JP2003109556A - 電 池 - Google Patents
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Abstract
良の発生等を効果的に防ぎ、安定的に正規の電流や電圧
を出力することができる電池を提供する。 【解決手段】 起電能力を有する発電要素である巻回電
極体1と、一面が開口となっており内部に巻回電極体1
を収容する電池缶2と、少くとも周縁に平坦面を有して
おり、その平坦面またはその平坦面の外周端(外周周縁
端32)に突起100が形成されており、電池缶2の開
口に組み付けられてその開口を塞ぐ蓋体として用いられ
ると共に外部との電気的な接続のための端子として用い
られる電池蓋3と、少くとも周縁に平坦面を有してお
り、その平坦面が電池蓋3の平坦面と対面してその電池
蓋3に設けられている突起100と接触するように配置
された安全弁4と、電気絶縁性のガスケット5とを備え
ている。
Description
続端子板とから主要部が構成される密閉容器内に発電要
素と安全弁とを収容してなる構造を備えた、例えばリチ
ウム一次電池またはリチウムイオン二次電池あるいはニ
ッケル水素二次電池等のような電池に関する。
に、負極にはリチウムをドープ/脱ドープすることが可
能である炭素系材料を用いたリチウムイオン非水電解液
電池は、軽量・小型であり、かつ出力電圧が高く大容量
でサイクル特性も良好であるといった種々の特長を有し
ていることから、近年では、例えば携帯電話装置やノー
ト型パソコンなどの携帯用電子機器に組み込まれて用い
られる電源やバックアップ用電源等として実用化される
ようになって来ている。さらには、そのような弱電機器
用の電源ばかりでなく、電動機と内燃機関とを併せ備え
たハイブリッド自動車や電気自動車、電動モーターバイ
クや電動アシスト動力付自転車、各種電動工具などの、
動力用電源としての実用化も期待されている。あるい
は、例えばコージェネレーション発電システムにおいて
作り出した電気エネルギーを蓄積する電気貯蔵器として
の利用なども提案されており、今後の技術的な発展およ
び用途上の展開等が大いに期待されている。
は一般に、円筒状または箱状の外形形状の電池缶(電池
容器)の中に、例えば巻回電極体のような発電要素を収
容し、電池缶の開口を電池蓋で塞ぎ、その電池蓋の外周
縁と電池缶の内壁面との間隙を電気絶縁性のガスケット
で密閉した構造を採用している。
イオン非水電解液電池の場合、一般に、電池蓋は周縁が
平坦なフランジ状に形成されており、そのフランジの平
坦面に対して、同様のフランジ状の平坦面を備えた安全
弁を対面させるように重ね合わせて、その重ね合わされ
た部分で電池蓋と安全弁との電気的な接触を取るように
設計されている。そして安全弁は巻回電極体のような起
電能力を有する発電要素に電気的に接続されており、従
って電流は発電要素から安全弁を通って電池蓋に導通
(あるいはその逆向きの導通も可能)するように設計さ
れている。安全弁は、電池内部の圧力が前記所定の圧力
以上の状態になると、その圧力によって変形して、例え
ばフランジの外周周縁端とガスケットとの間に隙間を生
じさせて、その間隙から電池内部のガスを外部へと排出
するように機能する。円筒状のいわゆる円筒セル型など
の電池の場合には、一般に、電池蓋が発電要素の正極に
接続されており、電池缶が発電要素の負極に接続されて
いる。
えば筒状に立ち上げた形状の折り代を形成しておき、そ
の筒状の壁の内側に電池蓋を落とし込んで、安全弁のフ
ランジの平坦面と電池蓋のフランジの平坦面とを重ね合
わせ、それを電池缶の開口側の端部に装着し、その電池
缶の端部の内壁と安全弁の筒状の折り代の外壁との間に
ガスケットを当てがって、電池缶の端部と安全弁の筒状
の折り代とを内向きに折り曲げて、ガスケットと共に電
池蓋を安全弁の折り代と電池缶の端部とでかしめた構造
のものもある。
解液電池の他にも、例えばニッケルカドミウム二次電池
やニッケル水素二次電池なども、上記と同様の用途への
適用が提案され、その実用化も達成されているが、その
ようなニッケルカドミウム二次電池やニッケル水素二次
電池などについても、一般に、上記と同様の構造が採用
されている。
な構造では、安全弁のフランジの平坦面と電池蓋のフラ
ンジの平坦面とを単純に重ね合わせて、その面的な接触
によって安全弁と電池蓋との電気的な接続を取るように
設定していたので、例えばガスケットの経時変化や劣化
に起因して安全弁と電池蓋とを接触状態に保つ力が弱く
なって、その安全弁と電池蓋との間での接触抵抗が増大
したり、両者が乖離して完全に非接触の状態になるなど
して、電池として正規の電流や電圧を出力することがで
きなくなるという問題がある。
代とを内向きに折り曲げて、ガスケットと共に電池蓋を
安全弁の折り代と電池缶の端部とでかしめた構造の電池
の場合には、そのかしめの状態によっては安全弁と電池
蓋とが十分な接触状態に保たれずに、安全弁と電池蓋と
の間での接触抵抗が増大したり、両者が乖離して完全に
非接触の状態になるなどして、電池としての出力電流や
出力電圧が公称値未満に低下したり、電圧や電流を出力
すること自体が妨げられてしまうという問題があった。
温度変化が加えられると、安全弁と電池蓋との接触状態
が機械的に変化することに起因して、安全弁と電池蓋と
の間での接触抵抗が増大したり、両者が乖離して完全に
非接触の状態になり、電池に要求される出力性能を安定
的に得ることが困難となる場合があるという問題があっ
た。
源などの用途や、長期間に亘って高温環境下に置かれる
用途、あるいは動力源として電気自動車などの乗り物に
搭載される電池のように、激しい振動や衝撃等が加わる
ことが多い用途に用いられる電池では、上記のような安
全弁と電池蓋との接触状態が機械的に変化することや、
ガスケットの劣化がさらに著しく助長されることが多
く、それに起因して上記のような出力電流や出力電圧の
低下や出力不能が生じる確率がさらに高くなるという問
題がある。
ので、その目的は、電池に機械的な振動や衝撃あるいは
温度変化が加えられたり、ガスケットに劣化が生じるな
どしても、安全弁と電池蓋との確実な接触を保つこと
で、安全弁と電池蓋との接触抵抗の増大や接触不良の発
生等を効果的に防いで、電池としての規格通りの電流や
電圧を出力することができる電池を提供することにあ
る。
電能力を有する発電要素と、一面が開口となっており内
部に前記発電要素を収容する電池容器と、少くとも周縁
に平坦面を有しており、平坦面またはその平坦面の外周
端には突起が形成されており、電池容器の開口に組み付
けられてその開口を塞ぐ蓋体として用いられると共に外
部との電気的な接続のための端子として用いられる外部
接続端子板と、少くとも周縁に平坦面を有しており、そ
の平坦面が外部接続端子板の平坦面と対面して少くとも
外部接続端子板の突起と接触するように配置され、電池
内部の圧力が所定の圧力以上の状態になると、その圧力
によって変形して電池内部のガスを外部に排出する安全
弁と、外部接続端子板または安全弁のうち少くともいず
れか一方と電池容器との間に介挿された電気絶縁性のガ
スケットとを備えている。
ばれるような外部接続端子板の少くとも周縁に、例えば
フランジのような平坦面を有し、その平坦面または平坦
面の外周端には突起が形成されており、その突起が安全
弁の平坦面と接触することによって、外部接続端子板と
安全弁とが電気的に接続される。
坦面の外周端を積極的にめくれ上がらせて形成してなる
ものであるようにしてもよい。
っている(突出している)上記の突起の高さを、外部接
続端子板の平坦面の板厚の5%以上30%以下に設定す
ることが望ましいことを、本発明者らは種々の実験によ
って確認した。
ると、十分に効果的な外部接続端子板と安全弁との接触
を達成することが困難なものとなり、突起を板厚の30
%超の高さにすると、外部接続端子板と安全弁とを重ね
合わせてかしめる際などに突起が安全弁の平坦面に食い
込んでクラック(ひび割れ)などの破損を生じたり両者
に歪みが生じる確率が高くなるためである。
平坦面とを重ね合わせ、安全弁の周縁外周に設けられた
