抗温度係数
に差を設けることができる。保護抵抗体を構成する結晶
性重合体に粒子径の大きな導電性微粉末を用いれば、粒
子径の大きな導電性微粉末の方が抵抗温度係数が大きく
なる傾向にあるので、低温時は保護抵抗体の方が低抵抗
であっても、高温時には逆転して保護抵抗体の方が高抵
抗とすることができる。この作用によって、通常発熱状
態と実質的な発熱停止状態を有する発熱体を容易に形成
することができる。
【0028】請求項22記載の発明は、発熱抵抗体及び
保護抵抗体は、結晶性重合体と導電性微粉末を主成分と
するとともに、発熱抵抗体を構成する導電性微粉末には
ストラクチャーまたは比表面積が比較的大きなカーボン
ブラックを添加するとともに、保護抵抗体を構成する導
電性微粉末の方にはよりストラクチャーまたは比表面積
が小さなカーボンブラックを含んでなるものである。抵
抗値、面積抵抗値、電力密度などを温度によって交差さ
せるには、抵抗温度特性を調整する必要があるが、比表
面積の異なるカーボンブラックあるいはストラクチャー
の異なるカーボンブラックを組み合わせることにより、
抵抗温度係数に差を設けることができる。保護抵抗体を
構成する導電性微粉末に比表面積あるいはストラクチャ
ーの小さなカーボンブラックを用いれば、極めて大きな
抵抗温度係数が得られるので、低温時は保護抵抗体の方
が低抵抗であっても、高温時には逆転して保護抵抗体の
方が高抵抗とすることができる。この作用によって、通
常発熱状態と実質的な発熱停止状態を有する発熱体を容
易に形成することができる。
保護抵抗体は、結晶性重合体と導電性微粉末を主成分と
するとともに、発熱抵抗体を構成する導電性微粉末には
ストラクチャーまたは比表面積が比較的大きなカーボン
ブラックを添加するとともに、保護抵抗体を構成する導
電性微粉末の方にはよりストラクチャーまたは比表面積
が小さなカーボンブラックを含んでなるものである。抵
抗値、面積抵抗値、電力密度などを温度によって交差さ
せるには、抵抗温度特性を調整する必要があるが、比表
面積の異なるカーボンブラックあるいはストラクチャー
の異なるカーボンブラックを組み合わせることにより、
抵抗温度係数に差を設けることができる。保護抵抗体を
構成する導電性微粉末に比表面積あるいはストラクチャ
ーの小さなカーボンブラックを用いれば、極めて大きな
抵抗温度係数が得られるので、低温時は保護抵抗体の方
が低抵抗であっても、高温時には逆転して保護抵抗体の
方が高抵抗とすることができる。この作用によって、通
常発熱状態と実質的な発熱停止状態を有する発熱体を容
易に形成することができる。
【0029】請求項23記載の発明は、発熱抵抗体及び
保護抵抗体は、結晶性重合体と導電性微粉末を主成分と
するとともに、発熱抵抗体を構成する導電性微粉末は炭
素が主成分であり、保護抵抗体を構成する導電性微粉末
は金属粒子を含んでなるものである。抵抗値、面積抵抗
値、電力密度などを温度によって交差させるには、抵抗
温度特性を調整する必要があるが、材質の異なる導電性
微粉末を組み合わせることにより、抵抗温度係数を設定
できる。保護抵抗体を構成する導電性微粉末に金属粉末
を用いれば、極めて低い比抵抗値と、極めて大きい抵抗
温度係数が得られるので、低温時は保護抵抗体の方が低
抵抗であっても、高温時には逆転して保護抵抗体の方が
高抵抗とすることができる。この作用によって、通常発
熱状態と実質的な発熱停止状態を有する発熱体を容易に
形成することができる。
保護抵抗体は、結晶性重合体と導電性微粉末を主成分と
するとともに、発熱抵抗体を構成する導電性微粉末は炭
素が主成分であり、保護抵抗体を構成する導電性微粉末
は金属粒子を含んでなるものである。抵抗値、面積抵抗
値、電力密度などを温度によって交差させるには、抵抗
温度特性を調整する必要があるが、材質の異なる導電性
微粉末を組み合わせることにより、抵抗温度係数を設定
できる。保護抵抗体を構成する導電性微粉末に金属粉末
を用いれば、極めて低い比抵抗値と、極めて大きい抵抗
温度係数が得られるので、低温時は保護抵抗体の方が低
抵抗であっても、高温時には逆転して保護抵抗体の方が
高抵抗とすることができる。この作用によって、通常発
熱状態と実質的な発熱停止状態を有する発熱体を容易に
形成することができる。
【0030】請求項24記載の発明は、一旦、発熱停止
状態になった保護抵抗体は、電源を遮断し、再度投入し
た時にも、発熱抵抗体の状態にかかわらず実質的に発熱
停止状態に移行するものである。発熱体が実質的な発熱
停止状態にある場合、保護抵抗体が面状均熱発熱状態か
ら線状の電圧集中発熱状態に移行し、集中発熱部分が大
幅に高抵抗化することにより、発熱抵抗体を実質的な発
熱停止状態にする。この集中発熱現象は、抵抗体を構成
する材料が電圧ストレスに弱い場合、一旦、集中発熱現
象が発生すると、その部分は短時間で高抵抗の半断線状
態となり、再度の通電でも、常に実質的な発熱停止状態
となる。この作用によって、非復帰型の保安機能を内蔵
した発熱体を容易に形成することができる。
状態になった保護抵抗体は、電源を遮断し、再度投入し
た時にも、発熱抵抗体の状態にかかわらず実質的に発熱
停止状態に移行するものである。発熱体が実質的な発熱
停止状態にある場合、保護抵抗体が面状均熱発熱状態か
ら線状の電圧集中発熱状態に移行し、集中発熱部分が大
幅に高抵抗化することにより、発熱抵抗体を実質的な発
熱停止状態にする。この集中発熱現象は、抵抗体を構成
する材料が電圧ストレスに弱い場合、一旦、集中発熱現
象が発生すると、その部分は短時間で高抵抗の半断線状
態となり、再度の通電でも、常に実質的な発熱停止状態
となる。この作用によって、非復帰型の保安機能を内蔵
した発熱体を容易に形成することができる。
【0031】請求項25記載の発明は、発熱抵抗体に給
電する一対の電極と保護抵抗体に給電する一対の電極か
らなり、発熱抵抗体に給電する一対の電極の一方と保護
抵抗体に給電する一対の電極の一方との間を接続電極に
よって電気的に接続するとともに、接続電極に接続され
ない電極を電源に接続してなるものである。発熱抵抗体
と保護抵抗体は電気的に直列に結合するとともに、熱的
にも結合がなされれば、配置上、特に制約はない。発熱
抵抗体と保護抵抗体に共通の中間電極を設ける場合、両
者の配置はある程度制約されるが、接続電極によって両
者を接続すれば、形状や配置の制約が解消される。この
作用によって、通常発熱状態と実質的な発熱停止状態を
有する発熱体を任意の形状及び構成で形成することがで
きる。
電する一対の電極と保護抵抗体に給電する一対の電極か
らなり、発熱抵抗体に給電する一対の電極の一方と保護
抵抗体に給電する一対の電極の一方との間を接続電極に
よって電気的に接続するとともに、接続電極に接続され
ない電極を電源に接続してなるものである。発熱抵抗体
と保護抵抗体は電気的に直列に結合するとともに、熱的
にも結合がなされれば、配置上、特に制約はない。発熱
抵抗体と保護抵抗体に共通の中間電極を設ける場合、両
者の配置はある程度制約されるが、接続電極によって両
者を接続すれば、形状や配置の制約が解消される。この
作用によって、通常発熱状態と実質的な発熱停止状態を
有する発熱体を任意の形状及び構成で形成することがで
きる。
【0032】請求項26記載の発明は、発熱抵抗体と保
護抵抗体が厚み方向に積層され、発熱抵抗体と保護抵抗
体の間を接続電極によって電気的に接続してなるもので
ある。発熱抵抗体と保護抵抗体は電気的に直列に結合す
るとともに、熱的にも結合がなされれば、配置上、特に
制約はない。発熱抵抗体と保護抵抗体に共通の中間電極
を設ける場合、両者の配置はある程度制約されるが、接
続電極によって両者を接続すれば、形状や配置の制約が
解消され、発熱抵抗体と保護抵抗体を厚み方向に積層す
ることを可能にする。この作用によって、通常発熱状態
と実質的な発熱停止状態を有する発熱体を積層構成で形
成することができる。
護抵抗体が厚み方向に積層され、発熱抵抗体と保護抵抗
体の間を接続電極によって電気的に接続してなるもので
ある。発熱抵抗体と保護抵抗体は電気的に直列に結合す
るとともに、熱的にも結合がなされれば、配置上、特に
制約はない。発熱抵抗体と保護抵抗体に共通の中間電極
を設ける場合、両者の配置はある程度制約されるが、接
続電極によって両者を接続すれば、形状や配置の制約が
解消され、発熱抵抗体と保護抵抗体を厚み方向に積層す
ることを可能にする。この作用によって、通常発熱状態
と実質的な発熱停止状態を有する発熱体を積層構成で形
成することができる。
【0033】
【実施例】以下本発明の実施例について、図面に基づい
て詳細に説明する。
て詳細に説明する。
【0034】(実施例1)図1は本発明における実施例
1の発熱体の平面図である。図1において、1は基板で
