JP2003104300A - 実験ラック防音装置 - Google Patents

実験ラック防音装置

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JP2003104300A
JP2003104300A JP2001304923A JP2001304923A JP2003104300A JP 2003104300 A JP2003104300 A JP 2003104300A JP 2001304923 A JP2001304923 A JP 2001304923A JP 2001304923 A JP2001304923 A JP 2001304923A JP 2003104300 A JP2003104300 A JP 2003104300A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実験ラックの真空排気装置から発する騒音を
有効に低減させる。 【解決手段】 ラック構造物１に形成した所要の実験部
に真空排気装置３が設置されて、裏面側に矩形の凹部４
ａを有する箱形のフロントパネル４で前面部が塞がれる
ようにしてある実験ラックにおいて、フロントパネル４
の裏面側の凹部４ａに防音材９を取り付け、防音材９で
真空排気装置３の前面側を遮蔽する。防音材９は、スポ
ンジシート製の第１吸音材７ａとゴムシート製の遮音材
８とスポンジシート製の第２吸音材７ｂとからなるサン
ドイッチ構造とし、第１吸音材７ａが真空排気装置３に
面するように配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は宇宙ステーション与
圧部に搭載して用いる実験ラックの騒音源からの騒音を
防止するための実験ラック防音装置に関するものであ
る。
【０００２】
【従来の技術】近年、地球周回軌道上に恒久的且つ多目
的な有人施設としての国際宇宙ステーションを構築し、
該宇宙ステーションに連結した実験モジュールで、各種
の実験や研究を行う計画が進められている。
【０００３】上記実験モジュールとしては、宇宙ステー
ションから電力や空気等の供給を受ける有人の実験スペ
ースとなる与圧部、宇宙ステーション外部で宇宙環境を
そのまま実験スペースとして使用する曝露部等を有する
ものが用いられている。
【０００４】上記実験モジュールとしての与圧部におい
ては、実験に用いられる各種の実験機器をラック構造物
内に設置してなる実験ラックを、与圧部内に複数基搭載
するようにしてある。
【０００５】上記実験ラックは、図３（イ）（ロ）
（ハ）にその一例の概略を示す如く、前面部が開放され
ているラック構造物１内に、各種実験機器の大きさに合
わせて複数の棚段２を設けて実験部を区画形成し、該各
実験部に実験機器を設置した構成としてあるが、実験ラ
ックには、所要の実験部に、ＶＥＥ（Vacuum Exhaust E
quipment）と称する真空排気装置（真空ポンプ）３を設
置して、前面部にフロントパネル４を取り付けるように
したものがあり、このような真空排気装置３を設置した
実験ラックでは、該真空排気装置３が騒音を発生するこ
とから、その騒音が規定音圧レベル（ＮＣ値）以下とな
るように、ラック構造物１の内側面に吸音材を張り付け
るようにし、更に、上記真空排気装置３を設置した実験
部では、フロントパネル４を、裏面側に矩形の凹部４ａ
が形成されるよう箱形にして、裏面側の凹部４ａに吸音
材５を防音材として張り付けるようにし、真空排気装置
３から発する騒音が主として吸音材５で減衰させられる
ようにして、ラック構造物１の前面側へ漏れないように
するための防音対策が講じられている。６は別の実験部
のフロントパネルを示す。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記真空排
気装置３を設置した実験部のフロントパネル４の裏面側
に形成されている凹部４ａの深さは、２５．４ｍｍに規
定されており、したがって、これまでは、この凹部４ａ
に厚さ約２５．４ｍｍの吸音材５を張り付けるようにし
ているが、この吸音材５はスポンジシートであり、騒音
源となる真空排気装置３からの騒音としての音波をある
程度減衰させることはできるが、図２に示す如く、フロ
ントパネル４の内側に上記厚さの吸音材５を設置させた
だけのものでは、線Ｘで示す如く、人間にとって不快な
１ｋＨｚ近傍の高周波数の騒音を規定音圧レベルＬ（Ｎ
Ｃ−４０）以下に有効に低減させることができなかっ
た。
【０００７】因に、上記吸音材５に代えて、ゴムシート
製の遮音材を防音材として用いるようにすることも試み
られたが、良好な効果は得られていない。
【０００８】そこで、本発明者は、上記規定された寸法
の中で、真空排気装置から発する騒音を、高周波騒音を
含めて有効に低減させるべく種々の実験を行い、本発明
を見い出した。したがって、本発明の目的とするところ
は、１ｋＨｚ近傍の高周波の騒音を低減させる実験ラッ
ク防音装置を提供しようとするものである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、ラック構造物の所要の実験部に真空排気
装置を設置して該真空排気装置を設置した実験部の前面
側にフロントパネルを取り付けた実験ラックの上記前面
側のフロントパネルの裏面に、第１吸音材と第２吸音材
の間に遮音材を配置し重合してサンドイッチ構造として
なる防音材を取り付けた構成とする。
【００１０】真空排気装置から発する騒音が第１吸音材
で減衰させられた後、遮音材で反射され、更に、残りが
第２吸音材で減衰させられるため、高周波騒音を含め
て、騒音が全般的に効果的に低減させられる。
【００１１】又、防音材の第１及び第２吸音材をスポン
ジシートとし、遮音材を、第１及び第２吸音材よりも厚
みの薄いゴムシートとした構成とすることにより、防音
材を軽量に製作することができる。
【００１２】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【００１３】図１は本発明の実施の一形態を示すもの
