JP2003086576A - 基板処理装置 - Google Patents

基板処理装置

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JP2003086576A
JP2003086576A JP2001274876A JP2001274876A JP2003086576A JP 2003086576 A JP2003086576 A JP 2003086576A JP 2001274876 A JP2001274876 A JP 2001274876A JP 2001274876 A JP2001274876 A JP 2001274876A JP 2003086576 A JP2003086576 A JP 2003086576A
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plasma
radical
chamber
gas
processing
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JP2001274876A
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English (en)
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Seishin Sato
聖信 佐藤
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Hitachi Kokusai Electric Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマやラジカルの量を制御することによ
って、チャンバに均一にラジカルを供給して、基板表面
に対する均一なプラズマ処理を可能とする。 【解決手段】 バッチ処理形の半導体製造装置は、ロー
ドロックチャンバ31に隣接する位置に、ロードロック
チャンバ31内にラジカルを供給するラジカル供給装置
40を有する。このラジカル供給装置40は、プラズマ
源50によりプラズマが生成されるプラズマ生成領域4
3と、プラズマによりラジカルが生成されるラジカル生
成領域44とを有する。プラズマ生成領域43の上流に
プラズマを発生させるためのガスを供給するプラズマ発
生ガス供給手段46を設ける。ラジカル生成領域44の
下流にウェハ35を処理するための処理ガスを供給する
処理ガス供給手段48を設ける。またプラズマ発生ガス
供給手段46と処理ガス供給手段48との間にプラズマ
化したガスの量を制御するプラズマ制御手段47を設け
る。さらに、ラジカル供給装置40とチャンバ31との
間に処理ガスのラジカル量を制御するラジカル制御手段
49を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チャンバ内で基板
をプラズマ処理する基板処理装置に係り、特にチャンバ
と隣接する位置に、プラズマにより形成したラジカルを
チャンバに供給するラジカル供給装置を有する基板処理
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路の製造工程では、各膜種
の基板処理を行なう際に、ウェハが基板処理装置間を大
気搬送されることから、ウェハ表面上に、自然酸化膜が
形成される。この自然酸化膜は、膜質、電気的特性等を
劣化させることから、各膜種の処理工程の前にウェハク
リーニング処理を行い自然酸化膜を除去する必要があ
る。この自然酸化膜を除去するためにドライクリーニン
グ処理が行われている。
【0003】このドライクリーニング処理を行う装置と
して、リモートプラズマ方式を利用したプラズマ処理装
置が提案されている。このリモートプラズマ方式のプラ
ズマ処理装置は、プラズマ(ないしラジカル)を発生さ
せる場所を基板領域からガス供給側に離して、基板への
プラズマが与えるダメージをなくすようにしたものであ
る。基板を収容するチャンバに隣接したラジカル供給装
置で、プラズマ生成ガスをプラズマ化し、このプラズマ
化したガスを処理ガスであるドライクリーニング用ガス
