JP2003090530A - クリンカ堆積防止装置 - Google Patents

クリンカ堆積防止装置

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JP2003090530A
JP2003090530A JP2002122784A JP2002122784A JP2003090530A JP 2003090530 A JP2003090530 A JP 2003090530A JP 2002122784 A JP2002122784 A JP 2002122784A JP 2002122784 A JP2002122784 A JP 2002122784A JP 2003090530 A JP2003090530 A JP 2003090530A
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clinker
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impact force
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Yasubumi Wakao
泰文 若尾
Yoshitomo Ookuma
喜朋 大熊
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スートブロワ或いはデスラッガといった噴霧
媒体噴射装置を用いることなく、炉底ホッパ部を含む火
炉の炉壁内面に付着した灰を除去してクリンカの堆積を
防止することができ、ボイラ本体における収熱低下を予
防し得、且つ前記火炉の炉壁内面におけるエロージョン
の発生、プラント効率の低下、並びに噴霧媒体噴射装置
の高温劣化等を回避し得るクリンカ堆積防止装置を提供
する。 【解決手段】 ボイラ本体1の火炉1aに、衝撃力で振
動を発生させる振動発生装置36を配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クリンカ堆積防止
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8はボイラの一例を表わすものであっ
て、図8中、1は火炉1aと後部伝熱部1bとを有する
ボイラ本体、2はボイラ本体1の火炉1a内へ微粉炭等
の燃料を噴射して燃焼させるバーナ、3は一次過熱器、
4は二次過熱器、5は三次過熱器、6は最終過熱器、7
は一次再熱器、8は二次再熱器、9は節炭器であり、バ
ーナ2からボイラ本体1の火炉1a内へ燃料を噴射して
燃焼させることにより、燃焼ガスを生成し、生成された
燃焼ガスを流通させ、二次過熱器4、三次過熱器5、最
終過熱器6、二次再熱器8、一次過熱器3、一次再熱器
7及び節炭器9と熱交換させ、熱交換した後の排ガスを
排ガスダクト10へ流出させ、下流側に設けられた脱
硝、脱硫等の排煙処理装置(図示せず)で窒素酸化物や
硫黄酸化物等を除去した後、大気へ放出するようになっ
ている。
【0003】一方、図9は前述のボイラの給水・蒸気系
統の一例を表わすものであり、ボイラ給水は、燃料が燃
焼されるボイラ本体1の火炉1aの炉壁に形成される蒸
発器11で加熱され、ノーズ部12を経て、汽水分離器
13で水と蒸気に分離され、該汽水分離器13で水と分
離された蒸気は、ボイラ本体1の天井並びに後部伝熱部
周壁14を通過し、一次過熱器3、二次過熱器4、三次
過熱器5及び最終過熱器6で過熱され、高圧タービン1
5へ導かれ、該高圧タービン15が駆動されて発電が行
われると共に、前記高圧タービン15を駆動した後の蒸
気は、一次再熱器7及び二次再熱器8へ導かれ、該一次
再熱器7及び二次再熱器8で再熱された後、中・低圧タ
ービン16へ導入され、該中・低圧タービン16が駆動
されて発電が行われ、前記中・低圧タービン16を駆動
した後の蒸気は、復水器17へ導かれてボイラ給水に戻
され、該ボイラ給水は、復水脱塩装置18と低圧給水加
熱器19と脱気器20とを経由し、給水ポンプ21によ
