JP2003088706A - 固液分離装置及び固液分離方法 - Google Patents

固液分離装置及び固液分離方法

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JP2003088706A
JP2003088706A JP2001324193A JP2001324193A JP2003088706A JP 2003088706 A JP2003088706 A JP 2003088706A JP 2001324193 A JP2001324193 A JP 2001324193A JP 2001324193 A JP2001324193 A JP 2001324193A JP 2003088706 A JP2003088706 A JP 2003088706A
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liquid
tank
liquid separation
filtration
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English (en)
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Masujiro Arita
益二郎 有田
Noboru Yagi
昇 八木
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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Filtration Of Liquid (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃液発生現場処理可能な固液分離装置及び固
液分離方法の提供。 【解決手段】 凝集反応処理槽を含む固液分散槽の位置
を自在に昇降させることにより、固液分散槽内の、最も
処理が困難とされたフロアポリッシュ剥離廃液の凝集反
応処理物の如き難ろ過分離性固液分散液を、予めろ材を
選択して設けた特設濾過槽への移送を静態裏に行なうこ
とを可能にし、且つそのろ過工程のろ過速度を上げるた
めに固液分散槽内の液状に合わせて、予め設けられた排
出ノズルより、特定液層帯よりの引き抜き液体を、少な
くとも一段のろ材でろ過することを可能にしたろ過効率
の優れた廃液の固液分離装置及び固液分離方法である。
更に、必要に応じ高次処理ユニットと組み合わせ、ろ過
水を一貫処理して放流可能な水質とすることを可能にし
たものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、必ずしも固定設置
に拘らず廃液発生場所に移動して廃液或いは処理廃液を
固液分離し、放流可能な処理液とする固液分離装置及び
固液分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、有害物を含む濃厚な廃液等を不法
投棄したり、下水道や浄化槽に未処理のまま放流する如
き違法行為が後を絶たない現状である。これらの理由の
一つに、固液分離が難しい廃液が存在することが考えら
れる。特に、廃液量が少量の場合には、一般に汚濁成分
の濃度が高いにも拘わらず、環境への負荷がそれ程高く
ないだろうという不見識な発想の下に、それを行なうケ
ースが後を絶たず、結果として環境汚染の悪化に繋がっ
ている。これらの現状では放置できない実状に対し何ら
かの対策が求められている。
【0003】少量、高濃度の廃液を排出する業種には、
鍍金業、塗装業、印刷業、写真現像業、生コンクリート
製造業、ビルメンテナンス業、各種洗浄業、清掃業等多
岐に亘っている。とりわけ、ビルメンテナンス業におい
ては、多種類のフロア用樹脂系ワックス剥離剤が使用さ
れ剥離廃液の発生も増加している。中には少量のワック
ス剥離液を使用することにより、効率的な剥離作業が可
能になった反面、発生するフロアポリッシュ剥離廃液中
の汚濁成分濃度が高くなり、発生する剥離廃液の処理が
益々困難になっている。
【0004】現在、ビルメンテナンス業界で排出される
フロアポリッシュ剥離廃液は、産業廃棄物に指定されて
おり、その量は年間約50,000トン以上にのぼって
いる。ところが廃液の発生場所としては、主としてビル
やスーパーマーケットの内部であるため、現場に処理装
置を搬入するに際して、搬入移動操作の困難に加え、廃
液処理装置の稼動スペースも制限されて、従来より行な
われて来た方法では対処出来ない状況下に立ち至ってい
る。
【0005】即ち、このような廃液中には汚濁成分量が
極めて多く、且つ凝集時に粘着性の凝集物粒子として発
生したり、或いはこれらの凝集物粒子が更に互いに合融
して、全体として一体化する傾向を示す場合が多く、固
液分離に際し通常の処理方法では正常に対処できない。
このような粘着性凝集物の固液分離には、一旦回収後時
間を掛けて自然沈降分離が行われるが、更に凝集物から
の脱水工程において脱水助剤を投入するとか、更に凝集
を促進する高分子系凝集剤を添加するなど、長時間の沈
降分離の為の保持時間や手間とコストが高くなり種々問
題を抱えていると言わざるを得ない。
【0006】従って、全体的に見れば処理に相当の時間
を要するのみならず、反応及び滞留時間の長時間化など
満足すべき状態ではない。装置も複雑で、大きなスペー
スを要するため、廃液発生現場への処理装置の搬入は到
底困難である。結果的に廃液を廃棄物処理業者に高い費
用を支払って引き渡さざるを得ず、この負担を減らすた
