JP2003103956A - 平版印刷版用版面洗浄剤 - Google Patents

平版印刷版用版面洗浄剤

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JP2003103956A
JP2003103956A JP2001299412A JP2001299412A JP2003103956A JP 2003103956 A JP2003103956 A JP 2003103956A JP 2001299412 A JP2001299412 A JP 2001299412A JP 2001299412 A JP2001299412 A JP 2001299412A JP 2003103956 A JP2003103956 A JP 2003103956A
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Tadao Toyama
忠夫 登山
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた汚れ除去能力を発揮し、洗浄後の非画
像域の親水性の維持に優れ、且つインキ着肉性が良好
で、洗浄剤自体の乳化経時安定性が良い版面洗浄剤を提
供する。 【解決手段】 有機溶剤を含有する油相と、大豆多糖類
を含有し平均粒径0.01〜20μmの微粉末が分散さ
れた水相とが界面活性剤で乳化分散され、粘度が1〜1
00N・s/m2であることを特徴とする平版印刷版用版
面洗浄剤。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版用版面
洗浄剤に関し、より詳しくは平版印刷版用のペースト版
面洗浄剤に関する。 【0002】 【従来の技術】平版印刷は、水と油が本質的に混り合わ
ない性質を巧みに利用した印刷方式であり、印刷版面は
水を受容し油性インキを反撥する領域と水を反撥して油
性インキを受容する領域からなり、前者が非画像域であ
り、後者が画像域である。従ってその均衡が崩れ、例え
ば非画像域の親水性が何らかの原因で劣化するとしばし
ばその領域にインキが付着し、所謂「地汚れ」となる。
このような地汚れが発生する場合は多種多様であるが、
代表的なものは平版印刷版を高耐刷力とするために施さ
れるバーニング等の処置を施した場合や、平版印刷版の
版面を不感脂化ガムで保護することなく大気中に放置し
た場合がある。このような現象は、印刷時に印刷機のト
ラブル又は休憩時間等で印刷機を停止した場合等に於い
ても同様に起きることがある。従って通常、印刷機を停
止する場合、印刷関係者等は不感脂化ガム液を塗布する
習慣がある。また、不感脂化ガムが塗布されていない平
版印刷版の非画像域に親油性の物が付着し放置された場
合、その部分が感脂化され、汚れとなる。例えば指紋等
の跡が印刷物の背景に現れるのも同様な原因によるもの
である。更にまた非画像域に傷が付いた場合であり、こ
の場合は傷の中にインキが詰まり、次第に感脂化されて
汚れとなる。 【0003】上述のような、汚れの発生した平版印刷版
は、版面のインキを除去すると共に非画像域の親水性を
回復せしめるための所謂版面洗浄剤(プレートクリーナ
ーと呼ぶことも有る。)で処理されるものが通例であ
る。かかる版面洗浄剤の一つとして、従来珪酸ナトリウ
ム水溶液から成るものが知られていた。しかしながら、
この版面洗浄剤は不感脂化作用が極めて高いという効果
を有するものの、アルカリ性のため、水性アルカリ現像
液で現像される感光性平版印刷版、例えば特公昭43−
28403号、米国特許第3,046,120号明細書
等に記載されているo−キノンジアジド化合物からなる
感光層を有するポジ作用感光性平版印刷版又は特開昭5
4−98613号、英国特許1,350,521号に記
載されているような酸性基を有するバインダとジアゾ樹
脂からなる感光層を有するネガ作用感光性平版印刷版等
から製版された平版印刷版に使用すると画像域の一部が
侵されたり、インキの付着性が劣化するという問題があ
った。他方、米国特許第3,489,561号明細書に