あり、188μm厚みのポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを用いている。2、2’は一対の給電電極であ
り、エポキシ樹脂中に銀粉末を分散した導電性銀ペース
トを、厚膜印刷によって基板1上に形成している。ま
た、3は中間電極であり、導電性銀ペーストを、厚膜印
刷によって一対の給電電極2、2’の間の基板1上に島
状に10個に分割して形成したものである。そして、4
は発熱抵抗体であり、共重合ポリエステル樹脂とグラフ
ァイト導電材からなるペーストを、厚膜印刷によって給
電電極2と中間電極3の各島の間に10個に分割して形
成したものである。また、5は保護抵抗体であり、融点
110℃の低密度ポリエチレンと平均粒子径800nmの
ファーネス系カーボンブラックの混練物を、ニトリルゴ
ム系のバインダーと高沸点の芳香族系溶剤を用いてペー
スト化したものを、厚膜印刷によって給電電極2’と中
間電極3の各島の間に10個に分割して形成したもので
ある。分割された発熱抵抗体4及び保護抵抗体5は、そ
れぞれ、給電電極2、2’の間に、中間電極3を経由し
て直列に、かつ、隣接されて接続されている。
1の発熱体の平面図である。図1において、1は基板で
あり、188μm厚みのポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを用いている。2、2’は一対の給電電極であ
り、エポキシ樹脂中に銀粉末を分散した導電性銀ペース
トを、厚膜印刷によって基板1上に形成している。ま
た、3は中間電極であり、導電性銀ペーストを、厚膜印
刷によって一対の給電電極2、2’の間の基板1上に島
状に10個に分割して形成したものである。そして、4
は発熱抵抗体であり、共重合ポリエステル樹脂とグラフ
ァイト導電材からなるペーストを、厚膜印刷によって給
電電極2と中間電極3の各島の間に10個に分割して形
成したものである。また、5は保護抵抗体であり、融点
110℃の低密度ポリエチレンと平均粒子径800nmの
ファーネス系カーボンブラックの混練物を、ニトリルゴ
ム系のバインダーと高沸点の芳香族系溶剤を用いてペー
スト化したものを、厚膜印刷によって給電電極2’と中
間電極3の各島の間に10個に分割して形成したもので
ある。分割された発熱抵抗体4及び保護抵抗体5は、そ
れぞれ、給電電極2、2’の間に、中間電極3を経由し
て直列に、かつ、隣接されて接続されている。
【0035】10個に分割されて形成された発熱抵抗体
4及び保護抵抗体5は、共に幅寸法が10mmであり、隣
接する抵抗体とは10mmの距離を設けている。発熱抵抗
体4が形成される給電電極2と中間電極3との間の電極
間距離は40mmであり、保護抵抗体5が形成される給電
電極2’と中間電極3との間の電極間距離は10mmであ
る。分割された発熱抵抗体4と分割された保護抵抗体5
の20℃における抵抗値の測定値は、9520Ω及び5
62Ωであった。面積抵抗値を算出すると、それぞれ2
380Ω及び562Ωとなる。これらの分割された発熱
抵抗体4と分割された保護抵抗体5からなる直列回路の
抵抗値は10082Ωとなり、ここにAC100Vの電
圧を印加すると、電圧印加直後の電力は0.992Wが
得られる。本実施例の発熱体は、このような小さな直列
回路が電気的に並列に10回路形成されているので、発
熱体全体での20℃における電圧印加直後の電力は9.
92Wが得られるものである。
4及び保護抵抗体5は、共に幅寸法が10mmであり、隣
接する抵抗体とは10mmの距離を設けている。発熱抵抗
体4が形成される給電電極2と中間電極3との間の電極
間距離は40mmであり、保護抵抗体5が形成される給電
電極2’と中間電極3との間の電極間距離は10mmであ
る。分割された発熱抵抗体4と分割された保護抵抗体5
の20℃における抵抗値の測定値は、9520Ω及び5
62Ωであった。面積抵抗値を算出すると、それぞれ2
380Ω及び562Ωとなる。これらの分割された発熱
抵抗体4と分割された保護抵抗体5からなる直列回路の
抵抗値は10082Ωとなり、ここにAC100Vの電
圧を印加すると、電圧印加直後の電力は0.992Wが
得られる。本実施例の発熱体は、このような小さな直列
回路が電気的に並列に10回路形成されているので、発
熱体全体での20℃における電圧印加直後の電力は9.
92Wが得られるものである。
【0036】発熱抵抗体4は温度係数が極めて小さく、
抵抗値の温度依存性を無視できる材料である。一方、保
護抵抗体5は高結晶性の低密度ポリエチレンに平均粒子
径の大きなファーネス系カーボンブラックを分散したも
のであり、その融点近傍での比容積の急激な増大に連動
して極めて大きな正抵抗温度係数が得られる。本実施例
の保護抵抗体5の抵抗温度特性は、図2に示したよう
に、20℃の抵抗値を基準にすると、最大抵抗値は3桁
を大きく越える非常に大きな変化を示す物である。
抵抗値の温度依存性を無視できる材料である。一方、保
護抵抗体5は高結晶性の低密度ポリエチレンに平均粒子
径の大きなファーネス系カーボンブラックを分散したも
のであり、その融点近傍での比容積の急激な増大に連動
して極めて大きな正抵抗温度係数が得られる。本実施例
の保護抵抗体5の抵抗温度特性は、図2に示したよう
に、20℃の抵抗値を基準にすると、最大抵抗値は3桁
を大きく越える非常に大きな変化を示す物である。
【0037】このような特性を示す発熱抵抗体4と保護
抵抗体5を含んで形成される発熱体を木台上に配置し
て、給電電極2、2’間にAC100Vを印加して、発
熱特性を調べた。そして、10回路中の特定の回路を選
定して、発熱抵抗体4及び保護抵抗体5に分配される電
圧と直列接続回路に流れる電流を測定し、このデータか
ら計算によって発熱抵抗体4及び保護抵抗体5の電力を
求めた。電圧印加直後の発熱抵抗体4及び保護抵抗体5
の電力は、0.937W及び0.055Wであり、電力密
度は、0.234W/cm2及び0.055W/cm2であった。
電圧を印加した直後は、発熱抵抗体4が主体的に発熱
し、保護抵抗体5は実質的には非発熱部と言える状態で
あった。電圧印加から時間が経過するにつれ、保護抵抗
体5は隣接する発熱抵抗体4から熱を受け、発熱抵抗体
4にやや遅れながらも昇温し、抵抗値が増大するととも
に、分配される電圧が上昇していった。発熱体の温度が
80℃近辺では、発熱抵抗体4と保護抵抗体5の抵抗値
は、9540Ω及び1967Ωであり、電力は0.72
0W及び0.149W、電力密度は0.180W/cm2及び
0.149W/cm2であった。この時点では保護抵抗体5
もかなり発熱するようになっているので、発熱抵抗体4
が主体的に発熱しているという状態ではなかった。この
発熱体が85℃近辺まで昇温した時点では、分割された
発熱抵抗体4と保護抵抗体5の抵抗値は、9560Ω及
び2810Ωであり、電力は0.625W及び0.18
4W、電力密度は、0.156W/cm2及び0.184W/cm
2となって、電力密度が逆転し、保護抵抗体5の方がや
や高温となった。この値を測定した直後、発熱体の温度
は低下し始め、最終的に45℃まで低下して安定した。
この時点での発熱抵抗体4と保護抵抗体5の抵抗値は、
9520Ω及び28100Ωであり、電力は0.067
W及び0.199W、電力密度は、0.017W/cm2及び
0.199W/cm2となっていた。
抵抗体5を含んで形成される発熱体を木台上に配置し
て、給電電極2、2’間にAC100Vを印加して、発
熱特性を調べた。そして、10回路中の特定の回路を選
定して、発熱抵抗体4及び保護抵抗体5に分配される電
圧と直列接続回路に流れる電流を測定し、このデータか
ら計算によって発熱抵抗体4及び保護抵抗体5の電力を
求めた。電圧印加直後の発熱抵抗体4及び保護抵抗体5
の電力は、0.937W及び0.055Wであり、電力密
度は、0.234W/cm2及び0.055W/cm2であった。
電圧を印加した直後は、発熱抵抗体4が主体的に発熱
し、保護抵抗体5は実質的には非発熱部と言える状態で
あった。電圧印加から時間が経過するにつれ、保護抵抗
体5は隣接する発熱抵抗体4から熱を受け、発熱抵抗体
4にやや遅れながらも昇温し、抵抗値が増大するととも
に、分配される電圧が上昇していった。発熱体の温度が
80℃近辺では、発熱抵抗体4と保護抵抗体5の抵抗値
は、9540Ω及び1967Ωであり、電力は0.72
0W及び0.149W、電力密度は0.180W/cm2及び
0.149W/cm2であった。この時点では保護抵抗体5
もかなり発熱するようになっているので、発熱抵抗体4
が主体的に発熱しているという状態ではなかった。この
発熱体が85℃近辺まで昇温した時点では、分割された
発熱抵抗体4と保護抵抗体5の抵抗値は、9560Ω及
び2810Ωであり、電力は0.625W及び0.18
4W、電力密度は、0.156W/cm2及び0.184W/cm
