JP2003102470A - 舌上皮前駆細胞の単離培養方法およびその分化誘導方法 - Google Patents
舌上皮前駆細胞の単離培養方法およびその分化誘導方法Info
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Abstract
する方法並びに単離した該細胞を培養して長期生存細胞
を得る方法を提供すると共に、該細胞を上皮細胞様もし
くは神経細胞様に分化誘導する方法を提供すること。 【解決手段】 舌上皮細胞よりインテグリンβ1を発現
する細胞を、磁気カラムを用いて選抜することを特徴と
する舌上皮前駆細胞の単離方法並びに該方法によって単
離した舌上皮前駆細胞を培養して得た培養上清の存在下
に、味細胞前駆細胞を含む舌上皮前駆細胞を培養するこ
とを特徴とする味細胞前駆細胞の増殖方法、さらにはこ
の細胞を分化誘導因子を添加した培地で培養して上皮細
胞様もしくは神経細胞様へ分化させる方法。
Description
単離方法およびその分化誘導方法に関し、詳しくは舌上
皮細胞より舌上皮前駆細胞を単離と培養する方法並びに
該前駆細胞を上皮様細胞または神経様細胞に分化誘導す
る方法に関する。
面を覆っている組織であり、様々な種類の細胞の存在が
知られており、例えば皮膚の表皮、腸の粘膜上皮や腹膜
の上皮等がある。このうち、皮膚や小腸等の上皮につい
ては、該上皮前駆細胞や長期生存細胞を単離し、さらに
培養したことが報告されている(Kunimura C. ら、Onco
gene (1998) 17, 187-197)。一方、表皮や上皮組織で
は、低親和性神経成長因子受容体やインテグリンβ4が
特異的に発現している長期生存細胞が発見され、これら
を指標として長期生存細胞を単離する方法が提案されて
いる(特開2000−4900号公報)。
胞の培養方法についての報告があるが、僅か3日程度し
か味細胞様の形態を維持できないことが知られている
(AnnNY Acad. Sci. 1998, Nov. 30; 855: 1-13)。ま
た、胎児舌の器官培養においても、7日間程度しか舌の
形状を保つことができず、培養は非常に困難であること
が知られている。舌上皮前駆細胞については、単離して
培養したという報告は全くなく、長期生存細胞も同定さ
れていない。
は、長期生存細胞やインテグリンβ1を発現する上皮前
駆細胞を培養することは困難であった。その理由は、舌
上皮の上皮前駆細胞の細胞数が少なく、同定が困難であ
ったこと、舌上皮を筋肉層から効率よく剥離し、その後
舌上皮から舌上皮前駆細胞を効率よく単離することが難
しいこと、さらに該前駆細胞を舌の上皮細胞および味細
胞へ分化させる方法とそのことを確認する方法が確立さ
れていないからであった。本発明の目的は、第1に舌上
皮細胞から該前駆細胞を単離・培養する方法を確立する
ことであり、第2に該前駆細胞を上皮様細胞または神経
様細胞に分化誘導する方法を確立することである。
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、インテグリンβ
1を発現する舌上皮前駆細胞を効率良く単離する方法を
確立することに成功した。さらに、該舌上皮前駆細胞を
培養するにあたり、舌上皮前駆細胞の培養上清を存在さ
せると、味細胞の前駆細胞が多く含まれる部位からの舌
上皮前駆細胞を増殖させることができ、この培養物から
該味細胞前駆細胞を取得できることを見出した。このよ
うにして得られた味細胞前駆細胞を含む舌上皮前駆細胞
を、分化誘導因子加えた培地で培養すると、舌上皮に存
在する上皮様細胞もしくは味細胞を含む神経様細胞に分
化誘導させることができることも判明した。本発明は、
これらの知見に基づいて完成されたものである。
インテグリンβ1を発現する細胞を、磁気カラムを用い
て選抜することを特徴とする舌上皮前駆細胞の単離方法
である。請求項2記載の本発明は、請求項1記載の方法
によって単離した舌上皮前駆細胞を培養して得られた培
養上清の存在下に、味細胞前駆細胞を含む舌上皮前駆細
胞を培養することを特徴とする味細胞前駆細胞を含む舌
上皮前駆細胞の増殖方法である。請求項3記載の本発明
