JP2003094395A - アレイ化マイクロ流体素子 - Google Patents

アレイ化マイクロ流体素子

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JP2003094395A
JP2003094395A JP2001293127A JP2001293127A JP2003094395A JP 2003094395 A JP2003094395 A JP 2003094395A JP 2001293127 A JP2001293127 A JP 2001293127A JP 2001293127 A JP2001293127 A JP 2001293127A JP 2003094395 A JP2003094395 A JP 2003094395A
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heater
microfluidic device
substrate
arrayed
reaction
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JP2001293127A
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English (en)
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Etsuo Shinohara
悦夫 篠原
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特にバイオ分析適した流体制御、反応システ
ムを提供する。 【解決手段】 流体が流れる流路部分、および反応部と
流れを制御するアクチュエータ部が分離した構造を有す
る。好適には、別々に製作し後で上下2つを組み合わせ
可能な素子上部に、複数のポンプやバルブ構造部(2
3,24,34,26,27,34’)、反応容器(2
9)を配してこれらのレイアウトは自由とし、素子下部
のアクチュエータ部は共通で利用できる構造として再利
用の対象となす。アクチュエータ部はヒータ(42,4
4,47)を複数配列し、これを適宜選択することによ
りバルブやポンプまたは反応容器温度の制御に用いる。
例えばはじめに複雑な製作プロセスを要するヒータアレ
イや制御回路を形成した基板を製作しておいてこれを共
通の部品とし、反応部等の他の部分は目的のデザインに
合わせてエッチング加工することで、様々な組み合わせ
にも対応可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アレイ化マイクロ
流体素子に関するものであり、より詳しくは、微量流体
のハンドリング、反応システムとして用いるのに、特に
バイオ分析に適した流体制御、反応システムに使用する
のに好適ならしめたアレイ化マイクロ流体素子に関わる
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロ加工技術を化学、バイオ
分析技術に応用しようとする試みが盛んになってきてお
り、分析に必要な流体の制御技術の一つとしてマイクロ
バルブやマイクロポンプの研究が行われている。例えば
このような例としては、特開平5−1669号公報によ
る「マイクロポンプ及びマイクロバルブの製造方法」、
特開平5−302684号公報による「バルブ及びそれ
を用いた半導体製造装置」などがある。
【0003】ここに、特開平5−1669号公報による
「マイクロポンプ及びマイクロバルブの製造方法」で
は、シリコン基板に微細加工を施し、アクチュエータに
圧電素子を用いてポンプ、またはバルブ機能を発揮させ
るものであり、また、特開平5−302684号公報に
よる「バルブ及びそれを用いた半導体製造装置」では、
アクチュエータに静電力を用いバルブ機能を発揮させる
ものである。
【0004】その他、TiNi Alloy社(http:/
/www.sma-mems.com/)のバルブは形状記憶合金をアクチ
ュエータとしてバルブを構成した物、RedWood
Microsystems社(http://www.redwoodmicr
o.com/)は熱膨張による空気圧(thermopneu
matic pressure:サーモニューマチック
プレッシャー)を駆動源としたバルブなど色々なアク
チュエータと組み合わせたバルブが提案されている。
【0005】これらは、主に単体として形成されている
が、複数組み合わせたシステムの構想も進められてい
る。例えば、RedWood Microsystem
s社のカタログには、マイクロバルブをアレイ状に配置
し、流体の流れを任意の方向に切り替えたり、合流させ
たり自在にできるような構成例が載せられている。ま
た、WO98/25701(Microfabrica
ted sleeve devices for ch
emical reactions)には、複数のマイ
クロ反応容器を流路となるパイプで連結し、システム化
に関する提案がなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】(イ)上述のバルブや
ポンプはアクチュエータと流体を流すチャネル部分が一
体で形成されている。
【0007】(ロ)ここで、バイオ分野への応用を考え
た場合、取り扱う液体は蛋白や脂質などが含まれてお
り、それらの成分はチャネルの壁面に吸着しやすい。一
方、マイクロ加工技術で製作したポンプやバルブのチャ
ネルはミクロンサイズの細かい断面であるため、長時間
の使用により蛋白や脂質などが壁面へ吸着し、それ故
に、流れの障害物を形成したり(かような流れの障害物
の形成は、流量が変化する要因ともなる)、最悪の場合
には吸着物がチャネルを塞いで、結果、使い物にならな
くなる。したがって、こうした点からは、バイオ分析に
適したものは期待しにくく、しかも、流体が流れるチャ
ネルの部分において上記のごとき不具合が生じた場合、
単に、それをもって、当該チャネル部分と一体で形成さ
れている部分である、流体の流れを制御するアクチュエ
ータの部分をも含めて、その全体を例えば使い捨て(デ
ィスポーザブル)にするなどするようでは、はなはだ不
経済なものとなって、コスト的にも不利なものとなる。
【0008】(ハ)また、このようなマイクロバルブや
ポンプは製作が容易ではなく、高価であるため使い捨て
にするのは困難である。この高価である一番の要因はア
クチュエータ部形成の複雑さにある。バルブやポンプの
アクチュエータとして圧電素子、静電力、形状記憶合
金、thermopneumatic pressur
eが使われていることを先に述べたが、アクチュエータ
の形成、または接合、および電気的コンタクトの形成な
ど、どのようなアクチュエータを用いても、ポンプやバ
ルブを簡単に製作することは容易でない。
【0009】(ニ)さらに、複数のポンプやバルブ、反
応容器を組み合わせたシステム製作においては、構造が
より複雑になるため、ポンプやバルブなどの各要素の配
置の変更は容易ではない。特に、マイクロ流体制御や反
応はその目的や対象の種類により、適宜変更が必要とな
る。WO98/25701(Microfabrica
ted sleeve devices for ch
emical reactions)では、比較的自由
な組み合わせが期待できるが、ジョイント部分が具体的
ではなく、また、強度を保つためには大型にならざるを
得ず、小型化というアレイ化システムの目的にそぐわな
い。
【0010】(ホ)よって、望ましいのは、バイオ分析
にも適し、かつまた上記(ニ)の観点からの対応も可能
で流体制御、反応システムに用いるのに好適なものを実
現することができることであり、望ましいのはまた、た
とえ蛋白や脂質などの生体試料を含む流体を流した場合
でも、そして、長期間の使用に伴い、生体成分の吸着に
より流量が変化したり、流路が詰まって使用できなくな
ったようなときでさえも、上述のような不利等を伴わず
に対応し得て流体制御、反応システムとしての使用の応
えられることである。
【0011】本発明は、上記課題に鑑み、また後述する
考察にも基づき、これらの点からの改良を実現しようと
いうものであり、特にバイオ分析に適した流体制御、反
応システムを実現し得るアレイ化マイクロ流体素子を提
案するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用効果】本発明によ
れば、下記のアレイ化マイクロ流体素子が提供される。
すなわち、流体が流れる流路部分、および反応部と流体
の流れを制御するアクチュエータ部が分離した構造を有
することを特徴とするアレイ化マイクロ流体素子であ
る。
【0013】また、上記において、前記流路部分および
反応部を有する基板に貫通孔が穿たれ、その貫通孔を通
して流体が一時的に該基板の上部から下部、または下部
から上部へ通り抜ける構造を有することを特徴とするも
のである。このようにすれば、バルブ、ポンプのダイヤ
フラム構造が形成し易くなる。
【0014】また、前記流路部分の途中のポンプ構造部
に対応する流路の流入部に相当する流路の一部が狭窄構
造をとることを特徴とするものである。このようにすれ
ば、流体が流れる方向を限定することができる。
【0015】また、前記流体が流れる流路の一部または
全面がプラスチック薄膜で形成されていることを特徴と
するものである。このようにすれば、ダイヤフラムのシ
ール性、弾性を容易に得ることができる。
【0016】また、前記プラスチック薄膜がシリコンゴ
ムまたはポリイミド、またはテフロン(登録商標)系薄
膜であることを特徴とするものである。このようにすれ
ば、優れた弾性、耐熱性を得ることができる。
【0017】また、前記アクチュエータ部はマイクロヒ
ータアレイが形成されていることを特徴とするものであ
る。このようにヒータを駆動源とすれば、構造を簡単に
できると共に、半導体プロセスとのマッチングも良くな
り、簡単に製造することができる。
【0018】また、前記アクチュエータ部に、マイクロ
ヒータアレイと共にさらに制御用回路が形成されている
ことを特徴とするものである。このようにすれば、上記
と同様に、構造を簡単にできると共に、半導体プロセス
とのマッチングも良くなり、簡単に製造することができ
る。
【0019】また、前記制御用回路は、複数のヒータ制
御用のトランジスタおよび/または温度検出用のダイオ
ードを有する第1の態様か、該第1の態様に加えて、当
該各トランジスタおよび/または各ダイオードに対する
マルチプレクサを含む第2の態様の、いずれかの態様を
もって構成されていることを特徴とするものである。温
度をダイオードで検出するようにすることで使い易くな
ると共に、半導体プロセスで容易に製造でき、またマル
チプレクサもICプロセスで容易に製作することが可能
となる。
【0020】また、前記アクチュエータ部の基板がSO
I(silicon on insulator)である
ことを特徴とするものである。このようにすれば、1枚
の基板の表裏に各々IC部分とアイランド構造を形成で
き、各々のSOI構造により製作プロセスを分け易くな
る。
【0021】また、前記マイクロヒータアレイが形成さ
れている側と反対側にエッチングによりシリコンアイラ
ンドが形成されていることを特徴とするものである。こ
のようにアイランド構造とすれば、成形が容易になる。
【0022】また、前記シリコンアイランドが、ヒータ
アレイにおけるヒータ部の周囲に対向する位置に形成さ
れていることを特徴とするものである。このようにすれ
ば、アイランド構造において熱伝導効率を高くできる。
【0023】本発明においては、明細書冒頭で述べた考
察事項(イ)ないし(ホ)からの改良、殊に(ニ),
(ホ)の観点からの対応も可能な改良が図られ、既述の
ような不利等を解消し得て、特にバイオ分析に適した流
体制御、反応システムを実現し得るアレイ化マイクロ流
体素子を提供することができる。すなわち、上記流路部
分および反応部と、上記アクチュエータ部とを備えて、
その流路部分および反応部とアクチュエータ部とが分離
可能な構成とされる本発明アレイ化マイクロ流体素子に
従えば、流体が流れるチャネル、および反応容器部分と
流れを制御するアクチュエータ部分が分離した構造を有
する流体制御、反応システムを実現することを可能なら
しめる。
【0024】ここに、基本的には、チャネル、反応容器
部分は、流体が流れるための溝や反応容器を形成すれば
よいので、アクチュエータ部分に比して製作は容易であ
る。一方、アクチュエータ部分は、製作に複雑なステッ
プを要する。が、しかしながら、チャネル、反応容器部
分とアクチュエータ部分を分離して別々に製作し、その
後2つを組み合わせ可能な構造とすれば、チャネル、反
応容器部分は使い捨てとし、アクチュエータ部は再利用
するような使い方ができる。
【0025】この場合において、好適実施例では、具体
的には、例えばチャネル、反応容器部分は流体を流す部
分とチャネルの一部に変形により流れを遮ることができ
るようなプラスチック薄膜が形成されているものとして
実施することができる。このプラスチック薄膜はバルブ
の機能や変形を周期的に繰り返すことによるポンプの機
能を持たせることが可能である。
【0026】また、アクチュエータ部分は、例えば基板
(好適には、SOI(silicon on insul
ator:シリコン オン インシュレータ)基板)の
片側にマイクロヒータを複数配列し、それらのヒータを
適宜選択することにより、バルブやポンプ、または反応
容器の温度制御に用いる構成として実施することができ
る。ここに、バルブやポンプ目的にはヒータによるth
ermopneumatic pressureをアク
チュエータとして用いることができる。特にポンプ動作
の場合には、加熱と冷却を交互に行う必要があるが、放
熱効果を上げるにはポンプやバルブ周辺のシリコン層を
除去して断熱効果の向上と熱容量の減量、さらにファン
などを用いて強制的に空冷を行うことにより、加熱/冷
却の繰り返し速度を向上させることができる。反応容器
の温度制御は、ヒータと、さらには好適にはシリコン基
板に例えばダイオードを形成してその温度特性を温度セ
ンサーとして用いることができるので、それらを用いて
反応容器部の温度制御を行うことも可能である。
【0027】したがって、はじめに複雑な製作プロセス
を要するマイクロヒータアレイおよびそれらの制御用電
子回路を形成した基板を製作しておき、この基板は、本
発明に従うアレイ化マイクロ流体素子それぞれに、共通
の部品とするものとすることができる。そして、他の部
分、すなわちポンプやバルブなどの流体制御部品と反応
容器などは目的のデザインに合わせてシリコンエッチン
グにより加工することで、様々な組み合わせに対応する
ことができる。
【0028】本発明アレイ化マイクロ流体素子のバイオ
分析への適用にあたっては、蛋白や脂質などの生体試料
を含む液体を流した場合、先に述べたように生体成分の
吸着により流量が変化したり、流路が詰まって使用でき
なくなった場合には、安価なチャネル、反応容器部分の
みを交換して高価なアクチュエータ部分は再使用できる
ので、流体制御、反応システムとして使うことが期待で
きる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。図1ないし図10は、本発明に従う
アレイ化マイクロ流体素子の実施の形態の一例を示すも
のである。このうち、図1は、アレイ化マイクロ流体素
子の全体的構成の概要を平面的な模式図としてシステム
で表す図(本実施の形態を上面から俯瞰した図)であ
り、また、図2から図5では、アレイ化マイクロ流体素
子の構造の詳細が、一部のポンプ−バルブ−反応容器部
分を流れる流路の系に沿う断面として例示され、さら
に、図6ないし図8にはアレイ化マイクロ流体素子上部
の構成例が、また図9以下にはアレイ化マイクロ流体素
子下部の構成例がそれぞれ示される。
【0030】本素子は、複数のマイクロポンプやバル
ブ、マイクロ反応容器等の要素を有してこれらを流路で
連結しシステム化したものとして、微量流体のハンドリ
ング、反応システムに用いることができるもので、ここ
では、上記要素のほか、複数の注入口、流路狭窄部(流
れの逆流阻止用の狭窄構造:キャピラリバルブ)、排出
口を有する。
【0031】図1中、複数の注入口の一部が、符号1,
11をもって注入口1および11として表されている。
また、複数の狭窄部の一部が、符号2をもって狭窄部2
として表されている。また、複数のポンプの一部が、符
号3,12をもってポンプ3および12として表されて
いる。また、複数のバルブの一部が、符号5,13をも
ってバルブ5および13として表されている。また、複
