JP2003099585A - 新型車両の企画立案支援のためのコンピュータ・プログラム - Google Patents

新型車両の企画立案支援のためのコンピュータ・プログラム

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JP2003099585A
JP2003099585A JP2001285869A JP2001285869A JP2003099585A JP 2003099585 A JP2003099585 A JP 2003099585A JP 2001285869 A JP2001285869 A JP 2001285869A JP 2001285869 A JP2001285869 A JP 2001285869A JP 2003099585 A JP2003099585 A JP 2003099585A
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Masato Nishiyama
晟人 西山
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Mazda Motor Corp
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  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の目標諸元と目標性能とを十分満足す
る、或いはある程度満足する新型車両の企画を、ユーザ
が容易に立案・検証することができる新型車両の企画立
案支援のためのコンピュータ・プログラムの提供。 【解決手段】 企画立案すべき新型車両の目標諸元と目
標性能とを、ユーザがサーバ・コンピュータに入力する
に際して、個々の入力項目には、許容値(許容範囲)の
設定が可能であり、サーバ・コンピュータによる自動計
算によって新型車両の企画の妥当性が検証される際に
は、個々の許容値の範囲内において、当該目標諸元及び
目標性能とが満足される企画であるかが検証される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータを利
用したユーザの業務支援の分野に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、量産工業製品を製造する製造
業においては、新製品を量産・販売するに際して、一般
に、予め調査された市場動向等に基づいて新製品の仕様
を企画する企画部門(企画工程)、企画された新製品の
設計を行なう設計部門(設計工程)、設計された新製品
を実際に量産すべく組み立てラインの設計・編成等を行
なう生産技術部門(量産化工程)、設計・編成された組
み立てラインにおいて実際に新製品を量産する生産部門
(生産工程)等の複数の部門において、複数の作業者が
協業して時系列に業務が進められてきた。
【0003】このような量産工業製品の分野のうち、自
動車の分野においては、作業者の作業環境の改善と効率
的な生産とを両立すべく、まず、生産部門では、生産設
備への工業用ロボットや各種の組み立て支援装置等の導
入が早くから進められ、現在に至っている。
【0004】更に、近年のコンピュータ技術の発達に伴
う演算処理能力の飛躍的な進歩に応じて、生産技術部門
の前工程を担う設計部門においては、CAD(Computer
aided Design)/CAE(Computer aided Engineering)
/CAM(Computer aided Manufacturing)ソフトウエア
を利用した設計支援システムを活用することにより、車
両設計、構造解析、性能評価、生産設備の仮想シュミレ
ーション等をコンピュータ上で仮想的に行ない、従来は
実際に(物理的に存在する)モックアップや試作車両を
複数回作成して行なっていた各種の業務の効率化が図ら
れるようになった。
【0005】そして、係る設計支援システムを活用した
設計部門の業務の効率化に伴って、生産技術部門の担当
者も、新型車両の設計の思案段階から製品の設計に関与
することが容易となったことにより、後工程である量産
化工程において、生産技術部門の担当者は、設計支援シ
ステムを利用して推考された確度の高い設計情報(3次
元CAD情報等)を利用して、効率的な生産設備の編成
・構築を行なえるようになった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、自動車の
分野においては、上述したように設計部門(設計工程)
と生産技術部門(量産化工程)とによる所謂コンカレン
ト・エンジニアリングが比較的高いレベルで実現されて
おり、効率的な業務が遂行されている。
【0007】このような現在の状況に対して、前工程を
担う企画部門(企画工程)にて立案される新型車両の企
画書(仕様書)は、一般に、その新型車両が目標とする
各種の性能や諸元、コスト、並びにベンチマーク車両
(比較対象車両)との性能比較等の膨大な項目が大量の
書面に記載されたものである。このため、企画部門の担
当者は、想定した新型車両の商品コンセプトを企画書に
表現すべく、多くの時間を費やす必要がある。
【0008】また、自動車を開発・販売する企業の経営
陣(所謂、部課長職を含む)は、従来、企画部門より提
案された新型車両の企画書に基づいて、その新型車両の
開発・販売を事業として実際に行なうか否かを判断して
いるが、係る大量の書面から新型車両の企画の本質を読
み取ることは、ベテランの管理者にとっても容易なこと
ではない。
【0009】また、設計部門は、一般に、企画部門にお
いて新型車両の企画書(仕様書)が上記の如く経営陣に
よって正式に承認されるまでは、原則として、その新型
車両の量産設計に関与することが正式にはできない場合
が多い。このため、設計部門は、承認がなされた新型車
両の企画書を企画部門から受け取った段階から、その企
画書を「 絶対的な業務指示書(マスター) 」として位
置付け、具体的な設計を開始することになる。
【0010】しかしながら、設計部門が企画部門から受
け取る企画書には、新型車両の市場における商品性を高
めるべく、予想されるコストと目標性能とのアンバラン
ス、車両レイアウトの成立性、或いは目標性能とは矛盾
する仕様が含まれる場合がある。
【0011】或いは、設計部門における各部位の設計は
辛うじて完了した場合であっても、試作部門も関与した
試作車の製作段階において、例えば、思わぬところに干
渉が発見される等の事情により、企画部門と設計部門と
は、干渉箇所周辺のレイアウトについて現実的且つ大が
かりな見直しを迫られる場合もあり、最終的な試作車が
製作できるようになるまでにはかなりの時間を費やして
しまうという問題がある。
【0012】そして、これらの場合には、新型車両を市
場に出すタイミングが遅れるだけでなく、新型車両の商
品性が企画部門が本来目標としていたコンセプト(即
ち、新型車両全体としての商品性)から外れてしまう、
という切実な問題に至る。
【0013】ここで、上述した問題を招かないために
は、企画部門と設計部門とによるコンカレント・エンジ
ニアリングが可能な環境を整備することにより、既に行
われている設計部門と生産技術部門とによるコンカレン
ト・エンジニアリングと共に、新型車両の開発に携わる
全部門間における総合的なコンカレント・エンジニアリ
ング環境を実現することが考えられるが、コストパフォ
ーマンスに優れた現実的な車両設計を行なわなければな
らない設計部門が、新型車両の商品性の構築を委ねられ
ている企画部門の業務に関与することは、自動車という
商品の性格上必ずしも好ましいことではない。
【0014】従って、上述した現在の状況を鑑みると、
企画部門(企画工程)では、新型車両の企画に際して、
商品性の高さは言うまでもなく、後工程の各部門が実現
可能で、且つ完成度の高い企画書(企画情報)を、でき
るだけ短期間でまとめることが切望される。
【0015】また、企画部門の各担当者が後工程の各部
門における十分な実務知識を有していれば、実現が困難
な仕様、矛盾する仕様等が含まれる企画書が立案される
ことは回避されるが、企画部門の各担当者が全ての部門
における実務知識を駆使できるべきであると考えるのは
現実的ではない。但し、車両メーカには、既存車両の設
計・量産に際して生成された膨大な情報が既に存在して
おり、それらの情報には、各部門の車両作りのためのノ
ウハウが含まれるので、新型車両の企画や設計等にも有
効に活用されるべきである。
【0016】本発明は、上述した課題を鑑みてなされた
ものであって、所望の目標諸元と目標性能とを十分満足
する、或いはある程度満足する新型車両の企画を、ユー
ザが容易に立案・検証することができる新型車両の企画
立案支援のためのコンピュータ・プログラムの提供を目
的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る新型車両の企画立案支援のためのコン
ピュータ・プログラムは、以下の構成を特徴とする。
【0018】即ち、新型車両の企画立案支援のためのコ
ンピュータ・プログラムであって、複数の既存車両の諸
元情報と性能情報とをデータベース(図3、図4)に格
納する情報格納機能と、企画立案すべき新型車両の目標
諸元と目標性能とを、ユーザが前記コンピュータに入力
可能な入力機能(図7(a)の領域71、図7(b)の
領域72)と、前記ユーザによる企画立案を支援すべ
く、前記入力機能により入力された目標諸元及び/また
は目標性能に許容範囲を設定した状態で、その許容範囲
内で前記目標諸元及び/または目標性能を満足する新型
車両が成立するか否かを、前記データベースに格納され
た各項目の情報に基づいて算出し、算出結果を前記ユー
ザに提供する情報提供機能(図15(a)及び(b)、
図16)とを実現する動作指示をなすことを特徴とす
る。
【0019】好適な実施形態において、前記許容範囲
は、前記ユーザによって任意に設定され、前記情報提供
機能は、前記目標諸元及び/または目標性能への許容範
囲の設定を拒否する旨の設定が前記ユーザによってなさ
れた場合には、対応する情報項目への許容範囲の設定を
行なうこと無く、前記新型車両が成立するか否かを検証
すると良い。
【0020】また、好適な他の実施形態において、前記
許容範囲は、前記新型車両の目標諸元及び/または目標
性能に対して、その情報項目毎に、前記コンピュータに
よって自動的に設定され、前記情報提供機能は、前記新
型車両の目標諸元及び/または目標性能の情報項目毎に
優先順位(図20(b)の領域205)が設定されてい
る場合に、設定された優先順位が低いほど、対応する情
報項目に大きな許容範囲を設定すると良い。
【0021】また、例えば前記許容範囲には、規制値
(重量、コスト、寸法、形状、並びに他部品との干渉余
裕量等)を設定可能であると良く、好ましくは、前記情
報格納機能により、前記データベースには、前記複数の
既存車両に関して、個々の既存車両を構成する複数の既
存モジュールの諸元情報と性能情報、並びに個々の既存
