JP2003094744A - インクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットプリンタ

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JP2003094744A
JP2003094744A JP2001294476A JP2001294476A JP2003094744A JP 2003094744 A JP2003094744 A JP 2003094744A JP 2001294476 A JP2001294476 A JP 2001294476A JP 2001294476 A JP2001294476 A JP 2001294476A JP 2003094744 A JP2003094744 A JP 2003094744A
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JP2001294476A
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English (en)
Inventor
Akihito Miyazaki
明仁 宮崎
Shigeyoshi Hirashima
滋義 平島
Toshiki Kagami
俊樹 加々美
Hiromitsu Takeda
裕充 竹田
Hiromi Tsujinaga
ひろみ 辻永
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラインヘッドを定位置に固定したままで、ラ
インヘッドと搬送ベルトとの間のギャップを調整できる
ようにすること。 【解決手段】 ヘッドキャップ10を開閉させるために
上下にスイング駆動される搬送ベルト30の従動軸を高
さ基準部132に直接当接させるか、スペーサ133を
介して当接させるかによって、ラインヘッド9と搬送ベ
ルト30との間のギャップ調整をするようにしたギャッ
プ調整機構。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタヘッドに
インクジェット方式のラインヘッドを用いるのに最適な
インクジェットプリンタに属するものであって、特に、
プリンタヘッドとプリント用紙搬送ユニットとの間のギ
ャップをプリント用紙の厚みの変化に合わせて調整する
ためのギャップ調整機構の技術分野に属するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータ等で処理
されたカラー映像や、デジタルビデオカメラ、デジタル
スチルカメラ等で撮影された画像を高品位のフルカラー
画像に高速でプリントすることができる小型のフルカラ
ープリンタの要望が高まりつつある。そこで、従来、プ
リンタヘッドとしてラインヘッドを用いたインクジェッ
トプリンタが既に開発されていて、このラインヘッドは
ほぼ長方形状のヘッドカートリッジの下部に結合された
ヘッドカートリッジ一体型プリンタヘッドに構成されて
いる。そして、このラインヘッドの下面に形成されたヘ
ッド面(ノズル面)には、プリント用紙の搬送方向と直
交する方向に沿って一列状(ライン状)に並べられた微
細で、多数の噴射ノズルを、イエロー、マゼンタ、シア
ン、ブラックの色別にプリント用紙の搬送方向に沿って
多数列状に配置したものである。
【0003】そして、このラインヘッドは、イエロー、
マゼンタ、シアン、ブラックの4色のカラーインクの小
滴を色別にプリント用紙の幅方向に一度に、一列状に噴
射して付着させながら、プリント用紙の搬送方向に重ね
塗りするようにしてフルカラーの画像をプリントするこ
とができるので、プリンタヘッドをキャリッジでプリン
ト用紙の搬送方向と直交する方向に移動させるシリアル
スキャンタイプのプリンタの欠点である印画速度を克服
することができ、高画質のフルカラー画像を高速でプリ
ントすることができるものである。
【0004】ところで、従来のラインヘッドを用いたイ
ンクジェットプリンタでは、搬送ベルト等のプリント用
紙搬送ユニットによって搬送されるプリント用紙のプリ
ント面とラインヘッドのヘッド面との間の印画ギャップ
を所定寸法に正確に設定しておく必要があり、プリント
用紙の厚みが変化したために、この印画ギャップが変化
するようなことがあれば、種々の不都合を発生してしま
う。即ち、プリント用紙が厚過ぎたために、印画ギャッ
プが設定値より小さくなった場合は、搬送中のプリント
用紙が微細な噴射ノズルに接触して、その噴射ノズルを
損傷させたり、プリントされた画像に筋状の汚れ等が発
生してしまう。また、プリント用紙が薄過ぎたために、
印画ギャップが設定値より大きくなった場合には、プリ
ントされる画像の画質が著しく劣化してしまう。
【0005】そこで、従来、図59の(A)(B)に示
すように、プリント用紙201の厚みT1、T2の変化
に応じてラインヘッド202をカム機構等を用いた昇降
機構(図示せず)によって昇降調整するようにして、プ
リント用紙201の厚みT1、T2が変化しても、ライ
ンヘッド202の下面のヘッド面(ノズル面)202a
とプリント用紙201の上面のプリント面202aとの
間の印画ギャップGを一定に保つようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ラインヘッド
210はプリント用紙201の搬送方向と直交する方向
の長さが長いことから、このラインヘッド210のプリ
ント用紙201に対する平行度を高精度に保って昇降調
整することには問題があり、プリント用紙201に対す
るラインヘッド210の長さ方向の傾きが発生すれば、
プリントされる画像の画質が劣化してしまう、また、ラ
インヘッド202は、通常、プリント用紙搬送ユニット
の上部位置に配置されて、インクジェットプリンタの最
上位置に脱着可能に組み込まれる。従って、ラインヘッ
ド202の脱着機構と昇降機構とを組合せること事態に
問題がある上に、これら脱着機構と昇降機構の組み合わ
せによるスペース(特に高さ)の増大によって、インク
ジェットプリンタの厚みが増大してしまう。従って、本
来ならば、ラインヘッド210は定位置に安定良く固定
して使用することが望まれるものである。
【0007】本発明は、上記の問題を解決するためにな
されたものであって、プリンタヘッドを定位置に固定し
たままで、プリント用紙の厚みの変化に合わせてプリン
タヘッドとプリント用紙搬送ユニットとの間のギャップ
を調整することができるようにしたインクジェットプリ
ンタを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の請求項1のインクジェットプリンタは、定
位置に固定されたプリンタヘッドと、ヘッド面に沿って
プリント用紙を搬送するプリント用紙搬送ユニットと、
前記プリント用紙搬送ユニットを前記プリンタヘッドの
ヘッド面に対して昇降する搬送ユニット昇降機構と、前
記プリンタヘッドのヘッド面に対する前記プリント用紙
搬送ユニットのギャップを調整するギャップ調整機構と
を備えたものである。本発明の請求項に従属する請求項
2のインクジェットプリンタは、前記ギャップ調整機構
が、定位置に設定されている高さ基準部と、前記プリン
ト用紙搬送ユニットに設けられて、前記高さ基準部に対
して押圧、離間される当接部と、前記高さ基準部に対す
る当接部の当接高さを調整する高さ調整手段とによって
構成されているものである。本発明の請求項2に従属す
る請求項3〜5のインクジェットプリンタは、前記高さ
調整手段が前記高さ基準部と前記当接部との間に抜き差
しされるスペーサで構成され、しかも、そのスペーサの
厚みが多段階や無段階に構成されているものである。本
発明の請求項2に従属する請求項6のインクジェットプ
リンタは、前記ギャップ調整機構が、回転調整されるカ
ムと、そのカムに相対的に押圧、離間される当接部とに
よって構成されているものである。本発明の請求項1に
従属する請求項7のインクジェットプリンタは、前記プ
リンタヘッドがラインヘッドに構成され、前記ラインヘ
ッドのヘッド面を開閉するヘッドキャップを備え、その
ヘッドキャップを前記ヘッド面下の閉塞位置と、それよ
り一側方へ移動された開放位置との間で、前記ヘッド面
とほぼ平行な方向に移動させるヘッドキャップ開閉機構
を設け、前記搬送ユニット昇降機構は、前記ヘッドキャ
ップ開閉機構による前記ヘッドキャップの前記閉塞位置
と前記開放位置との間の移動経路を確保するために、前
記プリント用紙搬送ユニットの前記閉塞位置側を回動支
点を中心にして、前記開放位置側の可動端を前記ヘッド
面に対して昇降駆動するように構成され、前記ギャップ
調整機構を前記プリント用紙搬送ユニットの昇降駆動さ
れる前記可動端側に配置したものである。
【0009】上記のように構成された本発明の請求項1
のインクジェットプリンタは、定位置に固定されたプリ
ンタヘッドに対してプリント用紙搬送ユニットを開閉機
構によってプリンタヘッドのヘッド面に対して昇降駆動
することを利用して、プリンタヘッドのヘッド面に対す
るプリント用紙搬送ユニットのギャップを調整すること
ができるようにしたので、プリンタヘッドを定位置に固
定した状態で、プリント用紙の厚みの変化に合わせて、
ヘッド面に対するプリント用紙搬送機構のギャップを調
整することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用したラインヘ
ッドを用いたインクジェットプリンタの実施の形態を図
を参照して、以下の順序で説明する。 (1)・・・ インクジェットプリンタの概要説明(図
1〜図5) (2)・・・ インクジェットプリンタのプリント動作
説明(図1〜図3、図5〜図23) (3)・・・ ヘッドカートリッジ/コネクタ脱着機構
の説明(図15〜図23) (4)・・・ ヘッドキャップ開閉機構の説明(図24
〜図39) (5)・・・ 搬送ベルト昇降機構の説明(図4〜図1
4、図31〜図40) (6)・・・ 搬送ベルトの駆動方法の説明(図40) (7)・・・ ラインヘッドとプリント用紙搬送ベルト
との間のギャップ調整機構の説明(図41〜図50) (8)・・・ インクジェットプリンタ内部にジャミン
グしたプリント用紙のジャム処理機構に関する説明(図
4、図51〜図58)
【0011】(1)・・・ インクジェットプリンタの
概要説明 まず、図1〜図5によって、インクジェットプリンタの
概要について説明すると、このインクジェットプリンタ
は、後述する特徴のある各種の機構を備えていることか
ら、全高が低く、薄型(小型)で、軽量に構成されてい
る。そして、このインクジェットプリンタは、板金等に
て構成された下部シャーシ1と上部シャーシ2を備えて
いて、後述するように、上部シャーシ2は下部シャーシ
1の上方に開閉可能に構成されている。そして、カット
紙であるプリント用紙3を一度に多数枚積載して水平状
に収納した給紙トレイ4が下部シャーシ1の底部位置に
前方から前後方向に抜き差し可能に水平状に装填されて
いて、下部シャーシ1の前端側である給紙トレイ4の抜
き取り方向側の端部の上部には排紙台5がほぼ水平状に
設けられている。そして、下部シャーシ1の内部で、給
紙トレイ4より後方側に偏位された位置の上部にプリン
ト用紙搬送経路6が配置されている。
【0012】そして、長方体形状のヘッドカートリッジ
(インクカートリッジとも称される)8の下部にプリン
タヘッドであるラインヘッド9が平行状で、一体に結合
されていて、このヘッドカートリッジ8はラインヘッド
一体型ヘッドカートリッジに構成されている。そして、
ヘッドカートリッジ8内にはイエロー、マゼンタ、シア
ン、ブラックの4色のカラーインクが長さ方向に沿って
一列状で、幅方向に沿って色別の多数列に収納されてい
て、これらのインクはラインヘッド9の下面のヘッド面
(ノズル面)9aに形成されて長さ方向に一列状で、幅
方向に多数列の色別の多数の噴射ノズル(図示せず)か
ら噴射されるように構成されている。そして、ラインヘ
ッド9のヘッド面9aを開閉するヘッドキャップ10設
けられていて、このヘッドキャップ10内の一端側に偏
位された位置には、ヘッド面9aのクリーニング手段で
あるクリーニングローラ(ワイピングローラとも称され
る)11が回転自在に取り付けられている。
【0013】そして、下部シャーシ1内のプリント用紙
搬送経路6のプリント用紙搬送終端位置の上部相当位置
であって、上部シャーシ2の前後方向のほぼ中央部に、
合成樹脂等にて成形されたカートリッジホルダ12が水
平状に組み込まれていて、そのカートリッジホルダ12
にはカートリッジ装着穴13が上部シャーシ2を上下に
貫通する状態に形成されている。このカートリッジ装着
穴13は後述するプリント用紙搬送方向に対する直交方
向に沿って長く延びる長方形状の角穴に構成されてい
る。そして、後述するヘッドカートリッジ/コネクタ脱
着機構14によってヘッドカートリッジ9がカートリッ
ジ装着穴13内に上下方向である矢印j、l′方向に脱
着可能で水平状にセット(装着)されるように構成され
ている。
【0014】なお、図1はカートリッジ8をカートリッ