り高圧給水加熱器22を介して節炭器9へ圧送され、該
節炭器9で加熱され、前記蒸発器11へ送給され、循環
されるようになっている。
【0004】ところで、微粉炭焚のボイラの場合、燃料
としての石炭の燃焼に伴って灰が発生し、火炉1aの炉
壁内面、並びに一次過熱器3、二次過熱器4、三次過熱
器5、最終過熱器6、一次再熱器7、二次再熱器8、節
炭器9等の各種伝熱管表面に付着するが、このように火
炉1aの炉壁内面や各種伝熱管表面に灰が付着すると、
ボイラ本体1における収熱が低下してしまうため、ボイ
ラ本体1の火炉1a内並びに後部伝熱部1b内の所要箇
所に、スートブロワ或いはデスラッガといった噴霧媒体
噴射装置を配設し、該噴霧媒体噴射装置により蒸気等の
噴霧媒体を火炉1aの炉壁内面や各種伝熱管表面に吹き
付け、付着した灰を吹き払って除去するようにしてい
る。
【0005】前記噴霧媒体噴射装置としては、例えば、
図10に示されるようなスートブロワ23があり、該ス
ートブロワ23は、先端部にその軸心方向と直角な方向
へ蒸気等の噴霧媒体24を噴射する噴射孔25が形成さ
れたランスチューブ26を進退動可能に配設してなる構
成を有している。ここで、前記ランスチューブ26は、
支持架台27上に設置されたボックス型のビーム28内
に収容され、ポペットバルブ29を介し噴霧媒体24が
供給されるようにした固定のフィードチューブ30に対
し摺動自在に外嵌されており、該フィードチューブ30
とビーム28前端のフロントサポート31とにより支持
されるようになっている。又、前記ランスチューブ26
の後端には、前記フィードチューブ30を気密に且つ摺
動自在に貫通せしめるようにしたキャリッジ32が装着
されており、該キャリッジ32に一体的に組み付けられ
たモータ等の駆動装置33により、前記ビーム28内の
天井面に取り付けられたラック34と噛合した駆動ピニ
オン35が回転駆動されて前記キャリッジ32がランス
チューブ26と共に進退動するようになっており、しか
も、その進退動に際し図示していないギア機構を介して
前記ランスチューブ26がその軸心回りに旋回されるよ
うになっている。
【0006】図10に示されるスートブロワ23におい
ては、ランスチューブ26がボイラ本体1の炉壁に形成
された管曲げによる開口部から内部へ挿入されつつその
軸線を中心に回転して行き、火炉1aの炉壁内面や各種
伝熱管表面に蒸気等の噴霧媒体24が吹き付けられ、付
着した灰の除去が行われる。
【0007】尚、噴霧媒体噴射装置としてのデスラッガ
は、主に火炉1aの炉壁内面に付着した灰を吹き払って
除去するために、ランスチューブの挿入量が比較的短く
なっているが、基本的な構造は前記スートブロワ23と
略同一となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
如く、スートブロワ23或いはデスラッガといった噴霧
媒体噴射装置から噴射される蒸気等の噴霧媒体によっ
て、火炉1aの炉壁内面に付着した灰の除去を行うので
は、 蒸気等の噴霧媒体のドレンや堆積している灰の影響に
より、火炉1aの炉壁内面にエロージョンが生じる。 噴霧媒体としては、通常、プラントサイクル内の高温
高圧の蒸気が使用されるため、プラント効率が低下す
る。 ランスチューブ26を炉外から高温の火炉1a内に挿
入するため、ランスチューブ26に高温劣化が生じ、経
年的には損傷に至る虞がある。 といった不具合を有していた。
【0009】又、前述の如き従来のボイラの場合、図8
に示されるように、ボイラ本体1の火炉1aにおける炉
底ホッパ部1c内面にも灰が付着しクリンカとして堆積
するが、該炉底ホッパ部1cは斜面部であるためボイラ
本体1a上部からクリンカの落下があった場合、開口部
の閉塞、スートブロワ23先端部の損傷、動作不良を引
きおこすことが想定され、炉底ホッパ部1cの炉壁に、
管曲げによる開口部を形成し、該開口部に前記スートブ
ロワ23或いはデスラッガといった噴霧媒体噴射装置を
挿入配置することは難しく、前記炉底ホッパ部1cの内
面に付着堆積するクリンカは自然に落下することを待つ