折り代を折り返して外部接続端子板の周縁をカシメるこ
とで、その外部接続端子板の周縁が安全弁の周縁に固着
された構造としてもよい。
板の平坦面の所定位置にエンボス加工または孔開け加工
によって形成することなどが可能である。
所定の圧力未満の状態では発電要素に対して接触して電
気的に接続された状態となっており、電池内部の圧力が
所定の圧力以上の状態になるとその圧力によって変形し
て発電要素に対する接触が離れて電気的な接続を遮断す
るという機能をさらに備えたものとしてもよい。安全弁
がそのような機能を備えることで、例えば電池に過大な
電流の放電や充電が行われるなどして電池が発熱して内
部圧力が高くなると、そのような状態の原因である過大
な電流の流れを安全弁によって遮断することができるか
らである。
ン二次電池やニッケル水素二次電池では、一般に、発電
要素の正極が外部接続端子板に接続されており、発電要
素の負極が電池容器に接続されているので、本発明によ
る電池もそのような極性と出力端子との組み合わせにす
ればよい。ただし、これのみには限定されず、正極およ
び負極を上記とは逆の組み合わせにすることも可能であ
ることは言うまでもない。
て図面を参照して詳細に説明する。
解質リチウムイオン二次電池の概要構成を表したもので
あり、図2は突起が設けられた電池蓋の一例を表したも
のである。なお、図示の繁雑化を避けるために、本発明
の要旨とは関係性の薄い部位等についてはその詳細な説
明および図示は省略した。
である巻回電極体1と、内部に巻回電極体1を収容する
電池缶(電池容器)2と、電池缶2の開口の部分に組み
付けられてその開口を塞ぐと共に外部との電気的な接続
のための端子として用いられる外部接続端子板である電
池蓋3と、電池内部の圧力が所定の圧力以上の状態にな
ると変形して電池内部のガスを外部に排出すると共に巻
回電極体1に対する電気的な接続を中断する安全弁4
と、電池蓋3のフランジ31の外周周縁端32(あるい
は図3に示した構造の場合のように電池蓋3をかしめて
覆う安全弁4の外周周縁部)と電池缶2の内壁との間に
介挿されて電池内部の密閉性を保つガスケット5とか
ら、その主要部が構成されている。
集電体6に塗布してなる負極7と正極活物質を正極集電
体8に塗布してなる正極9とを、微多孔性ポリオレフィ
ンフィルムからなるセパレータ10を介して順次に積層
したものを、複数回巻き取るようにして作製されたもの
である。
り加工して、一面が開口となっている筒状に形成し、そ
の表面にニッケルメッキを施し、さらにビーディング加
工を施して作製されたものである。巻回電極体1の負極
7に接続されている負極リード11は、この電池缶2の
底面の内壁に例えば溶接によって接続されている。従っ
て、この電池缶2の底面が、外部との接続の際に負極端
子となる。巻回電極体1を収容した電池缶2には、所定
の成分を含有する非水電解液(図示省略)が注入されて
いる。このような電池缶2および巻回電極体1の材質お
よび構造等については一般的なもので構わない。
配置されている。その外周周縁端31と電池缶2の内壁
との間にはガスケット5が介挿されている。この電池蓋
3は、中央に電池の外側に向かって凸状に突出している
部分と、その周縁のフランジ状に平坦な部分とが、例え
ば鉄製の薄板材料のような連続した一枚の金属板をプレ
ス加工するなどして一体成形されている。中央の突出し
ている部分とフランジ31との間の領域の所定位置には
通気孔51が設けられている。この電池蓋3は安全弁4
および正極リード12を介して巻回電極体1の正極9に
接続されている。従って、この電池蓋3の外側に向かっ
て凸状に突出している部分が、外部との接続の際に正極
端子となる。この電池蓋3についても電池缶2と同様
に、表面にニッケルメッキを施すなどして、電池内部の
非水電解液や外部との摩擦などに起因した表面の電気的
腐食や損傷などを防ぐようにしておくことが望ましいこ
とは言うまでもない。
いはそのフランジ31の外周周縁端32には、以下の各
実施例および各変形例で説明するような各種の突起10
0(または反り返し;以下、「反り返し」も突起の一種
類として「突起100」と総称する)のうちのいずれか
一種類、あるいはそれらのうちの複数種類が組み合わさ
れて、設けられている。その突起100がフランジ31
の平坦面から立ち上っている高さは、いずれの種類につ
いても、電池蓋3の板厚の5%以上〜30%以下である
ことが望ましい(その詳細については後述する)。この
突起100が、安全弁4の表面に対して確実に接触し
て、電池蓋3と安全弁4との間の確実な電気的接続を達
成する。
突出しており、その周囲に平坦なフランジ41を有する
形状のもので、そのフランジ41の平坦面が電池蓋3の
フランジ31の平坦面と対面するように配置される。こ
の安全弁4は、電池内部の圧力が所定の圧力以上になる
と、その圧力によって変形して、電池内部のガスを外部
に排出すると共に、巻回電極体1の正極に対して非接触
な状態に変化して電気的遮断を行うように、その材質お
よび寸法等が設定されている。
気的絶縁性を備えた材質からなるもので、電池蓋3とそ
れが配置される電池缶2の開口部分の内壁との間に介挿
されて、その部分を封止するものである。このガスケッ
ト5としては、例えば、ポリプロピレンを射出成形して
リング状に形成し、表面にアスファルトのようなシール
材(図示省略)をコーティングしてなるものなどが好適
である。
水電解質リチウムイオン二次電池の主要部分は、例えば
次のようにして製造される。
6に塗布してなる負極7と正極活物質を正極集電体8に
塗布してなる正極9とを、微多孔性ポリオレフィンフィ
ルムからなるセパレータ10を介して順次に積層したも
のを巻き取って巻回体とすることにより、巻回電極体1
を作製する。
池缶2に巻回電極体1を入れ込んで、その巻回電極体1
の負極7からの取り出し電極である負極リード11の未
接続側の(巻回電極体1の負極7に接続されている一端
とは反対側の)一端を、電池缶2の底面に溶接する。あ
るいははんだ付けなども可能である。その巻回電極体1
が収納された電池缶2の開口付近にビーディング加工を
施して、その部分を、電池蓋3および安全弁4を受け止
めるためのくびれたネック状部分201とし、それから
開口先端に亘っての部分をかしめ加工するための折り代
202とする。そしてその電池缶2の中に所定量の非水
電解液を注入する。
出し電極である正極リード12の未接続側の(巻回電極
体1の正極に接続されている一端とは反対側の)一端を
安全弁4に溶接して、安全弁4をガスケット5と共に電
池缶2の開口付近のネック状部分201に配置する。こ
のとき、正極リード12は、電池内部で巻回電極体1と
安全弁4との間に屈曲して(あるいは折り畳まれて)収
容される。
る。このとき、安全弁4のフランジ41の平坦面と電池
蓋3のフランジ31の平坦面とが対面して、電池蓋3の
フランジ31上またはその外周周縁端32に設けられた
突起100が安全弁4のフランジ41の平坦面またはそ
の外周周縁端に接触した状態となるようにする。たたし
このとき、安全弁4のフランジ31の平坦面と電池蓋3
のフランジ41の平坦面との溶接は行わない。これは、
安全弁4と電池蓋3とを溶接することで、両者の間の電
気的な接続状態は半永久的に保つことができるかもしれ
ないが、溶接してしまうことで安全弁4の本来の動作が
妨げられてしまうからである。なお、このように電池蓋
3と安全弁4とを溶接することができないからこそ、溶
接を行わずとも電気的な接続性(接触性)を高めること
ができるという、本実施の形態のような突起100を備
えた電池蓋3の有効性が極めて高いものであると言え
る。
するように電池蓋3を載置した後、電池缶2の折り代2
02の部分を内側に折り返して、電池蓋3の外周部分お
よび安全弁4の外周部分をガスケット5と共にかしめる
ことにより、電池蓋3および安全弁4を、電池缶2のネ
ック状部分201に固定する。
る非水電解質リチウムイオン二次電池の主要部分を製造
することができる。なお、製造方法は上記のような製造
方法のみには限定されないことはいうまでもない。この