に接触させて、処理ガスからラジカルを形成する。ラジ
カルはラジカル供給装置からチャンバに供給される。こ
のラジカルを利用して基板表面のドライクリーニング、
すなわち自然酸化膜除去処理がなされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したリモ
ートプラズマ方式を利用した基板処理装置では、次のよ
うな問題があった。 (1)ラジカル供給装置で形成されるラジカル量を制御
できないので、ラジカルをチャンバに均一に供給できな
い。したがって、基板処理を行う上で均一な自然酸化膜
除去の表面処理が困難である。特に、高集積化、高微細
化などにともなって、数原子層の自然酸化膜の除去が要
請されたり、あるいは均一なトレンチ洗浄が要求される
が、特に多数の基板を同時に処理するバッチ処理装置で
は、それらの要求に応えることが困難であった。なお、
これらの問題は、自然酸化膜の除去に限定されず、自然
酸化膜以外の膜の除去、あるいは基板のプラズマドライ
クリーニングにも共通する。 (2)ラジカル供給装置で形成されるプラズマの量を制
御できないため、均一な表面処理ができず、リモートプ
ラズマ方式であるにもかかわらず、プラズマによる基板
へのダメージが大きい。また、エッチングレートを有効
に制御できず洗浄のコントロールが悪かった。さらに被
エッチング層とその下の非エッチング層とのマッチング
がとりずらくエッチング選択性が悪かった。
【0005】本発明の課題は、プラズマ量やラジカル量
を制御することによって、上述した従来技術の問題点を
解消して、均一な基板表面処理が可能な基板処理装置を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、基板を収
容するチャンバと隣接する位置に、前記チャンバ内にラ
ジカルを供給するラジカル供給装置を有する基板処理装
置において、前記ラジカル供給装置は、プラズマを発生
させるためのガスを供給するプラズマ発生ガス供給手段
と、前記プラズマ発生ガス供給手段から供給されるガス
をプラズマ化するプラズマ生成領域と、前記プラズマ生
成領域でプラズマ化されたガスの量を制御するプラズマ
制御手段と、前記プラズマ制御手段で制御されるプラズ
マ化されたガスの下流側に設けられ、前記基板を処理す
るための処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、前記
処理ガス供給手段から供給される処理ガスに、前記プラ
ズマ制御手段で制御されるプラズマ化したガスを接触さ
せてラジカルを形成するラジカル生成領域とを備えたこ
とを特徴とする。
【0007】プラズマ発生ガス供給手段と処理ガス供給
手段との間にプラズマ制御手段を設けて、プラズマ化し
たガスの量を制御するようにしたので、処理ガス供給手
段から供給される処理ガスのラジカル化を間接的に改善
でき、均一な基板処理が可能となる。また、プラズマ化
したガスの量を制御するようにしたので、エッチングレ
ート、エッチング選択性などの制御が可能となる。した
がって、基板がダメージを受けることがなく、エッチン
グレートやエッチング選択性が改善される。なお基板を
収容するチャンバとしては、ロードロックチャンバや処
理チャンバ等がある。また処理ガスとしては成膜用ガ
ス、クリーニング用ガス等がある。
【0008】第2の発明は、基板を収容するチャンバと
隣接する位置に、前記チャンバ内にラジカルを供給する
ラジカル供給装置を有する基板処理装置において、前記
ラジカル供給装置は、プラズマを発生させるためのガス
を供給するプラズマ発生ガス供給手段と、前記プラズマ
発生ガス供給手段から供給されるガスをプラズマ化する
プラズマ生成領域と、前記プラズマ生成領域でプラズマ
を発生させるためのガスの下流側に設けられ、前記基板
を処理するための処理ガスを供給する処理ガス供給手段
と、前記処理ガス供給手段から供給される処理ガスに、
前記プラズマ生成領域でプラズマ化したガスを接触させ
てラジカルを形成するラジカル生成領域と、前記チャン
バと前記ラジカル生成領域との間に設けられ、前記ラジ
カル生成領域で形成されたラジカルの量を制御するラジ
カル制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】ラジカル供給装置とチャンバとの間にラジ
