JP2003091293A - 音場再現装置 - Google Patents

音場再現装置

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JP2003091293A
JP2003091293A JP2001283313A JP2001283313A JP2003091293A JP 2003091293 A JP2003091293 A JP 2003091293A JP 2001283313 A JP2001283313 A JP 2001283313A JP 2001283313 A JP2001283313 A JP 2001283313A JP 2003091293 A JP2003091293 A JP 2003091293A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のサラウンド制作における複数のパラメ
ータの設定についての煩雑な操作を簡単なものにし、音
声をリアルタイムに変化させ、臨場感の高い再生を実現
することが可能な技術を提供することである。 【解決手段】 発音体の音響信号を入力する信号入力手
段と、仮想空間内に配置される前記発音体の位置座標と
前記仮想空間に対して設定される視点位置とに基づい
て、前記信号入力手段より入力された前記発音体の音響
信号を2以上のチャンネルの音響信号に分配しそれぞれ
の音響信号のレベルを制御する手段と、前記2以上のチ
ャンネルに分配された音響信号に基づいて前記仮想空間
での残響音信号を生成する手段と、前記残響音信号と前
記レベルの制御された音響信号とを合成し前記チャンネ
ル毎の再生信号を生成する手段と、前記再生信号が供給
され音場を再現する手段とを備える音場再現装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音場再現装置に関
し、特に、臨場感のあるサラウンド音声制作にあたっ
て、各スピーカに供給する再生信号のレベルで音の大き
さや到来方向を制御すると共に、響き成分の種類、レベ
ル、再生する方向を制御する装置に適用する場合に有効
となる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のステレオ方式で臨場感(リアリテ
ィ)のある音場再現を実現する手法として、前方2チャ
ンネルのスピーカ以外からも音声を発生させる、いわゆ
るサラウンド方式がある。サラウンド方式には、主信号
にディレーをもたせた信号を前方2チャンネル以外のサ
ラウンドスピーカから出す簡易な手法や、近年の劇場映
画などのマルチチャンネル音声システムに対応した高能
率符号化方式を採用したAC−3方式などがある。
【0003】これらのステレオ方式では、予め設定され
たスピーカ位置に応じて収音位置(収音ポイント)を決
定し、それぞれの収音位置で収音された音声信号を対応
するスピーカから出力することによって、臨場感のある
音場再現を実現していた。このために、従来のステレオ
方式では、収音現場の臨場感を再現することは可能であ
るが、その臨場感はあくまで収音位置での臨場感であっ
て、収音位置以外のポイントの臨場感を再現することは
できなかった。
【0004】例えば、スタジオ内でセットを使って行わ
れる放送用ドラマの収録などでは、いわゆるロケ収録の
場合のような現実の音響空間における臨場感をもった音
声を収録することはできなかった。そのため、例えば、
洞窟のシーンであれば、収録後に、収録音に響きの長い
リバーブを試行錯誤しながら付加するといった方法を用
いて音作りをすることによって、各シーンに対応した音
場再現を実現していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記従来
技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。従来
のサラウンド制作においては、例えば、音の到来方向を
調整する場合には、各スピーカから再生される音のレベ
ルをそれぞれのボリューム、または2つのチャンネル間
のパンを調整することで実現していたので、3個以上の
スピーカでは困難であった。ただし、パンとは空間上で
の音の位置を決めるための左右のスピーカチャンネル
(2つのチャンネル間)の音量バランスである。
【0006】しかしながら、2つのチャンネル間のパン
を組み合わせることによって音の到来方向を調整する場
合には、スムーズに音を回転・移動させることは困難で
あった。例えば、1チャンネル目と2チャンネル目とは
第1の機材を用いると共に、2チャンネル目と3チャン
ネル目とに第2の機材を用い、1チャンネル目と2チャ
ンネル目との間でパンさせると共に、2チャンネル目と
