JP2003090288A - 流体機械の診断システム - Google Patents

流体機械の診断システム

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JP2003090288A
JP2003090288A JP2002204907A JP2002204907A JP2003090288A JP 2003090288 A JP2003090288 A JP 2003090288A JP 2002204907 A JP2002204907 A JP 2002204907A JP 2002204907 A JP2002204907 A JP 2002204907A JP 2003090288 A JP2003090288 A JP 2003090288A
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flow rate
power consumption
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energy saving
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JP2002204907A
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Masakazu Yamamoto
雅和 山本
Yoshio Miyake
良男 三宅
Junya Kawabata
潤也 川畑
Keita Uei
圭太 上井
Yoshiaki Miyazaki
義晶 宮崎
Katsuji Iijima
克自 飯島
Hiroshi Tamai
広巳 玉井
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Ebara Corp
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Ebara Corp
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  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インバータ(周波数変換器)などを活用した
回転数調節によってもたらされる省エネルギー量を、簡
便に試算できるような、流体機械の省エネルギー事前診
断システムを提供する。 【解決手段】 交流商用電源によって駆動される場合の
モータ付流体機械の流量−圧力(揚程)及び流量−消費
電力のデータと設備側の計画要項(流量−圧力)を入力
する手段と、流量がゼロの場合の管路抵抗(実揚程)を
入力又は仮定する手段と、周波数変換器を用いて流体機
械の回転数を低下させた場合の消費電力の削減効果を演
算する手段と、演算結果を表示させる処理手段とを備え
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は流体機械の診断システムに係り、
詳しくは、流体機械周辺で消費される無駄なエネルギー
を把握するシステムに係り、特に冷温水循環ポンプなど
を使用する設備において、必要最小限の消費電力を把握
・検証するためのシステムに関するものである。
【0002】インバータ(周波数変換器)を使用して、
モータポンプの回転数を制御する技術が知られている。
そして、この手法は、給水装置のような激しい負荷変動
を伴う用途のみではなく、循環用ポンプなどでも、極め
て有効な省エネルギー手段となる。
【0003】汎用ポンプは要項基準ではない。即ち、要
項(流量・揚程)に合わせてポンプを製作するのではな
く、在庫品の中から要項を上まわるポンプを選定して使
用する。加えて、一般に計画要項は流量に余裕を見て最
大流量にて算出され、かつ、配管損失にも余裕と経年変
化が見込まれる。したがって、実際の運転は過大流量を
抑えるためのバルブ調整を伴い、無駄の多いものとな
る。つまり計算式通りにポンプを選定しても、大なり小
なり無駄が生じることになる。
【0004】省エネルギーの決め手は、「真」の要項
(現地で運転してみることで初めてわかる必要最小限の
流量・揚程)にポンプの運転を一致させ、無駄のない効
率的運転を行うことである。例えば、現地で運転してみ
たらポンプの容量に余裕がありすぎたというような場
合、下記の方法でも省エネルギーを図ることは可能であ
る。 ポンプを1クラス容量の小さなものと交換する。 羽根車の外径を加工し、ポンプの性能を適正値まで
下げる。 しかし、これらの方法は別途の費用がかかるとともに、
いざというとき性能をUPする(元に戻す)ことが困難
である。これに対して、インバータはポンプ性能を簡便
に、かつ可逆的に調整できるため、その都度思い切った
省エネルギー運転を実現できる。
【0005】ところが、既設のポンプ設備にインバータ
を追加して省エネルギーを図ろうとする場合、次のよう
な方法があるが、各々、長所、短所を持っている。 既設モータポンプをインバータ制御する手法 (長所)モータポンプそのものは変更不要である。 (短所)ポンプの周囲は、湿気の多い場所である可能性
が高く、一般のインバータの設置には不向きである。従
って、インバータは、制御盤に内蔵させることが望まし
い。このため、インバータの他に、制御盤の改造又は新
規製作が必要となる。 既設モータポンプをインバータ実装ポンプに取替え
る手法 (長所)制御盤の改造などは、実質的に不要である。 (短所)ポンプを全体的に交換する必要がある。従っ
て、耐用年数に達していない既設ポンプを取替える場合
には、コスト的に不利になる。 既設モータポンプのモータのみをインバータ実装モ
ータに取替える手法 (長所)モータのみの交換で済む。但し、カップリング
直結型のポンプ以外は、実質的にポンプ部も分解・再組
立する必要がある。制御盤の改造などは実質的に不要で
ある。 (短所)耐用年数に達していないモータを取替えると、
コスト的に不利となる。従って、各々の現場の条件によ
って有効な方法を選択する必要がある。それにもまして
問題となるのは、インバータによって実現可能な省エネ
ルギー量を試算する方法が一般化されていないことであ
る。即ち、インバータを使用しない状態において、
「真」の要項を把握し、且つ、実際の運転点との差異を
把握・検証する方法がないことである。このため、イン
バータが省エネルギーに寄与することは分かっていて
も、具体的にどの程度省エネルギーになるかが把握され
ていなかった。その結果、例えば、インバータ実装ポン
プに取替える場合の投資対効果を試算できず、市場に省
エネルギーが浸透しない要因となっていた。
【0006】ところで、渦巻ポンプの流量−圧力特性
(Q−H特性)は、図42に示すように、横軸を流量
(吐出し量)、縦軸を全揚程(圧力)とした1本の曲線
によって表示されており、場合に応じて、ポンプ軸動力
(出力)、ポンプ効率、ポンプ吸込み性能(要求(Requ
ired) NPSH)及び電流値(モータポンプの場合)等
も記載されていた。
【0007】上述したように、近時、例えばインバータ
(周波数変換器)に代表される流体機械の回転数を変化
させるための機器を使用して、モータポンプの回転数を
制御する技術が知られている。そして、この手法は、給
水装置のような激しい負荷変動を伴う用途のみではな
く、循環用ポンプなどでも、極めて有効な省エネルギー
手段となる。
【0008】上述したように、汎用ポンプは要項基準で
はなく、即ち、要項(流量・揚程)に合わせてポンプを
製作するのではなく、在庫品の中から計画要項を上まわ
る(大き目の)ポンプを選定して使用するケースが殆ど
であり、省エネルギーの決め手は、「真」の要項(現地
で運転してみることで初めてわかる必要最小限の流量・
揚程)にポンプの運転点を一致させ、無駄のない「効率
的運転」を行うことである。そのため、インバータでポ
ンプを減速することで、極めて大きな省エネルギー効果
が得られる。
【0009】一方、あらかじめインバータを実装し、調
節つまみを介してポンプに加えられる周波数を段階的に
制御できるようにしたポンプも提案されている。この種
のポンプにあっては、そのQ−H特性を、図43(a)
及び図43(b)に示すように、各調節つまみナンバー
毎に周波数(回転数)を変化させた場合の流量(吐出し
量)と全揚程(圧力)の関係を示す複数の曲線によって
表示することが行われていた。なお、図43(a)は一
部拡大図を、図43(b)は、全体図を示している。
【0010】しかしながら、上記図42に示すように特
性を表示した従来の技術にあっては、インバータを使用
して省エネルギーを図ろうとしても、その特性表示に
は、回転数を変化させた場合の吐出し量と全揚程の関係
が全く判らないと同時に、消費電力に関する情報が記載
されておらず、このため、インバータの投資対効果を把
握するためには、その都度、面倒なシミュレーションを
行う必要があった。
【0011】一方、上記図43(a)及び図43(b)
に示すように特性を表示した従来の技術にあっては、各
回転数(各調整つまみナンバー)毎の出力については記
載されているものの、消費電力に関する情報が記載され
ておらず、このため、回転数を変化させた場合にどの程
度省エネルギーになるかを把握するためには、モータ効
率やインバータ効率等のデータを別途入手してシミュレ
ーションする必要があった。つまり、従来の技術にあっ
ては、インバータなどを活用してポンプの省エネルギー
対策を施す場合に、投資対効果の試算に手間と時間がか
かってしまい、またインバータ実装ポンプにあっては、
その省エネルギー効果を数字的に広く一般にアピールで
きないのが現状であった。
【0012】本発明は上記問題点に鑑み、インバータ
(周波数変換器)などを活用した回転数調節によっても
たらされる省エネルギー量を、回転数調節を実施する前
に試算できるような診断システムを提供することを第1
の目的とする。即ち、本発明は、流体機械周辺で消費さ
れる無駄なエネルギーを把握することができる流体機械
の診断システムを提供することを第1の目的とする。
【0013】また本発明は、インバータ(周波数変換
器)などを活用した回転数調節によってもたらされる省
エネルギー量を、簡便に試算できるような、流体機械の
省エネルギー事前診断システムを提供することを第2の
目的とする。
【0014】さらに本発明は、ポンプ等の流体機械の特
性表示に回転数を変化させた場合の消費電力に関する情
報を記載することで、例えばインバータを導入(増設)
する際の投資対効果を簡単に把握できるようにし、もっ
て省エネルギーを市場に浸透させることができるように
した流体機械の特性表示方法及び表示物を提供すること
を第3の目的とする。
【0015】上述した第1の目的を達成するため、
(1)〜(4)に列挙する態様をとることができる。 (1)診断すべき対象の流体機械の所定の情報を入力す
ることにより、流量−揚程特性に代表される流体機械の
特性を特定化する第1特定化手段と、診断すべき対象の
流体機械を運転し、運転時の流体機械の運転圧力(揚
程)又は運転流量又は消費電力又は運転電流値の測定結
果を入力することにより、前記特定化された流体機械の
特性と測定された流体機械の運転圧力又は運転流量との
関連性によって流体機械の運転流量又は運転圧力を特定
化する第2特定化手段と、診断すべき流体機械の回転数
を変化させた場合の運転流量又は運転圧力又は消費電力
の変化を演算させ、演算結果を表示させる処理手段とを
備えたことを特徴とする流体機械の診断システムであ
る。
【0016】(2)診断すべき対象の流体機械の所定の
情報を入力することにより、流量−揚程特性に代表され
る流体機械の特性を特定化する機能と、診断すべき対象
の流体機械を運転し、運転時の流体機械の運転圧力(揚
程)又は運転流量又は消費電力又は運転電流値の測定結
果を入力することにより、前記特定化した流体機械の特
性と測定された流体機械の運転圧力又は運転流量との関
連性によって流体機械の運転流量又は運転圧力を特定化
する機能と、診断すべき流体機械の回転数を変化させた
場合の運転流量又は運転圧力又は消費電力の変化を演算
させ、演算結果を表示させる機能とを、コンピュータに
実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読
取可能な記録媒体である。
【0017】(3)診断すべき対象の流体機械の流量−
揚程特性に代表される特性を特定化する第1特定化手段
と、診断すべき対象の流体機械の実際の運転点を特定化
する第2特定化手段と、診断すべき流体機械の回転数を
変化させた場合の運転点の変化を演算させ、演算結果を
表示させる処理手段とを備えたことを特徴とする流体機
械の診断システムである。
