JP2003102095A - 超音波振動子 - Google Patents

超音波振動子

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JP2003102095A JP2001286748A JP2001286748A JP2003102095A JP 2003102095 A JP2003102095 A JP 2003102095A JP 2001286748 A JP2001286748 A JP 2001286748A JP 2001286748 A JP2001286748 A JP 2001286748A JP 2003102095 A JP2003102095 A JP 2003102095A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】いずれの共振周波数に対しても音響インピーダ
ンスの整合をとることができ、広帯域化を実現すること
が可能な超音波振動子を提供する。 【解決手段】λ/4の厚みの整合層2と、λ/8の厚み
の整合層3とを設ける。f(波長λ1)と2f(波長
λ2)の2周波を使用する場合、fを用いるときは、整
合層2の厚みはλ1/4、整合層3の厚みはλ1/8とな
り、整合層2がλ/4の奇数倍というインピーダンス整
合条件を満たす。一方、2fを用いるときは、整合層2
の厚みはλ2/2、整合層3の厚みはλ2/4となり、整
合層3がインピーダンス整合条件を満たす。このため、
いずれの周波数においても音響インピーダンスの整合を
とることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚群探知機などに
用いられる超音波振動子の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】魚群探知機には、水中へ超音波パルスを
発射するとともに、この超音波が水中の魚群や水底で反
射して帰来するエコーを受信する超音波振動子を備えた
送受波器が設けられている。このような超音波振動子で
超音波の送受を行う場合、振動子と水のそれぞれの音響
インピーダンスが大きく異なると、両者間のインピーダ
ンス整合がとれず、超音波が境界面で反射する割合が増
加して、感度特性における周波数帯域が狭くなる。そこ
で、両者の中間の音響インピーダンス値をもった整合層
を超音波振動子に設けることにより、インピーダンス整
合をとることが従来から行われている。
【0003】この場合、振動子の共振周波数に対する波
長をλとして、整合層の厚みをλ/4の奇数倍(λ/
4,3λ/4,5λ/4,…)の厚みとし、かつ、音響
インピーダンスZを次式のように選定することにより、
良好なインピーダンス整合がとれることが知られてい
る。
【数1】 ここで、Zpは振動子の音響インピーダンスであって、 Zp=ρp ・Cp (ρp:振動子の密度、Cp:振動子
中の音速) で表される。また、Zwは水の音響インピーダンスであ
って、 Zw=ρw ・Cw (ρw:水の密度、Cw:水中の音
速) で表される。こうして整合層によりインピーダンス整合
をとることで、境界面における反射が減少して周波数帯
域の広い感度特性が得られる。
【0004】図15は、上記のような音響インピーダン
ス整合層を設けた従来の超音波振動子Cの一例を示して
いる。図において、10はランジュバン型振動子の本体
であって、ヘッドマス10aおよびテールマス10b
と、これらの間に介装された圧電素子10cとからな
る。20はヘッドマス10aの先端面に設けられた音響
インピーダンス整合層である。ここで、振動子の共振周
波数に対する波長をλとしたとき、振動子本体10の全
長はλ/2に選定され、音響インピーダンス整合層20
の厚みはλ/4に選定されている。なお、zは超音波の
放射方向を表している。
【0005】このようなλ/4の厚みの音響インピーダ
ンス整合層を設けた超音波振動子は、たとえば特開平5
−183996号公報に記載されている。なお、本公報
にも記載されているように、整合層20は1層に限らず
多層に設けることもできる。そして、このような整合層