ジ装着穴13内から上方(矢印j′方向)へ抜き取った
様子を示していて、図2はそのヘッドカートリッジ8を
カートリッジ装着穴13内にセットした様子を示してい
る。そして、図3はヘッドカートリッジ8のヘッドキャ
ップ10を開放位置へ引き出した様子を示していて、図
4は後述するプリント用紙のジャム処理のために、上部
シャーシ2を下部シャーシ1の上方に約100°の開き
角度まで回転させて開放させて、プリント用紙搬送経路
6の上部を開放させた様子を示している。そして、図4
に示されているように、上部シャーシ2が下部シャーシ
1の後端の上部位置に水平状に取り付けられた支点軸1
7の周りに上下方向である矢印v、v′方向に回転自在
に取り付けられている。また、カートリッジホルダ12
が上部シャーシ2に水平状に固着されている。
【0015】(2)・・・ インクジェットプリンタの
プリント動作の説明 次に、図5〜図14によって、インクジェットプリンタ
のプリント動作について説明すると、給紙トレイ4の下
部シャーシ1内への挿入方向の端部の底部には給紙板2
0が設けられていて、プリント用紙搬送経路6上には、
プリント用紙3を斜め後方上方に搬送して、上方側にU
ターンさせた後、斜め前方下方に搬送するほぼU字状経
路に構成されている。そして、このプリント用紙搬送経
路6に沿ってピックアップローラ21、分離ローラ2
2、下側ペーパガイド23、24、反転ローラ25、反
転ガイド26、上側ペーパガイド27、28、ピンチロ
ーラ29、プリント用紙搬送ユニットである搬送ベルト
30を有する搬送ベルトユニット31、排出ローラ32
等が配置されている。なお、搬送ベルトユニット31は
後述する搬送ベルト昇降機構によって上下方向である矢
印e、e′方向にスイング(揺動)方式で昇降駆動され
るように構成されている。
【0016】そして、図5がプリント動作の初期状態を
示していて、この初期状態では、搬送ベルトユニット3
1がヘッドカートリッジ8の斜め下方に傾斜された状態
に下降された印刷待機位置へ矢印e′方向に下降されて
いる。そして、給紙トレイ4によってセットされた多数
枚の積層されたプリント用紙3の先端がピックアップロ
ーラ21の下部に位置決めされている。次に、プリント
動作の開始によって、ピックアップローラ21、分離ロ
ーラ22、反転ローラ25、搬送ベルト30等のプリン
ト用紙搬送用回転部材がそれぞれプリント用紙搬送方向
に回転駆動される。図6に示すように、まず、給紙板2
0によって給紙トレイ4内のプリント用紙3全体の先端
が押し上げられて、最上層のプリント用紙3の先端3a
がピックアップローラ21に下方から圧接されて、その
ピックアップローラ21によって給紙が開始される。
【0017】そして、給紙されたプリント用紙3の先端
3aが分離ローラ22と下側ペーパガイド23との間に
送り込まれる。なお、この際、プリント用紙3が2枚同
時に送り込まれた場合には、最上層である1枚目のプリ
ント用紙3をその下の2枚目のプリント用紙3から分離
して、次の下側ペーパガイド23、24間へ送り込み、
2枚目のプリント用紙3はそのまま停止させるような紙
分離が行われる。
【0018】このようにして、1枚となったプリント用
紙3の先端3aは、引き続き分離ローラ22の回転によ
って、図7に示すように、下側ペーパガイド23上を斜
め上方に向って矢印a方向に搬送されて、反転ローラ2
5とその外周の反転ガイド26との間に送り込まれる。
そして、この時点で、図8に示すように、押上げ板20
が下がる一方、反転ローラ25によってプリント用紙3
が反転ガイド26の内周に沿って矢印b方向にほぼ18
0°反転(Uターン)されるように搬送され、このプリ
ント用紙3の先端3aが上側ペーパガイド27、28間
に斜め下方に向って矢印c方向から送り込まれる。
【0019】そして、この時点で、図9に示すように、
ヘッドカートリッジ8のヘッドキャップ10の開放動作
が開始され、このヘッドキャップ10が図8に示すライ
ンヘッド9の下部の閉塞位置から図10に示すプリント
用紙排出方向(矢印f方向)側で、搬送ベルトユニット
31から上方に離間された開放位置まで矢印d方向にほ
ぼL字状に移動されて、ラインヘッド9のヘッド面9a
が開放される。そして、この間に、ラインヘッド9のヘ
ッド面9aがクリーニングローラ11によって後述する
ようにクリーニング(ワイピング)される。
【0020】そして、後述するように、このヘッドキャ
ップ10の開放動作に追従して搬送ベルトユニット31
が図5に示すように斜め下方に傾斜された状態に下降さ
れた印刷待機位置から、図11に示すように、水平状態
の印刷可能位置まで矢印e方向に上昇されて、搬送ベル
ト30がラインヘッド9のヘッド面9aに平行状に近接
された水平状態となる。そして、この搬送ベルトユニッ
ト31の矢印e方向の上昇動作を利用して、後述するギ
ャップ調整機構によってヘッド面9aと搬送ベルト30
との間のギャップがプリント用紙3の厚みに合わせて調
整されると共に、その搬送ベルトユニット31の搬送ベ
ルト30上にピンチローラ29が相対的に押圧される。
【0021】一方、この間に、上側ペーパガイド27、
28間を斜め下方に向って矢印c方向に搬送されて来た
プリント用紙3が図11に示すようにピンチローラ29
によって水平状の搬送ベルト30上に弾性的に押圧され
て、そのまま、この搬送ベルト30上で水平状に屈曲さ
れる。そして、引き続き、プリント用紙3は搬送ベルト
30によってラインヘッド9のヘッド面9aに沿って矢
印f方向に定速で水平状に搬送されて、ラインヘッド9
のヘッド面9aからプリント用紙3の上面に色別の一列
状に噴射されて重ね塗りされる4色のカラーインクによ
ってプリント用紙3の上面にフルカラーの画像がプリン
トされる。そして、図12、図13に示すように、プリ
ントが終了したプリント用紙3は搬送ベルト30と排紙
ローラ32との間を通って排紙台5上に排紙され、搬送
ベルトユニット31が図13に示す印刷可能位置から図
14に示す印刷待機位置まで矢印e′方向に斜め下方へ
下降されて、一連のプリント動作が終了する。
【0022】なお、上述したプリント動作は、インクジ
ェットプリンタが停止している初期状態から1枚のプリ
ント用紙3をプリントする場合の一連の動作であるが、
連続プリントの場合は、上述したプリント動作が終了す
る前に、給紙板20によって給紙トレイ4内の次のプリ
ント用紙3が押し上げられて給紙されることになって、
プリント用紙3が順次に連続的に、給紙、搬送されて行
くことになる。
【0023】(3)・・・ヘッドカートリッジ/コネク
タ脱着機構の説明 次に、図1〜図3、図5〜図23によってヘッドカート
リッジ/コネクタ脱着機構14について説明すると、前
述したように、ヘッドカートリッジ8はカートリッジホ
ルダ12のカートリッジ装着穴13内に脱着可能で、水
平状にセットされるが、その際のヘッドカートリッジ8
の位置決め手段が、ヘッドカートリッジ8の長さ方向の
両端面である左右両側面8a、8a′の上部側に形成さ
れた下向きで、水平状の一対の段部33と、それに対向
するように、カートリッジ装着穴13内の長さ方向の両
端面である左右両側面13a、13a′の下側に形成さ
れた上向きで、水平状の段部である位置決め基準面36
と、ヘッドカートリッジ8の前面8bの下部に形成され
た垂直状の当接面37と、それと対向するように、カー
トリッジ装着穴13の前面13bの下部に垂直状に形成
された位置決め基準面38と、カートリッジ装着穴13
内の一方の側面13b′の上部のほぼ中央部に固着され
た弾性押圧手段である板ばねからなる押圧ばね39と、
そのカートリッジ装着穴13内の押圧ばね39とは反対
側の側面である位置決め基準面13bと、後述する押圧
ばね54とによって構成されている。
【0024】次に、ヘッドカートリッジ8の後面8cの
ほぼ中央位置に凹部40が形成されていて、その凹部4
0内にプリント基板41を介して固定側コネクタ42が
水平状に固着されている。そして、この固定側コネクタ
42に後方側から矢印h、h′方向に抜き差しされる可
動側コネクタ43がカートリッジホルダ12側に取り付
けられている。
【0025】即ち、カートリッジホルダ12の後方側に
スライド台44が一体に形成されていて、そのスライド
台44の中央位置の上部に基板ホルダ45が前後方向で
ある矢印h、h′方向にスライド可能に載置されてい
る。そして、その基板ホルダ45の前面で、固定側コネ
クタ42と相対向する位置にプリント基板46を介して
可動側コネクタ43が水平状に固着されている。そし
て、この場合には、図22及び図23の(A)に示すよ
うに、例えば、固定側コネクタ42がオス側に構成さ
れ、可動側コネクタ43がメス側に構成されていて、こ
れらのコネクタ42、43の内部には相互に抜き差しさ
れる数10ピンの接続端子42a、43aが水平状に設
けられている。
【0026】そして、スライド台44の上部で、基板ホ
ルダ45の後面に配置されたスライドブロック47が基
板ブロック45に形成された左右一対のガイド溝48内
に左右一対のガイドピン49によってスライド自在に係
合されていて、このスライドブロック47に対して基板
ホルダ45が矢印h、h′方向にスライド可能に構成さ
れている。そして、スライドブロック47に対して基板
ホルダ45を前方である矢印h方向に押圧付勢する弾性
押圧手段である圧縮コイルばねからなる左右一対の押圧
ばね50がこのスライドブロック47と基板ホルダ45
との間に組み込まれている。
【0027】そして、スライドブロック47の左右両端
部47aが基板ホルダ45の左右両側方に突出されてい
て、ほぼコ字状の操作レバー52がその左右一対のアー
ム52aによってスライドブロック47の左右両端部4
7aを左右両側から跨ぐように配置されている。そし
て、この操作レバー52の左右一対のアーム52aは平
行な板形状に構成されていて、これら左右一対のアーム
52aがカートリッジホルダ12に同一軸心状の左右一
対の支点ピン53によって前後方向である矢印i、i′
方向に回転自在に取り付けられている。
【0028】そして、これら左右一対のアーム52aの
前面側には、弾性押圧手段である板ばねからなる左右一
対の押圧ばね54が取り付けられていて、ヘッドカート
リッジ8の後面8c側の上部コーナ部分には、左右一対
の押圧ばね54が押圧される斜面8dが形成されてい
る。なお、この斜面8dの傾斜角度はほぼ45°であ
る。そして、操作レバー52の左右一対のアーム52a
とスライドブロック47の左右両端部47aとの間には
左右一対のカム機構55が設けられていて、このカム機
構55はアーム52a側に形成されたカム溝56と、ス
ライドブロック47側に形成されたカム従動ピン57と
によって構成されている。
【0029】なお、操作レバー52を後述するロック位
置P3でロックする左右一対のストッパー59がカート
リッジホルダ12上で操作レバー52の左右一対のアー
ム52aの左右両側位置に取り付けられている。図23
の(B)は、このストッパー59の概略を示したもので
あって、ストッパーピン60がホルダ61に保持されて
操作レバー52のアーム52aの回転方向(矢印i、
i′方向)に対して直交する方向(矢印m、m′方向)
にスライド自在に構成されている。そして、このストッ
パーピン60は1点鎖線で示すように押圧ばね62によ
ってアーム52aの外側面52bに矢印m方向から押圧
されている。なお、2点鎖線で示すようにストッパーピ
ン60をロック解除位置まで矢印m′方向に引き戻した
時に仮止めするストッパーピン60の外周に形成された
凹溝63と、ホルダ61側に組み込まれたボール64及
びボール押圧ばね65からなる仮止め機構が組み込まれ
ている。
【0030】ここで、以上のように構成されたヘッドカ
ートリッジ/コネクタ脱着機構14による脱着操作を主
として図18の(A)〜(C)及び図19の(A)〜
(C)によって説明する。まず、図18の(A)及び図
19の(A)は、操作レバー52を支点ピン53を中心
に垂直状となるロック解除位置P1まで矢印i′方向に
戻した初期状態であり、この初期状態では、カム機構5
5のカム溝56、カム従動ピン57を介してスライドブ
ロック47が矢印h′方向に押され、ガイドピン49及
びガイド溝48を介して基板ホルダ45が矢印h′方向
に押し戻されている。そして、その基板ホルダ45と一
体に可動側コネクタ43がカートリッジ装着穴13に対
して矢印h′方向に十分な間隔だけ引き離されている。
【0031】そこで、図18の(A)及び図19(B)
に示すように、この初期状態においては、ヘッドカート
リッジ8をカートリッジホルダ12のカートリッジ装着
穴13内に上方から矢印j方向に挿入して水平にセット
(装着)することができ、その際、両コネクタ42、4
3が相互に干渉される危険は全くない。そして、ヘッド
カートリッジ8がカートリッジ装着穴13内に水平にセ
ットされると、そのヘッドカートリッジ8の左右両端部
が左右一対の段部35によってカートリッジ装着穴13
内の左右一対の位置決め基準面26上に水平状に載置さ
れる。そして、図15に示された押圧ばね39がヘッド