記載されている蓚酸を用いたプレートクリーナーは不感
脂化力が弱く、金属支持体を腐食する作用が強いため、
アルミニウム板を支持体とする通常の感光性平版印刷版
(PS版と称されている。)の支持体表面に施されてい
る親水層(例えば米国特許第2,714,066号明細
書に記載されているような親水化処理により形成された
層)が破壊され、汚れを引起し易いので金属支持体には
適性がない。 【0004】一般に印刷中に汚れが発生した場合は先ず
版面のインキを洗浄剤(灯油又は炭化水素系溶剤)で除
去し、次いで不感脂化処理剤で処理する。上記のような
従来の版面洗浄剤も、版面をインキ洗浄剤で洗浄した後
に施こす必要があるため、版面洗浄剤処理をするときに
は処理工程が2工程となり繁雑である。そのため近年両
機能を統合させた乳化型即ちインキ洗浄剤作用及び不感
脂化作用を兼ね備えた版面洗浄剤も開発されている。例
えば特開昭52−15702号にはアルカリ性の乳化型
版面洗浄剤が開示されており、特開昭53−2102号
には酸性の乳化型版面洗浄剤が開示されている。しかし
ながら、このような乳化型版面洗浄剤はバーニング処理
した平版印刷版に対する汚れ除去力が劣り又傷汚れ等に
対しては、不感脂化作用の持続性が不充分であって、印
刷の途中でしばしば汚れが再発するという欠点が有っ
た。 【0005】また、酸性の乳化型版面洗浄剤は、乳化安
定化を図るために保護コロイド成分として多くのアラビ
アガムを使用し、アラビアガム特有の非画像域の汚れ防
止力を利用するのが一般的である。一方、アルカリ性の
乳化型版面洗浄剤では、アラビアガムはゲル化するた
め、一般的には繊維素系高分子が用いられていた。その
ため乳化が不安定で、液分離が起こりやすいため使用す
る前には保存しておいた洗浄剤を充分にかくはんして液
を均一にしてから使用しないと処理ムラが生じやすい欠
点も有していた。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た汚れ除去能力を発揮し、洗浄後の非画像域の親水性の
維持に優れ、且つインキ着肉性が良好で、洗浄剤自体の
乳化経時安定性が良い版面洗浄剤を提供することであ
る。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは種々研究を
重ねた結果、下記組成の版面洗浄剤により上記の諸目的
が達成されることを見出した。従って本発明は、有機溶
剤を含有する油相と、大豆多糖類を含有し平均粒径0.
01〜20μmの微粉末が分散された水相とが界面活性
剤で乳化分散され、粘度が1〜100N・s/m2である
ことを特徴とする平版印刷版用版面洗浄剤である。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明の平版印刷版用版面洗浄剤
は、油相と水相とを界面活性剤で乳化してなるものであ
る。油相に配合される有機溶媒としては、従来公知のも
のを広く使用でき、例えば石油留分、キシレン、トルエ
ン、n−ヘプタン、ジブチルフタレート、ジヘプチルフ
タレート、ジオクチルフタレート等のフタル酸ジエステ
ル類、ジオクチルアジペート、ブチルグリコールアジペ
ート、ジブチルセバケート、ジ(2−エチルヘキシル)
セバケート等の脂肪族二塩基酸エステル類、オクタン、
ノナン、デカン等の炭素数6〜18のパラフィン類、プ
ロピルベンゼン、ブチルベンゼン等の炭素数1〜30の
アルキル基を有するベンゼン類、エポキシ化大豆油等の
エポキシ化トリグリセライド類、ステアリン酸エチル、
ステアリン酸イソプロピル、セチル酸エチル、セチル酸
イソプロピル基等の脂肪酸エステル類、ステアリルアル
コールの酢酸エステル等の脂肪族アルコールエステル
類、トリクレジルホスフェート、トリオクチルホスフェ
ート等のリン酸エステル類等が挙げられる。またこれら
溶媒と共に、シクロヘキサノン等のケトン類、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノフェニルエーテル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル等のエチレングリコールエーテル類等を併用する
