JP2003102095A - 超音波振動子 - Google Patents
超音波振動子Info
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Abstract
ンスの整合をとることができ、広帯域化を実現すること
が可能な超音波振動子を提供する。 【解決手段】λ/4の厚みの整合層2と、λ/8の厚み
の整合層3とを設ける。f(波長λ1)と2f(波長
λ2)の2周波を使用する場合、fを用いるときは、整
合層2の厚みはλ1/4、整合層3の厚みはλ1/8とな
り、整合層2がλ/4の奇数倍というインピーダンス整
合条件を満たす。一方、2fを用いるときは、整合層2
の厚みはλ2/2、整合層3の厚みはλ2/4となり、整
合層3がインピーダンス整合条件を満たす。このため、
いずれの周波数においても音響インピーダンスの整合を
とることが可能となる。
Description
用いられる超音波振動子の構造に関する。
発射するとともに、この超音波が水中の魚群や水底で反
射して帰来するエコーを受信する超音波振動子を備えた
送受波器が設けられている。このような超音波振動子で
超音波の送受を行う場合、振動子と水のそれぞれの音響
インピーダンスが大きく異なると、両者間のインピーダ
ンス整合がとれず、超音波が境界面で反射する割合が増
加して、感度特性における周波数帯域が狭くなる。そこ
で、両者の中間の音響インピーダンス値をもった整合層
を超音波振動子に設けることにより、インピーダンス整
合をとることが従来から行われている。
長をλとして、整合層の厚みをλ/4の奇数倍(λ/
4,3λ/4,5λ/4,…)の厚みとし、かつ、音響
インピーダンスZを次式のように選定することにより、
良好なインピーダンス整合がとれることが知られてい
る。
中の音速) で表される。また、Zwは水の音響インピーダンスであ
って、 Zw=ρw ・Cw (ρw:水の密度、Cw:水中の音
速) で表される。こうして整合層によりインピーダンス整合
をとることで、境界面における反射が減少して周波数帯
域の広い感度特性が得られる。
ス整合層を設けた従来の超音波振動子Cの一例を示して
いる。図において、10はランジュバン型振動子の本体
であって、ヘッドマス10aおよびテールマス10b
と、これらの間に介装された圧電素子10cとからな
る。20はヘッドマス10aの先端面に設けられた音響
インピーダンス整合層である。ここで、振動子の共振周
波数に対する波長をλとしたとき、振動子本体10の全
長はλ/2に選定され、音響インピーダンス整合層20
の厚みはλ/4に選定されている。なお、zは超音波の
放射方向を表している。
ンス整合層を設けた超音波振動子は、たとえば特開平5
−183996号公報に記載されている。なお、本公報
にも記載されているように、整合層20は1層に限らず
多層に設けることもできる。そして、このような整合層
20の数が増加するほど、感度は低下するが、インピー
ダンスの整合度が向上するため、周波数帯域は広帯域化
する。
音波振動子にあっては、探知目的に応じて共振周波数と
して低周波と高周波の2周波を使用することがある。こ
の場合、2周波が基本共振周波数とその奇数倍の周波数
であれば、上述したλ/4の奇数倍の厚みを有する整合
層20を設けることで対応できる。たとえば、基本共振
周波数f(波長をλ1とする)と、その3倍の共振周波
数3f(波長をλ3とする)の2周波を用いる場合を例
にとると、整合層20の厚みをλ1/4に設計しておけ
ば、基本共振周波数fを用いる場合は、整合層20の厚
みはλ1/4となり、3倍の共振周波数3fを用いる場
合は、λ1=3λ3の関係から整合層20の厚みは3λ3
/4となり、いずれの周波数においても、整合層20の
厚みはλ/4の奇数倍という条件を満たす。
偶数倍の周波数である場合は、事情が異なる。たとえ
ば、基本共振周波数f(波長をλ1とする)と、その2
倍の共振周波数2f(波長をλ2とする)の2周波を用