カートリッジ8の一方の側面8a′を横方向である矢印
k方向に弾性的に押圧して、このヘッドカートリッジ8
の他方の側面8aがカートリッジ装着穴13内の他方の
側面である位置決め基準面13aに矢印k方向から弾性
的に強く圧着される。
【0032】そこで、この後、操作レバー52を支点ピ
ン53を中心に図18の(C)に示すロック位置P3ま
で矢印i方向に回転して、ヘッドカートリッジ8をカー
トリッジ装着穴13内にロックするが、操作レバー52
を図18の(A)に示すロック解除位置P1から図18
の(B)に示す中間位置P2まで矢印i方向に約60°
回転すると、カム機構55のカム溝56によってカム従
動ピン57が矢印h方向に駆動されて、スライドブロッ
ク47が矢印h方向に約9mmスライド駆動される。
【0033】すると、スライドブロック47が押圧ばね
50を介して基板ホルダ45を矢印h方向に弾性的にス
ライド駆動して、可動側コネクタ43がヘッドカートリ
ッジ8の固定側コネクタ42に矢印h方向から圧入(接
続)される。この時、固定側コネクタ42に対する圧入
側コネクタ43の圧入(接続)ストロークが約8mmに
設定されていることから、スライドブロック47は基板
ホルダ45を圧入(接続)ストロークより約1mmのオ
ーバストロークを有して矢印h方向にスライド駆動する
ことになるが、その約1mmのオーバストロークが押圧
ばね50で吸収されることになる。従って、両コネクタ
42、43に異常な負荷を加えることなく、理想的な押
圧力によって可動側コネクタ43を固定側コネクタ42
にスムーズに、しかも、確実に圧入(接続)することが
できる。なお、この実施形態では、コネクタ42、43
の接続力の測定値=1kgに対して、押圧ばね50の約
1mmの弛み量によって、コネクタ42、43の実線の
接続力を1.6kgに設定することができた。
【0034】そして、操作レバー52を引き続き図8の
(C)に示すロック位置P3まで、矢印i方向に、図8
の(A)のロック位置P1に対して約90°回転する
と、左右一対の押圧ばね54がヘッドカートリッジ8の
斜面8dに矢印i方向から圧着される。すると、その斜
面8dによって発生する押圧力の分力が矢印h方向と矢
印j方向に働き、ヘッドカートリッジ8がカートリッジ
装着穴13内の左右一対の段部36上に矢印j方向から
強く圧着されると共に、当接面37が位置決め基準面3
8に矢印h方向から強く圧着される。この結果、先に、
押圧ばね54によってヘッドカートリッジ8の他方の側
面8aが位置決め基準面13aに矢印k方向から押圧ば
ね54によって強く圧着されていることと相まって、ヘ
ッドカートリッジ8がカートリッジ装着穴13内で、矢
印k方向、矢印j方向、矢印h方向の3方向から3次元
的に高精度に位置決めされる。
【0035】なお、図18の(C)に示すように、操作
レバー52がロック位置P3まで回転された時には、カ
ム機構55のカム従動ピン57がカム溝46の一端側に
形成されていて、スライドブロック47に矢印h、h′
方向の約1mm程度の遊びを誘発する部分57a内に入
り込む。従って、ヘッドカートリッジ8の位置決め動作
が完了するのとほぼ同時に、図19の(C)に示すよう
に押圧ばね50の約1mmの弛み量が自然解消されて、
両コネクタ42、43に加えられていた負荷が解消され
る。この結果、両コネクタ42、43のダメージを防止
できると共に、ヘッドカートリッジ8の位置決め精度の
安定を実現できる。何故ならば、押圧ばね50の押圧力
がヘッドカートリッジ8に矢印h方向から強く加えられ
ることがあると、ヘッドカートリッジ8に傾きが発生し
て、ヘッドカートリッジ8の位置決めが完全なものにな
るが、このことをカム機構55によって解消することが
できる。
【0036】そして、操作レバー52がロック位置P3
まで矢印i方向に回転された時、図8の(C)及び図2
3の(B)に実線で示すように、ストッパー59のスト
ッパーピン60が押圧ばね62によってアーム52aの
矢印i方向に形成されている切欠き面60の後部に矢印
m方向から自動的に飛び出して、操作レバー52の矢印
i′方向の戻りが禁止される。そして、インク交換時等
にて、ヘッドカートリッジ8をカートリッジホルダ12
内から取り外す際には、図23に2点鎖線で示すよう
に、ストッパーピン60を押圧ばね62に抗して矢印
m′方向に引き戻して、ボール64をボール押圧ばね6
5によって凹溝63内に弾性的に係合して、ストッパー
ピン60をその2点鎖線で示す位置に係止すると、スト
ッパーピン60が操作レバー52の切欠き面52cから
矢印m方向に外される。
【0037】従って、操作レバー52をロック位置P3
からロック解除位置P1まで矢印i′方向に戻して、可
動側コネクタ43を固定側コネクタ42から矢印h′方
向に抜き取り、ヘッドカートリッジ8をカートリッジ装
着穴13内から矢印j方向に容易に抜き取ることができ
る。
【0038】なお、図18の(C)に1点鎖線で示すよ
うに、操作レバー52の先端部52dを矢印h方向に延
長し、カートリッジホルダ12にロックアーム67を支
点ピン68を介して矢印n、n′方向に回転自在に取り
付けると共に、回転付勢ばね(図示せず)によって矢印
n方向に回転付勢させたストッパー59に変更すること
もできる。そして、このストッパー59によれば、操作
レバー52がロック位置P3まで矢印i方向に回転され
た時に、ロックアーム67を回転付勢ばねによって矢印
n、n′方向にスイングさせながら操作レバー52の先
端に自動的に係合させてロックさせることができ、その
ロックを解除する時も、ロックアーム67を回転付勢ば
ねに抗して矢印n′方向に回転するだけで、操作レバー
52のロックをワンタッチで解除することができる。
【0039】(4)・・・ ヘッドキャップ開閉機構の
説明 次に、図24〜図39によって、ヘッドカートリッジ8
のラインヘッド9のヘッド面9aを開閉するヘッドキャ
ップ開閉機構70を説明するが、このヘッドキャップ開
閉機構70は、ヘッドキャップガイド機構71と、ヘッ
ドキャップ駆動機構86とによって構成されている。ま
ず、図41に示されているように、ラインヘッド9のヘ
ッド面(ノズル面)9aに下向きに突出されているイエ
ロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の色別の噴射
ノズル9bはプリント用紙3の搬送方向(矢印f方向)
に沿って多数列のライン状に配置されている。つまり、
この噴射ノズル9bは、ラインヘッド9の長さ方向であ
る図1における矢印k、k′方向に沿って数100個が
配置され、ラインヘッド9の幅方向である矢印h、h′
方向に沿って色別に数10列が配置されていて、例え
ば、A4サイズのプリント用紙対応のインクジェットプ
リンタにおける噴射ノズル9bのライン状配列は、例え
ば360×16等に構成されている。そして、ヘッドキ
ャップ10はこのヘッド面9aの多数の噴射ノズル9b
全面を開閉すると共に、その開閉時に、クリーニングロ
ーラ11によってクリーニング(ワイピング)するもの
である。そして、ラインヘッド9のヘッド面9aで、プ
リント用紙3の搬送方向(矢印f方向)の上流側に偏位
された位置に沿ってクリーニングローラ嵌合用凹部9c
が形成されている。
【0040】そして、ヘッドキャップ10は長方体形状
のラインヘッド9に対応されて、長方形の皿形に形成さ
れていて、このヘッドキャップ10の一端側である図1
1〜図13で説明したプリント用紙搬送方向(矢印f方
向)の上流側に偏位された位置で、そのヘッドキャップ
10の内側に長いクリーニングローラ11がローラ軸1
1aによってプリント用紙搬送方向と直交する状態で回
転自在に取り付けられている。
【0041】この際、ヘッドキャップ10の内部の長さ
方向の両端位置に形成された一対の垂直状のガイド溝7
2内にクリーニングローラ11のローラ軸11aの両端
が矢印o、o′方向に昇降自在に保持され、そのローラ
軸11aの両端が圧縮コイルばね等からなる一対の押圧
ばね73によって上方側である矢印o方向に押圧付勢さ
れている。従って、クリーニングローラ11はヘッドキ
ャップ10内の一端側にあって、そのヘッドキャップ1
0の上方に所定の高さに突出された状態に取り付けられ
ている。
【0042】ここで、図24〜図29によって、ヘッド
キャップガイド機構71について説明すると、このヘッ
ドキャップ10はほぼ相似形状のキャップホルダ74内
に水平状(平行状)に脱着可能に取り付けられて、その
キャップホルダ74によってこのヘッドキャップ10の
開閉動作が行われるように構成されている。この際、ヘ
ッドキャップ10はキャップホルダ74に形成された長
方形状のキャップ収容穴75内に上方から挿入され、ヘ
ッドキャップ10の長さ方向(矢印k、k′方向)の両
端に形成された各一対のピン76をキャップホルダ74
の長さ方向の両端に形成されている各一対のピン嵌合穴
77内に上方から脱着可能に嵌合させることによって、
このヘッドキャップ10がキャップホルダ74に脱着可
能に取り付けられている。そして、このキャップホルダ
74の長さ方向の両側面には、長い主ガイドピン78と
短い副ガイドピン79からなる一対のガイドピンが水平
状に突設されている。
【0043】次に、前述したカートリッジホルダ12の
カートリッジ装着穴13より外側位置でプリント用紙搬
送方向(矢印f方向)に対して直交する方向の両側位置
には垂直状の一対のキャップガイド板81が平行状で、
一体に形成されている。そして、これら一対のキャップ
ガイド板81には一対の主ガイド溝82及び副ガイド溝
83からなる各一対のガイド溝が、これらのキャップガ
イド板81を厚み方向に貫通する状態に形成されてい
る。
【0044】この際、図29に示すように、各一対の主
ガイド溝82及び副ガイド軸83は一対のキャップガイ
ド板81間に前述したようにセットされるヘッドカート
リッジ8のセット位置より下方位置から前述したプリン
ト用紙搬送方向(矢印f方向)の上方側位置にかけてほ
ぼL字状に形成されていて、キャップホルダ74の両側
の各一対の長い主ガイドピン78が各一対の主ガイド溝
82内にスライド自在で、水平状に挿通され、各一対の
短い副ガイドピン79が各一対の副ガイド溝83内にス
ライド自在で、水平状に挿入されている。
【0045】そして、詳しくは、各一対の主ガイド溝8
2はプリント用紙搬送方向(矢印f方向)の上流側の始
端部82aから斜め下方へ傾斜された傾斜部82bを経
て長い水平部82cに至り、その水平部82cの矢印f
方向端部に形成された下方への段差部82dを経て、矢
印f方向の上方側に傾斜されたやや長い傾斜部82eか
らその上部の終端部82fに至るようなほぼL字状に形
成されている。また、各一対の副ガイド溝83は矢印f
方向の上流側の端部83aから斜め下方へ傾斜された傾
斜部83bを経てやや長い水平部83cに至り、その水
平部83bから矢印f方向の上方側に次第に上昇される
円弧状部83dを経て、上部の終端部83eに至るよう
なほぼ円弧状に形成されている。
【0046】ここで、図24及び図29によって、ヘッ
ドキャップガイド機構71によって案内されるヘッドキ
ャップ10の開閉動作を説明する。即ち、ヘッドキャッ
プ10はキャップホルダ74と一体に後述するヘッドキ
ャップ駆動機構86によって、図29に点線で示すヘッ
ドカートリッジ8の下部に水平状に設定されている閉塞
位置P11と1点鎖線で示すヘッドカートリッジ8の矢
印f方向側の横位置で、かつ、ラインヘッド9のヘッド
面9aより十分に高い位置(搬送ベルト30の上方に引
き離された位置)まで上昇された開放位置P12との間
で、ヘッドキャップガイド機構71で案内されながら矢
印d、d′方向に開閉駆動される。
【0047】即ち、閉塞位置P11では、図24及び図
29に点線で示すように、ヘッドキャップ10のクリー
ニングローラ11がラインヘッド9のヘッド面9aにお
ける凹部9b内に下方から嵌合されて位置決めされ、そ
の皿形状のヘッドキャップ10によってラインヘッド9
のヘッド面9aが閉塞されている。
【0048】そして、図29に示すように、後述するヘ
ッドキャップ駆動機構86によってキャップホルダ74
が矢印d方向の推力を受けると、各一対の主ガイドピン
78と各一対の副ガイドピン79が各一対の主ガイド溝
82と副ガイド溝83の各始端部82a、83aからそ
れぞれ各傾斜部82b、83bに沿って斜め下方d1、
d1′へ小ストローク分下降案内される。すると、ヘッ
ドキャップ10が主ガイドピン78及び副ガイドピン7
9と一体にラインヘッド9の斜め下方d1へほぼ平行運
動によって斜め下方に小ストローク分下降されて、図2
4に実線で示すように、ラインヘッド9の凹部9bから
ヘッド面9a上に乗り上げる。この時点で、クリーニン
グローラ11が一対の押圧ばね73の押圧力によってラ
インヘッド9のヘッド面9aに下方から矢印o方向に弾
性的に押圧される。
【0049】そして、キャップホルダ74が矢印d方向
の推力を引き続き受けることによって、各一対の主ガイ
ドピン78及び副ガイドピン79が各一対の主ガイド溝
82及び副ガイド溝83の水平部82c、83c′に沿