2となって、電力密度が逆転し、保護抵抗体5の方がや
や高温となった。この値を測定した直後、発熱体の温度
は低下し始め、最終的に45℃まで低下して安定した。
この時点での発熱抵抗体4と保護抵抗体5の抵抗値は、
9520Ω及び28100Ωであり、電力は0.067
W及び0.199W、電力密度は、0.017W/cm2及び
0.199W/cm2となっていた。
【0038】この温度が低下した発熱抵抗体4と保護抵
抗体5の外観を調べた結果、保護抵抗体5には、抵抗体
幅全面を横断する溝状の模様が見られた。この発熱体を
完全に冷却した後、再度、AC100Vを印加してみた
ところ、測定していた発熱抵抗体4と保護抵抗体5の直
列回路は殆ど発熱せず、保護抵抗体5に生じた溝状の模
様の色が濃くなるだけであった。なお、10個に分割し
た他の発熱抵抗体4と保護抵抗体5からなる直列回路を
調べたところ、10回路中の4回路で温度が低下してい
たが、他の6回路は、一旦は85℃近辺まで昇温した
後、80℃近辺まで降温し、その温度で正常に発熱して
いたことがわかった。この6回路は、10回路中の4回
路の電力が低下したことによって、発熱体の平均電力密
度が低下し、それに伴って温度が下がりはじめたため、
保護抵抗体5の電力密度が発熱抵抗体4を上回る段階ま
で到達しなかったものと考えられる。
抗体5の外観を調べた結果、保護抵抗体5には、抵抗体
幅全面を横断する溝状の模様が見られた。この発熱体を
完全に冷却した後、再度、AC100Vを印加してみた
ところ、測定していた発熱抵抗体4と保護抵抗体5の直
列回路は殆ど発熱せず、保護抵抗体5に生じた溝状の模
様の色が濃くなるだけであった。なお、10個に分割し
た他の発熱抵抗体4と保護抵抗体5からなる直列回路を
調べたところ、10回路中の4回路で温度が低下してい
たが、他の6回路は、一旦は85℃近辺まで昇温した
後、80℃近辺まで降温し、その温度で正常に発熱して
いたことがわかった。この6回路は、10回路中の4回
路の電力が低下したことによって、発熱体の平均電力密
度が低下し、それに伴って温度が下がりはじめたため、
保護抵抗体5の電力密度が発熱抵抗体4を上回る段階ま
で到達しなかったものと考えられる。
【0039】このように発熱温度がある値を越えると、
逆に、温度が低下する現象は次のような現象に基づくも
のである。保護抵抗体5の抵抗値が正抵抗温度特性によ
って増大し、保護抵抗体5の電力密度が発熱抵抗体4を
上回った時点で保護抵抗体5の方の昇温能力が勝るよう
になり、より高温となり、さらに大きな抵抗値の増大を
もたらす。抵抗値が増大すれば、保護抵抗体5の抵抗値
配分比率が増大するために、より高い電圧が印加され、
電力密度はさらに増大し、さらに温度が増大する。この
過程において、保護抵抗体5の面方向に生じた温度分布
は、抵抗値分布を発生させ、抵抗値分布は電圧分布を生
じさせる。電圧分布は電力密度分布を発生させ、それが
温度分布を拡大する。このような正帰還現象によって保
護抵抗体5には、基板1による熱拡散能力では抑制でき
ない電圧分布が発生し、最終的に電圧が1つの線に集約
し、そこに、正抵抗温度特性の最大抵抗値にせまる高抵
抗部分を形成する。この状態の保護抵抗体5は非常に高
抵抗なので微少電流しか流れない。したがって、これに
直列に接続されている発熱抵抗体4の電力は大きく低下
し、実質的な発熱停止状態となる。この高抵抗部は正抵
抗温度特性の最大抵抗値に近く、理論上は、温度で言え
ば100℃から110℃近辺にあると考えられる。しか
し、非常に幅が狭いために熱が拡散され、実質的な温度
としては、輻射温度計で分解能を上げて測定しても10
0℃を越えるような温度にはならなかった。
逆に、温度が低下する現象は次のような現象に基づくも
のである。保護抵抗体5の抵抗値が正抵抗温度特性によ
って増大し、保護抵抗体5の電力密度が発熱抵抗体4を
上回った時点で保護抵抗体5の方の昇温能力が勝るよう
になり、より高温となり、さらに大きな抵抗値の増大を
もたらす。抵抗値が増大すれば、保護抵抗体5の抵抗値
配分比率が増大するために、より高い電圧が印加され、
電力密度はさらに増大し、さらに温度が増大する。この
過程において、保護抵抗体5の面方向に生じた温度分布
は、抵抗値分布を発生させ、抵抗値分布は電圧分布を生
じさせる。電圧分布は電力密度分布を発生させ、それが
温度分布を拡大する。このような正帰還現象によって保
護抵抗体5には、基板1による熱拡散能力では抑制でき
ない電圧分布が発生し、最終的に電圧が1つの線に集約
し、そこに、正抵抗温度特性の最大抵抗値にせまる高抵
抗部分を形成する。この状態の保護抵抗体5は非常に高
抵抗なので微少電流しか流れない。したがって、これに
直列に接続されている発熱抵抗体4の電力は大きく低下
し、実質的な発熱停止状態となる。この高抵抗部は正抵
抗温度特性の最大抵抗値に近く、理論上は、温度で言え
ば100℃から110℃近辺にあると考えられる。しか
し、非常に幅が狭いために熱が拡散され、実質的な温度
としては、輻射温度計で分解能を上げて測定しても10
0℃を越えるような温度にはならなかった。
【0040】なお、本実施例に示した発熱体は、通常の
発熱体と異なり、温度制御装置が組み込まれてなく、保
護抵抗体5による保安動作を確認したものである。通常
の発熱体は、温度制御装置が組み込まれて使用される。
その場合、温度制御装置によって正常に温度制御された
状態での温度域を通常発熱温度とすれば、温度制御装置
が故障したり、発熱抵抗体4に異常が生じたりした場合
には通常発熱温度を越える温度が発生する。そのような
状態の時に発熱抵抗体4に直列に接続されている保護抵
抗体5が高抵抗化し、実質的な発熱停止状態となるよう
にして使用される。本実施例で示したように、通常発熱
温度域、抵抗値、抵抗温度特性、電力密度などのパラメ
ータを正確に設定すれば、確実な保安動作を組込むこと
ができる。この保安装置は、発熱抵抗体4及び保護抵抗
体5を多数に分割することによって、狭い範囲での温度
異常であっても検出する可能であると共に、保安動作し
た場合でも、発熱停止箇所を最小限に押さえることがで
きることに特長がある。発熱体、特に、面状発熱体にこ
のような自己保安機能を組込むことによって、発熱体自
身が、精度良く、常時監視できる保安機能を内蔵する発
熱体を形成できる。
発熱体と異なり、温度制御装置が組み込まれてなく、保
護抵抗体5による保安動作を確認したものである。通常
の発熱体は、温度制御装置が組み込まれて使用される。
その場合、温度制御装置によって正常に温度制御された
状態での温度域を通常発熱温度とすれば、温度制御装置
が故障したり、発熱抵抗体4に異常が生じたりした場合
には通常発熱温度を越える温度が発生する。そのような
状態の時に発熱抵抗体4に直列に接続されている保護抵
抗体5が高抵抗化し、実質的な発熱停止状態となるよう
にして使用される。本実施例で示したように、通常発熱
温度域、抵抗値、抵抗温度特性、電力密度などのパラメ
ータを正確に設定すれば、確実な保安動作を組込むこと
ができる。この保安装置は、発熱抵抗体4及び保護抵抗
体5を多数に分割することによって、狭い範囲での温度
異常であっても検出する可能であると共に、保安動作し
た場合でも、発熱停止箇所を最小限に押さえることがで
きることに特長がある。発熱体、特に、面状発熱体にこ
のような自己保安機能を組込むことによって、発熱体自
身が、精度良く、常時監視できる保安機能を内蔵する発
熱体を形成できる。
【0041】(実施例2)構造は実施例1と同一であ
る。発熱抵抗体4を融点110℃の低密度ポリエチレン
と平均粒子径400nmのファーネス系カーボンブラック
の混練物を、ニトリルゴム系のバインダーと高沸点の芳
香族系溶剤を用いてペースト化したものを、厚膜印刷し
て形成するともに、保護抵抗体5を融点92℃のエチレ
ン酢酸ビニル共重合体と平均粒子径800nmのファーネ
ス系カーボンブラックの混練物を、ニトリルゴム系のバ
インダーと高沸点の芳香族系溶剤を用いてペースト化し
たものを、厚膜印刷して形成した。発熱抵抗体4は自己
音素制御性の発熱特性維持に必要十分な正抵抗温度特性
を付与した抵抗体であり、そのために、平均粒子径がや
や小さいファーネス系カーボンブラックを使用し、顕著
な正抵抗温度特性ではなく、制御された正抵抗温度特性
を得ている。
る。発熱抵抗体4を融点110℃の低密度ポリエチレン
と平均粒子径400nmのファーネス系カーボンブラック
の混練物を、ニトリルゴム系のバインダーと高沸点の芳
香族系溶剤を用いてペースト化したものを、厚膜印刷し
て形成するともに、保護抵抗体5を融点92℃のエチレ
ン酢酸ビニル共重合体と平均粒子径800nmのファーネ
ス系カーボンブラックの混練物を、ニトリルゴム系のバ
インダーと高沸点の芳香族系溶剤を用いてペースト化し
たものを、厚膜印刷して形成した。発熱抵抗体4は自己