モジュールを構成する複数の既存部品の諸元情報と性能
情報が、関連付けした状態で格納されており、前記規制
値は、少なくとも、前記新型車両の車両単位またはその
車両を構成する複数のモジュール単位で設定されると良
い。
【0022】尚、同目的は、上記の各構成を有する動作
指示をなすコンピュータ・プログラムが実行されるコン
ピュータ(情報処理装置)、或いは、係るコンピュータ
・プログラムが格納されている、コンピュータ読み取り
可能な記憶媒体によっても達成される。
【0023】
【発明の効果】上記の本発明によれば、所望の目標諸元
と目標性能とを十分満足する、或いはある程度満足する
新型車両の企画を、ユーザが容易に立案・検証すること
ができる新型車両の企画立案支援のためのコンピュータ
・プログラムの提供が実現する。
【0024】即ち、請求項1の発明によれば、コンピュ
ータは、ユーザ所望の目標諸元と目標性能とを十分満足
する新型車両の企画だけでなく、ある程度満足する新型
車両の企画をもユーザに提供するため、ユーザは、コン
ピュータによって提供された演算結果が満足できるもの
でない場合であっても、何がネックになっているかを容
易に認識することができるので、新型車両の企画立案業
務の効率化を図ることができる。
【0025】また、請求項2の発明によれば、ユーザ自
身が任意に許容範囲を設定することができるので、コン
ピュータの画一的な自動計算による支援処理に融通をき
かせることができるので、利便性が向上する。
【0026】また、請求項3の発明によれば、許容範囲
の設定がユーザによって拒否されている場合には、その
情報項目については本来のデータがそのまま利用される
ので、コンピュータの画一的な自動計算による支援処理
に対して、ユーザの意志を反映することができる。
【0027】また、請求項4、請求項7の発明によれ
ば、ユーザの操作負担を軽減することができる。
【0028】また、請求項5の発明によれば、設定され
た優先順位が低いほど、対応する情報項目に大きな許容
範囲が設定されるので、コンピュータの画一的な自動計
算による支援処理に対して、ユーザの意志を反映するこ
とができる。
【0029】また、請求項6の発明によれば、コンピュ
ータによって各種の情報項目に対して許容範囲が考慮さ
れた状態で自動計算が行われる際に、非現実的な結果が
算出されることを防止することができる。
【0030】また、請求項7の発明によれば、ユーザ
は、コンピュータによる演算結果を、車両レベル、モジ
ュールレベル、部品レベルで検討することができ、利便
性が向上する。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を、図
面を参照して詳細に説明する。はじめに、本発明を適用
可能なコンピュータ・ネットワークの全体構成について
説明する。
【0032】[ システム構成 ]図1は、本実施形態に
おける新型車両の企画立案支援システムを適用可能なコ
ンピュータ・ネットワークの構成を例示する図である。
【0033】同図において、車両メーカは、一例とし
て、企画部門、デザイン部門、設計・解析部門、生産技
術部門、並びに実験研究部門に大別される(尚、実際に
車両を組み立てる生産部門は、本実施形態において特徴
的なものではないので省略している)。
【0034】ここで、本実施形態における各部門の主な
業務について概説する。 ・企画部門:企画部門の担当者は、予め調査された市場
動向等に基づいて新型車両の詳細仕様を企画し、企画の
妥当性(実現性)を検討した後、企画案を車両メーカの
経営陣に提案する。 ・デザイン部門:デザイン部門の担当者は、企画部門に
よって企画された新型車両のコンセプト、性能、レイア
ウトが略決定された時点で、そのコンセプトの相応しい
当該新型車両の形状デザインを行なう。 ・設計部門:設計部門の担当者は、経営陣によって承認
された新型車両の企画書(本実施形態ではデジタル化さ
れた企画情報)に基づいて、CAD/CAE/CAM等
の作業支援ソフトウエア・プログラムを利用して、新型
車両の具体的な設計(量産設計)を行なう。 ・解析部門:解析部門の担当者は、設計部門にて設計さ
れた新型車両の設計情報を、各種のシュミレーション・
ソフトウエア・プログラムを利用して仮想的に解析する
ことにより、対象となる新型車両の性能や構造等につい
ての検証を行なう。 ・試作部門:試作部門の担当者は、設計部門において設
計された設計情報に従って、試作車両を製作する。 ・実験研究部門:実験部門の担当者は、試作部門によっ
て製作された試作車に関する各種の実験を、実験装置4
等を利用して行なう。 ・生産技術部門:設計部門によって設計された新型車両
を実際に量産できるように、組み立てラインの編成や生
産設備の設計・構築等を行なう。
【0035】尚、サプライヤは、各種部品やモジュール
(ユニット)を車両メーカに納入する。
【0036】上述した各部門には、パーソナル・コンピ
ュータ等のユーザ端末2が配備されている。個々のユー
ザ端末2は、通信ネットワーク5によって情報の送受信
が可能に接続されており、通信ネットワーク5には、更
に、外部のサプライヤ(部品等の納入業者)に配備され
ているユーザ端末2が接続されている。
【0037】また、データベース3には、既存車両に関
する各種の情報が格納されており、通信ネットワーク5
を介して、各部門のユーザ端末2がアクセス可能である
(詳細は後述する)。
【0038】そして、サーバ・コンピュータ1は、例え
ば企画部門の管理下に置かれており、当該企画部門のユ
ーザ端末2による操作に応じて、データベース3に記憶
されている各種情報を参照しならが、オペレータ(企画
部門の担当者)による新型車両の企画立案を支援する
(詳細は後述する)。
【0039】尚、図1に例示したシステム構成を実現す
る個々の装置の構成及びその通信手順自体は、現在では
一般的であるため、本実施形態における詳細な説明は省
略する。
【0040】[ 業務フロー ]次に、上述したシステム
構成を利用して、本実施形態において実現する特徴的な
業務の流れについて説明する。
【0041】図2は、本実施形態における新型車両の企
画業務から生産技術業務に至る業務フローを概念的に示
す図であり、本実施形態において、新型車両の企画が開
始されてから、試作車両の製作及び車両評価試験を経
て、量産が開始されるまでの各部門による業務は、同図
に示すように、大別して、「第1ステップ」と「第2ス
テップ」とからなる。
【0042】<第1ステップ>まず、第1ステップにお
いて、企画部門の担当者は、予め調査された市場動向等
に基づいて構築した新型車両の商品コンセプトに従っ
て、サーバ・コンピュータ1による企画立案支援処理を
利用することにより、データベース3に格納されている
複数種類の既存車両に関する情報を参照しながら、企画
対象の新型車両の詳細仕様を企画し、企画の妥当性(実
現性)を検証する。妥当性の検証業務は、サーバ・コン
ピュータ1による検証結果において実現可能であると判
断されるまで、設定事項を調整しながら、企画部門にお
いて、再帰的に、繰り返し行なわれる(詳細は後述す
る)。
【0043】デザイン部門の担当者は、企画部門によっ
て企画された新型車両のコンセプト、性能、レイアウト
が概ねまとまった時点で、ユーザ端末2を利用して、そ
のコンセプトの相応しい当該新型車両の3次元形状デザ
インを開始する。
【0044】企画部門による検証によって実現性が確認
された新型車両の企画情報(デジタル情報のデータファ
イル群)は、車両メーカの経営陣に提案される。
【0045】車両メーカの経営陣(所謂、部課長職を含
む)は、企画部門から提案された新型車両の企画情報を
参照すると共に、必要に応じて、データベース3に格納
されている各種情報を参照しながら、当該新型車両の生
産・販売を実際に行なうか否かを、商品性、スケジュー
ル、予算、設備等の観点から総合的に判断する。判断に
際しては、必要に応じて、企画部門に対する改善要求が
なされ、その場合、企画部門では、その改善要求に基づ
く企画情報の改訂が行われ、改訂された企画情報が改め
て経営陣に提案される。
【0046】このような承認業務を経て承認決定がなさ
れた新型車両の企画情報は、「 絶対的な業務指示書
(マスター) 」として位置付けられ、企画部門の後工
程を担う設計部門、解析部門等の各部門に正式に配布さ
れる。
【0047】設計部門の担当者は、設計指示として受け
取った企画情報に基づいて、CAD/CAE/CAM等
の作業支援ソフトウエア・プログラムを利用して、新型
車両の具体的な設計(量産設計)を開始する。企画情報
には、データベースに既に格納されている既存車両に関
する情報が含まれる、或いは関連付けされているので、
設計部門では、最小限の工数で、新型車両の3次元形状
を表わすソリッドモデル等の詳細設計を行なうことがで
きる。
【0048】そして、解析部門の担当者は、設計部門に
おける量産設計がある程度進んだ時点で、各種のシュミ
レーション・ソフトウエア・プログラムを利用して、対
象となる新型車両の性能や構造等について仮想的な解析
を行なうと共に、量産設計情報の精度の向上を図る。
【0049】また、デザイン部門にて生成された当該新
型車両の形状デザインは、新型車両の企画情報とは別
途、車両メーカの経営陣による承認業務を経て、承認決
定がなされた新型車両の形状デザインを表わす形状情報
は、デザイン部門の後工程を担う試作部門等の各部門に
正式に配布される。
【0050】<第2ステップ>第2ステップにおいて、
試作部門の担当者は、設計部門における量産設計が略ま
とまった時点で、設計部門によって設計された新型車両
の設計情報(3次元CAD情報等)を利用して、試作車
両を製作する。製作された試作車両には、実験研究部門
の担当者により、各種の評価試験及びその試験結果の収
集が行われる。試作車両の評価試験における試験結果
は、設計部門によって量産車両の設計情報に反映され
る。
【0051】また、生産技術部門の担当者は、設計部門
における量産設計が略まとまった時点で、設計部門によ
って設計された新型車両の設計情報(3次元CAD情
報)に従って、CAD/CAE/CAM等の作業支援ソ
フトウエア・プログラムを利用して、組み立てラインに
おける生産の作業性、作業能力、作業編成のシュミレー
ション等を開始する。
【0052】このとき、設計・解析部門、生産技術部
門、並びに試作・実験研究部門では、各種の作業支援ソ
フトウエア・プログラム及びシュミレーション・ソフト
ウエア・プログラムを利用して業務が行われるので、設
計部門から後工程(生産技術部門)に当初渡される設計
情報は、細部の寸法設計等の作り込み(コンフィグレー
ション)が行われていない暫定的な情報であったとして
も、係る後工程の部門は、担当業務の検討を開始するこ
とができ、必要に応じて、設計部門に対する改善を要求
することもできる。改善要求がなされた場合、設計部門
では、その改善要求に基づく設計情報の改訂が行われ、
改訂された設計情報が改めて後工程の各部門に渡され
る。
【0053】本実施形態において、企画部門から提供さ