は、請求項2記載の方法により取得した味細胞前駆細胞
を含む舌上皮前駆細胞を、分化誘導因子としてカルシウ
ムを加えた培地で培養し、上皮様細胞に分化させること
を特徴とする分化誘導方法である。請求項4記載の本発
明は、請求項2記載の方法により取得した味細胞前駆細
胞を含む舌上皮前駆細胞を、分化誘導因子としてレチノ
イン酸を加えた培地で培養し、神経様細胞に分化させる
ことを特徴とする分化誘導方法である。
たように、舌上皮細胞よりインテグリンβ1を発現する
細胞を、磁気カラムを用いて選抜することによって、舌
上皮前駆細胞を単離する方法である。本発明の方法を適
用することができる舌上皮細胞には特に制限がなく、例
えばマウス、ラット、ブタ、ヒトをはじめとするあらゆ
る哺乳動物由来の細胞が挙げられる。本発明に用いる舌
上皮細胞としては、幹細胞およびtransit amplifying細
胞を含むものが好ましい。これらの細胞を維持するため
の条件を採用することによって、舌上皮前駆細胞の培養
系樹立が可能となる。
ス舌上皮前駆細胞の場合を例として詳しく説明する。ま
ず、マウスから舌を採取し、該舌から舌上皮細胞シート
を調製する。本発明の方法においては、舌上皮細胞シー
ト全体または有郭乳頭付近等の特定の部分を用いること
もできる。調製した舌上皮細胞シートから、上皮前駆細
胞集団を分離するために、プロテアーゼを上皮直下に注
射器で注入し、30〜40℃、好ましくは37℃で15
〜45分間、好ましくは30分間程反応させることによ
って、筋肉に富んだ層から上皮層を分離させる。
常の組織培養に用いられるものであれば特に制限はない
が、コラゲナーゼ、トリプシン、エラスターゼ等が好ま
しいものであり、これらの中から1種もしくは2種以上
を適宜選択して用いることができる。中でも、基底膜に
存在するコラーゲンタイプIVを分解するコラゲナーゼで
あるコラゲナーゼIV(フナコシ社製)およびエラスチン
を分解するエラスターゼ(フナコシ社製)を組み合わせ
ることが好ましい。プロテアーゼの使用量は、5〜30
units(2〜4mg)、好ましくは8〜10uni
ts(2〜3mg)である。なお、プロテアーゼとし
て、コラゲナーゼIVおよびエラスターゼを用いた場合の
使用量の1例を示すと、コラゲナーゼIVは10unit
s(2.5mg)、エラスターゼは8units(2m
g)である。
た舌上皮層がよりピンセット等の器具を用いて上皮をシ
ート状に剥がし、メス刃で細かく裁断する。上皮を裁断
後、細胞を分散させるために、再度プロテアーゼ処理を
する。このプロテーゼ処理は、プロテアーゼの溶解した
酵素液に裁断した上皮細胞を浸漬し、35〜40℃、好
ましくは37℃で10〜20分間、好ましくは15分間
反応させることによって、細胞塊を1個ずつの細胞に分
散させる。このとき用いるプロテアーゼとしては、通常
の組織培養に用いられるものであれば特に制限はない
が、好適にはディスパーゼ等を用いることができる。デ
ィスパーゼの使用量は、900〜1050units
(3.0〜3.5mg)、好ましくは1000unit
s(3.3mg)である。
細胞を回収する。回収の方法は、常法によればよく、例
えばピペッティングをして70μm幅のセルストレイナ
ーによって回収する。このようにして回収した舌上皮細
胞は、氷冷したPBS(−)で数回、通常は3回リンス
し、0.5〜2.0×106 cells/ml、好まし
くは1.0×106 cells/mlになるようにPB
S(−)に懸濁する。この懸濁液に、1〜5μg/m
l、好ましくは4μg/mlの濃度となるように一次抗
体であるビオチン標識抗インテグリンβ1抗体を加え、
一定の振盪を与えながら舌上皮細胞と抗体とを2〜10
℃、好ましくは4℃で20〜40分間、好ましくは30
分間反応させる。
PBS(−)で数回、通常は3回洗浄し、これを再度P
BS(−)に懸濁し、舌上皮前駆細胞を含む舌上皮細胞
懸濁液を得ることができる。該懸濁液に、磁気ビーズ1
0〜20μl、好ましくは20μlを加え、6〜12
℃、好ましくは10℃で10〜20分間、好ましくは1
5分間反応させる。このとき用いる磁気ビーズは、抗体