いる場合を例にとると、基本共振周波数fを使用すると
きは、整合層20の厚みはλ1/4となり問題はない
が、2倍の共振周波数2fを使用するときは、λ1=2
λ2の関係から整合層20の厚みはλ2/2となり、λ/
4の奇数倍という条件を満たさなくなる。このように厚
みがλ/2となる場合は、理論上、整合層20は無いに
等しく、インピーダンス整合をとることができない。
報には、λ/8の厚みの整合層を設けた超音波振動子が
記載されている。これによると、基本共振周波数fを使
用するときは、整合層20の厚みはλ1/8となり、2
倍の共振周波数2fを使用するときは、整合層20の厚
みはλ2/4となるので、周波数2fにおいては整合が
とれるが、周波数fにおいては整合が犠牲となり、基本
共振周波数を用いた場合の広帯域化が困難となる。
本共振周波数とその偶数倍の共振周波数で使用する場合
に、すべての周波数に対してインピーダンス整合を確保
することは困難であり、したがって、全周波数について
の広帯域化を実現することはできなかった。
って、その目的とするところは、いずれの共振周波数に
対しても音響インピーダンスの整合をとることができ、
広帯域化を実現することが可能な超音波振動子を提供す
ることにある。
に、本発明では、基本共振周波数の波長λに対して、λ
/4の奇数倍の厚みを有する第1の整合層と、λ/8の
奇数倍の厚みを有する第2の整合層とを備えた音響イン
ピーダンス整合層を設ける。このようにすれば、たとえ
ば、基本共振周波数f(波長をλ1とする)と、その2
倍の共振周波数2f(波長をλ2とする)の2周波を用
いる場合、基本共振周波数fを使用するときは、第1の
整合層の厚みはλ1/4、第2の整合層の厚みはλ1/8
となり、λ1/4以外にλ1/8が存在するが、第1の整
合層がλ/4の奇数倍という条件を満たすので、これに
よっておおよそのインピーダンス整合を確保できる。一
方、2倍の共振周波数2fを使用するときは、第1の整
合層の厚みは2λ2/4=λ2/2、第2の整合層の厚み
はλ2/4となり、第1の整合層のλ/2は前述したよ
うに理論上無いに等しいので無視することができ、第2
の整合層はλ/4の奇数倍という条件を満たすので、こ
の場合は良好なインピーダンス整合を確保できる。
振周波数と、その2n倍の共振周波数2n・f(n=
1,2,3,…,m)を含む3周波以上の多周波の場合
にも適用することができる。この場合、音響インピーダ
ンス整合層は、周波数f,2f,4f,…に対する波長
をそれぞれλ1,λ2,λ4,…としたとき、λ1/4,λ
2/4,λ4/4,…の奇数倍の厚みに設定されたm+1
層の整合層を含む。
て、fの奇数倍の共振周波数(2N+1)・f(Nは自
然数)を併用する場合にも適用することができる。この
場合は、周波数の数が増えても、fの奇数倍の共振周波
数に対応した整合層は設ける必要がないので、音響イン
ピーダンス整合層は、上記と同様にm+1層の整合層を
含むことになる。
ジュバン型振動子であるが、本発明は円板型振動子にも
適用することができる。
子Aの構造を示している。図において、1はランジュバ
ン型振動子の本体であって、ヘッドマス1aおよびテー
ルマス1bと、これらの間に介装された圧電素子1cと
からなる。ヘッドマス1aとテールマス1bは、いずれ
もアルミニウム等の金属で形成されており、圧電素子1
cはPZTのような圧電セラミックスで形成されてい
る。2はヘッドマス1aの先端面に設けられた音響イン
ピーダンス整合層、3は整合層2のさらに前方に設けら
れた音響インピーダンス整合層であって、整合層2は本
発明の第1の整合層に相当し、整合層3は本発明の第2
の整合層に相当するものである。なお、整合層2,3の
順序は、音響インピーダンスの整合がとれるなら、逆で
もよい。これらの整合層2,3はエポキシ樹脂にタング
ステンやアルミナ等を混合したエポキシ・コンパウンド
で形成されている。ここで、振動子の基本共振周波数に