こともできる。これらの有機溶媒は、版面洗浄剤中に1
〜40質量%程度含ませるのが適当であり、好ましくは
5〜35質量%配合する。 【0009】版面洗浄剤の水相には、水溶性有機高分子
化合物を配合し、当該水溶性有機高分子として少なくと
も大豆から抽出された多糖類(大豆多糖類)を含有させ
る。この水溶性大豆多糖類は、ラムノース、フコース、
アラビノース、キシロース、ガラクトース、グルコース
及びウロン酸等を構成糖に含有し、その平均分子量は5
〜100万である。このような大豆多糖類は、市場で一
般に入手することができ、市販品として、例えば商品名
ソヤファイブ−S−LN(不二製油(株)社製)があ
る。本発明の版面洗浄剤中の水溶性大豆多糖類の含有量
は、1〜30質量%が適当であり、より好ましくは5〜
20質量%の範囲である。上記大豆多糖類は水あるいは
50℃以下の温水に溶解し、均一な水溶液として使用す
る。 【0010】本発明の版面洗浄剤には、上記の大豆多糖
類以外の水溶性有機高分子化合物を更に含ませてもよ
い。そのような水溶性有機高分子化合物として、例えば
メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、リン酸化
メチルセルロース等のセルロース誘導体、培焼澱粉、α
化澱粉、デキストリン、リン酸化澱粉、ジアルデヒド澱
粉、カルボキシル化澱粉等の澱粉誘導体、アルギン酸及
びその塩、ローカストビーンガム、ストラクタン、プル
ラン等の天然乃至半合成高分子化合物又はその誘導体、
ポリビニルアルコール、リン酸化ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアク
リルアミド、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレン
グリコール、ビニルメチルエーテルと無水マレイン酸共
重合体等の合成高分子化合物等を挙げることができる。
これらは単独で又は2種以上混合して使用してもよい。
更にこれらと共にアラビアゴム、グリュー、ポリアクリ
ル酸誘導体等を併用することもできる。これらの水溶性
有機高分子化合物は、版面洗浄剤中に2〜25質量%程
度、好ましくは4〜20%質量配合するのがよい。 【0011】本発明の版面洗浄剤の水相には、酸を含ま
せることが適当である。そのような酸として、例えばリ
ン酸、硫酸、硝酸等の無機酸、有機リン酸、リン酸系変
性化合物、フィチン酸、有機カルボン酸等の有機酸等を
挙げることができる。このような酸は、本発明の版面洗
浄剤中に0.5〜30質量%程度含ませるのが適当であ
り、好ましくは2〜25質量%の範囲である。 【0012】本発明の版面洗浄剤には、界面活性剤を含
ませて油相と水相との乳化安定及び洗浄促進を図る。使
用する界面活性剤としては、例えばアニオン界面活性
剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤等の1種
又は2種以上が用いられる。アニオン界面活性剤として
は、例えば脂肪酸塩類、アルキル硫酸エステル類、アル
キルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスル
ホン酸塩類、ジアルキルスルホこはく酸エステル塩類、
アルキルリン酸エステル塩類、ナフタレンスルホン酸ホ
ルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エス
テル塩類、ポリオキシエチレンフェニル硫酸エステル塩
類、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩類、
ポリオキシエチレンフェニルリン酸エステル塩類等が挙
げられる。ノニオン界面活性剤としては、例えばポリオ
キシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン脂肪