等を考慮して適宜選択することができるが、選択に要す
る時間の短縮のため、ストレプトアビジン−マイクロビ
ーズ(Miltenyi社製)が好ましいものである。
反応終了後、磁気ビーズの結合した舌上皮前駆細胞をP
BS(−)で数回、通常は3回洗浄した後、磁気細胞分
離システム、すなわちバリオMacs磁気装置(Mil
tenyi社製)にRS+カラム(Miltenyi社
製)を装着したものに、該細胞をロードする。該細胞を
ロードしたカラムをPBS(−)で数回、通常は3回洗
浄した後、カラムを磁気装置から離し、抗体でトラップ
された舌上皮前駆細胞をPBS(−)で溶出する。この
とき用いるPBS(−)の量は1〜1.5ml、好まし
くは1mlが適当である。この溶出液には、インテグリ
ンβ1陽性細胞集団である舌上皮前駆細胞のみが含まれ
ていることになる。
細胞を培養する方法について説明する。まず、単離した
舌上皮前駆細胞を2〜10×104 個、好ましくは5×
104個となるように調製し、これを下記の組成を有す
る培地(MCDB基本培地)20〜100μl、好まし
くは50μlに懸濁する。このとき用いる培地のカルシ
ウム濃度は3.0〜7.0mg/mlが適当で、5.0
mg/mlが好ましい。その懸濁液をドロップレットと
して、直径3cm程度の培養皿の上に設置し、炭酸ガス
インキュベーター内で15〜180分間、好ましくは3
0分間の培養を行う。次いで、舌上皮前駆細胞の前培養
液に、さらに下記の組成を有する培地(MCDB基本培
地)1〜3ml、好ましくは2mlを加え、35〜38
℃、好ましくは37℃で1〜3週間、好ましくは2週間
の培養を行う。
胞を含む舌上皮前駆細胞を、適当な分化誘導因子を添加
した培地にて培養することによって、上皮様細胞あるい
は神経様細胞に分化誘導することができる。上記の舌上
皮前駆細胞を上皮様細胞に分化させる場合には、分化誘
導因子としてカルシウムを培地に添加する。すなわち、
上記の培地に、分化誘導因子としてカルシウムを0.1
〜2.0mM、好ましくは1mMを添加し、さらに2〜
5日間、好ましくは3日間培養を続けることにより、上
皮様細胞に分化誘導させることができる。なお、カルシ
ウムの添加濃度が上限を超えた場合は、細胞死を誘導す
るため好ましくない。また、下限に満たない場合は、上
皮様細胞に分化できないため好ましくない。上皮様細胞
に分化させる場合に用いることができる培地の組成を、
以下に示す。
との確認については、常法によって行うことができる
が、下記にその1例を示す。すわちち、0.1%トライ
トンX−100等の界面活性剤と4%パラホルムアルデ
ヒドを含むPBS(−)で分化させた細胞を固定後、抗
β−カテニン抗体と抗E−カドヘリン抗体等の抗体を用
いて免疫染色することによって確認することができる。
β−カテニンは、細胞間の接着分子であるカドヘリンの
細胞内領域に結合するタンパク質である。E−カドヘリ
ンは、上皮細胞等に存在するカドヘリン・スーパーファ
ミリーに属する細胞接着因子であり、カルシウム依存的
にE−カドヘリン同士が結合することが知られている。
これらは、共に上皮細胞のマーカーとして用いられてい
るタンパク質である。
胞に分化させる場合には、培地に分化誘導因子としてレ
チノイン酸を添加する。すなわち、前記した培地に、分
化誘導因子としてレチノイン酸を1〜5μM、好ましく
は2μMを添加して3日間培養し、さらにレチノイン酸
のみを抜いて3〜14日間、好ましくは5〜10日間培
養を続けることにより、神経様細胞に分化させることが
できる。レチノイン酸の添加濃度が上限を超えた場合
は、細胞死を誘導するため好ましくない。また、下限に
満たない場合は、分化が十分に行われないため好ましく
ない。さらに、舌上皮前駆細胞を単離する際に、舌上皮
細胞シートのうち味細胞前駆細胞が多く含まれている有
郭乳頭付近等の特定の部分を用いた場合には、味細胞等
に分化させることができる。神経様細胞に分化させる場
合に用いることができる培地の組成を、以下に示す。
皮様細胞の場合と同様に、常法によって行うことができ
る。以下に、その1例を示す。すなわち、培養後に0.