非水電解質リチウムイオン二次電池の製造方法や電池蓋
のバリエーションについては、各実施例および各変形例
でさらに詳細に説明する。なお、電池蓋3や安全弁4は
下記の各実施例および変形例で説明するように種々のバ
リエーションが存在しているので、例えば電池蓋30
1,302…のように、種類ごとに異なった符号を付し
て示すこととしたが、以下、それらを一般化して総称す
る場合には、それぞれ「電池蓋3」,「安全弁4」と呼
ぶものとする。
解質リチウムイオン二次電池における電池蓋3に設けら
れた突起100の作用について説明する。図2(A)
は、電池蓋に設けられた突起の構造およびその作用を模
式的に表したものであり、図2(B)は、突起を備えて
いない電池蓋および安全弁の構造およびその作用の一例
を表したものである。
一例を示したように、かしめ加工の際などに安全弁4の
フランジ41の外周周縁端42と電池蓋3のフランジ3
1の外周周縁端32との間にガスケット5が食い込むな
どして、安全弁4と電池蓋3との間に僅かな隙間が生じ
ると、両者の電気的接続が不十分あるいは非接触にな
り、この部分でいわゆる接触抵抗が増大したり接触不良
が生じていた。また、高温環境下の継続的使用や機械的
衝撃などに起因してガスケット5が劣化すると、安全弁
4のフランジ41と電池蓋3のフランジ31とのかしめ
力が甘くなって、両者の電気的接続が不十分になる場合
や、安全弁4と電池蓋3とが乖離して非接触状態になる
場合があった。
レス加工によって所定の形状に成形されるが、両者のフ
ランジ31,41は必ずしも精確に平坦に形成されると
は限らず、電池蓋3のフランジ31と安全弁4のフラン
ジ41とが互いに平行ではない状態となる場合も多い。
このため、電池蓋3のフランジ31と安全弁4のフラン
ジ41とを面的に接触させるように設定していた従来の
電池では、例えば図2(B)の右側半分に一例を示した
ように、ガスケット5が劣化するなどして電池蓋3のフ
ランジ31の外周周縁端32と安全弁4のフランジ41
の外周周縁端42とが僅かに乖離しただけで、電池蓋3
と安全弁4との電気的接続が完全に絶たれてしまってい
た。
電解質リチウムイオン二次電池の構成によれば、かしめ
加工の際などに電池蓋3のフランジ31の外周周縁端3
2と安全弁4のフランジ41の外周周縁端42との間に
ガスケット5が食い込むなどして、安全弁4と電池蓋3
との間に僅かな隙間が生じたとしても、図2(A)の右
半分に一例を示したような電池蓋3のフランジ31の平
坦面に設けられた突起100や図2(A)の左半分に一
例を示したような電池蓋3のフランジ31の外周周縁端
32に設けられた突起100が確実に安全弁4のフラン
ジ41に接触するので、電池蓋3と安全弁4との電気的
接続を常に十分なものとすることができる。
撃に起因してガスケット5が劣化するなどして、電池蓋
3のフランジ31と安全弁4のフランジ41とをかしめ
る力が甘くなった場合でも、電池蓋3全体や突起100
それ自体の材料力学的な弾力性によって、突起100が
確実に安全弁4のフランジ41に接触することができる
ので、電池蓋3と安全弁4との電気的接続を常に十分な
ものとすることができる。
蓋3のフランジ31とが、プレス加工などで互いに平行
ではない状態に形成されていた場合でも、電池蓋3に設
けられた突起100が確実に安全弁4のフランジ41に
接触するので、電池蓋3と安全弁4との電気的接続を常
に十分なものとすることができる。
たように、安全弁4のフランジ41と電池蓋3のフラン
ジ31とが、平行ではなく、互いの外周周縁端32,4
2で接近しており内周側に行くほど距離が離れた状態と
なっている場合には、両者の外周周縁端32,42付近
をガスケット5を介してかしめることによって、電池蓋
3の突起100が、安全弁4のフランジ41の平坦面に
対して、電池蓋3や突起100自体の弾性力によって適
度な押圧で押しつけられるので、例えばガスケット5の
材質的劣化などに起因してかしめ力が甘くなっても、電
池蓋3の突起100は安全弁4のフランジ41の平坦面
に対して常に確実に接触し続けることとなり、安全弁4
と電池蓋3との電気的接続を常に十分なものとすること
ができる。なお、この場合には、電池蓋3のフランジ3
1と安全弁4のフランジ41とをかしめることで、突起
100を支点とする梃の原理によって、両者のフランジ
31,41の外周周縁端32,42どうしが接触した状
態となり、その部分と突起100との両方で、さらに確
実に電池蓋3と安全弁4とを接触させることも可能とな
る。
たように、図2(A)の右側半分の場合とは逆に、安全
弁4のフランジ41と電池蓋3のフランジ31との距離
が外周周縁寄りに行くほど離れており、内周側に行くほ
どその距離が接近した状態となっている場合でも、両者
のフランジ31,41の外周周縁端32,42どうしを
ガスケット5を介してかしめることによって、電池蓋3
のフランジ31の外周周縁端32に設けられた突起10
0が、安全弁4のフランジ41のフランジ42の外周周
縁部に対して、電池蓋3や突起100自体あるいは安全
弁4の弾性力などによって適度な押圧で押しつけられる
ので、例えばガスケット5の材質的劣化などによってか
しめ力が甘くなっても、電池蓋3の突起100が安全弁
4のフランジ41の外周周縁部に対して接触し続けるこ
ととなり、電池蓋3と安全弁4との電気的接続を常に十
分なものとすることができる。
4との間での接触抵抗の増大や接触不良の発生を防ぐこ
とができる。しかも、上記のような突起100は、電池
蓋3をプレスマシンで打ち抜く際に、敢えて積極的に電
池蓋3の外周周縁端が所定の高さにめくれ上がって反り
返し状になるように加工することで、その一度の打ち抜
きプレス工程で極めて簡易に所望の反り返し状の突起1
00を形成することができる。すなわち、従来の電池蓋
をプレス加工する工程では、電池蓋を材料板から打ち抜
く際には、電池蓋の外周周縁端がめくれ上がらないよう
に対策していたが、本実施の形態に係る電池蓋3の製造
方法では逆に、敢えて電池蓋3の外周周縁端を積極的に
所定の高さにめくれ上がらせることで突起100を形成
する。なお、これは突起100を外周周縁端以外の位置
に設ける場合も同様である。
たような電池蓋を備えた、図4に示したような概要構成
のリチウムイオン二次電池を作製した。
は、電池蓋301の中央部の突出した部分の突出方向と
は反対側に突出した反り返し状の突起101(換言すれ
ば、安全弁401の上に載置された状態で安全弁401
のフランジ41の平坦面に向かって突出してそれに接触
するように形成された突起101)が、電池蓋301の
フランジ31の外周周縁端32に設けられている。その
突起101は、電池蓋301のフランジ31の外周周縁
端32を、電池蓋301の中央部の突出した部分の突出
方向とは反対側に向かって板厚(T)の5%の高さH
(H=T×0.05)に立ち上げた(反り返らせた)形
状に加工してなるものである。
は、次のようにして作製した。すなわち、まず、負極活
物質を負極集電体6に塗布してなる負極7と正極活物質
を正極集電体8に塗布してなる正極9とを、微多孔性ポ
リオレフィンフィルムからなるセパレータ10を介して
順次に積層したものを巻き取って巻回体とすることによ
り、巻回電極体1を作製した。なお、図4では図示の簡
潔化を図るために巻回電極体1は簡略化して描いてあ
る。
池缶2に巻回電極体1を入れ込んで、その巻回電極体1
の負極7からの取り出し電極である負極リード11の未
接続側の一端を電池缶2の底面に溶接した。その巻回電
極体1が収納された電池缶2の開口部分にビーディング
加工を施して、その部分を電池蓋301および安全弁4
01を受け止めるためのくびれたネック状部分201と
し、そのネック状部分201から開口端に向かっての部
分は、かしめ加工するための折り代202とした。そし
てその電池缶2の中に所定量の非水電解液を注入した。
出し電極である正極リード12の未接続側の一端を安全
弁401に溶接し、安全弁401をガスケット5と共に
電池缶2の開口寄りに設けられたネック状部分201に
