JP2003103276A - 下水の処理方法 - Google Patents
下水の処理方法Info
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Abstract
場の汚泥に添加することにより、添加する地点において
硫化水素を酸化して除去するとともに、下水または汚泥
中の硫酸還元菌の活性を抑制して、次亜塩素酸ナトリウ
ムを添加した地点から下流においてもその効果を持続す
る。
Description
路および下水処理設備における下水の処理方法に関す
る。
および下水処理設備から送られる汚泥の処理設備では、
これらを構成するコンクリート設備や鉄やステンレスな
ど金属配管、装置類の腐食が問題となってきている。
硫酸イオンが嫌気性条件下で硫酸還元菌によって硫化水
素となった後に気相部に放出され、この硫化水素がイオ
ウ酸化細菌よって酸化されて高濃度の硫酸となり、コン
クリート表面や金属を侵食するものと報告されている。
コンクリート表面や金属の侵食が下水処理設備や構造物
の寿命を大幅に短縮される原因にもなっている。
送管内や伏越管内、下水処理設備における沈殿槽、汚泥
圧送配管などは嫌気性状態になりやすく、硫化水素の発
生が顕著であり、その周辺または下流の施設におけるコ
ンクリート構造物の腐食が特に深刻である。
水道構造物に対するコンクリート腐食抑制技術及び防食
技術の評価に関する報告書(平成13年3月21日、日
本下水道事業団)」に詳細が記載されている。すなわ
ち、硝酸カルシウムなどの硝酸塩注入や管構造変更によ
る嫌気性化防止、ポリ硫酸第二鉄などの鉄塩注入による
硫化物の固定化、合流部の撹乱防止や段差落差を解消す
ることによる硫化水素の放散抑制などの技術が示されて
いる。
キノン類、ナフトキノン類等の硫酸還元菌の活動を抑制
する薬剤や、過酸化水素水、過マンガン酸カリウムなど
硫化水素を酸化分解する薬剤を注入する方法も示されて
いる。
硫化水素を直接的に除去する方法ではなく、注入点より
上流ですでに発生している硫化水素に対しては有効では
ないうえ、硫化水素を抑制するまでにかなりの時間を要
する。また、鉄塩による硫化物の固定においては、硫化
物との反応性が遅い、黒色の沈殿物を生じるなどの問題
が生じる。さらに、下水道管構造の変更による嫌気性雰
囲気防止や硫化水素の放散防止では、既存設備の大幅な
改良を伴い、また設備面や構造面での制約が大きくなる
うえ、直接的に硫酸還元菌の抑制や硫化水素の分解を行
うものではないため、抜本的な対策とならない。
化水素の分解速度が早いため即効性があるが、硫酸還元
菌の活性を下げることはできず、また持続性に乏しいた
めにコストの面で問題がある。また過マンガン酸カリウ
ムの場合は、下水への重金属負荷が高く環境影響への懸
念がある。アントラキノン類、アントラヒドロキノン
類、ナフトキノン類は酸化力が弱いため即効性に乏し
く、他の薬剤と比較して効果が発現するまでに数時間か
ら数日を要するなど硫化水素の抑制効果が低いという問
題がある。
背景の下に安価で効果的な下水の処理方法を提供するこ
とを課題とする。
題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、次亜塩素酸ナ
トリウムを下水や下水処理場の汚泥に添加することによ
り、添加する地点において硫化水素を酸化して除去する
とともに、下水または汚泥中の硫酸還元菌の活性を抑制
して、次亜塩素酸ナトリウムを添加した地点から下流に
おいてもその効果を持続することができることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。本発明は以下の(1)
〜(6)に示される下水の処理方法に関する。
ウムを添加し、次亜塩素酸ナトリウムを注入した地点お
よび該地点から下流において下水または汚泥に含まれる
硫化水素を酸化して除去し、かつ下水または汚泥中の硫
酸還元菌の活性を抑制することを特徴とする下水処理方
法。 (2)下水または汚泥から下水配管中の気相部に発生す
る硫化水素を抑制し、下水管、下水処理場および汚泥処
理設備のコンクリートおよび金属構造物の腐食を防止す
る上記(1)に記載の下水処理方法。 (3)下水に次亜塩素酸ナトリウムを添加する地点が、
下水道管内、中継ポンプ場および/または下水道処理設
備内であるに上記(1)または(2)に記載の下水処理
方法。 (4)下水に対する次亜塩素酸ナトリウムの添加量が1
0〜300質量ppmである上記(1)〜(3)のいず
れかに記載の下水処理方法。 (5)汚泥に次亜塩素酸ナトリウムを添加する地点が、