1%トライトンX−100等の界面活性剤及び4%パラ
ホルムアルデヒドを含むPBS(−)で細胞を固定後、
抗神経中間系フィラメント抗体と抗脳特異的L型カルシ
ウムチャンネル抗体等の抗体を用いて免疫染色すること
によって確認することができる。なお、神経中間系フィ
ラメントおよび脳特異的L型カルシウムチャンネルは、
共に神経細胞のマーカーとして用いられているタンパク
質である。
離方法および単離した上皮前駆細胞の培養方法の1例の
フローチャートを示したものである。すなわち、コラゲ
ナーゼIV(フナコシ社製)とエラスターゼ(フナコシ社
製)による処理を行って舌より剥がした舌上皮シート
を、さらに細かく裁断してから、ディスパーゼ処理によ
り細胞を1個ずつに分散させる。ここに、ビオチン標識
した抗インテグリンβ1抗体とストレプトアビジン磁気
ビーズを添加して、インテグリンβ1を発現する細胞を
磁場により選択して、培養を行う。この培養細胞は、培
養液中にカルシウムを加えると、上皮様に分化し、レチ
ノイン酸を加えると、神経様に分化した。
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1(抗インテグリンβ1抗体による舌上皮前駆細
胞の検出) 舌上皮前駆細胞の検出は、マウスから採取した舌から摘
出した有郭乳頭付近の組織を、抗インテグリンβ1抗体
(ベクトンディッキンソン社製)を用いて免疫染色する
ことによって行った。誕生4日後のマウスから舌を摘出
し、この舌から有郭乳頭付近をメス刃で切除した後、直
ちに凍結切片作製用の試薬であるO.C.T.コンパウ
ンド(サクラ精器製)0.5ml中で急速凍結した。こ
の後、クライオセクションCM1850(ライカ社製)
を用いて10μmの凍結切片を作製した。
を、0.1%トライトンX−100(半井社製)と4%
ホルムアルデヒドを含むPBS(−)で20分間室温に
て固定した。固定後、5%ヤギ血清(ケミコン社製)を
含むPBS(−)を用い室温で2時間ブロッキング処理
し、一次抗体である抗インテグリンβ1抗体(ベクトン
ディッキンソン社製)0.4μg/mlと4℃で一晩反
応させた。固定化した切片と抗体との反応終了後、余分
な抗インテグリンβ1抗体を0.05%ツウィーン20
(半井社製)を含むPBS(−)で数回洗い流した。次
に、一次抗体の結合した固定された切片と蛍光色素であ
るCy3で標識された抗ハムスター二次抗体(ジャクソ
ンラボ社製)1.25μg/mlとを、室温にて1時間
反応させた。反応終了後、余分な二次抗体を上記と同様
の0.05%ツウィーン20を含むPBS(−)で洗い
流し、蛍光顕微鏡DMRIB(ライカ社製)で観察し
た。図2は、抗インテグリンβ1抗体を用いて有郭乳頭
付近の組織を免疫染色した場合の蛍光顕微鏡像の写真で
ある。
後4日目の有郭乳頭付近では、抗インテグリンβ1抗体
は基底膜および膜より上層部のtransit amplifying細胞
が存在すると考えられる部位を認識していた。このこと
から、インテグリンβ1発現細胞が該部位に存在するこ
とが強く示唆された。
舌上皮前駆細胞の単離と培養) マウス舌上皮前駆細胞の単離と、単離した該細胞の培養
は、以下の方法によって実施した。 (1)舌上皮前駆細胞の単離 実施例1と同様に、生後8−12週齢のマウスから舌を
摘出し、これからシート状の上皮組織を作製し、舌上皮
前駆細胞集団を抗インテグリンβ1抗体を用いて選抜し
た。すなわち、10units(2.5mg)のコラゲ
ナーゼIV(フナコシ社製)と8units(2mg)の
エラスターゼ(フナコシ社製)を上皮直下に注射器で注
入し、37℃で30分間反応させた。
ットでシート状に剥がし、メス刃で細かく裁断した後、
さらに1000units(3.3mg)のディスパー
ゼ(三光純薬社製)を加えて、37℃で15分間反応さ
せた。反応終了後、数回ピペッティングを行い、剥がれ
た1個ずつの細胞を70μm幅のセルストレーナー(ベ
クトンディキンソン社製)により回収した。こうして回