だけであるのが現状であった。
【0010】本発明は、斯かる実情に鑑み、スートブロ
ワ或いはデスラッガといった噴霧媒体噴射装置を用いる
ことなく、炉底ホッパ部を含む火炉の炉壁内面に付着し
た灰を除去してクリンカの堆積を防止することができ、
ボイラ本体における収熱低下を予防し得、且つ前記火炉
の炉壁内面におけるエロージョンの発生、プラント効率
の低下、並びに噴霧媒体噴射装置の高温劣化等を回避し
得るクリンカ堆積防止装置を提供しようとするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、ボイラ本体の
火炉に、衝撃力で振動を発生させる振動発生装置を配設
したことを特徴とするクリンカ堆積防止装置にかかるも
のである。
【0012】前述の如く、ボイラ本体の火炉に、衝撃力
で振動を発生させる振動発生装置を配設すると、炉底ホ
ッパ部を含む火炉の炉壁に、管曲げによる開口部を形成
し、該開口部に噴霧媒体噴射装置を挿入配置しなくて済
み、火炉の炉壁内面におけるエロージョンの発生、プラ
ント効率の低下、並びに噴霧媒体噴射装置の高温劣化等
が避けられ、前記振動発生装置を作動させれば、前記火
炉の炉壁の内面に付着した灰は、振動発生装置による衝
撃力により強制的に落とされて確実に除去される形とな
り、クリンカの堆積が防止され、ボイラ本体における収
熱低下が予防される。
【0013】前記クリンカ堆積防止装置においては、燃
料としての石炭の炭種に基づく灰性状に応じて振動発生
装置の衝撃力と動作回数とを制御する制御器を備えるよ
うにすることができ、このようにすると、クリンカ付着
性の異なる多くの石炭に対して、必要最小限の衝撃力と
動作とでクリンカを効率良く除去することが可能とな
る。
【0014】又、前記クリンカ堆積防止装置において
は、火炉の炉壁温度を検出する温度検出器と、該温度検
出器で検出された火炉の炉壁温度に基づいてクリンカ付
着有無を判断し、クリンカ付着時に振動発生装置を動作
させる制御器とを備えるようにすることもでき、このよ
うにすると、クリンカ付着状況を現場において火炉覗窓
から直接目視観察したり或いは監視テレビ等で確認する
のに比べ、輝度の高い火炎等の影響を受けることなく、
クリンカ付着有無を確実に判断することが可能となり、
クリンカを除去するための振動発生装置の運転をクリン
カ付着状況に応じて適正に行える。
【0015】更に又、前記クリンカ堆積防止装置におい
ては、振動発生装置として、衝撃力源に空気力を用いた
エアノッカを採用し、該エアノッカへ圧縮空気を供給す
る空気配管途中に、圧力変動を検出して制御器へ出力す
ることによりエアノッカの動作を確認するための圧力検
出器を設けるようにすることもでき、このようにする
と、エアノッカが適性に動作しているか否かを現場に行
かなくても確実に確認することが可能となり、運転の円
滑化につながる。
【0016】一方、前記クリンカ堆積防止装置において
は、炉壁の外面に取り付けられる補強用の縦バックステ
ーに振動発生装置を取り付けるようにすることもでき、
このようにすると、炉壁への応力集中が緩和されると共
に、振動発生装置による衝撃力の伝わる有効範囲に広が
りを持たせることが可能となる。
【0017】又、前記振動発生装置と縦バックステーと
の間に、衝撃力分散用補強板を取り付けると共に、縦バ
ックステーの振動発生装置取付位置近傍に、撓み防止用
補強板を取り付けるようにすると、振動発生装置による
衝撃力を振動発生装置の中心近傍に位置する炉壁のみに
集中させずに分散させることが可能になると共に、縦バ
ックステーの振動発生装置取付位置近傍における撓みが
抑えられ、振動発生装置による衝撃力を炉壁に対し効率
よく且つ広範囲に伝えることが可能となる。
【0018】更に又、前記振動発生装置としては、衝撃
力源に空気力を用いたエアノッカに限らず、衝撃力源に
電磁力を用いた電磁式ノッカを採用することもできる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示
例と共に説明する。
