JP2003109519A - コンバージェンス補正装置及びカラー画像表示装置 - Google Patents

コンバージェンス補正装置及びカラー画像表示装置

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JP2003109519A
JP2003109519A JP2001305026A JP2001305026A JP2003109519A JP 2003109519 A JP2003109519 A JP 2003109519A JP 2001305026 A JP2001305026 A JP 2001305026A JP 2001305026 A JP2001305026 A JP 2001305026A JP 2003109519 A JP2003109519 A JP 2003109519A
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coil
correction
bobbin
neck
convergence correction
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JP2001305026A
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Takahiro Omori
▲高▼広 大森
Tsutomu Yoshimoto
強 吉本
Katsunori Nishihata
勝則 西畑
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コイルのインダクタンスを増加させることな
くコンバージェンス補正能力を向上できるコンバージェ
ンス補正装置ならびにそれを用いることで低消費電力化
できるカラー画像表示装置を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 陰極線管のネックに取り付けられるボビ
ン2の外周面に、略90度おきに配置された4個の水平
方向補正用コイル7と、略90度おきに配置された4個
の垂直方向補正用コイル8を備える。ボビン2は水平方
向補正用ボビン3と垂直方向補正用ボビン4を嵌合して
構成される。ネックの中心軸から見て水平方向補正用コ
イル7と垂直方向補正用コイル8が重ならないよう配置
することで、コイルの囲む面積を殆ど減少させずにコイ
ルをネックに近付けて配置でき、コイルのインダクタン
スを増加させることなくコンバージェンス補正量を増加
させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インライン型陰極
線管装置に用いられるコンバージェンス補正装置、およ
びそれを用いたコンピュータ用高精細度ディスプレイモ
ニターやデジタル放送受信機等におけるテレビジョン受
信機等のカラー画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、陰極線管を利用したコンピュータ
用のディスプレイ装置やテレビジョン受信機等のカラー
画像表示装置では、インライン型の電子銃と、バレル型
の垂直偏向磁界及びピンクッション型の水平偏向磁界を
発生させる偏向ヨークを組み合わせた構成のものが主流
となっている。この構成では、理論的には、ミスコンバ
ージェンスを殆どなくすことが可能である。
【0003】しかしながら現実には、偏向ヨークの巻線
形状や陰極線管形状の微妙な相違等の製造上不可避の様
々なばらつきが発生するため、特に画面周辺部でミスコ
ンバージェンスが発生してしまう。そこで、陰極線管の
ネック部に取り付けたリング状磁石で静的磁界分布を与
えて画面全体でコンバージェンス補正が行われたり、コ
の字やヨの字形状の磁性コアに巻き線した磁性コイルを
組み合わせてネックの周りに配置しこれに分岐した偏向
電流を流して画面周辺部で一律にコンバージェンス補正
が行われている。ところが画面の高精細化や大型化が進
むにつれ、コンバージェンス補正の精度も更なる向上が
求められ、画面の局所に残るミスコンバージェンスも補
正する必要が出てきている。そこで、画面の局所でダイ
ナミックにコンバージェンス補正を行う動コンバージェ
ンス補正が近年行われるようになってきた。動コンバー
ジェンス補正としては、特開昭57−180286号公
報に開示されている磁性コアに巻いたコイルにより補正
磁界を発生させるものや、特開平5−76020号公報