カル制御手段を設けて、処理ガスのラジカル量を制御す
るようにしたので、処理ガス供給手段から供給される処
理ガスのラジカル化を直接改善でき、均一な基板処理が
可能となる。また、処理ガスのラジカル量を制御するよ
うにしたので、エッチングレート、エッチング選択性な
どの制御が可能となる。したがって、基板がダメージを
受けることがなく、エッチングレートやエッチング選択
性が改善される。
【0010】第1及び第2の発明において、プラズマ制
御手段でプラズマ化したガスの量を制御したり、ラジカ
ル制御手段で処理ガスのラジカル量を制御したりする手
法は、例えば電子制御による電子銃のように、プラズマ
やラジカルを反発させたり、加速させたりすることで実
現できる。
【0011】第1,第2の発明において、前記チャンバ
が、バッチ処理可能な基板処理室に連通するロードロッ
クチャンバであり、該ロードロックチャンバに隣接して
ラジカル供給装置を有するものとすることができる。
【0012】第1,第2の発明において、前記ラジカル
供給装置のチャンバとは反対側の側面に、励起エネルギ
ーを透過する誘電体の窓を設置し、この誘電体の窓の大
気側(外側)に励起エネルギーを生成するプラズマ源を
設置するとよい。誘電体は、真空を保持する絶縁体、例
えば石英ガラス、セラミックスなどである。
【0013】第1,第2の発明において、プラズマ発生
ガス供給手段、または基板処理ガス供給手段は、ガス供
給源に連通したノズル等で構成して、ガス供給源からの
ガスを噴射するようにしても、あるいはラジカル供給装
置を構成するラジカルチャンバの壁面の一部をシャワー
板で構成して、ガスをシャワー状に放出するようにして
もよい。
【0014】第1,第2の発明において、プラズマ発生
ガス供給手段が供給するプラズマ発生ガスは、水素ガス
か、又は窒素,アルゴンなどの不活性ガスである。ま
た、処理ガス供給手段が供給する基板の表面処理に必要
な処理ガスは、ラジカルを作るための反応ガスである。
例えば、自然酸化膜除去用のクリーニングガスとして
は、弗化窒素(NF3)やHF等のフッ素が含まれるガ
スがある。
【0015】自然酸化膜除去用にNF3ガスを使用する
場合は、弗化窒素等のラジカルと基板表面上の自然酸化
膜とを反応させて、基板表面に一旦錯体を作り、その上
でこの錯体を加熱して昇華させることによって、基板表
面上の自然酸化膜を除去する。チャンバがロードロック
チャンバである場合、このロードロックチャンバで錯体
を昇華させるには、ロードロックチャンバに加熱手段を
新規に必要とする。しかし、ロードロックチャンバと連
通する処理チャンバで錯体を昇華させると加熱手段を新
規に必要としない。処理チャンバはもともと加熱手段を
持っているので、処理チャンバで錯体を昇華させると装
置の簡素化がはかれる。なお、上述したように一旦錯体
を作り、後に錯体を除去することにより自然酸化膜を除
去するという間接的な除去方法をとらないで、他のエッ
チング用ガスを用いて、直接、基板上から自然酸化膜を
除去するようにしてもよい。
【0016】第1の発明において、前記プラズマ制御手
段は、ラジカル供給装置内をプラズマ発生ガス供給手段
側と処理ガス供給手段側とに仕切る板状体または網状体
で構成し、その材質はアルミ等の金属またはセラミック
等の絶縁体で覆われた金属もしくは絶縁体で構成すると
よい。また、プラズマ制御手段は、プラズマ空間電位お
よびアースに対して電位を任意に可変できるようにする
ことが好ましい。
【0017】第2の発明において、前記ラジカル制御手
段は、チャンバとラジカル供給装置との間を仕切る板状
体もしくは網状体で構成し、その材質はアルミ等の金属
またはセラミック等の絶縁体で覆われた金属もしくは絶
縁体で構成するとよい。
【0018】第1,第2の発明において、チャンバ内に
プラズマおよびラジカルを検出できる機構を設けること
が好ましい。プラズマ検出手段は、例えばプラズマ生成
時に発生する電子を検出する。電子捕獲用の電極で電子
を捕獲して電流検出するようにしても、プローブ測定法
で電流量を検出するようにしてもよい。ラジカル検出手
段は、ラジカルが電位をもっていないので、例えばラジ