数の反応容器の一部が、符号7をもって反応容器7とし
て表されている。また、複数の排出口の一部が、符号9
をもって排出口9として表されている。また、上述の機
能部品を接続する流路の一部としてそれぞれ、符号1
0,4,6,8を付されて、流路10(流路A(注入口
1−ポンプ3))、流路4(流路B(ポンプ3−バルブ
5))、流路6(流路C(バルブ5−反応容器7))、
流路8(流路D(反応容器7−排出口9))が表されて
いる。
【0032】注入口1,11は、後述もするごとく、例
えば反応容器7で反応させる試薬を該注入口から導入し
該当する流路系(ここでは、流路狭窄部、ポンプ、バル
ブを含む)を通じて上流側から下流側へ向け搬送して、
必要に応じ2種の液体を適宜混合し反応させるのに用い
ることができ、そして、当該反応容器に接続した排出口
8を介して反応処理後のものを本素子外部に取り出すこ
とができる。また、注入口1のすぐ下流に位置する狭窄
部2についていえば、これは、図面中にも(また、図7
の構成例にも)、流路を絞った、その狭窄状態の様子が
表されているように、ポンプ構造部に対応する流路の流
入部に相当する流路の一部(ここでは、流路部分の途中
にあるポンプ3の上流側流路10の一部)が狭窄構造を
とるようにしてこれを設けることができ、後述もするご
とくに、これによって流体の流れの逆流阻止の機能を果
たすものとすることができる。なお、図1中、符号1
5,16,14が付された、複数ある注入口の他の一部
や反応容器の他の一部につては、後記でさらに述べられ
る。
【0033】本例では、図示のごとくに、複数のポンプ
やバルブ、反応容器などを組み合わせたシステム構成で
ある(それぞれの構成要素につき参照符号を付したもの
以外の同種の構成要素それぞれの部分については、参照
符号を省略してある)。注入口については、注入口1,
11,15,16を含んで7個(図面中上下方向に7つ
ならべて配した、それぞれ同様の図形シンボルによる7
個の注入口)があり、また、狭窄部については、狭窄部
2を含んで7個(同様に、図面中上下方向に7つならべ
て配した、それぞれ同様の図形シンボルによる7個の狭
窄部)があり、またポンプ部については、ポンプ3,1
2を含んで7個(同様に、図面中上下方向に7つならべ
て配した、それぞれ同様の図形シンボルによる7個のポ
ンプ)があり、また、バルブ部については、バルブ5,
13を含んで7個(同様に、図面中上下方向に7つなら
べて配した、それぞれ同様の図形シンボルによる7個の
バルブ)があり、また、反応部については、反応容器
7,14を含んで3個(図面中上下方向に3つならべて
配した、それぞれ同様の図形シンボルによる3個の反応
容器)があり、また、排出口については、排出口9を含
んで3個(同様に、図面中上下方向に3つならべて配し
た、それぞれ同様の図形シンボルによる3個の排出口)
があり、そして、流路10,4,6,8の他にも、接続
の用に供する多数の流路があることがわかる。
【0034】なお、実施にあたっては、好ましくは、上
記構成要素のうち、注入口および排出口の部分について
は、素子上部側にカバー用の基板を配してこれに設ける
とともに、他の部分については、これに覆われる基板
(チャネル基板)に形成する構成とすることができる
(図6、図7,8参照)。
【0035】本アレイ化マイクロ流体素子は、さらに、
図2に例示するごとく、本発明に従って、上述のような
流体が流れる流路部分、および反応部と、流れを制御す
るアクチュエータ部が分離可能な構造となす。この場合
において、好ましくは、流体が流れるチャネルの一部ま
たは全面がプラスチック薄膜で形成されている構成とな
し、アクチュエータ部は該薄膜を変形させることで流れ
を制御する構成を採用することができる。
【0036】好ましくはまた、アクチュエータ部の片面
にマイクロヒータアレイを形成する構成とすることがで
き、さらにはまた、好ましくは、マイクロヒータアレ
イ、およびそれらの制御用電子回路を形成する構成とす
ることができ、また、好ましくは、制御回路は、これ
を、例えば、トランジスタおよびマルチプレクサ、およ
び温度検出用ダイオードからなるものとすることがで
き、また、好ましくは、アクチュエータ部の基板をSO
I(silicon on insulator)とする
構成を採用することができる。好ましくはまた、ヒータ
アレイが形成されている面の反対側の面にエッチングに
よりシリコンアイランドが形成され、また、好ましく
は、シリコンアイランドが、反対面のヒータ部の周囲に
対向する位置に形成されている構成を採用することがで
きる。
【0037】以下では、これらの構成、要素をも採用し
た例を示してある。図2から図5は、本実施の形態に従
うアレイ化マイクロ流体素子の構造を側面から示す一部
断面側面図に相当する図で(図1のシステムで、例えば
注入口1−狭窄部2−ポンプ3−バルブ5−反応容器7
−排出口9の系統でみた場合におけるその流れの系に沿
う素子断面の状態に相当し、あるいは、他の注入口−狭
窄部−ポンプ−バルブ−反応容器−排出口の系統の場合
もかかる構造に準ずるが、それらの場合における同様の
素子断面の状態に相当する)、このうち、図2は、アレ
イ化マイクロ流体素子を上下2つに分割した図を示して
いる。これら2つに分割して示した部分は、分離して別
々に製作し、その後2つを組み合わせる(図3参照)こ
とが可能な構造とすることで、本アレイ化マイクロ流体
素子下部に比し、製作が容易な上部部分は、使い捨てと
する一方、その下部部分は、再利用するといったような
使い方が可能である。
【0038】図2上部に示すごとく、本素子の上部は、
ここでは、カバー基板20、チャネル基板32、およ
び、さらにはプラスチック薄膜33で構成されている。
カバー基板20は、例えばチャネル基板32上面全面を
カバーすることができる構成の基板であり、また、ここ
では、例えば該チャネル基板下面全面にプラスチック薄
膜33を形成する構成とすることができる。かかるプラ
スチック薄膜33は、常態(変形していない通常の状
態)から、それを部分的に変形させることで流れを遮る
ことができるような薄膜としても用いられ、該薄膜にバ
ルブの機能や変形を周期的に繰り返すことによるポンプ
の機能を持たせることが可能である(例えば、図4,5
参照)。これはまた、好適には、例えば、シリコンゴム
またはポリイミド、またはテフロン(登録商標)系薄膜
を用いることができる。
【0039】カバー基板20には、ここでは参照符号2
1,31をもって示す、注入口21および排出口31が
形成されている。
【0040】ここに、図6は、図2で示されるアレイ化
マイクロ流体素子上部のカバー基板20として適用でき
るものの一例の平面図であって、同平面図では、参照符
号50を付した上部カバー基板50として表されてお
り、これは後記変形例でも触れるように、例えば透明な
パイレックス(登録商標)基板とすることもできる。図
6をみると、該基板50には、図面中、左側縁部近傍に
おいて上下方向に直線的に一列にならんだ複数(本例で
は計7個)の注入口(ここでは、これら複数の注入口の
1つである注入口に符号51を付してその複数ある注入
口51を代表して表してある)が形成され、右側縁部近
傍において上下方向に直線的に一列にならんだ複数(本
例では計3個)の排出口(同様に、ここでは、これら複
数の排出口の1つである排出口に符号52を付してその
複数ある注入口52を代表して表してある)が形成され
ているのがわかる。なお、図6では、図示はしないが、
該複数の注入口51と排出口52には必要に応じ、外部
とのインターフェース構造が形成される構成であっても
よい。
【0041】図2に戻り、チャネル基板32には、ここ
では参照符号22,25,28,30をもって示す、各
機能部品を接続する流路22,25,28,30が形成
されており、それぞれ、流路22は注入口21−ポンプ
間、流路25はポンプ−バルブ間、流路28はバルブ−
反応容器間、流路30は反応容器−排出口31間を示し
ている。基本的には、該基板には、流体が流れるみぞや
反応容器部分などを形成すればよい。
【0042】ここに、上記流路部分におけるポンプ、バ
ルブ部分については、次のような構造によるものとし
て、すなわち、基板に貫通孔を形成し、該貫通孔を通し
て流体が一時的に基板の上部から下部、または下部から
上部へ通り抜ける構造を有するものとして構成すること