に開示されている磁性コアのない空芯コイルを用いたも
のが利用されており、最近では、インダクタンスが小さ
くより高速な駆動が可能である後者がよく用いられてい
る。
【0004】動コンバージェンス補正に空芯コイルを用
いた従来のコンバージェンス補正装置、および従来のコ
ンバージェンス補正装置を搭載したカラー画像表示装置
の例を、図を用いて説明する。図8は従来のカラー画像
表示装置の側面図、図9は従来のコンバージェンス補正
装置の斜視図、図10は従来のコンバージェンス補正装
置を含む陰極線管の要部断面図である。図中、100は
カラー画像表示装置、101はインライン型の陰極線
管、102は画面、103は電子銃、104は偏向ヨー
ク、105はネック、106はピュリティマグネット、
107は4極マグネット、108は6極マグネット、1
09は磁性コイルユニット、110はコンバージェンス
補正装置、111はボビン、112はリブ、113は水
平方向補正用コイル、114は垂直方向補正用コイル、
115は耐熱シート、W3はコイルの幅である。
【0005】カラー画像表示装置100は、電子銃10
3より発した電子線を偏向ヨーク104で発生する磁界
により走査し、陰極線管101の画面102に形成され
た蛍光体パターンに照射して画像表示を行う。陰極線管
101のネック105には、ピュリティマグネット10
6,4極マグネット107,6極マグネット108,磁
性コイルユニット109およびコンバージェンス補正装
置110からなる一群の画像補正装置が装着されてい
る。ピュリティマグネット106はリング状の磁石を2
個組み合わせたものであり、2極磁界を発生させ、ネッ
ク105の中央を通る緑表示用の電子線が所定の位置に
来るようピュリティの調整をする。また、4極マグネッ
ト107及び6極マグネット108も円周上の所定の位
置に磁石を配したリング状磁石を各々2個ずつ組み合わ
せたものであり、各々4極及び6極磁界を発生させ、ネ
ックを通る赤色表示用の電子線および青色表示用の電子
線の軌道を変化させて画面全体のコンバージェンス調整
を行う。これらリング状磁石によるコンバージェンス補
正は画面中央を基準に行い、少なくとも画面中央ではミ
スコンバージェンス量がほぼゼロとなる状態まで調整す
る。
【0006】磁性コイルユニット109は、コの字型の
磁性コアに巻き線をした磁性コイル4個をネック105
の周囲に配して構成されており、この磁性コイルに、垂
直偏向電流および水平偏向電流を分岐して取り出し加工
した駆動電流を通電して、画面全体の歪みや画面周辺に
残ったミスコンバージェンスを大局的に補正する。以上
のように、4極マグネット107,6極マグネット10
8および磁性コイルユニット109で行うコンバージェ
ンス補正は画面内で一律に行われるため、局所的なミス
コンバージェンスは残ってしまう。これを、動コンバー
ジェンス補正を行うコンバージェンス補正装置110で
最終的に補正する。
【0007】コンバージェンス補正装置110は、図9
に示すように、同じ形状の空芯コイルを、円筒状のボビ
ン111の外側側面を45度おきに8分割した位置に8
個配して構成されている。各々の空芯コイルは1つおき
に4個のコイルが直列に接続されて2組のコイル群であ
る水平方向補正用コイル113および垂直方向補正用コ
イル114を形成し、各々水平方向補正用および垂直方
向補正用の4極磁界をそれぞれ発生させる。ボビン11
1の外周面には突出するようにリブ112が配設され、
水平方向補正用コイル113および垂直方向補正用コイ
ル114は巻線作業が容易に行えるよう隣接するリブの
外側側面に係止されて形成されているため、リブ112
の周囲でコイルの一部が重なっている。
【0008】以上のように構成された従来のコンバージ
ェンス補正装置110は、図10に示すように、耐熱シ
ート115を介してネック105に取り付けられてい
る。水平方向補正用コイル113および垂直方向補正用
コイル114の駆動には、マイクロコンピュータおよび
メモリを備えたデジタル回路を使用する。メモリには予
め測定された画面の各位置におけるコンバージェンスの
補正データが格納されており、この補正データをマイク
ロコンピュータで取り出して、補正データがない部分は
補間演算により補正データを作成し、適宜デジタル・ア
ナログ・コンバータに送出する。デジタル・アナログ・
コンバータでは、デジタルデータである補正データを実
際のコイル駆動信号に変換し、この信号を増幅処理して