酸エステル類、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル
類、ポリオキシプロピレンアルキルフェニルエーテル
類、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステル類、ソルビタ
ン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類等の他、
ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレン共重合体を
アルキルエーテル化、アルキルフェニルエーテル化、脂
肪酸エステル化、ソルビタン脂肪酸エステル化した活性
剤等を挙げることができる。またカチオン界面活性剤と
しては、例えばアルキルアミン塩類、第四級アンモニウ
ム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、アル
キルイソキノリウム塩類等が挙げられる。これらの各種
活性剤の中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類及
びジアルキルスルホこはく酸エステル類が好適である。
界面活性剤は、版面洗浄剤中に0.5〜15質量%程
度、好ましくは1〜10質量%程度配合するのがよい。 【0013】本発明の版面洗浄剤には、チキソトロピッ
ク性を有する平均粒径0.01〜20μmの微粉末を含
有させる。そのような微粉末として、例えば微粉末シリ
カやその変成化合物、モンモリロナイトやその誘導体、
ベントナイトやその誘導体、ポリアクリル酸エステルの
ゲル化粉末、不溶性高分子化合物の微粉末等が挙げられ
る。微粉末シリカやその変成化合物を用いる場合には、
平均粒径1〜15μmのものが好ましく、2〜15μm
のものが特に好ましい。またモンモリロナイトやその誘
導体、ベントナイトやその誘導体、ポリアクリル酸エス
テルのゲル化粉末及び不溶性高分子化合物の微粉末を用
いる場合には、平均粒径0.01〜10μmのものが好
ましく、0.05〜7μmのものが特に好ましい。斯か
る微粉末は、インキ等の油性汚れを除去する溶剤やアル
ミ版表面の酸化汚れ、傷汚れ、油性汚れの薄膜を除去す
るためのエッチング性を有する酸等の洗浄作用をより効
果ならしめる作用を有し、更に画像を犯すことなくアル
ミ表面を物理的擦り作用にて、従来の化学的エッチング
による洗浄作用のみでは困難であったしつこい汚れを取
除く作用を有している。これら微粉末の版面洗浄剤中に
おける含有量は、2〜40質量%が適当であり、好まし
くは5〜30質量%である。 【0014】本発明の版面洗浄剤には、上記微粉末と共
に、研磨剤を配合してもよい。研磨剤の併用により、上
記チキソトロピック性を有する微粉末使用による効果を
より一層高めることができる。そのような研磨剤として
は、例えばマイカ、タルク、珪藻土、クレー、珪酸化合
物、不溶性高分子化合物の粉末等を挙げることができ
る。これらの中でもマイカ及び珪藻土が好適である。こ
れら研磨剤の平均粒子径は1〜70μ程度が望ましく、
5〜50μ程度がより望ましい。微粉末は、版面洗浄剤
中に1〜40質量%程度、好ましくは5〜30質量%配
合するのがよい。 【0015】本発明の版面洗浄剤の油相には、さらに親
油性樹脂を含有させることができる。親油性樹脂は、ペ
ーストの安定性の向上と画像部の感脂性の向上(インキ
着肉性の強化)とに寄与するものである。親油性樹脂と
しては、例えばフェノールホルムアルデヒド樹脂、t−
ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂等のノボラック
型フェノール樹脂、フェノールとキシレンをホルムアル
デヒドで縮合させたキシレン樹脂、フェノールとメシチ
レンをホルムアルデヒドで縮合させた樹脂、ポリヒドロ
キシスチレン、ブロム化ポリヒドロキシスチレン、カシ
ュー樹脂、スチレンと無水マレイン酸の共重合体、メラ
ミン樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキ
シ樹脂、ロジンやその誘導体、ギルソナイト等の石油樹
脂等が挙げられる。これら親油性樹脂の中でノボラック
型フェノール樹脂、ロジン及び石油樹脂が好適である。
更にこれら親油性樹脂の代りに、オレイン酸、ラウリン
酸、ノニル酸等の炭素原子数6〜25の有機カルボン酸
を配合してもよい。親油性樹脂は、版面洗浄剤中に1〜
10質量%配合するのが適当であり、好ましくは2〜5
質量%である。 【0016】本発明の版面洗浄剤の水相には、さらに塩
類、湿潤保湿剤、防腐剤等を含有させることができる。
塩類の具体例としては、上記水相に配合される酸のアル
カリ塩がある。アルカリ塩としては、具体的にはNa
塩、K塩、NH3塩、Mg塩、Al塩、Va塩、Ti塩
等が挙げられる。このような塩類の版面洗浄剤中におけ
る配合量は、0.5〜30質量%が適当であり、好まし
くは2〜25質量%である。 【0017】湿潤保湿剤は、版面洗浄剤の水相が乾燥し
難く高粘度にもかかわらず、平版印刷版の非画像部へ適
度に拡がる特性を版面洗浄剤に付与することができる。
湿潤保湿剤としては、例えば多価アルコールが通常用い
られる。多価アルコールとしては、具体的にはエチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、ブチレングリコール、
ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、テトラエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリ
ン、ソルビトール、ペンタエリスリトール等を例示でき
る。これらの中でもエチレングリコール、プロピレング
リール、ブチレングリコール及びグリセリンが特に好適
である。これら湿潤保湿剤は、版面洗浄剤中に3〜40
質量%程度、好ましくは5〜35質量%程度配合するの
がよい。 【0018】防腐剤としては、例えば安息香酸及びその
誘導体、フェノール、クレゾール等のフェノール類及び
その誘導体、ホルマリン及びその誘導体、ジヒドロ酢酸
ナトリウム、ヒドロキシクロルベンゼン及びその誘導体
等の他、沃素化ベンゼン系、チオール系、アミン系の各
種化合物を挙げることができる。これら防腐剤の版面洗
浄剤中における配合量は、0.001〜3質量%程度が
適当である。 【0019】本発明の版面洗浄剤には、通常使用されて
いる着色剤、香料、粘度調整剤、安定剤、酸化防止剤等
を必要に応じて更に添加することができる。 【0020】本発明の版面洗浄剤は、高粘性のペースト
状であり、粘度は1〜100N・s/m2の範囲にあり、
好ましくは3〜50N・s/m2の範囲にある。版面洗浄
剤の粘度は、回転式粘度計 VISCOMETER BL型(TOKMEC I
NC.製)を用いて25℃にて、ロータNo.2で30rpmの条
件からロータNo.4で6rpmの条件の範囲で測定した。 【0021】本発明の版面洗浄剤を製造するに当って
は、特に制限はなく、従来の版面洗浄剤と同様の方法で
製造することができる。例えば30〜60℃に加温溶解
調製した水相に油分を混合し、50〜90℃に加温溶解
した油相を徐々に滴下して分散液を作成し、ホモミキサ
ー、ホモジナイザー等を用いて乳白色乳液化した後、シ
リカ微粉末等を加え、ニーダや羽攪拌、撹拌棒の付帯し
た攪拌機にて混練りすればよい。 【0022】本発明の版面洗浄剤を使用するに当って
は、特に制限がなく、従来の版面洗浄剤と同じように使
用すればよい。例えば地汚れ、インキ着肉不良が発生し
た平版印刷版を平らな台に置くか、又は印刷機に取付け
たまま、版面洗浄剤を充分量、水で洗浄したスポンジ等
で取り、版面の地汚れ、インキ着肉不良発生部分にその
洗浄剤の付いたスポンジで軽く擦る様にしてインキを除
去する。更に非画像部不感脂化処理を同時に行なうこと
もできる。版面を版面洗浄剤で処理した後、余分な洗浄
剤及び使用済洗浄剤を水洗いした綺麗なスポンジ等にて
拭き取ればよく、また、水拭きせずに次ぎの工程に進ん
でもよい。本発明の版面洗浄剤は、ポジ型・ネガ型感光
性平版印刷版、光重合型感光性平版印刷版、並びにネガ