【0018】(4)診断すべき対象の流体機械の流量−
揚程特性に代表される特性を特定化する段階と、診断す
べき対象の流体機械の実際の運転点を特定化する段階
と、診断すべき流体機械の回転数を変化させた場合の運
転点の変化を算出する段階と、算出結果を表示する段階
とからなる流体機械の診断方法である。
【0019】上述の(1)〜(4)に記載の発明の各態
様によれば、インバータ(周波数変換器)などを活用し
た回転数調節によってもたらされる省エネルギー量を、
回転数調節を実施する前に試算することができる。
【0020】本発明の各手段又は段階は、プログラムさ
れたパーソナルコンピュータ等のコンピュータによって
実行される。なお、上述の(4)に記載の本発明の態様
においては、一部の段階をコンピュータで実行しない
で、他の手段(手作業等)で実行する場合をも含むもの
である。
【0021】また上述した第1の目的を達成するため、
流体機械の口径および羽根車段数と、流体機械を駆動す
る電動機の定格出力および定格回転数とをもとに、代表
揚程および代表軸動力を含む流体機械特性の代表点と、
代表流量以外の揚程および軸動力の代表揚程および代表
軸動力に対する比率を決定することで、各流量における
揚程および軸動力を算出し、流体機械の仮特性を想定す
る段階と、少なくとも現状運転時の揚程および消費電力
を含む測定データをもとに前記仮特性を補正して流体機
械の特性と、運転流量を含む運転点とを特定する段階
と、を備えたことを特徴とする流体機械特性特定方法と
してもよい。
【0022】上述した第2の目的を達成するため、本発
明の1態様は、交流商用電源によって駆動される場合の
モータ付流体機械の流量−圧力(揚程)及び流量−消費
電力のデータと設備側の計画要項(流量−圧力)を入力
する手段と、流量がゼロの場合の管路抵抗(実揚程)を
入力又は仮定する手段と、周波数変換器を用いて流体機
械の回転数を低下させた場合の消費電力の削減効果を演
算する手段と、演算結果を表示させる処理手段とを備え
たことを特徴とする流体機械の省エネルギー事前診断シ
ステムである。
【0023】また本発明の他の態様は、交流商用電源に
よって駆動される場合のモータ付流体機械の流量−圧力
(揚程)及び流量−消費電力のデータと設備側の計画要
項(流量−圧力)を入力し、かつ流量がゼロの場合の管
路抵抗(実揚程)を入力又は仮定することにより、周波
数変換器を用いて流体機械の回転数を低下させた場合の
消費電力の削減効果を演算する機能と、演算結果を表示
させる機能とを、コンピュータに実現させるためのプロ
グラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体であ
る。
【0024】上述した第3の目的を達成するため、本発
明は、(1)〜(5)に列挙する態様をとる。 (1)回転数によって異なる流体機械の流量−圧力特性
を同一面上に複数の曲線によって表示するとともに、消
費電力に関連する情報を前記面上に表示することによ
り、期待される省エネルギー効果を簡単に把握させるこ
とを特徴とする流体機械の特性表示方法である。本発明
によれば、回転数によって異なる流体機械の流量−圧力
特性に対応して、消費電力に関連する情報を同時に一目
で得られるため、例えばインバータを導入(増設)する
際の投資対効果を簡単に把握できる。 (2)(1)に記載の流体機械の特性表示方法を用いて
流体機械の特性を表示した表示物である。この表示物と
しては、カタログ等に代表される販売資料が挙げられ
る。 (3)回転数によって異なる流体機械の流量−圧力特性
をカタログ等に代表される販売資料の同一面上に複数の
曲線によって表示するとともに、消費電力に関連する情
報を前記販売資料の面上に同時に表示することにより、
期待される省エネルギー効果が簡単に把握できることを
特徴とする流体機械の回転数を変化させるための機器で
ある。これにより、流体機械またはインバータに代表さ
れる流体機械の回転数を変化させる機器の導入の際に、
これらの販売資料を見ることで、投資対効果を簡単に把
握することができる。 (4)回転数毎の流体機械の流量−圧力特性を示す複数
の曲線と、消費電力毎の流体機械の流量−圧力特性を示
す複数の曲線を同一座標系に記載することにより、期待
される省エネルギー効果を簡単に把握させる流体機械の
消費電力読取り線図である。 (5)交流商用電源によって駆動される場合のモータ付
き流体機械の流量−圧力特性及び流量−消費電力のデー
タを入力する入力装置と、異なる複数の回転数における
流体機械の流量−圧力特性及び流量−消費電力を演算す
る演算装置と、前記異なる回転数における流体機械の流
量−揚程特性を同一面上に複数の曲線によって表示する
とともに、消費電力に関連する情報を前記面上に表示し
て、請求項9に記載の販売資料を得る出力装置とを備え
たことを特徴とするコンピュータによる演算・作画シス
テム及び該システムをコンピュータに実現させるプログ
ラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であ
る。
【0025】以下、本発明に係る流体機械の診断システ
ムの一実施形態を図面に基づいて説明する。流体機械の
診断システムは、診断すべき対象の流体機械の所定の情
報を入力することにより、流量−揚程特性に代表される
流体機械の特性を特定化する第1特定化手段と、診断す
べき対象の流体機械を運転し、運転時の流体機械の運転
圧力(揚程)又は運転流量又は消費電力又は運転電流値
の測定結果を入力することにより、前記特定化された流
体機械の特性と測定された流体機械の運転圧力又は運転
流量との関連性によって流体機械の運転流量又は運転圧
力を特定化する第2特定化手段と、診断すべき流体機械
の回転数を変化させた場合の運転流量又は運転圧力又は
消費電力の変化を演算させ、演算結果を表示させる処理
手段とからなる。
【0026】図1は、本実施形態による流体機械の診断
システムのハードウエア構成図である。本実施形態で
は、流体機械としてポンプを例に挙げて説明する。流体
機械の診断システムは、システム全体を統括的に制御す
る主制御部1と、主制御部1に接続された主記憶装置2
とを備えている。主制御部1は、制御装置3と演算装置
4とから構成されている。主制御部1には、キーボード
やマウス等からなる入力装置5と、プリンタやディスプ
レイ等からなる出力装置6とが接続されている。図1に
おいて、太い矢印はデータやプログラムの流れを示し、
細い矢印は制御信号の流れを示す。
【0027】主制御部1は、オペレーティングシステム
等の制御プログラム、流体機械の診断手順を規定したプ
ログラム、および所要データを格納するための内部メモ
リを有しており、これらプログラム等により、上記第1
特定化手段、第2特定化手段および処理手段を実現して
いる。主記憶装置2は、ハードディスクやフレキシブル
ディスク、あるいは光ディスク等からなり、現在、市場
に出回っている各種ポンプのデータが格納されている。
【0028】なお、このデータは必ずしも個々のポンプ
の正確なデータでなくとも良い。即ち、口径や出力の値
を入力することで、ポンプの特性をある程度特定化する
ための平均的データもしくは、あらかじめモデル化した
要素データでも良い。
【0029】本発明によれば、主制御部1に組み込まれ
た第1特定化手段によって、例えば診断すべき対象のモ
ータポンプの特性を特定化することができる。具体的に
は、例えば、 ・ポンプの口径 ・電動機の定格出力(又はポンプの公称出力) ・電動機の極数 ・電動機の運転周波数 ・ポンプの羽根車段数 をポンプ銘板の値などを参照して入力装置5に入力す
る。第1特定化手段は、これらのデータによってポンプ
の流量−揚程特性及び流量−消費電力特性を特定化す
る。この特定化は、例えば主記憶装置2に格納されたデ
ータから近いものを選択することにより行う。なお、入
力装置5に入力する情報(データ)には、上記以外に、
ポンプの銘板要項、ポンプの機名、ポンプの羽根車段
数、ポンプの羽根車の外径寸法、ポンプのテストデータ
等が含まれる。
【0030】特定化は、例えば、図2に示すように一本
の実線と破線及び斜線を使用して表示する。図2は、ポ
ンプの流量−揚程特性および流量−消費電力特性を示す
図であり、横軸は流量(Q)、縦軸は揚程(H)又は消
費電力(W)を示す。図2に示すように、入力結果に基
づき第1特定化手段により、ポンプの流量−揚程特性お
よび流量−消費電力特性が所定の幅をもって特定され
る。即ち、斜線部aの領域が特定される。破線は斜線部
aの領域の上下限を表し、実線は斜線部aの領域の中心
線である。第1特定化手段によって特定された結果は、
LCD(液晶)等のディスプレイからなる出力装置6に
表示される。斜線部aは入力するデータによって精度補
正されて、その範囲が狭くなるように構成される。即
ち、例えば製造メーカとポンプの機名が分かっていれ
ば、より精度高く特性を特定化できるため、図3(a)
の状態から図3(b)に示すように斜線部aの面積は極
小にできる。
【0031】第1特定化手段によって特定された結果
は、更に、実際の運転点における流体機械の消費電力を
入力することによって精度補正される。即ち、実際の運
転時のモータの消費電力を測定し、入力装置5に入力す
ることによって、精度補正され、図4(a)の状態から
図4(b)に示すように、斜線部aが実際のモータの消
費電力の値を含むように、斜線部aの領域が修正され
る。
【0032】第1特定化手段によって特定された結果
は、更に、図5(a)の状態から図5(b)に示すよう
に、実際の締切運転時の運転圧力及び消費電力を入力す
ることによって精度補正される。即ち、斜線部aの領域
が実際の締切運転時の運転圧力及び消費電力を含むよう
に斜線部aを補正する。
【0033】第1特定化手段によって特定された結果
は、更に、ポンプの工場出荷前などに行ったポンプのテ
ストデータ(流量−揚程、流量−消費電力)を入力する
ことにより補正することも可能であり、この場合、図6
に示すように、極めて高い精度でポンプの特性を特定化
できる。実際は、ポンプのテストデータを入力するまで
もなく、前述のいくつかのデータを入力すれば、図6に
近い特定化が可能である。この場合、図5(b)のよう
に精度補正された状態から、さらに斜線部aの領域の中
心線を選ぶことにより図6に近い特定化を行うことがで
きる。
【0034】第1特定化手段によって特定化されたポン
プ特性に対し、第2特定化手段を動作させることで、そ
の設備におけるポンプの運転点を特定化できる。この
際、診断すべき対象のポンプを運転し、実際の運転圧力
(揚程)又は運転流量もしくは、消費電力を測定して、
入力装置5に入力することによって、第2特定化手段を
動作させる。 運転圧力を入力する場合 運転圧力を、ポンプ吸込圧力とポンプ吐出圧力を測定し
て算出し、入力する。その結果、流量−揚程特性曲線お
よび流量−消費電力特性曲線との交点を求めることによ
り図7に示すように運転流量と消費電力を特定できる。 運転流量を入力する場合 運転流量を流量計を用いて測定し、入力する。その結
果、流量−揚程特性曲線および流量−消費電力特性曲線
との交点を求めることにより図8に示すように運転圧力
(揚程)と消費電力を特定できる。 消費電力を入力する場合 運転時のモータの消費電力を電力計を用いて測定し、入
力する。その結果、流量−揚程特性曲線および流量−消
費電力特性曲線との交点を求めることにより図9に示す
ように運転圧力(揚程)と運転流量を特定できる。この
際、消費電力の代わりに運転電流値を測定して入力して
も良い。尚、実際には、流量や消費電力の測定は、高価
な測定器具が必要であったり、手間が掛かる場合が多
い。これに対して運転圧力は、ポンプの吸込側に連成
計、ポンプの吐出側に圧力計を取付けるだけで容易に算
出できる。
【0035】処理手段を機能させる前に、実揚程を把握
して入力しておくと都合がよい。これは図10に示すよ
うに設備側(配管側)の抵抗曲線を算出できるためであ
る。図10において、 H−H=K ∴K=(H−H)/ Q (Hは全揚程、
は実揚程、Qは流量) 即ち、Q,H,Hが特定できればKは求められ
る。従って、任意の流量Qにおける設備側(配管側)の
抵抗Fは、 F=H+K=H+(H−H)(Q/
となる。 尚、実揚程は、後述のコントローラを使用することで、
より正確に把握することもできる。実揚程の把握が困難
な場合は、図11に示すように、仮の実揚程として3種
類(モデル1,2,3)程度の数値を入力しておくこと
も可能である。
【0036】処理手段は、次のように機能する。図12
において、曲線αは第1特定化手段によって特定化し
たポンプの流量−揚程特性である。曲線α上には、図
示しない複数の点が存在する。そして、その点の座標
は、流量と揚程によって(q,h),(q