載置した。このとき、正極リード12は電池内部で巻回
電極体1と安全弁401との間に屈曲して収容させた。
そして安全弁401の上に電池蓋301を載置した。
接触するように電池蓋301を載置した後、電池缶2の
開口寄りに設けられた折り代202の部分を内側に折り
返して電池蓋301の外周周縁部および安全弁401の
外周周縁部をガスケット5と共にかしめることにより、
電池蓋301および安全弁401を電池缶2の開口部分
のネック状部分201に固定した。このとき、安全弁4
01のフランジ41の平坦面と電池蓋301のフランジ
31の平坦面とが対面して、電池蓋301のフランジ3
1の外周周縁端32に設けられた突起101が安全弁4
01のフランジ41の外周周縁部に接触した状態となっ
た。
し)は、この電池蓋301をプレスマシンで打ち抜く際
などに、敢えて積極的に電池蓋301の外周周縁端が所
定の高さにめくれ上がって反り返し状になるように加工
することにより、その一度の打ち抜きプレス工程で極め
て簡便に形成することができる。ただしこれのみには限
定されず、この電池蓋301の突起101のみを専用で
プレス加工して形成してもよいことは言うまでもない。
電池を60個作製し、後述するような各種実験に供し
た。
たような電池蓋302を備えた、図6に示したような概
要構成のリチウムイオン二次電池を作製した。
は、安全弁402がフランジ41の外周周縁部から円筒
状に立ち上がっている折り代43を備えており、かつ電
池蓋302が中央部の突出した部分の突出方向と同方向
に突出した突起102(反り返し)を備えている。換言
すれば、電池蓋302は、安全弁402の上に載置され
た状態で安全弁402のフランジ41の平坦面とは反対
側に向かって突出して、安全弁402のフランジ41の
外周周縁から立ち上がっている折り代43を内側に折り
曲げてかしめ加工を行った際に、その折り曲げられた安
全弁402の折り代43の表面に接触するように形成さ
れた突起102を備えている。
ジ31の外周周縁端32を板厚(T)の5%の高さH
(H=T×0.05)に、電池蓋302の中央部の突出
した部分の突出方向と同方向に向かって立ち上げた形状
に加工してなるものである。
は、次のようにして作製した。すなわち、まず、負極活
物質を負極集電体6に塗布してなる負極7と正極活物質
を正極集電体8に塗布してなる正極9とを、微多孔性ポ
リオレフィンフィルムからなるセパレータ10を介して
順次に積層したものを巻き取って巻回体とすることによ
り、巻回電極体1を作製した。
池缶2に巻回電極体1を入れ込んで、その巻回電極体1
の負極7からの取り出し電極である負極リード11の未
接続側の一端を電池缶2の底面に溶接した。その巻回電
極体1が収納された電池缶2の開口部分寄りの所定位置
にビーディング加工を施して、その部分を、電池蓋30
2および安全弁402を受け止めるためのくびれたネッ
ク状部分201とかしめ加工するための折り代202と
を備えた形状に成形した。そしてその電池缶2の中に所
定量の非水電解液を注入した。続いて、巻回電極体1の
正極9からの取り出し電極である正極リード12の未接
続側の一端を安全弁402に溶接して、安全弁402を
ガスケット5と共に電池缶2の開口付近に設けられたネ
ック状部分201に嵌め込んた。このとき、安全弁40
2の折り代43である筒状の立ち上がった部分を電池缶
2の内壁に滑らせながら開口部のネック状部分201で
停止するまで、安全弁402を電池缶2の開口からその
内部に入れ込んだ。なお、このとき正極リード12は電
池内部で巻回電極体1と安全弁402との間に屈曲して
収容させた。
面上に電池蓋302のフランジ31の平坦面が対面する
ように載置した。
302を載置した後、電池缶2の折り代202の部分を
安全弁402の折り代43と共に内側に折り返して電池
蓋302の外周周縁部をガスケット5と共にかしめるこ
とにより、電池蓋302を電池缶2のネック状部分20
1に固定した。このとき、電池蓋302のフランジ31
の外周周縁端32に設けられた突起102が、内側に折
り曲げられた安全弁402の折り代43の表面に接触し
た状態となった。
電池を60個作製し、後述するような実験に用いた。
たような電池蓋を備えた、図7に示したような概要構成
のリチウムイオン二次電池を作製した。
は、安全弁402が、フランジ41の外周周縁から円筒
状に立ち上がっている折り代43を備えており、かつ電
池蓋302が、中央部の突出した部分の突出方向と同方
向に突出した突起102を備えている。
2のフランジ41の外周周縁から立ち上がっている折り
代43を内側に折り曲げてかしめ加工を行った際に、そ
の折り曲げられた安全弁402の折り代43の表面に接
触するように形成されている。突起102は、電池蓋3
02のフランジの外周周縁端32を板厚(T)の2.5
%の高さH(H=T×0.025)まで、電池蓋302
の中央部の突出した部分の突出方向と同方向に向かって
立ち上げた形状に加工してなるものである。
電池蓋302の構造については、実施例2の場合と同様
であるが、この実施例3では、電池蓋302と安全弁4
02とが、電池缶2に装着される以前に組み付けられ、
かしめ加工されて一体に形成されており、その既に一体
となっている電池蓋302および安全弁402を電池缶
2のネック状部分201に装着し、電池缶2の折り代2
02を折り曲げて、その折り代202およびガスケット
5で、あらかじめ一体化されている電池蓋302および
安全弁402のフランジ状の外周周縁部をかしめること
によって作製されたものであるということと、電池蓋3
02の外周周縁端32に形成された突起102の高さが
電池蓋の板厚の2.5%であるということとの、2つの
点が実施例2とは異なっている点である。
電池を60個作製し、後述するような実験に用いた。
次電池は、電池蓋302のフランジ31の外周周縁端3
2に設けられた反り返し状の突起102の高さ(H)
が、板厚(T)の5%(H=T×0.05)に設定され
ている。この点が実施例3と異なっているが、その他の
構成については実施例3と同様のものとした。このよう
な実施例4のリチウムイオン二次電池を60個作製し、
後述するような実験に用いた。
次電池は、電池蓋302のフランジ31の外周周縁端3
2に設けられた反り返し状の突起102の高さ(H)
が、実施例3や実施例4の場合よりも極めて高く、電池
蓋の板厚(T)の30%(H=T×0.30)に設定さ
れている。この点が実施例3と異なっているが、その他
の構成については実施例3と同様のものとした。このよ
うな実施例5のリチウムイオン二次電池を60個作製
し、後述するような実験に用いた。
次電池は、電池蓋302のフランジ31の外周周縁端3
2に設けられた反り返し状の突起102の高さ(H)
が、実施例5よりもさらに高く、電池蓋302の板厚
(T)の40%(H=T×0.40)に設定されている
ことが実施例3〜5とは異なっている点であるが、その
他の構成については実施例3と同様のものとした。この
ような実施例6のリチウムイオン二次電池を60個作製
し、後述するような実験に用いた。
例1のような突起101が形成されていない電池蓋を用
いて、それ以外は実施例1と同様の構成としたリチウム
イオン二次電池を60個作製し、後述するような実験に
用いた。
例2のような突起102が形成されていない電池蓋を用
いて、それ以外は実施例2と同様の構成としたリチウム
イオン二次電池を60個作製し、後述するような実験に
用いた。
例3のような突起102が形成されていない電池蓋を用
いて、それ以外は実施例3と同様の構成としたリチウム
イオン二次電池を60個作製し、後述するような実験に
用いた。
ウムイオン二次電池および各比較例のリチウムイオン二
次電池について、電池内部抵抗値、および電池蓋と安全
弁との間の接触抵抗値を(いずれも直流抵抗値)測定す
る実験を行うために、図8に示したような実験装置を用
意した。
装置は、計測対象のリチウムイオン二次電池の負極端子
である電池缶2の底面と正極端子である電池蓋3とに、
測定端子801,802をそれぞれ一つずつ接続し、こ
れら測定端子801,802から検出される電圧を第1