れた企画情報は、データベース3に格納されている既存
車両に関する各種の情報に基づく確度の高い情報である
(詳細は後述する)。このため、第2ステップにおいて
は、図2に概念的に示すように、設計・解析部門、生産
技術部門、並びに試作・実験研究部門の協業(コラボレ
ーション)により、量産設計の最適化が行なわれるが、
この間、企画部門(第1ステップ)にて先に生成された
企画情報が実質的に変更されることは無い。
【0054】そして、第2ステップにおいて最適化され
た新型車両の設計情報(ソリッドモデル等の3次元CA
D情報)は、量産用のプロダクト・モデルとして扱わ
れ、図2には不図示の後工程(生産工程)では、この最
終的な設計情報に従って、実際の量産が開始される。
【0055】尚、第2ステップにおけるコラボレーショ
ンを実現する具体的な手段については、一般的な設計技
術手法やシュミレーション技術を採用するものとし、本
実施形態における詳細な説明は省略する。
【0056】また、第2ステップにおいては、新型車両
の量産設計情報、各種の解析結果、車両評価試験の結果
等の各種情報が、設計部門、解析部門、試作・実験研究
部門、並びに生産技術部門によってデータベース3に登
録され、これにより、データベース3は、現実の最新情
報によって更新される。更に、データベース3には、外
部のサプライヤに配置されたユーザ端末2により、車両
メーカに納入すべき部品またはモジュールの納期、生産
ロット、コスト(金額)等の情報が登録される。
【0057】[ データベース3 ]次に、データベース
3に格納される複数の既存車両に関する情報について具
体的に説明する。
【0058】図3は、本実施形態においてデータベース
3に格納される各種の情報を概念的に例示した図であ
る。
【0059】同図に示すように、データベース3の内部
には、 ・複数種類の既存車両に関して、車両レベルの諸元情報
及び性能情報、 ・個々の既存車両を構成する複数種類のモジュールレベ
ル(例えば、パワートレーンモジュール、シャシー等)
の諸元情報及び性能情報、 ・個々の既存モジュールを構成する複数種類の部品レベ
ルの諸元情報及び性能情報、 ・既存車両、既存モジュール、並びに既存部品のコスト
情報、 ・既存車両、既存モジュール、並びに既存部品の3次元
設計情報(3次元形状及びその寸法情報、並びに各種の
属性情報等が含まれるソリッドモデル等の3次元CAD
情報)、 ・既存車両を購入した顧客に関する情報、 ・既存車両を購入した顧客からの意見や苦情等の評価情
報、 ・同業他社メーカが販売している既存車両としてのベン
チマーク車両(比較対象車両)に関する車両レベルの諸
元情報及び性能情報、等の各種項目の情報(レコード)
が互いに関連付けされた状態で格納されている。これら
の各種情報は、参照(再利用)を効率良く且つ容易にす
べく、車両レベル、モジュールレベル、部品レベルなる
3階層の分類によって体系立てられた状態で管理され
る。ここで、諸元とは、寸法や性能を表わす数値情報で
ある。
【0060】上述した各種項目の情報が格納されている
データベース3には、SQL(Structured Query Langu
age)等で記述された一般的なリレーショナル・データ
ベース(RDB)を採用することができる。
【0061】本実施形態において、データベース3に格
納された車両に関する各種の情報は、図2を参照して説
明したように、その車両の開発時に、設計部門、解析部
門、試作・実験研究部門、並びに生産技術部門によって
登録された情報、外部のサプライヤによって登録された
情報であり、顧客に関する情報、並びに顧客からの評価
情報は、販売店やユーザによって登録されたものであ
る。より具体的には、各部門やサプライヤに配置された
ユーザ端末2において設定された情報は、通信ネットワ
ーク5を介して、データベース3に格納される。データ
ベース3は、例えばサーバ・コンピュータ1の管理下に
あり、その場合、外部より受信した情報の格納動作は、
サーバ・コンピュータ1によって制御される。
【0062】図4は、本実施形態においてデータベース
3に格納される個々のレコードのデータフォーマットを
例示する図であり、車両レベル、モジュールレベル、部
品レベルの3階層の分類のうち、最小単位である部品レ
ベルの情報を例示している。
【0063】即ち、同図には、既存部品に関する複数の
レコードのうち、複数種類の既存車両に既に採用されて
いる、或いは採用可能な複数種類のタイヤのレコードと
して、そのタイヤが採用される車両の「ジャンル」及び
「セグメント」、「シャーシ系」、「配置規制条件」、
「生産・納期情報」、並びに諸元情報として「サイズ」
及び「規格」、性能情報として「乗り心地」及び「操縦
安定性(操安性)」の評価点が示されている。
【0064】ここで、「ジャンル」は、車両の用途や運
動性能を表し、本実施形態では、セダン、ワゴン、クー
ペ等の分類がある。「セグメント」は、車両の大きさ
と、エンジンの排気量(電動機を使用する車両における
当該電動機の出力を含む)とを含む車格を表し、本実施
形態では、A,B,C等の記号で表される。
【0065】また、「配置規制条件」は、後述するレイ
アウトの検討段階において既存部品を配置する際の配置
場所の規制条件を示す情報である。「生産・納期情報」
は、既存部品の生産ロットや納入期日等の情報である。
【0066】図4に示す各タイヤについての上記の各情
報項目のうち、「ジャンル」及び「セグメント」は、対
象であるタイヤが採用されている既存車両との車両レベ
ルの関連付けを表わす情報である。「シャーシ系」は、
対象であるタイヤが採用されている既存モジュールとの
モジュールレベルの関連付けを表わす情報であり、型式
XX、型式YY、・・・は、その識別情報である。尚、
車両レベルの関連付けを表わす情報には、個々の既存車
両を特定する車両型式を利用または併用しても良い。
【0067】従って、データベース3をモジュールレベ
ルで参照する際には、ある既存モジュールを特定する識
別情報(型式等)を検索キーとして、その既存モジュー
ルを構成する複数種類の既存部品のレコードが抽出され
る。また、データベース3を車両レベルで参照する際に
は、ある既存車両を特定する識別情報(ジャンル及びセ
グメント、或いは車両型式)を検索キーとして、その既
存車両を構成する複数種類の既存モジュール、及びそれ
ら既存モジュールに関連付けされている複数種類の既存
部品のレコードが抽出される。
【0068】本実施形態において、性能情報の評価単位
は、データベース3の3階層の管理体系に対応して、車
両レベル(車両全体)、その車両を構成するモジュール
レベル、並びに1つのモジュールを構成する部品の3つ
の階層に分類されている。それらレベルに属する各種項
目の性能情報には、共通の尺度である標準化された評価
点(評価値)が予め格納されており、本実施形態では、
一例として、最も一般的な10点満点(0点〜10点)
で表されている。本実施形態では、複数種類の既存車両
の設計・解析・車両評価試験・生産に際して生成された
膨大な情報を、このような体系でデータベース3に格納
しておき、それらの情報に有形無形に含まれる各部門の
車両作りのためのノウハウを、新型車両の企画立案作業
に有効に活用する。
【0069】サーバ・コンピュータ1は、新型車両の企
画支援を実行するに際して、予めメモリに格納されてい
るソフトウエア・プログラムに従って、データベース3
にアクセス可能である。また、各部門(サプライヤを含
む)に配置されたユーザ端末2のオペレータ(ユーザ)
は、予め設定されている許容範囲内で、データベース3
に格納されている情報の追加、更新、或いは削除等のメ
ンテナンスを行なうことができる。
【0070】[ 新型車両の企画立案支援処理 ]次に、
企画部門の担当者が新型車両の企画立案に際して利用す
る企画立案支援処理について具体的に説明する。この支
援処理は、ユーザ端末2におけるオペレータの操作に応
じて、サーバ・コンピュータ1のCPU(不図示)が記
憶媒体(ハードディスク装置等)に予め記憶されている
プログラムを実行することにより、上述したデータベー
ス3を参照しながら実現される。
【0071】図26は、本実施形態においてサーバ・コ
ンピュータ1が行なう新型車両の企画立案支援処理の概
要を示すフローチャートであり、所定の識別情報(I
D)を有する企画部門の担当者がユーザ端末2にログイ
ンすることによって開始される。
【0072】尚、以下の説明においては、サーバ・コン
ピュータ1により、ユーザ端末2のディスプレイに所定
の入力項目を有する各種の画面を表示する機能、表示さ
れた画面の入力項目に設定された情報をユーザ端末2か
ら取得する機能、並びに所定の検索キーによってデータ
ベース3を検索し、必要な情報を取得する機能等は、一
般的な手順を採用するものとし、本実施形態における詳
細な説明は省略する。
【0073】図26において、ステップS1:図5
(a)に示すメニュー画面がユーザ端末2のディスプレ
イに表示され、このメニュー画面において、「各種デー
タ参照」のソフトウエア・ボタン(以下、ボタンと略称
する)53が選択された場合には、データベース3に格
納されている各種の情報を、ログイン中のユーザ端末2
(以下、単にユーザ端末2と記載する)において参照す
ることができる。
【0074】また、図5(a)に示すメニュー画面にお
いて、「新規に企画」のボタン51が選択された場合に
は、図5(b)に示すメニュー画面が表示され、「企画
車両のファイル」のボタン52が選択された場合には、
既にサーバ・コンピュータ1に記憶されている新型車両
の企画情報を選択することができ、選択が行なわれる
と、図5(b)に示すメニュー画面が表示される。
【0075】次に、図5(b)に示すメニュー画面にお
いて、「企画開始」のボタン55が選択された場合には
後述するステップS3に進み、「性能特化車両の企画検
索」のボタン56が選択された場合には後述するステッ
プS4に進み、「規制上下限設定」のボタン58が選択
された場合には後述するステップS2に進む。尚、この
メニュー画面においても、「各種データ参照」のボタン
57が選択された場合には、データベース3に格納され
ている各種の情報を、ユーザ端末2において参照するこ
とができる。
【0076】ステップS2:図5(b)に示すメニュー
画面において「規制上下限設定」のボタン58が選択さ
れた場合には、規制上下限設定処理が起動し、この処理
によって、まず、図6(a)に示すメニュー画面が表示
される。
【0077】表示されたメニュー画面では、ユーザ端末
2のオペレータにより、新型車両の企画立案を行なうに
際して、その新型車両が絶対に満足しなければならない
必須条件の設定が行われる。
【0078】図6(a)に示すメニュー画面の領域61
には、企画を立案しようとしている新型車両の車両レベ
ルの必須条件として、車両サイズ、エンジン性能、部材
費(積算値)、重量、並びに車両形状等の項目が表示さ
れており、オペレータは、必須条件を設定しようとする
項目の選択操作を行なうことによってその項目に関する