水平方向補正用コイル113および垂直方向補正用コイ
ル114を駆動させる。
【0009】カラー画像表示装置100では、陰極線管
101のネック105に配置されたコンバージェンス補
正装置110でミスコンバージェンスを補正し、色ずれ
の小さいカラー表示を行うことができる。
【0010】また、従来のコンバージェンス補正装置の
別の例を図11に示す。図11は従来のコンバージェン
ス補正装置の斜視図であり、ボビン116の外周面上に
巻き線用の巻芯117が8個配設されている。図11に
示す従来のコンバージェンス補正装置では、水平方向補
正用コイルおよび垂直方向補正用コイルを構成する全て
のコイルが別々に巻芯の外周に巻線して形成されてい
る。水平方向補正用コイルおよび垂直方向補正用コイル
は図9に示す従来のコンバージェンス補正装置と同じ位
置に配置されており、コンバージェンスの補正も同様に
行われる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】現在、コンピュータ用
のディスプレイ装置やテレビジョン受信機等のカラー画
像表示装置では、画面の平面化および表示の高精細化が
進んでいる。画面の平面化は画歪みを増加させるため、
偏向ヨークにおいて強く画歪みを補正することが必要と
なっている。しかしながら画歪みの補正量が増加する
と、相対的にミスコンバージェンス量が増える傾向にあ
り、コンバージェンス補正装置に要求される補正量も増
加する傾向にある。従ってコンバージェンス補正装置に
おいても、補正可能なミスコンバージェンス量を増加さ
せ装置の高性能化を図る必要がある。
【0012】一方、表示の高精細化は水平走査周波数の
増加を招いており、コンバージェンス補正装置も高周波
駆動させるため、コイルのインダクタンスの増加を抑え
て補正磁界の応答性の低下を防ぐ必要がある。コンバー
ジェンス補正量を増やすためには、コイル電流とコイル
巻数の積であるコイルの起磁力を向上させるのが一般的
であるが、コイル巻数の増加はコイルのインダクタンス
の増加を招き、またコイル電流の増加は電流を作り出す
ドライバー回路の高価格化および消費電力の増大を招く
ため、求められるコンバージェンス補正装置の高性能化
の手段としては適当でない。
【0013】コイルの起磁力を上げずにコンバージェン
ス補正量を増加させるためには、コイルに発生する磁界
形状を工夫して赤色表示用の電子ビームおよび青色表示
用の電子ビームの軌道位置における補正磁界強度を向上
させる必要があり、これを実現するための有力な手段の
一つがコイルを出来るだけネックに近付けて配置するこ
とである。しかしながら図10に示す従来のコンバージ
ェンス補正装置では、水平方向補正用コイルと垂直方向
補正用コイルの重なり部Aが存在し、この重なり部Aで
上になる方のコイルが下にくるコイルの厚み分ネックよ
り離れてしまっていた。
【0014】一方、図11に示す従来のコンバージェン
ス補正装置では、全てのコイルが個別に巻芯の外周に巻
線して形成されているため、各々重なる部分がなく全て
のコイルがネックに近接して配置されている。しかしな
がら図11に示す構造のボビンでは、巻線作業において
隣接する巻芯間にコイルを挿入する動作が必要となり、
巻芯間の間隔が狭いと隣接する巻芯をよけて巻線を行う
ことが困難になるため、巻線作業性を考慮して巻芯間の
間隔をある程度広く取る必要がある。このためコイルの
幅W4を狭めざるをえず、コイルの囲む面積の減少によ
り発生する補正磁界強度が低下し、コイルがネックに近
接して配置されることによるコンバージェンス補正能力
の向上が相殺されてしまっていた。
【0015】以上のように、従来のコンバージェンス補
正装置においては、コイルの囲む面積を減少させずにコ
イルをネックに近接させて配置することができず、コイ
ルのインダクタンスを増加させることなくコンバージェ
ンス補正量を増加させることが困難であった。また、コ
ンバージェンス補正装置を搭載した従来のカラー画像表
示装置においても、コンバージェンス補正能力を下げる
ことなくコンバージェンス補正装置の駆動電流値を下げ
ることができず、要求されている低消費電力化が困難で
あった。
【0016】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
であり、コイルのインダクタンスを増加させることなく
コンバージェンス補正能力を向上できるコンバージェン
ス補正装置、ならびにそれを用いることで、コンバージ
ェンス補正能力を低下させることなく低消費電力化でき