め、剥離作業が夜間に行なわれる等の業務の特性と相俟
って、その大半が不法に下水道や周辺の河川につながる
雨水桝等に投棄されている懸念がある。
【0007】従来、小型の処理装置も種々提案されてい
るが、前記のように凝集処理後の混合液をろ過すること
自体が困難であるだけでなく、ろ過ユニットに設置する
ためには相当の高さを必要とする。又、廃液発生現場へ
の搬入の過程で装置全体の高さに制約が生じ、これらを
解決する方法として各操作ユニット間での液体輸送にポ
ンプを採用すると、分離対象の生成凝集物が壊れ処理が
不可能となる場合が多い。例え、壊れない場合でも余分
なスペースが必要で、装置全体の重量が重くなるという
問題がある。このような理由により、最終的に実用化さ
れるに至らず、廃液発生現場に搬入して短時間内に、安
定に、しかも簡易に廃液を処理し得る、優れた廃液処理
装置が期待されているのが実状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】現場発生型の代表的な
廃液であるフロアポリッシュ剥離廃液をより効率的に処
理でき、又生成するスラッジを簡易に回収する装置が開
発されれば、ビルメンテナンス業界において不法投棄さ
れているフロアポリッシュ剥離廃液が少しでも適正に処
理される可能性が高く、同時に回収スラッジの有する高
いカロリーを例えばセメント製造用の燃料等として使う
などの用途も考えられる。即ち、公害対策が後ろ向きの
投資に見られがちな状態から、資源化という前向きの投
資に変わる方向として業界にも受け入れられ易く、ゼロ
エミッションの実現に貢献できるものと予想される。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な観点から鋭意研究した結果、廃液発生現場において、
廃液中の汚濁成分を効率的にスラッジとし、これを簡易
に回収することが出来、しかもコンパクトサイズにして
現場へ容易に搬入できる固液分離装置の開発を目指し
た。この結果、現場で簡易に廃液を処理できる装置で、
ろ過性が良好で回収内容物も容易に取り出せ、濾過布も
適宜選択出来て洗浄再利用可能な実用性のある廃液処理
機能を有した固液分離装置を発明した。更に、分離した
ろ液は必要に応じ高次処理するユニットと組み合わせる
ことにより下水道や浄化槽に放流可能なレベルまで処理
可能であることを確認し、本願の特許出願を行なうに至
った。
【0010】即ち、本発明は設置位置を選択可能な固液
分散槽、少なくと1基のろ過槽より構成される事を特徴
とする固液分離装置であり、主として固液分散液或いは
廃液を凝集反応処理した固液分散液を対象とした廃液処
理に適した固液分離装置に関するものである。さらに、
固液分散槽が凝集反応処理槽の場合、適当な液体排出用
ノズルを設け、適宜排出部の液層を選定し、予め設定し
た少なくとも1基のろ過槽に移行させて固液分離操作を
行なう機能を併有するので処理効率を向上出来る特徴が
ある。又、ろ材の選択配置により対象水の性状に即した
ろ過機能で対処出来る為、実用性に優れた装置で難ろ過
性の固液分離装置に関するものである。
【0011】本発明は、固液分散液とりわけ凝集反応処
理液を簡易ろ過するために、少なくとも一つろ過ユニッ
トに、ろ材を処理水の流下方向に配した波板状の支持体
上に共に近接して設けられている。ろ過の効率を追求し
た結果、該波板状支持体の凸部の高さは波板状支持体の
凸部間の距離と同等又はそれより大きいものから構成さ
れている場合が好ましいことを確認した。特に、該ろ過
槽に、100〜200メッシュの一段ろ過材と、10〜
60ミクロンの織布又は不織布からなる二段ろ過材を用
いる場合、一般のフロアポリッシュ剥離廃液処理に極め
て良く適応出来るものである。さらに、簡易ろ過後の液
体を引き続き高次処理するに際し、予備ろ過、精密ろ
過、活性炭吸着の少なくとも一つから構成される高次処
理ユニットを経由すれば完全なる廃液処理装置及び方法
として活用出来るものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の固液理分離装置及び廃液
処理方法の出現により、汚濁成分を多量に含む難分離性
の固液分散廃液の発生現場での処理に威力を発揮し、と
りわけビルメンテナンス業界で排出されるフロアポリッ
シュ剥離廃液の現場においては効率的でかつ簡易に処理
することが出来るようになったことは、極めて画期的な
ことである。
【0013】本発明の第一の特徴は、固液分散液や凝集
反応処理槽を含む処理ユニットを自在に昇降できる機能
を底部に設け、固液分離操作工程では位置を高くして固
液分散混合物を静態下にろ過槽に排出移送し、その一部
又は全部をろ過することが出来る。又、処理現場への搬
入に際しては、あたかも折りたたむが如くに装置をコン
パクトにして、ワゴン車のような小さな車で運搬し、現
場で必要の対応で作業体制が組み立てられることでも機
能性を向上させた点にある。
【0014】本発明の第二の特徴は、固液分散槽の分離
状況に合わせ槽内の選択的液層より排出出来るノズルを
適宜設け、必要に応じ部分的に移送してろ過槽に導き、
固液分離の効率を向上させた点にある。具体的には、例
えば凝集反応処理槽の底部と中間部に排出用ノズルを設
け、先ず、中間部のノズルからそれより上の液体を予め
排出してろ過槽に導き、次いで低部のノズルから残った
液体混合物を全量排出してろ過槽に移送することによ
り、凝集反応処理槽中にて既に固形物が沈降しているよ
うな場合に、分離作業が効率的に行なわれ所要時間を著