で、図３（イ）（ロ）（ハ）に示したと同様に、ラック
構造物１の所要の実験部に真空排気装置３が設置され、
その前面側に、裏面側に深さ２５．４ｍｍの矩形の凹部
４ａを有する箱形のフロントパネル４を前面部が塞がれ
るように取り付けた構成の宇宙ステーション与圧部の実
験ラックにおいて、上記フロントパネル４の裏面側の凹
部４ａに、内側から、スポンジシート製の第１吸音材７
ａ、ゴムシート製の遮音材８、スポンジシート製の第２
吸音材７ｂを順に重合させて吸音材７ａと７ｂの間に遮
音材８を配置してサンドイッチ構造としてなる防音材９
を取り付け、且つラック構造物１のフロントパネル４取
付け部に遮音材のシートで目張りして隙間が生じないよ
うにし、騒音源となる真空排気装置３の前面側を防音材
９で遮蔽するようにした構成とする。
【００１４】上記防音材９を構成するスポンジシート製
の各吸音材７ａ，７ｂ及びゴムシート製の遮音材８は、
箱形のフロントパネル４の矩形の凹部４ａに合致する大
きさ及び形状とし、たとえば、吸音材７ａ，７ｂの厚み
をそれぞれ約１０ｍｍとすると、遮音材８の厚みを約
５．４ｍｍとして、合計で規定値となる２５．４ｍｍ位
になるようにしてある。
【００１５】本発明においては、上記したように、第１
と第２の２枚の吸音材７ａと７ｂの間にこれら吸音材７
ａ，７ｂよりも厚みの薄い遮音材８をサンドイッチ状に
挟み込ませてあるため、騒音源となる真空排気装置３か
ら発せられた騒音としての音波は、最初に、内側のスポ
ンジシート製の第１吸音材７ａの気孔（気泡）の中でそ
の振動成分が減衰させられ、次に、第１吸音材７ａを通
った音波はゴムシート製の遮音材８に当って反射される
ことになる。その結果、最後の外側のスポンジシート製
の第２吸音材７ｂに到達する音波は非常に音圧エネルギ
ーが低下したものとなるため、第２吸音材７ｂの気孔の
中で残りの振動成分が減衰させられる。したがって、真
空排気装置３から発せられた騒音は、人間にとって不快
な１ｋＨｚ近傍の高周波の騒音を含めて全般的に効果的
に低減されることになる。
【００１６】図２は、本発明の如く、スポンジシート製
の第１吸音材７ａと７ｂの間にゴムシート製の遮音材８
を配置してサンドイッチ構造としてなる防音材９を用い
た場合の騒音の音圧レベル測定結果と、図３（ハ）に示
す如く、１枚構造のスポンジシート製の吸音材５のみを
用いた場合の騒音の音圧レベル測定結果とを比較したも
ので、本発明の場合、サンドイッチ構造の防音材９を用
いることにより、線Ｙで示す如く、１ｋＨｚ近傍の音圧
が規定音圧レベルＬ以下まで大幅に低減していることが
わかる。
【００１７】上記において、吸音材７ａ，７ｂと遮音材
８とのサンドイッチ構造としてある防音材９は、スポン
ジシートと該スポンジシートよりも厚みの薄いゴムシー
トとの組み合せであるため、全体的に軽量に製作でき、
宇宙への打ち上げ重量や宇宙からの回収重量に制限のあ
る宇宙実験にとって有利となる。
【００１８】なお、本発明は上記実施の形態にのみ限定
されるものではなく、ラック構造物１の両側面部や各実
験部のフロントパネル間に適宜目張りを追加することな
どは任意であること、その他本発明の要旨を逸脱しない
範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【００１９】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の実験ラック防
音装置によれば、ラック構造物の所要の実験部に真空排
気装置を設置して該真空排気装置を設置した実験部の前
面側にフロントパネルを取り付けた実験ラックの上記前
面側のフロントパネルの裏面に、第１吸音材と第２吸音
材の間に遮音材を配置し重合してサンドイッチ構造とし
てなる防音材を取り付けた構成としてあるので、真空排
気装置から発する騒音を、防音材の第１吸音材で減衰さ
せ、次に、遮音材で反射させ、更に、遮音材を通過した
音を第２吸音材で減衰させることができて、人間にとっ
て不快な高周波の騒音を含めて、騒音を全般的に効果的
に低減させることができ、又、防音材の第１及び第２吸
音材をスポンジシートとし、遮音材を、第１及び第２吸
音材よりも厚みの薄いゴムシートとした構成とすること
により、防音材を軽量に製作できて有利となる、等の優
れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実験ラック防音装置の実施の一形態を
示す部分拡大断面図である。
【図２】実験ラックの騒音源から発する騒音の音圧レベ
ルを測定した結果を本発明と従来例とで比較した図であ
る。
【図３】宇宙ステーション与圧部で用いる実験ラックの
一例を示すもので。（イ）は概略正面図、（ロ）は
（イ）のＡ−Ａ方向矢視図、（ハ）は（ロ）のＢ部拡大
断面図である。
【符号の説明】
１ ラック構造物 ２ 棚段 ３ 真空排気装置 ４ フロントパネル ７ａ 第１吸音材 ７ｂ 第２吸音材 ８ 遮音材 ９ 防音材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ラック構造物の所要の実験部に真空排気
    装置を設置して該真空排気装置を設置した実験部の前面
    側にフロントパネルを取り付けた実験ラックの上記前面
    側のフロントパネルの裏面に、第１吸音材と第２吸音材
    の間に遮音材を配置し重合してサンドイッチ構造として
    なる防音材を取り付けた構成を有することを特徴とする
    実験ラック防音装置。
  2. 【請求項２】 防音材の第１及び第２吸音材をスポンジ
    シートとし、遮音材を、第１及び第２吸音材よりも厚み
    の薄いゴムシートとした請求項１記載の実験ラック防音
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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