型及びポジ型赤外線感光性平版印刷版のいずれからの製
版においても使用することができる。 【0023】 【発明の効果】本発明の版面洗浄剤によれば、優れた汚
れ除去能力を発揮し、洗浄後の非画像域の親水性が良好
に維持され、且つインキ着肉性が良好で、洗浄剤自体の
乳化経時安定性が良い。 【0024】 【実施例】次に本発明を実施例をもって説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。な
お、「部」および「%」は他に指定がない限り、それぞ
れ質量部及び質量%を示す。 【実施例1】厚さ0.24mmのアルミニウム板をナイ
ロンブラシと400メッシュのパミストン−水懸濁液を
用いその表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。1
0%水酸化ナトリウムに70℃で20秒間浸漬してエッ
チングした後、流水で水洗し、次いで20%HNO3
中和洗浄、水洗した。これをVA=12.7Vの条件下
で正弦波の交番波形電流を用いて0.7%硝酸水溶液中
で400クーロン/dm 2の電気量で電解粗面化処理を
行った。この基板を10%水酸化ナトリウム水溶液中で
表面のアルミニウムの溶解量が0.9g/m2になるよ
うに処理した。水洗後、20%硝酸溶液中で中和、洗浄
してスマットを除いた後、18%H2SO4水溶液中で、
酸化皮膜量が3g/m2になるように陽極酸化した。か
くして製作した支持体上に、下記組成の下塗液イを乾燥
後の重量にして10mg/m2となるように塗布して9
0℃で1分間乾燥し、下塗層を設けた。 【0025】下塗液イ トリエタノールアミン・塩酸塩 0.5 g メタノール 95 g 水 5 g 【0026】続いて、下記組成の感光液を調製し、上記
基板上に乾燥後の重量にして1.8g/m2となるよう
に感光層を設けた。 感光液 m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂 (3核体以上の成分の含有量86.5重量%、分子量4,800) 1.9g 1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホニルクロリドと ピロガロール−アセトン樹脂とのエステル化物 (分子量2,500) 0.76g テトラヒドロ無水フタル酸 0.2g 4−〔p−N−(p−ヒドロキシベンゾイル)アミノフェニル〕 −2,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン 0.02g ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷化学工業(株)製) 0.03g メガファック F−177 (大日本インキ化学工業(株)製フッ素系界面活性剤) 0.006g メチルエチルケトン 15g プロピレングリコールモノメチルエーテル 15g 【0027】この感光層の表面に下記の様にしてマット
層形成用樹脂液を吹き付けてマット層を設け、PS版A
を得た。マット層形成用樹脂液としてメチルメタクリレ
ート/エチルアクリレート/アクリル酸(仕込重量比
65:20:15)共重合体の一部をナトリウム塩とし
た12%水溶液を準備し、回転霧化静電塗装機で霧化頭
回転数25,000rpm、樹脂液の送液量は40ml
/分、霧化頭への印加電圧は−90kv、塗布時の周囲
温度は25℃、相対湿度は50%とし、塗布後2.5秒
で塗布面に蒸気を吹き付けて湿潤させ、ついで湿潤した
3秒後に温度60℃、湿度10%の温風を5秒間吹き付
けて乾燥させた。マットの高さは約6μm、大きさは約
30μm、個数は150個/mm2であった。このよう
にして得られたPS版Aを650mm×550mmの大
きさにし、これらに原稿フィルムを通して1mの距離か
ら3kwのメタルハライドランプを用いて、60秒間露
光した。次に浸漬型現像槽を有する市販の自動現像機P
S−900NP(富士写真フイルム(株)製)の現像槽
に、下記現像液a(pH約13.0)を20リットル仕
込み、30℃に保温した。PS−900Dの第二浴目に