の電圧計803によって測定するように設定されてい
る。この第1の電圧計803によって測定される電圧が
リチウムイオン二次電池の正・負端子間電圧である。
804が負荷として接続されている。そして安全弁4に
さらに別の一つの測定端子805が接続されており、安
全弁4と電池蓋3との間の電圧を第2の電圧計806で
測定するように設定されている。
ず第1の電圧計803によってリチウムイオン二次電池
の正・負端子間電圧(これをV0 とする)を測定し、そ
の後、可変抵抗器804のボリュームを調節して3
[A]放電を開始し、放電継続10秒時点での電圧(こ
れをV1 とする)を測定して、このときのリチウムイオ
ン二次電池全体としての電気抵抗値(これをR0とす
る)を、R0=(V0 −V1 )/3によって求めること
とした。また、第2の電圧計806によって安全弁4と
電池蓋3との間の電圧(これをV2 とする)を測定し
て、このときの安全弁4と電池蓋3との間の電気抵抗値
(これをR1とする)を、R1=V2 /3によって求める
こととした。
果]上述の各実施例および各比較例のリチウムイオン二
次電池を、十分な表面剛性を備えた衝突実験用コンクリ
ート床面(図示省略)に向けて1.9[m]の高さから
任意の姿勢で10回落下させて機械的な衝撃を与えると
いう衝撃実験を行って、その衝撃を与える前後でのリチ
ウムイオン二次電池全体としての電気抵抗値(R0)お
よび安全弁と電池蓋との間の接触抵抗値(R1)を、そ
れぞれ測定した。その衝撃実験を行うにあたっては、各
リチウムイオン二次電池の電圧を4.2[V]になるよ
うに調節した。このような実行し、衝撃実験をn=20
として平均値を求めたところ、図9に示したような結果
となった。
なように、実施例1,2のリチウムイオン二次電池で
は、比較例1,2のリチウムイオン二次電池とそれぞれ
比較して、衝撃を与える前後共に、電池全体の電気抵抗
も電池蓋3と安全弁4との間の接触抵抗も、またその衝
撃前後での増加量も、有意に小さくなっている。
抗値については、比較例1,2の場合には衝撃後に大幅
に増加しているのに対して、実施例1,2の場合には極
めて微少な増加に止まっており、機械的な衝撃に起因し
た電池蓋3と安全弁4との間の接触抵抗の増大を効果的
に防止することができることが確認された。また、電池
全体の電気抵抗の増加量と、電池蓋3と安全弁4との間
の接触抵抗の増加量とが、ほとんど等しいことから、電
池全体の電気抵抗の増加量のほぼ100%近くが電池蓋
3と安全弁4との間の接触抵抗の増加量で占められてい
ることが想定される。
縁部を安全弁4でかしめて両者をあらかじめ一体にした
構造を採用している実施例3〜6のリチウムイオン二次
電池では、衝撃を与えた後の電池全体の電気抵抗値およ
び電池蓋3と安全弁4との間の接触抵抗値の増加量がほ
とんど全ての場合で0[mΩ]となっており、比較例1
〜3の場合の0.4〜5.9[mΩ]と比べて、機械的
な衝撃に起因した電池蓋3と安全弁4との間の接触抵抗
の増大を、本発明による技術によれば極めて効果的に防
止することができることが確認された。
述の各実施例および各比較例のリチウムイオン二次電池
を4.2[V]の出力電圧になるように調節しておき、
−20℃で2時間保持した後、5分間で60℃にまで温
度を上昇させて、その60℃で2時間保持した後、さら
に5分間で再び−20℃にまで冷却し、その−20℃で
2時間保持した後、さらに5分間で再び温度を上昇させ
て60℃で2時間保持する…というように、冷(−20
℃)と暖(60℃)との組み合わせを1サイクルとした
50サイクルに亘っての熱衝撃試験を、各実施例および
各比較例のリチウムイオン二次電池について実行し、n
=20として平均値を求めたところ、図10に示したよ
うな結果が得られた。
かなように、実施例1,2のリチウムイオン二次電池で
は、電池内部での化学変化に起因して発生したものと想
定される内部抵抗の上昇は見受けられたものの、比較例
1,2のリチウムイオン二次電池とそれぞれ比較して、
熱衝撃を与える前後共に、電池全体の電気抵抗も安全弁
4と電池蓋3との間の接触抵抗も、またその熱衝撃前後
での増加量も、有意に小さくなっている。特に、熱衝撃
前後での電池全体の電気抵抗の増加量および安全弁4と
電池蓋3との間の接触抵抗の増加量は、比較例1,2の
場合には電池全体の電気抵抗がそれぞれ10.1[m
Ω],3.1[mΩ]、安全弁4と電池蓋3との間の接
触抵抗がそれぞれ7.8[mΩ],0.8[mΩ]であ
るのに比べて、実施例1,2の場合には電池全体の電気
抵抗がそれぞれ2.8[mΩ],2.7[mΩ]、安全
弁4と電池蓋3との間の接触抵抗がそれぞれ0.5[m
Ω],0.4[mΩ]となっており、熱的衝撃に起因し
た電池全体の電気抵抗の増大および安全弁4と電池蓋3
との間の接触抵抗の増大を、本発明による技術によれば
効果的に防止することができることが確認された。
縁部を安全弁4の折り代43でかしめて両者をあらかじ
め一体にした構造を採用している実施例3〜6のリチウ
ムイオン二次電池では、特に、衝撃を与えた後の安全弁
4と電池蓋3との間の接触抵抗値の増加量がいずれも
0.0[mΩ]であり、比較例1〜3の場合の0.6〜
7.8[mΩ]と比べて、機械的な衝撃に起因した安全
弁4と電池蓋3との間の接触抵抗の増大を極めて効果的
に防止することができることが確認された。
果]上述の各実施例および各比較例のリチウムイオン二
次電池を3.8[V]の出力電圧になるように調節して
おき、それらを六角ドラム回転試験装置の内接円直径φ
=190[mm]、長さ200[mm]の鉄板製六角筒
の中に入れて、60rpm(2π[rad/s])の角
速度で30分間回転させて、機械的振動を与える実験を
行って、n=20として平均値を求めたところ、図11
に示したような結果が得られた。
かなように、実施例1,2,3のリチウムイオン二次電
池では、比較例1,2,3のリチウムイオン二次電池と
それぞれ比較して、機械的振動を与える前後共に、電池
全体の電気抵抗も安全弁4と電池蓋3との間の接触抵抗
も、またその前後での増加量も、有意に小さくなってい
る。特に、機械的振動を与える前後での安全弁4と電池
蓋3との間の接触抵抗値については、比較例1,2の場
合には増加量が8.1〜11.7[mΩ]と大幅に増加
しているのに対して、実施例1,2の場合には増加量が
1.0〜1.2[mΩ]と極めて微少な増加に止まって
おり、機械的な振動に起因した安全弁4と電池蓋3との
間の接触抵抗の増大を効果的に防止することができるこ
とが確認された。また、電池全体の電気抵抗の増加量
と、安全弁4と電池蓋3との間の接触抵抗の増加量と
が、ほとんど等しいことから、電池全体の電気抵抗の増
加量のほぼ100%近くを安全弁4と電池蓋3との間の
接触抵抗の増加量が占めていることが想定される。
縁部を安全弁でかしめて両者をあらかじめ一体にした構
造を採用している実施例3〜6のリチウムイオン二次電
池では、衝撃を与えた後の電池全体の電気抵抗値および
安全弁4と電池蓋3との間の接触抵抗値の増加量がいず
れの場合もほとんど0.0[mΩ]ないし0.1[m
Ω]となっており、比較例3の場合の5.6[mΩ]と
比べて、機械的な振動に起因した電池蓋3と安全弁4と
の間の接触抵抗の増大を、本発明による技術によれば極
めて効果的に防止することができることが確認された。
験1〜3の結果について、同様の構造で突起100の高
さが異なる実施例3,4,5,6の各場合について比較
すると、突起100の高さは、実施例3の場合で電池蓋
3の板厚の2.5%、実施例4の場合で5%、実施例5
の場合で30%、実施例6の場合で40%と設定されて
いるが、特に実験3による結果では、電池全体の電気抵
抗値および電池蓋3と安全弁4との間の接触抵抗値なら
びにそれらの増加量の全てが、実施例4,5,6の場合
の方が実施例3の場合よりも低い値となっている。
上で、30%や40%のように高くなるほど、電池全体
の電気抵抗値および電池蓋3と安全弁4との間の接触抵
抗値ならびにそれらの増加を効果的に抑制することがで
きることが確認された。特に、突起100の高さが電池