しく短縮できる。もし、凝集反応処理液混合物を一挙に
ろ過ユニットに送った場合、ろ過布が目詰まりしてしま
うと、継続的なろ過が困難となる。
【0015】本発明の第三の特徴は、固液分散液例えば
凝集反応処理液を簡易ろ過するための少なくとも一つの
濾過槽が、ろ材を流下方向に凹凸状の波板状に配置する
ことにより、ろ過性の悪い固液分散混合物はろ過工程で
機能的に固液分離できる。即ち、液の移動中に配置した
ろ材の凹部に優先的に固形物が溜まって分離され、他の
部分のろ過性を良好な状態に保つことが出来る為に、目
詰まりが少なく、ろ過時間が大幅に短縮されるのであ
る。この場合、ろ材を予め設けた波板状のろ材支持体と
共に近接して配置するのが効率的で好ましい。この際、
該波板状支持体の凸部の高さは個々の配列波板状支持体
の凸部間の長さと同等又はそれより大きいものから構成
されていなければろ過効率がそれ程改善されない。
【0016】さらに本発明では、主として対象とするフ
ロアポリッシュ剥離廃液処理の分野では、多段ろ過を必
要とするので、該ろ過材として100〜200メッシュ
の一段ろ過材と、10〜60ミクロンの織布又は不織布
からなる二段ろ過材を用いることにより、大きい粒子を
優先的に一段ろ過材で補足させて、二段ろ過材への負荷
を軽減し、トータルのろ過を効率的に行なわせることが
出来る点を確認している。ここで用いることの出来る1
00〜200メッシュの一段ろ過材の例を示すと、金網
やネットなど、一般に使用されている極めて安価なもの
で充分対処出来、10〜60ミクロンの織布又は不織布
からなる二段ろ過材としては、ポリエステル、ポリプロ
ピレン、レーヨン等の不織布や綿や合成繊維の織物等が
用いられる。
【0017】又、固液分離操作のみでは下水道等に放流
出来ない場合が多く、これを高次処理するためのユニッ
トと連結して最終処理を完成させることも出来、これも
本発明の装置の特徴である。通常は、予備ろ過、精密ろ
過に続き活性炭吸着等の高次処理は一般に行なわれてい
るが、発生現場でこのような処理ユニットのみでの廃液
処理では、短時間に発生する目詰まりや破過で事実上処
理は不可能である。この点、本発明の固液分散液や凝集
処理による固液分散液を続くろ過槽でろ過することより
前処理効果が確実に達成され、相乗的に後段の高次処理
を効率的に行なうことができるのである。即ち、一次処
理と高次処理を組み合わせた形のコンパクトな装置とし
て現場に搬入出来、廃液を放流可能なレベルまで処理で
きる装置及び固液分離方法を提供した点が本発明のトー
タルの特徴である。
【0018】本発明で採用する固液分散槽の位置を必要
に応じ自在に昇降するには、簡易には当該槽を積載でき
る架台に設置し、この架台を例えば、ハンドリフター、
油圧で作動するジャッキ、手動ハンドルで架台を持ち上
げる如く組み込むことが出来る。一方、必要に応じ電動
式にすることも可能である。一般に、装置の荷重に十分
耐えて上下に自在に昇降できるもので、最小に縮めた状
態で運搬が容易なものであれば、固液分散槽に一体化し
たものでも、又、分割されたものでもよく、特に限定さ
れるものでは無い。
【0019】以上に述べた本発明の固液分離装置の例と
してその構成を示すと、図1に示す通りである。固液分
散槽として、例示では攪拌機を有する凝集反応分離槽
1、廃液導入ポンプ2、pH指示調整ユニット3、薬液
定量注入ポンプ4、ろ過槽5、処理液移送ポンプ6から
構成され、凝集反応分離槽の底部に上下に自在に伸縮で
きるの架台を設け、ノズルからの排出時のみ位置を変化
させて処理水の排出を容易にするようにしたものであ
る。図2は本発明装置の一部であるろ過槽の構成例を示
すもので、躯体5aに一体として取り付けられた二段目
の波型支持体5bとこれに近接して共に配置されたろ材
5c並びに予備的に設けられた一段目のろ過材5dを示
している。
【0020】本発明により、当面の問題となっているビ
ルメンテナンス業界等におけるフロアポリッシュ剥離廃
液の不法投棄や垂れ流し問題を根本的に解決し、ISO
14001認証取得やPRTR法への対応も可能にな
り、地球環境保護に大きく貢献出来るものである。
【0021】以下、実施例を示して本発明を説明する。
【実施例】実施例1 廃液導入ポンプ、攪拌機を有する有効容量100Lの凝
集反応分離槽、pH指示調整ユニット、薬液定量注入ポ
ンプ、ろ過槽、処理液移送ポンプから構成された図1に
示したる固液分離装置を製作し高さを縮めた状態でワゴ
ン車に積載してビルのフロアポリッシュ剥離現場に搬入
した。これに高次処理ユニットを接続してから処理を行
った。この場合、ろ過槽に100メッシュのナイロンネ
ットをセットした一段ろ過と30ミクロンのポリエステ
ル繊維の不織布をセットした二段ろ過を行い、約100
Lのろ過液貯留槽に処理水を貯留するものとした。
【0022】先ず、フロアポリッシュ剥離廃液(pH:
10.3、SS:34,000mg/L、COD:3
2,000mg/L、n−ヘキサン抽出物質:3,80
0mg/L、亜鉛:980mg/L)を廃液導入ポンプ
により、予め、70Lに達した時点で自動的にポンプが
停止するようにし凝集反応槽に送り込んだ。攪拌を開始
し、(株)ノアテック社製の合融阻止剤(商品名『スー
パーナミット』TN328S)を1.4kg添加して十
分混合させながら、薬液定量注入ポンプを用いて、50
%硫酸の1.6Lを4分間かけて添加することにより中
和が完了し、粒状の固形物を含むスラリー状物が形成さ
れた。
【0023】このスラリー状物に、ミヨシ油脂(株)の
重金属捕集剤(商品名『エポフロック』L−1)を0.