音素制御性の発熱特性維持に必要十分な正抵抗温度特性
を付与した抵抗体であり、そのために、平均粒子径がや
や小さいファーネス系カーボンブラックを使用し、顕著
な正抵抗温度特性ではなく、制御された正抵抗温度特性
を得ている。
【0042】保護抵抗体5は、発熱抵抗体4よりも低融
点の結晶性樹脂と、平均粒子径が大きいファーネス系カ
ーボンブラックを使用し、発熱抵抗体4よりも低温域で
顕著な正抵抗温度特性を示す材料を選定している。発熱
抵抗体4は、適度な正抵抗温度特性によって、温度調節
装置がなくても所定の温度を保持することが可能であ
る。通常発熱状態においては、発熱抵抗体4からの放熱
量は発熱抵抗体4の温度に比例して増大するが、発熱抵
抗体4の発熱量は正抵抗温度特性によって、温度が上が
ると減少する。この放熱と発熱の収支が釣り合う温度に
おいて発熱抵抗体4は飽和する。これは定格状態におけ
る飽和温度である。また、保温などで想定される最小の
放熱状態と、電圧増大などで想定される最大の発熱量と
が釣り合う温度でも発熱抵抗体4は飽和する。これは許
容される最大飽和温度である。
点の結晶性樹脂と、平均粒子径が大きいファーネス系カ
ーボンブラックを使用し、発熱抵抗体4よりも低温域で
顕著な正抵抗温度特性を示す材料を選定している。発熱
抵抗体4は、適度な正抵抗温度特性によって、温度調節
装置がなくても所定の温度を保持することが可能であ
る。通常発熱状態においては、発熱抵抗体4からの放熱
量は発熱抵抗体4の温度に比例して増大するが、発熱抵
抗体4の発熱量は正抵抗温度特性によって、温度が上が
ると減少する。この放熱と発熱の収支が釣り合う温度に
おいて発熱抵抗体4は飽和する。これは定格状態におけ
る飽和温度である。また、保温などで想定される最小の
放熱状態と、電圧増大などで想定される最大の発熱量と
が釣り合う温度でも発熱抵抗体4は飽和する。これは許
容される最大飽和温度である。
【0043】これらの通常発熱温度域では、保護抵抗体
5の電力密度が保護抵抗体5の電力密度を上回らないよ
うな抵抗値設定にして、保安動作しないようにされなけ
ればならない。また、これらの通常発熱温度域を越える
発熱があった場合、保護抵抗体5の電力密度が発熱抵抗
体4の電力密度を上回るような抵抗値設定に到達し、実
施例1と同様に保安動作するものでなければならない。
5の電力密度が保護抵抗体5の電力密度を上回らないよ
うな抵抗値設定にして、保安動作しないようにされなけ
ればならない。また、これらの通常発熱温度域を越える
発熱があった場合、保護抵抗体5の電力密度が発熱抵抗
体4の電力密度を上回るような抵抗値設定に到達し、実
施例1と同様に保安動作するものでなければならない。
【0044】上記の考えに基づいて作製した発熱体を、
実施例1とほぼ同様な方法で通電試験を行い、特性を確
認した。10分割された発熱抵抗体4と10分割された
保護抵抗体5の20℃における抵抗値の測定値は、19
120Ω及び1180Ωであった。面積抵抗値を算出す
ると、4780Ω及び1180Ωである。これらの分割
された発熱抵抗体4と分割された保護抵抗体5からなる
直列回路の抵抗値は20300Ωである。ここにAC1
00Vの電圧を印加すると、電圧印加直後の電力は0.
493Wが得られる。
実施例1とほぼ同様な方法で通電試験を行い、特性を確
認した。10分割された発熱抵抗体4と10分割された
保護抵抗体5の20℃における抵抗値の測定値は、19
120Ω及び1180Ωであった。面積抵抗値を算出す
ると、4780Ω及び1180Ωである。これらの分割
された発熱抵抗体4と分割された保護抵抗体5からなる
直列回路の抵抗値は20300Ωである。ここにAC1
00Vの電圧を印加すると、電圧印加直後の電力は0.
493Wが得られる。
【0045】本実施例の発熱体は、このような小さな直
列回路が電気的に並列に10回路形成されているので、
発熱体全体での20℃における電圧印加直後の電力は
4.93Wが得られるものである。この発熱体を50mm
厚みの発泡ウレタンで覆うとともにAC100Vを印加
し、最大飽和温度域における試験条件を設定した。発熱
抵抗体4及び保護抵抗体5の20℃に投入直後の電力
は、0.464W及び0.029Wであり、電力密度は、
0.116W/cm2及び0.029W/cm2であった。電源を
投入した直後は、発熱抵抗体4が主体的に発熱し、保護
抵抗体5は補助発熱部と言える状態であった。この発熱
抵抗体4と保護抵抗体5は共に正抵抗温度特性を示すの
で、電力値は発熱体が昇温することによって刻々と変化
する。80℃時点では、分割された発熱抵抗体4と保護
抵抗体5の抵抗値は、66920Ω及び11800Ωで
あり、電力は0.108W及び0.019W、電力密度は
0.027W/cm2及び0.019W/cm2であった。この時
点では保護抵抗体5もかなり発熱するようになってい
る。この発熱体は、結局、この温度で飽和し、その後2
4時間経過後も、状況の変化はなかった。そこで次に、
異常事態を想定して、印加電圧をAC150Vに上げた
結果、発熱体は昇温を開始し、85℃時点では、分割さ
れた発熱抵抗体4と保護抵抗体5の抵抗値は、9560
0Ω及び24780Ωであり、電力は0.148W及び
0.038W、電力密度は0.037W/cm2及び0.03
9W/cm2であった。このデータを測定したその直後、発
熱抵抗体4と保護抵抗体5の温度は低下し始め、最終的
に保温状態で60℃まで低下して安定した。この時点で
の分割された発熱抵抗体4と保護抵抗体5の抵抗値は、
47800Ω及び70800Ωであり、電力は0.03
4W及び0.050W、電力密度は、0.009W/cm2及
び0.050W/cm2となっていた。
列回路が電気的に並列に10回路形成されているので、
発熱体全体での20℃における電圧印加直後の電力は
4.93Wが得られるものである。この発熱体を50mm
厚みの発泡ウレタンで覆うとともにAC100Vを印加
し、最大飽和温度域における試験条件を設定した。発熱
抵抗体4及び保護抵抗体5の20℃に投入直後の電力
は、0.464W及び0.029Wであり、電力密度は、
0.116W/cm2及び0.029W/cm2であった。電源を
投入した直後は、発熱抵抗体4が主体的に発熱し、保護
抵抗体5は補助発熱部と言える状態であった。この発熱
抵抗体4と保護抵抗体5は共に正抵抗温度特性を示すの
で、電力値は発熱体が昇温することによって刻々と変化
する。80℃時点では、分割された発熱抵抗体4と保護
抵抗体5の抵抗値は、66920Ω及び11800Ωで
あり、電力は0.108W及び0.019W、電力密度は
0.027W/cm2及び0.019W/cm2であった。この時
点では保護抵抗体5もかなり発熱するようになってい
る。この発熱体は、結局、この温度で飽和し、その後2
4時間経過後も、状況の変化はなかった。そこで次に、
異常事態を想定して、印加電圧をAC150Vに上げた
結果、発熱体は昇温を開始し、85℃時点では、分割さ
れた発熱抵抗体4と保護抵抗体5の抵抗値は、9560
0Ω及び24780Ωであり、電力は0.148W及び
0.038W、電力密度は0.037W/cm2及び0.03
9W/cm2であった。このデータを測定したその直後、発
熱抵抗体4と保護抵抗体5の温度は低下し始め、最終的
に保温状態で60℃まで低下して安定した。この時点で
の分割された発熱抵抗体4と保護抵抗体5の抵抗値は、
47800Ω及び70800Ωであり、電力は0.03
4W及び0.050W、電力密度は、0.009W/cm2及
び0.050W/cm2となっていた。
【0046】この発熱体の外観を調べた結果、保護抵抗
体5には、抵抗体幅全面を横断する溝状の模様が見られ
た。この発熱体を完全に冷却した後、再度、AC100
Vを印加してみたところ、測定していた発熱抵抗体4と
保護抵抗体5の直列回路は殆ど発熱せず、保護抵抗体5
に生じた溝状の模様の色が濃くなるだけであった。
体5には、抵抗体幅全面を横断する溝状の模様が見られ
た。この発熱体を完全に冷却した後、再度、AC100
Vを印加してみたところ、測定していた発熱抵抗体4と
保護抵抗体5の直列回路は殆ど発熱せず、保護抵抗体5
に生じた溝状の模様の色が濃くなるだけであった。
【0047】本実施例に示した発熱体は、通常の発熱体
と異なり、発熱抵抗体4の正抵抗温度特性による温度制
御機能が組み込まれている。この試験は、正抵抗温度特
性による温度制御機能にもかかわらず、想定されない過
酷な条件にさらされた場合の、保護抵抗体5による保安
動作を確認したものである。本実施例の発熱抵抗体4と
保護抵抗体5の正抵抗温度特性を図3に示す。図3にお
いて、○プロットは発熱抵抗体4、△プロットが保護抵
抗体5の特性を示すものである。図から明らかなよう
に、発熱抵抗体4と保護抵抗体5の面積抵抗値は、20
℃近辺では保護抵抗体5の方が小さいが、85℃近辺で