は水道水を8リットル、第三浴目にはFP−2(富士写
真フイルム(株)製):水=1:1希釈したフィニッシン
グ液を8リットル仕込んだ。 【0028】 現像液 a D−ソルビトール・カリウム塩 4.6 % クエン酸カリウム 1.7 % エチレンジアミン・ペンタ(メチレンホスホン酸)の7ナトリウム塩 0.01 % 純水 93.7 % この自動現像機を用いて、先の露光済み平版印刷版原版
を処理して、平版印刷版1を得た。また、第三浴目には
水を仕込んで、版面保護処理をしない印刷版も作成し
た。次いで、下記の版面洗浄剤を準備し、上記の平版印
刷版1を3分割し表1に示す条件で版を処理し、汚れ除
去能力についてテストを実施した。 【0029】版面洗浄剤1 純水345質量部に燐酸30質量部、燐酸二アンモン4
0質量部及びクエン酸30質量部を攪拌溶解した。更に
水可溶性大豆多糖類(不二製油(株)製ソヤファイブS
−LN)50質量部を加えて攪拌溶解した。その後湿潤
剤としてグリセリン45質量部及び1,2−ブチレング
リコール45質量部を加えて、水相を準備した。一方乳
酸2−エチルヘキシル60質量部、脂肪族炭化水素溶剤
エクゾールD−80(エクソン化学(株)製)192質
量部、乳化剤としてペレックスOT−P(花王(株)ジ
アルキルスルホン酸塩)20質量部、ネオペレックスF
−60(花王(株)ドデシルベンゼンスルホン酸塩)1
0質量部、エマルゲン105(花王(株)ポリオキシエ
チレンラウリルエーテル)5質量部を溶解した油相を調
製した。 【0030】上記の水相を35〜40℃に加温、この水
相にゆっくりと油相を滴下し分散液を作成し、ホモジナ
イザーを通して、乳白色の乳化溶液を得た。更に、攪拌
しながら、珪藻土(Celite、Manville
Sales corp社製)200質量部及びトクシー
ル(合成非晶質シリカ、平均粒径7μ、徳山曹達(株)
製)80質量部を加えて、純水で1000mlに補正して
8N・s/m2の粘度を有する乳化型の版面洗浄剤1を作
成した。 【0031】 【表1】 【0032】このように作成した版をハイデルベルグS
OR−M型印刷機上で、先に調製した版面洗浄剤1で約
30秒間処理したのち、水で拭き取り印刷した。印刷ス
タート後、7〜10枚で完全にインキが着肉した正常な
印刷物が得られた。そして3万枚印刷しても一度も汚れ
を発生することはなかった。印刷物上の画像部の網点を
観察したが、通常印刷版Cの洗浄剤処理しない網点と比
較しても網点の大きさ、摩耗の度合いの違いは見られな
かった。なお、通常処理印刷版Cと比較して、インキ付
着汚れなどすべてに正常な印刷物が得られた。また、上
記版面洗浄剤を処理後、水拭きした場合と、水拭きせず
にそのまま吸水ロールをタッチさせた場合とでは、印刷
開始から正常印刷物を得るのにほとんど差を見出すこと
ができず、8〜10枚で完全にインキが着肉した印刷物
が得られた。さらに、容器に入れた版面洗浄剤1を45
℃の高温環境下に1ヶ月放置した後、外観を観察したと
ころ、乳化の分離もなく、良好であった。 【0033】比較例1 実施例1の版面洗浄剤1で水可溶性大豆多糖類の代わり
にアラビアガムを用いた版面洗浄剤2を用いた他は、全
て実施例1と同様にして印刷評価を行った。実施例1と
同様に印刷スタート後、7〜10枚で完全にインキが着
肉した正常な印刷物が得られたが、印刷版BとDで約2
万枚印刷したところで印刷物に地汚れが生じ、印刷版A
ではも約2万枚目くらいから付けた傷状に傷汚れが発生
した。さらに、この版面洗浄剤2を45℃の環境下に放
置したところ、2週間を経たころから層分離が観察さ
れ、1ヶ月後にはやや透明な上層と白濁した下層に分離
してしまった。 【0034】比較例2 実施例1において、珪藻土(Celite、Manvi
lle Salescorp社製)及びトクシール(合
成非晶質シリカ、平均粒径7μ、徳山曹達(株)製)の
代わりに、AEROSIL380(超微粒子状無水シリ
カ、平均粒径0.007μ、日本アエロジル(株)製)
280質量部を用いた他は全て実施例1と同様にして、