2L添加して1分間攪拌した後、(株)ノアテック社製
の無機系粉末凝集剤(商品名『スーパーナミット』TN
315NY)を0.2kg添加して攪拌を引き続き2分
間継続したところ、粒状物が凝集して大きなフロックを
形成した。攪拌を停止して、凝集反応槽ユニットをハン
ドリフターで約700mm持ち上げた後、凝集反応槽の
下部のバルブを開き、ホースを通して上記のろ過槽に、
オーバーフローしないようバルブの開度を調整しながら
反応生成物を排出させた。
【0024】ろ過槽においては、一段ろ過、二段ろ過が
同時に行なわれ、最終段階で、ナイロンネット及びポリ
エステル繊維の不織布を手で十分に圧搾することにより
ろ過が完結し、ろ過液貯留槽に淡黄色透明なろ過液が約
50L得られた。又、ナイロンネット及びポリエステル
繊維の不織布により捕捉された固形物はそれぞれ、18
kg及び2kgであった。処理液移送ポンプを用いて、
このろ過液を1μ以上の粒子を除去し得るポリプロピレ
ン製糸巻きフィルター、0.2μ以上の微粒子を除去し
得るポリエチレン中空糸膜製精密ろ過膜カートリッジを
装着したろ過塔に送り込み、引き続き粒状活性炭を充填
した活性炭吸着塔により処理することにより、無色透明
な処理水が得られた。
【0025】水質を分析したところ、簡易ろ過液の方
は、pH:7.3、SS:5.4mg/L、COD:1
970mg/L、n−ヘキサン抽出物質:9.0mg/
L、亜鉛:5mg/L以下であった。又、高次処理水
は、pH:7.3、SS:0mg/L、COD:110
mg/L、n−ヘキサン抽出物質:4.5mg/L、亜
鉛:5mg/L以下で放流可能な処理水と確認出来た。
【0026】実施例2 実施例1において、凝集反応分離槽からろ過ユニットに
排出するにあたり、凝集反応分離槽の中間部に取り付け
たバルブを開き、先ず、上層の約70%の反応生成物を
ろ過ユニットに排出させ、次いで、底部のバルブを開く
ことにより残りを全量排出させる方法でろ過を行なった
以外は、実施例1と全く同様に行なったところ、ろ過に
要する作業時間が1/3以下に短縮され、固形物は、ナ
イロンネット上に大部分が回収され、ポリエステル繊維
の不織布には捕捉されたのは、僅か0.5kg程度に過
ぎなかった。即ち、このような排出方法により、ろ過作
業性が改善され、ポリエステル繊維の不織布への負荷も
軽減されることが判明した。
【0027】実施例3 実施例2において、二段ろ過部としてポリエステル繊維
の不織布をセットするにあたり、支持体として、目開き
約2mmのステンレス製金網を波板状に加工して、凸部
の高さが180mm、凹部間の距離100mmになるよ
うにした幅500mm、長さ600mmのものを置き、
その上にポリエステル繊維の不織布を支持体に密着する
ようにしたものを用いた以外は、実施例3と全く同様に
行なったところ、二段ろ過の時間が1/2以下に短縮さ
れ、ろ過作業性がさらに改善されることが判明した。
【0028】
【発明の効果】本発明は、廃液の発生現場に本発明の固
液分離装置を搬入し、高濃度に分散状態の廃液を凝集処
理した後、特殊な簡易ろ過槽により凝集物を分離すると
共に、更に他に別途用意した高次処理装置と連結して、
ろ過水を直接下水道や浄化槽に放流可能な水質とするこ
とが出来る極めて簡便な装置及び固液分離方法を提供す
るものである。
【0029】本発明で特徴とする凝集反応処理槽を含む
固液分散槽を自在に昇降できる架台に積載し、該固液分
散槽の位置を変化させて位置を変更し液体混合物を出来
るだけ静態裏に移送させるに際し、当該固液分散槽であ
る凝集反応処理槽の底部と中間部に排水用ノズルを設
け、先ず、中間部のノズルからそれより上の液体を予め
排出し、次いで低部のノズルから残った液体混合物を全
量排出せしめる如くして、特殊な簡易ろ過を行なうこと
を可能とした。従って、従来現場では処理が困難であっ
たフロアポリッシュ剥離廃液のような濃厚な廃液を廃棄
物処理業者へ引き渡すことなく、現場で処理をすること
ができることは極めて画期的なことであり、公害対策、
地球環境保護に寄与出来ること極めて大であるものと確
信する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固液分離装置の一例を示すものであ
る。
【図2】本発明の一部であるろ過槽の構造とろ材構成の
一例をを示すものである。
【手続補正書】
【提出日】平成14年4月4日(2002.4.4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項13
【補正方法】追加
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、必ずしも固定設置
に拘らず廃液発生場所に移動して廃液或いは処理廃液を
固液分離し、放流可能な処理液とする固液分離装置及び
固液分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、有害物を含む濃厚な廃液等を不法
投棄したり、下水道や浄化槽に未処理のまま放流する如
き違法行為が後を絶たない現状である。これらの理由の
一つに、固液分離が難しい廃液が存在することが考えら
れる。特に、廃液量が少量の場合には、一般に汚濁成分
の濃度が高いにも拘わらず、環境への負荷がそれ程高く
ないだろうという不見識な発想の下に、それを行なうケ