対する波長をλとしたとき、振動子本体1の全長はλ/
2に選定され、音響インピーダンス整合層2の厚みはλ
/4に選定され、音響インピーダンス整合層3の厚みは
λ/8に選定されている。なお、xは超音波の放射方向
を表している。
本共振周波数f(低周波)と、その2倍の共振周波数2
f(高周波)の2周波を用いる場合の音響インピーダン
スの整合について考える。基本共振周波数fの波長をλ
1とし、2倍の共振周波数2fの波長をλ2とすると、λ
1とλ2の間には、同一媒質に対しては、λ1=2λ2の関
係がある。
は、λ1に対して音響インピーダンス整合層2の厚みは
λ1/4であり、音響インピーダンス整合層3の厚みは
λ1/8となる。すなわち、整合層2はλ/4の奇数倍
という条件を満たす。一方、整合層3はこの条件を満た
さないが、整合層2が前記条件を満たしていることか
ら、先に述べた特許第2937153号公報のようにλ
/8の整合層だけを設けた場合に比べて、インピーダン
スの整合性は大幅に向上する。
合は、λ2に対する音響インピーダンス整合層2の厚み
は、λ1/4のλ1を2λ2で置き換えて2λ2/4=λ2
/2となり、またλ2に対する音響インピーダンス整合
層3の厚みは、λ1/8のλ1を同様に2λ2で置き換え
て2λ2/8=λ2/4となる。すなわち、整合層3につ
いては、λ/4の奇数倍という条件が満たされている。
また、整合層2については、前述のとおりλ/2という
値は整合層が無いに等しいことを意味するので、結局整
合層3によって整合の条件が満たされ、良好なインピー
ダンス整合を確保することができる。
λ/4の厚みの整合層2と、λ/8の厚みの整合層3と
を設けたことにより、基本共振周波数fを用いる場合
も、2倍の共振周波数2fを用いる場合も、ともにλ/
4の条件を満たす整合層が存在することになる。この結
果、いずれの周波数においても相応のインピーダンス整
合を確保することが可能となり、これによって、各周波
数に対して広帯域の特性を実現することができる。
構成した場合の送波電圧感度の比帯域幅をシミュレーシ
ョンした結果である。ここでは、使用周波数を約50K
Hzとしている。送波電圧感度は、超音波振動子に1V
rmsの電気信号を印加したときに、振動子から1m離
れた場所において感知される音圧の値(単位はPa)で
あり、図3に示されるように、超音波振動子の周波数に
依存して変化する。また、比帯域幅は、帯域幅と中心周
波数との比であって、図3において送波電圧感度が最大
となる中心周波数をfc、送波電圧感度が最大値から6
dB低下したときの帯域幅をΔf=fa−fbとしたと
き、Δf/fc×100(%)で表される値である。
設けない場合であって、この場合はインピーダンス整合
がとれていないので、比帯域幅は16.99%と非常に
小さく、帯域特性が悪くなっている。図4は、パターン
の場合の送波電圧感度の周波数特性を示しており、帯
域幅が狭いことがわかる。
を設けた場合であって、前述のようにλ/2では整合層
が無いに等しいので、この場合もインピーダンス整合が
とれず、比帯域幅は15.04%であり帯域特性が悪く
なっている。図5は、パターンの場合の送波電圧感度
の周波数特性を示しており、図4と同様に帯域幅は狭
い。
/4の厚みの整合層を設けた場合であって、本発明の上
記実施形態において、使用周波数として2fを用いる場
合に対応している。この場合は、既述のようにλ/2は
無視でき、λ/4の整合層によってほぼインピーダンス
整合が確保されるため、比帯域幅は30.67%となっ
て、パターン,に比べて帯域は大幅に(約2倍)広
くなる。図6は、パターンの場合の送波電圧感度の周
波数特性を示しており、図4や図5と比較すると帯域幅
が著しく拡大しているのがわかる。
を設けた場合であって、図15に示した従来例に対応す
るものである。この場合は、λ/4の奇数倍というイン
ピーダンス整合条件にそのまま該当するから、当然広帯