って矢印d2、d2′方向に水平に移動案内(水平に平
行移動)される。すると、ヘッドキャップ10が主ガイ
ドピン78及び副ガイドピン79と一体にラインヘッド
9の一側方である矢印f方向にヘッド面9aとの平行状
態を保って水平に平行移動される。すると、この時、図
24に示すように、クリーニングローラ11がラインヘ
ッド9のヘッド面9aに矢印o方向から弾性的に押圧さ
れている状態を維持したままで、実線で示す位置から1
点鎖線で示す位置まで自転しながら矢印d2方向に水平
に平行移動して、そのクリーニングローラ11によって
ヘッド面9aの図41に示されている多数の噴射ノズル
9bの汚れがクリーニング(ワイピング)されることに
なる。
【0050】そして、キャップホルダ74が矢印d方向
の推力を引き続き受けることによって、各一対の主ガイ
ドピン78が各一対の主ガイド溝82の段差部82dに
沿って、一度、斜め下方d3へ小ストローク分下降され
た後に、傾斜部82eに沿って斜め上方である矢印d4
方向に、急速度で移動案内されて終端部82fに到達す
る一方、各一対の副ガイドピン79は各一対の副ガイド
溝83の円弧状部83dに沿って斜め上方である矢印d
3′方向にほぼ一定速度で円弧状に移動案内されて終端
部83eに到達する。これにより、ヘッドキャップ10
の主ガイドピン78側の端部がラインヘッド9のヘッド
面9aに干渉されることなく、ヘッドキャップ10が開
放位置P12に到達し、この開放位置P12では、ヘッ
ドキャップ10のヘッドカートリッジ12に近い側の端
部である主ガイドピン78側が副ガイドピン79側より
高くなるように傾斜される。そして、このヘッドキャッ
プ10の傾斜により、後述するプリント用紙3のジャム
処理を一層容易にすることができる。以上が、ヘッドキ
ャップ10の閉塞位置P11から開放位置P12までの
矢印d方向への開放動作であるが、ヘッドキャップ10
の開放位置P12から閉塞位置P11までの矢印d′方
向への閉動作は逆動作を辿ることになる。
【0051】次に、図28〜図39によってヘッドキャ
ップ駆動機構86について説明すると、カートリッジホ
ルダ12の一対のキャップガイド板81の両側位置に、
前述した下部シャーシ1に一体に形成された垂直状の一
対のラックガイド板87が平行状に配置されていて、こ
れら一対のラックガイド板87には水平でロングスパン
の一対の水平ガイド溝89が同一高さ位置に沿って水平
状に形成されている。そして、これら一対のラックガイ
ド板87の内側に一対のラック(正しくはラック板であ
るが、ここではラックと略称する)89が平行状に配置
され、これら一対のラック89の外側面の矢印f、f′
方向の両端に突設された一対のガイドピン90が一対の
水平ガイド溝88内にスライド自在に挿入されている。
そして、これら一対のラック89は一対の水平ガイド溝
88に沿って図30に実線で示す印刷待機位置P21と
1点鎖線で示す印刷可能位置P22との間で矢印f、
f′方向に水平にスライド駆動されるように構成されて
いる。
【0052】そして、これら一対のラック89の内側面
には垂直状の一対の凹溝91が形成されていて、前述し
たキャップホルダ74の一対の長い主ガイドピン78の
先端が一対のキャップガイド板81の一対の主ガイド溝
82を貫通して、一対の凹溝91内に挿入されている。
そして、これら一対の主ガイドピン78は一対の凹溝9
1内で、上下方向に移動可能であると共に、上方に出入
り可能に構成されている。但し、凹溝91の矢印f′方
向側の垂直面が主ガイドピン78を矢印f方向に駆動す
る主ガイドピン駆動面91aに構成されていて、その主
ガイドピン駆動面91aの上端には直角状に連続されて
水平に形成された主ガイドピン支持面91bに形成され
ている。そして、これら一対の主ガイドピン78と一対
の凹溝91とによって、動力伝達及び切断手段92が構
成されている。
【0053】そして、図33に示すように、下部シャー
シ1の一側部には、駆動モータ94及びウォームギア9
5を備えたギアトレイン96からなるラックアクチュエ
ータ97が取り付けられていて、ギアトレイン96の一
対の出力ギア(ピニオン)96aが一対のラック89の
下面に沿って水平状に形成されている一対のラックギア
89aを駆動するように構成されている。但し、一対の
ラックギア89aに噛合されている一対の出力ギア96
aは、例えば、一本の連動軸98の両端に固着されてい
て、この連動軸98で同期がとられて、一対のラックギ
ア89aを同一位相で回転駆動するように構成されてい
る。
【0054】そして、一対のラック89の一対の凹溝9
1内で、主ガイドピン78に対する主ガイドピン駆動面
91aとは反対側(矢印f方向側)の位置に、一対のト
ルクアジャスタ101が組み込まれていて、この一対の
トルクアジャスタ101は主ガイドピン78を矢印f′
方向に弾性的に押圧するアジャスタアーム102とアジ
ャスタばね103とによって構成されている。
【0055】ここで、以上のように構成されたヘッドキ
ャップ駆動機構86によるヘッドキャップ10の開閉駆
動の動作を図29〜図33を参照しながら、図34〜図
39によって説明する。まず、図32及び図34は、ヘ
ッドキャップ10が図29に示した閉塞位置P11に復
帰されている初期状態を示したものであって、この時、
一対のラック89が印刷待機位置P21まで矢印f′方
向に復帰されている。
【0056】そして、この時には、図29で説明したよ
うに、閉塞位置P11まで矢印d′方向に移動されたヘ
ッドキャップ10の一対の主ガイドピン78が一対の主
ガイド溝82の始端部82aで停止されるのに対して、
一対のラック89がその一対の主ガイドピン78に対し
て矢印f′方向にオーバストロークOS1して停止され
ている。
【0057】そして、一対のラック89のオーバストロ
ークOS1が一対のトルクアジャスタ101の一対のア
ジャスタアーム102を介して一対のアジャスタばね1
03で吸収されて、その一対のアジャスタばね103の
反力によって一対の主ガイドピン78が一対の主ガイド
溝82の始端部82aに矢印d′方向から無理なく弾性
的に押圧されて位置決めされている。従って、このトル
クアジャスタ101のアジャスタばね103のばね力に
よってヘッドキャップ10がラインヘッド9のヘッド面
9aの閉塞位置に無理なく高精度に位置決めされて、そ
のヘッド面9aを精度良く閉塞することができる。
【0058】次に、この初期状態で、前述したラックア
クチュエータ97の駆動モータ94によって、ウォーム
ギア95及びギアトレイン96を介して一対の出力ギア
96aが一対のラックギア89aを介して一対のラック
89を矢印f方向に駆動すると、一対のラック89が図
32及び図34に示す印刷待機位置P21から図35、
図36に示すように矢印f方向に水平状に駆動される。
すると、一対のラック89の凹溝91の主ガイドピン駆
動面91aによって一対の主ガイドピン78に矢印f方
向の推力が与えられて、一対のラック89が図30及び
図34の印刷待機位置P21から図35、図36に示す
ように矢印f方向に水平にスライド駆動される。これに
同期して、ヘットキャップ10が図29に示す閉塞位置
P11から矢印d方向に開駆動される。
【0059】この間に、一対の主ガイドピン78が凹溝
91の主ガイドピン駆動面91aに沿って次第に上昇
し、ヘッドキャップ10が図29に示す開放位置P12
に到達して、一対の副ガイドピン83が一対の副ガイド
溝83の終端部83bに当接してヘッドキャップ10が
開放位置P12で停止されるのとほぼ同時に、図37に
示すように、一対の主ガイドピン78が一対の凹溝91
内から主ガイドピン駆動面91aの上方に抜け出て、主
ガイドピン載置面91b上に相対的に押し上げられる。
そして、一対の主ガイドピン78が一対の主ガイドピン
載置面71b上に押し上げられたことによって、ヘッド
キャップ10が図29に示した開放位置P12に保持さ
れると共に、一対のラック89が一対の主ガイドピン7
8に対して矢印f方向にオーバストロークOS2された
印刷可能位置P22で停止される。
【0060】次に、一対のラック89が前述したラック
アクチュエータ97によって図37に示す印刷可能位置
P22から矢印f′方向にスライド駆動されると、図3
8、図39に示すように、一対の主ガイドピン78が一
対のラック89の主ガイドピン載置面91bから一対の
凹溝91内の主ガイドピン駆動面91aと一対のアジャ
スタ101のアジャスタアーム102との間に相対的に
落ち込む。そして、この後は、その一対のアジャスタア
ーム102によって一対の主ガイドピン78に矢印f′
方向の推力が与えられて、一対のラック89が図34に
示す印刷待機位置P21まで矢印f′方向に水平駆動さ
れて、ヘッドキャップ10が図29の閉塞位置P11ま
で矢印d′方向にスライド駆動されて停止される。そし
て、前述したように、一対のラック89のオーバストロ
ークOS1が一対のトルクアジャスタ101のアジャス
タばね103で吸収されることになる。
【0061】以上述べたヘッドキャップ開閉機構70に
よれば、ヘッドカートリッジ8を定位置に設定(固定)
したままで、ヘッドキャップ10を開閉駆動するもので
あり、そのヘッドキャップ10の開閉動作も、ヘッドキ
ャップ10をラインヘッド9のヘッド面9aにほぼ沿わ
せて移動させる水平方向の平行運動動作であることか
ら、このヘッドキャップ開閉機構71の全高を著しく低
く構成することができて、インクジェットプリンタの薄
型化を実現できると共に、クリーニングローラ11によ
るラインヘッド9のヘッド面9aのクリーニングを常に
確実に行える。従って、常に美しいフルカラーのプリン
トを実行できる。
【0062】また、ヘッドキャップ10の開放位置P1
2をヘッドカートリッジ8のプリント用紙搬送方向(矢
印f方向)側の横位置(一側部)で、ラインヘッド9の
ヘッド面9aより十分に高い位置に設定したことによ
り、ヘッドカートリッジ8を図5〜図14に示すよう
に、上側ペーパガイド27、28に著しく近接させるこ
とができて、インクジェットプリンタの奥行き寸法の縮
小化を実現できると共に、後述するようにプリント用紙
3のジャム処理やメンテナンス等を容易にしている。
【0063】また、ヘッドキャップ10の開閉駆動をヘ
ッドキャップガイド機構71とヘッドキャップ駆動機構
86とに分離させて、ヘッドキャップ駆動機構86でヘ
ッドキャップ10に開閉駆動のための推力を発生させる
一方、ヘッドキャップガイド機構71でヘッドキャップ
10の移動経路の案内をヘッドキャップ駆動機構86か
ら切り離して行える。従って、ヘッドキャップ10を理
想とする移動経路に沿ってスムーズに開閉駆動すること
ができると共に、後述するプリント用紙3のジャム処理
やメンテナンス等を容易に行える。
【0064】この本願発明のインクジェットプリンタの
ヘッドキャップ開閉機構70に対して、図60の(A)
B)(C)に示す、従来のヘッドキャップ開閉機構は、
ラインヘッド202のヘッド面202aに形成されてい
るイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブ
ラック(K)の4色の噴射ノズル202bを、ヘッドホ
ルダ203の矢印Z1、Z2方向のアップ−ダウン動作
と、ヘッドキャップ204の矢印X1、X2方向のスラ
イド動作との組み合わせ動作によって開閉するように構
成したものである。
【0065】即ち、印刷待機状態では、図60の(A)
に示すように、ラインヘッド202がヘッドホルダ20
3と一体に印刷待機位置まで矢印Z1方向に下降され
て、ラインヘッド202の複数の噴射ノズル202bが
ヘッドキャップ204によって密封されている。そし
て、プリント開始前に、図60の(B)に示すように、
一度、ラインヘッド202をヘッドホルダ203と一体
に上昇位置まで矢印Z2方向にアップ(上昇)させて、
複数の噴射ノズル202bをヘッドキャップ204の上
方に抜き取る。これに引き続きヘッドキャップ204を
矢印X1方向にスライド(水平移動)させて、ヘッドキ
ャップ204の複数の開口204aをラインヘッド20
2の複数の噴射ノズル202bの真下位置に設定する。
そして、最後に、図60の(C)に示すように、ライン
ヘッド202をヘッドホルダ203と一体に図60の
(B)に示す上昇位置から図60の(A)に示した印刷
待機位置より更に下方の印刷可能位置まで矢印Z1方向
にダウン(下降)させて、複数の噴射ノズル202bを
ヘッドキャップ204の複数のノズル穴204aに挿入
して下方に露出(ノズル開口状態)させるようにしたも
のである。
【0066】従って、従来のヘッドキャップ開閉機構
は、ラインヘッド202のアップ−ダウン(昇降)駆動
機構と、ヘッドキャップ204のスライド(水平移動)
駆動機構との2組の駆動機構が必要であり、機構が複雑
な上に、大きなスペースが必要で、小型化が困難であっ
た。特に、ラインヘッド202を上下方向に大きなスト
ロークでアップ−ダウンさせなければならないことか
ら、インクジェットプリンタの厚みが増し、インクジェ
ットプリンタの薄型化が困難であった。そして、ライン
ヘッド202をアップ−ダウンする構造では、ラインヘ