20の数が増加するほど、感度は低下するが、インピー
ダンスの整合度が向上するため、周波数帯域は広帯域化
する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した超
音波振動子にあっては、探知目的に応じて共振周波数と
して低周波と高周波の2周波を使用することがある。こ
の場合、2周波が基本共振周波数とその奇数倍の周波数
であれば、上述したλ/4の奇数倍の厚みを有する整合
層20を設けることで対応できる。たとえば、基本共振
周波数f(波長をλ1とする)と、その3倍の共振周波
数3f(波長をλ3とする)の2周波を用いる場合を例
にとると、整合層20の厚みをλ1/4に設計しておけ
ば、基本共振周波数fを用いる場合は、整合層20の厚
みはλ1/4となり、3倍の共振周波数3fを用いる場
合は、λ1=3λ3の関係から整合層20の厚みは3λ3
/4となり、いずれの周波数においても、整合層20の
厚みはλ/4の奇数倍という条件を満たす。
【0007】ところが、2周波が基本共振周波数とその
偶数倍の周波数である場合は、事情が異なる。たとえ
ば、基本共振周波数f(波長をλ1とする)と、その2
倍の共振周波数2f(波長をλ2とする)の2周波を用
いる場合を例にとると、基本共振周波数fを使用すると
きは、整合層20の厚みはλ1/4となり問題はない
が、2倍の共振周波数2fを使用するときは、λ1=2
λ2の関係から整合層20の厚みはλ2/2となり、λ/
4の奇数倍という条件を満たさなくなる。このように厚
みがλ/2となる場合は、理論上、整合層20は無いに
等しく、インピーダンス整合をとることができない。
【0008】これに対して、特許第2937153号公
報には、λ/8の厚みの整合層を設けた超音波振動子が
記載されている。これによると、基本共振周波数fを使
用するときは、整合層20の厚みはλ1/8となり、2
倍の共振周波数2fを使用するときは、整合層20の厚
みはλ2/4となるので、周波数2fにおいては整合が
とれるが、周波数fにおいては整合が犠牲となり、基本
共振周波数を用いた場合の広帯域化が困難となる。
【0009】このように、従来では、超音波振動子を基
本共振周波数とその偶数倍の共振周波数で使用する場合
に、すべての周波数に対してインピーダンス整合を確保
することは困難であり、したがって、全周波数について
の広帯域化を実現することはできなかった。
【0010】本発明は、上記問題点を解決するものであ
って、その目的とするところは、いずれの共振周波数に
対しても音響インピーダンスの整合をとることができ、
広帯域化を実現することが可能な超音波振動子を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、基本共振周波数の波長λに対して、λ
/4の奇数倍の厚みを有する第1の整合層と、λ/8の
奇数倍の厚みを有する第2の整合層とを備えた音響イン
ピーダンス整合層を設ける。このようにすれば、たとえ
ば、基本共振周波数f(波長をλ1とする)と、その2
倍の共振周波数2f(波長をλ2とする)の2周波を用
いる場合、基本共振周波数fを使用するときは、第1の
整合層の厚みはλ1/4、第2の整合層の厚みはλ1/8
となり、λ1/4以外にλ1/8が存在するが、第1の整
合層がλ/4の奇数倍という条件を満たすので、これに
よっておおよそのインピーダンス整合を確保できる。一
方、2倍の共振周波数2fを使用するときは、第1の整
合層の厚みは2λ2/4=λ2/2、第2の整合層の厚み
はλ2/4となり、第1の整合層のλ/2は前述したよ
うに理論上無いに等しいので無視することができ、第2
の整合層はλ/4の奇数倍という条件を満たすので、こ
の場合は良好なインピーダンス整合を確保できる。
【0012】また、本発明は2周波だけでなく、基本共
振周波数と、その2倍の共振周波数2・f(n=
1,2,3,…,m)を含む3周波以上の多周波の場合
にも適用することができる。この場合、音響インピーダ
ンス整合層は、周波数f,2f,4f,…に対する波長
をそれぞれλ1,λ2,λ4,…としたとき、λ1/4,λ
2/4,λ4/4,…の奇数倍の厚みに設定されたm+1