ができ、このようにすると、流路部分において好適なポ
ンプ構造部、バルブ構造部を実現できるとの着想のも
と、本例では、かかる構成、要素をも採用してある。し
たがってまた、ここでは、図示のごとくに、ポンプ、バ
ルブに相当する箇所には、チャネル基板32を上下に貫
通する貫通孔23,24と貫通孔26,27とがそれぞ
れ形成されている。さらに、プラスチック薄膜33との
境界は、プラスチック薄膜33が変形して貫通孔23,
24または貫通孔26,27を任意に開閉するための空
隙34,34’(図中上方に向かってへこんだ凹所)が
それぞれ形成され、ダイヤフラム構造になっている。こ
の構造では、ポンプ部における一対の貫通孔23,24
組のうちの一方の貫通孔23では液体が上から下に向か
って流れ、他方の貫通孔24では下から上に向かって流
れる。同様に、バルブ部における一対の貫通孔26,2
7組のうちの一方の貫通孔26では液体が上から下に向
かって流れ、他方の貫通孔27は下から上に向かって流
れる。
【0043】また、ここでは参照符号29をもって示
す、反応容器29は必要とされる液量に対応して任意に
その容積が設定されて、形成される。斯く形成される反
応部は、その深さがチャネル基板32下面に達するよう
形成して(あるいはまた、底部を残し形成して)、該チ
ャネル基板に設けることができる。かかる反応容器部分
を含んで、具体的には、上記した構成部分は、シリコン
基板にシリコンエッチングによる微細加工を施すことで
形成することができる(図7,8の例参照)。
【0044】ここに、図7は、図2で示されるアレイ化
マイクロ流体素子上部のチャネル基板32として適用で
きるものの一例の平面図であって、同平面図では、参照
符号50を付したチャネル基板60として表されてい
る。図7を、図1のシステムと併せ参照してみると、こ
の基板60には、図1に示される流路10,4,6,8
等の多数の流路に相当する部分が加工され、また、狭窄
部2等の複数(本例では計7個)の流路狭窄構造、反応
容器7,14等の複数(本例では計3個)の反応容器の
それぞれに相当する部分が加工され形成されていること
がわかる。さらにはポンプ、バルブに相当する箇所に、
上述したポンプ、バルブ構造部の好適例(図2)におけ
るチャネル基板を上下に貫通する各貫通孔の組(図7で
は、それぞれ複数(本例ではそれぞれ計7個)のポン
プ、バルブ部の1つである貫通孔の組に符号61,62
を付してそれら複数ある一対の貫通孔61,62を代表
して表してある)が形成されている。
【0045】なお、バルブ部についての基板60上の形
成位置は、図1と対比すると、ここでは、単純な、従っ
て簡単な、開(貫通孔解放:流路連通)と閉(貫通孔閉
鎖:流路遮断)との2つの状態の選択で流体搬送の切り
換えのための流体制御を実現できるよう、それぞれ対応
する溝状の流路の交差部分からは少しずれた流路途中部
分に位置することとなるようにしてあり、上述したよう
なバルブ構造部を採用する場合、このようにして実施す
ることもできる。もっとも、この逆の態様でもよく、図
面中上下方向に直線的に一列にそろうよう配置した上記
7個の流路狭窄構造部分やそれらの下流側にそれぞれ続
く上記7個のポンプ構造部の場合と同様に、バルブ部つ
いても基板60上図面中上下方向に直線的に一列にそろ
うようレイアウトする一方、該当する流路の方のレイア
ウトを変更して、結果的に、上述と同じ関係(その変更
された場合の、該当する流路の交差部分からは少しずれ
た流路途中部分にそのバルブ構造部が配置されることと
なる関係)が得られるようにしてもよい。
【0046】また、図8は、この基板60を反対側から
見た図で、上記複数のポンプ、バルブ部における貫通孔
組部分それぞれの開閉のための空隙34,34’(図
2)に相当する部分は、ここでは参照符号65をもっ
て、それら複数ある空隙を代表するものとして、空隙6
5で表されており、それら複数の空隙65も該基板60
に対する加工により形成される。
【0047】図2戻り、図2下部に示すごとく、本素子
の下部は、例えば、SOI(silicon on i
nsulator)基板に形成されるものとすることが
でき、さらにここではシリコン層37、シリコン酸化膜
38、シリコン層37’からなる3層構造基板の片側表
面には、マイクロヒータを複数配列するヒータアレイを
構成するべく、ヒータ層39が形成されている。後述も
するように、ヒータ層39は、例えば、ポリイミド薄膜
中にTiなどの金属で、マイクロヒータアレイにおける
個々のヒータ部となる抵抗体を形成することができる。
かかるヒータアレイにおけるヒータは、それらを適宜選
択することで、本素子下部に対し素子上部を組み合わせ
た場合において、その素子上部のバルブやポンプ部、ま
たは反応容器部の温度制御に用いることができ、バルブ
やポンプ目的にはそのヒータによるthermopne
umatic pressureをアクチュエータとし
て用いることができる。もっとも、後述もするように、
かかるマイクロヒータ(ヒータアレイにおける個々のヒ
ータ部)の形成は、上記態様に限られず、シリコン層3
7’に形成してもよい。
【0048】SOI基板の上部側のシリコン層37に
は、図示のごとくに、シリコン層を除去した、熱絶縁用
空隙40,43,46(凹部)、および対向するプラス
チック薄膜33を熱膨張で変形させるための空隙41,
44(凹部)がそれぞれ形成されている。マイクロヒー
タアレイにおけるヒータ42,45は、かかる空隙4
1,44に対応する部分の下方に位置し、ここでは、ヒ
ータ42はポンプ部用、ヒータ45はバルブ部用のもの
である。該シリコン層37にはまた、符号36を付して
示す、シリコンベット構造が形成され、これ対応する部
分においてその下側に、同じくマイクロヒータアレイ中
のヒータであるヒータ47が位置しており、これらは反
応容器29用のものである。
【0049】下部側のシリコン層37’は、これをマイ
クロヒータアレイの制御用回路を形成するのに用いるこ
とができる(例えば、図10参照)。ここに、マイクロ
ヒータアレイおよびそれらの制御用電子回路(トランジ
スタやダイオード等を含む構成とすることができる)
は、上述した素子上部(図2上部)に比し複雑な製作プ
ロセスを要するが、例えば、はじめに制御用回路素をも
含んでこれらを形成した基板を製作しておき、この基板
は共通の部品とし、他の部分(ポンプやバルブなどの流
体制御部品と反応容器など)は目的のデザインに合わせ
てシリコンエッチングにより加工することで、様々な組
み合わせに対応することができると、既述のごとくに素
子を2分し別々に製作しておいて後で2つを組み合わせ
可能な構造となすことができるとともに、流路、ポン
プ、バルブ、反応容器はレイアウトが自由で該当すると
きはこれらの部分を使い捨てとし、アクチュエータ部分
は共通で利用できる構造として再利用可能とするといっ
たような使い方を実現させる上でも、より効果的なもの
となる。
【0050】ポンプ部(貫通孔23,24、空隙34に
よるポンプ構造部分)では、図2の上部および下部を組
み合わせた状態(図3参照)においては、マイクロヒー
タアレイにおける対応するヒータ42(ヒータオン)に
よって上記空隙41内の空気が熱膨張することによりプ
ラスチック薄膜33をして空隙34に形成されている貫
通孔23,24をすばやく閉鎖せしめうる(例えば、図
4参照)。そして、ヒータ加熱を中止(ヒータオフ)す
ると、シリコン35の熱容量が小さいため速やかに冷却
され(特に、図2中左右に示す上記空隙40,43も形
成されているとき、周囲に対する断熱効果の向上ととも
に熱容量の一層の低減も図れ、放熱効果もよい。この点
は、次に述べる貫通孔26,27、空隙34’によるバ
ルブ構造部分でのバルブ切り換えに関しても同様であ
る)、結果、プラスチック薄膜33の形状が速やかに元
に戻り、貫通孔23,24が解放状態(例えば、図3の
状態参照)になる。かかる構造のもと、こうしたプラス
チック薄膜33の変形、元への復帰が速やかに行える
と、それらを繰り返す場合において、その繰り返し速度
をその分向上させることができ、特に、ポンプ動作の場
合に有効なものとなる。加熱/冷却の繰り返し速度を向
上させるのに、さらにファンなどを用いて強制的に空冷
を行うようにすることも加味でき、そのようにすると一
層効果的である。
【0051】ポンプ機能を発揮するには、このダイヤフ