るカラー画像表示装置を提供することを目的としてい
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明のコンバージェン
ス補正装置は、陰極線管のネックに取り付けられるボビ
ンと、ボビンの外周面に、略同一形状で略90度おきに
配置された4個の空芯コイルからなる水平方向補正用コ
イルと、略同一形状で略90度おきに配置された4個の
空芯コイルからなる垂直方向補正用コイルとを備え、ボ
ビンは水平方向補正用コイルの配設された水平方向補正
用ボビンと垂直方向補正用コイルの配設された垂直方向
補正用ボビンが嵌合されて構成されており、ネックの中
心軸から見て水平方向補正用コイルと垂直方向補正用コ
イルが重ならないよう配置されていることを特徴とす
る。
【0018】この構成により、コイルのインダクタンス
を増加させることなくコンバージェンス補正能力を向上
できるコンバージェンス補正装置、ならびにそれを用い
ることで、コンバージェンス補正能力を低下させること
なく低消費電力化できるカラー画像表示装置を提供でき
る。
【0019】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、陰極線
管のネックに取り付けられるボビンと、ボビンの外周面
に、略同一形状で略90度おきに配置された4個の空芯
コイルからなる水平方向補正用コイルと、略同一形状で
略90度おきに配置された4個の空芯コイルからなる垂
直方向補正用コイルとを備え、ボビンは水平方向補正用
コイルの配設された水平方向補正用ボビンと垂直方向補
正用コイルの配設された垂直方向補正用ボビンが嵌合さ
れて構成されており、ネックの中心軸から見て水平方向
補正用コイルと垂直方向補正用コイルが重ならないよう
配置されているコンバージェンス補正装置である。
【0020】この構成により、水平方向補正用コイルと
垂直方向補正用コイルの巻線をボビンを分割して別々に
行えるため、容易に巻線作業を行うことができる。従っ
て巻線作業性に制限されることなく、隣接する水平方向
補正用コイルと垂直方向補正用コイルが接する直前まで
コイル幅を広く取れ、かつ各々のコイルが重ならないよ
うに配置できる。
【0021】請求項2に記載の発明は、陰極線管のネッ
クに取り付けられるボビンと、ボビンの外周面に、略同
一形状で略90度おきに配置された4個の空芯コイルか
らなる水平方向補正用コイルと、略同一形状で略90度
おきに配置された4個の空芯コイルからなる垂直方向補
正用コイルとを備え、ボビンは可撓性を有する耐熱シー
トの上に巻芯が配設されて構成されており、水平方向補
正用コイルと垂直方向補正用コイルは巻芯の側面に巻線
されて形成され、ネックの中心軸から見て水平方向補正
用コイルと垂直方向補正用コイルが重ならないよう配置
されているコンバージェンス補正装置である。
【0022】この構成により、コイルとネックの間隔は
薄い耐熱シートの厚みのみとなり、コイルをネックに近
接して配置できる。また、各巻芯が柔軟性のある耐熱シ
ートで連結されているので、巻線時には巻線を行う巻芯
を突出させるようにボビンを変形させることで容易に巻
線作業を行うことができ、巻線作業性に制限されること
なく隣接する水平方向補正用コイルと垂直方向補正用コ
イルが接する直前までコイル幅を広く取れる。
【0023】請求項3に記載の発明は、インライン型陰
極線管と、インライン型陰極線管に装着された偏向ヨー
クと、インライン型陰極線管のネックに装着された画像
補正装置を備え、画像補正装置が請求項1または請求項
2に記載のコンバージェンス補正装置を含むカラー画像
表示装置である。
【0024】この構成により、搭載したコンバージェン
ス補正装置の駆動電流が従来より低くても同等のコンバ
ージェンス補正ができる。
【0025】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1におけるコンバージェンス補正装置の斜視図、図2
は本発明の実施の形態1におけるコンバージェンス補正
装置の要部正面図、図3は本発明の実施の形態1におけ
るコンバージェンス補正装置の要部斜視図である。
【0026】図中、1はコンバージェンス補正装置、2
はボビン、3は水平方向補正用ボビン、4は垂直方向補
正用ボビン、5は巻芯、6はリード端子、7は水平方向
補正用コイル、8は垂直方向補正用コイル、W1はコイ
ルの幅を示す。
【0027】ボビン2および巻芯5は合成樹脂等からな