【0020】図1は本発明を実施する形態の一例であっ
て、図中、図8と同一の符号を付した部分は同一物を表
わしており、ボイラ本体1の火炉1aにおける所要箇所
に、衝撃力で振動を発生させる振動発生装置36を配設
したものである。
【0021】図1には、振動発生装置36として衝撃力
源に空気力を用いたエアノッカを採用した例を示してお
り、空気源42から空気配管60を介して供給される圧
縮空気を、レギュレータ61で設定圧に調整した後、三
方弁43を経てエアノッカへ導入するようにしてある。
【0022】前記振動発生装置36としてのエアノッカ
は、例えば、図2(A)(B)(C)に示すようなもの
であって、該エアノッカの場合、空気源42から空気配
管60を介して供給される圧縮空気は、レギュレータ6
1と三方弁43と給排気口44を介してバルブ室45に
供給され、傘形バルブ46を押して蓄圧室47に蓄えら
れ(図2(A)参照)、この状態から、三方弁43を作
動させてバルブ室45内の空気を排気すると、蓄圧室4
7内の圧縮空気が傘形バルブ46を給排気口44側へ移
動させつつ(図2(B)参照)、ピストン48をスプリ
ング49の付勢力に抗して勢いよく押圧し、ベースプレ
ート50を叩くようになっており(図2(C)参照)、
この動作が繰り返されることにより、振動を発生させる
ようになっている。
【0023】前記レギュレータ61及び三方弁43はそ
れぞれ、図1に示す制御器62から出力される制御信号
63,64によって制御するようにしてあり、該制御器
62には、燃料としての石炭の炭種に基づく灰性状に応
じて振動発生装置36の衝撃力(レギュレータ61の設
定圧制御による動作圧力)と動作回数(三方弁43の制
御による)とを制御するための情報をデータベースとし
て記憶させてある。ここで、一般に、灰性状としての灰
の融点が低く、又、Fe23含有量やCaO含有量が多
いほど、炉壁に付着したクリンカは落ちにくくなる傾向
を示すため、前記振動発生装置36の衝撃力について
は、図4(a)に示す如く、高める方向で制御を行い、
逆に、灰性状としての灰の融点が高く、又、Fe23
有量やCaO含有量が少ないほど、前記振動発生装置3
6の衝撃力は低くする方向で制御を行うようにする一
方、灰性状としての灰の量が多く、灰の融点が低く、
又、Fe 23含有量やCaO含有量が多いほど、灰が炉
壁に付着しやすくなってクリンカとして堆積しやすくな
る傾向を示すため、前記振動発生装置36の動作回数に
ついては、図4(b)に示す如く、多くする方向で制御
を行い、逆に、灰性状としての灰の量が少なく、灰の融
点が高く、又、Fe23含有量やCaO含有量が少ない
ほど、前記振動発生装置36の動作回数は少なくする方
向で制御を行うようにしてある。
【0024】又、前記振動発生装置36の配設箇所近傍
には、火炉1aの炉壁温度65を検出する熱電対等の温
度検出器66を設け、該温度検出器66で検出された火
炉1aの炉壁温度65に基づき前記制御器62において
クリンカ付着有無を判断し、クリンカ付着時には、制御
器62から前記制御信号63,64をレギュレータ61
及び三方弁43へ出力することにより、振動発生装置3
6を動作させるようにしてある。ここで、一般に、ボイ
ラ負荷が高いほど火炉1aの炉壁温度65も高くなる傾
向を示すため、前記制御器62には、ボイラ負荷に対応
した火炉1aの炉壁温度65の基準値が予め設定してあ
り、前記温度検出器66で検出された火炉1aの炉壁温
度65が前記基準値を下回った場合に、クリンカが付着
していると判断するようにしてある。尚、前記温度検出
器66は、図3に示す如く、火炉1aの炉壁を構成する
炉壁管1dではなくフィン1eの部分に取り付けるよう
にしてあるが、このようにしている理由は、炉壁管1d
の内部には水や蒸気が流通しており、クリンカ付着によ
る温度変化が出にくいのに対し、フィン1eの部分の方
がクリンカ付着による温度変化が出やすいためである。
【0025】更に、前記振動発生装置36としてのエア
ノッカへ圧縮空気を供給する空気配管60途中における
三方弁43近傍には、圧力変動67を検出して制御器6
