JP2003093320A - 内視鏡 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】内視鏡の諸機能に影響を及ぼすことなく湾曲動
作に伴う処置具挿通チャンネルによる光学繊維束等の折
損を防止することができる内視鏡を提供すること。 【解決手段】挿入部１の基端に連結された操作部４から
の遠隔操作によって屈曲する湾曲部２が挿入部１の先端
付近に設けられ、操作部４側から挿通された処置具を挿
入部１の先端から突出させるように処置具を案内するた
めの処置具挿通チャンネル１０が挿入部１内に全長にわ
たって挿通配置された内視鏡において、処置具挿通チャ
ンネル１０の基端を、軸線方向に自由に進退することが
できるように操作部４に配置した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は内視鏡に関する。

【０００２】

【従来の技術】内視鏡は一般に、挿入部の基端に連結さ
れた操作部からの遠隔操作によって屈曲する湾曲部が挿
入部の先端付近に設けられ、操作部側から挿通された処
置具を挿入部の先端から突出させるように処置具を案内
するための処置具挿通チャンネルが、挿入部内に全長に
わたって挿通配置されている。

【０００３】そのような内視鏡において湾曲部を屈曲さ
せると、湾曲部は内周側が縮み外周側が伸びた状態にな
るので、処置具挿通チャンネルが湾曲部の中心軸線位置
に配置されている場合を除き、処置具挿通チャンネルが
湾曲部内で偏位して、処置具挿通チャンネルと並んで挿
通配置されている光学繊維束等の内蔵物が圧迫されて折
損する現象が発生する。

【０００４】そこで、従来は一般に、処置具挿通チャン
ネルの配列位置を湾曲部内で固定して光学繊維束と干渉
しないようにしたり、湾曲部内において光学繊維束に各
種の補強被覆を施す等の対策を講じていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、処置具挿通チ
ャンネルの配列位置を湾曲部内で固定すると、処置具挿
通チャンネルが湾曲部の屈曲動作に対して大きな抵抗と
なって湾曲操作が重くなったり、処置具挿通チャンネル
が配列固定部で折損し易い欠点がある。また、光学繊維
束に補強被覆を施すと、その結果として挿入部が太くな
ってしまうので、内視鏡を挿入される患者に与える苦痛
が大きくなってしまう。

【０００６】そこで本発明は、内視鏡の諸機能に影響を
及ぼすことなく湾曲動作に伴う処置具挿通チャンネルに
よる光学繊維束等の折損を防止することができる内視鏡
を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の内視鏡は、挿入部の基端に連結された操作
部からの遠隔操作によって屈曲する湾曲部が挿入部の先
端付近に設けられ、操作部側から挿通された処置具を挿
入部の先端から突出させるように処置具を案内するため
の処置具挿通チャンネルが挿入部内に全長にわたって挿
通配置された内視鏡において、処置具挿通チャンネルの
基端を、軸線方向に自由に進退することができるように
操作部に配置したものである。

【０００８】なお、処置具挿通チャンネルの基端に直列
に連結された処置具通過パイプが、操作部側に形成され
た受け孔に対して軸線方向にスライド自在に嵌挿してい
てもよく、その場合、処置具通過パイプの途中に側孔が
穿設されていて、側孔を介して外部吸引路と処置具挿通
チャンネル内とが連通していてもよい。

【０００９】

【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の実施例を
説明する。図２は内視鏡を示しており、照明用光学繊維
束等が挿通配置された可撓管状の挿入部１の先端付近に
は、遠隔操作によって屈曲する湾曲部２が設けられてお
り、湾曲部２の先端には、図示されていない観察窓や照
明窓等が配置された先端部本体３が連結されている。

【００１０】湾曲部２は公知の構成であり、例えば複数
の節輪をリベットで回転自在に連結して構成されてい
る。挿入部１の基端に連結された操作部４には、湾曲部
２を屈曲操作するための湾曲操作ノブ５等が配置されて
おり、湾曲操作ノブ５を回転操作することにより、湾曲
部２が二点鎖線で示されるように屈曲する。

【００１１】挿入部１内から湾曲部２内の全長にわたっ
て、例えば四フッ化エチレン樹脂チューブからなる処置
具挿通チャンネル１０が挿通配置されており、その先端
は先端部本体３において開口している。その結果、処置
具挿通チャンネル１０は、湾曲部２側から挿通された処
置具を先端部本体３から突出させるように案内する。

【００１２】処置具挿通チャンネル１０の基端部分は、
操作部４の下端部付近の内部に配置されていて、図１に
示されるように、操作部４の外壁から斜め上方に突出す
る処置具通過パイプ１１が、処置具挿通チャンネル１０
の基端に直列に連結固着されている。