ッド202を印刷可能位置で、高精度に位置決めしづら
く、プリントされる画像の画質が劣化し易い等の問題が
あった。また、ヘッドキャップ204でラインヘッド2
02のヘッド面202aをクリーニング(ワイピング)
することもできないものであった。しかし、本願発明の
インクジェットプリンタの前述したヘッドキャップ開閉
機構70によれば、上記した従来のヘッドキャップ開閉
機構の問題点を解消することができるものである。
【0067】(5)・・・ 搬送ベルトの昇降機構の説
明 次に、図4〜図14、図30〜図40によって、プリン
ト用紙搬送機構の昇降機構である搬送ベルト昇降機構1
05について説明するが、まず、図30及び図40によ
って、プリント用紙搬送機構である搬送ベルトユニット
31について説明する。
【0068】この搬送ベルトユニット31は、エンドレ
ス形状の複数本の搬送ベルト30を平行状の主動軸10
6と従動軸107の外周に所定間隔で取り付けられてい
る複数の主動プーリ108と従動プーリ109の外周間
に偏平状に巻き掛けて構成したものである。そして、主
動軸106側に偏位された位置に平行状に配置されたテ
ンションプーリ軸110に所定間隔で取り付けられてい
る複数のテンションプーリ111が複数の搬送ベルト3
0のプリント用紙搬送部に構成されている上側経路30
aの下端に架け渡されている。そして、複数の搬送ベル
ト30の内側空間112内に搬送ステージ113が複数
の搬送ベルト30の上側及び下側経路30a、30bと
ほぼ平行状に挿入されている。
【0069】そして、この搬送ステージ112のプリン
ト用紙搬送方向である矢印f方向側の端部に複数の軸支
持部113aを介して従動軸107が支持され、この搬
送ステージ112のプリント用紙搬送方向の上流側であ
る矢印f′方向の両端部が一対の軸支持部113bによ
って主動軸106の両端近傍位置に相対回転自在に支持
されている。そして、この搬送ステージ113は複数の
搬送ベルト30の上側経路30aを下方から支持するよ
うに構成されている。なお、複数の主動プーリ108は
主動軸106と一体に回転されるように構成されてい
て、複数の従動プーリ109及びテンションプーリ11
1は従動軸107及びテンションプーリ軸110の外周
に回転自在に取り付けられている。また、テンションプ
ーリ軸110の両端が搬送ステージ113に矢印f、
f′方向に対する直交方向に昇降(移動)自在に支持さ
れていて、複数のテンションプーリ111がテンション
プーリ軸110の両端を押圧する圧縮コイルばね等から
なる複数の押圧ばね114によって複数の搬送ベルト3
0の上側経路30aに下方から押圧されている。なお、
ここでは、図5〜図14に示されている排出ローラ32
が省略されているが、この排出ローラ32は複数の搬送
ベルト30の従動軸107側の上部位置に平行状に配置
されて、搬送ステージ113に回転自在に取り付けられ
た自由回転ローラである。
【0070】そして、このように構成された搬送ベルト
ユニット31が前述したカートリッジホルダ12の下部
位置に配置されていて、この搬送ベルトユニット31の
プリント用紙搬送方向(矢印f方向)の上流側が、前述
した下部シャーシ1に主動軸106(主動プーリ10
8)を介して回転自在に取り付けられている。そして、
この搬送ベルトユニット31の搬送方向(矢印f方向)
の下流側の可動端である従動軸(従動プーリ109)側
を上下方向である矢印e、e′方向にスイング駆動方式
で昇降駆動されるように取り付けられている。
【0071】即ち、前述した下部シャーシ1に一体に形
成された垂直状の一対の搬送ベルト取付板116が前述
した一対のラックガイド板87の内側に、間隔を隔てて
平行状に配置されていて、これら一対の搬送ベルト取付
板116の内側に搬送ベルトユニット31が挿入されて
いる。そして、この搬送ベルトユニット31の主動軸1
06の両端が一対の搬送ベルト取付板116に水平状
で、回転自在に取り付けられている。これにより、搬送
ベルトユニット31が一対の搬送ベルト取付板116に
対して主動軸106を中心にして後述する印刷待機位置
P31と印刷可能位置P32との間で上下方向である矢
印e、e′方向にスイング(揺動)できるように構成さ
れている。
【0072】そして、図31〜図40に示すように、搬
送ベルト昇降機構105は、従動軸107の両端を昇降
駆動するトルクリミッタ兼用の昇降駆動ユニット117
を有していて、これら一対の昇降駆動ユニット117は
前述した一対のラック89の矢印f、f′方向の移動経
路の下部の内側位置に配置されている。そして、これら
一対の昇降駆動ユニット117は、それぞれ搬送ベルト
取付板116の外側に同一軸心状に取り付けられた一対
の支点軸118と、これら一対の支点軸118に矢印
p、p′方向に回転自在に取り付けられた一対の昇降駆
動アーム119と、これら一対の支点軸118に矢印
p、p′方向に回転自在に取り付けられた一対のリミッ
タアーム120と、これら一対の昇降駆動アーム119
とリミッタアーム120とを相互に近づく方向に回転付
勢して、これら一対の昇降駆動アーム119とリミッタ
アーム120を90°等の所定角度位置で相互に当接さ
せる引張りコイルばね等からなるリミッタばね121と
を備えている。従って、昇降駆動アーム119、リミッ
タアーム120及びリミッタばね121は、いわゆるト
ルクリミッタに構成されている。
【0073】そして、これらの昇降駆動ユニット117
は、搬送ベルトユニット31の従動軸107より矢印f
方向に偏位された位置に同一軸心状に配置されている。
そして、一対の昇降駆動アーム119の先端119aが
一対の支点軸118に対して従動軸107側へ突出され
ていて、その一対の先端119aには従動軸107の両
端を上下方向から遊びを有してスライド自在に保持する
一対のガイド溝119bが形成されている。そして、一
対のリミッタアーム120の先端120aは一対の支点
軸118に対して上方側へ突出されていて、前述した一
対のラック89の内側位置で、前述したキャップホルダ
74より下方位置に水平状に突出された昇降駆動部であ
る昇降駆動ピン122がリミッタアーム120の先端1
20aに矢印f、f′方向に当接、離間可能に構成され
ている。
【0074】ここで、以上のように構成された搬送ベル
ト昇降機構105による搬送ベルトユニット31の昇降
駆動動作である矢印e、e′方向のスイング駆動を図5
〜図14と対応させながら、図34〜図39によって説
明する。なお、この搬送ベルトユニット31の昇降駆動
は、前述したヘッドキャップ10の開閉動作と同期して
行われる。
【0075】まず、図34は、前述したようにヘッドキ
ャップ10が図29に示した閉塞位置P11に復帰さ
れ、一対のラック89が印刷待機位置P21に復帰され
ている初期状態である。そして、この初期状態では、搬
送ベルトユニット31は、自重により主動軸106を回
転支点にして、従動軸107側が下方である矢印e′方
向に斜め下方に下降された下降位置である印刷待機位置
P31へ下降されていて、図5〜図10に対応されてい
る。そして、この初期状態では、搬送ベルトユニット3
1の自重により一対の昇降駆動ユニット117の全体が
矢印p′方向に回転されて、リミッタアーム120の先
端120aが一対のラック89の一対の昇降駆動ピン1
22の矢印f方向の移動経路内に下方から挿入されてい
る。なお、この際、搬送ベルトユニット31を図示省略
した下降付勢用ばねによって印刷待機位置P31へ強制
下降させるように構成することも可能である。
【0076】次に、前述したように、一対のラック89
が図34に示す印刷待機位置P21から図37に示す印
刷可能位置P22まで矢印f方向にスライド駆動され
て、ヘッドキャップ10が閉塞位置P11から開放位置
P12まで矢印d方向に開駆動されるが、ヘッドキャッ
プ10が図35に示す閉塞位置のすぐ下まで矢印d方向
に移動された時に、一対のラック89の昇降駆動ピン1
22が昇降駆動ユニット117のリミッタアーム120
の先端120aに矢印f方向から当接される。そして、
前述したように、一対のラック89が図35に示す位置
から図36を経由して図37に示す印刷可能位置P22
まで矢印f方向にスライドされて、ヘッドキャップ10
が開放位置P12まで斜め上方(図29で示した矢印d
4、d2′方向を言う)へ押し上げられる間に、図35
〜図37に示すように、一対のラック89の一対の昇降
駆動ピン122が一対のリミッタアーム120を一対の
支点軸118を中心に矢印p方向に回転駆動する。
【0077】すると、一対のリミッタアーム120がリ
ミッタばね121を介して一対の昇降駆動アーム119
を一対の支点軸118を中心に矢印p方向に回転駆動
し、一対の昇降駆動アーム119がその先端119aの
ガイド溝119bの下側で、搬送ベルトユニット31の
従動軸107の両端の下面を矢印e方向に上昇駆動す
る。これにより、搬送ベルトユニット31が主動軸10
6を回転中心にして、図5及び図34に示す印刷待機位
置P31から図11及び図37に示す用に、従動軸10
7が上昇されて水平となった上昇位置である印刷可能位
置P32まで矢印e方向にスイング駆動される。
【0078】つまり、ヘッドキャップ10が図35に示
す開放位置P12のすぐ下の位置から37に示す開放位
置P12まで、図29で説明した主ガイド溝82の傾斜
部82e及び副ガイド溝83の円弧状部83cに沿って
斜め上方(矢印d4、d2′方向)に押し上げられる動
作に追従するようにして、搬送ベルトユニット31が印
刷待機位置P31から上昇位置である印刷可能位置P3
2へ矢印e方向にスイング駆動(上昇)されることにな
る。
【0079】そして、図37に示すように、搬送ベルト
ユニット31が印刷可能位置P32まで上昇されて、ラ
インヘッド9のヘッド面9aと平行な水平状態になった
時点で、従動軸107の両端の上側が、カートリッジホ
ルダ12の一対のラックガイド板87の下端縁に下向き
で、水平状に形成されている一対のベルト高さ基準部1
32に下方から矢印q方向に当接されて停止される。
【0080】そして、この後、図37に示すように、一
対のラック89が矢印f方向にオーバストロークOS2
して停止される間は、昇降駆動ユニット117が従動軸
107によって停止されたまま、昇降駆動ピン122に
よってリミッタアーム120のみが支点軸48を中心に
リミッタばね121のばね力に抗して矢印p方向にオー
バストローク回転されることになる。
【0081】従って、印刷可能位置P32まで矢印e方
向に上昇された搬送ベルトユニット31の従動軸107
の両端は一対の搬送ベルト取付板116の一対のベルト
高さ基準部132に一対のリミッタばね121のばね力
によって下方から矢印q方向に圧着されることになり、
後述するように、搬送ベルト30の上側経路30aとラ
インヘッド9のヘッド面9aとの間のギャップが設定値
に高精度に設定される。そして、搬送ベルト30が印刷
可能位置P32へ上昇されたことによって、図11に示
すと共に、図40に示す上側テーパガイド27の先端の
ピンチローラ29が後述する押圧ばねによって搬送ベル
ト30上に弾性的に押圧されることになる。
【0082】なお、前述したように、一対のラック89
が図37に示す印刷可能位置P22から図34に示す印
刷待機位置P21まで矢印f′方向にスライド駆動され
て、ヘッドキャップ10が図37に示す開放位置P12
から図34に示す閉塞位置P11まで閉動作される間
に、図38、図39に示すように、一対のラック89の
一対の昇降駆動ピン122がリミッタアーム120の先
端120aから矢印f′方向に離間される。すると、図
38、図39に示すように、搬送ベルトユニット31
が、ヘッドキャップ10に対して先行するようにして、
印刷可能位置P32から印刷待機位置P31へ矢印e′
方向に即座に自重降下(又はばねによる強制降下)され
ることになる。
【0083】(6)・・・ 搬送ベルト駆動方法の説明 次に、図40によって、搬送ベルト30の駆動方法につ
いて説明すると、図5〜図14、図31〜図39で説明
したように、搬送ベルト30は主動プーリ108と従動
プーリ109との間の外周に巻き掛けられていて、上側
経路30aの下部に沿って搬送ステージ113が配置さ
れて、その上側経路30aがプリント用紙3の搬送部に
構成され、その上側経路30aの主動プーリ108側に
偏位された位置にテンションプーリ111が押圧ばね1
14によって下方から押圧されている。
【0084】そして、前述したように、この搬送ベルト
30は、搬送ベルト昇降機構105によって、固定端側
である主動軸106を回転中心にして、可動端側である
従動軸107を昇降駆動することにより、下降されて斜
め下方に傾斜された印刷待機位置P31と上昇されて水
平状となる印刷可能位置P32との間で、矢印e、e′
方向にスイング駆動されるように構成されている。
【0085】そこで、駆動モータ124、ギアトレイン
125等によって構成されたベルト駆動源であるベルト
アクチュエータ126を搬送ベルト30の固定端側であ
る主動軸106側に配置して、そのベルトアクチュエー