域化が可能であり、比帯域幅も50.76%と最も高く
なっている。図7は、パターンの場合の送波電圧感度
の周波数特性を示しており、図6よりもさらに帯域幅が
拡大している。ただし、このパターンは1周波だけを
用いる場合には効果が大きいが、2周波を用いる場合
は、他方の周波数においてインピーダンス整合がとれな
くなることは既に述べたとおりである。
/8の厚みの整合層を設けた場合であって、本発明の上
記実施形態において、使用周波数として基本振動周波数
fを用いる場合に対応している。この場合は、既述のよ
うに、λ/8に関してはインピーダンスの整合条件を満
たさないが、λ/4が整合条件を満たすため、全体とし
てほぼ良好なインピーダンス整合が得られ、比帯域幅は
29.97%となって、パターンの場合に近い特性と
なる。図8は、パターンの場合の送波電圧感度の周波
数特性を示している。
を設けた場合であって、先に挙げた特許第293715
3号公報に記載の従来例に対応するものである。この場
合は、既述のように基本共振周波数fでは整合がとれな
いので、整合状態にあるパターンの場合に比べると帯
域特性が格段に悪くなり、比帯域幅は20.97%まで
低下する。これは、パターン,の場合に比べてもか
なり低い。図9は、パターンの場合の送波電圧感度の
周波数特性を示しており、帯域が狭くなっているのがわ
かる。
に、λ/4の整合層とλ/8の整合層とを2層に設ける
ことで、共振周波数としてf,2fの2周波を用いる場
合に、いずれの周波数においても30%程度の比帯域幅
を得ることができ、従来では不可能であった2周波での
広帯域化が可能となる。
音波振動子の構造を示している。ここでは、図1の構成
に加えて、第3の音響インピーダンス整合層4が設けら
れており、この整合層4の厚みはλ/16に選定されて
いる。本実施形態は、使用周波数として基本共振周波数
fと、2倍の共振周波数2fと、4倍の共振周波数4f
の3周波を用いる例である。
振周波数f(波長λ1)を使用する場合は、λ1に対して
音響インピーダンス整合層2の厚みはλ1/4であり、
音響インピーダンス整合層3の厚みはλ1/8であり、
音響インピーダンス整合層4の厚みはλ1/16とな
る。すなわち、整合層2はλ/4の奇数倍という条件を
満たし、整合層3,4はこの条件を満たさないが、図1
の場合と同様に、整合層2が前記条件を満たしているこ
とから、ある程度のインピーダンス整合が確保される。
を使用する場合は、λ2に対する音響インピーダンス整
合層2の厚みは、λ1/4のλ1を2λ2で置き換えて2
λ2/4=λ2/2となり、λ2に対する音響インピーダ
ンス整合層3の厚みは、λ1/8のλ1を同様に2λ2で
置き換えて2λ2/8=λ2/4となり、λ2に対する音
響インピーダンス整合層4の厚みは、λ1/16のλ1を
同様に2λ2で置き換えて2λ2/16=λ2/8とな
る。すなわち、整合層3については、λ/4の奇数倍と
いう条件が満たされている。また、整合層2について
は、前述のとおりλ/2という値は整合層が無いに等し
いので、無視することができる。また、整合層4につい
ては条件を満たさないが、整合層3によって整合の条件
が満たされるため、全体としてある程度のインピーダン
ス整合を確保することができる。
を使用する場合は、λ4に対する音響インピーダンス整
合層2の厚みは、λ1/4のλ1を4λ4で置き換えて4
λ4/4=λ4となり、λ4に対する音響インピーダンス
整合層3の厚みは、λ1/8のλ1を同様に4λ4で置き
換えて4λ4/8=λ4/2となり、λ4に対する音響イ
ンピーダンス整合層4の厚みは、λ1/16のλ1を同様
に4λ4で置き換えて4λ4/16=λ4/4となる。す
なわち、整合層4については、λ/4の奇数倍という条
件が満たされている。また、整合層2と整合層3につい
ては、それぞれの厚みλ4とλ4/2は無いに等しいこと
から、全体としては整合層4によって良好なインピーダ
ンス整合を確保することができる。