蓋の板厚の5%以上に設定されている実施例4,5,6
の場合には、電池蓋3と安全弁4との間の接触抵抗値の
増加量がほとんど0(ないし最大でも0.1[mΩ])
となっており、特にこのような突起100の高さが電池
蓋3の板厚の5%以上の場合に、実施例3の場合よりも
さらに効果的に、電池全体の電気抵抗値および電池蓋3
と安全弁4との間の接触抵抗値ならびにそれらの増加を
抑制することができるという結論が得られた。
厚の5%以上に設定することにより、特に電池蓋3と安
全弁4との間の接触抵抗値の増加を、ほぼ完全に抑制す
ることが可能となる。
%超のように余りにも高くすると、電池蓋3を安全弁4
の折り代43や電池缶2の折り代202でかしめる際
に、その高い突起100が安全弁4の表面から肉厚方向
に深く食い込んで、その部分にクラック(亀裂)や、安
全弁4のフランジ41や電池蓋3のフランジ31の平坦
性を損なうような変形や大きな内部歪み応力を、安全弁
4や電池蓋3に与えてしまう場合があることが判明し
た。
般に突起100の高さとしては、電池蓋3の板厚の5%
以上30%以下の範囲内のいずれかの値に設定すること
が好適であるという結論が得られた。ただし、突起10
0の高さは、特にこのような範囲内の値が本発明の主旨
に則した好適な推奨値ではあるが、このような数値範囲
のみには限定されないことは言うまでもない。この他に
も、突起100の高さは、電池蓋3や安全弁4の材質や
形状、および電池の定格出力電圧等に対応して、電池全
体の電気抵抗値および電池蓋3と安全弁4との間の接触
抵抗値ならびにそれらの増加を抑制することができ、か
つ、かしめ加工を行ったときに電池蓋3や安全弁4に機
械的な損傷等を生じることのない範囲内の値に設定する
ことが可能である。
池蓋の外形形状の平面図、(B)は突起のみを部分的に
抜き出して示した図、(C)はその電池蓋の断面図であ
る。この変形例1の電池蓋303は、フランジ31の外
周周縁部に、ほぼ正三角形の切り欠き113を例えばプ
レス加工して得られる突起103を備えたものである。
の外形形状をプレスマシンで打ち抜き加工する際、ある
いは深絞り加工を施す際などに、その加工工程と一緒
に、この電池蓋303のフランジ31の外周周縁部に、
図12に示したような形状の切り欠き113をプレス形
成することで、その裏面に所望の高さの突起103を形
成することが可能である。このようにすることにより、
所望の高さおよび形状の突起103を、極めて簡便に得
ることができるので望ましい。
電池蓋303は、例えば実施例1をはじめとして、実施
例2〜6のいずれの構造のリチウムイオン二次電池にも
適用可能である。この場合の突起103の高さも、実施
例1〜6の場合と同様に、電池蓋303の板厚の5%〜
30%に設定することが、より望ましい。ただしこれの
みには限定されないことは言うまでもない。
池蓋の外形形状の平面図、(B)は突起のみを部分的に
抜き出して示した図、(C)はその電池蓋の断面図であ
る。この変形例2の電池蓋304は、フランジ31の外
周周縁部に、ほぼ直角三角形の切り欠き114を例えば
プレス加工して得られる突起104を備えたものであ
る。
の外形形状をプレスマシンで打ち抜き加工する際、ある
いは深絞り加工を施す際などに、その加工工程と一緒
に、この電池蓋304のフランジ31の外周周縁部に、
図13に示したような平面形がほぼ直角三角形の切り欠
き114をプレス形成して、その裏面に所望の高さの突
起104を形成することが可能である。このようにする
ことにより、極めて簡便に、所望の高さおよび形状の突
起104を得ることができるので望ましい。
電池蓋304は、例えば実施例1をはじめとして、実施
例2〜6のいずれの構造のリチウムイオン二次電池にも
適用可能である。この場合の突起104の高さも、実施
例1〜6の場合と同様に、電池蓋304の板厚の5%〜
30%に設定することが、より望ましい。ただしこれの
みには限定されないことは言うまでもない。
池蓋の外形形状の平面図、(B)は突起のみを部分的に
抜き出して示した図、(C)はその電池蓋の断面図であ
る。この変形例3の電池蓋305は、フランジ31の外
周周縁部に、ほぼ半円形の切り欠き115を例えばプレ
ス加工して得られる突起105を備えたものである。さ
らに詳細には、この変形例3の電池蓋305の外形形状
をプレスマシンで打ち抜き加工する際、あるいは深絞り
加工を施す際などに、その加工工程と一緒に、この電池
蓋305のフランジ31の外周周縁部に、図14に示し
たような平面形がほぼ半円形の切り欠き115をプレス
形成して、その裏面に所望の高さの突起105を形成す
ることが可能である。このようにすることにより、極め
て簡便に所望の高さおよび形状の突起105を得ること
ができるので望ましい。
電池蓋305は、例えば実施例1をはじめとして、実施
例2〜6のいずれの構造のリチウムイオン二次電池にも
適用可能である。この場合の突起105の高さも、実施
例1〜6の場合と同様に、電池蓋305の板厚の5%〜
30%に設定することが、より望ましい。ただしこれの
みには限定されないことは言うまでもない。
池蓋の外形形状の平面図、(B)は突起のみを部分的に
抜き出して示した図、(C)はその電池蓋の断面図であ
る。この変形例4の電池蓋306は、フランジ31の外
周周縁部に、ほぼ正三角形の切り欠き116を例えばプ
レス加工して得られる突起106を備えたものである。
ただしこの変形例4の電池蓋306の突起106は、変
形例1の場合とは反対に、電池蓋306の中央部の突出
している方向と同方向(図15(A)で上方向)に突出
するように設けられている。
06の外形形状をプレスマシンで打ち抜き加工する際、
あるいは深絞り加工を施す際などに、その加工工程と一
緒に、この電池蓋306のフランジ31の外周周縁部
に、図15に示したような形状の切り欠き116をプレ
ス形成することで、その裏面に所望の高さの突起106
を形成することが可能である。このようにすることによ
り、極めて簡便に所望の高さおよび形状の突起106を
得ることができるので望ましい。
電池蓋306は、安全弁4に設けられた折り代43を折
り曲げることで電池蓋306をかしめて固定する構造を
採用している実施例2〜6のいずれの構造のリチウムイ
オン二次電池にも適用可能である。この場合の突起10
6の高さについても、実施例2〜6の場合と同様に、電
池蓋306の板厚の5%〜30%に設定することが、よ
り望ましい。ただしこれのみには限定されないことは言
うまでもない。
池蓋の外形形状の平面図、(B)は突起のみを部分的に
抜き出して示した図、(C)はその電池蓋の断面図であ
る。この変形例5の電池蓋307は、フランジ31の外
周周縁部に、平面形がほぼ直角三角形の切り欠き117
を例えばプレス加工して得られる突起107を備えたも
のである。ただしこの変形例5の電池蓋307の突起1
07は、変形例2の場合とは反対に、電池蓋307の中
央部の突出している方向と同方向(図16(A)で上方
向)に突出するように設けられている。
同様に、電池蓋307の外形形状をプレスマシンで打ち
抜き加工する際、あるいは深絞り加工を施す際などに、
その加工工程と一緒に、この電池蓋307のフランジ3
1の外周周縁部に、図16に示したような形状の切り欠
き117をプレス形成することで、その裏面に所望の高
さの突起107を形成することが可能である。このよう
にすることにより、極めて簡便に所望の高さおよび形状
の突起107を得ることができる。
電池蓋307は、安全弁4に設けられた折り代43を折
り曲げることで電池蓋307をかしめて固定する構造を
採用している実施例2〜6のいずれの構造のリチウムイ
オン二次電池にも適用可能である。この場合の突起10
7の高さについても、実施例2〜6の場合と同様に、電
池蓋307の板厚の5%〜30%に設定することが、よ
り望ましい。ただしこれのみには限定されないことは言
うまでもない。
池蓋の外形形状の平面図、(B)は突起のみを部分的に
抜き出して示した図、(C)はその電池蓋の断面図であ
る。この変形例6の電池蓋308は、フランジ31の外