カル供給時に発生する蛍光、紫外線などの光を検出す
る。または化学物質を質量分析器にかけて検出してもよ
い。例えば、NF3がNF2+Fに分離されている場合、
マスフローセンサでNF2の量を検出する。
【0019】プラズマ検出手段からの信号に応じて、プ
ラズマ制御手段によるプラズマ化したガス量の制御量を
調整し、あるいはプラズマ制御手段の電位の可変量を調
整するとよい。また、ラジカル検出手段からの信号に応
じて、ラジカル制御手段による処理ガスのラジカル量の
制御量を調整するとよい。これらの制御量の調整は、制
御量が可変でリアルタイムで調整できるときは、プラズ
マ制御手段またはラジカル制御手段をラジカル制御装置
から取り出すことなく、オンラインで調整することがで
きる。また、制御量が固定でリアルタイムで調整できな
いときは、プラズマ制御手段またはラジカル制御手段を
ラジカル制御装置から取り出してオフラインで調整す
る。
【0020】第1,第2の発明において、プラズマ発生
源は、マイクロ波を発生するマイクロ波発生源と、マイ
クロ波整合器と、発生したマイクロ波を導入する導波管
とから構成することができる。また、マイクロ波を導入
する導波管にはスロットを設けて、そのスロットから誘
電体の窓を通してマイクロ表面波をラジカル供給装置内
に伝播させ、装置内にマイクロ表面波励起プラズマを発
生させて、高密度のプラズマを生成できるようにすると
よい。スロットは、導波管の肉厚を薄くして形成するこ
とができる。薄くなったスロットの部分からエネルギー
を隣のラジカル制御装置に有効に伝えることができる。
【0021】第1,第2の発明において、プラズマ発生
源は、RF(高周波)発生源と、RF整合器と、RF電
極と、RF電極面に平行な磁界を発生させる永久磁石と
から構成することができる。RF電極から誘電体の窓を
通してRFを伝播させ、かつRF電極面に平行な磁界に
より、装置内にマグネトロンプラズマを発生させ、高密
度のプラズマを生成できるようにするとよい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図1〜9
図を参照して説明する。図1は基板処理装置例であるリ
モートプラズマ型の半導体製造装置の全体図、図2はプ
ラズマ源を備えたラジカル供給装置の構成図、図3及び
図4はプラズマ制御手段の種々の態様を示す構成図、図
5及び図6はラジカル制御手段の種々の態様を示す構成
図、図7はリモートプラズマ源をECR方式としたラジ
カル供給装置の構成図、図8はスロットの説明図、図9
はリモートプラズマ源をマグネトロン方式としたラジカ
ル供給装置の構成図である。
【0023】装置の全体説明及び作用(図1) 図1に示すリモートプラズマ型の半導体製造装置は、処
理炉10と、ロードロック装置30と、プラズマ源50
とを備える。
【0024】処理炉10は、ウェハを処理する処理室1
2を内部に形成する縦型の処理チャンバ11と、処理チ
ャンバ11の外周に設けられ処理室12を外部から加熱
する加熱手段13とで構成される。一般に処理チャンバ
11は石英で構成され、加熱手段13は抵抗加熱ヒータ
で構成される。加熱手段13で処理室12内を所定の温
度(例えば100℃以上)に加熱し、処理室12内に挿
入されるウェハの表面熱処理(自然酸化膜除去)や成膜
処理を行うようになっている。
【0025】ロードロック装置30は、ロードロック室
32を内部に形成するロードロックチャンバ31を備え
る。ロードロックチャンバ31は、炉口フランジ20を
介して処理炉10の下側に設けられている。ロードロッ
クチャンバ31は、処理室12を大気中に開放しない
で、真空状態でウェハの取入れ、取出しを行う。処理チ
ャンバ11とロードロックチャンバ31とは炉口フラン
ジ20の下部開口を開閉する炉ロシャッター21によっ
て仕切られる。ロードロックチャンバ31は、ロードロ
ックチャンバ31に隣接する一側位置(図では左側位
置)にラジカルを供給するラジカル供給装置40を有す
る。またロードロックチャンバ31のラジカル供給装置
40と反対側の他側位置(図では右側位置)に、ロード
ロックチャンバ31内のガスを均一に排気するためのガ
ス排気制御手段36と、ロードロックチャンバ31から
ガスを排気する排気口29とを有する。ガス排気制御手