3チャンネル目との間にもパンをさせる場合には、まず
第1の機材と第2の機材との2チャンネルの音量バラン
スを調整した後に、第1の機材と第2の機材との間の音
量バランスを調整する必要があった。また、スムーズに
音を回転・移動させるためにはタイミングを計って、第
1の機材から第2の機材に動作を引き渡す必要もあっ
た。さらには、チャンネル数を増大させた場合には、前
述の煩雑さがさらに増大することとなっていた。
【0007】このように、音を移動させたり、効果をつ
けるための従来のサラウンド制作では、複数の機器の組
み合わせとそれに伴う複数のパラメータとの煩雑な操作
を必要としたので、大きな負担となっていた。
【0008】本発明の目的は、この煩雑な操作を簡単な
ものにし、音声をリアルタイムに変化させ、臨場感の高
い再生を実現することが可能な技術を提供することにあ
る。
【0009】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
になるであろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0011】(1)発音体の音響信号を入力する信号入
力手段と、仮想空間内に配置される前記発音体の位置座
標と前記仮想空間に対して設定される視点位置とに基づ
いて、前記信号入力手段より入力された前記発音体の音
響信号を2以上のチャンネルの音響信号に分配しそれぞ
れの音響信号のレベルを制御する手段と、前記2以上の
チャンネルに分配された音響信号に基づいて前記仮想空
間での残響音信号を生成する手段と、前記残響音信号と
前記レベルの制御された音響信号とを合成し前記チャン
ネル毎の再生信号を生成する手段と、前記再生信号が供
給され音場を再現する手段とを備える音場再現装置。
【0012】(2)発音体の音響信号を入力する信号入
力手段と、シーンまたは聴取者の位置に対応した仮想空
間内での音場の空間情報を格納する手段と、前記空間情
報として格納される発音体の座標位置と前記視聴者の視
点位置とに基づいて、前記音響信号のレベルを制御し前
記発音体からの音の到来方向及び前記発音体までの距離
を制御する手段と、前記音響信号に基づいて前記仮想空
間における残響音信号を生成する手段と、前記残響音信
号と前記レベルの制御された音響信号とを合成し再生信
号を生成する手段と、前記再生信号が供給され音場を再
現する手段とを備える音場再現装置。
【0013】(3)前述した(1)もしくは(2)に記
載の音場再現装置において、前記残響音信号生成手段
は、仮想空間内に配置される前記発音体の位置座標と前
記仮想空間に対して設定される視点位置とに基づいて、
前記各チャンネル毎の前記残響音信号のレベルを制御し
前記発音体からの音の到来方向を制御する。
【0014】(4)前述した(1)乃至(3)の内の何
れかに記載の音場再現装置において、前記残響音信号生
成手段は、仮想空間内に配置される前記発音体の位置座
標と前記仮想空間に対して設定される視点位置とに基づ
いて、前記各チャンネルの前記残響音信号のレベルを一
律に制御し前記発音体までの距離を制御する。
【0015】(5)前述した(1)乃至(4)の内の何
れかに記載の音場再現装置において、前記音響信号の制
御手段は、発音体の座標位置と前記視聴者の視点位置と
が変化した場合には、クロスフェードにより各チャンネ
ル毎の音響信号レベルを制御する。
【0016】前述した手段によれば、信号入力手段から
入力された音響信号に対して、音響信号のレベルを制御
する手段が、仮想空間内に配置される発音体の位置座標
と仮想空間に対して設定される視点位置とに基づいて、
発音体の音響信号を2以上のチャンネルの音響信号に分
配しそれぞれの音響信号のレベルを制御することによっ
て、音響信号の発音体までの方向及び距離感を制御した
音響信号を得ることができる。
【0017】また、信号入力手段から入力された音響信
号に対して、残響音信号生成が2以上のチャンネルに分
配された音響信号に基づいて、仮想空間での残響音信号
を生成することによって、発音体までの方向及び距離感
を制御した反射音やリバーブ等の残響音信号を得ること
ができる。
【0018】ここで、再生信号生成手段が、残響音信号
とレベルの制御された音響信号とを合成しチャンネル毎
の再生信号を生成し、得られた再生信号を音場再現手段
となるスピーカまたはヘッドホンに供給することによっ
て、発音体までの方向及び距離感が制御された音声や残
響音を得ることができるので、煩雑な操作をすることな
く音響信号をリアルタイムに変化させた臨場感の高い音
場を再生することができる。
【0019】また、信号入力手段から入力された音響信
号に対して、シーンまたは聴取者の位置に対応した仮想
空間内での音場の空間情報を格納する手段に格納される