交差して、逆転していることがわかる。面積抵抗値は面
状抵抗体の抵抗値を一般的に表現する数値であり、発熱
抵抗体4と保護抵抗体5からなる直列回路において、抵
抗体の幅が同一であれば、電力密度の比率は面積抵抗値
の比率になる。発熱体の基板1の面積を有効に活用する
ために、発熱抵抗体4と保護抵抗体5の幅を揃えたい場
合には、この面積抵抗値及びその値が交差する温度が保
護動作の設定にとって非常に重要である。なお、上記の
試験は、通常の使用では想定されない高電圧にさらされ
た場合の試験であるが、万一、この正抵抗温度特性によ
る温度制御機能が部分的に異常となった場合でも同様に
機能するものである。
と異なり、発熱抵抗体4の正抵抗温度特性による温度制
御機能が組み込まれている。この試験は、正抵抗温度特
性による温度制御機能にもかかわらず、想定されない過
酷な条件にさらされた場合の、保護抵抗体5による保安
動作を確認したものである。本実施例の発熱抵抗体4と
保護抵抗体5の正抵抗温度特性を図3に示す。図3にお
いて、○プロットは発熱抵抗体4、△プロットが保護抵
抗体5の特性を示すものである。図から明らかなよう
に、発熱抵抗体4と保護抵抗体5の面積抵抗値は、20
℃近辺では保護抵抗体5の方が小さいが、85℃近辺で
交差して、逆転していることがわかる。面積抵抗値は面
状抵抗体の抵抗値を一般的に表現する数値であり、発熱
抵抗体4と保護抵抗体5からなる直列回路において、抵
抗体の幅が同一であれば、電力密度の比率は面積抵抗値
の比率になる。発熱体の基板1の面積を有効に活用する
ために、発熱抵抗体4と保護抵抗体5の幅を揃えたい場
合には、この面積抵抗値及びその値が交差する温度が保
護動作の設定にとって非常に重要である。なお、上記の
試験は、通常の使用では想定されない高電圧にさらされ
た場合の試験であるが、万一、この正抵抗温度特性によ
る温度制御機能が部分的に異常となった場合でも同様に
機能するものである。
【0048】(実施例3)図4は本発明における実施例
3の発熱体の平面図である。図4において、6は基板で
あり、188μm厚みのポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを用いている。7、7’は一対の給電電極であ
り、エポキシ樹脂中に銀粉末を分散した導電性銀ペース
トを、厚膜印刷によって基板1の一方の面に形成してい
る。また、8は中間電極であり、導電性銀ペーストを、
厚膜印刷によって一対の給電電極7、7’の間の基板6
上に島状、かつ、千鳥配置で10個に分割して形成した
ものである。そして、9は発熱抵抗体であり、共重合ポ
リエステル樹脂とグラファイト導電材からなるペースト
を、厚膜印刷によって給電電極7、7’と中間電極8の
各島の距離の遠い方の電極間に、千鳥配置で10個に分
割して形成したものである。また、10は保護抵抗体で
あり、融点110℃の低密度ポリエチレンと平均粒子径
800nmのファーネス系カーボンブラックの混練物をペ
ースト化したものを、厚膜印刷によって給電電極7、
7’と中間電極8の各島の間の距離の近い方の電極間
に、千鳥配置で10個に分割して形成したものである。
分割された発熱抵抗体9及び保護抵抗体10は、それぞ
れ、給電電極7、7’の間に、中間電極8を経由して直
列に接続されている。
3の発熱体の平面図である。図4において、6は基板で
あり、188μm厚みのポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを用いている。7、7’は一対の給電電極であ
り、エポキシ樹脂中に銀粉末を分散した導電性銀ペース
トを、厚膜印刷によって基板1の一方の面に形成してい
る。また、8は中間電極であり、導電性銀ペーストを、
厚膜印刷によって一対の給電電極7、7’の間の基板6
上に島状、かつ、千鳥配置で10個に分割して形成した
ものである。そして、9は発熱抵抗体であり、共重合ポ
リエステル樹脂とグラファイト導電材からなるペースト
を、厚膜印刷によって給電電極7、7’と中間電極8の
各島の距離の遠い方の電極間に、千鳥配置で10個に分
割して形成したものである。また、10は保護抵抗体で
あり、融点110℃の低密度ポリエチレンと平均粒子径
800nmのファーネス系カーボンブラックの混練物をペ
ースト化したものを、厚膜印刷によって給電電極7、
7’と中間電極8の各島の間の距離の近い方の電極間
に、千鳥配置で10個に分割して形成したものである。
分割された発熱抵抗体9及び保護抵抗体10は、それぞ
れ、給電電極7、7’の間に、中間電極8を経由して直
列に接続されている。
【0049】なお、図3より明らかなように、本実施例
では、分割された発熱抵抗体9と保護抵抗体10を交互
に配置している。これは、保護抵抗体10が比較的小さ
い面積で形成されているものの、保護抵抗体10は実質
的には非発熱部であるために、その非発熱部を一部に集
中させると、温度の低い部分が形成されるので、これを
分散させて、緩和するように配慮した構成である。
では、分割された発熱抵抗体9と保護抵抗体10を交互
に配置している。これは、保護抵抗体10が比較的小さ
い面積で形成されているものの、保護抵抗体10は実質
的には非発熱部であるために、その非発熱部を一部に集
中させると、温度の低い部分が形成されるので、これを
分散させて、緩和するように配慮した構成である。
【0050】(実施例4)図5は本発明における実施例
4の発熱体の平面図である。図5において、11は基板
であり、188μm厚みのポリエチレンテレフタレート
フィルムを用いている。12、12’は一対の給電電極
であり、エポキシ樹脂中に銀粉末を分散した導電性銀ペ
ーストを、厚膜印刷によって基板1の一方の面に形成し
ている。また、13は中間電極であり、導電性銀ペース
トを、厚膜印刷によって一対の給電電極12、12’の
間の基板11上に島状に形成したものである。そして、
14は発熱抵抗体であり、共重合ポリエステル樹脂とグ
ラファイト導電材からなるペーストを、厚膜印刷によっ
て給電電極12と中間電極13の間に形成したものであ
る。また、15は保護抵抗体であり、融点92℃のエチ
レン酢酸ビニル共重合体と平均粒子径800nmのファー
ネス系カーボンブラックの混練物をペースト化したもの
を、厚膜印刷によって給電電極12’と中間電極13の
間に形成したものである。発熱抵抗体14及び保護抵抗
体15は、それぞれ、給電電極12、12’の間に、中
間電極13を経由して直列に接続されている。
4の発熱体の平面図である。図5において、11は基板
であり、188μm厚みのポリエチレンテレフタレート
フィルムを用いている。12、12’は一対の給電電極
であり、エポキシ樹脂中に銀粉末を分散した導電性銀ペ
ーストを、厚膜印刷によって基板1の一方の面に形成し
ている。また、13は中間電極であり、導電性銀ペース
トを、厚膜印刷によって一対の給電電極12、12’の
間の基板11上に島状に形成したものである。そして、
14は発熱抵抗体であり、共重合ポリエステル樹脂とグ
ラファイト導電材からなるペーストを、厚膜印刷によっ
て給電電極12と中間電極13の間に形成したものであ
る。また、15は保護抵抗体であり、融点92℃のエチ
レン酢酸ビニル共重合体と平均粒子径800nmのファー
ネス系カーボンブラックの混練物をペースト化したもの
を、厚膜印刷によって給電電極12’と中間電極13の
間に形成したものである。発熱抵抗体14及び保護抵抗
体15は、それぞれ、給電電極12、12’の間に、中
間電極13を経由して直列に接続されている。
【0051】なお、図5より明らかなように、本実施例
では、保護抵抗体15が形成される側の中間電極13と
給電電極12’から、枝状電極が交互に分岐され、その
枝状電極が対向する構成となっている。これは、面積抵
抗値が高い抵抗体を低抵抗化させるのに極めて有効な構
成であり、この構成を活用することによって次のような
ことが可能となる。先ず、保護抵抗体の正抵抗温度特性
を大きくするためには導電性微粉末の添加量を減らすこ
とが有効であるが、結果として面積抵抗値が高くなって
しまう。このような場合、抵抗値を下げる手段として極
めて有効である。また、電源電圧が低い用途に対応する
ためには、低抵抗の発熱抵抗体と共にこれに見合う低抵
抗の保護抵抗体が必要であるが、この構成であれば容易
に達成できる。さらに、発熱抵抗体の装架面積を増大す
るためには、小面積で低抵抗の保護抵抗体が必要である
が、本実施例で示した、枝状電極は極めて有効な手段と
なる。なお、当然ながら、発熱抵抗体14にもこの枝状
電極は使用可能であり、保護抵抗体同様に、非常に効果
的である。
では、保護抵抗体15が形成される側の中間電極13と
給電電極12’から、枝状電極が交互に分岐され、その
枝状電極が対向する構成となっている。これは、面積抵