音波振動子の構造を示している。ここでは、図10の構
成に加えて、さらに第4の音響インピーダンス整合層5
が設けられており、この整合層5の厚みはλ/32に選
定されている。本実施形態は、使用周波数として基本共
振周波数fと、2倍の共振周波数2fと、4倍の共振周
波数4fと、8倍の共振周波数8fの4周波を用いる例
である。この場合も、図10と同様の原理に従い、イン
ピーダンス整合の改善を図ることができる。
その2n倍の共振周波数2n・f(n=1,2,3,
…,m)を用いる場合は、m+1層の音響インピーダン
ス整合層を設け、各整合層の厚みをそれぞれ、λ1/
4,λ2/4,λ4/4,…に選定することで、どの周波
数に対してもλ/4の条件を満たす整合層が必ず存在す
ることになるから、これによって相応のインピーダンス
整合を確保することができる。なお、整合層の厚みは、
λ1/4,λ2/4,λ4/4,…に限らず、これらの奇
数倍であればよい。
の使用周波数と整合層の厚みとの関係を示したものであ
る。1層,2層,…とあるのは、振動子本体1に近い側
から並べた整合層の順番であり、1層は整合層2、2層
は整合層3、3層は整合層4、4層は整合層5に相当す
る。
ある場合は、整合層は1層(整合層2)だけでよく、厚
みはλ/4となる。
整合層は1層(整合層2)と2層(整合層3)を設け、
fに対して1層をλ/4、2層をλ/8の厚みにする。
このとき、2fに対しては1層はλ/2、2層はλ/4
の厚みとなる。
合は、整合層は1層(整合層2)と2層(整合層3)と
3層(整合層4)を設け(図10参照)、fに対して1
層をλ/4、2層をλ/8、3層をλ/16の厚みにす
る。このとき、2fに対しては1層はλ/2、2層はλ
/4、3層はλ/8の厚みとなる。また、4fに対して
は1層はλ、2層はλ/2、3層はλ/4の厚みとな
る。
波の場合は、整合層は1層(整合層2)と2層(整合層
3)と3層(整合層4)と4層(整合層5)を設け(図
11参照)、fに対して1層をλ/4、2層をλ/8、
3層をλ/16、4層をλ/32の厚みにする。このと
き、2fに対しては1層はλ/2、2層はλ/4、3層
はλ/8、4層はλ/16の厚みとなる。また、4fに
対しては1層はλ、2層はλ/2、3層はλ/4、4層
はλ/8の厚みとなる。また、8fに対しては1層は2
λ、2層はλ、3層はλ/2、4層はλ/4の厚みとな
る。
波数fと、その2n倍の共振周波数2f,4f,8f,
…であったが、これらに加えてfの奇数倍の共振周波数
を併用することもできる。簡単のために、f,2f,3
fの3周波を用いる場合を例に挙げる。図13は、この
場合の周波数と整合層の厚みとの関係を示したものであ
る。fと2fについては、図12の場合と同じ結果とな
る。また、3fについては、図12と同様の原理で計算
して、1層が3λ/4、2層が3λ/8となる。ここ
で、3λ/4はλ/4の奇数倍であり、3λ/8はλ/
8の奇数倍であるから、3fに関してはfと同じ条件と
なり、1層を基本共振周波数fの波長λに対してλ/4
の厚みに設計しておけば、3fを使う場合でも、整合層
は1層と2層の2つを設けるだけでよい。5fや7fを
用いる場合も同様である。
振周波数fと、その2n倍の共振周波数2n・f(n=
1,2,3,…,m)と、fの奇数倍の共振周波数(2
N+1)・f(Nは自然数)とを含む場合は、fの奇数
倍の共振周波数に対応した整合層は不要であるため、音
響インピーダンス整合層は、基本共振周波数fおよびそ
の2n倍の共振周波数を用いる場合と同じm+1層の整
合層を含んだものとなる。
fの共振周波数を用いる場合は、6fは2fの奇数倍で
あるから、2fに対応する整合層によって6fに対する
音響インピーダンス整合が得られ、6f用の整合層を設
ける必要はない。これに対して、2fを用いずに、fと
4fに加えて6fを用いる場合は、6fはfおよび4f
の奇数倍ではないので、6f用の整合層(厚みλ6/
4)を設ける必要がある。すなわち、基本共振周波数f