空間情報、すなわち発音体の座標位置と視聴者の視点位
置とに基づいて、音響信号のレベルを制御する手段が、
音響信号のレベルを制御し発音体からの音の到来方向及
び発音体までの距離を制御する。
【0020】一方、残響音信号生成手段が信号入力手段
から入力された音響信号に基づいて、仮想空間における
残響音信号を生成することによって、発音体までの方向
及び距離感を制御した反射音やリバーブ等の残響音信号
を得ることができる。
【0021】ここで、再生信号生成手段が、残響音信号
とレベルの制御された音響信号とを合成しチャンネル毎
の再生信号を生成し、得られた再生信号を音場再現手段
となるスピーカまたはヘッドホンに供給することによっ
て、発音体までの方向及び距離感が制御された音声や残
響音を得ることができるので、煩雑な操作をすることな
く音響信号をリアルタイムに変化させた臨場感の高い音
場を再生することができる。
【0022】また、残響音信号生成手段が、仮想空間内
に配置される発音体の位置座標と仮想空間に対して設定
される視点位置とに基づいて、各チャンネル毎の残響音
信号のレベルを制御し発音体からの音の到来方向を制御
することによって、音響信号と同様に残響音信号にも音
の到来方向の制御を行うことができるので、煩雑な操作
をすることなく音響信号をリアルタイムに変化させた臨
場感の高い音場を再生することができる。
【0023】また、残響音信号生成手段が、仮想空間内
に配置される発音体の位置座標と仮想空間に対して設定
される視点位置とに基づいて、各チャンネルの残響音信
号のレベルを制御し発音体までの距離を制御することに
よって、容易に視点位置から発音体までの距離感を制御
することができるので、装置構成を簡単な構成とするこ
とができる。
【0024】さらには、音響信号の制御手段が、発音体
の座標位置と視聴者の視点位置とが変化した場合には、
クロスフェードにより各チャンネル毎の音響信号レベル
を制御するので、例えば音場再現手段となるスピーカの
所定チャンネルから他のチャンネルへの音響信号と残響
音信号との割り当てを変化させる時に生じる切り替えの
ショックを無くしたスムーズな切り替えが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、発明の実
施の形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明
する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図に
おいて、同一機能を有するものは同一符号を付け、その
繰り返しの説明は省略する。
【0026】図1は本発明の一実施の形態である音場再
現装置の概略構成を説明するための図である。ただし、
以下の説明では、音声信号を入力信号とした場合につい
て説明するが、音声信号以外の他の音響信号を入力信号
とした場合でも適用可能なことはいうまでもない。
【0027】図1において、101は信号入力端子、1
02は直接音処理部、103は反射音処理部、104は
距離方向情報設定手段、105は合成部、106は方向
別反射音データ設定手段、107は減衰手段、108は
可変抵抗器、109は反射音生成手段、110はパッチ
部、111は選択合成手段、112は信号線を示す。
【0028】図1に示すように、本実施の形態の音場再
現装置は、信号入力手段となる信号入力端子101から
入力された音声信号を2分配する周知の図示しない2分
配手段と、この2分配手段により分配された一方の音声
信号から音声の到来方向及び距離を勘案した音声信号を
生成する直接音処理部102と、直接音処理部102に
シーンまたは聴取者の位置に応じた音声の到来方向及び
距離を設定する距離方向情報設定手段104とを備える
構成となっている。また、本実施の形態の音場再現装置
は、図示しない2分配手段により分配された他方の音声
信号から音声の到来方向及びシーンまたは聴取者の位置
に対応した反射音信号を生成する反射音処理部103
と、反射音処理部103にシーンまたは聴取者の位置に
応じて音声の方向別の反射音データを設定する方向別反
射音データ設定手段106と、直接音処理部102と反
射音処理部103とから出力される音声信号と反射音信
号(残響音信号)とを合成して得られる再生信号を生成
する合成部105とを備える構成となっている。
【0029】直接音処理部102は、入力された一の音
声信号(サラウンド処理されていない信号)を図示しな
いスピーカ数(チャンネル数)の音声信号に分配する図
示しない周知の分配器と、この分配器によって分配され
たそれぞれの音声信号に距離方向情報設定手段104に
より設定された減衰を与える減衰手段107とから構成
されている。ただし、減衰手段107としては、例えば