り、ボビン2は円筒形状で、その内径が陰極線管のネッ
クの外径より若干大きく作製され、ネックに近接して取
り付けられるようになっている。また、ボビン2は水平
方向補正用ボビン3および垂直方向補正用ボビン4より
なり、両ボビン同士を完全に分割することが可能となっ
ている。水平方向補正用ボビン3は外側側面に4個の巻
芯5を有し、巻芯5はボビン2の円筒中心軸周りに90
度おきとなる位置に配設されており、水平方向補正用ボ
ビン3はボビン2の円筒中心軸からみて軸対称な形状と
なっている。
【0028】水平方向補正用ボビン3の有する4個の巻
芯5の側面にはコイルが巻線され、これら4個のコイル
を巻線方向が順次逆方向となるよう直列につないで、1
組のコイル群である水平方向補正用コイル7が形成され
ている。また、垂直方向補正用ボビン4および垂直方向
補正用コイル8も、水平方向補正用ボビン3および水平
方向補正用コイル7と全く同様に構成されている。ボビ
ン2は図3に示すように、各々コイルの配設された水平
方向補正用ボビン3と垂直方向補正用ボビン4を図3中
の矢印方向に嵌合させて形成され、嵌合後は水平方向補
正用コイル7と垂直方向補正用コイル8は互いに隣接す
る位置にくるようになっている。
【0029】以上のように構成されたコンバージェンス
補正装置1は、水平方向補正用コイル7および垂直方向
補正用コイル8の2組のコイル群で、各々水平方向補正
用および垂直方向補正用の4極磁界を発生させる。コン
バージェンス補正装置1の駆動方法に関しては従来のコ
ンバージェンス補正装置と同様であり、画面走査に従っ
て、メモリより予め測定された画面の各位置におけるコ
ンバージェンスの補正データを取り出して必要な補正磁
界を作り出す。
【0030】本実施の形態1におけるコンバージェンス
補正装置1では、巻芯とコイルが一対一に対応し各々の
コイルで重なっている部分がないので、図2に示すよう
に全てのコイルがボビン2の外周面から浮き上がること
なくネックに近接して配置することが出来る。また本実
施の形態1におけるコンバージェンス補正装置1では、
図3に示すようにボビン2を水平方向補正用ボビン3と
垂直方向補正用ボビン4とに分割し、各々のボビンで別
々に巻線作業を行う。このため、例えば水平方向補正用
コイル7の巻線時には巻線を行う巻芯の両隣りに垂直方
向補正用ボビン4の巻芯がなく、両隣りの巻芯への引っ
掛かりを気にせず巻線作業を容易にかつ精度良く行え
る。
【0031】従って、コイル幅W1を両隣のコイルに接
触する直前まで広げることができ、巻線の作業性を考慮
してコイル幅を狭くしていた図11に示す従来のコンバ
ージェンス補正装置より、コイル幅を広くとれる。以上
のような理由により、本実施の形態1のコンバージェン
ス補正装置では、コイルの囲む面積を殆ど減少させずに
コイルをネックに近接させて配置することができる。
【0032】実際に、本実施の形態1のコンバージェン
ス補正装置と図9に示す従来のコンバージェンス補正装
置に発生した補正磁界強度を測定し比較した一例につい
て説明する。作製したコンバージェンス補正装置は各
々、ネックの径が30mm程度の陰極線管に取り付ける
ことを想定し、両者共通の条件として、ボビンの外径を
33mm,ボビンの肉厚を1mm,コイルの線径を0.
24mm,コイルの巻数を1コイルあたり10ターン,
コイルの長さを20mmとした。上記の条件で作製した
各コンバージェンス補正装置は、コイルの幅が本実施の
形態1のコンバージェンス補正装置で12.5mm,従
来のコンバージェンス補正装置で13.5mmとなり、
従来のコンバージェンス補正装置においては、コイル同
士の重なり部分で水平方向補正用コイルがボビン外周面
より約1mm浮き上がっていた。
【0033】磁界強度の測定は、ガウスメータを用い
て、上記の各コンバージェンス補正装置のコイルに20
0mAの直流電流を通電した時に、青もしくは赤表示用
の電子線の通過位置近傍に発生する磁束密度を測定して
行った。なおネックの径が30mm前後の場合、青もし
くは赤表示用の電子線はネック中心軸より4mmから8
mmまでの間を主に通過すると想定されるので、磁束密
度の測定は、ボビン円筒内中央付近で、ボビン円筒中心
軸より6mm離れた位置で行った。測定結果は、磁束密
度の単位をガウスとしてGで表示し、インダクタンスの
単位をマイクロヘンリーとしてμHで表示する。
【0034】磁束密度の測定結果は、従来のコンバージ
ェンス補正装置において、水平方向補正用コイルで0.