条件設定画面用のサブ画面(不図示)を展開し、対応す
る必須条件を設定する。
【0079】また、オペレータが新型車両の車両レベル
の必須条件だけではなく、その新型車両を構成するモジ
ュールレベルの必須条件の設定を希望する場合には、図
6(a)に示すメニュー画面において、「モジュールレ
ベル設定」のボタン63が選択されることにより、図6
(b)に例示するようなメニュー画面が表示される。同
図に例示する領域62には、モジュールの一例として、
サスペンションについての部材費と重量、他部品との干
渉余裕量等がオペレータによって設定された状態が表示
されている。
【0080】ユーザ端末2のオペレータは、少なくとも
新たな新型車両の企画立案を開始する際には、ステップ
S3またはステップS4の企画処理によって実際に企画
立案を開始するのに先立って、上記の如く企画対象の新
型車両に関する必須条件をステップS2にて設定する必
要がある。
【0081】ステップS3:目標性能及び目標諸元に基
づく新型車両の企画処理では、ユーザ端末2を介してオ
ペレータによって設定された企画対象の新型車両に関す
る目標性能及び目標諸元に基づいて、データベース3に
格納されている既存車両に関する情報を参照しながら、
それら目標性能及び目標諸元を満足する新型車両の企画
(仕様)が立案される(詳細は図27を参照して後述す
る)。ユーザ端末2のオペレータは、予め立案した商品
コンセプトに合致する新型車両の企画が得られるまで、
入力情報を適宜調整しながら、サーバ・コンピュータ1
に対して、係る企画処理を繰り返し実行させる。
【0082】ステップS4:性能特化車両の企画処理で
は、複数の性能項目のうち、ある性能項目についてオペ
レータによって設定された所望の目標性能を満足する性
能特化車両を実現するための車両全体の企画(仕様)が
立案される(詳細は図28を参照して後述する)。ユー
ザ端末2のオペレータは、予め立案した商品コンセプト
に合う性能特化車両の企画が得られるまで、入力情報を
適宜調整しながら、サーバ・コンピュータ1に対して、
係る企画処理を繰り返し実行させる。
【0083】このように、図26に示す企画立案支援処
理は、大別して、規制上下限設定処理(ステップS
2)、目標性能及び目標諸元に基づく新型車両の企画処
理(ステップS3)、並びに性能特化車両の企画処理
(ステップS4)の3種類の処理によって構成さてお
り、オペレータは、設定を適宜変えながら、所望の処理
を繰り返し行なうことができる。
【0084】以下、上記の如く概説したステップS3及
びステップS4の処理について詳細に説明する。
【0085】<目標性能及び目標諸元に基づく新型車両
の企画処理>目標性能及び目標諸元に基づく新型車両の
企画処理について、図7乃至図21、並びに図27を参
照して説明する。
【0086】図27は、本実施形態においてサーバ・コ
ンピュータ1が行なう新型車両の企画立案支援処理のう
ち、目標性能及び目標諸元に基づく新型車両の企画処理
(ステップS3)の詳細を示すフローチャートである。
【0087】同図において、ステップS21:図18
(a)に示すメニュー画面が表示され、本ステップで
は、新型車両が成立するか否かを検証する際に参照され
るべき各種の検証条件を、オペレータが、必要に応じて
サーバ・コンピュータ1に対して設定する。図18
(a)に示すメニュー画面において、「関連付け・プラ
イオリティ評価基準・調整」のボタン183が選択され
た場合には、図18(b)に示すメニュー画面が表示さ
れる。
【0088】そして、図18(b)に示すメニュー画面
において、「関連付け設定」のボタン184が選択され
た場合には、更に、図19(a)に示す関連付け設定の
ためのメニュー画面が表示され、このメニュー画面に表
示された複数種類の性能項目に関して、オペレータは、
関連付けの設定状態を変更することができる。
【0089】例えば、図19(a)に示すメニュー画面
において、「操縦安定性」のボタン191が選択された
場合には、図19(b)に例示するような画面が表示さ
れる。この画面の領域195には、サーバ・コンピュー
タ1がデータベース3を検索する際の現時点における関
連付けの設定状態として、選択された性能項目である
「操縦安定性(操安性)」に関して、その操安性を司る
複数の性能項目及び諸元項目が表示されている。これら
複数の性能項目及び諸元項目は、上述した如く車両レベ
ル、モジュールレベル、並びに部品レベルでデータベー
ス3に格納されている各レコードに含まれる情報項目で
ある。オペレータは、「追加と削除」のボタン196を
操作することにより、このとき表示される複数の性能項
目及び諸元項目の編集が可能である。
【0090】また、図18(b)に示すメニュー画面に
おいて、「プライオリティ設定」のボタン185が選択
され、図20(a)に示すプライオリティ設定のための
メニュー画面が表示された場合には、このメニュー画面
の領域201に表示された複数種類の性能項目に関し
て、オペレータは、プライオリティの設定状態を変更す
ることができる。
【0091】そして、図20(a)に示すメニュー画面
において、例えば「操縦安定性」のボタンが選択された
場合には、図20(b)に例示するような画面が表示さ
れる。
【0092】図20(b)に例示する画面の領域205
には、選択された性能項目である操安性に関して、その
操安性を司る複数の性能項目及び諸元項目毎に、サーバ
・コンピュータ1がデータベース3を検索する際の現時
点におけるプライオリティの設定状態が表示されてお
り、オペレータは、表示されたプライオリティの設定
を、プライオリティの重複を許容して変更可能である。
【0093】図20(b)に示す設定画面において設定
された優先順位は、図7(a)及び図7(b)に示す設
定画面においてオペレータが性能項目及び諸元項目毎に
設定可能な許容値(許容範囲)と共に、新型車両が成立
する可能性を表わす情報の演算に際してサーバ・コンピ
ュータ1によって考慮される。これにより、検証結果の
演算にユーザの希望を反映することができると共に、ユ
ーザに対する検証結果の提供が不能になることを最小限
にすることができる(詳細は後述する)。
【0094】また、図20(b)に示す詳細設定の欄2
06には、操安性を司る複数の性能項目及び諸元項目毎
に、後述する検証結果算出のためのゲイン(係数)が表
示され、オペレータは、表示されたゲインを変更するこ
とができる。
【0095】上述したように、本実施形態において、デ
ータベース3に格納されている各項目の性能情報は、評
価点(評価値)として格納されており、検証結果の算出
に際しては、必要な項目の性能情報を、個々の評価点と
して扱う。しかしながら、各項目の性能情報がされた評
価点は、性能項目によって車両全体の性能に寄与する度
合いが大きく異なる。そこで、本実施形態では、検証結
果算出のためのゲインを、図20(a)及び図20
(b)に例示する画面においてオペレータが調整可能に
構成している。これにより、例えば、性能項目の一例と
して操安性の総合評価点TEを、その操安性を司る複数
項目の評価点Enの加算によって算出する場合に、ゲイ
ン調整が行なえない場合にはTE=E1+E2+・・・
+Enとなるところ、評価点Enに対するゲインKnを
利用して、TE=K1×E1+K2×E2+・・・+K
n×Enなる演算とすることができるので、現実的な検
証が行なえる。
【0096】また、図18(b)に示す設定画面におい
て、「評価指標設定」のボタン186が選択された場合
には、更に、図21に示す評価指標の設定画面が表示さ
れ、このメニュー画面に表示された既存部品または既存
モジュールに関する複数の性能項目の評価点及び諸元項
目の数値の編集が可能である。図21に示す例では、デ
ータベース3に登録されている既存部品のうち、オペレ
ータの選択操作に応じて、あるタイヤに関する画面が表
示されており、同画面に含まれる左右の矢印がオペレー
タによって操作されるのに応じて、表示中のタイヤとは
異なる他のタイヤの評価指標が表示される。
【0097】また、図18(a)に示すメニュー画面に
おいて、「比較対象車両設定」のボタン181が選択さ
れた場合には、更に、企画検証時にデータベース3から
参照される比較対象車両の設定のための選択画面(不図
示)が表示され、この選択画面に表示された複数種類の
比較対象車両の中から、オペレータは、所望の比較対象
車両を設定することができる。
【0098】また、図18(a)に示すメニュー画面に
おいて、「生産ライン」のボタン182が選択された場
合に、オペレータは、企画対象の新型車両が実際に生産
(量産)される際に利用される生産ラインを選択するこ
とができる。サーバ・コンピュータ1は、企画検証のた
めの演算を実行するに際してデータベース3を参照する
場合に、オペレータによって選択された生産ラインでは
実現できない既存モジュールや既存部品は参照範囲から
除外する。
【0099】ステップS22:図7(a)に示す設定画
面の領域71において、企画対象の新型車両において車
両レベルで実現したいと考えている各種の目標諸元がオ
ペレータによって入力される。本ステップにおいて入力
されるべき目標諸元の項目としては、同図に例示されて
いる駆動方式、ジャンル、セグメント、サイズ(全長、
全幅、全高)、重量等の他に、室内長、室内幅、室内
高、最低地上高、乗車人員、最小回転半径、ホイールベ
ース、トレッド等の項目を設定する必要がある。
【0100】個々の項目に目標諸元を入力する際には、
目標値及びその許容値(許容範囲)を、目標評価点(1
0点満点)にて設定する必要がある。本実施形態におい
て、オペレータによって許容値が設定されない、或いは
0(ゼロ)が設定された場合、サーバ・コンピュータ1
は、対応する項目の目標値がオペレータにとって絶対的
な位置付けがあると判断し、後述するステップS26に
おける演算処理では、その目標値には許容範囲を与える
ことなく、その目標値のままで演算を行なう。このよう
に、ユーザ自身が任意に許容範囲を設定することができ
るので、サーバ・コンピュータ1の画一的な自動計算に
よる支援処理に融通をきかせることができるので、利便
性が向上する。
【0101】また、図7(a)に示す設定画面の領域7
1において、オペレータは、目標値に対する所望の許容
値を具体的に設定する代わりに、プライオリティランク
を設定することができる。プライオリティランクには、
数種類(A、B、C等)が予め用意されており、オペレ
ータは、各項目について何れかを選択することができ
る。サーバ・コンピュータ1の内部において、個々のプ
ライオリティランクには、対応する許容範囲が予め設定
されており、例えば、ある目標値を中心とする+方向及
び−方向の許容範囲の幅は、A<B<C<・・・なる関
係に設定されている。
【0102】ステップS23:図7(b)に示す設定画
面の領域72において、企画対象の新型車両において車
両レベルで実現したいと考える複数項目の目標性能がオ
ペレータによって入力される。本ステップにおいて入力
されるべき目標性能の項目としては、同図に例示されて