層の整合層を含む。
【0013】また、本発明は、上記共振周波数に加え
て、fの奇数倍の共振周波数(2N+1)・f(Nは自
然数)を併用する場合にも適用することができる。この
場合は、周波数の数が増えても、fの奇数倍の共振周波
数に対応した整合層は設ける必要がないので、音響イン
ピーダンス整合層は、上記と同様にm+1層の整合層を
含むことになる。
【0014】本発明の振動子として典型的なものはラン
ジュバン型振動子であるが、本発明は円板型振動子にも
適用することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る超音波振動
子Aの構造を示している。図において、1はランジュバ
ン型振動子の本体であって、ヘッドマス1aおよびテー
ルマス1bと、これらの間に介装された圧電素子1cと
からなる。ヘッドマス1aとテールマス1bは、いずれ
もアルミニウム等の金属で形成されており、圧電素子1
cはPZTのような圧電セラミックスで形成されてい
る。2はヘッドマス1aの先端面に設けられた音響イン
ピーダンス整合層、3は整合層2のさらに前方に設けら
れた音響インピーダンス整合層であって、整合層2は本
発明の第1の整合層に相当し、整合層3は本発明の第2
の整合層に相当するものである。なお、整合層2,3の
順序は、音響インピーダンスの整合がとれるなら、逆で
もよい。これらの整合層2,3はエポキシ樹脂にタング
ステンやアルミナ等を混合したエポキシ・コンパウンド
で形成されている。ここで、振動子の基本共振周波数に
対する波長をλとしたとき、振動子本体1の全長はλ/
2に選定され、音響インピーダンス整合層2の厚みはλ
/4に選定され、音響インピーダンス整合層3の厚みは
λ/8に選定されている。なお、xは超音波の放射方向
を表している。
【0016】上記のような超音波振動子Aにおいて、基
本共振周波数f(低周波)と、その2倍の共振周波数2
f(高周波)の2周波を用いる場合の音響インピーダン
スの整合について考える。基本共振周波数fの波長をλ
1とし、2倍の共振周波数2fの波長をλ2とすると、λ
1とλ2の間には、同一媒質に対しては、λ1=2λ2の関
係がある。
【0017】まず、基本共振周波数fを使用する場合
は、λ1に対して音響インピーダンス整合層2の厚みは
λ1/4であり、音響インピーダンス整合層3の厚みは
λ1/8となる。すなわち、整合層2はλ/4の奇数倍
という条件を満たす。一方、整合層3はこの条件を満た
さないが、整合層2が前記条件を満たしていることか
ら、先に述べた特許第2937153号公報のようにλ
/8の整合層だけを設けた場合に比べて、インピーダン
スの整合性は大幅に向上する。
【0018】次に、2倍の共振周波数2fを使用する場
合は、λ2に対する音響インピーダンス整合層2の厚み
は、λ1/4のλ1を2λ2で置き換えて2λ2/4=λ2
/2となり、またλ2に対する音響インピーダンス整合
層3の厚みは、λ1/8のλ1を同様に2λ2で置き換え
て2λ2/8=λ2/4となる。すなわち、整合層3につ
いては、λ/4の奇数倍という条件が満たされている。
また、整合層2については、前述のとおりλ/2という
値は整合層が無いに等しいことを意味するので、結局整
合層3によって整合の条件が満たされ、良好なインピー
ダンス整合を確保することができる。
【0019】このようにして、本実施形態においては、
λ/4の厚みの整合層2と、λ/8の厚みの整合層3と
を設けたことにより、基本共振周波数fを用いる場合
も、2倍の共振周波数2fを用いる場合も、ともにλ/
4の条件を満たす整合層が存在することになる。この結
果、いずれの周波数においても相応のインピーダンス整
合を確保することが可能となり、これによって、各周波
数に対して広帯域の特性を実現することができる。
【0020】図2は、整合層を種々のパターン〜で
構成した場合の送波電圧感度の比帯域幅をシミュレーシ
ョンした結果である。ここでは、使用周波数を約50K
Hzとしている。送波電圧感度は、超音波振動子に1V
rmsの電気信号を印加したときに、振動子から1m離
れた場所において感知される音圧の値(単位はPa)で