ラム構造を形成しているプラスチック薄膜33の変形を
繰り返す必要があり、液流れの方向性を持たせるため
に、ここでは、先にも触れたごとく、図1に示したよう
な狭窄部2を流路の片側(流入部側(上流側))に形成
するようにもしてある。すなわち、該狭窄部により液流
れ抵抗が大きいため(ヒータオン/オフの繰り返しに伴
い)全体として液は抵抗の少ないバルブ方向(すなわち
下流方向)へ流れるようになる。
【0052】バルブ部(貫通孔26,27、空隙34’
によるバルブ構造部分)では、上記ポンプの場合と同様
に、マイクロヒータアレイにおける対応するヒータ45
(ヒータオン)により上記空隙44内の空気が熱膨張
し、これによりプラスチック薄膜33が空隙34’に形
成されている貫通孔26,27を閉鎖し(例えば、図5
参照)、およびヒータ加熱中止(ヒータオフ)による貫
通孔26,27の解放(例えば、図3の状態参照)によ
り、バルブ機能として動作する。
【0053】反応容器部分では、マイクロヒータアレイ
はまた、上記ポンプ、バルブ部のアクチュエータ目的以
外にも、該マイクロヒータアレイ中のヒータをその温度
制御に利用することができるものであり、反応容器29
に関し、ヒータアレイ中における対応するヒータ47に
対する通電制御(オン/オフ制御であってよい)によ
り、該反応容器がその上に配置されることとなるシリコ
ンベッド構造36部分を通して当該反応容器温度の制御
が可能である。この場合において、反応容器の温度制御
については、かかるヒータと、さらにはシリコン基板に
ダイオードを形成してその温度特性を温度センサーとし
て用いる構成とすることができ、このようにするとき
は、それらを用いて反応容器部の温度制御を一層適切に
行うことができる。
【0054】図3は、図2がアレイ化マイクロ流体素子
を上下に2つに分割したものを示したのに対し、上下の
基板を組み合わせた図であって、本素子のアクチュエー
タ部の非作動の状態(常態)を表す図でもある。なお、
主に、かかる組み合わせを示す図3では、上部のチャネ
ル基板や、下部のSOI基板による3層構造基板等、一
部の構成要素につき参照符号があらわされ、既に図2の
説明で言及した、それ以外の構成要素の部分について
は、参照符号が省略されている(この点は、図4,5で
も同様である)。
【0055】上記において、接合は、例えば日本表面学
会第15回講演大会要旨集で述べられている、水分子イ
オン照射による接合法を利用することが可能である。こ
の方法によれば、本例のような、プラスチックと金属
(つまり、ここでは、上部基板側下面のプラスチック薄
膜33と、下部基板側のSOI基板上のシリコン層3
7)の接合面に水分子イオンを照射することにより、接
合が可能で、テフロン(登録商標)のような非常に安定
したプラスチックの接合も可能である。
【0056】図4は、図3の状態に対し、ヒータ42の
加熱(ヒータオン)により、SOI基板のシリコン層3
7の空隙41部分の空気の熱膨張による空気圧で変形し
たプラスチック薄膜部分48が、流路途中にある対応す
る貫通孔を閉鎖している様子を示している。ポンプ動作
として用いるためには、先にも述べたように、具体的に
は、ヒータ加熱動作とその加熱動作中止(冷却)とを
(従って、ヒータオン/オフ制御を)周期的に繰り返す
ことによって行われることとなる。
【0057】図5は、同様に、図3の状態から、マイク
ロヒータアレイにおける複数のヒータのうちヒータ45
を加熱すべきヒータとして選択されてこれを加熱(ヒー
タオン)したところであって、該ヒータ45の加熱によ
り、SOI基板のシリコン層37の空隙45部分の空気
の熱膨張による空気圧で変形したプラスチック薄膜部分
49が、流路途中にある対応する貫通孔を閉鎖している
様子を示している。バルブ動作として用いるためには、
先にも述べたように、ヒータ非加熱(冷却)状態(ヒー
タオフ:図3の状態)と加熱(ヒータオン:図5の状
態)により該貫通孔の開閉を行う。これによりバルブ切
り換え制御をなすことができる。
【0058】図9は、図2から図5に示されるアレイ化
マイクロ流体素子下部のSOI(silicon on
insulator)基板のシリコン層37部分の構
成として適用できるものの一例の説明図であり、図9
(a)はアイランド(シリコンアイランド)の平面的な
配置の様子を模式的に示す概略図であって、同図(a)
では、参照符号74が付された基板74として表されて
いる。また、同図(b)はその一部のアイランドの構造
を、また同図(c)は他の一部のアイランドの構造を、
それぞれ示す部分拡大図である。
【0059】図9(a)において、ここでは、複数のポ
ンプ(本例では計7個のポンプ)、バルブ(同じく計7
個のバルブ)、反応容器(同じく計3個の反応容器)に
対応する箇所に、図面中上下方向に左から1列目として
複数個、同じく2列目に複数個、3列目に複数個(該3
列目のものは他よりも大きさが大きい)というように配
置されるものとして、それぞれシリコンアイランドが形
成されている。これらは、マイクロヒータアレイが形成
されている面と反対側の面に対するエッチングにより形
成することができる。
【0060】シリコンアイランド70は、複数のポンプ
に対応するシリコンアイランドの1つで(ここでは、複
数のポンプに対応してそのポンプ部ごとに設けられる複
数(本例では左から1列目中の計7個)のシリコンアイ
ランドの1つに参照符号を付してその複数あるポンプ部
用シリコンアイランドを代表して表してある)、拡大図
9(b)に、それらシリコンアイランド70の構造の一
例が示されている。同拡大図では、ヒータ(ポンプ用ヒ
ータ)に対応する箇所(図2から図5の断面例ではヒー
タ層39におけるヒータアレイ中のヒータ42に対応す
る空隙部分41に相当)は空隙72(凹部)で、その周
囲にシリコンで形成された囲み73(図2から図5で
は、参照符号35の部分がこれに当たる)が形成されて
いることがわかる。
【0061】シリコンアイランド75は、複数のバルブ
に対応するシリコンアイランドの1つで(ここでは、複
数のバルブに対応してそのバルブ部ごとに設けられる複
数(本例では左から2列目中の計7個)のシリコンアイ
ランドの1つに参照符号を付してその複数あるバルブ部
用シリコンアイランドを代表して表してある)、同じく
拡大図9(b)にその構造の一例が示されるものであっ
て、この構造はポンプ部用シリコンアイランドと同一形
状である。したがって、やはり、ヒータ(バルブ用ヒー
タ)に対応する部分(図2から図5の断面例ではヒータ
層39におけるヒータアレイ中のヒータ45に対応する
空隙部分44に相当)が空隙72(凹部)で、その周囲
にシリコンで形成された囲み73が形成されている構造
のものである。
【0062】上記の各シリコンアイランドの大きさより
も大きなシリコンアイランド71は、複数の反応容器に
対応するシリコンアイランドの1つで(ここでは、複数
の反応容器に対応してその反応容器ごとに設けられる複
数(本例では左から3列目中の計3個)のシリコンアイ
ランドの1つに参照符号を付してその複数ある反応容器
用シリコンアイランドを代表して表してある)、拡大図
9(c)に、それらシリコンアイランド71の構造の一
例が示されている。反応容器の場合の該アイランド構造
は、上記ポンプやバルブ部の場合のものと異なり、図9
(c)では参照符号76を付して示される、全体がシリ
コンで形成されたシリコンベット76構造である(図2
から図5の断面例では、ヒータ層39におけるヒータア
レイ中の反応容器温度制御用ヒータ47の上側に位置す
るものとして示された参照符号36の部分がこれに当た
る)。ここでは、反応容器の容積は(従ってまた、反応
容器に対応する当該シリコンベッドの大きさは)ヒータ
複数個分に相当する大きさになっている(本例ではヒー
タ2つ分に相当する大きさのものにするようになってい
る)が、目的の容積に合わせ自由に大きさを変えること
が可能である。
【0063】図10は、図2から図5に示されるアレイ
化マイクロ流体素子下部のSOI(silicon o
n insulator)基板のシリコン層37’およ
びヒータ層39部分の構成として適用できるものの一例
の説明図であり、図10(a)はマイクロヒータアレイ
における複数のヒータおよびそれらの制御に用いる制御
回路の各要素の配置の様子を模式的に示す平面的な概略