ースが後を絶たず、結果として環境汚染の悪化に繋がっ
ている。これらの現状では放置できない実状に対し何ら
かの対策が求められている。
【0003】少量、高濃度の廃液を排出する業種には、
鍍金業、塗装業、印刷業、写真現像業、生コンクリート
製造業、ビルメンテナンス業、各種洗浄業、清掃業等多
岐に亘っている。とりわけ、ビルメンテナンス業におい
ては、多種類のフロア用樹脂系ワックス剥離剤が使用さ
れ剥離廃液の発生も増加している。中には少量のワック
ス剥離液を使用することにより、効率的な剥離作業が可
能になった反面、発生するフロアポリッシュ剥離廃液中
の汚濁成分濃度が高くなり、発生する剥離廃液の処理が
益々困難になっている。
【0004】現在、ビルメンテナンス業界で排出される
フロアポリッシュ剥離廃液は、産業廃棄物に指定されて
おり、その量は年間約50,000トン以上にのぼって
いる。ところが廃液の発生場所としては、主としてビル
やスーパーマーケットの内部であるため、現場に処理装
置を搬入するに際して、搬入移動操作の困難に加え、廃
液処理装置の稼動スペースも制限されて、従来より行な
われて来た方法では対処出来ない状況下に立ち至ってい
る。
【0005】即ち、このような廃液中には汚濁成分量が
極めて多く、且つ凝集時に粘着性の凝集物粒子として発
生したり、或いはこれらの凝集物粒子が更に互いに合融
して、全体として一体化する傾向を示す場合が多く、固
液分離に際し通常の処理方法では正常に対処できない。
このような粘着性凝集物の固液分離には、一旦回収後時
間を掛けて自然沈降分離が行われるが、更に凝集物から
の脱水工程において脱水助剤を投入するとか、更に凝集
を促進する高分子系凝集剤を添加するなど、長時間の沈
降分離の為の保持時間や手間とコストが高くなり種々問
題を抱えていると言わざるを得ない。
【0006】従って、全体的に見れば処理に相当の時間
を要するのみならず、反応及び滞留時間の長時間化など
満足すべき状態ではない。装置も複雑で、大きなスペー
スを要するため、廃液発生現場への処理装置の搬入は到
底困難である。結果的に廃液を廃棄物処理業者に高い費
用を支払って引き渡さざるを得ず、この負担を減らすた
め、剥離作業が夜間に行なわれる等の業務の特性と相俟
って、その大半が不法に下水道や周辺の河川につながる
雨水桝等に投棄されている懸念がある。
【0007】従来、小型の処理装置も種々提案されてい
るが、前記のように凝集処理後の混合液をろ過すること
自体が困難であるだけでなく、ろ過ユニットに設置する
ためには相当の高さを必要とする。又、廃液発生現場へ
の搬入の過程で装置全体の高さに制約が生じ、これらを
解決する方法として各操作ユニット間での液体輸送にポ
ンプを採用すると、分離対象の生成凝集物が壊れ処理が
不可能となる場合が多い。例え、壊れない場合でも余分
なスペースが必要で、装置全体の重量が重くなるという
問題がある。このような理由により、最終的に実用化さ
れるに至らず、廃液発生現場に搬入して短時間内に、安
定に、しかも簡易に廃液を処理し得る、優れた廃液処理
装置が期待されているのが実状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】現場発生型の代表的な
廃液であるフロアポリッシュ剥離廃液をより効率的に処
理でき、又生成するスラッジを簡易に回収する装置が開
発されれば、ビルメンテナンス業界において不法投棄さ
れているフロアポリッシュ剥離廃液が少しでも適正に処
理される可能性が高く、同時に回収スラッジの有する高
いカロリーを例えばセメント製造用の燃料等として使う
などの用途も考えられる。即ち、公害対策が後ろ向きの
投資に見られがちな状態から、資源化という前向きの投
資に変わる方向として業界にも受け入れられ易く、ゼロ
エミッションの実現に貢献できるものと予想される。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な観点から鋭意研究した結果、廃液発生現場において、
廃液中の汚濁成分を効率的にスラッジとし、これを簡易
に回収することが出来、しかもコンパクトサイズにして
現場へ容易に搬入できる固液分離装置の開発を目指し
た。この結果、現場で簡易に廃液を処理できる装置で、
ろ過性が良好で回収内容物も容易に取り出せ、濾過布も
適宜選択出来て洗浄再利用可能な実用性のある廃液処理
機能を有した固液分離装置を発明した。更に、分離した
ろ液は必要に応じ高次処理するユニットと組み合わせる
ことにより下水道や浄化槽に放流可能なレベルまで処理
可能であることを確認し、本願の特許出願を行なうに至
った。
【0010】即ち、本発明は設置位置を選択可能な固液
分散槽、少なくと1基のろ過槽より構成される事を特
徴とする固液分離装置であり、主として固液分散液或い
は廃液を凝集反応処理した固液分散液を対象とした廃液
処理に適した固液分離装置に関するものである。さら
に、固液分散槽が凝集反応処理槽の場合、適当な液体排
出用ノズルを設け、適宜排出部の液層を選定し、予め設
定した少なくとも1基のろ過槽に移行させて固液分離操
作を行なう機能を併有するので処理効率を向上出来る特
徴がある。又、ろ材の選択配置により対象水の性状に即
したろ過機能で対処出来る為、実用性に優れた装置で難
ろ過性の固液分離装置に関するものである。