40G,垂直方向補正用コイルで0.41Gであったの
に対し、本実施の形態1のコンバージェンス補正装置で
は、水平方向補正用コイルで0.47G,垂直方向補正
用コイルで0.40Gとなり、水平方向補正用コイルに
おいてコイルをネックにより近づけることで20%近い
磁界強度向上を図ることができた。一方、周波数100
kHzにおけるインダクタンスの測定結果は、従来のコ
ンバージェンス補正装置において、水平方向補正用コイ
ルで22.0μH,垂直方向補正用コイルで21.6μ
Hであったのに対し、本実施の形態1のコンバージェン
ス補正装置では、水平方向補正用コイルで21.5μ
H,垂直方向補正用コイルで21.1μHとなり、イン
ダクタンスの増加は見られなかった。
【0035】以上の結果より、本実施の形態1のコンバ
ージェンス補正装置においては、各コイルをコイルの囲
む面積を殆ど減少させずにコイル同士が重ならないよう
配置できるため、コイルのインダクタンスが増加せず、
コイル同士の重なりによりボビン外周面より浮き上がっ
てしまっていた方のコイルが作る補正磁界を増加させる
ことができる。従って本実施の形態1によれば、コイル
のインダクタンスは増加せず、コンバージェンス補正能
力のみ向上したコンバージェンス補正装置を得ることが
できる。
【0036】(実施の形態2)図4は本発明の実施の形
態2におけるコンバージェンス補正装置の斜視図、図5
は本発明の実施の形態2におけるコンバージェンス補正
装置を含む陰極線管の要部断面図である。図中、9はコ
ンバージェンス補正装置、10はボビン、11は耐熱シ
ート、12は巻芯、13はリード端子、14は水平方向
補正用コイル、15は垂直方向補正用コイル、16はネ
ック、W2はコイルの幅を示す。ボビン10は、リング
状に形成された可撓性を有する薄い耐熱シート11の上
に合成樹脂等からなる巻芯12が8個配設されて成る。
ボビン10が陰極線管に取り付けられると、耐熱シート
11はネック表面にほぼ密着し、ボビン10はネック表
面に沿った円筒形状となる。そして巻芯12は、ボビン
10が陰極線管のネック16に取り付けられた際、ネッ
ク中心軸周りに45度おきとなるよう配置されている。
水平方向補正用コイル14および垂直方向補正用コイル
15は巻芯12の側面に形成され、上記の本実施の形態
1と同様に構成される。本実施の形態2におけるコンバ
ージェンス補正装置9では、従来のコンバージェンス補
正装置と比較しボビンの肉厚がない分、よりコイルをネ
ックに近接させて配置できる。
【0037】図5はコンバージェンス補正装置を搭載し
た陰極線管のコンバージェンス補正装置近傍での要部断
面図である。従来のコンバージェンス補正装置では、図
10に示すように、陰極線管のネックにまず耐熱シート
を巻きその上にコンバージェンス補正装置を取り付けて
いるため、ネックとコイルの間にはボビンの円筒部分と
耐熱シートが介在している。一方、図5に示す本実施の
形態2におけるコンバージェンス補正装置9では、耐熱
シート11がボビンを兼ねているので、ネック16とコ
イルの間には耐熱シート11が介在しているのみであ
り、従来のコンバージェンス補正装置よりもボビンの肉
厚分だけコイルをネック16に近接させて配置できる。
また、本実施の形態2におけるコンバージェンス補正装
置9では、巻芯12同士をつなぐ耐熱シート11が可撓
性を有しているため、コイルの巻線作業時にはボビン1
0を巻線し易い形状に変形させることができる。
【0038】図6は、本発明の実施の形態2におけるコ
ンバージェンス補正装置の巻線作業の様子を示す要部正
面図である。図6中、17はボビン10を変形させる冶
具、18は巻線機の巻線ヘッドである。ボビン10は、
冶具17により凸形状に変形することにより、巻線を行
う巻芯とその両側に隣接する巻芯を離すことができる。
巻線機は、図6において紙面に垂直な面内で巻線ヘッド
18を円周運動させて巻線作業を行うが、図6の状態で
は両側に隣接する巻芯への巻線の引っ掛かりがなく、容
易にかつ精度良く巻線作業を行うことができる。従っ
て、上記実施の形態1での説明と同様の理由により、コ
イル幅W2を両隣のコイルに接触する直前まで広げるこ
とができる。