あり、図3に示されるように、超音波振動子の周波数に
依存して変化する。また、比帯域幅は、帯域幅と中心周
波数との比であって、図3において送波電圧感度が最大
となる中心周波数をfc、送波電圧感度が最大値から6
dB低下したときの帯域幅をΔf=fa−fbとしたと
き、Δf/fc×100(%)で表される値である。
【0021】図2において、パターンは整合層を全く
設けない場合であって、この場合はインピーダンス整合
がとれていないので、比帯域幅は16.99%と非常に
小さく、帯域特性が悪くなっている。図4は、パターン
の場合の送波電圧感度の周波数特性を示しており、帯
域幅が狭いことがわかる。
【0022】パターンは、λ/2の厚みの整合層のみ
を設けた場合であって、前述のようにλ/2では整合層
が無いに等しいので、この場合もインピーダンス整合が
とれず、比帯域幅は15.04%であり帯域特性が悪く
なっている。図5は、パターンの場合の送波電圧感度
の周波数特性を示しており、図4と同様に帯域幅は狭
い。
【0023】パターンは、λ/2の厚みの整合層とλ
/4の厚みの整合層を設けた場合であって、本発明の上
記実施形態において、使用周波数として2fを用いる場
合に対応している。この場合は、既述のようにλ/2は
無視でき、λ/4の整合層によってほぼインピーダンス
整合が確保されるため、比帯域幅は30.67%となっ
て、パターン,に比べて帯域は大幅に(約2倍)広
くなる。図6は、パターンの場合の送波電圧感度の周
波数特性を示しており、図4や図5と比較すると帯域幅
が著しく拡大しているのがわかる。
【0024】パターンは、λ/4の厚みの整合層のみ
を設けた場合であって、図15に示した従来例に対応す
るものである。この場合は、λ/4の奇数倍というイン
ピーダンス整合条件にそのまま該当するから、当然広帯
域化が可能であり、比帯域幅も50.76%と最も高く
なっている。図7は、パターンの場合の送波電圧感度
の周波数特性を示しており、図6よりもさらに帯域幅が
拡大している。ただし、このパターンは1周波だけを
用いる場合には効果が大きいが、2周波を用いる場合
は、他方の周波数においてインピーダンス整合がとれな
くなることは既に述べたとおりである。
【0025】パターンは、λ/4の厚みの整合層とλ
/8の厚みの整合層を設けた場合であって、本発明の上
記実施形態において、使用周波数として基本振動周波数
fを用いる場合に対応している。この場合は、既述のよ
うに、λ/8に関してはインピーダンスの整合条件を満
たさないが、λ/4が整合条件を満たすため、全体とし
てほぼ良好なインピーダンス整合が得られ、比帯域幅は
29.97%となって、パターンの場合に近い特性と
なる。図8は、パターンの場合の送波電圧感度の周波
数特性を示している。
【0026】パターンは、λ/8の厚みの整合層のみ
を設けた場合であって、先に挙げた特許第293715
3号公報に記載の従来例に対応するものである。この場
合は、既述のように基本共振周波数fでは整合がとれな
いので、整合状態にあるパターンの場合に比べると帯
域特性が格段に悪くなり、比帯域幅は20.97%まで
低下する。これは、パターン,の場合に比べてもか
なり低い。図9は、パターンの場合の送波電圧感度の
周波数特性を示しており、帯域が狭くなっているのがわ
かる。
【0027】パターンとパターンから明らかなよう
に、λ/4の整合層とλ/8の整合層とを2層に設ける
ことで、共振周波数としてf,2fの2周波を用いる場
合に、いずれの周波数においても30%程度の比帯域幅
を得ることができ、従来では不可能であった2周波での
広帯域化が可能となる。
【0028】図10は、本発明の他の実施形態に係る超
音波振動子の構造を示している。ここでは、図1の構成
に加えて、第3の音響インピーダンス整合層4が設けら
れており、この整合層4の厚みはλ/16に選定されて
いる。本実施形態は、使用周波数として基本共振周波数
fと、2倍の共振周波数2fと、4倍の共振周波数4f
の3周波を用いる例である。
【0029】図10の超音波振動子Aにおいて、基本共
振周波数f(波長λ1)を使用する場合は、λ1に対して
音響インピーダンス整合層2の厚みはλ1/4であり、