【0011】本発明は、固液分散液とりわけ凝集反応処
理液を簡易ろ過するために、少なくとも一つろ過ユニッ
トに、ろ材を処理水の流下方向に配した波板状の支持体
上に共に近接して設けられている。ろ過の効率を追求し
た結果、該波板状支持体の凸部の高さは波板状支持体の
凸部間の距離と同等又はそれより大きいものから構成さ
れている場合が好ましいことを確認した。
【0012】特に、該ろ過槽に、100〜200メッシ
ュの一段ろ過材と、10〜60ミクロンの織布又は不織
布からなる二段ろ過材を用いる場合、一般のフロアポリ
ッシュ剥離廃液処理に極めて良く適応出来るものであ
る。 ろ過槽内を減圧状態に保つことにより、二段ろ過
部に設置されたろ過布が水分を含んで支持体上に密着す
るようになり、さらに減圧度が高まってろ過液がろ過槽
内に極めて速く排出されるようになるのである。
【0013】更に、減圧度を強化するには、開口部にノ
ズル付の簡単な蓋をして密閉状態にし、電気掃除機や布
団乾燥機のようなもので吸引する方法や排出ポンプのホ
ースの出口以外の開口部を全て密閉して排出ポンプを作
動させ、ろ過液の液面を下げる方法等内部を減圧状態に
保つ方法であればどのような方法でも選択できる。さら
に、簡易ろ過後の液体を引き続き高次処理するに際し、
予備ろ過、精密ろ過、活性炭吸着の少なくとも一つから
構成される高次処理ユニットを経由すれば完全なる廃液
処理装置及び方法として活用出来るものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の固液理分離装置及び廃液
処理方法の出現により、汚濁成分を多量に含む難分離性
の固液分散廃液の発生現場での処理に威力を発揮し、と
りわけビルメンテナンス業界で排出されるフロアポリッ
シュ剥離廃液の現場においては効率的でかつ簡易に処理
することが出来るようになったことは、極めて画期的な
ことである。
【0015】本発明の第一の特徴は、固液分散液や凝集
反応処理槽を含む処理ユニットを自在に昇降できる機能
を底部に設け、固液分離操作工程では位置を高くして固
液分散混合物を静態下にろ過槽に排出移送し、その一部
又は全部をろ過することが出来る。又、処理現場への搬
入に際しては、あたかも折りたたむが如くに装置をコン
パクトにして、ワゴン車のような小さな車で運搬し、現
場で必要の対応で作業体制が組み立てられることでも機
能性を向上させた点にある。
【0016】本発明の第二の特徴は、固液分散槽の分離
状況に合わせ槽内の選択的液層より排出出来るノズルを
適宜設け、必要に応じ部分的に移送してろ過槽に導き、
固液分離の効率を向上させた点にある。具体的には、例
えば凝集反応処理槽の底部と中間部に排出用ノズルを設
け、先ず、中間部のノズルからそれより上の液体を予め
排出してろ過槽に導き、次いで低部のノズルから残った
液体混合物を全量排出してろ過槽に移送することによ
り、凝集反応処理槽中にて既に固形物が沈降しているよ
うな場合に、分離作業が効率的に行なわれ所要時間を著
しく短縮できる。もし、凝集反応処理液混合物を一挙に
ろ過ユニットに送った場合、ろ過布が目詰まりしてしま
うと、継続的なろ過が困難となる。
【0017】本発明の第三の特徴は、固液分散液例えば
凝集反応処理液を簡易ろ過するための少なくとも一つの
濾過槽が、ろ材を流下方向に凹凸状の波板状に配置する
ことにより、ろ過性の悪い固液分散混合物はろ過工程で
機能的に固液分離できる。即ち、液の移動中に配置した
ろ材の凹部に優先的に固形物が溜まって分離され、他の
部分のろ過性を良好な状態に保つことが出来る為に、目
詰まりが少なく、ろ過時間が大幅に短縮されるのであ
る。この場合、ろ材を予め設けた波板状のろ材支持体と
共に近接して配置するのが効率的で好ましい。この際、
該波板状支持体の凸部の高さは個々の配列波板状支持体
の凸部間の長さと同等又はそれより大きいものから構成
されていなければろ過効率がそれ程改善されない。
【0018】さらに本発明では、主として対象とするフ
ロアポリッシュ剥離廃液処理の分野では、多段ろ過を必
要とするので、該ろ過材として100〜200メッシュ
の一段ろ過材と、10〜60ミクロンの織布又は不織布
からなる二段ろ過材を用いることにより、大きい粒子を
優先的に一段ろ過材で補足させて、二段ろ過材への負荷
を軽減し、トータルのろ過を効率的に行なわせることが
出来る点を確認している。ここで用いることの出来る1
00〜200メッシュの一段ろ過材の例を示すと、金網
やネットなど、一般に使用されている極めて安価なもの
で充分対処出来、10〜60ミクロンの織布又は不織布
からなる二段ろ過材としては、ポリエステル、ポリプロ
ピレン、レーヨン等の不織布や綿や合成繊維の織物等が
用いられる。
【0019】又、固液分離操作のみでは下水道等に放流
出来ない場合が多く、これを高次処理するためのユニッ
トと連結して最終処理を完成させることも出来、これも
本発明の装置の特徴である。通常は、予備ろ過、精密ろ
過に続き活性炭吸着等の高次処理は一般に行なわれてい
るが、発生現場でこのような処理ユニットのみでの廃液
処理では、短時間に発生する目詰まりや破過で事実上処
理は不可能である。この点、本発明の固液分散液や凝集
処理による固液分散液を続くろ過槽でろ過することより
前処理効果が確実に達成され、相乗的に後段の高次処理