タ126によって主動軸106を回転駆動し、主動プー
リ108によって搬送ベルト30を矢印f方向に回転駆
動するようにして、搬送ベルト30の上側経路30aで
プリント用紙3を矢印f方向に搬送するように構成すれ
ば、前述した搬送ベルト昇降機構105によって、搬送
ベルト30を印刷待機位置P31と印刷可能位置P32
との間で矢印e、e′方向にスイング駆動する際に、ベ
ルトアクチュエータ126を上下動させる必要はない。
従って、搬送ベルト30を小さなスペース内で、軽く昇
降駆動することができ、ベルトアクチュエータ126に
要する駆動力も小さくて済むことから、ベルトアクチュ
エータ126の小型、軽量化も可能となる。
【0086】ここで、図61〜図63によって、搬送ベ
ルトの駆動方法に関する問題点について考察すると、ま
ず、図61の(A)に示すように、ラインヘッド202
の下部に配置されたプリント用紙搬送ベルト206の紙
送り方向Aに対する上流側に主動プーリ207を配置
し、下流側に従動プーリ208を配置して、主動プーリ
207を駆動モータ209によりギアトレイン210等
を介して回転駆動すれば、プリント用紙搬送ベルト20
6の上側が弛み側206aとなり、下側が張り側206
bとなって、その弛み側206aでプリント用紙を紙送
り方向Aに搬送することになる。
【0087】しかし、ベルトの弛み側206aは挙動が
不安定なことから、ベルトの弛み側206aでは安定し
た紙送り(プリント用紙の搬送)を実現することができ
ず、インクジェットプリンタにおけるプリント用紙搬送
ベルト206の駆動方法としては不適当であるとされて
いる。従って、インクジェットプリンタのプリント用紙
搬送ベルト206の駆動方法としては、図61の(B)
に示すように、紙送り方向Aに対する下流側に主動プー
リ207を配置して、上側を張り側206bとし、下側
を弛み側206aとして、その張り側206bでプリン
ト用紙をラインヘッド202に沿って搬送することが適
当であると言う常識が一般的であった。
【0088】しかし、プリント用紙搬送ベルト206の
張り側206bでプリント用紙を搬送することに固執し
てしまった場合、次のような問題が新たに発生する。つ
まり、ラインヘッド202においては、待機時には下面
のヘッド面202aをヘッドキャップ204で閉塞し、
プリント時には、ヘッドキャップ204を待避位置へ移
動させてヘッド面202aを開放させるように、ヘッド
キャップ204でヘッド面202aを開閉する必要があ
る。
【0089】そこで、図62の(A)に示すように、ヘ
ッドキャップ204をヘッド面202aの閉塞位置と、
紙送り方向Aに対する下流側に配置された開放位置との
間で、矢印B、C方向に開閉する方式を採用し、そのヘ
ッドキャップ204の開閉移動経路を確保するために、
プリント用紙搬送ベルト206を従動プーリ208を回
転支点にして主動プーリ207側を上下方向である矢印
E、F方向にスイング駆動しようとした場合には、主動
プーリ207を回転駆動する駆動モータ209やギヤト
レイン210等の駆動源ごとプリント用紙搬送ベルト2
06を上下にスイング駆動しなければならなくなって、
機構が著しく複雑で、大型となり、インクジェットプリ
ンタの小型化には不適当なものになってしまう。
【0090】一方、それとは逆に、図63の(A)
(B)に示すように、ヘッドキャップ204をヘッド面
202aの閉塞位置と、紙送り方向Aに対する上流側に
配置された開放位置との間で、矢印B、C方向に開閉す
る方式を採用し、そのヘッドキャップ204の開閉移動
経路を確保するために、プリント用紙搬送ベルト206
を主動プーリ207を回転支点にして従動プーリ208
側を上下方向である矢印E、F方向にスイング駆動しよ
うとした場合には、主動プーリ207の駆動源は上下に
スイングさせる必要はない。
【0091】しかし、開閉位置へ移動されたヘッドキャ
ップ204の下部位置であって、プリント用紙搬送ベル
ト206の上流側の上部にデッドスペース部分211が
形成されてしまうので、紙押えローラであるピンチロー
ラ212等の他の部品をそのデッドスペース部分211
より更に上流側の位置であって、ラインヘッド202に
対して遠い距離Lだけ離間された位置に配置しなければ
ならなくなる。
【0092】そして、図63の(B)に示すように、ラ
インヘッド202の上流側に遠い距離Lだけ離間された
位置に配置されたピンチローラ212でプリント用紙2
01をプリント用紙搬送ベルト206の張り側206b
上に押圧して紙送り方向Aへ搬送しようとすると、プリ
ント用紙201がラインヘッド202下へ到達する前
に、そのプリント用紙201の先端が浮き上ってしま
い、プリント用紙201をラインヘッド202下へスム
ーズに送り込ませることが困難になると言う新たな問題
を発生してしまうことになる。
【0093】そこで、本発明のインクジェットプリンタ
の搬送ベルト駆動方法は、図40に示しているように、
プリント用紙搬送方向(矢印f方向)の上流側に配置し
た主動プーリ108で搬送ベルト30を矢印f方向に回
転駆動するようにして、搬送ベルト30の上側経路30
aを弛み側とし、下側経路30bを張り側として、あえ
て、その弛み側をプリント用紙3の搬送部に使用する。
【0094】そして、前述したように、ヘッドキャップ
10の開放位置P12をヘッドカートリッジ8のプリン
ト用紙搬送方向(矢印f方向)の下流側に設定すること
によって、ベルト押圧手段であるピンチローラ29をヘ
ッドキャップ10の開放位置とは反対側であるヘッドカ
ートリッジ8のプリント用紙搬送方向の上流側(矢印
f′方向)の側部に最大限に近接させた押圧点P41
で、搬送ベルト30の弛み側である上側経路30a上に
押圧ばね127によって弾性的に押圧させて、後述する
ように、プリント用紙搬送時における上側経路30aの
弛みによる挙動を取り除くように構成した。
【0095】なお、図5〜図14で説明したように、ピ
ンチローラ29は上側ペーパガイド27の先端に形成さ
れていて、この上側ペーパガイド27は前述した上部シ
ャーシ2に支点軸128を介して上下方向である矢印
r、r′方向に回転自在に取り付けられている。そし
て、引張りコイルばねや圧縮コイルばね等からなる押圧
ばね127によって上側ペーパガイド27が支点軸12
8を中心に下方である矢印r方向に回転付勢されて、ピ
ンチローラ29が搬送ベルト30の上側経路30a上に
弾性的に押圧されている。従って、上側ペーパガイド2
7でピンチローラ29が兼用された形状に構成されてい
る。但し、上側ペーパガイド27の矢印r方向への一定
角度以上の回転はストッパー(図示せず)によって禁止
されている。
【0096】これにより、搬送ベルト30の弛み側であ
る上側経路30aが主動プーリ108によって矢印f方
向に回転駆動される際、搬送ベルト30の上側経路30
aで、主動プーリ108とピンチローラ29の押圧点P
41との間S1は依然として弛みが発生するものの、ピ
ンチローラ29の押圧点P41では、その上側経路30
aがピンチローラ29と搬送ステージ113との間で挟
持されて、摩擦力が発生する。そして、その摩擦力は、
上側経路30aを上流側(矢印f′方向)へ引っ張ろう
とする引張り力となって、その上側経路30aの押圧点
P41とそれより下流側に配置されている従動プーリ1
09との間S2は張り側に変換されることになる。
【0097】従って、張り側となった上側経路30aの
押圧点P41と従動プーリ109との間S2では、搬送
ベルト30の挙動が安定し、プリント用紙3をラインヘ
ッド9のヘッド面9aに沿って矢印f方向に安定良くス
ムーズに搬送することができる。また、前述したよう
に、ピンチローラ29の押圧点P41をヘッドカートリ
ッジ8に最大限に近接させて配置させることができるの
で、矢印f方向に搬送されるプリント用紙3がピンチロ
ーラ29の通過直後に上方にめくれ上ってヘッドカート
リッジ8の側面に衝突してジャミング(紙詰り)を発生
する危険がなく、プリント用紙3をラインヘッド9のヘ
ッド面9aの下へ常に安定良く送り込むことができる。
【0098】ところで、搬送ベルト30の上側経路30
aで、ピンチローラ29の押圧点P41と従動プーリ1
09との間S2を安定した張り側として使用するための
条件は、押圧点P41におけるピンチローラ29の押圧
力F1によって発生する摩擦力をμ1、抗力をN1と
し、テンションプーリ111による上側経路30aの押
圧力F2によって従動プーリ109の外周に発生する上
側経路30aの摩擦力をμ2、抗力をN2とした時に、 μ1×N1≧μ2×N2 である。
【0099】(7)・・・ ラインヘッドとプリント用
紙搬送ベルトとの間のギャップ調整の説明 次に、図41〜図50によって、ラインヘッド9のヘッ
ド面9aと搬送ベルト30の上側経路30aとの間のギ
ャップをプリント用紙3の厚みの変化に対応して調整す
るギャップ調整機構131について説明する。
【0100】まず、図41は、ラインヘッド9を昇降駆
動することなく、このラインヘッド9を定位置に固定し
たまま、プリント用紙3の厚みT1、T2が変化して
も、ラインヘッド9のヘッド面9aとプリント用紙3の
上面3aとの間の印画ギャップGを常に一定値に保つこ
とができるようにプリント用紙搬送手段である搬送ベル
ト30の上側経路30aを搬送ステージ113と一体に
上下方向である矢印e、e′方向に高さ調整して、その
上側経路30aとヘッド面9aとの間のギャップG1、
G2を調整するようにしたギャップ調整の主旨を調整し
ている。つまり、プリント用紙3の厚みT1が薄い時に
は、ギャップG1を2mm等の小寸法に調整し、プリン
ト用紙3の厚みT2が厚い時には、ギャップG2を例え
ば3mm等に調整するものである。
【0101】次に、図42〜図49によって、ギャップ
調整機構131の基本の実施の形態を説明すると、図4
2及び図43に示すように、搬送ベルト30は前述した
搬送ベルト昇降機構115によって一端側である従動軸
107を回転して、他端側である従動軸107側をスイ
ング駆動方式で上下方向(矢印e、e′方向)に昇降駆
動し、図43に示すように、カートリッジホルダ12の
一対のラックガイド板87の下端縁に下向きで水平状に
形成されている一対の高さ基準面であるベルト高さ基準
部132に当接部である従動軸107の両端を下方から
リミッタばね121のばね力によって弾性的に押圧させ
て、ラインヘッド9のヘッド面9aに対する搬送ベルト
30の高さを設定している。
【0102】そこで、一対のスペーサ133を一対のベ
ルト高さ基準部132の下部に前後方向である矢印s、
s′方向から出し入れすることによって図41で説明し
たギャップG1、G2を調整することができるようにし
たものである。即ち、図43及び図45の(A)は、ス
ペーサ133をベルト高さ基準部132から矢印s′方
向に抜き取った状態で、従動軸107の両端をベルト高
さ基準部132に矢印e方向から弾性的に押圧させた場
合であり、この時には、図44の(A)に示すように、
ベルト高さ基準部132と従動軸107の中心との高さ
がH1となって、図41の(A)に示すように、例えば
2mmのギャップG1に設定される。
【0103】また、図44及び図45の(B)は、スペ
ーサ133をベルト高さ基準部132の下へ矢印s方向
から挿入して、従動軸107の両端をスペーサ133に
矢印e方向から弾性的に押圧させた場合であり、この時
には、図45の(B)に示すように、ベルト高さ基準部
132と従動軸107の中心との高さがH3=H1+H
2(但し、H2はスペーサ133の厚み)となって、図
41の(B)に示すように、例えば3mmのギャップG
2に設定される。
【0104】なお、図46〜図49は、一対のスペーサ
133を矢印s、s′方向に同時に、しかも、ワンタッ
チ操作でスライド操作するスペーサスライド機構134
を示したものであり、一対のスペーサ133が平行状の
一対のスライダー135の先端に一体に形成されてい
て、これら一対のスライダー135は一対のラックガイ
ド板87の水平な下端面87aに沿ってスライドガイド
136で案内されて矢印s、s′方向にスライド自在に
取り付けられている。
【0105】一方、図示省略したスライドガイドによっ
て案内されて、一対のスライダー135と直交する方向
である矢印t、t′方向にスライド自在の一対のスライ
ダー137がラックガイド板87間に取り付けられてい
て これら一対のスライダー137の外側端137aに
は一対のカム138が形成されている。そして、一対の
スライダー135のスペーサ133とは反対側の端部1
35aが押圧ばね139によって一対のカム138側で
ある矢印s′方向にスライド付勢されている。そして、
一対のスライダー137の内側端137bが一対のリン
ク140を介して回転操作レバー141の円板部141
aのほぼ180°の位相位置に連結させたものである。
【0106】そして、このスペーサスライド機構134
によれば、図46及び図47に示すように、操作レバー
41を矢印u′方向に回転操作すると、その円板部14
1aによって一対のリンク140を介して一対のスライ
ダー137が矢印t′方向に引き寄せられ、一対のスラ