音響インピーダンス整合層3の厚みはλ1/8であり、
音響インピーダンス整合層4の厚みはλ1/16とな
る。すなわち、整合層2はλ/4の奇数倍という条件を
満たし、整合層3,4はこの条件を満たさないが、図1
の場合と同様に、整合層2が前記条件を満たしているこ
とから、ある程度のインピーダンス整合が確保される。
【0030】次に、2倍の共振周波数2f(波長λ2
を使用する場合は、λ2に対する音響インピーダンス整
合層2の厚みは、λ1/4のλ1を2λ2で置き換えて2
λ2/4=λ2/2となり、λ2に対する音響インピーダ
ンス整合層3の厚みは、λ1/8のλ1を同様に2λ2
置き換えて2λ2/8=λ2/4となり、λ2に対する音
響インピーダンス整合層4の厚みは、λ1/16のλ1
同様に2λ2で置き換えて2λ2/16=λ2/8とな
る。すなわち、整合層3については、λ/4の奇数倍と
いう条件が満たされている。また、整合層2について
は、前述のとおりλ/2という値は整合層が無いに等し
いので、無視することができる。また、整合層4につい
ては条件を満たさないが、整合層3によって整合の条件
が満たされるため、全体としてある程度のインピーダン
ス整合を確保することができる。
【0031】次に、4倍の共振周波数4f(波長λ4
を使用する場合は、λ4に対する音響インピーダンス整
合層2の厚みは、λ1/4のλ1を4λ4で置き換えて4
λ4/4=λ4となり、λ4に対する音響インピーダンス
整合層3の厚みは、λ1/8のλ1を同様に4λ4で置き
換えて4λ4/8=λ4/2となり、λ4に対する音響イ
ンピーダンス整合層4の厚みは、λ1/16のλ1を同様
に4λ4で置き換えて4λ4/16=λ4/4となる。す
なわち、整合層4については、λ/4の奇数倍という条
件が満たされている。また、整合層2と整合層3につい
ては、それぞれの厚みλ4とλ4/2は無いに等しいこと
から、全体としては整合層4によって良好なインピーダ
ンス整合を確保することができる。
【0032】図11は、本発明の他の実施形態に係る超
音波振動子の構造を示している。ここでは、図10の構
成に加えて、さらに第4の音響インピーダンス整合層5
が設けられており、この整合層5の厚みはλ/32に選
定されている。本実施形態は、使用周波数として基本共
振周波数fと、2倍の共振周波数2fと、4倍の共振周
波数4fと、8倍の共振周波数8fの4周波を用いる例
である。この場合も、図10と同様の原理に従い、イン
ピーダンス整合の改善を図ることができる。
【0033】以上のようにして、基本共振周波数fと、
その2倍の共振周波数2・f(n=1,2,3,
…,m)を用いる場合は、m+1層の音響インピーダン
ス整合層を設け、各整合層の厚みをそれぞれ、λ1
4,λ2/4,λ4/4,…に選定することで、どの周波
数に対してもλ/4の条件を満たす整合層が必ず存在す
ることになるから、これによって相応のインピーダンス
整合を確保することができる。なお、整合層の厚みは、
λ1/4,λ2/4,λ4/4,…に限らず、これらの奇
数倍であればよい。
【0034】図12は、インピーダンス整合をとるため
の使用周波数と整合層の厚みとの関係を示したものであ
る。1層,2層,…とあるのは、振動子本体1に近い側
から並べた整合層の順番であり、1層は整合層2、2層
は整合層3、3層は整合層4、4層は整合層5に相当す
る。
【0035】使用周波数がf(基本共振周波数)のみで
ある場合は、整合層は1層(整合層2)だけでよく、厚
みはλ/4となる。
【0036】使用周波数がfと2fの2周波の場合は、
整合層は1層(整合層2)と2層(整合層3)を設け、
fに対して1層をλ/4、2層をλ/8の厚みにする。
このとき、2fに対しては1層はλ/2、2層はλ/4
の厚みとなる。
【0037】使用周波数がfと2fと4fの3周波の場
合は、整合層は1層(整合層2)と2層(整合層3)と
3層(整合層4)を設け(図10参照)、fに対して1
層をλ/4、2層をλ/8、3層をλ/16の厚みにす
る。このとき、2fに対しては1層はλ/2、2層はλ
/4、3層はλ/8の厚みとなる。また、4fに対して
は1層はλ、2層はλ/2、3層はλ/4の厚みとな