を効率的に行なうことができるのである。即ち、一次処
理と高次処理を組み合わせた形のコンパクトな装置とし
て現場に搬入出来、廃液を放流可能なレベルまで処理で
きる装置及び固液分離方法を提供した点が本発明のトー
タルの特徴である。
【0020】本発明で採用する固液分散槽の位置を必要
に応じ自在に昇降するには、簡易には当該槽を積載でき
る架台に設置し、この架台を例えば、ハンドリフター、
油圧で作動するジャッキ、手動ハンドルで架台を持ち上
げる如く組み込むことが出来る。一方、必要に応じ電動
式にすることも可能である。一般に、装置の荷重に十分
耐えて上下に自在に昇降できるもので、最小に縮めた状
態で運搬が容易なものであれば、固液分散槽に一体化し
たものでも、又、分割されたものでもよく、特に限定さ
れるものでは無い。
【0021】以上に述べた本発明の固液分離装置の例と
してその構成を示すと、図1に示す通りである。固液分
散槽として、例示では攪拌機を有する凝集反応分離槽
1、廃液導入ポンプ2、pH指示調整ユニット3、薬液
定量注入ポンプ4、ろ過槽5、処理液移送ポンプ6から
構成され、凝集反応分離槽の底部に上下に自在に伸縮
きる架台を設け、ノズルからの排出時のみ位置を変化さ
せて処理水の排出を容易にするようにしたものである。
図2は本発明装置の一部であるろ過槽の構成例を示すも
ので、躯体5aに一体として取り付けられた二段目の波
型支持体5bとこれに近接して共に配置されたろ材5c
並びに予備的に設けられた一段目のろ過材5dを示して
いる。
【0022】本発明により、当面の問題となっているビ
ルメンテナンス業界等におけるフロアポリッシュ剥離廃
液の不法投棄や垂れ流し問題を根本的に解決し、ISO
14001認証取得やPRTR法への対応も可能にな
り、地球環境保護に大きく貢献出来るものである。
【0023】以下、実施例を示して本発明を説明する。
【実施例】実施例1 廃液導入ポンプ、攪拌機を有する有効容量100Lの凝
集反応分離槽、pH指示調整ユニット、薬液定量注入ポ
ンプ、ろ過槽、処理液移送ポンプから構成された図1に
示したる固液分離装置を製作し高さを縮めた状態でワゴ
ン車に積載してビルのフロアポリッシュ剥離現場に搬入
した。これに高次処理ユニットを接続してから処理を行
った。この場合、ろ過槽に100メッシュのナイロンネ
ットをセットした一段ろ過と30ミクロンのポリエステ
ル繊維の不織布をセットした二段ろ過を行い、約100
Lのろ過液貯留槽に処理水を貯留するものとした。
【0024】先ず、フロアポリッシュ剥離廃液(pH:
10.3、SS:34,000mg/L、COD:3
2,000mg/L、n−ヘキサン抽出物質:3,80
0mg/L、亜鉛:980mg/L)を廃液導入ポンプ
により、予め、70Lに達した時点で自動的にポンプが
停止するようにし凝集反応槽に送り込んだ。攪拌を開始
し、(株)ノアテック社製の合融阻止剤(商品名『スー
パーナミット』TN328S)を1.4kg添加して十
分混合させながら、薬液定量注入ポンプを用いて、50
%硫酸の1.6Lを4分間かけて添加することにより中
和が完了し、粒状の固形物を含むスラリー状物が形成さ
れた。
【0025】このスラリー状物に、ミヨシ油脂(株)の
重金属捕集剤(商品名『エポフロック』L−1)を0.
2L添加して1分間攪拌した後、(株)ノアテック社製
の無機系粉末凝集剤(商品名『スーパーナミット』TN
315NY)を0.2kg添加して攪拌を引き続き2分
間継続したところ、粒状物が凝集して大きなフロックを
形成した。攪拌を停止して、凝集反応槽ユニットをハン
ドリフターで約700mm持ち上げた後、凝集反応槽の
下部のバルブを開き、ホースを通して上記のろ過槽に、
オーバーフローしないようバルブの開度を調整しながら
反応生成物を排出させた。
【0026】ろ過槽においては、一段ろ過、二段ろ過が
同時に行なわれ、最終段階で、ナイロンネット及びポリ
エステル繊維の不織布を手で十分に圧搾することにより
ろ過が完結し、ろ過液貯留槽に淡黄色透明なろ過液が約
50L得られた。又、ナイロンネット及びポリエステル
繊維の不織布により捕捉された固形物はそれぞれ、18
kg及び2kgであった。処理液移送ポンプを用いて、
このろ過液を1μ以上の粒子を除去し得るポリプロピレ
ン製糸巻きフィルター、0.2μ以上の微粒子を除去し
得るポリエチレン中空糸膜製精密ろ過膜カートリッジを
装着したろ過塔に送り込み、引き続き粒状活性炭を充填
した活性炭吸着塔により処理することにより、無色透明
な処理水が得られた。
【0027】水質を分析したところ、簡易ろ過液の方
は、pH:7.3、SS:5.4mg/L、COD:1
970mg/L、n−ヘキサン抽出物質:9.0mg/
L、亜鉛:5mg/L以下であった。又、高次処理水
は、pH:7.3、SS:0mg/L、COD:110
mg/L、n−ヘキサン抽出物質:4.5mg/L、亜
鉛:5mg/L以下で放流可能な処理水と確認出来た。
【0028】実施例2 実施例1において、凝集反応分離槽からろ過ユニットに
排出するにあたり、凝集反応分離槽の中間部に取り付け
たバルブを開き、先ず、上層の約70%の反応生成物を
ろ過ユニットに排出させ、次いで、底部のバルブを開く
ことにより残りを全量排出させる方法でろ過を行なった
以外は、実施例1と全く同様に行なったところ、ろ過に
要する作業時間が1/3以下に短縮され、固形物は、ナ