分配器により分配された音声信号線にそれぞれ直列に接
続される周知の可変抵抗器108により実現可能である
が、増幅器を用いる構成としてもよい。
【0030】反射音処理部103は、入力された一の音
声信号を図示しないスピーカ数の音声信号に分配する図
示しない周知の分配器と、方向別反射音データ設定手段
106により設定される伝達関数(インパルス応答)に
基づいて、分配器によって分配されたそれぞれの音声信
号に対して反射成分やリバーブ等と共に音声の到来方向
に応じた反射音信号を生成する反射音生成手段109と
から構成されている。
【0031】また、合成部105は、直接音処理部10
2から出力される信号数すなわちスピーカ数に対応する
信号線112と、それぞれの信号線112に出力された
音声信号に各反射音生成手段109から出力される反射
音信号を選択的に合成させる複数個の選択合成手段11
1を有するパッチ部110とを備える構成となってい
る。パッチ部110を構成する複数この選択合成手段1
11から出力される信号である音声信号と反射音信号と
が重畳されたそれぞれの重畳信号は、図示しない増幅器
によりそれぞれ増幅された後に、図示しないスピーカに
出力されることとなる。
【0032】また、本実施の形態の選択合成手段111
は、減衰器としての機能も有する構成となっている。こ
の構成によって、本実施の形態では、選択合成手段11
1はスピーカへの音声信号と反射音信号との割り当てを
変化させる時に、それまで割りあてていたスピーカヘの
振幅を減衰させ、切り替え先のスピーカヘの信号の振幅
を次第に増加させるというクロスフェード処理を行う構
成となっている。従って、スピーカへの音声信号と反射
音信号との割り当てを変化させる時に生じる切り替えの
ショックを無くしてスムーズな切り替えを実現できる。
【0033】ただし、図2に示すように、クロスフェー
ドの際における移行中の音源の方向が、元のスピーカと
なす角をα度、切り替え先のスピーカとのなす角をβ度
とした場合、振幅を減衰・増幅する係数は例えば次のよ
うになる。それまで割りあてていたスピーカSP1ヘの
振幅係数φSP1をcos(α/(α+β)×π/2)
で減衰し、切り替え先のスピーカSP2ヘの信号の振幅
係数φSP2をsin(α/(α+β)×π/2)で増
幅することによって、スピーカへの音声信号と反射音信
号との割り当てを変化させる時に生じる切り替えのショ
ックを無くしたスムーズな切り替えが実現できる。ただ
し、図2中の矢印で示すように、切り替え中における振
幅係数φは、φ=φ SP1+φ SP2となる。
【0034】次に、図1及び図2に基づいて、本実施の
形態の音場再現装置におけるサラウンド動作について説
明する。ただし、以下の説明では、図示しない送信側に
おいて、シーンまたは聴取者の位置に対応した空間の音
場シミュレーション等を行い、その結果得られた音場の
空間情報が音声信号と共に放送回線や通信回線を介して
本実施の形態の音場再現装置に送信され、この受信した
音場の空間情報に基づいて、音場再現装置が音声信号か
ら再生信号を生成し、それら再生信号を複数の図示しな
いスピーカやヘッドホンに供給することによりシーンな
どに対応した臨場感のある音場をダイナミックに再現す
る場合の動作について説明する。しかしながら、音場の
空間情報と音声信号とを光ディスクや磁気ディスク等に
予め格納しておき、本実施の形態の音場再現装置が光デ
ィスクや磁気ディスクに格納される音場の空間情報に基
づいて、音場再現装置が音声信号から再生信号を生成す
る場合等にも適用可能なことはいうまでもない。
【0035】本実施の形態の音場再現装置に音場の空間
情報と音声信号とが入力されると、音場の空間情報から
シーンに応じた音声の到来方向及び距離に係わる設定値
が取り出され、この設定値が距離方向情報設定手段10
4に設定される。また、音場の空間情報からはシーンに
応じた音声の方向別の反射音データの設定値も取り出さ
れ、この設定値が方向別反射音データ設定手段106に
設定される。
【0036】この距離方向情報設定手段104及び方向
別反射音データ設定手段106に設定値が設定される
と、距離方向情報設定手段104及び方向別反射音デー
タ設定手段106が、この設定値に従って減衰手段10
7を構成する各可変抵抗器108と反射音処理部103
を構成する反射音生成手段109とを設定する。
【0037】この後に、信号入力端子101から入力さ
れた音声信号は図示しない2分配器によって分配された
後に、一方の音声信号は直接音処理部102に入力さ
れ、他方の音声信号は反射音処理部103に入力され
る。
【0038】直接音処理部102に入力された入力信号
は、まず図示しない分配器によりスピーカ数すなわちチ
ャンネル数(ヘッドホンを含む)に対応する信号数に分