2へ出力することによりエアノッカの動作を確認するた
めの圧力センサや圧力スイッチ等の圧力検出器68を設
けてある。
【0026】次に、上記図示例の作動を説明する。
【0027】運転時には、温度検出器66によって火炉
1aの炉壁温度65が検出され、該炉壁温度65がボイ
ラ負荷に対応した基準値を下回った場合には、制御器6
2において、炉壁にクリンカが付着していると判断さ
れ、制御信号63,64がレギュレータ61及び三方弁
43へ出力される。
【0028】ここで、前記制御信号63,64は、制御
器62に予め記憶されているデータベースの情報に基づ
いてレギュレータ61及び三方弁43へ出力される形と
なり、前記制御信号63によりレギュレータ61の設定
圧制御が行われて振動発生装置36としてのエアノッカ
へ導入される圧縮空気の圧力が調整されると共に、前記
制御信号64により三方弁43の制御が行われ、燃料と
しての石炭の炭種に基づく灰性状に応じて振動発生装置
36の衝撃力と動作回数とが制御され、火炉1aの炉壁
の内面に付着した灰は、振動発生装置36による衝撃力
により強制的に落とされて確実に除去される形となり、
クリンカの堆積が防止され、ボイラ本体1における収熱
低下が予防される。
【0029】この結果、炉底ホッパ部1cを含む火炉1
aの炉壁に、管曲げによる開口部を形成し、該開口部に
噴霧媒体噴射装置を挿入配置しなくて済み、火炉1aの
炉壁内面におけるエロージョンの発生、プラント効率の
低下、並びに噴霧媒体噴射装置の高温劣化等が避けら
れ、しかも、燃料としての石炭の炭種に基づく灰性状に
応じて振動発生装置36の衝撃力と動作回数とを制御す
る制御器62を備えるようにしたことにより、クリンカ
付着性の異なる多くの石炭に対して、必要最小限の衝撃
力と動作とでクリンカを効率良く除去することが可能と
なる。
【0030】又、従来においては、クリンカ付着状況を
現場において火炉覗窓から直接目視観察したり或いは監
視テレビ等で確認する以外に方法はなかったため、輝度
の高い火炎等の影響を受け、クリンカ付着有無を確実に
判断することが困難となることがあり、この場合、クリ
ンカを除去するための噴霧媒体噴射装置の運転をクリン
カ付着状況によらず一定のインターバルで動作させざる
を得なくなることもあったが、本図示例においては、温
度検出器66で検出された火炉1aの炉壁温度65に基
づいてクリンカ付着有無を判断し、クリンカ付着時に振
動発生装置36を動作させるようにしたことにより、ク
リンカ付着状況を現場において火炉覗窓から直接目視観
察したり或いは監視テレビ等で確認するのに比べ、輝度
の高い火炎等の影響を受けることなく、クリンカ付着有
無を確実に判断することが可能となり、クリンカを除去
するための振動発生装置36の運転をクリンカ付着状況
に応じて適正に行える。
【0031】更に又、本図示例においては、振動発生装
置36として、衝撃力源に空気力を用いたエアノッカを
採用し、該エアノッカへ圧縮空気を供給する空気配管6
0途中に、圧力変動67を検出して制御器62へ出力す
ることによりエアノッカの動作を確認するための圧力検
出器68を設けるようにしてあるため、エアノッカが適
性に動作しているか否かを現場に行かなくても確実に確
認することが可能となり、運転の円滑化につながる。
【0032】こうして、スートブロワ23或いはデスラ
ッガといった噴霧媒体噴射装置を用いることなく、炉底
ホッパ部1cを含む火炉1aの炉壁内面に付着した灰を
除去してクリンカの堆積を防止することができ、ボイラ
本体1における収熱低下を予防し得、且つ前記火炉1a
の炉壁内面におけるエロージョンの発生、プラント効率
の低下、並びに噴霧媒体噴射装置の高温劣化等を回避し
得る。
【0033】図5〜図7は上述した本発明を実施する形
態の一例において、特に炉底ホッパ部1cに設けられる
振動発生装置36を表わすものであって、本図示例の場
合、炉底ホッパ部1cの外面に取り付けられる補強用の
H形鋼等の縦バックステー37のフランジ部37aに振
動発生装置36を取り付けるようにしてあり、又、振動