イロンネット上に大部分が回収され、ポリエステル繊維
の不織布には捕捉されたのは、僅か0.5kg程度に過
ぎなかった。即ち、このような排出方法により、ろ過作
業性が改善され、ポリエステル繊維の不織布への負荷も
軽減されることが判明した。
【0029】実施例3 実施例2において、二段ろ過部としてポリエステル繊維
の不織布をセットするにあたり、支持体として、目開き
約2mmのステンレス製金網を波板状に加工して、凸部
の高さが180mm、凹部間の距離100mmになるよ
うにした幅500mm、長さ600mmのものを置き、
その上にポリエステル繊維の不織布を支持体に密着する
ようにしたものを用いた以外は、実施例と全く同様に
行なったところ、二段ろ過の時間が1/2以下に短縮さ
れ、ろ過作業性がさらに改善されることが判明した。
【0030】実施例4 実施例3において、ろ過液が貯留される槽にノズル付の
簡単な蓋をして、ノズルを電気掃除機で吸引した以外
は、実施例3と全く同様に行なったところ、二段ろ過の
時間がさらに速くなり、ろ過作業性が抜本的に改善され
ることが判明した。
【0031】
【発明の効果】本発明は、廃液の発生現場に本発明の固
液分離装置を搬入し、高濃度に分散状態の廃液を凝集処
理した後、特殊な簡易ろ過槽により凝集物を分離すると
共に、更に他に別途用意した高次処理装置と連結して、
ろ過水を直接下水道や浄化槽に放流可能な水質とするこ
とが出来る極めて簡便な装置及び固液分離方法を提供す
るものである。
【0032】本発明で特徴とする凝集反応処理槽を含む
固液分散槽を自在に昇降できる架台に積載し、該固液分
散槽の位置を変化させて位置を変更し液体混合物を出来
るだけ静態裏に移送させるに際し、当該固液分散槽であ
る凝集反応処理槽の底部と中間部に排水用ノズルを設
け、先ず、中間部のノズルからそれより上の液体を予め
排出し、次いで低部のノズルから残った液体混合物を全
量排出せしめる如くして、特殊な簡易ろ過を行なうこと
を可能とした。従って、従来現場では処理が困難であっ
たフロアポリッシュ剥離廃液のような濃厚な廃液を廃棄
物処理業者へ引き渡すことなく、現場で処理をすること
ができることは極めて画期的なことであり、公害対策、
地球環境保護に寄与出来ること極めて大であるものと確
信する。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年6月7日(2002.6.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/28 C02F 1/44 K 1/44 B01D 29/06 510A Fターム(参考) 4D006 GA07 HA01 KA01 KA71 KB12 KB14 MA01 MC22 PB08 4D024 AA04 BA02 BB01 BC01 CA01 DB03 DB05 4D066 AA05 AB03 AB04 BB16 BB20

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】設置位置を選択可能な固液分散槽、少なく
    と1基のろ過槽より構成されることを特徴とする固液分
    離装置。
  2. 【請求項2】固液分散槽として、凝集反応処理槽を配置
    することを特徴とする請求項1記載の固液分離装置。
  3. 【請求項3】固液分散液の排出用ノズルを必要に応じ設
    けた凝集反応処理槽を配置することを特徴とする請求項
    1ないし2記載の固液分離装置。
  4. 【請求項4】底部と中間部に排出用ノズルを設けた凝集
    反応処理槽を配置することを特徴とする請求項1ないし
    3記載の固液分離装置。
  5. 【請求項5】流下水流に沿い波状に配したろ材を設けた
    ろ過槽を配置することを特徴とする請求項1ないし4記
    載の固液分離装置。
  6. 【請求項6】ろ材を波板状支持体と共に設けたろ過槽を
    配置することを特徴とする請求項1ないし5記載の固液
    分離装置。
  7. 【請求項7】該波板状支持体の凸部の高さと波板状支持
    体の設置距離を同等又はそれ以上にしてなるろ過槽を配
    置することを特徴とする請求項1ないし6記載の固液分
    離装置。
  8. 【請求項8】夫々異なる少なくとも2種のろ材を備えた
    多段ろ過槽を配置することを特徴とする請求項1ないし
    7記載の固液分離装置。
  9. 【請求項9】100〜200メッシュの一段ろ材と、1
    0〜60ミクロンの織布又は不織布からなる二段ろ材を
    備えた多段ろ過槽を配置することを特徴とする請求項1
    ないし8記載の固液分離装置。
  10. 【請求項10】更に、高次処理ユニットを配置すること
    を特徴とする請求項1ないし9記載の固液分離装置。
  11. 【請求項11】高次処理として、予備ろ過、精密ろ過、
    活性炭吸着の少なくとも一つから構成される高次処理ユ
    ニットを配置することを特徴とする請求項1ないし10
    記載の固液分離装置。
  12. 【請求項12】請求項1ないし11記載の装置を用いて
    行なうことを特徴とする固液分離方法。
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