抗値が高い抵抗体を低抵抗化させるのに極めて有効な構
成であり、この構成を活用することによって次のような
ことが可能となる。先ず、保護抵抗体の正抵抗温度特性
を大きくするためには導電性微粉末の添加量を減らすこ
とが有効であるが、結果として面積抵抗値が高くなって
しまう。このような場合、抵抗値を下げる手段として極
めて有効である。また、電源電圧が低い用途に対応する
ためには、低抵抗の発熱抵抗体と共にこれに見合う低抵
抗の保護抵抗体が必要であるが、この構成であれば容易
に達成できる。さらに、発熱抵抗体の装架面積を増大す
るためには、小面積で低抵抗の保護抵抗体が必要である
が、本実施例で示した、枝状電極は極めて有効な手段と
なる。なお、当然ながら、発熱抵抗体14にもこの枝状
電極は使用可能であり、保護抵抗体同様に、非常に効果
的である。
【0052】(実施例5)図6は本発明における実施例
5の発熱体の平面図である。図6において、16は基板
であり、188μm厚みのポリエチレンテレフタレート
フィルムを用いている。17、17’は一対の給電電極
であり、エポキシ樹脂中に銀粉末を分散した導電性銀ペ
ーストを、厚膜印刷によって基板16の一方の面に形成
している。また、18a、18bは中間電極であり、導
電性銀ペーストを、厚膜印刷によって一対の給電電極1
7、17’の間の基板16上に島状に形成したものであ
る。そして、19は発熱抵抗体であり、共重合ポリエス
テル樹脂とグラファイト導電材からなるペーストを、厚
膜印刷によって中間電極18aと18bの間に形成した
ものである。また、20a、20bは保護抵抗体であ
り、融点110℃の低密度ポリエチレンと平均粒子径8
00nmのファーネス系カーボンブラックの混練物をペー
スト化したものを、厚膜印刷によって給電電極17と中
間電極18aの間、及び、給電電極17’と中間電極1
8bの間に形成したものである。保護抵抗体20a、発
熱抵抗体19、保護抵抗体20bは、それぞれ、給電電
極17、17’の間に、中間電極18a、18bを経由
して直列に接続されている。この構成は、発熱抵抗体1
9の発熱状態をより高精度で監視するために、20aと
20bの2つに分離した保護抵抗体によって発熱抵抗体
19を直列に挟み、より高精度の異常検知をはかるもの
である。
5の発熱体の平面図である。図6において、16は基板
であり、188μm厚みのポリエチレンテレフタレート
フィルムを用いている。17、17’は一対の給電電極
であり、エポキシ樹脂中に銀粉末を分散した導電性銀ペ
ーストを、厚膜印刷によって基板16の一方の面に形成
している。また、18a、18bは中間電極であり、導
電性銀ペーストを、厚膜印刷によって一対の給電電極1
7、17’の間の基板16上に島状に形成したものであ
る。そして、19は発熱抵抗体であり、共重合ポリエス
テル樹脂とグラファイト導電材からなるペーストを、厚
膜印刷によって中間電極18aと18bの間に形成した
ものである。また、20a、20bは保護抵抗体であ
り、融点110℃の低密度ポリエチレンと平均粒子径8
00nmのファーネス系カーボンブラックの混練物をペー
スト化したものを、厚膜印刷によって給電電極17と中
間電極18aの間、及び、給電電極17’と中間電極1
8bの間に形成したものである。保護抵抗体20a、発
熱抵抗体19、保護抵抗体20bは、それぞれ、給電電
極17、17’の間に、中間電極18a、18bを経由
して直列に接続されている。この構成は、発熱抵抗体1
9の発熱状態をより高精度で監視するために、20aと
20bの2つに分離した保護抵抗体によって発熱抵抗体
19を直列に挟み、より高精度の異常検知をはかるもの
である。
【0053】なお、保護抵抗体は2つの分離に限定され
るものでなく、3つ以上に分離して、2つ以上に分離さ
れた発熱抵抗体に直列に挿入するとさらに効果的であ
る。また、上記の発熱抵抗体と保護抵抗体を入れ替えて
直列に組み合わせる方法も効果的である。
るものでなく、3つ以上に分離して、2つ以上に分離さ
れた発熱抵抗体に直列に挿入するとさらに効果的であ
る。また、上記の発熱抵抗体と保護抵抗体を入れ替えて
直列に組み合わせる方法も効果的である。
【0054】また、このように複数に分離された発熱抵
抗体及び保護抵抗体を直列に接続し、この接続回路を一
対の給電電極間に、並列に形成することにより、極めて
優れた保安機能を有する大面積の発熱体を形成できる。
さらに、発熱抵抗体及び保護抵抗体の直列接続の順列を
入れ替えながら並列に形成することにより、温度分布も
改善できる。
抗体及び保護抵抗体を直列に接続し、この接続回路を一
対の給電電極間に、並列に形成することにより、極めて
優れた保安機能を有する大面積の発熱体を形成できる。
さらに、発熱抵抗体及び保護抵抗体の直列接続の順列を
入れ替えながら並列に形成することにより、温度分布も
改善できる。
【0055】以上、5実施例について示したが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではなく、以下に示
す展開を含むものである。
はこれらの実施例に限定されるものではなく、以下に示
す展開を含むものである。
【0056】発熱抵抗体及び保護抵抗体の接続は中間電
極を介しているが、発熱抵抗体及び保護抵抗体は、中間
電極を介さず、直接接続することも可能であり、電気的
にはほぼ同等の効果を奏する。また、発熱抵抗体及び保
護抵抗体は、必ずしも分割された単位ごとに直列に接続
される必要はなく、1つの発熱抵抗体に複数の保護抵抗
体を直列に接続したり、逆に、複数の発熱抵抗体に1つ
のの保護抵抗体を直列に接続したりして、直並列接続に
よる冗長設計を伴っても同等の効果を奏する。また、発
熱抵抗体及び保護抵抗体の形成面積比率は4対1の場合
を示したが、実施例に限定されるものではなく、一般的
には1対1以上、好ましくは2対1以上、さらに好まし
くは10対1というように、できる限り発熱抵抗体の方
が大きい方が温度分布の観点からは好ましい。
極を介しているが、発熱抵抗体及び保護抵抗体は、中間
電極を介さず、直接接続することも可能であり、電気的
にはほぼ同等の効果を奏する。また、発熱抵抗体及び保
護抵抗体は、必ずしも分割された単位ごとに直列に接続
される必要はなく、1つの発熱抵抗体に複数の保護抵抗
体を直列に接続したり、逆に、複数の発熱抵抗体に1つ
のの保護抵抗体を直列に接続したりして、直並列接続に
よる冗長設計を伴っても同等の効果を奏する。また、発
熱抵抗体及び保護抵抗体の形成面積比率は4対1の場合
を示したが、実施例に限定されるものではなく、一般的
には1対1以上、好ましくは2対1以上、さらに好まし
くは10対1というように、できる限り発熱抵抗体の方
が大きい方が温度分布の観点からは好ましい。
【0057】次に、抵抗体構成材料であるが、発熱抵抗
体及び保護抵抗体の抵抗温度特性を設定するための調整
ポイントは、結晶性重合体の融点、カーボンブラックの
粒子径だけではなく、カーボンブラックの比表面積とス
トラクチャーがある。発熱抵抗体は大きな正抵抗温度特
性と同時に抵抗値の安定性が必要であり、比表面積及び
ストラクチャーが大きなカーボンブラックが望ましく、
正抵抗温度特性は多少犠牲になるが、抵抗値の安定性が
得られる。
体及び保護抵抗体の抵抗温度特性を設定するための調整
ポイントは、結晶性重合体の融点、カーボンブラックの
粒子径だけではなく、カーボンブラックの比表面積とス
トラクチャーがある。発熱抵抗体は大きな正抵抗温度特
性と同時に抵抗値の安定性が必要であり、比表面積及び
ストラクチャーが大きなカーボンブラックが望ましく、
正抵抗温度特性は多少犠牲になるが、抵抗値の安定性が
得られる。
【0058】一方、保護抵抗体は抵抗値の安定性よりも
大きな正抵抗温度特性が必要であり、比表面積及びスト
ラクチャーが小さなカーボンブラックが望ましい。ま
た、同様の観点から、保護抵抗体の導電性微粉末として
は、面積抵抗値が低く、正抵抗温度特性の変化桁数が大
きい金属粒子、特に、球形のニッケル粉末が好ましい。
また、電圧集中現象が発生した場合、その現象の原因を
取り除いた後に、抵抗値が復帰するものと、復帰しにく
い材料が選択できる。通常の保安動作は復帰しない方が
好ましく、その観点からも、好ましくは、サーマルブラ
ックやランプブラックを含む平均粒子径の大きなカーボ
ンブラック、あるいは、比表面積及びストラクチャーが
小さなカーボンブラックが望ましい。さらに好ましく
は、平均粒子径の大きな球形の金属粒子が望ましい。こ
れらの導電性微粉末は、電圧集中時の極めて強い電圧ス
トレスによって短時間で高抵抗化し、再通電の際にも、
直ちに保安動作させることができる。
大きな正抵抗温度特性が必要であり、比表面積及びスト
ラクチャーが小さなカーボンブラックが望ましい。ま
た、同様の観点から、保護抵抗体の導電性微粉末として