)……のように定義される。処理手段は、これらの
点に対してある回転数比を設定する。今、回転数比を
0.95とした場合、qはq×0.95に移動し、
はh×0.95に移動する。
【0037】即ち、(0.95q,0.95
),(0.95q,0.95)……なる
点が生まれ、これらの点をつないだ曲線がαとなる。
以下、同様にして回転数比を0.9,0.85,0.8
0……としてα〜α の曲線を作図する。
【0038】曲線βは、前述の図10に示す方法によっ
て算出した設備側(配管側)の抵抗曲線である。で示
す点は、実際の運転点であり、〜の点は、回転数を
変化させた場合の計算上の運転点である。曲線γは、
第1特定化手段によって特定化したポンプの流量−消費
電力特性である。曲線γ上には、図示しない複数の点
が存在する。そして、その点の座標は、流量と消費電力
によって(q,w),(q,w)……のように
定義される。
【0039】処理手段は、これらの点に対して前述の通
りある回転数比を設定する。回転数比を0.95とした
場合、qはq×0.95に移動し、wはw×
0.95に移動する。これは、回転数を変化させて
も、ポンプ効率及びモータ効率が変化しないことを前提
とした場合である。また、インバータなどを使用する場
合の周波数変換ロスも考慮していない。これらを予め考
慮して、より精度高く、消費電力を算出することも可能
である。
【0040】上述したように、(0.95q,0.9
),(0.95q,0.95)……な
る点が生まれ、これらをつないだ曲線がγとなる。以
下、同様にして回転数比を0.9,0.85,0.8…
…としてγ〜γの曲線を作図する。曲線γ〜γ
上には、〜の運転点に対応する消費電力を点で示し
てある。さて、図12において、斜線部で記した点を設
備の設計点とする。即ち、3500l/minの流量が
必要な場合に、実揚程を含めた配管抵抗が38.5mと
なるであろうという計算上の点である。これに対して、
の点が実際の運転点である。
【0041】この設計点と実際の運転点の「ずれ」は、
前述の理由(従来の技術の項参照)によって生まれる。
この例では、設計点流量に対して、実際には40%も過
大な流量で運転されていることになる。
【0042】処理手段は、設計点流量に対して、適正な
ポンプの回転数と、その回転数(運転点)における消費
電力を表示する。この例では、の点が適正な運転点で
ある。実際の運転点と比較すると、表1に示す通りに
なる。
【表1】 即ち、50%の電力節減となる。
【0043】前述の例では、設計点流量を適正な運転点
と定義した。しかしながら、設計点流量が、必ずしも適
正な運転点とは限らない。実際に必要な流量よりも、余
裕を見て少し多めに設計点流量を決める場合の方が、一
般的である。この場合、より回転数を下げ、より電力を
節減することができる。即ち「真」の要項での運転によ
る省エネルギーである。
【0044】なお、図11において、仮の実揚程を設定
した場合には、図12に示す曲線βが3本存在すること
になるが、この場合には、更に条件を絞る(限定する)
ことにより1本の曲線βを特定し設備設計点と比較して
1つの診断結果を出すようにしてもよいし、3本の曲線
βのまま設備設計点と比較して、3つの診断結果を出す
ようにしてもよい。
【0045】図13は、図1乃至図12に示し、かつ詳
細に説明した流体機械の診断システムにおける処理フロ
ーの概略を示す概略処理フロー図である。
【0046】ステップ1において、診断すべき対象であ
る、実際に運転されている流体機械の特性を特定化する
ための情報(ポンプの口径、電動機の定格出力など)を
入力装置5に入力する。次に、ステップ2において、実
際に運転されている流体機械の運転点を特定化するため
の情報(運転圧力又は運転流量等の測定値)を入力装置
5に入力する。次に、ステップ3において、設備側の抵
抗特性を特定化するための情報(実揚程等)を入力装置
5に入力する。次に、ステップ4において、流体機械の
回転数を変化させた場合の流体機械の運転点の推移を演
算装置4により演算させて出力装置6に表示させる。
【0047】本発明は、以上のようにして、インバータ
などを現地に持ち込まずに、ポンプ周辺で消費される無
駄なエネルギー量を把握することができる。従って、例
えば、インバータなどを導入する場合の投資対効果が明
瞭となるため、省エネルギーを市場に普及させる効果を
期待できる。
【0048】本発明では、更に、把握した無駄を省くた
めの手段として、周波数変換器を主要部品としたコント
ローラを提案する。本件出願人は、本発明と組み合わせ
るべき最も好適なコントローラの一つとして、流体機械
の性能調整装置を提案する。即ち、本発明と組み合わせ
るのに好適な流体機械の性能調整装置は、容易にポンプ
の性能調整ができ、省エネルギーを図ることができる技
術を提供するものであり、即ち、既設ポンプと制御盤を
実質的に変更することなく、単にインバータを追加する
だけでポンプの性能調整を可能にすることができる。
【0049】次に、流体機械の性能調整装置を説明す
る。図14は、本発明に係る流体機械の性能調整装置を
使用する際の取付施工の第1の態様を示す。符号101
はポンプユニットであり、ポンプユニット101は共通
ベース102の上部にポンプ103と電動機104とを
設けた構成からなる。吸込配管105から導かれた流体
は吸込側仕切弁106及び短管107を通過し、ポンプ
吸込口103aからポンプ103内に吸い込まれ昇圧さ
れた後、ポンプ吐出口103bから吐き出される。吐き
出された流体は更に逆止弁108、吐出側仕切弁109
を通過し、吐出配管110へ導かれる。
【0050】流体機械の性能調整装置(以下、調整装置
と称する)111は熱伝導性の良好なアルミ合金からな
る放熱手段112を介して短管107に取付けられてい
る。この実施態様において、放熱手段112は図示しな
いボルトによって調整装置111と固定され、同時に図
示しないUボルトによって短管107とも固定されてい
る。制御盤113から供給される電力は調整装置111
の入力手段である入力側ケーブル114から調整装置1
11内に収容された周波数変換器に導かれ、周波数が変
換される。周波数が変換された電力は調整装置111の
出力手段である出力側ケーブル115から電動機104
へと供給される。調整装置111における周波数変換に
は損失熱が伴うが、本態様では、上記損失熱が放熱手段
112及び短管107を介してポンプ取扱流体に放熱さ
れる。
【0051】図15は本発明に係る調整装置を使用する
際の取付施工の第2の態様を示す。符号101はポンプ
ユニットであり、ポンプユニット101は共通ベース1
02の上部にポンプ103と電動機104とを設けた構
成からなる。吸込配管105から導かれた流体は吸込側
仕切弁106及び短管107を通過し、ポンプ吸込口1
03aからポンプ103内に吸い込まれ昇圧された後、
ポンプ吐出口103bから吐き出される。吐き出された
流体は更に逆止弁108、吐出側仕切弁109を通過
し、吐出配管110へ導かれる。
【0052】制御盤113から供給される電力は調整装
置111の入力手段である入力側ケーブル114から調
整装置111内に収容された周波数変換器に導かれ、周
波数が変換される。周波数が変換された電力は調整装置
111の出力手段である出力側ケーブル115から電動
機104へと供給される。
【0053】図15の実施態様において、放熱手段11
2はステンレス製の水冷ジャケットを構成しており、図
示しないボルトによって調整装置111と固定され、同
時にL字形の取付金具116によって、短管107のフ
ランジボルトに共締め固定されている。放熱手段112
には、ポンプの吐出側流体が小配管117から導かれ、
小配管118を通過してポンプの吸込側にバイパスされ
る。本態様では、周波数変換に伴う損失熱が放熱手段1
12及び小配管117,118によってポンプ取扱流体
に放熱される。本態様では図15に破線119で示すよ
うな断熱処理が行われている。これは、冷温水循環用途
などにおいて配管表面から大気中に熱が移動しないよう
に行われるものである。この場合、図14の第1の態様
を採用することは困難であり、本態様が有効となる。
【0054】図16(a)及び図16(b)は図14に
示す調整装置の詳細を示す図であり、図16(a)は部
分的に断面された正面図、図16(b)は側面図であ
る。放熱手段112は短管107にUボルト120で固
定される。また入力側ケーブル114及び出力側ケーブ
ル115は、例えば水中モータポンプで使用される水中
ケーブルと同様な方法で調整装置111と外気との気密
を確保している。更に121で示すOリングは放熱手段
112と調整装置111との接触面から外気が装置内に
侵入しないように配慮したものである。
【0055】次に、図16(a)のXVII−XVII線断面図
である図17を参照して、調整装置111の周辺構造を
説明する。周波数変換器本体48はベース46及びカバ
ー47からなるケースに収容される。また、ベース46
とカバー47は間にシール部材58を介して図示しない
ボルトによって固定され、外気との気密を保っている。
周波数変換器本体48はベース46に密着性高く固定さ
れ、その発生熱をベース46に伝える。同様にベース4
6と放熱手段112、放熱手段112と短管107につ
いても各々密着性高く固定される。この結果、周波数変
換器の発生熱は取扱流体に好適に放熱されるため、一般
の汎用インバータに用いられる空冷ファンなどは不要で
ある。即ち、ファン故障による冷却不良の心配がない。
なお、ベース46と放熱手段112はボルト55にて締
結されている。また上述のように、ケース内は外気と遮
断されているため、周波数変換器は風雨や結露による絶
縁劣化を生じにくい。
【0056】図18(a)及び図18(b)は図15に
示す装置の詳細を示す図であり、図18(a)は部分的
に断面された正面図、図18(b)は平面図である。放
熱手段112はステンレス製の水冷ジャケットをなし、
取扱流体の出入口122を備えている。なお、入力側ケ
ーブル、出力側ケーブル、Oリング121は図16に示
す例と同様の構成となっている。
【0057】次に、図18(a)のXIX−XIX線断面図で
ある図19を参照して、本態様における調整装置111
の周辺構造について説明する。周波数変換器本体48は
ベース46及びカバー47からなるケースに収容され
る。また、ベース46とカバー47は間にシール部材5
8を介して図示しないボルトによって固定され、外気と
の気密を保っている。周波数変換器本体48はベース4
6に密着性高く固定され、その発生熱をベース46に伝
える。同様にベース46と放熱手段112についても密
着性高く固定される。この結果、周波数変換器の発生熱
は取扱流体に好適に放熱されるため、一般の汎用インバ
ータに用いられる空冷ファンなどは不要である。
【0058】リブ123は3つの役割を有する。その1
つは、取扱流体の圧力によって水冷ジャケットが変形し
ないように強度・剛性を向上させる役割である。もう1
つは、取扱流体のジャケット内における滞留時間を確保
するための流れの案内装置としての役割である。さらに
もう1つは、取扱流体との接触面積を増加させること
で、放熱効果を向上させる役割である。なお、本態様に
よれば、前述のように配管周辺が断熱施工されていて
も、装置を容易に効果的に冷却できる。
【0059】次に、図20(a)および図20(b)を
参照して、本発明の第3の実施態様について説明する。
第3の態様における基本的な構成は、図20(a)に示
すように第1および第2の態様と同様である。しかしな
がら、第3の態様ではポンプ103とモータ104を連
結するカップリング126の回転に伴う気流を利用した
空冷型の調整装置111をなしている。一般にカップリ
ング126の周囲には、図20(b)(図20(a)の
XX矢視図)に示すように、事故防止のためのカップリン
グガードが設けられるが、本態様では、このカップリン
グガードを放熱手段112として活用するものである。
ここでは、カップリングガード(放熱手段)112をア
ルミ合金製とし、かつ前述の気流による空冷効果を向上
させるため、複数の空冷用リブ(フィン)128を設け
ている。ケース周辺の構造は第1および第2の態様と同
様であるため、屋外の風雨にも耐えられる。
【0060】次に図21(a)及び図21(b)に示す
実施態様について説明する。図21(a)及び図21
(b)は図14乃至図20に示す装置本体の別の実施態
様であり、図21(a)は正面図、図21(b)は側面
図である。簡単に言えば、本実施態様は出力側ケーブル
115がベース46に設けられている点のみが異なって
いる。放熱手段に出力側ケーブルを取付ける必要がない
ので、より構造が単純となっている。本態様の装置が水
冷ジャケット型や、空冷型にも応用できるのは勿論のこ