【0039】実際に、本実施の形態2のコンバージェン
ス補正装置と図9に示す従来のコンバージェンス補正装
置に発生した補正磁界強度を測定し比較した一例につい
て説明する。実験条件は上記実施の形態1で説明した例
と全く同一にし、従来のコンバージェンス補正装置も同
じものを使用した。本実施の形態2のコンバージェンス
補正装置は、コイルの幅W2が12.0mm、耐熱シー
ト11の厚みが0.2mmであった。磁束密度の測定結
果は、従来のコンバージェンス補正装置において、水平
方向補正用コイルで0.40G,垂直方向補正用コイル
で0.41Gであったのに対し、本実施の形態2のコン
バージェンス補正装置では、水平方向補正用コイルで
0.51G,垂直方向補正用コイルで0.46Gとな
り、水平方向補正用コイルで30%弱,垂直方向補正用
コイルで10%強の磁界強度向上を図ることができた。
一方、周波数100kHzにおけるインダクタンスの測
定結果は、従来のコンバージェンス補正装置において、
水平方向補正用コイルで22.0μH,垂直方向補正用
コイルで21.6μHであったのに対し、本実施の形態
2のコンバージェンス補正装置では、水平方向補正用コ
イルで21.4μH,垂直方向補正用コイルで21.0
μHとなり、インダクタンスの増加は見られなかった。
【0040】以上の結果より、本実施の形態2のコンバ
ージェンス補正装置においては、各コイルをコイルの囲
む面積を殆ど減少させずにコイル同士が重ならないよう
配置でき、さらにボビンの肉厚分コイルをネックに近接
させて配置できるので、コイルのインダクタンスを増加
させずに水平方向補正用コイルと垂直方向補正用コイル
の両方で補正磁界を増加させることができる。従って本
実施の形態2によれば、コイルのインダクタンスは増加
せず、コンバージェンス補正能力のみ向上したコンバー
ジェンス補正装置を得ることができる。なお、本実施の
形態2では、耐熱シートをリング状にしてボビンを形成
したが、耐熱シートをベルト状にしてボビンを形成して
もよい。この場合、ベルト状のボビンを位置規制しつつ
陰極線管のネックに巻き付ければ、本実施の形態2と全
く同じ構成のコンバージェンス補正装置を得ることがで
きる。
【0041】(実施の形態3)図7は、本発明の実施の
形態3におけるカラー画像表示装置の要部側面図であ
る。図中20は陰極線管、21は偏向ヨーク、22は電
子銃、16はネック、23はピュリティマグネット、2
4は4極マグネット、25は6極マグネット、26は磁
性コイルユニットであり、これらは従来のカラー画像表
示装置と同様のものである。本実施の形態3におけるカ
ラー画像表示装置19では、陰極線管20のネック16
に実施の形態2で説明したコンバージェンス補正装置9
が装着されており、ピュリティマグネット23,4極マ
グネット24,6極マグネット25および磁性コイルユ
ニット26と共に一群の画像補正装置を構成している。
【0042】コンバージェンス補正装置9では上記のよ
うに補正能力が向上されており、従来と同じ駆動電流で
より強い補正磁界が得られる。従って、これを従来と同
じ陰極線管21に用いた本実施の形態3におけるカラー
画像表示装置19では、コンバージェンス補正装置9の
駆動電流を低減できる。また、コンバージェンス補正装
置9の外径が小さくなっているため、コンバージェンス
補正装置9の周囲に配置された磁性コイルユニット26
もネック16により近付けて設置できており、従来と同
じ駆動電流でより強い補正磁界が得られるようになって
いる。従って、本実施の形態3におけるカラー画像表示
装置19では、磁性コイルユニット26の駆動電流も低
減できる。
【0043】以上のような構成により、本実施の形態3
では、搭載したコンバージェンス補正装置においてコン
バージェンス補正能力を低下させることなく駆動電流を
低減することができ、カラー画像表示装置の低消費電力
化を図ることができる。
【0044】
【発明の効果】以上のように請求項1および請求項2に
記載の発明によれば、コイルの囲む面積を殆ど減少させ
ずにコイルをネックに近接させて配置でき、コイルのイ
ンダクタンスは増加させずコンバージェンス補正量のみ
増加してコンバージェンス補正能力が向上したコンバー