収した舌上皮細胞は、氷冷したPBS(−)で3回リン
スし、1.0×106cells/mlになるようにP
BS(−)に懸濁した。
ようにビオチン標識抗インテグリンβ1抗体(ベクトン
ディッキンソン社製)を加え、舌上皮細胞と抗体とを一
定の振盪条件下に4℃で30分間反応させた。次に、抗
体と反応させた舌上皮前駆細胞をPBS(−)で3回洗
浄し、これをPBS(−)80μlに懸濁し、舌上皮前
駆細胞懸濁液を得た。該懸濁液に、磁気ビーズであるス
トレプトアビジン−マイクロビーズ(Miltenyi
社製)20μlを加え、10℃で15分間反応させた。
iltenyi社製)にRS+カラム(Milteny
i社製)を装着し、該細胞をロードした。該細胞をロー
ドしたカラムは、PBS(−)で3回洗浄した後、カラ
ムを磁気装置から離し、抗体でトラップされた舌上皮前
駆細胞をPBS(−)500μlにて溶出した。この溶
出液に、インテグリンβ1陽性細胞集団である舌上皮前
駆細胞のみが含まれていることを間接免疫抗体法による
免疫染色にて確認した。
方法で行った。すなわち、上記(1)で単離された舌上
皮前駆細胞を5×104 個となるように調整し、これを
下記の組成を有する培地50μlに懸濁した。その懸濁
液をドロップレットとして、直径35mmの培養皿の上
に設置し、炭酸ガスインキュベーター内で30分間の培
養を行った。次いで、舌上皮前駆細胞の前培養液に、さ
らに下記の組成を有する培地2mlを加えて、37℃に
て2週間の培養を行った。
をメタノールで固定した。固定後、5%ヤギ血清を含む
PBS(−)で室温にて2時間処理し、0.4μg/m
lの濃度となるように調製した一次抗体である抗インテ
グリンβ1抗体(ベクトンディッキンソン社製)と4℃
で一晩反応させた。反応終了後、舌上皮前駆細胞を0.
05%ツウィーン20を含むPBS(−)で3回洗浄し
た。洗浄後、蛍光色素であるCy3で標識された抗ハム
スター二次抗体(ジャクソンラボ社製)1.25μg/
mlと室温で1時間反応させた。その後、余分な二次抗
体を0.05%ツウィーン20を含むPBS(−)で洗
い流してから、蛍光顕微鏡DMRIB(ライカ社製)で
観察した。図3Aは、舌上皮前駆細胞を透過光で撮影し
た顕微鏡像の写真である。また、蛍光を撮影した顕微鏡
像の写真を図3Bに示す。
真であり、細胞の形態を明確に識別することができる。
また、図3Bは、同一視野のCy3で染色した蛍光顕微
鏡像の写真であり、培養細胞はインテグリンβ1を発現
していることが分かる。
による上皮様細胞への分化) 実施例2(2)に示したMCDB153基本培地に、分
化誘導因子として1mMのカルシウムを添加し、この培
地に実施例2(2)で得た培養細胞を接種し、さらに3
日間培養を続けた。なお、対照として、分化誘導因子で
あるカルシウムを添加しなかったこと以外は同じ条件で
培養した。培養終了後、0.1%トライトンX−100
(半井社製)と4%パラホルムアルデヒド(シグマ社
製)を含むPBS(−)で細胞を固定したのち、抗β−
カテニン抗体(ベクトンディッキンソン社製)と抗E−
カドヘリン抗体(タカラ社製)を用いて免疫染色した。
図4は、カルシウム添加の有無による抗β−カテニン抗
体と抗E−カドヘリン抗体による免疫染色の結果を示し
た写真である。
あるカルシウムを培養液に添加しないで培養を行った場
合、β−カテニンおよびE−カドヘリンの細胞膜で発現
量は共に低かった。これに対して、分化誘導因子として
1mMのカルシウムを添加して培養した場合は、β−カ
テニンとE−カドヘリンの細胞膜、特に細胞と細胞とが
接している部位への両タンパク質の局在が認められ、形
態的にも上皮様細胞に分化していることが明らかとなっ
た。
添加による神経様細胞への分化) 実施例2(2)に示したMCDB153分化培地に、分
化誘導因子として2μMのレチノイン酸(和光純薬社
製)を添加し、この培地に実施例2(2)で得た培養細
胞を接種して3日間培養を続けた。さらに、以下の培地