とである。
【0061】なお、図16(a)、図16(b)、図1
8(a)、図21(a)及び図21(b)において、符
号124で示されるネジ止め式キャップは、図示しない
Oリングを介して外気との気密を確保するものである。
キャップ内には、出力周波数調整手段が設けられてい
る。例えば、ロータリー式の段階式スイッチになってお
り、流体機械の回転数を適宜に調節できる。
【0062】また、本発明では、図面中に記載がない通
り、周波数変換器の出力をオン−オフするためのスイッ
チに相当する部品は設けていない。即ち、周波数変換器
に電力が供給されると自動的に出力を開始するように構
成されている。したがって、装置を配管に取付ける場合
の位置に制約を受けない。例えば子供がいたずらしない
ように手のとどかない位置に取付けたり、あるいは狭い
空間に取付けても、電源の入切りだけで流体機械は始動
・停止するため、支障がない。
【0063】図14乃至図21(b)に示す流体機械の
性能調整装置(以下、コントローラと称する)を本発明
のシステムに組み込むことで、更に精度高く無駄なエネ
ルギーを把握できる。このコントローラは、出力周波数
を段階的に5%きざみの8段階に設定できる。このきざ
みは前述の処理手段の回転数比に一致しているため、シ
ステムを稼動させながら、実際の消費電力を検証するこ
とができる。また、前述の処理手段においては、インバ
ータの損失(ロス)を無視していたが、実際にインバー
タで駆動すれば、実測データとして正確な消費電力が算
出できる。
【0064】また、このコントローラは、無駄なエネル
ギーを把握するための手段としてのみではなく、把握し
た無駄を省くための手段としても極めて有効である。な
ぜなら、ポンプの設置場所として、一般的な屋外での使
用に耐えるからである。制御盤内に収容する必要もない
ため、特別な改造費用・施工費用が掛からない。即ち、
コントローラを現地に持ち込んで、投資対効果が良好な
場合には、コントローラをそのまま取付けておけば良い
わけである。また、このコントローラを使用すること
で、実揚程を精度高く把握できる。即ち、図22に示す
ように、ポンプの回転数を変化させ、各々の回転数にお
けるバルブ(仕切弁)開放時の運転圧力(揚程)と、バ
ルブ締切時の運転圧力を比較し、両者の差がなくなる点
が実揚程を示すことになる。
【0065】
【表2】 即ち、表2に示す例では、19mが実揚程である。
【0066】この結果、実揚程を把握しにくい場合(例
えば、配管系が複雑)であっても、本発明のコントロー
ラを使用することで容易に実揚程を把握できる。この値
を、図1に示す入力装置5に入力し、処理手段を機能さ
せることで、更にシステムの精度が向上する。
【0067】以上、記述してきた第1特定化手段、第2
特定化手段、処理手段として、コンピュータを機能(動
作)させるためのプログラムを記録した記録媒体は、例
えば、ノート型のパーソナルコンピュータに組み込ま
れ、ポンプの使用現場に容易に持ち込むことができる。
【0068】図23は、診断すべき対象の流体機械の運
転現場へ持ち込む器材の一例を示す概略図である。上記
器材は、図1に示す主制御部1(制御装置3と演算装置
4とを含む)、主記憶装置2、入力装置5、出力装置6
の一部を構成するLCDを含むパーソナルコンピュータ
PCと、上記プログラムを記録した記録媒体としてのフ
ロッピディスク(FD)又はCD−ROMと、図1に示
す出力装置6の一部を構成するプリンタPRとを含んで
いる。また、上記器材は、ポンプ等の流体機械の吸込側
に取り付けられる連成計CPG、吐出側に取り付けられ
る圧力計P、および流体機械を駆動する電動機の消費
電力を測定するパワーメータPを含んでいる。
【0069】以上説明したように、本発明により、流体
機械周辺で消費される無駄なエネルギーを把握すること
ができる。そして、本発明により、インバータなどを現
地に持ち込まずに、流体機械周辺で消費される無駄なエ
ネルギー量を把握できる。従って、例えば、インバータ
などを導入する場合の投資対効果が明らかになるため、
省エネルギーを市場に浸透させやすい。
【0070】本発明のコントローラ(性能調整装置)を
使用することで、無駄なエネルギー量を把握すると同時
に、無駄を省くことも可能となる。本発明を適用すれ
ば、おおよそ、流体機械の回転数を低下させる結果とな
るため、軸受やメカニカルシールなどの寿命を延ばす効
果も期待できる。
【0071】本発明は、ポンプを停止させたり、バルブ
の開度を変化させたりすることなく、即ち、ユーザの設
備に支障を与えずに、所謂「省エネルギー診断」を行う
こともできる。換言すると、設備稼動中(休日ではなく
平日)に実施することができる。また、より精度の高い
「省エネルギー診断」を要求された場合にも、適切な対
応ができる。なお、この場合は、一旦、設備を停止させ
たり、バルブの開度を変化させたデータを採取したりす
ることも必要となる。
【0072】本発明を適用することにより、各々の状況
に応じて、コントローラの導入や「1ランク容量の小さ
な流体機械」への転換など適切な処置を行える。また、
配管側(設備側)の損失を把握できるため、例えば、
配管径を1ランク上げることでの省エネルギーなども簡
便に試算できる。
【0073】次に、本発明における流体機械特性特定方
法について渦巻ポンプを例に説明する。以下の流体機械
特性特定方法は、図1乃至図13に示した実施形態にお
ける第1および第2特定化手段を更に具現化した例を示
すものである。一般に、渦巻ポンプは、口径と、電動機
出力および回転数に対応した機種が設計されており、口
径と電動機定格回転数により使用水量範囲、電動機出力
により揚程がおおむね定まっている。従って、渦巻ポン
プの口径と、羽根車段数と、電動機出力および回転数か
らポンプの比速度(N)を想定することが可能であ
る。ここで、比速度(N)とはポンプの設計段階で使
用される数字で次式により定義されている。 N=NQ1/2 / H3/4 ここに、Nは回転数、Qは流量、Hは羽根車1段の揚程
をそれぞれ示す。流量−揚程特性および流量−軸動力特
性等のポンプの特性は、比速度によって異なる。またポ
ンプ効率も同様に比速度によって異なる。ポンプの特性
(流量−揚程、流量−軸動力)は比速度に対して図24
に示す〈ポンプ無次元特性〉として整理することがで
き、ポンプ効率は図25に示す〈比速度−ポンプ効率特
性〉として整理することができる。図24において、横
軸は無次元流量(Q)を示し、縦軸は無次元揚程(H)
および無次元軸動力(KW)を示す。図24において
は、比速度(N)は560,400,280……,5
0に対してのポンプの特性が示されている。図25にお
いて、横軸は比速度(N)を示し、縦軸はポンプ効率
η(%)を示す。
【0074】したがって、図24中に代表点(有次元の
流量、揚程および軸動力)を定めれば、ポンプ特性全体
を仮特性として想定することが可能となる。ポンプの仮
特性の想定ができた段階で、ポンプ運転点(流量)の特
定及びポンプ運転時の測定データ(揚程および消費電
力)と整合するように仮特性を補正することにより流体
機械の特性を特定することができる。なお図24および
図25は予めデータベース化されている。
【0075】次に、仮特性を、現状運転時の揚程および
消費電力と、流体機械効率および電動機効率の想定値と
を用いて算出した流量で補正する場合におけるポンプ仮
特性の想定段階とポンプ運転点(流量)の特定と仮特性
の補正段階について図26(a)乃至図26(d)を参
照して説明する。
【0076】まず、図26(a)に示すように、口径
(φ)および段数(STG)を含むポンプ型式の情報
と、定格出力(P)および定格回転数(N)を含む電
動機の情報と、現状運転時の揚程(H)および消費電力
(Pi)を含む測定データの情報とを図1に示す入力装
置5に入力する。
【0077】次に、図1に示す主制御部1において、以
下のステップ1〜5の手順によって図26(b)に示す
仮ポンプ特性を作成する。即ち、ステップ1においてポ
ンプの口径(φ)および段数(STG)と、電動機の定
格出力(P)および定格回転数(N)より比速度(N
)を特定する。ステップ2においてポンプの口径
(φ)および段数(STG)と電動機の定格回転数
(N)と比速度(N)よりQ BEP(最高効率流量)
を特定する。ここで、QBEP(最高効率流量)とは、
最高効率点における流量を云う。ステップ3においてポ
ンプの口径(φ)および段数(STG)と比速度
(N)よりη(ポンプ効率)を特定する。ステップ
4においてHBEP=η・P/0.163・γ・Q
BEPの式によってH EP(最高効率揚程)を算出す
る。ここで、HBEP(最高効率揚程)とは、最高効率
点における揚程を云う。なおγは取扱液の比重量であ
る。ステップ5において特定した比速度と代表点((Q
BEP,HBEP)および(QBEP,P))をもと
に図24に示すポンプ無次元特性を使用して、図26
(b)の破線で示すように仮ポンプ特性を作成する。即
ち、ステップ1で特定された比速度(N )に対応する
流量−揚程特性曲線を図24から選定し、図24の
(1.0,1.0)の点が図26(b)の(QBEP
BEP)の点と重なるように前記選定された流量−揚
程特性曲線を描くことにより、仮の流量−揚程特性曲線
を作成する。またステップ1で特定された比速度
(N)に対応する流量−軸動力特性曲線を図24から
選定し、図24の(1.0,1.0)の点が図26
(b)の(QBEP,P)の点と重なるように前記選
定された流量−軸動力特性曲線を描くことにより、仮の
流量−軸動力特性曲線を作成する。なおステップ1〜3
は予めデータベース化されている。
【0078】次に、以下のステップ1〜2の手順によっ
て図26(c)に示す流量特定を行う。即ち、ステップ
1において電動機の定格出力(P)よりη(電動機
効率)を特定する。この場合、電動機の定格出力
(P)が入力されるとηが特定されるように予めデ
ータベース化されている。ステップ2においてQ=η
・η ・Pi/0.163・γ・Hの式によってQ(現
状流量)を算出する。ステップ1および2により現状流
量(Q)およびηが特定されたので、現状揚程(H)
は既知であるため、図26(c)の流量−揚程座標系に
特定運転点を図示でき、またPi・ηを計算すること
により流量−軸動力座標系に特定運転点を図示できる。
次に、以下のステップ1〜2の手順によって図26
(d)に示すように仮ポンプ特性の補正を行ないポンプ
特性を特定する。図26(d)において、破線は仮ポン
プ特性を示し、実線は補正後のポンプ特性を示す。即
ち、ステップ1においてH/Hの比率で仮ポンプ特
性の揚程を補正する。ステップ2においてP/P
比率で仮ポンプ特性の軸動力を補正する。ここでH
は図26(c)で特定された特定運転点の揚程およ
び軸動力であり、H,Pはそれぞれ現状流量(Q)
における仮ポンプ特性曲線上の揚程および軸動力であ
る。
【0079】次に、仮特性を、現状運転時の揚程および
消費電力と、流体機械効率および電動機効率の想定値と
を用いて算出した流量と、締切運転時の揚程および消費
電力で補正する場合におけるポンプ仮特性の想定段階と
ポンプ運転点(流量)の特定と仮特性の補正段階につい
て図27(a)乃至図27(d)を参照して説明する。
まず、図27(a)に示すように、口径(φ)および段
数(STG)を含むポンプ型式の情報と、定格出力(P
)および定格回転数(N)を含む電動機の情報と、現
状運転時の揚程(H)および消費電力(Pi)、締切運
転時の揚程(H )および消費電力(Pis)を含む測
定データの情報とを図1に示す入力装置5に入力する。
【0080】次に、図1に示す主制御部1において、以
下のステップ1〜3の手順によって図27(b)に示す
仮ポンプ特性を特定する。即ち、ステップ1においてポ
ンプの口径(φ)および段数(STG)と、電動機の定
格出力(P)および定格回転数(N)より比速度(N
)を特定する。ステップ2においてポンプの口径
(φ)および段数(STG)と電動機の定格回転数
(N)と比速度(N)よりQ BEP(最高効率流量)
を特定する。ステップ3においてX方向代表点をQBE
とし、Y方向代表点をHs(締切運転時揚程)および
Pis(締切運転時消費電力)として、図27(b)に
示すように仮ポンプ特性を作成する。この際、図26
(a)乃至図26(d)に示す実施例で説明したと同様
に図24に示すポンプ無次元特性を使用して仮ポンプ特
性を作成する。なおステップ1および2はデータベース
化されている。
【0081】次に、以下のステップ1〜2の手順によっ
て図27(c)に示す流量特定を行う。即ち、ステップ
1において電動機の定格出力(P)よりη(電動機
効率)を特定する。この場合、電動機の定格出力
(P)が入力されるとηが特定されるように予めデ