は、面積抵抗値が低く、正抵抗温度特性の変化桁数が大
きい金属粒子、特に、球形のニッケル粉末が好ましい。
また、電圧集中現象が発生した場合、その現象の原因を
取り除いた後に、抵抗値が復帰するものと、復帰しにく
い材料が選択できる。通常の保安動作は復帰しない方が
好ましく、その観点からも、好ましくは、サーマルブラ
ックやランプブラックを含む平均粒子径の大きなカーボ
ンブラック、あるいは、比表面積及びストラクチャーが
小さなカーボンブラックが望ましい。さらに好ましく
は、平均粒子径の大きな球形の金属粒子が望ましい。こ
れらの導電性微粉末は、電圧集中時の極めて強い電圧ス
トレスによって短時間で高抵抗化し、再通電の際にも、
直ちに保安動作させることができる。
【0059】最後に構成であるが、発熱抵抗体及び保護
抵抗体の熱的結合をはかるために、両者の抵抗体を直接
隣接させる以外にも、直接隣接はしていないが、マトリ
クス的に配列させ、両者を接続電極によって直列回路を
形成する構成でも熱的結合を果たせる。また、両者を厚
み方向に積層すれば最良の熱的結合がはかれる。この場
合も両者の抵抗体を接続電極で結合すれば容易に形成で
きる。また、基板上に両者を構成し、両者を接続電極で
接続したのち、表裏に折り返す構成も効果的である。
抵抗体の熱的結合をはかるために、両者の抵抗体を直接
隣接させる以外にも、直接隣接はしていないが、マトリ
クス的に配列させ、両者を接続電極によって直列回路を
形成する構成でも熱的結合を果たせる。また、両者を厚
み方向に積層すれば最良の熱的結合がはかれる。この場
合も両者の抵抗体を接続電極で結合すれば容易に形成で
きる。また、基板上に両者を構成し、両者を接続電極で
接続したのち、表裏に折り返す構成も効果的である。
【0060】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、発熱抵
抗体と、前記発熱抵抗体に熱的に結合されると共に、電
気的に直列に接続されてなり、正抵抗温度特性により、
大きな抵抗値の変化桁数を有する面状の保護抵抗体とか
らなる発熱体であり、発熱抵抗体が通常発熱温度を越え
る発熱を生じた場合、面状均熱発熱状態から線状の電圧
集中発熱状態に移行し、、発熱抵抗体に比較して保護抵
抗体の抵抗値が遥かに大きくなり、直列接続回路の電流
を大きく抑制し、実質的に発熱抵抗体は発熱停止状態と
なる。この保護抵抗体を発熱体に組み込むことにより、
発熱部の全ての部分の異常の有無を、瀬戸際に至る前
に、発熱体自身が、精度良く、常時監視できる保安機能
を内蔵する発熱体を提供するもので、発熱体の設計の自
由度を増し、より多様な用途に応用することを可能にす
るものである。
抗体と、前記発熱抵抗体に熱的に結合されると共に、電
気的に直列に接続されてなり、正抵抗温度特性により、
大きな抵抗値の変化桁数を有する面状の保護抵抗体とか
らなる発熱体であり、発熱抵抗体が通常発熱温度を越え
る発熱を生じた場合、面状均熱発熱状態から線状の電圧
集中発熱状態に移行し、、発熱抵抗体に比較して保護抵
抗体の抵抗値が遥かに大きくなり、直列接続回路の電流
を大きく抑制し、実質的に発熱抵抗体は発熱停止状態と
なる。この保護抵抗体を発熱体に組み込むことにより、
発熱部の全ての部分の異常の有無を、瀬戸際に至る前
に、発熱体自身が、精度良く、常時監視できる保安機能
を内蔵する発熱体を提供するもので、発熱体の設計の自
由度を増し、より多様な用途に応用することを可能にす
るものである。
【図1】本発明の実施例1の発熱体の構造を示す平面図
【図2】本発明の実施例1の発熱体の保護抵抗体の抵抗
温度特性を示す図
温度特性を示す図
【図3】本発明の実施例2の発熱体の発熱抵抗体と保護
抵抗体の抵抗温度特性を示す図
抵抗体の抵抗温度特性を示す図
【図4】本発明の実施例3の発熱体の構造を示す平面図
【図5】本発明の実施例4の発熱体の構造を示す平面図
【図6】本発明の実施例5の発熱体の構造を示す平面図
【図7】(a)従来の発熱体における正常時の構造を示
す断面図(b)従来の発熱体における異常発熱時の構造
を断面図
す断面図(b)従来の発熱体における異常発熱時の構造
を断面図
1、6、11、16 基板
2、2’、7、7’、12、12’17、17’ 給電
電極 3、8、13、18a、18b 中間電極 4、9、14、19 発熱抵抗体 5、10、15、20a、20b 保護抵抗体
電極 3、8、13、18a、18b 中間電極 4、9、14、19 発熱抵抗体 5、10、15、20a、20b 保護抵抗体
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 米山 充
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器
産業株式会社内
(72)発明者 石井 隆仁
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器
産業株式会社内
Fターム(参考) 3K058 AA12 BA01 CB09 CB19 CE03
CE05 CE13 CE19 CE26 CE28
CE29 CE31
3K092 QA05 QB14 QB18 QB21 QB32
QB48 QB49 QC31 QC42 RF14
RF17 RF28 VV25
Claims (26)
- 【請求項1】 発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体に熱的に
結合されると共に、電気的に直列に接続されてなり、正
抵抗温度特性により、大きな抵抗値の変化桁数を有する
面状の保護抵抗体とからなる発熱体であって、前記保護
抵抗体が前記発熱抵抗体に比較して抵抗値の配分比率が
小さく、前記発熱抵抗体が主体的に発熱する通常発熱状
態と、前記発熱抵抗体の通常発熱温度を越える発熱が生
じた場合、前記保護抵抗体の温度が所定温度以上に増大
し、その温度域における正抵抗温度係数による抵抗値増
大によって、前記保護抵抗体の抵抗値の配分比率が高ま
ることによって応分の発熱量を増大させると共に、前記
保護抵抗体は前記発熱量増大による温度増大、前記温度
増大による抵抗値増大、前記抵抗値増大による抵抗値配
分比率の増大、前期抵抗値配分比率の増大による発熱量
増大の過程を繰り返し、前記保護抵抗体の熱拡散能力を
越える電力密度に到達し、面状均熱発熱状態から線状の
電圧集中発熱状態に移行し、前記集中発熱部分が大幅に
高抵抗化することにより、前記発熱抵抗体に比較して前
記保護抵抗体の抵抗値が遥かに大きくなり、直列接続回
路に印加される電圧の大半を前記保護抵抗体が受け持つ
と共に、前記直列接続回路の電流を実質的に停止する発
熱停止状態とを有する発熱体。 - 【請求項2】 発熱抵抗体が正抵抗温度特性を有する請
求項1記載の発熱体。 - 【請求項3】 発熱抵抗体は面状であり、前記発熱抵抗
体と保護抵抗体が面方向に隣接されて一体に形成されて
なる請求項1または2記載の発熱体。 - 【請求項4】 発熱抵抗体及び保護抵抗体の少なくとも
一方が電気的に並列に分割されてなる請求項3記載の発
熱体。 - 【請求項5】 複数に分割された各々の発熱抵抗体に
は、前記発熱抵抗体毎に独立に形成された保護抵抗体が
接続され、前記発熱抵抗体と前記保護抵抗体とからなる
直列接続回路を一対の給電電極間に電気的に並列に配列
させて、一体に形成されてなる請求項3記載の発熱体。 - 【請求項6】 複数に分割された各々の発熱抵抗体に
は、前記発熱抵抗体毎に独立に形成された保護抵抗体が
接続され、前記発熱抵抗体と前記保護抵抗体とからなる
直列接続回路を、前記発熱抵抗体と前記保護抵抗体の順
序を交互に変えて、一対の給電電極間に電気的に並列に
配列させて一体に形成されてなる請求項3記載の発熱
体。 - 【請求項7】 発熱抵抗体あるいは保護抵抗体の少なく
とも一方が複数に分割されて、前記発熱抵抗体あるいは
前記保護抵抗体の間に挿入される形で電気的に直列に接
続されてなる請求項3記載の発熱体。 - 【請求項8】 発熱抵抗体あるいは保護抵抗体の少なく
とも一方が複数に分割されて、前記発熱抵抗体あるいは
前記保護抵抗体の間に挿入される形で電気的に直列に接
続されてなる直列接続回路を、一対の給電電極間に電気
的に並列に配列させて一体に形成されてなる請求項3記
載の発熱体。 - 【請求項9】 発熱抵抗体あるいは保護抵抗体の少なく
とも一方が複数に分割されて、前記発熱抵抗体あるいは
前記保護抵抗体の間に挿入される形で電気的に直列に接
続されてなる直列接続回路を、前記発熱抵抗体と前記保
護抵抗体の配列を交互に変えて、一対の給電電極間に電
気的に並列に配列させて一体に形成されてなる請求項3
記載の発熱体。 - 【請求項10】 発熱抵抗体及び保護抵抗体にはそれぞ
れ一対の電極が備わり、前記発熱抵抗体と前記保護抵抗
体の間に存在する前記電極は、前記発熱抵抗体と前記保