【００１３】処置具通過パイプ１１は、例えばステンレ
ス鋼管製のパイプ状部材であり、操作部４外に突出する
処置具通過パイプ１１の外端部に処置具挿入口金６が直
列に取り付けられている。７はゴム製の鉗子栓である。

【００１４】処置具通過パイプ１１を受ける受け孔１２
は、操作部４の外壁に貫通して穿設されており、受け孔
１２の両端近傍部分には、処置具通過パイプ１１の外周
面との間をシールするＯリング１４が装着されている。

【００１５】処置具通過パイプ１１は、軸線方向に自由
に進退できるように受け孔１２に嵌合して受け孔１２の
両端に突き出ており、処置具挿通チャンネル１０の基端
が軸線方向に移動するとそれによって処置具通過パイプ
１１が軸線方向に進退する。

【００１６】ただし、処置具通過パイプ１１の内端側に
突設されたフランジ部１１ａと外端側に取り付けられた
処置具挿入口金６とが、処置具通過パイプ１１の進退動
作に対する両端ストッパになっていて、処置具通過パイ
プ１１が所定以上に移動しないように移動可能範囲を規
制している。

【００１７】両端のＯリング１４の間に位置する受け孔
１２の中間部分には、受け孔１２の内径を広げて連通室
１３が形成されており、その連通室１３に面するように
処置具通過パイプ１１の中間部分に側孔１５が穿設され
ている。連通室１３は軸線方向にある程度長く形成され
ており、処置具通過パイプ１１が進退移動範囲のどこに
あっても側孔１５と通じるようになっている。

【００１８】そして、連通室１３に連通して外方に突出
する接続管８に、図２に示される外部吸引チューブ９を
接続することにより、側孔１５を介して処置具挿通チャ
ンネル１０内と外部吸引チューブ９とが連通し、処置具
挿通チャンネル１０を介して先端部本体３の周囲から吸
引を行うことができる。

【００１９】このように構成された実施例の内視鏡にお
いては、湾曲操作ノブ５を操作して湾曲部２を屈曲さ
せ、処置具挿通チャンネル１０に軸線方向の引っ張り力
や圧縮力が作用すると、その力を吸収するように処置具
通過パイプ１１が受け孔１２内で軸線方向に移動する。

【００２０】その結果、湾曲部２の屈曲動作によって処
置具挿通チャンネル１０に軸線方向に力が加わると、そ
れに応じて処置具挿通チャンネル１０が軸線方向に動く
ことになり、図３に示されるように、湾曲部２内におい
て湾曲動作に伴う処置具挿通チャンネル１０の偏位が緩
和されて、処置具挿通チャンネル１０が光学繊維束等他
の内蔵物を強く圧迫しない。

【００２１】

【発明の効果】本発明によれば、処置具挿通チャンネル
の基端を、軸線方向に自由に進退することができるよう
に操作部に配置したことにより、湾曲部が屈曲するのに
伴って処置具挿通チャンネルが軸線方向に動いて、湾曲
部内における処置具挿通チャンネルの偏位が緩和され、
処置具挿通チャンネルが光学繊維束等他の内蔵物を強く
圧迫しないので、内視鏡の諸機能に影響を及ぼすことな
く湾曲動作に伴う光学繊維束等の折損を防止することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の内視鏡の部分側面断面図であ
る。

【図２】本発明の実施例の内視鏡の外観側面図である。

【図３】本発明の実施例の湾曲動作に対する処置具挿通
チャンネルの動作を示す略示図である。

【符号の説明】

１ 挿入部 ２ 湾曲部 ４ 操作部 １０ 処置具挿通チャンネル １１ 処置具通過パイプ １２ 受け孔 １３ 連通室 １５ 側孔

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】挿入部の基端に連結された操作部からの遠
   隔操作によって屈曲する湾曲部が上記挿入部の先端付近
   に設けられ、上記操作部側から挿通された処置具を上記
   挿入部の先端から突出させるように処置具を案内するた
   めの処置具挿通チャンネルが上記挿入部内に全長にわた
   って挿通配置された内視鏡において、 上記処置具挿通チャンネルの基端を、軸線方向に自由に
   進退することができるように上記操作部に配置したこと
   を特徴とする内視鏡。
2. 【請求項２】上記処置具挿通チャンネルの基端に直列に
   連結された処置具通過パイプが、上記操作部側に形成さ
   れた受け孔に対して軸線方向にスライド自在に嵌挿して
   いる請求項１記載の内視鏡。
3. 【請求項３】上記処置具通過パイプの途中に側孔が穿設
   されていて、上記側孔を介して外部吸引路と上記処置具
   挿通チャンネル内とが連通している請求項２記載の内視
   鏡。