と、その2n倍の共振周波数に加えて、fの2n倍で表
わせない偶数倍の共振周波数を用いる場合は、その共振
周波数が2n倍の共振周波数のいずれかに対して奇数倍
の関係にあれば、整合層を追加する必要はなく、2n倍
の共振周波数のいずれに対しても奇数倍の関係になけれ
ば、整合層を追加する必要がある。したがって、fの2
n倍で表わせない偶数倍の共振周波数の数がpであれ
ば、m+1層の整合層に加えて、p層を上限とする整合
層が設けられることになる。
音波振動子Bを示している。超音波振動子Bは、円板型
の振動子本体6と、整合層7,8とを備えている。整合
層7,8は、図1の整合層2,3に対応しており、それ
ぞれλ/4,λ/8の厚みの整合層からなる。yは超音
波の放射方向を表している。このような円板型の超音波
振動子Bは、図のα,βの寸法で2つの共振周波数が決
まるため、専ら2周波用の振動子として用いられるが、
ランジュバン型の超音波振動子Aと同様に、λ/4とλ
/8の整合層によりインピーダンス整合がとれ、広帯域
化を実現することができる。
用いられる超音波振動子を例に挙げたが、本発明は、こ
の他にも超音波診断装置などに用いられる超音波振動子
にも適用することができる。
8の整合層とを設けたことにより、基本共振周波数とそ
の偶数倍の共振周波数を使用する場合であっても、それ
ぞれの周波数について音響インピーダンスの整合をとる
ことができ、これによって広帯域化を実現することが可
能となる。
る。
果である。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
す図である。
す図である。
図である。
を示した図である。
す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】振動子本体に音響インピーダンス整合層を
設けた超音波振動子において、 前記音響インピーダンス整合層は、振動子の基本共振周
波数fに対する波長をλとしたとき、λ/4の奇数倍の
厚みを有する第1の整合層と、λ/8の奇数倍の厚みを
有する第2の整合層とを備えていることを特徴とする超
音波振動子。 - 【請求項2】請求項1に記載の超音波振動子において、 振動子の共振周波数が、基本共振周波数fとその2倍の
共振周波数2fの2周波であって、 周波数f,2fに対する波長をそれぞれλ1,λ2(λ1
=2λ2)としたとき、 周波数fに対して、第1の整合層がλ1/4の奇数倍の
厚みに設定され、 周波数2fに対して、第2の整合層がλ2/4の奇数倍
の厚みに設定されていることを特徴とする超音波振動
子。 - 【請求項3】振動子本体に音響インピーダンス整合層を
設けた超音波振動子において、 振動子の共振周波数が、基本共振周波数fとその2n倍
の共振周波数2n・f(n=1,2,3,…,m)を含
み、 前記音響インピーダンス整合層は、周波数f,2f,4
f,…に対する波長をそれぞれλ1,λ2,λ4,…とし
たとき、λ1/4,λ2/4,λ4/4,…の奇数倍の厚
みに設定されたm+1層の整合層を含むことを特徴とす
る超音波振動子。 - 【請求項4】請求項3に記載の超音波振動子において、 振動子の共振周波数が、基本共振周波数fと、共振周波
数2n・f(n=1,2,3,…,m)と、fの奇数倍
の共振周波数(2N+1)・f(Nは自然数)とを含
み、 音響インピーダンス整合層が、fの奇数倍の共振周波数
に対応した整合層を有しないm+1層の整合層を含むこ
とを特徴とする超音波振動子。 - 【請求項5】振動子本体がランジュバン型振動子である
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の超音波振動
子。 - 【請求項6】振動子本体が円板型振動子である請求項1
ないし請求項4のいずれかに記載の超音波振動子。
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