図であって、同図(a)では、参照符号83をもって基
板83として表されている。また、同図(b)は、ヒー
タおよびこれを制御するトランジスタ部分の模式的拡大
図、同図(c)はさらにこれらの部分と併用して使用す
ることのできる温度検出用のダイオード部分の模式的拡
大図である。
【0064】図10(a)において、参照符号80,8
1,82を付して示す図形シンボルのものはマルチプレ
クサを意味し、さらに、参照符号84を付して示す図形
シンボルのものはヒータオン/オフ制御用のトランジス
タ(なお、図中、複数ある該トランジスタの1つに参照
符号84を付してその複数のヒータ制御用トランジスタ
を代表して表し、参照符号を付したもの以外の同様の図
形シンボルの部分については、参照符号を省略してあ
る)を、また参照符号86を付して示す図形シンボルの
ものは温度検出用のダイオード(同じく、図中、複数あ
る該ダイオードの1つに参照符号86を付してその複数
の温度検出用ダイオードを代表して表し、参照符号を付
したもの以外の同様の図形シンボルの部分については、
参照符号を省略してある)を、それぞれ意味する。ま
た、ここでは、参照符号85をもって示されるヒータ
は、M列×N行(図示例では、縦方向3列×横方向8行
のマトリクス構成のものを例示してある)の配列による
マイクロヒータアレイのヒータ部である(同様に、図
中、それら複数のヒータの1つに参照符号85を付して
そのM×N個のヒータを代表して表し、参照符号を付し
たもの以外の同様の図形シンボルの部分については、参
照符号を省略してある)。
【0065】図10(a)によると、ヒータ制御用トラ
ンジスタ84は、左から1列目、2列目、3列目の各ヒ
ータ列それぞれにおいて、ヒータ85ごとにあること
が、またその3列目の場合はさらに温度検出用ダイオー
ド86があることがわかる。また、マルチプレクサ81
は、その各列ごとのトランジスタ群への信号供給制御用
のものであり(図中、各列に対応して3個ある該マルチ
プレクサの1つに参照符号81を付してその3個のマル
チプレクサを代表して表してある)、また、ここでは、
それら3個のマルチプレクサ81にさらにマルチプレク
サ80が接続されており、一方また、マルチプレクサ8
2は温度検出出力系のマルチプレクサである。
【0066】上記のような配置構成としておくと、マル
チプレクサ80,81の制御のもと、例えば図1との対
比でいえば、その1列目のトランジスタ84−ヒータ8
5の群は、図1のシステムのポンプ配置におけるポンプ
3,11..部分の制御用のものに割り当ててそのポン
プ制御の用に利用することができ、また、その2列目の
トランジスタ84−ヒータ85の群は、同システムのバ
ルブ配置におけるバルブ5,13..部分の制御用のも
のに割り当ててそのバルブ制御の用に利用することがで
きる。そして、その3列目のトランジスタ84−ヒータ
85の群は、同システムにおける反応容器配置における
反応容器7,14..部分の温度制御用のものとするこ
とができ、さらに温度検出用ダイオード86をも付加す
るときはそれを対応する反応容器の近傍で温度検出を行
うための温度検出用のものとすることができる。
【0067】さらに、この場合において、ポンプ部やバ
ルブ部では、ポンプ1個ごとに、またバルブ1個ごと
に、それぞれ、その1列目や2列目中のトランジスタ8
4−ヒータ85組の1組を用いるようにして使用するこ
とができる。さらにはまた、反応容器の部分では、前記
10図でも触れたように、使用する反応容器7等がヒー
タ複数分、例えば2つ分に相当する大きさのものである
ときは、そうした大きさの反応容器1個に対しては、そ
の3列目中のトランジスタ84−ヒータ85組のうち隣
接する2個のヒータ部分がそれぞれその1個の反応容器
部分に関して割り当てられることとなるようにして、そ
の反応容器温度の制御を行わせるという使い方もでき
る。
【0068】ここに、上記制御用回路要素のうちの、各
ヒータ制御用トランジスタやマルチプレクサ(温度検出
系のマルチプレクサ82も含む)の部分については、例
えば本素子本体外部にこれらを具備させる一方、シリコ
ン層37’には外部との接続用のリード(導体)部分を
形成するという態様でも実施可能であるが、ここでは、
温度検出用ダイオード86部分も含んで、半導体プロセ
スで上記SOI基板のシリコン層37’にそれらヒータ
制御用トランジスタ84や、さらにはマルチプレクサ8
0,81,82部分も形成されているものとする。な
お、図10(a)中に示す矢印は、外部のコントローラ
との接続を意味している。
【0069】シリコン層37’には、このように、いわ
ゆる半導体プロセス技術でマルチプレクサ80,81,
82、およびヒータ制御用トランジスタ84、温度検出
用ダイオード86などが多数形成されている。マイクロ
ヒータアレイのヒータ85もポリシリコンなどで該シリ
コン層37’上に形成することが可能であるが、ここで
はヒータ層39上に形成されている。ヒータ層39は、
例えばポリイミド薄膜中にTiなどの金属で抵抗体(図
10(b)の符号85のヒータ部分を参照)を形成する
ことができる。この場合、該ヒータ層に弾力のある、例
えばポリイミド薄膜を用いることにより、シリコン自体
の脆性を補強することができる。特に、本構造では、こ
の基板の反対面(図2から図5の断面例では上側部)の
シリコン層37に前述のごとくアイランド(シリコンア
イランド)が形成されるため、物理的強度が減少するの
で、この点でも補強する必要がある。したがって、この
目的でも例えばポリイミド薄膜は好適に用いられる。ヒ
ータ層39を別途設けるときは、これは、そうした補強
のためのものとしての機能をももたせる構造とすること
ができる。
【0070】上記の各ヒータ制御用トランジスタ84や
温度検出用ダイオード86の個々の部分については、具
体的には、それぞれ次のような内容のものとすることが
できる。すなわち、各ヒータ85を制御するトランジス
タ84の拡大図である図10(b)に示すごとく、ここ
では、トランジスタ84のエミッタにヒータ85(抵抗
体)が接続され、ベース88を通して対応するマルチプ
レクサ81,80からの信号により該ヒータのオン/オ
フ制御がされるようになっている。これにより、既に述
べたとおり、ポンプ部にあっては、駆動対象として選択
されたポンプ部においてヒータ加熱/過熱動作中止を周
期的に繰り返すことでポンプ動作が遂行され、液体が下
流へ送出される。また、バルブ部にあっては、同じく切
り替え対象として選択されたバルブ部においてそのバル
ブ切り替えが行われ、該当する反応容器に対し反応処理
に必要な液体が選択的に導かれる。さらに、反応容器に
あっては、温度制御の対象として選択された反応容器部
分においてその温度制御が反応処理過程で実行される。
【0071】また、温度検出用ダイオード86について
は、その温度特性を上記反応容器温度の制御における温
度センサーとして用いるもので、各温度検出用ダイオー
ド86部分の模式図である図10(c)に示すごとく、
ここでは、逆方向にバイアスされるようにダイオード素
子と抵抗との直列回路を電源ライン−アース間に接続し
てある。この場合にあっては、逆方向にバイアスされた
ダイオードの温度による電流変化を変換してその電流変
化(従って、温度変化)を読みとるようになっている。
そして、出力は、上記直列回路中の分圧点の端子89か
ら読みとるようになすことができ、これを温度検出系の
マルチプレクサ82を介して、外部のコントローラへ取
り出すことができる。かくして、これにより、その検出
出力は対応する反応容器温度の制御における制御データ
として、上記図10(b)のごとくに該当するトランジ
スタ84によるヒータ85の制御に利用し得て、当該反
応容器の温度を所定温度に維持し、あるいは温度を昇降
させるなどの温度制御が遂行されることとなる。反応容
器の温度制御に、マイクロヒータアレイのヒータ85の
みならず、温度検出用ダイオード86をも用いるとき
は、このようにして実施することができる。
【0072】以上のごとく、本実施の形態によれば、上
述のような構成とすることにより、特にバイオ分析に適
した流体制御、反応システムを実現し得るアレイ化マイ
クロ流体素子を提供することができ、明細書冒頭の考察
事項(イ)ないし(ホ)からの有利な改良、殊に
(ニ),(ホ)の観点からの対応も可能な改良が図ら
れ、既述のような不利等を解消し得るものとなる。たと