ジェンス補正装置を得ることができる。また、巻線作業
が容易になりコイルの形状精度が向上して、生産性良く
コンバージェンス補正装置を得ることができる。
【0045】また請求項3に記載の発明によれば、搭載
したコンバージェンス補正装置においてコンバージェン
ス補正能力を低下させることなく駆動電流値を下げるこ
とができ、低消費電力化できるカラー画像表示装置を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるコンバージェン
ス補正装置の斜視図
【図2】本発明の実施の形態1におけるコンバージェン
ス補正装置の要部正面図
【図3】本発明の実施の形態1におけるコンバージェン
ス補正装置の要部斜視図
【図4】本発明の実施の形態2におけるコンバージェン
ス補正装置の斜視図
【図5】本発明の実施の形態2におけるコンバージェン
ス補正装置を含む陰極線管の要部断面図
【図6】本発明の実施の形態2におけるコンバージェン
ス補正装置の巻線作業の様子を示す要部正面図
【図7】本発明の実施の形態3におけるカラー画像表示
装置の要部側面図
【図8】従来のカラー画像表示装置の側面図
【図9】従来のコンバージェンス補正装置の斜視図
【図10】従来のコンバージェンス補正装置を含む陰極
線管の要部断面図
【図11】従来のコンバージェンス補正装置の斜視図
【符号の説明】
1 コンバージェンス補正装置 2 ボビン 3 水平方向補正用ボビン 4 垂直方向補正用ボビン 7 水平方向補正用コイル 8 垂直方向補正用コイル 11 耐熱シート 16 ネック 21 陰極線管 22 電子銃 23 ピュリティマグネット 24 4極マグネット 25 6極マグネット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西畑 勝則 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5C042 HH01 HH12 5C060 CE03 CF03 JA00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陰極線管のネックに取り付けられるボビン
    と、前記ボビンの外周面に、略同一形状で略90度おき
    に配置された4個の空芯コイルからなる水平方向補正用
    コイルと、略同一形状で略90度おきに配置された4個
    の空芯コイルからなる垂直方向補正用コイルとを備え、
    前記ボビンは前記水平方向補正用コイルの配設された水
    平方向補正用ボビンと前記垂直方向補正用コイルの配設
    された垂直方向補正用ボビンが嵌合されて構成されてお
    り、前記ネックの中心軸から見て前記水平方向補正用コ
    イルと前記垂直方向補正用コイルが重ならないよう配置
    されていることを特徴とするコンバージェンス補正装
    置。
  2. 【請求項2】陰極線管のネックに取り付けられるボビン
    と、前記ボビンの外周面に、略同一形状で略90度おき
    に配置された4個の空芯コイルからなる水平方向補正用
    コイルと、略同一形状で略90度おきに配置された4個
    の空芯コイルからなる垂直方向補正用コイルとを備え、
    前記ボビンは可撓性を有する耐熱シートの上に巻芯が配
    設されて構成されており、前記水平方向補正用コイルと
    前記垂直方向補正用コイルは前記巻芯の側面に巻線され
    て形成され、前記ネックの中心軸から見て前記水平方向
    補正用コイルと前記垂直方向補正用コイルが重ならない
    よう配置されていることを特徴とするコンバージェンス
    補正装置。
  3. 【請求項3】インライン型陰極線管と、前記インライン
    型陰極線管に装着された偏向ヨークと、前記インライン
    型陰極線管のネックに装着された画像補正装置を備え、
    前記画像補正装置が請求項1または請求項2に記載のコ
    ンバージェンス補正装置を含むことを特徴とするカラー
    画像表示装置。
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