を用いて7日間培養を続けた。なお、対照として、分化
誘導処理しないものについても同様に実施した。
に、0.1%トライトンX−100(半井社製)と4%
パラホルムアルデヒド(シグマ社製)を含むPBS
(−)で細胞を固定後、抗神経中間系フィラメント抗体
(ケミコン社製)と抗脳特異的L型カルシウムチャンネ
ル抗体(ケミコン社製)を用いて免疫染色した。図5
は、レチノイン酸添加の有無による抗神経中間系フィラ
メント抗体と抗脳特異的L型カルシウムチャンネル抗体
による免疫染色の結果を示した顕微鏡写真である。
の場合には、神経細胞のマーカーである神経中間系フィ
ラメントと脳特異的L型カルシウムチャンネルの発現レ
ベルは低かった。これに対して、分化誘導因子であるレ
チノイン酸を添加した分化培地で培養した場合には、神
経中間系フィラメントと脳特異的L型カルシウムチャン
ネルがいずれも、より顕著に発現が上昇していた。この
ことから、培地に分化誘導因子としてレチノイン酸を添
加した神経分化培地で舌上皮前駆細胞を培養することに
よって、神経様細胞に分化することが明らかとなった。
来の舌上皮前駆細胞の培養と分化) 生後4週齢のマウスより得た舌上皮細胞シートから、有
郭乳頭付近の部位を鋏で切り出した。次に、該部位をマ
トリゲル(ベクトンディッキンソン社製)でコートした
35mmディッシュを用いて、炭酸ガスインキュベータ
ー内で37℃で2週間培養した。このとき用いた培地
は、実施例2(2)で使用した培地に、実施例2におい
て舌上皮前駆細胞の培養で得た培養上清を該培地の1/
3〜1/10量を加えたものである。
としてレチノイン酸を添加した培地を用いて上記の舌上
皮前駆細胞を培養し、分化誘導を行った。培養終了後、
0.1%トライトンX−100と4%パラホルムアルデ
ヒドを含むPBS(−)で、分化した細胞を固定した。
固定化した細胞について、味細胞で特異的に発現するこ
とが知られているガストデューシンの発現の有無を、抗
ガストデューシン抗体(サンタクルス社製)を用いた免
疫染色を以下のように行った。すなわち、培養した細胞
を、内在性のペルオキシダーゼの活性を抑えるために
0.3%ヒドロキシルペルオキシドを含むメタノールで
25℃で30分間処理し、その後0.2%トゥイン20
を含むPBSで5分間洗浄した。洗浄後、5%正常ウサ
ギ血清を含むブロッキング試薬で25℃にて2時間処理
し、抗ガストデューシン抗体と4℃で一晩反応させた。
続いて、ビオチン標識化された二次抗体と25℃で30
分間反応させた後、ペルオキシダーゼ結合ストレプトア
ビジンと25℃で10分間反応させた。反応終了後、
3,3’−ジアミノベンチジン(DAB)、1nM ヒ
ドロキシルペルオキシドを含むトリス−塩酸緩衝液(p
H7.6)で染色した。
酸を添加して分化誘導した細胞を試料として用い、これ
らから常法によってRNAを抽出し、これを用いてRT
−PCRを行うことによって、mRNAレベルでのガス
トデューシンの発現の有無を確認した。まず、1μgの
トータルRNAから、以下のようにして、Preamplifica
tion kit (Gibco 社、18089-011)を用いてcDNAを合
成した。1μgの oligo(dT)とトータルRNAを混合
し、70℃で10分間インキュベートした後、1分間氷
冷を行った。これにPCRバッファー 2μl、25m
MMgCl2 2μl、10mM dNTPmix 1μl、
0.1M DTT 1μlを加え、42℃で15分間加
熱した。ここに、1μlのSuperscript II Reverse Tra
nscriptaseを加え、42℃で50分間反応させた。次い
で、70℃で15分間加熱して酵素を失活させた後、室
温に戻して1μl RNase Hを加えて、37℃で
20分間反応させた。得られた反応液2μlに、2μl
10×PCRバッファー、2μl 25mM MgC
l2 、1μl 10mM dNTPmix 、1μl ガス
トデューシン プライマー セット、1μl Taq DN
Aポリメラーゼ(タカラ社製)1μlを加え、94℃