周周縁部に、平面形がほぼ半円形の切り欠き118を例
えばプレス加工して得られる突起108を備えたもので
ある。ただしこの変形例6の電池蓋308の突起108
は、変形例3の場合とは反対に、電池蓋308の中央部
の突出している方向と同方向(図17(A)で上方向)
に突出するように設けられている。
合と同様に、電池蓋308の外形形状をプレスマシンで
打ち抜き加工する際、あるいは深絞り加工を施す際など
に、その加工工程と一緒に、この電池蓋308のフラン
ジ31の外周周縁部に、図17に示したような形状の切
り欠き118をプレス形成することで、その裏面に所望
の高さの突起108を形成することが可能である。この
ようにすることにより、極めて簡便に所望の高さおよび
形状の突起108を得ることができる。
電池蓋308は、安全弁4に設けられた折り代43を折
り曲げることで電池蓋308をかしめて固定する構造を
採用している実施例2〜6のいずれの構造のリチウムイ
オン二次電池にも適用可能である。この場合の突起10
8の高さについても、実施例2〜6の場合と同様に、電
池蓋308の板厚の5%〜30%に設定することが、よ
り望ましい。ただしこれのみには限定されないことは言
うまでもない。
池蓋の外形形状の平面図、(B)は突起のみを部分的に
抜き出して示した断面図である。この変形例7の電池蓋
309では、フランジ31の外周周縁部に、平面形がほ
ぼ半円形の切り欠き19を2個ずつ並べてプレス加工し
て得られる突起109を備えたものであるが、上記の変
形例1〜6とは異なり、そのフランジ31の上下両面に
は突起109が立ち上がっておらず、その突起109の
平面形状が図18(A)に示したように鋭角的に形成さ
れており、実施例2〜6の場合のように安全弁4に設け
られた折り代43を折り曲げることで電池蓋309をか
しめて固定する構造において好適に適用可能なものとな
っている。すなわち、安全弁4の折り代43を折り曲げ
で電池蓋309をその周囲から包含するようにしてかし
める際に、電池蓋309の外周周縁部に設けられている
図18(A)に示したような鋭角的な突起109が安全
弁4の折り代43の表面に適度に食い込むことにより、
その部分で電池蓋309と安全弁4との間の確実な接触
を達成することができる。
ついては、電池蓋309の外形形状をプレスマシンで打
ち抜き加工する際、あるいは深絞り加工を施す際など
に、その加工工程と一緒に、この電池蓋309のフラン
ジ31の外周周縁部に、図18に示したような平面的形
状の切り欠き119をプレス形成することで、所望の突
起109を形成することが可能である。このようにする
ことにより、極めて簡便に所望の平面的形状の突起10
9を得ることができる。
池蓋の外形形状の平面図、(B)は突起のみを部分的に
抜き出して示した図、(C)はその電池蓋の断面図であ
る。この変形例8の電池蓋310では、上記の変形例1
〜6とは異なり、突起110はフランジ31の上下両面
には(立体的には)立ち上がっておらず、その突起11
0の平面形状が図19(A)に示したようにフランジ3
1の外周周縁端32から外側に向かって放射状に突出す
るように形成されているものである。
〜6の場合のように安全弁4に設けられた折り代43を
折り曲げることで電池蓋310をかしめて固定する構造
において好適に適用可能なものとなっている。すなわ
ち、安全弁4の折り代43を折り曲げで電池蓋310を
その周囲から包含するようにしてかしめる際に、電池蓋
310の外周周縁部に外側に向かって放射状に突出する
ように設けられている図19(A)に示したような突起
110が、安全弁4の折り代43の表面に適度に食い込
むことにより、その部分で電池蓋310と安全弁4との
間の確実な接触を達成することができる。
ついても、電池蓋310の外形形状をプレスマシンで打
ち抜き加工する際、あるいは深絞り加工を施す際など
に、その加工工程と一緒に、この電池蓋310のフラン
ジ31の外周周縁部に、図19に示したような平面的形
状の切り欠きをプレス形成することで、所望の形状の突
起110を形成することが可能である。このようにする
ことにより、極めて簡便に所望の平面的形状の突起11
0を得ることができる。
池蓋の外形形状の平面図、図20(B)はその切り欠き
部分のみを抽出して示した断面図である。この変形例9
の電池蓋311では、フランジ31の外周周縁部に、三
角波状に波打ってフランジ31の表裏両面にそれぞれ突
出している突起111が設けられている。
〜6の場合のように安全弁4に設けられた折り代43を
折り曲げることで電池蓋311をかしめて固定する構造
において好適に適用可能なものとなっているが、実施例
1のような構造の場合にも適用可能なものとなってい
る。
ついても、電池蓋311の外形形状をプレスマシンで打
ち抜き加工する際、あるいは深絞り加工を施す際など
に、その加工工程と一緒に、この電池蓋311のフラン
ジ31の外周周縁部に、図20に示したような三角波状
に波打ってフランジ31の表裏両面にそれぞれ突出した
立体形状をプレス形成することで形成することが可能で
ある。このようにすることにより、極めて簡便に所望の
立体形状の突起111を得ることができる。
の電池蓋の外形形状の平面図、(B)はその断面図であ
る。この変形例10の電池蓋312では、フランジ31
の平坦面に、円形の孔50をプレス加工またはドリル加
工して、図21で下方向に突出するように形成された突
起112が設けられている。この変形例10の電池蓋3
12は、例えば実施例1をはじめとして、実施例2〜6
のいずれの構造のリチウムイオン二次電池にも適用可能
である。なお、この変形例10の突起112の形成につ
いても、電池蓋312の外形形状をプレスマシンで打ち
抜き加工する際、あるいは深絞り加工を施す際などに、
その加工工程と一緒に、この電池蓋312のフランジ3
1の平坦面に、図21に示したような円形の孔50をプ
レス形成して打ち抜く、あるいはドリル加工によって図
21に示したような円形の孔50を穿設することで、形
成することが可能である。このようにすることにより、
極めて簡便に所望の形状の突起112を得ることができ
る。
の電池蓋の外形形状の平面図、(B)はその通気孔の部
分のみを抽出して示した断面図、(C)はその電池蓋の
全体的な断面図である。この変形例11の電池蓋313
では、通気用の円形の孔51をプレス加工またはドリル
加工して、図22で下方向に突出するように形成された
突起113が設けられている。この変形例11の電池蓋
313は、例えば実施例1をはじめとして、実施例2〜
6のいずれの構造のリチウムイオン二次電池にも適用可
能である。なお、この変形例11の突起113について
も、電池蓋313の外形形状をプレスマシンで打ち抜き
加工する際、あるいは深絞り加工を施す際などに、その
加工工程と一緒に、この電池蓋313の所定位置に、通
気用の円形の孔51をプレス形成して打ち抜く、あるい
はドリル加工によって通気用の円形の孔51を穿設する
ことで、形成することが可能である。このようにするこ
とにより、極めて簡便に所望の突起113を得ることが
できる。
の電池蓋の外形形状の平面図、図23(B)はその断面
図である。この変形例12の電池蓋314は、フランジ
31の平坦面に、ほぼV字型の切り欠き124を例えば
プレス加工した際に、その裏面に突出して得られる突起
114を備えたものである。さらに詳細には、この変形
例12の電池蓋314の外形形状をプレスマシンで打ち
抜き加工する際あるいは通気用の孔51をプレス加工で
穿設する際などに、そのプレス加工工程と一緒に、この
電池蓋314のフランジ31の平面部に、図23(A)
に示したような平面形がほぼV字型の切り欠き124を
プレス形成して、その裏面に、図23(B)に示したよ
うな所望の高さの突起114を形成することが可能であ
る。このようにすることにより、極めて簡便に所望の高
さおよび形状の突起114を得ることができるので望ま
しい。
の電池蓋314は、例えば実施例1をはじめとして、実
施例2〜6のいずれの構造のリチウムイオン二次電池に
も適用可能である。この場合の突起114の高さも、実