発生装置36と縦バックステー37との間に、衝撃力分
散用補強板38を取り付けると共に、縦バックステー3
7の振動発生装置36取付位置近傍に、撓み防止用補強
板39を取り付けるようにしてある。
【0034】前記振動発生装置36が取り付けられる縦
バックステー37のフランジ部37aには、図6及び図
7に示す如く、その両側方へ張り出す補助フランジ部3
7a’を一体に溶接固着してあり、該補助フランジ部3
7a’が張り出された縦バックステー37のフランジ部
37aに対し、前記衝撃力分散用補強板38を、振動発
生装置36を中心として放射状に配設されるよう、取り
付けてあり、各衝撃力分散用補強板38は、振動発生装
置36による衝撃力を振動発生装置36の中心近傍に位
置する炉壁のみに集中させずに分散させるのに必要な長
さとしてある。
【0035】尚、縦バックステー37は、炉底ホッパ部
1cの炉壁の外面に対し、止め金物40によって取り付
けられている。
【0036】前述の如く、炉底ホッパ部1cの外面に取
り付けられる補強用の縦バックステー37に振動発生装
置36を取り付けるようにすると、炉壁への応力集中が
緩和されると共に、振動発生装置36による衝撃力の伝
わる有効範囲に広がりを持たせることが可能となる。
【0037】又、振動発生装置36と縦バックステー3
7との間に、衝撃力分散用補強板38を取り付けると共
に、縦バックステー37の振動発生装置36取付位置近
傍に、撓み防止用補強板39を取り付けるようにする
と、振動発生装置36による衝撃力を振動発生装置36
の中心近傍に位置する炉壁のみに集中させずに分散させ
ることが可能になると共に、縦バックステー37の振動
発生装置36取付位置近傍における撓みが抑えられ、振
動発生装置36による衝撃力を炉底ホッパ部1cに対し
効率よく且つ広範囲に伝えることが可能となる。
【0038】因みに、クリンカの成長過程は、灰状のク
リンカが積層していったものが、時間の経過と共に徐々
に固まって大きくなる形となっており、クリンカが炉底
ホッパ部1cの内面に局部的に集中して堆積した場合、
該クリンカを落とすためには大きな衝撃力を必要とする
ため、前記振動発生装置36を炉壁に直接取り付けて、
該炉壁の強度を考慮しながら狭い範囲で衝撃力を集中さ
せる方が効果的となる。但し、どこにクリンカが集中し
て堆積するかが予測できない場合が多いので、本図示例
の如く、炉底ホッパ部1cの外面に取り付けられる補強
用の縦バックステー37に振動発生装置36を取り付け
るようにし、炉壁への応力集中を緩和しつつ、振動発生
装置36による衝撃力の伝わる有効範囲に広がりを持た
せるようにし、クリンカがあまり大きく成長する前の灰
状の段階で、振動発生装置36を作動させることが有効
となる。
【0039】又、図6中、仮想線で示す如く、縦バック
ステー37の間に掛け渡すように、新たにH形鋼等の梁
41を設け、該梁41を炉底ホッパ部1cの炉壁の外面
に対し、止め金物40’によって取り付けることによ
り、振動発生装置36による衝撃力の伝わる有効範囲を
更に広げることも可能である。
【0040】尚、本発明のクリンカ堆積防止装置は、上
述の図示例にのみ限定されるものではなく、火炉1aの
垂直に立ち上がる炉壁に対しても、前述した図5〜図7
に示す炉底ホッパ部1cに適用したのと同様な構造とし
て振動発生装置36を取り付け、同様な作用効果が得ら
れるようにすることも可能であること、又、振動発生装
置36としては、エアノッカに限らず、衝撃力源に電磁
力を用いた電磁式ノッカを採用してもよいこと、又、レ
ギュレータ61は、各振動発生装置36の衝撃力を個々
に調整できるように三方弁43上流側に個々に設置して
もよいこと等、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲
内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0041】
【発明の効果】以上、説明したように本発明のクリンカ
堆積防止装置によれば、スートブロワ或いはデスラッガ