イダー135が一対のカム138に沿って一対の押圧ば
ね139によって矢印s′方向に同時にスライド駆動さ
れる。また、図48及び図49に示すように、操作レバ
ー141を矢印u方向に回転操作すると、一対のリンク
140を介して一対のスライダー137が矢印t方向に
引き離されて、一対のカム138により一対のスライダ
ー135が一対の押圧ばね139に抗して矢印s方向に
同時にスライド駆動される。
【0107】なお、図50の(A)(B)(C)は、ギ
ャップ調整機構131の変形例を示したものであって、
図50の(A)は、一対のスペーサ133の厚みを階段
形状等の多段階43に構成して、前述したギャップG
1、G2を多段階G1〜Gnに変化させて、プリント用
紙3の多数の厚みT1〜Tnの変化に対応させたもので
ある。
【0108】また、図50の(B)は、スペーサ133
の厚みをクサビ形状等の無段階44に形成して、前述し
たギャップG1、G2を無段階G1〜Gnに変化させ
て、プリント用紙3の無段階の厚みT1〜Tnの変化に
対応させたものである。
【0109】また、図50の(C)は、一対のベルト高
さ基準部132に偏心回転輪である回転カム145を取
り付け、この回転カム145の外周面である偏心回転面
145aに従動軸107の両端を当接させるようにし、
その際、回転カム145を回転調整することによって、
前述したギャップG1、G2を無段階G1〜Gnに変化
させて、プリント用紙3の無段階の厚みT1〜Tnの変
化に対応させたものである。
【0110】ところで、従来のインクジェットプリンタ
では、図59の(A)(B)に示すように、プリント用
紙201の厚みT1、T2の変化に応じてラインヘッド
202をカム機構等を用いた昇降機構(図示せず)によ
って上下方向にスライド調整するようにして、プリント
用紙201の厚みT1、T2が変化しても、ラインヘッ
ド202の下面のヘッド面(ノズル面)202aとプリ
ント用紙201の上面のプリント面202aとの間の印
画ギャップGを一定に保つようにしていた。しかし、ラ
インヘッド210はプリント用紙201の搬送方向に対
して直交する方向の長さが長いことから、このラインヘ
ッド210のプリント用紙201に対する平行度を高精
度に保って上下方向にスライド調整することには問題が
あり、プリント用紙201に対するラインヘッド210
の長さ方向の傾きが発生すれば、プリントされる画像の
画質が劣化してしまう、また、ラインヘッド202をイ
ンクジェットプリンタの厚み方向である上下方向にスラ
イド調整する方式では、インクジェットプリンタの厚み
が増大すると言う問題があった。
【0111】しかし、前述した本発明のインクジェット
プリンタのギャップ調整機構131によれば、従来の問
題を解決して、インクジェットプリンタの薄型化及びフ
ルカラープリントされる画像の画質を安定して得ること
ができ、構造が簡単であることから、インクジェットプ
リンタのコストダウンも実現できる。
【0112】(8)・・・ インクジェットプリンタ内
部にジャミングしたプリント用紙のジャム処理機構に関
する説明 次に、図4、図51〜図58によって、インクジェット
プリンタ内部にジャミング(紙詰り)したプリント用紙
3のジャム処理(取り除くこと)を行うためのジャム処
理機構について説明する。
【0113】まず、図4、図51及び図52によって、
ジャム処理機構の基本的な構成について説明すると、プ
リント動作中において、プリント用紙搬送経路6中にお
けるプリント用紙3のジャミング発生頻度の最も高い場
所は、上側ペーパガイド27、28間からピンチローラ
29を経て搬送ベルト30上に至る搬送方向屈曲点EP
である。なお、上側ペーパガイド27、28搬送される
プリント用紙3の搬送方向と直交する方向の両側を案内
するように上部シャーシ2内に取り付けられていて、プ
リント用紙3はこれらの上側ペーパガイド27、28間
から下方に取り出し可能である。
【0114】この搬送方向屈曲点EPでは、プリント用
紙3が、そのプリント用紙3の幅方向の両側を案内する
上側ペーパガイド27、28間を斜め下方である矢印c
方向に下降されて来て、ピンチローラ29によって搬送
ベルト30上に弾性的に押え付けられて水平方向である
矢印f方向に屈曲されながら搬送される際に、そのプリ
ント用紙3の先端部分3aが搬送ベルト30の上方にめ
くれ上がってヘッドカートリッジ8に接触してジャミン
グし易い。しかも、プリント動作中は、ヘッドカートリ
ッジ8のヘッド面9aでピンチローラ29に最も近い位
置に形成されているクリーニングローラ落ち込み用凹部
9bが開放状態となっているために、プリント用紙3の
先端部分3aがこの凹部9b内に入り込んでジャミング
し易い。更には、プリント用紙3の斜め走行等によって
ジャミングし易いものとなっている。
【0115】従って、この搬送方向屈曲点EPでのプリ
ント用紙3のジャミング状態は、図51に示すように、
プリント用紙3の先端部分3aが搬送ベルト30上で、
ピンチローラ29から矢印f方向に抜け出た状態で、プ
リント用紙3の後端部分3bが反転ローラ25から矢印
b方向に送り出された直後となって、上側テーパガイド
27、28間の内部にジャミングする形態が最も多いこ
とになる。
【0116】そこで、この図4、図51及び図52に示
した基本的なジャム処理機構151では、プリント用紙
3の搬送途中で発生したシャミングを検出するジャム検
出センサ152を上側ペーパガイド27、28間に配置
して、プリント用紙3のジャミングをそのセンサ152
で検出するように構成している。また、前述したよう
に、ヘッドカートリッジ8、上側ペーパガイド27、2
8、ピンチローラ29、ヘッドキャップ開閉機構70の
ヘッドキャップガイド機構71等が取り付けられている
上部シャーシ2の最後端位置を、ヘッドキャップ開閉機
構70のヘッドキャップ駆動機構86、ラックアクチュ
エータ97、搬送ベルト昇降機構105、ベルトアクチ
ュエータ126等が取り付けられている下部シャーシ1
の後端側の上部に水平な支点軸17を中心に上下方向で
あるv、v′方向に開閉自在に取り付けたものである。
なお、下部シャーシ1に対する上部シャーシ2の矢印v
方向への開き角度は100°前後が好ましい。
【0117】そして、ジャム検出センサ152は、プリ
ント途中で発生したプリント用紙3のジャミングを検出
して、CPU153に信号を送出し、CPU153はプ
リント動作を中止して、ヘッドキャップ開閉機構70や
搬送ベルト昇降機構105等を前述した初期状態に戻
す。そして、ジャミング発生表示ランプ(図示せず)を
点灯する等して、ユーザにジャミング発生を認識させ
る。
【0118】従って、このジャム検出センサ152によ
るジャム検出によって、特に、搬送ベルトユニット31
が図51に示す印刷可能位置P32から図52に示す印
刷待機位置P31まで矢印e方向に斜め下方に傾斜され
ることになる。
【0119】そこで、ユーザは、下部シャーシ1に対す
る上部シャーシ2のロックを解除し、上部シャーシ2を
支点軸17を中心に矢印v方向に開けば、ヘッドキャッ
プ開閉機構70のヘッドキャップガイド機構71と、ヘ
ッドキャップ駆動機構86とが動力伝達/切断手段92
部分で自動的に切り離される。即ち、図34において、
キャップホルダ74の一対の主ガイドピン78が一対の
ラック89の一対の凹溝91内から上方に抜け出ること
によって切り離される。
【0120】すると、ヘッドキャップ10がヘッドキャ
ップガイド機構71で案内されて、図51に示す開放位
置P12から図52に示す閉塞位置P11まで矢印d′
方向に自重降下されて、ヘッドカートリッジ8のヘッド
面9aがヘッドキャップ10によって自動的に閉塞され
る。
【0121】そして、上部シャーシ2と一緒に、ヘッド
カートリッジ8、上側ペーパガイド27、28、ピンチ
ローラ29、ヘッドキャップ開閉機構70のヘッドキャ
ップガイド機構71等が矢印v方向に持ち上げられて、
ヘッドカートリッジ8、ヘッドキャップ10、上側ペー
パガイド27、28、ピンチローラ29等と、搬送ベル
トユニット31との間が上下に大きく開放される。そし
て、ジャミングしたプリント用紙3は、その幅方向の両
側を案内していた上側ペーパガイド27、28間から自
重降下して、ユーザ側から見て仰角状に下降傾斜されて
いる搬送ベルトユニット31上に載置される。
【0122】従って、ユーザは、搬送ベルトユニット3
1上に容易に手を挿入して、ジャミングしたプリント用
紙3をつまんで取り除くジャミング処理を容易に行うこ
とができる。そして、そのジャム処理を行う際には、既
にヘッドカートリッジ8のヘッド面9aがヘッドキャッ
プ10によって閉塞されているので、ヘッド面9aがダ
メージを受けることがなく、ジャム処理を安全に行え
る。この際、下部シャーシ1に設けられた遮光型の光セ
ンサ154と、上部シャーシ2に設けられた遮光シャッ
ター155とによって、上部シャーシ2の矢印v方向の
開きを検出して、内部の活電部への電源供給を切断する
等して、安全性を向上させることができる。
【0123】また、上部シャーシ2にヘッドキャップ閉
駆動手段である駆動モータ(図示せず)を設けて、によ
ってヘッドキャップ10を開放位置P12から閉塞位置
P11へ駆動することも可能である。また、上部シャー
シ2の矢印v、v′方向の開閉駆動を駆動モータによっ
て自動的に行うことも可能である。
【0124】次に、図53〜図55は、このジャム処理
機構151の改良された構造を示したものであって、上
部シャーシ2にヘッドキャップ閉駆動手段である巻取り
方式等の定テンションばね157を取り付け、その定テ
ンションばね157の引き出し側の先端157aをキャ
ップホルダ74に連結したものである。
【0125】そして、この構造によれば、ジャム処理時
に、上部シャーシ2を矢印v方向に小さい角度に開い
て、前述した動力伝達及び切換手段92を切り離した瞬
間に、定テンションばね157によるキャップホルダ7
4の引き戻し力及び/又はヘッドキャップ10の自重に
よって、ヘッドキャップ10を図53、図54、図55
によって開放位置P12から閉塞位置P11へ素早く引
き戻して、ヘッドカートリッジ8のヘッド面9aを素早
く閉塞することができる。従って、この後、上部シャー
シ2を矢印v方向に大きく開き、ジャミングしたプリン
ト用紙3を取り除くジャム処理動作を安全に行える。
【0126】次に、図56も、このジャム処理機構15
1の改良された構造を示したものであって、この場合
は、ヘッドキャップ閉駆動手段である駆動レバー160
の下端を下部シャーシ1に支点軸161を介して矢印
x、x′方向に回転自在に取り付け、その連動レバー1
60の先端160a側に偏位された位置に沿ってガイド
溝162を形成して、上部シャーシ2に取り付けられた
ガイドピン164をそのガイド溝162内に沿ってスラ
イド可能に挿入させ、その連動レバー160の先端16
0aに取り付けた板ばね等からなる押圧ばね164によ
って前述したラック89の側面又はそのラック89と一
体にスライドされるラック補助板165(図28に示す
ように、ラックガイド板87の外側に配置されて、ラッ
ク89と一体に矢印f、f′方向に移動される部材)の
側面165aを矢印f′方向に押圧するようにしたもの
である。
【0127】従って、この構造によれば、ジャム処理時
に、上部シャーシ2を1点鎖線で示すように矢印v方向
に開放すると、ガイド溝162とガイドピン163との
相対的なスライド動作によって、連動レバー160が支
点軸161を中心に矢印x方向に回転されて、上部シャ
ーシ2に対する連動レバー160の位相が変化する。す
ると、連動レバー160の先端160aの押圧ばね16
4がラック89の側面又はラック補助板165(図28
参照)の側面165aを弾性的に押圧して、ラック89
を前述した印刷可能位置P22から印刷待機位置P21
まで矢印f′方向に自動的に押し戻し、ヘッドキャップ
10が開放位置P12から閉塞位置P11へ押し戻され
て、ヘッドカートリッジ8のヘッド面9aが自動的に閉
塞されることになる。
【0128】次に、図57も、このジャム処理機構15
1の改良された構造を示したものであって、この場合
は、上部シャーシ2を下部シャーシ1上にパンタグラフ
機構170によって矢印y、y′方向に開閉自在に取り
付けたものである。そして、ここに示されたパンタグラ
フ機構170は、例えば長さが異なる2本のリンク17
1、172を中央連結ピン173で相互に回転自在に連
結し、これら2本のリンク171、172のそれぞれ両
端を合計4本の枢支ピン174〜177によってそれぞ
れ下部シャーシ1と上部シャーシ2とに回転自在に枢支
したX形リンク構造に構成されている。なお、2本のリ
ンク171、172のうちの1本の端部に形成されたガ
イド溝178が4本の枢支ピン174〜177のうちの
1つにスライド自在に係合されている。
【0129】このように、上部シャーシ2を下部シャー
シ1上にパンタグラフ機構170によって開閉自在に取
り付ければ、ジャム処理時における上部シャーシ2の上
方への開き角度及び開き高さを自在に設計することがで