護抵抗体の共用であると共に、電源に接続されない中間
電極であり、前記中間電極を除く電極を給電電極として
なる請求項3記載の発熱体。 - 【請求項11】 複数に分割された各々の発熱抵抗体に
は、前記発熱抵抗体毎に独立に形成された島状の中間電
極が接続され、前記中間電極には、前記発熱抵抗体毎に
独立に形成された保護抵抗体が接続され、前記発熱抵抗
体と前記中間電極と前記保護抵抗体とからなる直列接続
回路を一対の給電電極間に電気的に並列に配列させて一
体に形成されてなる請求項10記載の発熱体。 - 【請求項12】 電気絶縁基材面に形成された一対の給
電電極と、前記一対の給電電極の間に不連続に島状に形
成された複数の中間電極と、前記給電電極の一方と前記
島状に形成された中間電極間に前記中間電極毎に形成さ
れた複数の発熱抵抗体と、前記給電電極の他方と前記島
状に形成された中間電極間に前記中間電極毎に形成され
た複数の保護抵抗体とからなる請求項10記載の発熱
体。 - 【請求項13】 保護抵抗体に接する中間電極と給電電
極は、それぞれの主電極から複数の枝状電極を分岐さ
せ、前記枝状電極を対向させることによって低抵抗化さ
れてなる請求項10〜12のいずれか1項に記載の発熱
体。 - 【請求項14】 枝状電極を設ける前に比べ、枝状電極
を設けた後に、発熱抵抗体の面積に対する保護抵抗体の
面積の比が50%以上低減された請求項13記載の発熱
体。 - 【請求項15】 発熱抵抗体に給電する一対の電極と保
護抵抗体に給電する一対の電極のうち、前記発熱抵抗体
と前記保護抵抗体の間にある電極を省略し、前記発熱抵
抗体と前記保護抵抗体が直接、電気的に結合されてなる
請求項10記載の発熱体。 - 【請求項16】 発熱抵抗体は温度調節装置によって最
大温度域が設定されるものであり、前記最大温度域より
も低い温度域において、通常発熱状態であり、前記最大
温度域よりも高い温度域において、実質的に発熱停止状
態となる請求項1または2に記載の発熱体。 - 【請求項17】 発熱抵抗体は正抵抗温度係数を有する
と共に、定格発熱量の温度依存特性と定格放熱量の収支
が一致する定格飽和温度域と、最大発熱量の温度依存特
性と最小放熱量の収支が一致する最大飽和温度域を有
し、前記定格飽和温度域を含む、前記最大飽和温度域よ
りも低い飽和温度域において、通常発熱状態であり、前
記最大飽和温度域よりも高い温度域において、実質的に
発熱停止状態となる請求項2記載の発熱体。 - 【請求項18】 最大飽和温度域よりも低い温度域にお
いて、前記発熱抵抗体の電力密度よりも前記保護抵抗体
の電力密度が低く、前記最大飽和温度域よりも高い温度
域において、前記発熱抵抗体の電力密度よりも前記保護
抵抗体の電力密度が高くなるように、前記最大飽和温度
域以上の温度域で前記発熱抵抗体と前記保護抵抗体の抵
抗温度特性曲線を交差させると共に、前記発熱抵抗体と
前記保護抵抗体の電流通過幅寸法を調整して電流密度を
調整してなる請求項17記載の発熱体。 - 【請求項19】 最大飽和温度域よりも低い温度域にお
いて、前記発熱抵抗体の面積抵抗値よりも前記保護抵抗
体の面積抵抗値が低く、前記最大飽和温度域よりも高い
温度域において、前記発熱抵抗体の面積抵抗値よりも前
記保護抵抗体の面積抵抗値が高くなるように、抵抗温度
特性が前記最大飽和温度域以上の温度域で交差する特性
を有してなる請求項17記載の発熱体。 - 【請求項20】 発熱抵抗体及び保護抵抗体は、結晶性
重合体と導電性微粉末を主成分とするとともに、前記発
熱抵抗体を構成する結晶性重合体と前記保護抵抗体を構
成する結晶性重合体との融点に差を設けてなる請求項
2、17、18、19のいずれか1項に記載の発熱体。 - 【請求項21】 発熱抵抗体及び保護抵抗体は、結晶性
重合体と導電性微粉末を主成分とするとともに、前記発
熱抵抗体を構成する導電性微粉末よりも前記保護抵抗体
を構成する導電性微粉末の方がより大きな粒子径の微粉
末を含んでなる請求項2、17、18、19、20のい
ずれか1項に記載の発熱体。 - 【請求項22】 発熱抵抗体及び保護抵抗体は、結晶性
重合体と導電性微粉末を主成分とするとともに、前記発
熱抵抗体を構成する導電性微粉末にはストラクチャーま
たは比表面積が比較的大きなカーボンブラックを添加す
るとともに、前記保護抵抗体を構成する導電性微粉末の
方にはよりストラクチャーまたは比表面積が小さなカー
ボンブラックを含んでなる請求項2、17、18、1
9、20のいずれか1項に記載の発熱体。 - 【請求項23】 発熱抵抗体及び保護抵抗体は、結晶性
重合体と導電性微粉末を主成分とするとともに、前記発
熱抵抗体を構成する導電性微粉末は炭素が主成分であ
り、前記保護抵抗体を構成する導電性微粉末は金属粒子
を含んでなる請求項2、17、18、19、20、21
のいずれか1項に記載の発熱体。 - 【請求項24】 一旦、発熱抑制状態になった保護抵抗
体は、電源を遮断し、再度投入した時にも、発熱抵抗体
の状態にかかわらず発熱抑制状態に移行する請求項1、
2、3、4、5、16、17、18、19、21、23
のいずれか1項に記載の発熱体。 - 【請求項25】 発熱抵抗体に給電する一対の電極と保
護抵抗体に給電する一対の電極からなり、前期発熱抵抗
体に給電する一対の電極の一方と前期保護抵抗体に給電
する一対の電極の一方との間を接続電極によって電気的
に接続するとともに、前期接続電極に接続されない電極
を電源に接続してなる請求項1記載の発熱体。 - 【請求項26】 発熱抵抗体と保護抵抗体が厚み方向に
積層され、前記発熱抵抗体と前記保護抵抗体の間を接続
電極によって電気的に接続してなる請求項1の発熱体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001300702A JP2003109722A (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 発熱体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001300702A JP2003109722A (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 発熱体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003109722A true JP2003109722A (ja) | 2003-04-11 |
Family
ID=19121240
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001300702A Pending JP2003109722A (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 発熱体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2003109722A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009026722A (ja) * | 2007-07-24 | 2009-02-05 | Panasonic Corp | 面状発熱体 |
CN102732971A (zh) * | 2012-07-16 | 2012-10-17 | 登封市蓝天石化光伏电力装备有限公司 | 晶体生长炉用发热装置及刚玉单晶生长炉 |
KR20150100344A (ko) * | 2014-02-25 | 2015-09-02 | 한온시스템 주식회사 | 발열저항체를 이용한 히터 |
-
2001
- 2001-09-28 JP JP2001300702A patent/JP2003109722A/ja active Pending
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JP2009026722A (ja) * | 2007-07-24 | 2009-02-05 | Panasonic Corp | 面状発熱体 |
CN102732971A (zh) * | 2012-07-16 | 2012-10-17 | 登封市蓝天石化光伏电力装备有限公司 | 晶体生长炉用发热装置及刚玉单晶生长炉 |
KR20150100344A (ko) * | 2014-02-25 | 2015-09-02 | 한온시스템 주식회사 | 발열저항체를 이용한 히터 |
KR102007199B1 (ko) * | 2014-02-25 | 2019-10-01 | 한온시스템 주식회사 | 발열저항체를 이용한 히터 |
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