配された後に、それぞれの入力信号が減衰手段107に
入力される。減衰手段107では、距離方向情報設定手
段104により設定される減衰量に従って、それぞれの
チャンネルに対応した可変抵抗器108の抵抗値が設定
されることとなる。従って、各可変抵抗器108に入力
されたそれぞれの入力信号は、距離方向情報設定手段1
04に従った減衰量が与えられた後に、合成部105に
出力される。
【0039】このとき、本実施の形態では、距離方向情
報設定手段104は、各可変抵抗器108での減衰量を
調整することによって音の定位方向を制御すると共に、
全体のゲインを一律となるように調整する構成となって
いるので、発音体からの距離によって減衰する音量を制
御することができ、発音体までの距離感を制御すること
ができることとなる。
【0040】一方、反射音処理部103に入力された入
力信号は、直接音処理部102と同様に、まず図示しな
い分配器によりスピーカ数すなわちチャンネル数に対応
する信号数に分配される。次に、この分配された入力信
号は、対応する反射音生成手段109に入力され、方向
別反射音データ設定手段106で設定された反射成分や
リバーブ等が生成され、得られた反射成分やリバーブ等
の残響音信号が合成部105に出力される。ただし、本
実施の形態では、反射成分やリバーブ等は、各スピーカ
の方向に対応した方向別の反射音情報(インパルス応
答)であり、あらかじめ音響シミュレーションなどによ
り求められたものである。また、本実施の形態では、各
反射音生成手段109に入力される入力信号に応じた反
射成分やリバーブ等が生成される構成となっている。
【0041】合成部105に入力された音響信号及び残
響音信号は、パッチ部110を構成する選択合成手段1
11によって、距離方向情報設定手段104に従った合
成がなされ、得られた信号が図示しない周知の増幅器を
により増幅された後に再生信号として図示しない複数個
のスピーカに出力され、入力信号をリアルタイムに変化
させた臨場感の高い音場が再生されることとなる。
【0042】このとき、本実施の形態では、音響信号に
合成される残響音信号が距離方向情報設定手段104に
基づいた信号の合成がなされると共に、シーン等に応じ
た入力信号の到来方向及び距離並びに視点位置の移動に
伴う音響信号及び残響音信号の出力チャンネルの変更が
指示された場合には、それまで割りあてられていたチャ
ンネルヘの音響信号及び残響音信号の振幅が減衰され、
切り替え先のチャンネルヘの信号の振幅を次第に増加さ
せるというクロスフェード処理がなされる構成となって
いるので、出力チャンネルの切り替えに伴うショックを
なくしたスムーズなチャンネルの切り替えが可能とな
る。
【0043】その結果、音を移動させたり、効果をつけ
るためのサラウンド制作であっても、複数の機器の組み
合わせとそれに伴う複数のパラメータとを調整する煩雑
な操作が不必要となるので、サラウンド制作における負
担を大幅に低減できる。
【0044】また、本実施の形態であっても、一つの固
定した音場を再現する点においては、DSPを用いた従
来の音場再現装置と同様となる。しかしながら、本実施
の形態の音場再現装置では、方向別反射音データは、s
in,cos関数を用いた反射音の振り分けができると
いう点、また、あらかじめ音響シミュレーションによっ
て得た精度の高いデータを用いた残響音を得られるとい
う点において、DSPを用いた従来の音場再現装置より
も特に優れている。また、音場を逐次、スムーズに変化
させることができるという格別の効果を得ることもでき
る。
【0045】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本
発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
あることは勿論である。
【0046】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。
【0047】(1)、この煩雑な操作を簡単なものに
し、音声をリアルタイムに変化させ、臨場感の高い音場
の再生を実現することができる。
【0048】(2)、選択重畳手段はスピーカへの音声
信号と反射音信号との割り当てを変化させる時に、それ
まで割りあてていたスピーカヘの振幅を減衰させ、切り
替え先のスピーカヘの信号の振幅を次第に増加させると
いうクロスフェード処理を行うので、スピーカへの音声
信号と反射音信号との割り当てを変化させる時に生じる
切り替えのショックを無くしてスムーズな切り替えを実
現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である音場再現装置の概