施例1〜6の場合と同様に、電池蓋314の板厚の5%
〜30%に設定することが、より望ましい。ただしこれ
のみには限定されないことは言うまでもない。
の電池蓋の外形形状の平面図、図24(B)はその断面
図である。この変形例13の電池蓋315は、フランジ
31の平坦面に、ほぼ十文字型の切り欠き125を例え
ばプレス加工した際に、その裏面に突出して得られる突
起115を備えたものである。さらに詳細には、変形例
13の電池蓋315の外形形状をプレスマシンで打ち抜
き加工する際あるいは通気用の孔51をプレス加工で穿
設する際などに、そのプレス加工工程と一緒に、この電
池蓋315のフランジ31の平面部に、図24(A)に
示したような平面形がほぼ十文字型の切り欠き125を
プレス形成して、その裏面に、図24(B)に示したよ
うな所望の高さの突起115を形成することが可能であ
る。このようにすることにより、極めて簡便に所望の高
さおよび形状の突起115を得ることができるので望ま
しい。
の電池蓋315は、例えば実施例1をはじめとして、実
施例2〜6のいずれの構造のリチウムイオン二次電池に
も適用可能である。この場合の突起115の高さも、実
施例1〜6の場合と同様に、電池蓋315の板厚の5%
〜30%に設定することが、より望ましい。ただしこれ
のみには限定されないことは言うまでもない。
うな各実施例や各変形例のみには限定されないことは言
うまでもなく、上記の他にもさらに種々の形状や寸法等
のバリエーションが可能である。あるいは、上記の各種
の突起のうちの複数種類を組み合わせて用いることなど
も可能である。
のいずれかに記載の電池によれば、外部接続端子板の少
くとも周縁に例えばフランジのような平坦面を有し、そ
の平坦面または平坦面の外周端には突起が形成されてお
り、その突起が安全弁の平坦面と接触することによっ
て、外部接続端子板と安全弁とが電気的に接続されるよ
うにしたので、電池に機械的な振動や衝撃あるいは温度
変化が加えられたり、ガスケットに劣化が生じるなどし
ても、安全弁と電池蓋との確実な接触を保って、常に電
池としての正規の電流や電圧を出力することが可能とな
る。
外部接続端子板の突起を、外部接続端子板の平坦面の外
周端を積極的にめくれ上がらせて形成してなるものとし
たので、例えば金型を用いて外部接続端子板をプレス加
工によって絞り加工したり打ち抜き加工する際などに、
そのプレス加工の工程で一度に突起を形成することが可
能となり、その形成工程を簡易なものとすることができ
るという利点が得られる。
平坦面から立ち上がっている突起の高さを、外部接続端
子板の平坦面の板厚の5%以上30%以下に設定するよ
うにしたので、十分に効果的な外部接続端子板と安全弁
との接触を達成することが可能となり、かつ外部接続端
子板と安全弁とを重ね合わせてかしめる際などに突起が
安全弁の平坦面に食い込んでクラック(ひび割れ)など
の破損を生じたり両者に歪みが生じることを防ぐことが
できるという利点が得られる。
外部接続端子板の突起を、外部接続端子板の平坦面の所
定位置にエンボス加工または孔開け加工によって形成さ
れたものとしたので、例えば金型を用いて外部接続端子
板をプレス加工によって絞り加工したり打ち抜き加工す
る際などに、そのプレス加工の工程で一度に突起を形成
することが可能となり、その形成工程を簡易なものとす
ることができるという利点が得られる。
ムイオン二次電池の概要構成を表した図である。
た突起の構造およびその作用を模式的に表した図(A)
および突起を備えていない従来の一般的な電池蓋および
安全弁の一例を表した図(B)である。
池蓋の概要構成を表した平面図(A)および断面図
(B)である。
を表した図である。
池蓋の概要構成を表した平面図(A)および断面図
(B)である。
を表した図である。
池の概要構成を表した図である。
接触抵抗値を測定する実験を行うために用いた電気抵抗
測定装置の概要構成を表した図である。
である。
ある。
図である。
および突起のみを部分的に抜き出して示した図(B)な
らびにその電池蓋の断面図(C)である。
および突起のみを部分的に抜き出して示した図(B)な
らびにその電池蓋の断面図(C)である。
および突起のみを部分的に抜き出して示した図(B)な
らびにその電池蓋の断面図(C)である。
および突起のみを部分的に抜き出して示した図(B)な
らびにその電池蓋の断面図(C)である。
および突起のみを部分的に抜き出して示した図(B)な
らびにその電池蓋の断面図(C)である。
および突起のみを部分的に抜き出して示した図(B)な
らびにその電池蓋の断面図(C)である。
およびその切り欠き部分のみを抽出して示した断面図
(B)である。
および突起のみを部分的に抜き出して示した図(B)な
らびにその電池蓋の断面図(C)である。
およびその切り欠き部分のみを抽出して示した断面図
(B)である。
(A)およびその切り欠き部分のみを抽出して示した断
面図(B)である。
(A)および突起のみを部分的に抜き出して示した図
(B)ならびにその電池蓋の断面図(C)である。
(A)および断面図(B)である。
(A)および断面図(B)である。
弁、5…ガスケット、6…負極集電体、7…負極、8…
正極集電体、9…正極、10…セパレータ、11…負極
リード、12…正極リード
Claims (7)
- 【請求項1】 起電能力を有する発電要素と、 一面が開口となっており内部に前記発電要素を収容する
電池容器と、 少くとも周縁に平坦面を有しており、前記平坦面または
その平坦面の外周端には突起が形成されており、前記電
池容器の開口に組み付けられてその開口を塞ぐ蓋体とし
て用いられると共に外部との電気的な接続のための端子
として用いられる外部接続端子板と、 少くとも周縁に平坦面を有しており、その平坦面が前記
外部接続端子板の平坦面と対面して少くとも前記外部接
続端子板の突起と接触するように配置され、電池内部の
圧力が前記所定の圧力以上の状態になると、その圧力に
よって変形して電池内部のガスを外部に排出する安全弁
と、 前記外部接続端子板または前記安全弁のうち少くともい
ずれか一方と前記電池容器との間に介挿された電気絶縁
性のガスケットとを備えたことを特徴とする電池。 - 【請求項2】 前記突起が、前記外部接続端子板の平坦
面の外周端を積極的にめくれ上がらせて形成してなるも
のであることを特徴とする請求項1記載の電池。 - 【請求項3】 前記平坦面から立ち上がっている前記突
起の高さが、前記外部接続端子板の平坦面の板厚の5%
以上30%以下に設定されていることを特徴とする請求
項1記載の電池。 - 【請求項4】 前記突起が、前記外部接続端子板の平坦
面の所定位置にエンボス加工または孔開け加工によって
形成されたものであることを特徴とする請求項1記載の
電池。 - 【請求項5】 前記外部接続端子板の平坦面と前記安全
弁の平坦面とを重ね合わせ、前記安全弁の周縁外周に設
けられた折り代を折り返して前記外部接続端子板の周縁
をカシメることで、その外部接続端子板の周縁が前記安
全弁の周縁に固着されていることを特徴とする請求項1
記載の電池。 - 【請求項6】 前記安全弁が、さらに、電池内部の圧力
が所定の圧力未満の状態では前記発電要素に対して接触
して電気的に接続された状態となっており、電池内部の
圧力が前記所定の圧力以上の状態になるとその圧力によ
って変形して前記発電要素に対する接触が離れて電気的
な接続を遮断するものであることを特徴とする請求項1
記載の電池。 - 【請求項7】 前記発電要素の正極が前記外部接続端子
板に接続されており、前記発電要素の負極が前記電池容
器に接続されていることを特徴とする請求項1記載の電
池。
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- 2001-09-27 JP JP2001297784A patent/JP4867118B2/ja not_active Expired - Fee Related
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