え、蛋白や脂質などの生体試料を含む液体を流した場合
において、生体成分の吸着により流量が変化したり流路
が詰まって使用できなくなったようなときでも、一部を
使い捨て、一部を再使用することが可能な使い方ができ
る構成は、複数のポンプ、バルブ、反応容器を組み合わ
せる、流体制御、反応システムとしても有利に使うこと
ができる。
【0073】流路、ポンプ、バルブ、反応容器はレイア
ウトが自由で、アクチュエータ部分は共通で利用できる
構造の本アレイ化マイクロ流体素子は、既にも述べてあ
るが、さらに重ねていえば、液体の搬送、混合、反応を
目的に合わせて様々に組み合わせることも容易に実現で
きる。例えば、製作に手間も掛かる半導体プロセスで形
成されたマルチプレクサ、トランジスタ、ダイオードな
どは標準の配列で作成しておき、その部分は共通して利
用することができる。さらに、ポンプ、バルブ、反応容
器に相当する部分はシリコンのエッチングでほとんど対
応することが可能である。すなわち、ポンプやバルブ部
に相当する部分は接続のための流路や貫通孔を開閉する
ためのダイヤフラム構造、および断熱のためのシリコン
アイランド構造を形成すればよいし、反応容器の部分は
目的の容積に合わせてエッチングするサイズを決めるこ
とができる。また、ポンプ、バルブ、反応容器温度の制
御は全て熱で制御する方式をとっているため、それらの
配置も自由に移動させることが可能である(例えば、図
11の変形例参照)。
【0074】再び図1をみると、図1では、先にも触れ
たように、反応容器7で反応させる試薬は注入口1およ
び11から搬送し、必要に応じて2種の液体を適宜混合
し反応させるようになっている。一方、反応容器14で
は、試薬注入口11,15,16から試薬を導入するよ
うになっており、ここでは注入口11は反応容器7で行
う反応処理での反応試薬と共有で用いられるようになっ
ている。また、図1で、図面中下側に独立したもう1組
の反応部系統として表される、参照符号を省略した他の
残りの部分も、上記3つの注入口11,15,16→ポ
ンプ→バルブ→反応容器14へと至るレイアウトと類似
するレイアウト構成のものであり、上記に準じ同様のこ
とが行える。図1のシステムでは、こうした搬送、混
合、反応のためのアレイ化マイクロ流体素子として使用
することができる。
【0075】図11は、アレイ化マイクロ流体素子下部
のSOI(silicon oninsulator)
基板のシリコン層37’およびヒータ層39は共通で用
い、ポンプ、バルブ、反応容器のレイアウト(配置の設
定)を変えた例を示すものである。
【0076】以下、要部を説明すると、ここでは、参照
符号90,93,95はポンプ、参照符号91,92は
第1および第2の反応容器、参照符号96はバルブ、参
照符号94は排出口をそれぞれ表す。また、図示のごと
く、これらポンプ90,93,95、第1の反応容器9
1、第2の反応容器92、バルブ96、排出口94のレ
イアウトと同じレイアウト構成によるもの(それぞれ、
同一の構成要素について参照符号は省略してある)が、
独立した系統として、もう1組、図面中下側に表され、
計2組の系統があることがわかる。
【0077】このようなレイアウト構成の場合、例えば
図10で例示したような、それぞれヒータ制御用トラン
ジスタを伴うM列×N行(縦方向3列×横方向8行)の
マトリクス構成のヒータ85によるマイクロヒータアレ
イのものと組み合わせるときは、次のようにすることが
可能である。すなわち、そのマトリクスの左から1列目
のヒータ列は、図11のレイアウト上、上下方向になら
ぶポンプ配置におけるポンプ90,93,95..部分
の制御用のものとして割り当ててそのポンプ制御の用に
利用するようになし(この場合、計6個あるポンプ1個
ごとにヒータを1つずつ割り当てると、8−6=2個の
ヒータ部分が使われないヒータとして残ることとなる
が、このような使用のし方ができるのが本構成の狙いの
一つでもあり、この点は以下でも同様である)、また、
そのマトリクスの左から2列目のヒータ列は、ここで
は、図11のレイアウト上、上下方向にならぶ第1の反
応容器の配置における反応容器91..部分についての
温度制御用のものに割り当てて利用するようになし(こ
の場合、計2個ある第1の反応容器91の1個ごとにヒ
ータ2つずつを割り当てるとすると、8−(2×2)=
4個のヒータ部分が使われないこととなる)、そして、
そのマトリクスの左から3列目のヒータ列は、ここで
は、図11のレイアウト上、上下方向にならぶ第2の反
応容器およびバルブ配置におけるその反応容器92..
部分の温度制御用のものに割り当てて利用するととも
に、同時に、そのバルブ96..部分の制御用のものと
して割り当ててそのバルブ制御の用に利用するようにな
すことができる(この場合、同じく計2個ある第2の反
応容器92の1個ごとにヒータ2つずつを割り当て、か
つまた、計2個あるポンプ1個ごとにヒータを1つずつ
割り当てるとすると、8−((2×2)+2)=2個の
ヒータ部分が使われないこととなる)。
【0078】かくして、本レイアウト構成下でも、既に
述べてきたごとくのそれぞれのポンプ動作、バルブ動
作、反応容器温度の制御を行わせることで、図11中の
2組の系統それぞれにおいて、ここでは、注入口は省略
してあるが、ポンプ90および93につながる試薬を反
応容器91(第1の反応部)で反応させ、さらには、ポ
ンプ95−バルブ96の系をもって、ポンプ95につな
がる試薬を加えて反応容器92(第2の反応部)で反応
を行う、といった流体制御、反応システムを実現でき、
本例では、上記のごとくに変えられたレイアウト構成の
もと、そうした搬送、混合、反応目的のためのアレイ化
マイクロ流体素子として使用することが可能となる。本
発明は、このようにして実施することもできる。
【0079】また、反応の検出については、図11中の
2組の同一のレイアウト構成それぞれにおいて、その排
出口94に接続される検出器によって、または図2から
図5の断面例等で述べたような上部カバー基板(参照符
号20等)を透明のパイレックス(登録商標)基板とす
ることにより、その反応容器91,92を直接検出窓と
して蛍光検出することも可能である(この点は、前記実
施の形態においても同様に実施可能である)。
【0080】さらには、バルブを複数列配置して開閉を
制御することにより、複雑な液体の搬送を行うことも可
能である。これらのレイアウト変更は、先にも述べた
が、アレイ化マイクロ流体素子下部のSOI(sili
con on insulator)基板のシリコン層
37’およびヒータ層39は共通で用い、上部のシリコ
ンのエッチングレイアウトを変更することにより、自在
にポンプ、バルブ、反応容器の配置を設定することが可
能である。当然のことながら、先のも触れたように、ポ
ンプ、バルブ、反応容器の配置によっては使用しないこ
ととなるヒータもあるが、手間の掛かる半導体プロセス
の方を変更するような手法を採用することを考えると、
この部分を共通基板として用いた方が、より効果的であ
る。
【0081】なお、以上に記載された内容は、次のよう
な発明と捉えることもできる。
【0082】〔付記項1〕 流体が流れる流路部分、お
よび反応部を有するとともに、流れを制御するアクチュ
エータ部分を有し、該流体が流れる流路部分、および反
応部と該流れを制御するアクチュエータ部分が分離可能
な構造を有することを特徴とするアレイ化マイクロ流体
素子。
【0083】〔付記項2〕 付記項1において、基板を
有し、該基板に貫通孔が穿たれ、その貫通孔を通して流
体が一時的に基板の上部から下部、または下部から上部
へ通り抜ける構造を有することを特徴とするアレイ化マ
イクロ流体素子。
【0084】〔付記項3〕 付記項1において、ポンプ
構造部を有し、該ポンプ構造部に対応する流路の流入部
に相当する流路の一部が狭窄構造をとることを特徴とす
るアレイ化マイクロ流体素子。
【0085】〔付記項4〕 付記項1において、流体が
流れるチャネルの一部または全面がプラスチック薄膜で
形成されていることを特徴とするアレイ化マイクロ流体
素子。
【0086】〔付記項5〕 付記項4のプラスチック薄
膜がシリコンゴムまたはポリイミド、またはテフロン
(登録商標)系薄膜であることを特徴とするアレイ化マ
イクロ流体素子。
【0087】〔付記項6〕 付記項1において、アクチ