ータベース化されている。ステップ2においてQ=η
・η ・Pi/0.163・γ・Hの式によってQ(現
状流量)を算出する。ステップ1および2により現状流
量(Q)およびηが特定されたので、現状揚程(H)
は既知であるため、図27(c)の流量−揚程座標系に
特定運転点を図示でき、またPi・ηを計算すること
により流量−軸動力座標系に特定運転点を図示できる。
次に、以下のステップ1〜2の手順によって図27
(d)に示すように仮ポンプ特性の補正を行ないポンプ
特性を特定する。図27(d)において、破線は仮ポン
プ特性を示し、実線は補正後のポンプ特性を示す。即
ち、ステップ1においてQ/Qの比率で仮ポンプ特性
の流量を補正する。ステップ2において軸動力曲線を
(0,Pis・η),(Q,Pi・η)を通る近似
曲線に補正する。
【0082】次に、仮特性を、現状運転時の揚程および
消費電力と、流体機械効率および電動機効率の想定値と
を用いて算出した流量と、バルブ全開運転時の揚程およ
び消費電力で補正する場合におけるポンプ仮特性の想定
段階とポンプ運転点(流量)の特定と仮特性の補正段階
について図28(a)乃至図28(d)を参照して説明
する。
【0083】まず、図28(a)に示すように、口径
(φ)および段数(STG)を含むポンプ型式の情報
と、定格出力(P)および定格回転数(N)を含む電
動機の情報と、現状運転時の揚程(H)および消費電力
(Pi)、バルブ全開運転時の揚程(H)および消費
電力(Piv)を含む測定データの情報とを図1に示す
入力装置5に入力する。
【0084】次に、図1に示す主制御部1において、以
下のステップ1〜5の手順によって図28(b)に示す
仮ポンプ特性を作成する。即ち、ステップ1においてポ
ンプの口径(φ)および段数(STG)と、電動機の定
格出力(P)および定格回転数(N)より比速度(N
)を特定する。ステップ2においてポンプの口径
(φ)および段数(STG)と電動機の定格回転数
(N)と比速度(N)よりQ BEP(最高効率流量)
を特定する。ステップ3においてポンプの口径(φ)お
よび段数(STG)と比速度(N)よりη(ポンプ
効率)を特定する。ステップ4においてHBEP=η
・P/0.163・γ・QBEPの式によってH
BEP(最高効率揚程)を算出する。ステップ5におい
て特定した比速度と代表点((QBEP,HBEP)お
よび(QBEP,P))をもとに、図28(b)の破
線で示すように仮ポンプ特性を作成する。この際、図2
6(a)乃至図26(d)に示す実施例で説明したと同
様に図24に示すポンプ無次元特性を使用して仮ポンプ
特性を作成する。なおステップ1〜3は予めデータベー
ス化されている。
【0085】次に、以下のステップ1〜2の手順によっ
て図28(c)に示す流量特定を行う。即ち、ステップ
1において電動機の定格出力(P)よりη(電動機
効率)を特定する。この場合、電動機の定格出力
(P)が入力されるとηが特定されるように予めデ
ータベース化されている。ステップ2においてQ=η
・η ・Pi/0.163・γ・Hの式によってQ(現
状流量)を算出する。ステップ1および2により現状流
量(Q)およびηが特定されたので、現状揚程(H)
は既知であるため、図28(c)の流量−揚程座標系に
特定運転点を図示でき、またPi・ηを計算すること
により流量−軸動力座標系に特定運転点を図示できる。
【0086】次に、以下のステップ1〜5の手順によっ
て図28(d)に示すように仮ポンプ特性の補正を行な
いポンプ特性を特定する。図28(d)において、破線
は仮ポンプ特性を示し、実線は補正後のポンプ特性を示
す。即ち、ステップ1においてH/Hの比率で仮ポ
ンプ特性の揚程を補正する。ステップ2においてP
の比率で仮ポンプ特性の軸動力を補正する。ここで
,Pは図28(c)で特定された特定運転点の揚
程および軸動力であり、H,Pはそれぞれ現状流量
(Q)における仮ポンプ特性曲線上の揚程および軸動力
である。ステップ3においてバルブ全開運転時における
揚程(H)よりバルブ全開時流量(Q )を特定す
る。ステップ4においてQV時の軸動力(Piv・
η)を特定する。ステップ5において軸動力曲線を
(Q,Pi・η),(Q,Piv・η )を通る近
似曲線に補正する。
【0087】次に、仮特性を、現状運転時の揚程および
消費電力と、流体機械効率および電動機効率の想定値と
を用いて算出した流量と、締切運転時およびバルブ全開
運転時の揚程および消費電力で補正する場合におけるポ
ンプ仮特性の想定段階とポンプ運転点(流量)の特定と
仮特性の補正段階について図29(a)乃至図29
(d)を参照して説明する。
【0088】まず、図29(a)に示すように、口径
(φ)および段数(STG)を含むポンプ型式の情報
と、定格出力(P)および定格回転数(N)を含む電
動機の情報と、現状運転時の揚程(H)および消費電力
(Pi)、締切運転時の揚程(H )および消費電力
(Pis)、バルブ全開運転時の揚程(H)および消
費電力(Piv)を含む測定データの情報とを図1に示
す入力装置5に入力する。
【0089】次に、図1に示す主制御部1において、以
下のステップ1〜3の手順によって図29(b)に示す
仮ポンプ特性を特定する。即ち、ステップ1においてポ
ンプの口径(φ)および段数(STG)と、電動機の定
格出力(P)および定格回転数(N)より比速度(N
)を特定する。ステップ2においてポンプの口径
(φ)および段数(STG)と電動機の定格回転数
(N)と比速度(N)よりQ BEP(最高効率流量)
を特定する。ステップ3においてX方向代表点をQBE
とし、Y方向代表点をHおよびPisとして、図2
9(b)に示すように仮ポンプ特性を作成する。この
際、図26(a)乃至図26(d)に示す実施例で説明
したと同様に図24に示すポンプ無次元特性を使用して
仮ポンプ特性を作成する。なおステップ1および2はデ
ータベース化されている。
【0090】次に、以下のステップ1〜2の手順によっ
て図29(c)に示す流量特定を行う。即ち、ステップ
1において電動機の定格出力(P)よりη(電動機
効率)を特定する。この場合、電動機の定格出力
(P)が入力されるとηが特定されるように予めデ
ータベース化されている。ステップ2においてQ=η
・η ・Pi/0.163・γ・Hの式によってQ(現
状流量)を算出する。ステップ1および2により現状流
量(Q)およびηが特定されたので、現状揚程(H)
は既知であるため、図29(c)の流量−揚程座標系に
特定運転点を図示でき、またPi・ηを計算すること
により流量−軸動力座標系に特定運転点を図示できる。
【0091】次に、以下のステップ1〜2の手順によっ
て図29(d)に示すように仮ポンプ特性の補正を行な
いポンプ特性を特定する。図29(d)において、破線
は仮ポンプ特性を示し、実線は補正後のポンプ特性を示
す。即ち、ステップ1においてQ/QBの比率で仮ポン
プ特性の流量を補正する。ステップ2において軸動力曲
線を(0,Pis・η),(Q,Pi・η),(Q
,Piv・η)を通る近似曲線に補正する。
【0092】次に、仮特性と現状運転時の揚程より運転
点(流量)を特定し、現状消費電力で前記仮特性を補正
する場合におけるポンプ仮特性の想定段階とポンプ運転
点(流量)の特定と仮特性の補正段階について図30
(a)乃至図30(d)を参照して説明する。
【0093】まず、図30(a)に示すように、口径
(φ)および段数(STG)、第1要目(Q1,H1)
および第2要目(Q2,H2)を含むポンプ型式の情報
と、定格出力(P)および定格回転数(N)を含む電
動機の情報と、現状運転時の揚程(H)および消費電力
(Pi)を含む測定データの情報とを図1に示す入力装
置5に入力する。
【0094】次に、図1に示す主制御部1において、以
下のステップ1〜5の手順によって図30(b)に示す
仮ポンプ特性を作成する。即ち、ステップ1においてポ
ンプの口径(φ)および段数(STG)と、電動機の定
格出力(P)および定格回転数(N)より比速度(N
)を特定する。ステップ2においてH’=(H1+
2×H2)/3の式に基づいて締切揚程(H’)を仮
定する。ステップ3において特定した比速度(N)を
もとに(0,H’),(Q2,H2)を通る揚程曲線
を作成し(破線で示す)、かつ(QMAX,P)を通
る軸動力曲線を作成する(破線で示す)。この際、図2
4に示すポンプ無次元特性を使用して仮ポンプ特性を作
成する。ステップ4において(Q2,H2)を原点とし
て、ΔH/(H1−H2)の比率で揚程を補正すること
により実線で示す揚程曲線を作成する。ステップ5にお
いて(0,0)を原点とした揚程曲線補正値を軸動力曲
線に適用し補正することにより2点鎖線で示す軸動力曲
線を作成する。なおステップ1はデータベース化されて
いる。
【0095】次に、以下のステップ1〜2の手順によっ
て図30(c)に示す流量特定を行う。即ち、ステップ
1において電動機の定格出力(P)よりη(電動機
効率)を特定する。ステップ2において現状運転時の揚
程(H)より現状運転流量(Q)を特定する。またPi
・ηを計算することにより現状軸動力(Pi・η
を特定する。なおステップ1はデータベース化されてい
る。
【0096】次に、以下のステップによって図30
(d)に示すように仮ポンプ特性の補正を行ないポンプ
特性を特定する。即ち、(Pi・η)/Pの比率で
軸動力曲線を補正することにより、実線で示す軸動力曲
線を作成する。
【0097】次に、仮特性と現状運転時の揚程より運転
点(流量)を特定し、現状消費電力及びバルブ全開時の
揚程と消費電力で前記仮特性を補正する場合におけるポ
ンプ仮特性の想定段階とポンプ運転点(流量)の特定と
仮特性の補正段階について図31(a)乃至図31
(d)を参照して説明する。
【0098】まず、図31(a)に示すように、口径
(φ)および段数(STG)、第1要目(Q1,H1)
および第2要目(Q2,H2)を含むポンプ型式の情報
と、定格出力(P)および定格回転数(N)を含む電
動機の情報と、現状運転時の揚程(H)および消費電力
(Pi)、バルブ全開運転時の揚程(H)および消費
電力(Piv)を含む測定データの情報とを図1に示す
入力装置5に入力する。
【0099】次に、図1に示す主制御部1において、以
下のステップ1〜5の手順によって図31(b)に示す
仮ポンプ特性を作成する。即ち、ステップ1においてポ
ンプの口径(φ)および段数(STG)と、電動機の定
格出力(P)および定格回転数(N)より比速度(N
)を特定する。ステップ2においてH’=(H1+
2×H2)/3の式に基づいて締切揚程(H’)を仮
定する。ステップ3において特定した比速度(N)を
もとに(0,H’),(Q2,H2)を通る揚程曲線
を作成し(破線で示す)、かつ(QMAX,P)を通
る軸動力曲線を作成する(破線で示す)。この際、図2
4に示すポンプ無次元特性を使用して仮ポンプ特性を作
成する。ステップ4において(Q2,H2)を原点とし
て、ΔH/(H1−H2)の比率で揚程を補正すること
により実線で示す揚程曲線を作成する。ステップ5にお
いて(0,0)を原点とした揚程曲線補正値を軸動力曲
線に適用し補正することにより2点鎖線で示す軸動力曲
線を作成する。なおステップ1はデータベース化されて
いる。
【0100】次に、以下のステップ1〜2の手順によっ
て図31(c)に示す流量特定を行う。即ち、ステップ
1において電動機の定格出力(P)よりη(電動機
効率)を特定する。ステップ2において現状運転時の揚
程(H)より現状運転流量(Q)を特定する。またPi
・ηを計算することにより現状軸動力(Pi・η
を特定する。なおステップ1はデータベース化されてい
る。
【0101】次に、以下のステップ1〜3の手順によっ
て図31(d)に示すように仮ポンプ特性の補正を行な
いポンプ特性を特定する。ステップ1において(Pi・
η)/Pの比率で軸動力曲線を補正する。ステップ
2においてHよりバルブ全開時流量(Q)を特定
し、かつバルブ全開時軸動力(Piv・η)を特定す
る。ステップ3において軸動力曲線を(Q,Pi・
η),(Q,Piv・η )を通る近似曲線に補正
する。
【0102】以上説明したように、図26(a)乃至図
31(d)に示すいずれかの手法により、ポンプ仮特性
の想定とポンプ運転点(流量)の特定及び仮特性の補正
を行うことで、ポンプ特性を特定できるため、ポンプ試
験データが入手できない場合でも、図6に示すような特
性曲線を特定できるため、本発明の診断システムを比較
的高い精度で機能させることができる。
【0103】図1乃至図31(a)〜(d)に示した診
断システムは実際にポンプが運転されている現場で消費
電力などを実測して診断を行うもので、診断精度は高か
ったが、データ採りに手間が掛かるという欠点を有して
いる。