る。
【0038】使用周波数がfと2fと4fと8fの4周
波の場合は、整合層は1層(整合層2)と2層(整合層
3)と3層(整合層4)と4層(整合層5)を設け(図
11参照)、fに対して1層をλ/4、2層をλ/8、
3層をλ/16、4層をλ/32の厚みにする。このと
き、2fに対しては1層はλ/2、2層はλ/4、3層
はλ/8、4層はλ/16の厚みとなる。また、4fに
対しては1層はλ、2層はλ/2、3層はλ/4、4層
はλ/8の厚みとなる。また、8fに対しては1層は2
λ、2層はλ、3層はλ/2、4層はλ/4の厚みとな
る。
【0039】以上の例では、使用周波数が、基本共振周
波数fと、その2倍の共振周波数2f,4f,8f,
…であったが、これらに加えてfの奇数倍の共振周波数
を併用することもできる。簡単のために、f,2f,3
fの3周波を用いる場合を例に挙げる。図13は、この
場合の周波数と整合層の厚みとの関係を示したものであ
る。fと2fについては、図12の場合と同じ結果とな
る。また、3fについては、図12と同様の原理で計算
して、1層が3λ/4、2層が3λ/8となる。ここ
で、3λ/4はλ/4の奇数倍であり、3λ/8はλ/
8の奇数倍であるから、3fに関してはfと同じ条件と
なり、1層を基本共振周波数fの波長λに対してλ/4
の厚みに設計しておけば、3fを使う場合でも、整合層
は1層と2層の2つを設けるだけでよい。5fや7fを
用いる場合も同様である。
【0040】すなわち、振動子の共振周波数が、基本共
振周波数fと、その2倍の共振周波数2・f(n=
1,2,3,…,m)と、fの奇数倍の共振周波数(2
N+1)・f(Nは自然数)とを含む場合は、fの奇数
倍の共振周波数に対応した整合層は不要であるため、音
響インピーダンス整合層は、基本共振周波数fおよびそ
の2倍の共振周波数を用いる場合と同じm+1層の整
合層を含んだものとなる。
【0041】また、たとえばf,2f,4fに加えて6
fの共振周波数を用いる場合は、6fは2fの奇数倍で
あるから、2fに対応する整合層によって6fに対する
音響インピーダンス整合が得られ、6f用の整合層を設
ける必要はない。これに対して、2fを用いずに、fと
4fに加えて6fを用いる場合は、6fはfおよび4f
の奇数倍ではないので、6f用の整合層(厚みλ6
4)を設ける必要がある。すなわち、基本共振周波数f
と、その2倍の共振周波数に加えて、fの2倍で表
わせない偶数倍の共振周波数を用いる場合は、その共振
周波数が2倍の共振周波数のいずれかに対して奇数倍
の関係にあれば、整合層を追加する必要はなく、2
の共振周波数のいずれに対しても奇数倍の関係になけれ
ば、整合層を追加する必要がある。したがって、fの2
倍で表わせない偶数倍の共振周波数の数がpであれ
ば、m+1層の整合層に加えて、p層を上限とする整合
層が設けられることになる。
【0042】図14は、本発明の他の実施形態に係る超
音波振動子Bを示している。超音波振動子Bは、円板型
の振動子本体6と、整合層7,8とを備えている。整合
層7,8は、図1の整合層2,3に対応しており、それ
ぞれλ/4,λ/8の厚みの整合層からなる。yは超音
波の放射方向を表している。このような円板型の超音波
振動子Bは、図のα,βの寸法で2つの共振周波数が決
まるため、専ら2周波用の振動子として用いられるが、
ランジュバン型の超音波振動子Aと同様に、λ/4とλ
/8の整合層によりインピーダンス整合がとれ、広帯域
化を実現することができる。
【0043】以上の実施形態においては、魚群探知機に
用いられる超音波振動子を例に挙げたが、本発明は、こ
の他にも超音波診断装置などに用いられる超音波振動子
にも適用することができる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、λ/4の整合層とλ/
8の整合層とを設けたことにより、基本共振周波数とそ
の偶数倍の共振周波数を使用する場合であっても、それ
ぞれの周波数について音響インピーダンスの整合をとる
ことができ、これによって広帯域化を実現することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波振動子の構造を示す図であ