8N・s/m2の粘度の版面洗浄剤3を調製した。この洗
浄剤3を用いた他は全て実施例1と同様にして印刷評価
を行った。実施例1と同様に印刷スタート後、7〜10
枚で完全にインキが着肉した正常な印刷物が得られた
が、印刷版BとDで約2万枚印刷したところで印刷物に
地汚れが生じ、印刷版Aでも約2万枚目くらいから付け
た傷状に傷汚れが発生した。印刷機を止めて、実施例1
の洗浄剤1をスポンジに付けて地汚れや傷汚れが発生し
た部分を往復3回擦ったところ、インキが容易にとれた
が、比較例2の洗浄剤3では、同様の操作でスポンジが
版面上を滑り易くてインキが洗浄しきれず、更に5回の
擦りを必要とした。この洗浄処理を行った後、印刷を再
開したところ、洗浄剤3で処理した部分はおよそ1万枚
印刷したところで印刷物に地汚れや傷汚れが再発したの
に対して、洗浄剤1で処理した部分は2万枚の印刷でも
これらの汚れが生じなかった。 【0035】比較例3 実施例1において、珪藻土(Celite、Manvi
lle Salescorp社製)及びトクシール(合
成非晶質シリカ、平均粒径7μ、徳山曹達(株)製)の
代わりに、平均粒子径が28μの合成多孔質シリカ28
0質量部を用いた他は全て実施例1と同様にして、8N
・s/m2の粘度の版面洗浄剤4を調製した。このペース
ト状洗浄剤4と実施例の洗浄剤1を45℃で一週間強制
経時テストしたところ、洗浄剤1は外観上の変化は見ら
れなかったが、洗浄剤4では表面に有機溶剤成分が分離
していた。 【0036】比較例4 実施例1において珪藻土(Celite、Manvil
le Sales corp社製)を20質量部及びト
クシール(合成非晶質シリカ、平均粒径7μ、徳山曹達
(株)製)10質量部に減らして、粘度を0.5N・s
/m2に調整した洗浄剤5を作成した。この液をスポンジ
にとって版面を処理しようとしたが、スポンジに吸収さ
れてしまい、版面のインキをこすり取り難かった。 【0037】比較例5 実施例1において珪藻土(Celite、Manvil
le Sales corp社製)を300質量部及び
トクシール(合成非晶質シリカ、平均粒径7μ、徳山曹
達(株)製)150質量部に増やして、粘度を115N
・s/m2に調整した洗浄剤6を作成した。この液をスポ
ンジにとって版面を処理しようとしたが、硬くてスポン
ジで取り難かった。更に、版面上で、洗浄剤を付けたス
ポンジが滑りにくく、その結果、洗浄処理ムラとなり、
その部分で印刷物に地汚れを生じた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H114 AA04 AA21 DA22 DA75 DA79 EA02 EA04 EA08 FA06 GA27 GA37 4H003 AA01 AB13 AB19 AC08 DA12 DB03 EA08 EB04 EB05 EB08 EB09 EB46 ED01 FA05 FA30 FA37

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 有機溶剤を含有する油相と、大豆多糖類
    を含有し平均粒径0.01〜20μmの微粉末が分散さ
    れた水相とが界面活性剤で乳化分散され、粘度が1〜1
    00N・s/m2であることを特徴とする平版印刷版用版
    面洗浄剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008080635A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Fujifilm Corp 平版印刷版用版面洗浄剤
JP2008188876A (ja) * 2007-02-05 2008-08-21 Fujifilm Corp 平版印刷版の版面処理方法
KR101976790B1 (ko) * 2018-04-11 2019-05-09 대진금속인쇄 주식회사 잉크 세척용 세정제 및 이의 제조방법

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