いる操安性、乗り心地、動力性能、燃費等がある。個々
の項目に目標性能を入力する際には、上述したデータベ
ース3に評価点にて格納されている各種の性能項目に合
わせて、新型車両において実現しようとする目標性能を
表わす値として、目標点数及びその許容値(許容範囲)
を、上述した図7(a)の場合と同様に、目標評価点
(10点満点)にて設定する必要がある。また、ターゲ
ット欄には、各目標性能を複数の既存車両(比較対象車
両を含む)の集団の中でもトップクラスに位置付ける
「リーダ」、または複数の既存車両集団の中で平均的な
クラスに位置付ける「アマング」を設定することができ
る。例えば「リーダ」は、概ね8点以上の評価点であ
り、「アマング」は、6点乃至7点程度の評価点に相当
する。
【0103】ステップS24:図7(b)に示す設定画
面において、「詳細入力(モジュールレベル)」のボタ
ン73が選択された場合は、図8(a)に示すモジュー
ルレベルの目標性能設定画面が表示される。この画面で
は、企画対象の新型車両を構成する複数種類のモジュー
ルのうち、「シャシー関連」のモジュールに目標性能を
設定する際の状態が例示されており、フロント&リアサ
スペンションとして、オペレータの入力操作により、デ
ータベース3に格納されている評価点6.5点の既存部
品が、キャリオーバ部品として設定され、その6.5点
の評価点に対する改善目標として、領域81には、操安
性に+1点、乗り心地に+0.5点が入力されいる(キ
ャリオーバ部品の選択操作についてはステップS25と
して後述する)。
【0104】但し、このとき、その変更後の評価値の妥
当性が、データベース3に記憶されているところの、対
応する項目の過去の評価値の改善度合いに基づいて判断
され、妥当でないと判断された場合には、その旨がオペ
レータに報知される。例えば、過去の複数回の設計更新
が行われる度に、平均して+0.5点の評価点の改善が
なされていた事実に対して、企画対象の新型車両では、
現在の評価点に対して、+1.5点という改善目標が設
定された場合は、一般的には実現が困難であると予想さ
れるので、係る場合には、その旨がオペレータに報知さ
れる。
【0105】このように、本実施形態では、後工程を担
う設計部門の担当者が実現することが困難な評価値をユ
ーザ(企画部門の担当者)が設定した場合には、その旨
が報知されるので、非現実的な新型車両の企画が立案さ
れることを未然に防止することができるので、既存車両
の諸元情報及び性能情報を利用することによる企画検証
の精度の高さと、企画対象の新型車両を設計部門が実際
に設計開発する際に予想される技術的な進歩の度合いと
を、バランス良く両立できる。
【0106】ここで、キャリオーバ(carry-over)部品と
は、企画対象である新型車両においても採用を希望する
既存部品であって、3次元形状及びその寸法情報、並び
に各種の属性情報等が含まれるソリッドモデル等の3次
元CAD情報が既にデータベース3に格納されている。
複数のキャリオーバ部品(既存部品)によって構成され
る一機能単位は、キャリオーバ・モジュールと称する。
【0107】また、図8(a)に示すモジュールレベル
の目標性能設定画面では、オペレータの入力操作によ
り、上記のフロント&リアサスペンションと共に使用さ
れるタイヤが設定されている。更にこの画面では、4W
S、パワーステアリング、ABS等の設定の要否も設定
することができる。
【0108】また、ステップS24では、図8(b)に
示す設定画面において、複数種類のモジュールに関する
目標項目の中でも新型車両の運動性能を決定付ける重要
なモジュールとして、パワートレーンに対する目標性能
の設定が可能である。この設定画面において、オペレー
タは、既存部品(既存モジュール)としてデータベース
3に登録されている複数種類のエンジン及び変速機等の
中から所望のものを選択することができる。
【0109】データベース3に記憶されている既存部品
(既存モジュール)のレコードには、現時点における能
力(実力)を示す情報として、性能項目の評価点或いは
諸元項目の実力値が関連付けされている。そこで、本ス
テップにおいて、オペレータは、選択したエンジン及び
変速機等の所望の既存部品(既存モジュール)に対し
て、設計部門による新型車両の設計において達成を希望
する評価値の改善目標(既存部品等の現在の能力から改
善を希望する程度)を、図8(b)に示す設定画面の領
域85において設定することができる。但し、このと
き、その変更後の評価値の妥当性が、データベース3に
記憶されているところの、対応する項目の過去の評価値
の改善度合いに基づいて判断され、妥当でないと判断さ
れた場合には、その旨がオペレータに報知される。これ
により、既存車両の諸元情報及び性能情報を利用するこ
とによる企画検証の精度の高さと、企画対象の新型車両
を設計部門が実際に設計開発する際に予想される技術的
な進歩の度合いとを、バランス良く両立できる。
【0110】ステップS25:ステップS24において
モジュールレベルで目標性能を設定する際には、図9に
示すキャリオーバ設定画面の領域91において、企画対
象の新型車両に採用を希望する既存部品または既存モジ
ュールを選択することができる。即ち、この画面におい
て、「既存車両の選択」ボタンの操作によってデータベ
ース3に登録されている何れかの既存車両がオペレータ
によって選択されると、対応する既存車両の設計情報で
あるソリッドモデル等を利用して、その既存車両の3次
元形状のモデルがユーザ端末2のディスプレイに表示さ
れる。オペレータは、ディスプレイに表示された3次元
形状のモデルの中から、その既存車両を構成する既存部
品または既存モジュールを、図10及び図11に例示す
るように、例えばマウス等のポインティングデバイスを
用いた選択操作により、新型車両にて採用するキャリオ
ーバ部品またはキャリオーバモジュールとして選択する
ことができる。
【0111】図10及び図11は、オペレータによって
キャリオーバ設定がなされた状態の既存車両の3次元形
状のモデルを例示する図であり、同図では、キャリオー
バ設定がなされなかった部分がハッチングで、同設定が
なされた部分が白抜きで表示されている。
【0112】図9に示すキャリオーバ設定画面において
選択された既存部品または既存モジュールは、企画対象
の新型車両に採用された場合にも、そのままの状態(設
計)で流用されることが前提となるので、本システムに
おいても、図8(a)に例示したように少々の改善目標
のマニュアル設定は許容されるものの、原則として、キ
ャリオーバ設定された既存部品または既存モジュールの
性能情報や諸元情報が、オペレータによる操作または企
画検証のための演算に際して大きく更新されることは制
限される。
【0113】ステップS26:企画対象の新型車両につ
いての車両レベル及びモジュールレベルの目標性能及び
目標諸元が上述した各ステップにおいて設定された段階
で、オペレータは、図12に示す表示画面を利用して、
新型車両の企画検証を行なうことができる。設定された
目標性能及び目標諸元に基づいて算出された検証結果
は、ユーザ端末2のオペレータに提示される。
【0114】図12に示す表示画面において、「企画車
両イメージ」のボタン121が操作された場合には、上
述した各ステップにて設定された目標性能及び目標諸元
に基づいて、企画対象の新型車両を表わすグラフィック
が、ユーザ端末2のディスプレイに表示される。
【0115】但し、このとき表示される車両の形状に
は、その車両特有の意匠(形状デザイン)が施されてい
る訳ではなく、図7(a)の設定画面において設定され
た当該新型車両のジャンル及びセグメントによって概ね
決定される占有空間の形状に対して、同設定画面におい
て設定されたサイズ情報が反映された車両形状がベース
となり、そのベースとなる車両形状(簡易ボディ)に対
して、選択された既存モジュール(キャリオーバモジュ
ールを含む)や既存部品等が配置された程度のグラフィ
ックである。ベースとなる車両形状に対する既存モジュ
ールや既存部品の配置に際しては、図4に例示する如く
データベース3に記憶されているところの、個々の既存
部品及び既存モジュールで関連付けされている配置規制
条件が参照される。
【0116】より具体的には、先に設定された車両のジ
ャンル、セグメント、並びにサイズに基づいて決定され
る簡易ボディに対して、各種の既存モジュールの3次元
設計情報を利用して、同一の座標空間上に、車両を構成
する主なコンポーネントが、データベース3に関連付け
された状態で記憶されている配置規制条件に従って自動
的に配置される。このとき、各種の既存モジュールの3
次元設計情報は、そのまま利用されるのではなく、例え
ば個々のコンポーネントを立方体や円筒等の3次元の箱
レベルで配置・移動すべく、係る設計情報に含まれる外
形寸法(縦、横、高さ)、並びに重心位置の情報が利用
される程度であり、例えばソリッドモデル等として表現
された各部位の詳細な設計形状、属性情報等は使用され
ることはない。
【0117】但し、既存モジュールがキャリオーバモジ
ュールとして利用される場合には、企画対象の新型車両
においても現在の設計のままで流用されることが前提な
ので、その既存モジュールの3次元設計情報をそのまま
利用し、配置変更を規制することにより、経済性の高い
新型車両の企画を容易に行なうことができるように構成
すると良い。
【0118】簡易ボディに自動的に配置されるコンポー
ネントは、タイヤ、サスペンションモジュール、エンジ
ンモジュール、ステアリングホイール、シート、計器パ
ネル、燃料タンク等の主要なコンポーネントであり、そ
れらに関連付けされている配置規制条件に従って、簡易
ボディに対して自動的に配置される。
【0119】例えば、簡易ボディに対する自動的な配置
に際して、タイヤであれば、タイヤハウスの中心位置
に、そのタイヤの重心が位置することが配置規制条件と
なり、エンジンモジュールであれば、第nフロントメン
バから**mm後方の位置に配置すること等が配置規制
条件となる。この場合に表示されるグラフィックは、企
画部門の担当者であるオペレータが、企画の妥当性を判
断するためのものなので、係る配置規制条件を満足する
ことができる場合には、個々の既存モジュールや既存部
品が少々干渉することは許容して、配置が行われる。
【0120】これにより、必要最小限のレイアウトの成
立性をユーザが検証するための表示画面が、個々の既存
モジュール及び/または既存部品は、干渉することは許
容して配置が行われるので、各コンポーネントのレイア
ウトに要する処理を迅速にすることができる。また、オ
ペレータは、新型車両の物理的なレイアウトの成立性を
容易に検証することができる。
【0121】図12に示す表示画面において、「企画車
両の妥当性確認」のボタン123が操作された場合に
は、図14(a)に示すメニュー画面が表示される。こ
のメニュー画面には、企画対象の新型車両について妥当
性の評価が可能な複数の項目が表示されて、これらの項
目のうち、上述した各ステップにおいてオペレータが所
定の必要項目について目標性能及び目標諸元を全て設定