ュエータ部の片面にマイクロヒータアレイが形成されて
いることを特徴とするアレイ化マイクロ流体素子。
【0088】〔付記項7〕 付記項6において、マイク
ロヒータアレイ、および制御用回路が形成されているこ
とを特徴とするアレイ化マイクロ流体素子。
【0089】〔付記項8〕 付記項7の制御回路がトラ
ンジスタおよびマルチプレクサ、および温度検出用ダイ
オードからなることを特徴とするアレイ化マイクロ流体
素子。
【0090】〔付記項9〕 付記項6のアクチュエータ
部の基板がSOI(siliconon insula
tor)であることを特徴とするアレイ化マイクロ流体
素子。
【0091】〔付記項10〕 付記項6のヒータアレイ
が形成されている面の反対側の面にエッチングによりシ
リコンアイランドが形成されていることを特徴とするア
レイ化マイクロ流体素子。
【0092】〔付記項11〕 付記項10のシリコンア
イランドが反対面のヒータ部の周囲に対向する位置に形
成されていることを特徴とするアレイ化マイクロ流体素
子。
【0093】〔付記項12〕 流路部分および反応部
が、流路、ポンプ、バルブ、反応容器を有し、該流路、
ポンプ、バルブ、反応容器はレイアウトが自由で、アク
チュエータ部分は共用で利用できる構造であることを特
徴とする付記項1ないし付記項11のいずれかに記載の
アレイ化マイクロ流体素子。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の説明に供するもので、
アレイ化マイクロ流体素子の全体的構成の概要を平面的
な模式図としてシステムで表す図(概念図)である。
【図2】 アレイ化マイクロ流体素子を上下2つに分割
して示す図である。
【図3】 上下の基板の組み合わせ図である。
【図4】 ヒータの加熱により、変形したプラスチック
薄膜が貫通孔を閉鎖している様子を例示する図である。
【図5】 同様に、ヒータの加熱により、変形したプラ
スチック薄膜が貫通孔を閉鎖している他の様子を例示す
る図である。
【図6】 アレイ化マイクロ流体素子上部のカバー基板
の一例の平面図である。
【図7】 アレイ化マイクロ流体素子上部のチャネル基
板の一例の平面図である。
【図8】 同チャネル基板を反対側から見た図である。
【図9】 アレイ化マイクロ流体素子下部の基板として
適用できるものの一例を示す図で、SOI基板の上面側
のシリコン層部分の説明図である。
【図10】 SOI基板の下面側のシリコン層、および
ヒータ層部分の説明図である。
【図11】 レイアウト変更の一例の説明に供するもの
で、図1に相当する図である。
【符号の説明】
〔図1〕 1 注入口 2 狭窄部 3 ポンプ 4 流路 5 バルブ 6 流路 7 反応容器 8 流路 9 排出口 10 流路 11 注入口 12 ポンプ 13 バルブ 14 反応容器 15 注入口 16 注入口 〔図2,3,4,5〕 20 カバー基板 21 注入口 22 流路 23,24 貫通孔(ポンプ構造部) 25 流路 26,27 貫通孔(バルブ構造部) 28 流路 29 反応容器 30 流路 31 排出口 32 チャネル基板 33 プラスチック薄膜 34 空隙(ポンプ構造部) 34’ 空隙(バルブ構造部) 35 シリコン部(シリコンアイランド) 36 シリコンベット構造(シリコンアイランド) 37 シリコン層 37’ シリコン層 38 シリコン酸化膜 39 ヒータ層 40 熱絶縁用空隙 41 空隙 42 ヒータアレイのヒータ(ポンプ用ヒータ部) 43 熱絶縁用空隙 44 空隙 45 ヒータアレイのヒータ(バルブ用ヒータ部) 46 熱絶縁用空隙 47 ヒータアレイのヒータ(反応容器用ヒータ部) 48 変形したプラスチック薄膜部分 49 変形したプラスチック薄膜部分 〔図6〕 50 カバー基板 51 注入口 52 排出口 〔図7,8〕 60 チャネル基板 61 貫通孔 62 貫通孔 65 空隙 〔図9〕 70 シリコンアイランド(ポンプ部用) 71 シリコンアイランド(反応容器用) 72 空隙 73 囲み 74 基板 75 シリコンアイランド(バルブ部用) 76 シリコンベッド構造 〔図10〕 80 マルチプレクサ 81 マルチプレクサ 82 マルチプレクサ 83 基板 84 ヒータ制御用トランジスタ 85 ヒータ 86 温度検出用ダイオード 88 ベース 89 端子 〔図11〕 90 ポンプ 91 反応容器 92 反応容器 93 ポンプ 94 排出口 95 ポンプ 96 バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H062 AA02 AA12 AA13 BB04 CC04 CC27 EE06 GG01 GG04 HH01 HH10 3H075 AA01 BB04 BB16 BB19 CC32 CC36 CC40 DA00 DA05 DA11 DB01 DB02 DB09 3H077 AA01 BB10 CC01 CC11 CC16 DD06 EE01 EE34 EE40 FF01 FF06 FF12 FF14 FF21 FF31 FF36

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体が流れる流路部分、および反応部と
    流体の流れを制御するアクチュエータ部が分離した構造
    を有することを特徴とするアレイ化マイクロ流体素子。
  2. 【請求項2】 前記流路部分および反応部を有する基板
    に貫通孔が穿たれ、その貫通孔を通して流体が一時的に
    該基板の上部から下部、または下部から上部へ通り抜け
    る構造を有することを特徴とする請求項1に記載のアレ
    イ化マイクロ流体素子。
  3. 【請求項3】 前記流路部分の途中のポンプ構造部に対
    応する流路の流入部に相当する流路の一部が狭窄構造を
    とることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    アレイ化マイクロ流体素子。
  4. 【請求項4】 前記流体が流れる流路の一部または全面
    がプラスチック薄膜で形成されていることを特徴とする
    請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のアレイ化マ
    イクロ流体素子。
  5. 【請求項5】 前記プラスチック薄膜がシリコンゴムま
    たはポリイミド、またはテフロン(登録商標)系薄膜で
    あることを特徴とする請求項4に記載のアレイ化マイク
    ロ流体素子。
  6. 【請求項6】 前記アクチュエータ部はマイクロヒータ
    アレイが形成されていることを特徴とする請求項1ない
    し請求項5のいずれかに記載のアレイ化マイクロ流体素
    子。
  7. 【請求項7】 前記アクチュエータ部に、マイクロヒー
    タアレイと共にさらに制御用回路が形成されていること
    を特徴とする請求項6に記載のアレイ化マイクロ流体素
    子。
  8. 【請求項8】 前記制御用回路は、 複数のヒータ制御用のトランジスタおよび/または温度
    検出用のダイオードを有する第1の態様か、 該第1の態様に加えて、当該各トランジスタおよび/ま
    たは各ダイオードに対するマルチプレクサを含む第2の
    態様の、いずれかの態様をもって構成されていることを
    特徴とする請求項7に記載のアレイ化マイクロ流体素
    子。
  9. 【請求項9】 前記アクチュエータ部の基板がSOI
    (silicon on insulator)であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記
    載のアレイ化マイクロ流体素子。
  10. 【請求項10】 前記マイクロヒータアレイが形成され
    ている側と反対側にエッチングによりシリコンアイラン
    ドが形成されていることを特徴とする請求項6ないし請
    求項9のいずれかに記載のアレイ化マイクロ流体素子。
  11. 【請求項11】 前記シリコンアイランドが、ヒータア
    レイにおけるヒータ部の周囲に対向する位置に形成され
    ていることを特徴とする請求項10に記載のアレイ化マ
    イクロ流体素子。
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