【0104】即ち、図1乃至図31(a)〜(d)に示
した診断システムは、現場で実際にポンプを運転して診
断を行う、いわば「本診断」とも云うべき行為が必要と
されていた。そこで、本件発明者は、現場での本診断を
行う前に机上で事前に行える簡易診断によりインバータ
導入の投資対効果又は費用対効果を知る方法を検討して
きた。ここで、投資対効果又は費用対効果とは、インバ
ータ導入に伴う費用に対するインバータ導入によって得
られる消費電力の削減効果を云う。この結果、簡易事前
診断の結果、本診断を割愛できる場合もあり、診断コス
ト削減も可能となる。
【0105】以下、本発明に係る流体機械の省エネルギ
ー事前診断システムの一実施形態を図面に基づいて説明
する。
【0106】本実施形態による流体機械の省エネルギー
事前診断システムのハードウェア構成は、図1に示すハ
ードウェア構成と同様である。本実施形態では、流体機
械としてポンプを例に挙げて説明する。
【0107】流体機械の省エネルギー事前診断システム
は、図1に示すように、システム全体を統括的に制御す
る主制御部1と、主制御部1に接続された主記憶装置2
とを備えている。主制御部1は、制御装置3と演算装置
4とから構成されている。主制御部1には、キーボード
やマスク等からなる入力装置5と、プリンタやディスプ
レイ等からなる出力装置6とが接続されている。主制御
部1は、オペレーティングシステム等の制御プログラ
ム、流体機械の診断手順を規定したプログラム、および
所要データを格納するための内部メモリを有している。
主記憶装置2は、ハードディスクやフレキシブルディス
ク、あるいは光ディスク等からなり、現在、市場に出回
っている各種ポンプのデータが格納されている。但し、
ポンプのデータは入力装置5にその都度入力することも
できる。
【0108】図32は、ポンプの流量−揚程特性および
流量−消費電力特性を示す図であり、横軸は流量(l/
min)、縦軸は全揚程(m)又は消費電力(kW)を
示す。さて、交流商用電源によって駆動される場合のモ
ータポンプの流量−揚程及び流量−消費電力のデータは
一般に試験成績書や代表特性曲線などの形態であらかじ
め入手できる。この数値を例えば5点(図32において
・点で示した5点)入力すると、図32のごとく、曲線
α及びγを適当な関数によって引くことができる。
また、図中の概略三角形状の黒塗り部分は設備側の計画
要項を入力した点である。配管損失は、流量の2乗に比
例することがわかっているので、実揚程(即ち、流量ゼ
ロのときの管路抵抗)を入力することで前記設備側の計
画要項を通る管路抵抗曲線βを引くことができる。実揚
程が不明の場合は、計画要項の揚程の50%の値とする
など仮定することもできる。
【0109】本発明は、周波数変換器を用いて流体機械
の回転数を低下させた場合の消費電力の削減効果を演算
する演算手段が設けられている。演算手段は、次のよう
に機能する(図33参照)。曲線α上には図示しない
複数の点が存在する。そして、その点の座標は、流量と
揚程によって(q,h),(q,h)……のよ
うに定義される。演算手段は、これらの点に対してある
回転数比を設定する。今、回転数比を0.95とした場
合、qはq×0.95に移動し、hはh×0.
95に移動する。即ち、(0.95q,0.95
),(0.95q,0.95)……なる点
が生まれ、これらの点をつないだ曲線がαとなる。以
下、同様にして回転数比を0.8,0.85,0.80
……としてα〜α の曲線を作図する。曲線βは、前
述の方法によって特定された設備側(配管側)の抵抗曲
線である。で示す点は、実際の運転点であり、〜
の点は、回転数を変化させた場合の計算上の運転点であ
る。但し、配管損失の計画値(計算値)には余裕が見込
まれるため、真実の運転点はより大流量側となる場合が
多い。また、曲線γ上には、図示しない複数の点が存
在する。そして、その点の座標は、流量と消費電力によ
って(q,w),(q,w)……のように定義
される。演算手段は、これらの点に対して前述の通りあ
る回転数比を設定する。回転数比を0.95とした場
合、qはq×0.95に移動し、wはw×0.
95に移動する。これは、回転数を変化させても、ポ
ンプ効率及びモータ効率が変化しないことを前提とした
場合である。また、インバータなどを使用する場合の周
波数変換ロスも考慮していない。これらを予め考慮し
て、より精度高く、消費電力を算出することも可能であ
る。
【0110】上述したように、(0.95q,0.9
),(0.95q,0.95)…なる
点が生まれ、これらをつないだ曲線がγとなる。以
下、同様にして回転数比を0.9,0.85,0.80
……としてγ〜γ の曲線を作図する。曲線γ〜γ
上には、〜の運転点に対応する消費電力を点で示
してある。
【0111】図34は図33で説明した内容を実際に出
力装置6により出力(プリントアウト)した例である。
即ち、図34は、出力装置6によって、出力された診断
結果10を示す図であり、図34の上下のグラフは図3
3で求めた流量−揚程特性曲線および流量−消費電力特
性曲線を示す。図34において、最下部の表はAを用い
て表しているが、この部分は、拡大して図35に示す。
図34のA部分、即ち、図35は、消費電力削減試算値
を示す表である。図35において、縦の覧(項目)は、
商用電源駆動時の実際の運転流量、インバータを使用し
て計画流量に合わせた場合、及びインバータを使用して
計画流量よりも流量を減じた場合の3つの条件を示して
いる。
【0112】横の覧は、回転数比(商用電源駆動時が
1.0)、消費電力、消費電力量(消費電力に別途に入
力した稼働時間を乗じて算出)、CO排出量(消費電
力量に図中記載の係数を乗じて算出)、消費電力削減
量、削減電力費(電力単価13円/kwhで算出)、削
減率(電力量・CO・電力費)を記載している。この
例では、流量を計画値に合わせるだけで18%の省エネ
ルギーが達成でき、年間で286,000円電気代を節
減できることになる。また、計画流量そのものに余裕が
見込まれている場合には、例えば10%の流量を節減で
きるとすると、40%の省エネルギーが達成でき、年間
で639,600円電気代を節減できることになる。こ
のようにして、インバータ導入の設備投資に関してその
回収期間に見当を付けることができる。
【0113】以上、記述してきた、周波数変換器を用い
て流体機械の回転数を低下させた場合の消費電力の削減
効果を演算する手段、演算結果を表示させる処理手段と
して、コンピュータを機能(動作)させるためのプログ
ラムを記録した記録媒体は、例えば、パーソナルコンピ
ュータに組み込まれる。
【0114】図36は、パーソナルコンピュータによる
流体機械の省エネルギー事前診断システムの一例を示す
概略図である。上記システムは、図1に示す主制御部1
(制御装置3と演算装置4とを含む)、主記憶装置2、
入力装置5、出力装置6の一部を構成するLCDを含む
パーソナルコンピュータPCと、上記プログラムを記録
した記録媒体としてのフロッピディスク(FD)又はC
D−ROMと、図1に示す出力装置6の一部を構成する
プリンタPRとを含んでいる。
【0115】以上説明したように本発明により、流体機
械周辺で消費される無駄なエネルギーを事前に把握する
ことができる。そして、現場で実際に流体機械を運転す
ることなく、インバータなどを活用した回転数調節によ
ってもたらされる省エネルギー量を、簡便に試算でき
る。従って、インバータなどを導入する場合の投資対効
果又は費用対効果が事前に簡易に明らかになるため、省
エネルギーを市場に浸透させやすい。
【0116】次に、本発明に係る流体機械の特性表示方
法及び表示物の実施の形態を、図面に基づいて説明す
る。
【0117】図37は、モータ(三相誘電電動機)駆動
型の渦巻ポンプに適用した例を示すもので、一番外の四
角で囲っている線10の内側は、例えばカタログの紙面
等の表示物を構成する平面11で、この平面(表示物)
11内に下記のQ−H特性を示す曲線12及び消費電力
に関連する情報14,15等が記載されている。
【0118】前記平面11内には、横軸に吐出し量、立
軸に全揚程の目盛りを取ったQ−H特性を示す曲線(Q
−H特性曲線)12が、モータに加えられる周波数毎
に、この例では9本記載され、各曲線12の近傍に、モ
ータ(ポンプ)の運転周波数13が数字で記載されてい
る。これらのQ−H特性曲線12は、全てが実測データ
であっても良く、また下記の関係式(1)に基づいた計
算値で表示しても良い。 Q∝N H∝N N∝F W∝N ・・・・・(1) ここに、Q:吐出し量、H:全揚程、N:回転数、F:
周波数、W:消費電力 前記各Q−H特性曲線12の近傍には、消費電力に関す
る情報としての概略消費電力14と概略年間電力料金1
5が数字で記載されている。ここに、同一周波数であっ
ても、消費電力(電力料金)は運転点、即ち吐出し量に
よって異なるが、この例では、最大負荷となる吐出し量
(但し、商用電源駆動時のポンプ選定範囲内)における
消費電力(電力料金)を代表値として、Q−H特性曲線
12の側に記載した例を示している。
【0119】即ち、周波数50HzにおけるQ−H特性
曲線12の近傍には、周波数50Hzの商用電源を直接
モータに供給した場合の概略消費電力14aと概略年間
電力料金15aを記載してあり、それ以外の周波数にお
けるQ−H特性曲線12の近傍には、インバータを使用
した場合のインバータ損失を含めた概略消費電力14b
と概略年間電力料金15bを前記周波数50Hzの場合
と比較した削減量として記載している。
【0120】例えば、商用電源50Hzで運転した場合
の最大負荷点吐出し量における概略消費電力は10.5
0kwであり、これに基づき、稼働時間8400h/
年、電力料金13円/kwhで算出した概略年間電力料
金は、1,150,000円である。一方、インバータ
を使用して、例えば周波数45Hzで運転した場合の概
略消費電力は、前記商用電源50Hzで運転した場合に
比べて2.46kw削減され、概略年間電力料金は、2
69,000円削減されることを示している。前記平面
(表示物)11には、同時にインバータの価格16が、
この例では498,000円として記載されている。こ
れにより、前述のように、商用電源50Hzの代わりに
インバータを使用して周波数45Hzで運転した場合に
は、1.85年(489,000/269,000)で
インバータ単体の投資(又は費用)を回収できることが
判る。
【0121】ここに、稼働時間や電力料金(kwh単
価)は、各々の現場、地域によって異なり、また投資
(又は費用)にはインバータの取付け費用などが必要と
なる点も考慮する必要があるが、従来のポンプの特性表
示(物)に比べれば、圧倒的に投資対効果又は費用対効
果の算出が容易となる。前記平面(表示物)11には、
商用電源駆動時のポンプの選定範囲17が破線で囲まれ
て示されており、これにより、1クラス容量の小さなポ
ンプへの取替えについても、その可能性を検討しやすく
なっている。なお、1クラス容量の小さなポンプのカタ
ログの紙面等の表示物を構成する平面にも、前記と同様
な表示がある。なお、図示していないが、平面(表示
物)11にポンプの価格も表示すれば、1クラス容量の
小さなポンプへの取替えと、インバータの増設との投資
対効果も比較し易くなる。さらに、前記平面(表示物)
11には、消費電力に関連する情報の算出条件18が記
載されており、この例では、稼働時間8400h/年、
電力料金13円/kwhとして記載されている。これに
より、稼働時間等が異なる場合は、その分を考慮した単
純な乗除計算をすれば良い。
【0122】次に、図37及び図38を参照して、イン
バータ導入の簡易的投資対効果又は費用対効果の計算例
を示す。図38は、図37の平面(表示物)11に緊急
時のみに必要となるポンプの要項19の一例を2重丸
で、日常必要なポンプ要項20の一例を1重丸で示した
ものである。なお、このケースは、ほとんどの運転状態
(要項)を考えた場合には、1クラス下の容量のポンプ
で十分であるが、緊急時の要項を考慮してポンプを選定
している。
【0123】日常必要な要項の稼働時間が6000h/
年であり、電力料金が20円/kwhであったとする。
この時、運転周波数は40Hzで良いため、消費電力は
インバータを使用しない場合に比べて、図37および図
38より4.86kw削減できることがわかる。すると
電力料金は、年間で 4.86kw×6000h/年×20円/kwh=58
3,200円 削減できる計算となる。インバータの価格は498,0
00円であるから、インバータの取付け費を考慮して
も、約1年で投資を回収できる。このように、本発明に
よれば、極めて短時間にインバータ導入の投資対効果を
把握することができる。
【0124】図39は、本発明に係る流体機械の特性表