しているものは白抜きで表示され、何等かの情報の設定
が不足しているものはハッチングで表示されることによ
り、その旨がオペレータに報知される。
【0122】情報の設定が不足している項目について
は、「データ入力画面へ」のボタン142がオペレータ
によって操作された場合、オペレータは、上述した各ス
テップにて説明した各設定画面に戻って、所望の値を個
別に入力することができる。
【0123】また、情報の設定が不足している項目につ
いては、図14(a)に示すメニュー画面において「サ
ンプル入力による検証へ」のボタン143がオペレータ
によって操作された場合に、図14(b)に示す選択画
面において、データベース3に記憶されている既存車両
に関する性能情報及び諸元情報をサンプルとして選択す
ることにより、係る項目の妥当性評価について必要な目
標性能及び目標諸元を、サーバ・コンピュータ1の内部
に一括して設定することができ、ユーザによる入力操作
を簡略化することができる。
【0124】また、図14(b)に示す画面では、「詳
細個別設定」のボタンがオペレータによって操作された
場合には、前記の如くある項目に関して一括して設定さ
れた性能情報及び諸元情報が一覧表示され、その一覧表
示された各項目の情報を、オペレータはマニュアルで個
別に調整(変更)することができる。
【0125】このように、本実施形態では、新型車両の
目標諸元及び目標性能をサーバ・コンピュータ1にオペ
レータが設定するに際して、各項目に入力すべき情報と
して、確定的な扱いを所望する確定情報、不確定な扱い
を所望する不確定情報、或いは、データベース3に格納
されている何れかの既存車両の諸元情報及び性能情報の
中から容易に選択可能であるので、選択した情報を利用
すれば、個々の確定情報が揃わない場合であっても、新
型車両の企画検証を暫定的に行なうことができ、合理的
な企画立案作業を実現することができる。
【0126】一方、図14(a)に示すメニュー画面の
領域141において白抜きで表示された項目であって、
所定の必要項目について目標性能及び目標諸元が全て設
定されている場合は、その目標性能及び目標諸元に基づ
く予想される評価値が算出され、ユーザ端末2には、算
出した結果に応じた検証結果が提供される。
【0127】ステップS26において、サーバ・コンピ
ュータ1は、図7(a)及び図7(b)に示す設定画面
においてオペレータによって設定された各項目の目標諸
元及び目標性能に対する目標点数できる限り満足する検
証結果を模索する。演算に際しては、各項目の目標諸元
及び目標性能に対応して設定された許容値(または許容
値の代わりに設定されたプライオリティランク)と、図
20に示す設定画面においてオペレータによって設定さ
れた各項目のプライオリティとが考慮される。
【0128】即ち、本ステップでは、オペレータによっ
て設定された目標諸元及び/または目標性能に許容範囲
が設定された状態で、その許容範囲内で前記目標諸元及
び/または目標性能を満足する新型車両が成立するか否
かが、データベース3に格納された各項目の情報に基づ
いて算出される。
【0129】より具体的に、本実施形態において、サー
バ・コンピュータ1は、設定された目標諸元及び/また
は目標性能の目標点そのままの状態では新型車両の企画
が成立しない場合には、例えば、その目標点を中心とす
る許容範囲内で演算に使用する目標値を適宜増減して演
算を行なうことにより、その新型車両の企画が成立する
可能性を模索する。係る演算に際して、各項目の目標点
(目標評価点)の許容範囲内における設定変更は、図2
0の設定画面にて設定された各項目のプライオリティに
従って、図7(a)及び図7(b)の設定画面にて設定
された各項目の許容値(許容範囲)内で自動的に変更さ
れる。このとき、同設定画面の許容値の欄にオペレータ
によって0(ゼロ)或いは許容値無しを示す設定がなさ
れている場合には、対応する項目に関しては目標評価値
の変更は行われずに、演算が行われる。
【0130】また、図7(a)のステップS26におい
て、設定画面において各項目にユーザ所望の許容値が個
別に設定される代わりに、ユーザの操作負担を軽減すべ
く、プライオリティランクが設定されている場合、或い
は図7(b)の設定画面において各項目の許容値が設定
される代わりに、ターゲットが設定されている場合に
は、オペレータによって設定されたプライオリティラン
クまたはターゲットの位置付けが低いほど、対応する情
報項目には自動的に大きな許容範囲が設定されるように
構成しても良い。
【0131】但し、ステップS26において企画検証が
行われるに際しては、大前提として、ステップS1にて
設定した上下限値が満足される範囲内で演算が行われ
る。
【0132】図15は、図14(a)の領域141にお
いて「乗り心地」の項目が選択された場合における企画
対象の新型車両についての検証結果を例示する図であ
る。
【0133】図15(a)に示す例では、新型車両が成
立する可能性を表わす情報として、先にオペレータが設
定した目標性能及び目標諸元によっては、企画が不成立
であることと、その度合いを表わす数値とが領域151
に示されており、同図の領域152には、目標評価点に
対する算出された予想評価値が対比して表示されると共
に、その目標評価点を満足させるための改善策と、その
改善策を実行した場合の他の部分への影響がガイダンス
されている。このように、本実施形態では、オペレータ
が設定した目標諸元及び/または目標性能に対する達成
度合いに関する情報が検証結果と共に提供されるので、
ユーザは、自分の設定した事項の妥当性を客観的に認識
することができる。
【0134】また、同表示画面に表示される検証結果に
は、企画対象の新型車両を実現するためのコストに関す
る情報が含まれている。このコストに関する情報は、デ
ータベース3に記憶されている現実のコスト情報を利用
して高確度で算出されるので、オペレータは、現実的な
新型車両の企画を容易に行なうことができる。
【0135】図15(b)に示す例では、新型車両が成
立する可能性を表わす情報として、先にオペレータが設
定した目標性能及び目標諸元による企画が成立すること
が示されており、領域155には、目標評価値に対する
達成の度合いを報知すべく、目標評価点に対する算出さ
れた予想評価値が対比して表示され、領域156には、
その目標評価点を満足した場合の他の性能項目への影響
の度合いがガイダンスされている。これにより、複数種
類の性能項目のうち、他の性能項目に及ぶ影響を考慮し
ながら、検証対象の性能項目に設定した目標性能を満足
する新型車両の企画立案を、容易に且つ迅速に行なうこ
とができる。
【0136】好適な実施形態において、ステップS26
では、検証対象としてオペレータによって選択された性
能項目以外の他の性能項目が基準を超えて悪化する場合
には、図7(a)または図7(b)にて入力された目標
評価値について、オペレータに対して警告が与えられる
ように構成すると良い。この場合の基準とは、図6の設
定画面において設定した各種の上下限値、並びに当該他
の性能項目の許容範囲である。これにより、特定の性能
項目の実力に劣るアンバランスな新型車両を企画立案す
ることを防止することができる。
【0137】このように、本実施形態では、オペレータ
が設定した目標諸元及び/または目標性能を実現可能な
新型車両が成立する可能性が低い場合、或いは成立しな
い場合であっても、係る結果の改善案が検証結果と共に
提供されるので、ユーザは、自分の設定した事項の妥当
性と、実現のための指標(何がネックになっているのか
等)を得ることができ、新型車両の企画立案業務の効率
化を図ることができる。
【0138】また、図16は、図14(a)に示す領域
141において「エンジン」の項目が選択された場合に
おける企画対象の新型車両についての検証結果を例示す
る図であり、新型車両が成立する可能性を表わす情報と
して、先にオペレータが設定した目標性能及び目標諸元
によっては企画が不成立であることが、不成立の度合い
を表わす値(領域161)と、目標性能を達成するため
の方策(領域162:但し、同図では適当な方策が無か
った場合なのでその理由)とがガイダンスされている。
このように、本実施形態では、車両レベルでの検証結果
の提供だけではなく、エンジンというモジュール単位で
の検証結果の算出結果がモジュール単位で提供されるの
で、ユーザは、より詳細な検討を行なうことができる。
【0139】係る検証結果として算出される予想評価値
(実力予想値)は、上述したゲイン調整(図20)にお
いて説明したように、注目している性能項目(ここでは
「乗り心地」)を司る複数項目の評価点EnとゲインK
nとを利用して、例えば、TE=K1×E1+K2×E
2+・・・+Kn×Enなる演算によって算出される。
尚、総合評価点TEの算出方法は限定されるものではな
く、どのような方法を採用しても良い。ここで、図15
(a)及び図15(b)に示す如く改善策や他の部分へ
の影響の度合いについてガイダンスできるのは、上述し
たように、図19に示す関連付け設定画面や図20に示
すプライオリティ設定画面において、各項目の関連付け
や満足すべき項目の順位を予め設定しているためであ
る。
【0140】尚、図15及び図16の検証結果表示画面
からは、サーバ・コンピュータ1に設定されている情報
の調整を行なうべく、上述した各設定画面に戻ることが
できる。
【0141】図17は、図14(a)に示す領域141
において「レイアウト」の項目が選択された場合におけ
る企画対象の新型車両についてのレイアウト検証結果を
例示する図であり、図12に示す表示画面において、
「企画車両イメージ」のボタン121が操作された場合
にユーザ端末2のディスプレイに表示されるグラフィッ
クのうち、一例として、エンジンルームを上から見た状
態を示す。
【0142】レイアウト検証では、サーバ・コンピュー
タ1によって上述した如く簡易ボディに自動的に設定さ
れた各コンポーネントを、例えばマウス等のポインティ
ングデバイスを用いた選択操作により、オペレータが適
宜移動させながら、レイアウトを検討することが可能で
ある。
【0143】次に、図12に示す表示画面において、
「企画車両の性能比較」のボタン124が操作された場
合には、上述した各ステップにて設定された目標性能及
び目標諸元に基づいて、上記の如く企画対象の新型車両
の予想評価値が算出され、データベース3に登録されて
いる既存車両のうち、比較対象車両の実力を示す評価値
との比較が、車両単位、性能項目単位、或いはモジュー
ル単位で、ユーザ端末2のディスプレイに表示される。
【0144】図13は、検証結果として、企画対象の新
型車両の予想評価値と、比較対象車両の実力を示す評価
値とを比較する表示画面を例示する図であり、図13
(a)には車両単位での比較結果が表示され、図13
(b)には性能項目単位の一例として操安性の比較結果
が表示されている。何れの表示例においても、企画対象
の新型車両に関してオペレータが設定した目標評価値よ
りも、本ステップにおいてサーバ・コンピュータ1が算