といった噴霧媒体噴射装置を用いることなく、炉底ホッ
パ部を含む火炉の炉壁内面に付着した灰を除去してクリ
ンカの堆積を防止することができ、ボイラ本体における
収熱低下を予防し得、且つ前記火炉の炉壁内面における
エロージョンの発生、プラント効率の低下、並びに噴霧
媒体噴射装置の高温劣化等を回避し得るという優れた効
果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例の全体概要構成図
である。
【図2】本発明を実施する形態の一例における振動発生
装置としてのエアノッカを表わす作動説明図である。
【図3】本発明を実施する形態の一例における温度検出
器の炉壁に対する取付状態を表わす正面図である。
【図4】灰性状と振動発生装置の衝撃力並びに動作回数
との対応関係の一例を表わす図である。
【図5】本発明を実施する形態の一例において炉底ホッ
パ部に設けられる振動発生装置を表わす側断面図であ
る。
【図6】図5のVI−VI矢視図である。
【図7】図5のVII−VII矢視図である。
【図8】一般的なボイラの一例を表わす全体概要構成図
である。
【図9】図8に示されるボイラの給水・蒸気系統の一例
を表わす概要構成図である。
【図10】噴霧媒体噴射装置としてのスートブロワの一
例を表わす側面図である。
【符号の説明】
1 ボイラ本体 1a 火炉 1c 炉底ホッパ部 36 振動発生装置 37 縦バックステー 38 衝撃力分散用補強板 39 撓み防止用補強板 43 三方弁 60 空気配管 61 レギュレータ 62 制御器 63 制御信号 64 制御信号 65 炉壁温度 66 温度検出器 67 圧力変動 68 圧力検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大熊 喜朋 東京都江東区豊洲三丁目2番16号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 Fターム(参考) 3K061 ND04 ND13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボイラ本体の火炉に、衝撃力で振動を発
    生させる振動発生装置を配設したことを特徴とするクリ
    ンカ堆積防止装置。
  2. 【請求項2】 燃料としての石炭の炭種に基づく灰性状
    に応じて振動発生装置の衝撃力と動作回数とを制御する
    制御器を備えた請求項1記載のクリンカ堆積防止装置。
  3. 【請求項3】 火炉の炉壁温度を検出する温度検出器
    と、 該温度検出器で検出された火炉の炉壁温度に基づいてク
    リンカ付着有無を判断し、クリンカ付着時に振動発生装
    置を動作させる制御器とを備えた請求項1記載のクリン
    カ堆積防止装置。
  4. 【請求項4】 振動発生装置として、衝撃力源に空気力
    を用いたエアノッカを採用し、該エアノッカへ圧縮空気
    を供給する空気配管途中に、圧力変動を検出して制御器
    へ出力することによりエアノッカの動作を確認するため
    の圧力検出器を設けた請求項2又は3記載のクリンカ堆
    積防止装置。
  5. 【請求項5】 炉壁の外面に取り付けられる補強用の縦
    バックステーに振動発生装置を取り付けるようにした請
    求項1、2又は3記載のクリンカ堆積防止装置。
  6. 【請求項6】 振動発生装置と縦バックステーとの間
    に、衝撃力分散用補強板を取り付けると共に、縦バック
    ステーの振動発生装置取付位置近傍に、撓み防止用補強
    板を取り付けるようにした請求項5記載のクリンカ堆積
    防止装置。
  7. 【請求項7】 振動発生装置として、衝撃力源に空気力
    を用いたエアノッカ、或いは衝撃力源に電磁力を用いた
    電磁式ノッカを採用するようにした請求項1、2、3、
    5又は6記載のクリンカ堆積防止装置。
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