1分間(変性)、55℃ 1分間(アニーリング)、7
2℃ 1分間(伸長)を35サイクル行ってDNAを増
幅させて、その5μlを電気泳動に供した。
来の舌上皮前駆細胞における抗ガストデューシン抗体で
免疫染色の結果を示した顕微鏡写真である。また、図7
は、RT−PCRを行った試料についての電気泳動写真
である。図中、レーン1は有郭乳頭付近の細胞、2は分
化誘導前の細胞、3は分化誘導後の細胞を示す。
の細胞質が染色されていることから、特定部位由来の舌
上皮前駆細胞を用いても、分化誘導因子であるレチノイ
ン酸を培地に添加することにより、味細胞に特異的なガ
ストデューシンを発現する神経様細胞に分化誘導できる
ことが明らかとなった。また、図7から明らかなよう
に、味細胞で特異的に発現するガストデューシンmRN
Aは、レチノイン酸を培地に添加した場合に発現してお
り、このことからもレチノイン酸添加により味細胞に分
化している細胞が誘導されたことは明らかである。
った舌上皮細胞および味細胞の前駆細胞を培養すること
が可能となる。また、本発明の方法により、味細胞の分
化過程を経時的に詳細に解析することが可能となると同
時に、分化途上の味細胞および分化した味細胞を長期間
に渡って維持することが可能となる。
前駆細胞を単離、培養する本発明の流れを示したフロー
チャートである。
を用いて免疫染色を行った場合の蛍光顕微鏡像の写真で
ある。
を撮影した顕微鏡像の写真である。図中のAは、磁気ビ
ーズにより選択された培養細胞の顕微鏡の透過像、Bは
選択に用いた抗インテグリンβ1抗体によりAの培養細
胞を免疫染色した顕微鏡像である。
抗β−カテニン抗体と抗E−カドヘリン抗体で免疫染色
した顕微鏡像の写真であり、各タンパク質が発現してい
ることを示している。図中、Aは抗β−カテニン抗体を
用い通常の低カルシウムで培養したもの、Bは抗E−カ
ドヘリン抗体を用い通常の低カルシウムで培養したも
の、Cは抗β−カテニン抗体を用いカルシウムを添加し
て培養したもの(本発明)、Dは抗E−カドヘリン抗体
を用いカルシウムを添加して培養したもの(本発明)を
それぞれ示す。
て、抗神経中間系フィラメント抗体と抗脳特異的L型カ
ルシウムチャンネル抗体で免疫染色した顕微鏡像の写真
であり、各タンパク質が発現していることを示してい
る。図中、Aは基本培地で培養したものを抗神経中間系
フィラメント抗体で染色したもの(本発明)、Bは基本
培地で培養したものを抗脳特異的L型カルシウムチャン
ネル抗体で染色したもの、Cは基本培地にレチノイン酸
を添加して培養したものを抗神経中間系フィラメント抗
体で染色したもの(本発明)、Dは基本培地にレチノイ
ン酸を添加して培養したものを抗脳特異的L型カルシウ
ムチャンネル抗体で染色したもの(本発明)をそれぞれ
示す。
駆細胞における抗ガストデューシン抗体で免疫染色の結
果を示した顕微鏡写真である。
試料についての電気泳動写真である。
Claims (4)
- 【請求項1】 舌上皮細胞よりインテグリンβ1を発現
する細胞を、磁気カラムを用いて選抜することを特徴と
する舌上皮前駆細胞の単離方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の方法によって単離した舌
上皮前駆細胞を培養して得られた培養上清の存在下に、
味細胞前駆細胞を含む舌上皮前駆細胞を培養することを
特徴とする味細胞前駆細胞の増殖方法。 - 【請求項3】 請求項2記載の方法により取得した味細
胞前駆細胞を含む舌上皮前駆細胞を、分化誘導因子とし
てカルシウムを加えた培地で培養し、上皮様細胞に分化
させることを特徴とする分化誘導方法。 - 【請求項4】 請求項2記載の方法により取得した味細
胞前駆細胞を含む舌上皮前駆細胞を、分化誘導因子とし
てレチノイン酸を加えた培地で培養し、神経様細胞に分
化させることを特徴とする分化誘導方法。
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