略構成を説明するための図である。
【図2】本実施の形態でのクロスフェードの際における
移行中の音源の方向を説明するための図である。
【符号の説明】
101…信号入力端子 102…直接音
処理部 103…反射音処理部 104…距離方
向情報設定手段 105…合成部 106…方向別
反射音データ設定手段 107…減衰手段 108…可変抵
抗器 109…反射音生成手段 110…パッチ
部 111…選択合成手段 112…信号線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小宮山 摂 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会 放送技術研究所内 Fターム(参考) 5D062 BB06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発音体の音響信号を入力する信号入力手
    段と、仮想空間内に配置される前記発音体の位置座標と
    前記仮想空間に対して設定される視点位置とに基づい
    て、前記信号入力手段より入力された前記発音体の音響
    信号を2以上のチャンネルの音響信号に分配しそれぞれ
    の音響信号のレベルを制御する手段と、前記2以上のチ
    ャンネルに分配された音響信号に基づいて前記仮想空間
    での残響音信号を生成する手段と、前記残響音信号と前
    記レベルの制御された音響信号とを合成し前記チャンネ
    ル毎の再生信号を生成する手段と、前記再生信号が供給
    され音場を再現する手段とを備えることを特徴とする音
    場再現装置。
  2. 【請求項2】 発音体の音響信号を入力する信号入力手
    段と、シーンまたは聴取者の位置に対応した仮想空間内
    での音場の空間情報を格納する手段と、前記空間情報と
    して格納される発音体の座標位置と前記視聴者の視点位
    置とに基づいて、前記音響信号のレベルを制御し前記発
    音体からの音の到来方向及び前記発音体までの距離を制
    御する手段と、前記音響信号に基づいて前記仮想空間に
    おける残響音信号を生成する手段と、前記残響音信号と
    前記レベルの制御された音響信号とを合成し再生信号を
    生成する手段と、前記再生信号が供給され音場を再現す
    る手段とを備えることを特徴とする音場再現装置。
  3. 【請求項3】 請求項1もしくは2に記載の音場再現装
    置において、前記残響音信号生成手段は、仮想空間内に
    配置される前記発音体の位置座標と前記仮想空間に対し
    て設定される視点位置とに基づいて、前記各チャンネル
    毎の前記残響音信号のレベルを一律に制御し前記発音体
    からの音の到来方向を制御することを特徴とする音場再
    現装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の内の何れかに記載の音
    場再現装置において、前記残響音信号生成手段は、仮想
    空間内に配置される前記発音体の位置座標と前記仮想空
    間に対して設定される視点位置とに基づいて、前記各チ
    ャンネルの前記残響音信号のレベルを制御し前記発音体
    までの距離を制御することを特徴とする音場再現装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の内の何れかに記載の音
    場再現装置において、前記音響信号の制御手段は、発音
    体の座標位置と前記視聴者の視点位置とが変化した場合
    には、クロスフェードにより各チャンネル毎の音響信号
    レベルを制御することを特徴とする音場再現装置。
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JP2006239211A (ja) * 2005-03-04 2006-09-14 Konami Digital Entertainment:Kk 音声出力装置、音声出力方法、ならびに、プログラム
US8208648B2 (en) 2007-03-09 2012-06-26 Pioneer Corporation Sound field reproducing device and sound field reproducing method
JP2014045282A (ja) * 2012-08-24 2014-03-13 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> 残響付加装置、残響付加プログラム

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