る。
【図2】送波電圧感度の比帯域幅のシミュレーション結
果である。
【図3】送波電圧感度と比帯域幅を説明する図である。
【図4】パターンの送波電圧感度の周波数特性であ
る。
【図5】パターンの送波電圧感度の周波数特性であ
る。
【図6】パターンの送波電圧感度の周波数特性であ
る。
【図7】パターンの送波電圧感度の周波数特性であ
る。
【図8】パターンの送波電圧感度の周波数特性であ
る。
【図9】パターンの送波電圧感度の周波数特性であ
る。
【図10】他の実施形態に係る超音波振動子の構造を示
す図である。
【図11】他の実施形態に係る超音波振動子の構造を示
す図である。
【図12】使用周波数と整合層の厚みとの関係を示した
図である。
【図13】使用周波数と整合層の厚みとの関係の他の例
を示した図である。
【図14】他の実施形態に係る超音波振動子の構造を示
す図である。
【図15】従来の超音波振動子の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 振動子本体 1a ヘッドマス 1b テールマス 1c 圧電素子 2〜5 音響インピーダンス整合層 6 振動子本体 7,8 音響インピーダンス整合層 A,B 超音波振動子
フロントページの続き Fターム(参考) 5D019 AA09 BB16 GG02 5J083 AA02 AB01 AC23 AE04 AE06 CA01 CA20 CB02 CB07 CB12 CB30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動子本体に音響インピーダンス整合層を
    設けた超音波振動子において、 前記音響インピーダンス整合層は、振動子の基本共振周
    波数fに対する波長をλとしたとき、λ/4の奇数倍の
    厚みを有する第1の整合層と、λ/8の奇数倍の厚みを
    有する第2の整合層とを備えていることを特徴とする超
    音波振動子。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の超音波振動子において、 振動子の共振周波数が、基本共振周波数fとその2倍の
    共振周波数2fの2周波であって、 周波数f,2fに対する波長をそれぞれλ1,λ2(λ1
    =2λ2)としたとき、 周波数fに対して、第1の整合層がλ1/4の奇数倍の
    厚みに設定され、 周波数2fに対して、第2の整合層がλ2/4の奇数倍
    の厚みに設定されていることを特徴とする超音波振動
    子。
  3. 【請求項3】振動子本体に音響インピーダンス整合層を
    設けた超音波振動子において、 振動子の共振周波数が、基本共振周波数fとその2
    の共振周波数2・f(n=1,2,3,…,m)を含
    み、 前記音響インピーダンス整合層は、周波数f,2f,4
    f,…に対する波長をそれぞれλ1,λ2,λ4,…とし
    たとき、λ1/4,λ2/4,λ4/4,…の奇数倍の厚
    みに設定されたm+1層の整合層を含むことを特徴とす
    る超音波振動子。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の超音波振動子において、 振動子の共振周波数が、基本共振周波数fと、共振周波
    数2・f(n=1,2,3,…,m)と、fの奇数倍
    の共振周波数(2N+1)・f(Nは自然数)とを含
    み、 音響インピーダンス整合層が、fの奇数倍の共振周波数
    に対応した整合層を有しないm+1層の整合層を含むこ
    とを特徴とする超音波振動子。
  5. 【請求項5】振動子本体がランジュバン型振動子である
    請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の超音波振動
    子。
  6. 【請求項6】振動子本体が円板型振動子である請求項1
    ないし請求項4のいずれかに記載の超音波振動子。
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