下水処理設備に流入した下水中の固形分を沈降させる初
沈槽から引き抜かれた汚泥の貯槽、汚泥圧送用ポンプ、
汚泥圧送用配管内および/または汚泥処理設備における
汚泥流入口である上記(1)または(2)に記載の下水
処理方法。 (6)汚泥に対する次亜塩素酸ナトリウムの添加量が1
00〜3000質量ppmである上記(5)に記載の下
水処理方法。
する。本発明の下水処理方法は、下水または汚泥に次亜
塩素酸ナトリウムを添加し、次亜塩素酸ナトリウムを注
入した地点および該地点から下流において下水または汚
泥に含まれる硫化水素を酸化して除去し、かつ下水また
は汚泥中の硫酸還元菌の活性を抑制することを特徴とす
る。
り、下水または汚泥から下水配管中の気相部に発生する
硫化水素を抑制し、下水管、下水処理場および汚泥処理
設備のコンクリートおよび金属構造物の腐食を防止する
ことができる。
コンクリート下水配管や圧送配管を流下する下水および
下水処理設備内に流入した下水を対象とする。また、汚
泥とは下水処理設備内で沈降分離され、さらに下水処理
設備から汚泥圧送配管を通して汚泥処理設備へ送られる
汚泥をさす。
化水素を抑制する場合、下水に対する次亜塩素酸ナトリ
ウムを添加する場所は、例えば、中継ポンプ場に次亜塩
素酸ナトリウムの貯槽を設け、定量ポンプにて下水槽内
に添加する方法を用いることができる。次亜塩素酸ナト
リウムは、瞬間的に硫化水素を酸化するだけでなく、硫
酸還元菌の活性を低下する働きを示す。そのため、添加
地点がコンクリートや金属構造物の腐食を生じる場所よ
り上流であれば、その距離が離れていても、添加する次
亜塩素酸ナトリウム量を調整することにより、硫化水素
の抑制効果を持続させることができ、結果として腐食を
抑制することが可能となる。その際、硫化水素の抑制効
果は下水流量、汚泥濃度、気温などの影響を受け、次亜
塩素酸ナトリウムの量が不足すると抑制効果が低くなる
ことがある。一方、過剰に添加した場合は、次亜塩素酸
ナトリウムが残存し下水に対する影響を与える場合があ
る。硫化水素の発生量を効果的に抑制するためには、次
亜塩素酸ナトリウムの添加量は下水に対して10〜30
0質量ppmが好ましい。
も、前述と同様に汚泥流量、汚泥濃度、気温の影響を受
け、次亜塩素酸ナトリウム量が不足すると抑制効果が低
くなることがあるため、次亜塩素酸ナトリウムを汚泥に
対して100〜3000質量ppmの範囲で添加するこ
とが好ましい。さらに、汚泥の圧送は間欠的に送泥する
場合がある。圧送配管内は嫌気性雰囲気のため、流下下
水配管よりも硫化水素の発生量は多く、汚泥圧送配管内
で滞留する時間が長いほど発生量が多くなる。この場合
にも、例えば下水処理場の初沈引き抜き汚泥の貯層や、
汚泥圧送ポンプの吸込部に次亜塩素酸ナトリウムを添加
する方法をとることができる。汚泥量に対して次亜塩素
酸ナトリウム量を調整すれば、添加直後だけでなく、添
加後も長時間にわたって硫化水素の発生を抑制すること
ができる。これは、間欠送泥時の汚泥貯槽と送泥配管の
滞留時間に対して充分長いため、結果的に、送泥配管中
や送泥された汚泥処理施設側での硫化水素によるコンク
リートや金属構造物の腐食を抑制することが可能とな
る。
明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるも
のではない。
初沈引き抜き汚泥を1リットル採り、これに次亜塩素酸
ナトリウムを添加して28℃の恒温槽に保存し、一定時
間ごとに溶存硫化水素濃度を測定した。添加した次亜塩
素酸ナトリウムの濃度を表1に示した。また、溶存硫化
水素濃度を測定した結果を表2に示した。
しない以外は、実施例1と同様に実験し、一定時間ごと
に溶存硫化水素濃度を測定した結果を表2および図1に
示した。
入手した下水を1リットル採り、これに次亜塩素酸ナト
リウムを添加して28℃の恒温槽に保存し、一定時間ご
とに溶存硫化水素濃度を測定した。添加した次亜塩素酸
ナトリウムの濃度を表3に示した。また、溶存硫化水素
濃度を測定した結果を表4に示した。
しない以外は、実施例と同様に実験し、一定時間ごとに
溶存硫化水素濃度を測定した結果を表4に示した。
の添加直後に硫化水素の濃度が低下し、その後硫化水素
の発生が長時間にわたり抑制されていることがわかる。
一方、実施例1〜4、5〜8および比較例1、2におい
て実験開始直後の汚泥中の硫酸還元菌数を、硫酸還元菌
測定キット(SANI CHECK SRB、BIOS
AN LABORATORIES社製)を用いて測定し
たところ、変化が見られなかった。すなわち、次亜塩素