示方法及び表示物の第2の実施の形態を示すもので、こ
れは、消費電力についての情報を更に詳細に記載したも
のである。即ち、電力に関する情報である概略年間電力
料金15をQ−H特性曲線12の近傍に記載すると同時
に、モータに加えられる各周波数毎の消費電力と吐出し
量との関係を示す複数の曲線(消費電力曲線)21を別
途追加し、この曲線21の近傍に削減率(%)22と第
1の実施形態と同様な概略消費電力14を数字で記載し
たものである。この実施の形態によれば、インバータ導
入(増設)の投資対効果又は費用対効果や省エネルギー
の絶対量を精度高く試算したい場合に、消費電力曲線2
1を読みとることで、これを実現することができる。
【0125】図40は、本発明に係る流体機械の特性表
示方法及び表示物の第3の実施の形態を示すもので、こ
れは、前記Q−H特性曲線12と、回転数(周波数)と
吐出し量によってほぼ決定される消費電力毎の複数の等
消費電力曲線23とを同一座標系に表示したものであ
る。等消費電力曲線23を破線により表示し、該曲線2
3の近傍に年間電力料金24を数字で記載している。こ
の実施の形態によれば、前記図37に示すグラフと図3
9に示すグラフを1枚のグラフにまとめた効果がある。
【0126】次に、交流商用電源によって駆動される場
合のモータ付き流体機械の流量−圧力特性及び流量−消
費電力のデータを入力することによって、図37乃至図
40に示す表示物または消費電力読取り線図が得られる
ようにしたコンピュータによる演算・作画システムを説
明する。上記演算・作画システムのハードウエア構成
は、図1に示すハードウェア構成と同様である。演算・
作画システムは、システム全体を統括的に制御する主制
御部1と、主制御部1に接続された主記憶装置2とを備
えている。主制御部1は、制御装置3と演算装置4とか
ら構成されている。主制御部1には、キーボードやマウ
ス等からなる入力装置5と、プリンタやディスプレイ等
からなる出力装置6とが接続されている。図1におい
て、太い矢印はデータやプログラムの流れを示し、細い
矢印は制御信号の流れを示す。主制御部1は、オペレー
ティングシステム等の制御プログラム、表示物の作画手
順を規定したプログラム、および所要データを格納する
ための内部メモリを有しており、これらプログラム等に
より、表示物を作成するための演算工程および作画工程
を実現している。主記憶装置2は、ハードディスクやフ
レキシブルディスク、あるいは光ディスク等からなって
いる。
【0127】図41は、図1に示す演算・作画システム
における処理フローの概略を示す概略処理フロー図であ
る。ステップ1において、交流商用電源によって駆動さ
れる場合のモータ付き流体機械のある回転数における流
量−揚程特性及び流量−消費電力特性のデータを入力装
置5に入力する。なお前記データは主記憶装置2にあら
かじめ記憶させておいてもよい。次に、ステップ2にお
いて、ステップ1で入力した回転数とは異なる複数の回
転数における流量−揚程特性及び流量−消費電力特性を
演算により求める。演算は前記関係式(1)によって行
なう。この場合、演算に代えて、各々の回転数の実測デ
ータを入力してもよい。次に、ステップ3において、流
体機械の稼働時間や単位消費電力量当りの電力料金を入
力する。次に、ステップ4において、異なる回転数にお
ける流量−揚程特性を複数の曲線で表示するとともに同
一面上に消費電力に関連する情報を出力装置6に表示す
る。この出力装置6は、前述したようにプリンタやLC
D等のディスプレイからなる。前記消費電力に関連する
情報には、図37乃至図40に示す各種情報が含まれ
る。
【0128】パーソナルコンピュータによる演算・作画
システムは、図36に示す構成と同様である。上記シス
テムは、図36に示すように、図1に示す主制御部1
(制御装置3と演算装置4とを含む)、主記憶装置2、
入力装置5、出力装置6の一部を構成するLCDを含む
パーソナルコンピュータPCと、上記プログラムを記録
した記録媒体としてのフロッピディスク(FD)又はC
D−ROMと、図1に示す出力装置6の一部を構成する
プリンタPRとを含んでいる。
【0129】本発明の実施の形態においては、流体機械
の特性を表示する面を平面として説明したが、連続した
面であれば、曲面であってもよい。また、この表示する
面は、カタログ等の紙面に限らず、LCD(液晶)等の
ディスプレイであってもよい。以上説明したように、本
発明によれば、流体機械の特性曲線を、例えはポンプや
インバータのカタログ等に記載することで、ユーザは、
面倒な計算を行うことなく、期待される省エネルギー効
果や初期投資の回収期間を簡単に把握することができ
る。従って、流体機械用インバータや最近一般的になっ
てきたインバータ実装ポンプの需要を喚起し、もって省
エネルギーを市場に浸透させる効果がある。
【0130】本発明は、流体機械の周辺で消費される無
駄なエネルギーを把握するシステムであり、冷温水循環
ポンプなどを使用する設備、給水ポンプなどを使用する
設備に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る流体機械の診断システムの
ハードウエア構成を示すブロック図である。
【図2】図2は本発明に係る流体機械の診断システムに
おける診断手順を説明する図であり、流体機械の特性曲
線を示す図である。
【図3】図3(a)及び図3(b)は本発明に係る流体
機械の診断システムにおける診断手順を説明する図であ
り、流体機械の特性曲線を示す図である。
【図4】図4(a)及び図4(b)は本発明に係る流体
機械の診断システムにおける診断手順を説明する図であ
り、流体機械の特性曲線を示す図である
【図5】図5(a)及び図5(b)は、本発明に係る流
体機械の診断システムにおける診断手順を説明する図で
あり、流体機械の特性曲線を示す図である。
【図6】図6は本発明に係る流体機械の診断システムに
おける診断手順を説明する図であり、流体機械の特性曲
線を示す図である。
【図7】図7は本発明に係る流体機械の診断システムに
おける診断手順を説明する図であり、流体機械の特性曲
線を示す図である。
【図8】図8は本発明に係る流体機械の診断システムに
おける診断手順を説明する図であり、流体機械の特性曲
線を示す図である。
【図9】図9は本発明に係る流体機械の診断システムに
おける診断手順を説明する図であり、流体機械の特性曲
線を示す図である。
【図10】図10は本発明に係る流体機械の診断システ
ムにおける診断手順を説明する図であり、流体機械の特
性曲線を示す図である。
【図11】図11は本発明に係る流体機械の診断システ
ムにおける診断手順を説明する図であり、流体機械の特
性曲線を示す図である。
【図12】図12は本発明に係る流体機械の診断システ
ムにおける診断手順を説明する図であり、流体機械の特
性曲線を示す図である。
【図13】図13は図1乃至図12に示す流体機械の診
断システムにおける処理フローの概略を示す概略処理フ
ロー図である。
【図14】図14は流体機械の性能調整装置を使用する
際の取付施工の第1の態様を示す側面図である。
【図15】図15は流体機械の性能調整装置を使用する
際の取付施工の第2の態様を示す側面図である。
【図16】図16(a)及び図16(b)は図14に示
す性能調整装置の詳細を示す図であり、図16(a)は
部分的に断面された正面図、図16(b)は側面図であ
る。
【図17】図17は図16(a)のXVII-XVII線断面図
である。
【図18】図18(a)及び図18(b)は図15に示
す性能調整装置の詳細を示す図であり、図18(a)は
部分的に断面された正面図、図18(b)は平面図であ
る。
【図19】図19は図18(a)のXIX-XIX線断面図で
ある。
【図20】図20(a)及び図20(b)は流体機械の
性能調整装置を使用する際の取付施工の第3の態様を示
す図であり、図20(a)は側面図、図20(b)は図
20(a)のXX矢視図である。
【図21】図21(a)及び図21(b)は図14乃至
図20に示す性能調整装置本体の別の実施態様であり、
図21(a)は正面図、図21(b)は側面図である。
【図22】図22は本発明に係る流体機械の診断システ
ムにおける診断手順を説明する図であり、流体機械の特
性曲線を示す図である。
【図23】図23は診断すべき対象の流体機械の運転現
場へ持ち込む器材の一例を示す概略図である。
【図24】図24は比速度に対するポンプの特性(流量
−揚程、流量−軸動力)を無次元で示すポンプ無次元特
性である。
【図25】図25は比速度−ポンプ効率特性を示す図で
ある。
【図26】図26(a)乃至図26(b)は、仮特性
を、現状運転時の揚程および消費電力と、流体機械効率
および電動機効率の想定値とを用いて算出した流量で補
正する場合におけるポンプ仮特性の想定段階とポンプ運
転点(流量)の特定と仮特性の補正段階を示す図であ
る。
【図27】図27(a)乃至図27(d)は、仮特性
を、現状運転時の揚程および消費電力と、流体機械効率
および電動機効率の想定値とを用いて算出した流量と、
締切運転時の揚程および消費電力で補正する場合におけ
るポンプ仮特性の想定段階とポンプ運転点(流量)の特
定と仮特性の補正段階を示す図である。
【図28】図28(a)乃至図28(d)は、仮特性
を、現状運転時の揚程および消費電力と、流体機械効率
および電動機効率の想定値とを用いて算出した流量と、
バルブ全開運転時の揚程および消費電力で補正する場合
におけるポンプ仮特性の想定段階とポンプ運転点(流
量)の特定と仮特性の補正段階を示す図である。
【図29】図29(a)乃至図29(d)は、仮特性
を、現状運転時の揚程および消費電力と、流体機械効率
および電動機効率の想定値とを用いて算出した流量と、
締切運転時およびバルブ全開運転時の揚程および消費電
力で補正する場合におけるポンプ仮特性の想定段階とポ
ンプ運転点(流量)の特定と仮特性の補正段階を示す図
である。
【図30】図30(a)乃至図30(d)は、仮特性と
現状運転時の揚程より運転点(流量)を特定し、現状消
費電力で前記仮特性を補正する場合におけるポンプ仮特
性の想定段階とポンプ運転点(流量)の特定と仮特性の
補正段階を示す図である。
【図31】図31(a)乃至図31(d)は、仮特性と
現状運転時の揚程より運転点(流量)を特定し、現状消
費電力及びバルブ全開時の揚程と消費電力で前記仮特性
を補正する場合におけるポンプ仮特性の想定段階とポン
プ運転点(流量)の特定と仮特性の補正段階を示す図で
ある。
【図32】図32は本発明に係る流体機械の省エネルギ
ー事前診断システムにおける診断手順を示す図であり、
流体機械の特性曲線を示す図である。
【図33】図33は本発明に係る流体機械の省エネルギ
ー事前診断システムにおける診断手順を示す図であり、
流体機械の特性曲線を示す図である。
【図34】図34は本発明に係る流体機械の省エネルギ
ー事前診断システムによって診断された結果を出力した
例を示す図である。
【図35】図35は図34のA部分を示す図である。
【図36】図36はパーソナルコンピュータによる流体
機械の省エネルギー事前診断システムの一例を示す概略
図である。
【図37】図37は本発明に係る流体機械の特性表示方
法及び表示物の第1の実施の形態の流体機械の特性を表
した図である。
【図38】図38はインバータ導入の簡易的投資対効果
の試算例の説明に付する図である。
【図39】図39は本発明に係る流体機械の特性表示方
法及び表示物の第2の実施の形態の流体機械の特性を表
した図である。
【図40】図40は本発明に係る流体機械の特性表示方
法及び表示物の第3の実施の形態の流体機械の特性を表
した図である。
【図41】図41は演算・作画システムにおける処理フ
ローの概略を示す概略処理フロー図である。
【図42】図42は従来のポンプ特性の表示例の一例を
示す図である。
【図43】図43(a)及び図43(b)は従来の他の
ポンプ特性の表示例の他の例を示す図である。
フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平10−310575 (32)優先日 平成10年10月30日(1998.10.30) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 川畑 潤也 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 上井 圭太 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 宮崎 義晶 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 飯島 克自 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 玉井 広巳 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 Fターム(参考) 3H020 AA01 BA00 CA00 CA01 CA03 CA05 CA08 DA00 EA12 EA16 3H045 AA05 AA09 AA12 AA23 BA19 BA32 CA09 CA21 DA07 EA13 EA17 EA26 FA02 FA15 FA25