出した予想評価値の方が低いので、この場合、オペレー
タは、ステップS27として、上述した各ステップにて
設定した目標性能及び目標諸元を調整することにより、
適当な予想評価値が得られるまで妥当評価を繰り返す必
要がある。このように、本実施形態では、企画立案すべ
き新型車両に関する情報と、その新型車両がマークすべ
き比較対象車両とをサーバ・コンピュータ1に対して設
定するだけで、比較結果が同一基軸のグラフにより、車
両単位(図13(a))、モジュール単位、または性能
項目単位(図13(b))でユーザに提供されるので、
ユーザは、比較対象車両に対する新型車両の商品性の構
築を容易に且つ客観的に行なうことができる。
【0145】このように、上述した目標性能及び目標諸
元に基づく新型車両の企画処理によれば、ユーザは、企
画立案すべき新型車両の目標諸元と目標性能とが図7に
示す設定画面を利用してサーバ・コンピュータ1に設定
すれば、その新型車両が実際に成立する可能性を表わす
情報が既存車両に関する情報を参照して自動的に算出さ
れるので、現実的で確度が高い新型車両の企画を迅速且
つ容易に行なうことができる。これにより、新型車両の
企画から量産開始までの全体の期間も短縮することがで
きる。
【0146】また、新型車両を企画する際にはよく行わ
れるキャリオーバ部品及び/またはキャリオーバモジュ
ールを、オペレータは、図9乃至図11に例示するよう
な設定画面を利用して、サーバ・コンピュータ1に容易
に設定することができ、設定したキャリオーバ部品及び
/またはキャリオーバモジュールが考慮された状態で新
型車両が成立する可能性を表わす情報が算出されるの
で、経済性の高い新型車両の企画を容易に行なうことが
できる。
【0147】<性能特化車両の企画処理>性能特化車両
の企画処理について、図22乃至図25、並びに図28
を参照して説明する。
【0148】図28は、本実施形態においてサーバ・コ
ンピュータ1が行なう新型車両の企画立案支援処理のう
ち、性能特化車両の企画処理(ステップS4)の詳細を
示すフローチャートである。
【0149】同図において、ステップS31:上述した
目標性能及び目標諸元に基づく新型車両の企画処理(ス
テップS3)の詳細説明におけるステップS21(図2
7)の場合と同様に、図18(a)及び図18(b)に
示すメニュー画面を利用して、新型車両が成立するか否
かを検証する際に参照されるべき各種の条件を、オペレ
ータが、必要に応じてサーバ・コンピュータ1に対して
設定する。
【0150】ステップS32:図22(a)に示すメニ
ュー画面の領域221には、新型車両における車両レベ
ルの各種の性能項目が表示される。オペレータは、この
メニュー画面において、企画対象の新型車両において車
両レベルで特化させようと考えている性能項目を選択す
る。オペレータによって何れかの性能項目が選択された
場合には、ステップS33に進む。
【0151】ステップS33:図22(b)に示すメニ
ュー画面において、オペレータは、図22(a)に示す
メニュー画面において選択された性能項目を、どのよう
なアプローチ手順で特化させるかを選択する必要があ
る。
【0152】本実施形態において、オペレータ所望の性
能項目を特化させるためのアプローチ手順としては、図
22(b)に示すメニュー画面に示すように、車両のジ
ャンル及びセグメントに基づく手順(アプローチ1)
と、目標評価点に基づく手順(アプローチ2)とが用意
されており、同画面においてアプローチ1(ボタン22
5)が選択された場合にはステップS34に進み、アプ
ローチ2(ボタン226)が選択された場合にはステッ
プS35に進む。
【0153】ステップS34:ステップS33において
オペレータによってアプローチ1が選択されたので、本
ステップでは、図23(a)に示す設定画面が表示され
る。オペレータは、この設定画面において、図22
(a)のメニュー画面において先に選択した性能項目に
ついて所定事項の入力を行なう必要がある。
【0154】より具体的に、図23(a)に示す設定画
面の領域231には、企画対象の新型車両のジャンル及
びセグメント、キャリオーバ部品及び/またはキャリオ
ーバモジュールの要否、並びに新型車両の企画検索に際
して参照するデータベース3の範囲(抽出するデータの
条件)を設定する必要がある。ここで、ジャンル及びセ
グメントは、運動性能や車両の性格が近い複数種類を敢
えて設定することもできる。
【0155】尚、ステップS34におけるキャリオーバ
部品及び/またはキャリオーバモジュールの選択は、図
9乃至図11を参照して上述したマンマシン・インタフ
ェースと同様な画面展開によって行われる。また、企画
検索に際してのデータベース3の参照範囲の設定には、
比較対象車両を選択することができる。
【0156】このように、本実施形態では、データベー
ス3の参照範囲がユーザによって設定可能に構成されて
いるので、コンピュータによる企画検証に際して、デー
タベースの参照範囲がユーザ所望の設定範囲に限定され
るので、ユーザの意向が反映された現実的且つ効率的な
企画検証が実現する。
【0157】ステップS35:ステップS33において
オペレータによってアプローチ2が選択されたので、本
ステップでは、図24(a)に示す設定画面が表示され
る。オペレータは、この設定画面の領域241におい
て、図22(a)のメニュー画面において先に選択した
性能項目について、先に選択した性能項目についての目
標評価点、並びに企画検索に際して参照するデータベー
ス3の範囲(抽出するデータの条件)を設定する必要が
ある。
【0158】より具体的に、図24(a)に示す設定画
面の領域241において、オペレータは、企画対象の新
型車両(この場合は性能特化車両)において特化させよ
うとする性能項目(同図に示す例では、操安性)につい
て、達成しようとする目標評価点を、データベース3に
記憶されている各種性能項目の評価点と同様の尺度で、
10点満点で設定すると共に、その性能項目を司る大き
な要素(ファクター)となる部品またはモジュールを設
定する必要がある。
【0159】また、同設定画面では、企画検索に際して
サーバ・コンピュータ1によって参照されるデータベー
ス3の範囲を規制すべく、車両の重量等の各種項目が設
定可能であると共に、上述したアプローチ1の場合と同
様に、キャリオーバ部品及び/またはキャリオーバモジ
ュール、既存車両のジャンルやセグメント、並びに比較
対象車両を選択することができる。ここで、既存車両の
ジャンルやセグメントは、運動性能や車両の性格が近い
複数種類を敢えて設定することもできる。
【0160】ステップS36:図23(a)または図2
4(a)に示す設定画面において、オペレータによって
「検索」ボタン232、242が操作された場合には、
ステップS37に進む。
【0161】ステップS37:アプローチ1が選択され
ている場合は、ステップS34において図23(a)の
設定画面を利用して設定された条件に基づいて、その条
件を満足する新型車両の企画が検索される。一方、アプ
ローチ2が選択されている場合は、ステップS35にお
いて図24(a)の設定画面を利用して設定された条件
に基づいて、その条件を満足する新型車両の企画が検索
される。検索に際しては、データベース3に格納されて
いる各種項目の情報が、オペレータによって設定された
参照範囲の制限の範囲内で参照され、性能項目の評価点
の演算は、上述した目標性能及び目標諸元に基づく新型
車両の企画処理における総合評価点と同様の手順で行わ
れる。
【0162】図23(b)は、アプローチ1が選択され
ている場合における新型車両の企画検索の結果を例示す
る図であり、同図に示す検索結果の領域234には、先
に選択された目標項目(この場合は操安性)を満足する
新型車両を実現するための既存部品及び/または既存モ
ジュールの最良の組み合わせ(詳細欄の表示項目に相
当)、その組み合わせによって実現される性能項目の予
想評価点(予想実力値)、並びにその予想評価点を達成
可能な最良の組み合わせに必要なコストが表示される。
尚、コストは、データベース3に部品レベル及びモジュ
ールレベルで記憶されているコスト情報を、前記の最良
の組み合わせを構成するために選択された既存部品及び
/または既存モジュールについて積算することによって
得られる。
【0163】図23(b)の画面に表示される既存部品
及び/または既存モジュールの最良の組み合わせは、デ
ータベース3に格納されている既存車両に関する各種項
目の情報を利用して算出された情報であるから、係る最
良の組み合わせは、換言すれば、本システムを運営する
車両メーカの現在の生産能力及び実力等の現実の状況下
において、オペレータ所望の性能項目に関して実現可能
な新型車両の性能を示す情報である。
【0164】図24(b)は、アプローチ2が選択され
ている場合における新型車両の企画検索の結果を例示す
る図であり、同図の領域244に示す検索結果には、図
22(a)において選択された目標項目(この場合は操
安性)について、図24(a)において設定された目標
評価点を満足する部品またはモジュール(この場合は、
2種類のタイヤ)が表示される。
【0165】ステップS38:ステップS37において
表示された図23(b)または図24(b)において、
「諸元検討」ボタン235、245が操作された場合に
は、図25に例示するような画面が表示され、この画面
において、オペレータは、検索結果についての検討が可
能である。
【0166】図25は、オペレータによって選択された
性能項目についてサーバ・コンピュータ1によって演算
された検索結果を検討・編集するために表示されるツリ
ー構成図を例示する図である。
【0167】同図に示すツリー構成には、オペレータに
よって先に選択された性能項目について、サーバ・コン
ピュータ1によって算出された最良の組み合わせを構成
する既存部品及び/または既存モジュールの代わりに、
その性能項目を司る既存モジュール及び既存部品の構成
が、大別して、車両レベル、モジュールレベル、並びに
部品レベルの3階層に分類されて表示される。ここで、
モジュールレベルの表示項目は、注目すべき性能項目の
種類に応じて、モジュールレベルが更に複数階層のサブ
モジュールに分類される場合もある。この場合は、オペ
レータ所望の性能項目として、車両レベルでは「燃費」
が選択されている場合を示しており、その「燃費」を達
成するために必要な性能要素として、モジュールレベル
1には「エンジン性能」、「駆動系性能」、「車両重
量」、「空力性能」、「転がり抵抗」の各項目が関連付
けされており、更にそれらモジュールレベル1の性能要
素には、個々の性能要素を構成するモジュールレベル2
のサブ性能要素が関連付けされている。そして、個々の
サブ性能要素には、そのサブ性能要素を司る少なくとも
1つの部品が関連付けされている。
【0168】尚、オペレータ所望の性能項目として、車
両レベルでは「操安性」が選択されている場合には、そ
の「操安性」を達成するために必要な性能要素として、
モジュールレベル(モジュールレベル1)には「タイヤ