きて、プリント用紙3のジャム処理性を一層向上させる
ことができる。
【0130】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明は上記した実施の形態に限定されることな
く、本発明の技術的思想に基づいて各種の変更が可能で
ある。例えば、上記した実施の形態では、プリンタヘッ
ドとしてラインヘッド9を用いたインクジェットプリン
タについて説明したが、本発明はこれに限定されること
なく、例えば、図58に示すように、プリンタヘッドキ
ャリッジ181をガイドシャフト182に沿って、駆動
モータ183により、ヘッド搬送ベルト184によって
プリント用紙3の搬送方向と直交する方向にスキャンさ
せながらプリントするシリアルプリンタに適用すること
もできる。
【0131】
【発明の効果】以上のように構成された本発明のインク
ジェットプリンタは、次のような効果を奏することがで
きる。請求項1は、定位置に固定されたプリンタヘッド
に対してプリント用紙搬送ユニットを開閉機構によって
プリンタヘッドのヘッド面に対して昇降駆動することを
利用して、プリンタヘッドのヘッド面に対するプリント
用紙搬送ユニットのギャップを調整することができるよ
うにしたので、プリンタヘッドを定位置に固定した状態
で、プリント用紙の厚みの変化に合わせて、ヘッド面に
対するプリント用紙搬送機構のギャップを調整すること
ができる。そして、プリント用紙搬送ユニットの上部位
置に脱着可能に取り付けられるプリンタヘッドを定位置
に固定したまま、ギャップ調整を行えるので、インクジ
ェットプリンタの薄型化や構造の簡素化を実現できる。
【0132】請求項2〜6は、多段階や無段階のギャッ
プ調整を簡単に行える。
【0133】請求項7は、ラインヘッドのヘッド面を開
閉するヘッドキャップの開閉移動経路を確保するために
プリント用紙搬送ユニットを昇降駆動する動作を利用し
てギャップ調整を行えるので、ギャップ調整のための特
別な機構を設ける必要がなく、構造の簡素化やコストダ
ウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用したインクジェットプリンタの
実施の形態を説明するヘッドカートリッジをカートリッ
ジホルダから取り外した状態のインクジェットプリンタ
の斜視図である。
【図2】 同上のインクジェットプリンタのヘッドカー
トリッジをセットした状態の斜視図である。
【図3】 同上のインクジェットプリンタのヘッドキャ
ップを開放位置へ移動させた状態の斜視図である。
【図4】 同上のインクジェットプリンタの上部シャー
シを上方に開閉させた様子を示した斜視図である。
【図5】 同上のインクジェットプリンタのプリント動
作を説明する初期状態の一部切欠き側面図である。
【図6】 同上のインクジェットプリンタのプリント動
作を開始する給紙板アップを説明する一部切欠き側面図
である。
【図7】 同上のインクジェットプリンタのプリント動
作の給紙開始を説明する一部切欠き側面図である。
【図8】 同上のインクジェットプリンタのプリント動
作の給紙板ダウンを説明する一部切欠き側面図である。
【図9】 同上のインクジェットプリンタのプリント動
作のヘッドキャップの開放開始を説明する一部切欠き側
面図である。
【図10】 同上のインクジェットプリンタのプリント
動作のヘッドキャップの開放完了を説明する一部切欠き
側面図である。
【図11】 同上のインクジェットプリンタのプリント
動作の搬送ベルトユニットのアップを説明する一部切欠
き側面図である。
【図12】 同上のインクジェットプリンタのプリント
動作の終了を説明する一部切欠き側面図である。
【図13】 同上のインクジェットプリンタのプリント
用紙の排紙を説明する一部切欠き側面図である。
【図14】 同上のインクジェットプリンタのプリント
動作の搬送ベルトユニットのダウンを説明する一部切欠
き側面図である。
【図15】 同上のインクジェットプリンタのヘッドカ
ートリッジ/コネクタ脱着機構を説明する平面図であ
る。
【図16】 図15のA−A矢視での側面図である。
【図17】 図16のB−B矢視での側面図である。
【図18】 同上のヘッドカートリッジ/コネクタ脱着
機構のヘッドカートリッジの脱着動作を説明する一部切
欠き側面図である。
【図19】 同上のヘッドカートリッジ/コネクタ脱着
機構のコネクタの脱着動作を説明する一部切欠き側面図
である。ル
【図20】 同上のヘッドカートリッジ/コネクタ脱着
機構のコネクタ離脱動作を説明する斜視図である。
【図21】 同上のヘッドカートリッジ/コネクタ脱着
機構のコネクタ接続動作を説明する斜視図である。
【図22】 同上のコネクタの離脱状態の断面図であ
る。
【図23】 同上のコネクタ接続状態と、操作レバーの
ストッパーを説明する断面図である。
【図24】 同上のインクジェットプリンタのヘッドキ
ャップの一部切欠き側面図である。
【図25】 同上のヘッドキャップとキャップホルダの
要部の斜視図である。
【図26】 同上のヘッドキャップの平面図及びC−C
矢視での側面図である。
【図27】 同上のヘッドキャップとキャップホルダの
脱着を説明する側面図である。
【図28】 同上のインクジェットプリンタのヘッドキ
ャップ開閉機構の平面図である。
【図29】 同上のヘッドキャップ開閉機構のヘッドキ
ャップガイド板の側面図である。
【図30】 同上のヘッドキャップ開閉機構のラックガ
イド板の側面図である。
【図31】 同上のインクジェットプリンタの搬送ベル
トユニットの平面図である。
【図32】 同上のヘッドキャップ開閉機構と搬送ベル
ト昇降機構を説明する初期状態の側面図である。
【図33】 同上のヘッドキャップ開閉機構のラック駆
動機構と搬送ベルト昇降機構を説明する印刷可能状態の
側面図である。
【図34】 同上のヘッドキャップ開閉機構と搬送ベル
トの昇降機構の動作を説明する印刷待機時の側面図であ
る。
【図35】 同上のヘッドキャップ開閉機構と搬送ベル
ト昇降機構の動作を説明する印刷準備中の側面図であ
る。
【図36】 同上のヘッドキャップ開閉機構と搬送ベル
ト昇降機構の動作を説明する図35に引き続く印刷準備
中の側面図である。
【図37】 同上のヘッドキャップ開閉機構と搬送ベル
ト昇降機構の動作を説明する印刷準備完了を説明する側
面図である。
【図38】 図35と同様の印刷準備中を説明する側面
図である。
【図39】 図36と同様の印刷準備中を説明する側面
図である。
【図40】 搬送ベルトの駆動系を説明する側面図であ
る。
【図41】 同上のインクジェットプリンタのラインヘ
ッドと搬送ベルトとの間のギャップ調整機構の要旨を説
明する拡大断面図である。
【図42】 同上のギャップ調整機構の搬送ベルトユニ
ットのダウンを説明する側面図である。
【図43】 同上のギャップ調整機構の搬送ベルトアッ
プ状態で、ギャップ2mmの時の側面図である。
【図44】 同上のギャップ調整機構の搬送ベルトアッ
プ状態で、ギャップ3mmの時の側面図である。
【図45】 図43と図44の要部を拡大して示した断
面図である。
【図46】 同上のギャップ調整機構のスペーサスラ
イド機構を説明するギャップ2mmの時の平面図であ
る。
【図47】 図46のF−F矢視での拡大側面図であ
る。
【図48】 同上のギャップ調整機構のスペーサスライ
ド機構を説明するギャップ3mmの時の平面図である。
【図49】 図48のG−G矢視での拡大側面図であ
る。
【図50】 同上のギャップ調整機構の変形例を説明す
る側面図である。
【図51】 同上のインクジェットプリンタのジャム処
理機構の基本構造を説明する概略側面図である。
【図52】 図52のジャム処理時の概略側面図であ
る。
【図53】 同上のジャム処理機構の改良された構造を
説明する概略側面図である。
【図54】 同上のジャム処理機構の改良された構造を
説明する概略側面図である。
【図55】 図54のジャム処理機構の動作を説明する
概略側面図である。
【図56】 図54のジャム処理機構の動作を説明する
概略側面図である。
【図57】 同上のジャム処理機構の改良された構造を
説明する概略側面図である。
【図58】 同上のジャム処理機構の改良された構造を
説明する概略側面図である。
【図59】 従来のラインヘッドのギャップ調整構造を
説明する側面図である。
【図60】 従来のヘッドギャップの開閉構造を説明す
る断面図である。
【図61】 搬送ベルトの弛み側駆動と張り側駆動の違
いを説明する側面図である。
【図62】 搬送ベルトの張り側駆動による問題点を説
明する側面図である。
【図63】 搬送ベルトの張り側駆動による別の問題点
を説明する側面図である。
【符号の説明】 3はプリント用紙、8はヘッドカートリッジ、9はプリ
ンタヘッドであるラインヘッド、31はプリント用紙搬
送ユニットである搬送ベルトユニット、106は当接部
である従動軸、131はギャップ調整機構、132は高
さ基準部であるベルト高さ基準部、133、134、1
44はスペーサ、145は回転カムである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加々美 俊樹 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 竹田 裕充 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 辻永 ひろみ 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA16 EA17 FA13 HA29 JA05 JA06 JB03 JB08 2C058 AB15 AC07 AE02 AF31 DA11 DA13 DE01 DE22 2C064 CC02 CC05 DD13 DD17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】定位置に固定されたプリンタヘッドと、 前記プリンタヘッドのヘッド面に沿ってプリント用紙を
    搬送するプリント用紙搬送ユニットと、 前記プリント用紙搬送ユニットを前記プリンタヘッドの
    ヘッド面に対して昇降する搬送ユニット昇降機構と、 前記プリンタヘッドのヘッド面に対する前記プリント用
    紙搬送ユニットのギャップを調整するギャップ調整機構
    とを備えたことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 【請求項2】前記ギャップ調整機構が、定位置に設定さ
    れている高さ基準部と、前記プリント用紙搬送ユニット
    に設けられて、前記高さ基準部に対して押圧、離間され
    る当接部と、前記高さ基準部に対する当接部の当接高さ
    を調整する高さ調整手段とによって構成されていること
    を特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリン
    タ。
  3. 【請求項3】前記高さ調整手段が前記高さ基準部と前記
    当接部との間に抜き差しされるスペーサで構成されてい
    ることを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプ
    リンタ。
  4. 【請求項4】前記スペーサの厚みが多段階に構成されて
    いることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット
    プリンタ。
  5. 【請求項5】前記スペーサの厚みが無段階に構成されて
    いることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット
    プリンタ。
  6. 【請求項6】前記ギャップ調整機構が、回転調整される
    カムと、そのカムに相対的に押圧、離間される当接部と
    によって構成されていることを特徴とする請求項2に記
    載のインクジェットプリンタ。
  7. 【請求項7】前記プリンタヘッドがラインヘッドに構成
    され、 前記ラインヘッドのヘッド面を開閉するヘッドキャップ
    を備え、そのヘッドキャップを前記ヘッド面下の閉塞位
    置と、それより一側方へ移動された開放位置との間で、
    前記ヘッド面とほぼ平行な方向に移動させるヘッドキャ
    ップ開閉機構を設け、 前記搬送ユニット昇降機構は、前記ヘッドキャップ開閉
    機構による前記ヘッドキャップの前記閉塞位置と前記開
    放位置との間の移動経路を確保するために、前記プリン
    ト用紙搬送ユニットの前記閉塞位置側を回動支点を中心
    にして、前記開放位置側の可動端を前記ヘッド面に対し
    て昇降駆動するように構成され、 前記ギャップ調整機構を前記プリント用紙搬送ユニット
    の昇降駆動される前記可動端側に配置したことを特徴と
    する請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
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