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流商用電源によって駆動される場合の
    モータ付流体機械の流量−圧力(揚程)及び流量−消費
    電力のデータと設備側の計画要項(流量−圧力)を入力
    する手段と、 流量がゼロの場合の管路抵抗(実揚程)を入力又は仮定
    する手段と、 周波数変換器を用いて流体機械の回転数を低下させた場
    合の消費電力の削減効果を演算する手段と、 演算結果を表示させる処理手段とを備えたことを特徴と
    するコンピュータによる流体機械の省エネルギー事前診
    断システム。
  2. 【請求項2】 交流商用電源によって駆動される場合の
    モータ付流体機械の流量−圧力(揚程)及び流量−消費
    電力のデータと設備側の計画要項(流量−圧力)を入力
    し、かつ流量がゼロの場合の管路抵抗(実揚程)を入力
    又は仮定することにより、 周波数変換器を用いて流体機械の回転数を低下させた場
    合の消費電力の削減効果を演算する機能と、 演算結果を表示させる機能とを、 コンピュータに実現させるためのプログラムを記録した
    コンピュータ読取可能な記録媒体。
  3. 【請求項3】 回転数によって異なる流体機械の流量−
    圧力特性を同一面上に複数の曲線によって表示するとと
    もに、消費電力に関連する情報を前記面上に表示するこ
    とにより、期待される省エネルギー効果を簡単に把握さ
    せることを特徴とする流体機械の特性表示方法。
  4. 【請求項4】 前記流量−圧力特性を表す各々の曲線の
    側に前記消費電力に関連する情報を数字を用いて表示す
    ることを特徴とする請求項3に記載の流体機械の特性表
    示方法。
  5. 【請求項5】 流体機械の一定回転数の下での標準選定
    範囲を前記面上に更に表示することを特徴とする請求項
    3または4に記載の流体機械の特性表示方法。
  6. 【請求項6】 前記消費電力に関連する情報として、電
    力料金または電力料金の削減量の少なくとも一方を前記
    面上に表示することを特徴とする請求項3乃至5のいず
    れかに記載の流体機械の特性表示方法。
  7. 【請求項7】 流体機械の価格または回転数を変化させ
    るために必要な機器の価格の少なくとも一方を前記面上
    に更に表示することを特徴とする請求項3乃至6のいず
    れかに記載の流体機械の特性表示方法。
  8. 【請求項8】 消費電力に関連する情報の算出条件を前
    記面上に更に表示することを特徴とする請求項3乃至7
    のいずれかに記載の流体機械の特性表示方法。
  9. 【請求項9】 請求項3乃至請求項8のいずれかに記載
    の流体機械の特性表示方法を用いて流体機械の特性を表
    示した販売資料。
  10. 【請求項10】 回転数によって異なる流体機械の流量
    −圧力特性をカタログ等に代表される販売資料の同一面
    上に複数の曲線によって表示するとともに、消費電力に
    関連する情報を前記販売資料の面上に同時に表示するこ
    とにより、期待される省エネルギー効果が簡単に把握で
    きることを特徴とする流体機械。
  11. 【請求項11】 回転数によって異なる流体機械の流量
    −圧力特性をカタログ等に代表される販売資料の同一面
    上に複数の曲線によって表示するとともに、消費電力に
    関連する情報を前記販売資料の面上に同時に表示するこ
    とにより、期待される省エネルギー効果が簡単に把握で
    きることを特徴とする流体機械の回転数を変化させるた
    めの機器。
  12. 【請求項12】 回転数毎の流体機械の流量−圧力特性
    を示す複数の曲線と、消費電力毎の流体機械の流量−圧
    力特性を示す複数の曲線を同一座標系に記載することに
    より、期待される省エネルギー効果を簡単に把握させる
    流体機械の消費電力読取り線図。
  13. 【請求項13】 交流商用電源によって駆動される場合
    のモータ付き流体機械の流量−圧力特性及び流量−消費
    電力のデータを入力する入力装置と、 異なる複数の回転数における流体機械の流量−圧力特性
    及び流量−消費電力を演算する演算装置と、 前記異なる回転数における流体機械の流量−揚程特性を
    同一面上に複数の曲線によって表示するとともに、消費
    電力に関連する情報を前記面上に表示して、請求項9に
    記載の販売資料を得る出力装置とを備えたことを特徴と
    するコンピュータによる演算・作画システム。
  14. 【請求項14】 交流商用電源によって駆動される場合
    のモータ付き流体機械の流量−圧力特性及び流量−消費
    電力のデータを入力する入力装置と、 回転数毎の流体機械の流量−圧力特性及び流量−消費電
    力を演算する演算装置と、 前記回転数毎の流体機械の流量−揚程特性を示す複数の
    曲線と、消費電力毎の流体機械の流量−圧力特性を示す
    複数の曲線を同一座標系に表示して、請求項12に記載
    の線図を得る出力装置とを備えたことを特徴とするコン
    ピュータによる演算・作画システム。
  15. 【請求項15】 請求項13又は14に記載の演算・作
    画システムをコンピュータに実現させるプログラムを記
    録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  16. 【請求項16】 入力された診断すべき対象の流体機械
    の所定の情報から、診断すべき対象の流体機械の流量−
    揚程特性に代表される特性を特定化し、前記特性に基づ
    いて前記流体機械の回転数を低下させた場合の消費電力
    の削減効果を算出する制御部と、 前記消費電力の削減効果を出力するためのデータを記憶
    する記憶装置とを備えたことを特徴とする流体機械の省
    エネルギー効果算出装置。
  17. 【請求項17】 入力された診断すべき対象の流体機械
    の所定の情報から、診断すべき対象の流体機械の流量−
    揚程特性に代表される特性を特定化し、 前記特性に基づいて前記流体機械の回転数を低下させた
    場合の消費電力の削減効果を算出し、 前記算出された消費電力の削減効果を実現する周波数変
    換器に代表される省エネルギー手段を選定することを特
    徴とする流体機械の省エネルギー手段の選定方法。
  18. 【請求項18】 ユーザの入力装置により入力された診
    断すべき対象の流体機械の所定の情報から、診断すべき
    対象の流体機械の流量−揚程特性に代表される特性を特
    定化し、前記特性に基づいて前記流体機械の回転数を低
    下させた場合の消費電力の削減効果を算出する制御部
    と、 前記消費電力の削減効果をユーザの出力装置に出力する
    ためのデータを記憶する記憶装置とを備えたことを特徴
    とする流体機械の省エネルギー効果算出装置。
  19. 【請求項19】 ユーザの入力装置により入力された診
    断すべき対象の流体機械の所定の情報から、診断すべき
    対象の流体機械の流量−揚程特性に代表される特性を特
    定化し、 前記特性に基づいて前記流体機械の回転数を低下させた
    場合の消費電力の削減効果を算出し、 前記算出された消費電力の削減効果を実現する周波数変
    換器に代表される省エネルギー手段を選定することを特
    徴とする流体機械の省エネルギー手段の選定方法。
  20. 【請求項20】 既設の流体機械に省エネルギー手段を
    導入することによって該流体機械の消費電力を削減し、
    流体機械の省エネルギー化を促進する方法であって、 診断すべき対象の流体機械の流量−揚程特性に代表され
    る特性を特定化し、 前記特性に基づいて前記流体機械の回転数を低下させた
    場合の消費電力の削減効果を算出し、 前記消費電力の削減効果に基づいて前記流体機械に省エ
    ネルギー手段を導入することを特徴とする流体機械の省
    エネルギー化促進方法。
  21. 【請求項21】 既設の流体機械に省エネルギー手段を
    導入することによって該流体機械の消費電力を削減し、
    流体機械の省エネルギー化を促進する方法であって、 診断すべき対象の流体機械の流量−揚程特性に代表され
    る特性を特定し、 特定された流体機械の特性を実際の運転点における流体
    機械の消費電力を入力することによって精度補正し、 前記補正された特性に基づいて前記流体機械の回転数を
    低下させた場合の消費電力の削減効果を算出し、 前記消費電力の削減効果に基づいて前記流体機械に省エ
    ネルギー手段を導入することを特徴とする流体機械の省
    エネルギー化促進方法。
  22. 【請求項22】 既設の流体機械に省エネルギー手段を
    導入することによって該流体機械の消費電力を削減し、
    流体機械の省エネルギー化を促進する方法であって、 診断すべき対象の流体機械の流量−揚程特性に代表され
    る特性を特定化し、 前記特性に基づいて前記流体機械の回転数を低下させた
    場合の消費電力の削減効果を算出し、 前記効果を実現する省エネルギー手段を前記流体機械に
    導入することを特徴とする流体機械の省エネルギー化促
    進方法。
  23. 【請求項23】 既設の流体機械に省エネルギー手段を
    導入することによって該流体機械の消費電力を削減し、
    流体機械の省エネルギー化を促進する方法であって、 診断すべき対象の流体機械の流量−揚程特性に代表され
    る特性を特定し、 特定された流体機械の特性を実際の運転点における流体
    機械の消費電力を入力することによって精度補正し、 前記補正された特性に基づいて前記流体機械の回転数を
    低下させた場合の消費電力の削減効果を算出し、 前記効果を実現する省エネルギー手段を前記流体機械に
    導入することを特徴とする流体機械の省エネルギー化促
    進方法。
  24. 【請求項24】 流体機械に省エネルギー手段を導入す
    ることによって該流体機械の省エネルギー化を促進する
    方法であって、 前記流体機械の特性を特定化し、 前記特性に基づいて前記流体機械の回転数を低下させた
    場合の省エネルギー効果を算出し、 前記省エネルギー効果に基づいて前記流体機械に省エネ
    ルギー手段を導入することを特徴とする流体機械の省エ
    ネルギー化促進方法。
  25. 【請求項25】 無駄なエネルギーを消費している流体
    機械の特性を特定化し、 前記特性に基づいて前記流体機械の回転数を低下させた
    場合の省エネルギー効果を算出し、 前記省エネルギー効果に基づいて前記流体機械に省エネ
    ルギー手段を導入することを特徴とする流体機械の省エ
    ネルギー化促進方法。
  26. 【請求項26】 無駄なエネルギーを消費している流体
    機械の特性を特定化し、 前記特性に基づいて前記流体機械の回転数を低下させた
    場合の省エネルギー効果を把握し、 前記省エネルギー効果を実現する省エネルギー手段を前
    記流体機械に導入することを特徴とする流体機械の省エ
    ネルギー化促進方法。
  27. 【請求項27】 既設のインバータのないモータ付き流
    体機械の所定の情報を入力することにより、流量−揚程
    特性に代表される流体機械の特性を特定化する特定化手
    段と、 該流体機械の運転状況を示す運転圧力(揚程)又は運転
    流量又は消費電力又は運転電流値を測定する測定手段
    と、 前記測定された測定結果と前記特定化した結果とを比較
    する比較手段と、 前記比較手段の比較結果から、該流体機械の消費電力の
    削減効果を算出する算出手段と、 前記効果を実現するインバータを表示する表示手段とを
    備えたことを特徴とする流体機械の省エネルギー化促進
    システム。
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