・サスペンション特性」、「エンジン性能」、「駆動系
性能」、「重量」、「重量配分」、「ステアリングギヤ
比」の各項目が含まれる。
【0169】この画面において、オペレータは、検討を
希望するモジュールレベルまたは部品レベルの所望項目
の選択操作を行なうことによって表示される詳細画面
(不図示)において、その選択した所望項目に対応する
既存部品または既存モジュールの諸元情報の編集(変
更)が可能である。更に、オペレータは、検討を希望す
るモジュールレベルまたは部品レベルの所望項目の選択
操作を行ない、その選択した所望項目に対応する既存部
品または既存モジュールを、他の既存モジュールまたは
既存部品に設定変更することも可能である。
【0170】ステップS39:ステップS38における
検討・編集の後、図23(a)または図24(a)に示
す設定画面に戻って、オペレータによって再び「検索」
ボタンが操作された場合には、選択されているアプロー
チ1またはアプローチ2の手順に従って、ステップS3
8にて変更された情報が反映された状態で、ステップS
37において新型車両の企画が再検索される。
【0171】このように、上述した性能特化車両の企画
処理によれば、新型車両において特化させようとする特
定の性能項目について、アプローチ1またはアプローチ
2における簡単な設定操作を行なうだけで、その新型車
両に採用すべき車両構成が自動的に算出されるので、ユ
ーザ所望の性能項目が特化した新型車両を、容易に企画
することができる。
【0172】また、上述した性能特化車両の企画処理に
おいて、オペレータによってアプローチ2が選択された
場合には、新型車両において特化させようとする特定の
性能項目について目標評価値が設定されるだけで、その
新型車両に採用すべき車両構成が自動的に算出されるの
で、ユーザ所望の性能項目が特化した新型車両を、容易
に企画することができる。
【0173】また、上述した性能特化車両の企画処理に
おいて、オペレータは、表示されたツリー構成図を、容
易な操作によって変更しながら、目標性能を満足する新
型車両の企画が得られるまで、ステップS37乃至ステ
ップS39の処理をサーバ・コンピュータ1に実行させ
ることにより、最良の車両構成を効率良く推敲すること
ができる。
【0174】以上説明した本実施形態の如く、企画部門
においてサーバ・コンピュータ1を利用して作成された
新型車両の企画情報は、設計・解析・車両評価試験等の
各工程にて従来車両において既に実現された現実の情報
に基づいて作成された情報である。このため、従来の企
画書に記載された仕様と比較して確度の高い情報であ
り、その企画情報を受け取った設計部門では、その企画
情報を本来の位置付け通り「 絶対的な業務指示書 」と
して、具体的な量産設計を、直ちに開始することができ
る。
【0175】また、新型車両を開発・販売するか否かを
判断しなければならない企業の経営陣にとっても、設計
部門による量産設計に先立って、企画部門から提案され
た新型車両の企画を判断するに際して、上述した本実施
形態の如くまとめられた企画情報を参照することができ
れば、その企画情報は、従来車両において既に実現され
た現実の情報に基づく体系付けられた情報であり、且つ
必要に応じてグラフィカルに表示可能であるため、判断
対象の新型車両の商品性や妥当性等の検討項目を、従来
のように書面を参照する場合と比較して具体的且つ容易
に想像することができ、より的確な判断を迅速に下すこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における新型車両の企画立案支援シ
ステムを適用可能なコンピュータ・ネットワークの構成
を例示する図である。
【図2】本実施形態における新型車両の企画業務から生
産技術業務に至る業務フローを概念的に示す図である。
【図3】本実施形態においてデータベース3に格納され
る各種の情報を概念的に例示した図である。
【図4】本実施形態においてデータベース3に格納され
る個々のレコードのデータフォーマットを例示する図で
ある。
【図5】本実施形態における新型車両企画立案支援シス
テムのメインメニュー画面を示す図である。
【図6】新型車両の企画情報を検証する際の規制上下限
設定のための入力画面を示す図である。
【図7】目標性能及び目標諸元に基づく新型車両の企画
処理において車両レベルで実現すべき各種の目標諸元を
設定する画面と、各種の目標性能を設定する画面とを示
す図である。
【図8】目標性能及び目標諸元に基づく新型車両の企画
処理においてモジュールレベルで実現すべき各種の目標
諸元を設定するための設定画面を示す図である。
【図9】キャリオーバ部品またはキャリオーバモジュー
ルを設定するための設定画面を示す図である。
【図10】キャリオーバ部品またはキャリオーバモジュ
ールを設定する際に表示される3次元形状の表示画面を
例示する図である。
【図11】キャリオーバ部品またはキャリオーバモジュ
ールを設定する際に表示される3次元形状の表示画面を
例示する図である。
【図12】目標性能及び目標諸元に基づく新型車両の企
画処理において各種の検証を行なうためのメニュー画面
を示す図である。
【図13】目標性能及び目標諸元に基づく新型車両の企
画処理における検証結果の比較表示例を示す図である。
【図14】目標性能及び目標諸元に基づく新型車両の企
画処理における検証結果の妥当性評価を行なうためのメ
ニュー画面を示す図である。
【図15】目標性能及び目標諸元に基づく新型車両の企
画処理における妥当性評価結果の表示例を示す図であ
る。
【図16】目標性能及び目標諸元に基づく新型車両の企
画処理における妥当性評価結果の表示例を示す図であ
る。
【図17】目標性能及び目標諸元に基づく新型車両の企
画処理におけるレイアウト検証画面を例示する図であ
る。
【図18】目標性能及び目標諸元に基づく新型車両の企
画処理または性能特化車両の企画処理における企画検証
のための複数種類の検証条件を設定するメニュー画面を
例示する図である。
【図19】複数種類の検証条件のうち、関連付けを設定
するための画面を例示する図である。
【図20】複数種類の検証条件のうち、プライオリティ
を設定するための画面を例示する図である。
【図21】評価指標の設定画面を例示する図である。
【図22】性能特化車両の企画処理におけるメニュー画
面を示す図である。
【図23】性能特化車両の企画処理においてアプローチ
1によって検索を行なうための設定画面と、検索結果の
表示画面とを例示する図である。
【図24】性能特化車両の企画処理においてアプローチ
2によって検索を行なうための設定画面と、検索結果の
表示画面とを例示する図である。
【図25】オペレータによって選択された性能項目につ
いてサーバ・コンピュータ1によって演算された検索結
果を検討・編集するために表示されるツリー構成図を例
示する図である。
【図26】本実施形態においてサーバ・コンピュータ1
が行なう新型車両の企画立案支援処理の概要を示すフロ
ーチャートである。
【図27】本実施形態においてサーバ・コンピュータ1
が行なう新型車両の企画立案支援処理のうち、目標性能
及び目標諸元に基づく新型車両の企画処理(ステップS
3)の詳細を示すフローチャートである。
【図28】本実施形態においてサーバ・コンピュータ1
が行なう新型車両の企画立案支援処理のうち、性能特化
車両の企画処理(ステップS4)の詳細を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
1:サーバ・コンピュータ, 2:ユーザ端末, 3:データベース, 4:実験装置, 5:通信ネットワーク,

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 新型車両の企画立案支援のためのコンピ
    ュータ・プログラムであって、 複数の既存車両の諸元情報と性能情報とをデータベース
    に格納する情報格納機能と、 企画立案すべき新型車両の目標諸元と目標性能とを、ユ
    ーザが前記コンピュータに入力可能な入力機能と、 前記ユーザによる企画立案を支援すべく、前記入力機能
    により入力された目標諸元及び/または目標性能に許容
    範囲を設定した状態で、その許容範囲内で前記目標諸元
    及び/または目標性能を満足する新型車両が成立するか
    否かを、前記データベースに格納された各項目の情報に
    基づいて算出し、算出結果を前記ユーザに提供する情報
    提供機能と、を実現する動作指示をなすことを特徴とす
    るコンピュータ・プログラム。
  2. 【請求項2】 前記許容範囲は、前記ユーザによって任
    意に設定されることを特徴とする請求項1記載のコンピ
    ュータ・プログラム。
  3. 【請求項3】 前記情報提供機能は、前記目標諸元及び
    /または目標性能への許容範囲の設定を拒否する旨の設
    定が前記ユーザによってなされた場合には、対応する情
    報項目への許容範囲の設定を行なうこと無く、前記新型
    車両が成立するか否かを検証することを特徴とする請求
    項2記載のコンピュータ・プログラム。
  4. 【請求項4】 前記許容範囲は、前記新型車両の目標諸
    元及び/または目標性能に対して、その情報項目毎に、
    前記コンピュータによって自動的に設定されることを特
    徴とする請求項1記載のコンピュータ・プログラム。
  5. 【請求項5】 前記情報提供機能は、前記新型車両の目
    標諸元及び/または目標性能の情報項目毎に優先順位が
    設定されている場合に、設定された優先順位が低いほ
    ど、対応する情報項目に大きな許容範囲を設定すること
    を特徴とする請求項4記載のコンピュータ・プログラ
    ム。
  6. 【請求項6】 前記許容範囲には、規制値を設定可能で
    あることを特徴とする請求項1記載のコンピュータ・プ
    ログラム。
  7. 【請求項7】 前記規制値は、予め設定されていること
    を特徴とする請求項6記載のコンピュータ・プログラ
    ム。
  8. 【請求項8】 前記規制値は、重量、コスト、寸法、形
    状、並びに他部品との干渉余裕量のうち、少なくとも何
    れかであることを特徴とする請求項6記載のコンピュー
    タ・プログラム。
  9. 【請求項9】 前記情報格納機能により、前記データベ
    ースには、前記複数の既存車両に関して、個々の既存車
    両を構成する複数の既存モジュールの諸元情報と性能情
    報、並びに個々の既存モジュールを構成する複数の既存
    部品の諸元情報と性能情報が、関連付けした状態で格納
    されており、 前記規制値は、少なくとも、前記新型車両の車両単位ま
    たはその車両を構成する複数のモジュール単位で設定さ
    れることを特徴とする請求項6記載のコンピュータ・プ
    ログラム。
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