酸ナトリウムを注入した直後に酸化作用で硫化水素が低
減され、その後の硫酸還元菌の活動を抑制することによ
り、硫化水素の発生が抑制されていることが実験的に確
認された。また、本発明の方法は下水道管や下水処理施
設に流入する下水、または汚泥においても十分効果が得
られると考えられる。
次亜塩素酸ナトリウムを添加することにより、添加地点
での硫化水素の除去のみでなく添加地点より下流におい
ても硫化水素の発生を抑制することが可能となる。下水
や汚泥中に溶存する硫化水素を除去し発生を抑制すれ
ば、気相部に発生する硫化水素も減少する。これによっ
て、下水管、下水処理設備または汚泥処理設備を構成す
る、コンクリートや金属構造物の腐食を、従来より安価
な方法で抑制することができる。
溶存硫化水素濃度の経時変化を示したグラフである。
存硫化水素濃度の経時変化を示したグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 下水または汚泥に次亜塩素酸ナトリウム
を添加し、次亜塩素酸ナトリウムを注入した地点および
該地点から下流において下水または汚泥に含まれる硫化
水素を酸化して除去し、かつ下水または汚泥中の硫酸還
元菌の活性を抑制することを特徴とする下水処理方法。 - 【請求項2】 下水または汚泥から下水配管中の気相部
に発生する硫化水素を抑制し、下水管、下水処理場およ
び汚泥処理設備のコンクリートおよび金属構造物の腐食
を防止する請求項1に記載の下水処理方法。 - 【請求項3】 下水に次亜塩素酸ナトリウムを添加する
地点が、下水道管内、中継ポンプ場および/または下水
道処理設備内であるに請求項1または2に記載の下水処
理方法。 - 【請求項4】 下水に対する次亜塩素酸ナトリウムの添
加量が10〜300質量ppmである請求項1〜3のい
ずれかに記載の下水処理方法。 - 【請求項5】 汚泥に次亜塩素酸ナトリウムを添加する
地点が、下水処理設備に流入した下水中の固形分を沈降
させる初沈槽から引き抜かれた汚泥の貯槽、汚泥圧送用
ポンプ、汚泥圧送用配管内および/または汚泥処理設備
における汚泥流入口である請求項1または2に記載の下
水処理方法。 - 【請求項6】 汚泥に対する次亜塩素酸ナトリウムの添
加量が100〜3000質量ppmである請求項5に記
載の下水処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001300899A JP2003103276A (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 下水の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001300899A JP2003103276A (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 下水の処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003103276A true JP2003103276A (ja) | 2003-04-08 |
Family
ID=19121395
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001300899A Pending JP2003103276A (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 下水の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003103276A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114804555A (zh) * | 2022-04-15 | 2022-07-29 | 中国地质大学(武汉) | 强化氯消毒杀灭污泥中病原微生物与毒副产物的控制方法 |
-
2001
- 2001-09-28 JP JP2001300899A patent/JP2003103276A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114804555A (zh) * | 2022-04-15 | 2022-07-29 | 中国地质大学(武汉) | 强化氯消毒杀灭污泥中病原微生物与毒副产物的控制方法 |
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