段36は、板状または網状の構造体で構成される。その
材質はアルミ等の金属またはセラミック等の絶縁体で覆
われた金属もしくは絶縁体で構成するとよい。ロードロ
ックチャンバ31内のガス排気は、ガス排気制御手段3
6により均一に行なわれる。
【0026】また、ロードロックチャンバ31内に、回
転機構(図示せず)を有するキャップ33上に、多数の
ウェハ35を積層してウェハ表面をバッチ処理すること
が可能なボート34が設けられる。ボート34は、昇降
機構(図示せず)によって、処理チャンバ11内に挿入
され、取り出される。また、ロードロックチャンバ31
内にプラズマおよびラジカルを検出する検出手段38が
設けられる。このプラズマおよびラジカルの検出手段3
8の検出信号により、後述するプラズマ制御手段47、
電位可変手段37、及びラジカル制御手段49が制御さ
れる。一般に、ロードロックチャンバ31はステンレス
またはアルミ合金で構成される。
【0027】前記ラジカル供給装置40は、ロードロッ
クチャンバ31の一側に外部に突出した形で設けられ
る。ラジカル供給装置40はラジカルチャンバ41を有
する。ラジカルチャンバ41はロードロックチャンバ3
1と同じステンレスまたはアルミ合金で構成される。そ
のラジカルチャンバ41は、その内部にラジカル室42
を有する。ラジカル室42内には、プラズマを生成する
プラズマ生成領域43と、ラジカルを生成するラジカル
生成領域44とが形成される。ラジカルチャンバ41の
ロードロックチャンバ31と反対側の壁は誘電体で構成
された誘電体窓45で構成される。誘電体としては石英
やセラミックを用いる。ラジカルチャンバ41のロード
ロックチャンバ31側には、ラジカルチャンバ41とロ
ードロックチャンバ31とを仕切るラジカル制御手段4
9が設けられる。ラジカルチャンバ41内には、誘電体
窓45側からラジカル制御手段49側に向かって、プラ
ズマ発生ガス供給手段46、プラズマ制御手段47、処
理ガス供給手段48が順に設けられる。プラズマ制御手
段47には電位可変手段37が接続される。
【0028】前記プラズマ生成領域43はプラズマ発生
ガス供給手段46とプラズマ制御手段47との間に形成
される。前記ラジカル生成領域44は、プラズマ制御手
段47とラジカル制御手段49との間に形成される。
【0029】前記プラズマ発生ガス供給手段46は、励
起エネルギーの流れに対してプラズマ生成領域43の上
流に設けられて、プラズマを発生させるためのガスを供
給する。プラズマ発生ガスには例えば水素および窒素等
が用いられる。処理ガス供給手段48は、プラズマ生成
領域43の下流に設けられて、ウェハを処理するための
処理ガスを供給する。処理ガスとしては、例えば自然酸
化膜除去には弗化窒素(NF3)や弗化水素(HF)が
使用される。電位可変手段37が接続されたプラズマ制
御手段47は、前記プラズマ発生ガス供給手段46と前
記処理ガス供給手段48との間に設けられて、プラズマ
空間電位およびアースに対して電位を任意に可変して、
プラズマ化したガスの量を制御する。ラジカル制御手段
49は、前記ラジカルチャンバ41と前記ロードロック
チャンバ31との間に設けられて、処理ガスのラジカル
量を制御する。
【0030】プラズマ源50は、ラジカルチャンバ41
の側面に設置した誘電体窓45の外側にラジカルチャン
バ41と隣接して設けられる。プラズマ源50は、プラ
ズマ励起用のエネルギーを発生する。そのエネルギー
は、例えばマイクロ表面波励起もしくは高周波マグネト
ロンから作られる。プラズマ源50で発生したエネルギ
ーは、誘電体の窓45からラジカルチャンバ41内に入
射されて、ラジカル室42内でプラズマを生成する。
【0031】次に、上述した半導体製造装置を用いて、
ウェハ表面の自然酸化膜を除去する方法を説明する。こ
こでは、自然酸化膜を弗化窒素等のラジカルと反応させ
て、いったん錯体に変え、その後錯体を昇華させること
で、自然酸化膜を除去している。
【0032】ラジカルチャンバ41側面に設置した誘電
体窓45を通して、プラズマ源50からラジカルチャン
バ41内へ励起エネルギーを注入する。このとき、ラジ
カルチャンバ41内に設けたプラズマ発生ガス供給手段
46から水素および窒素等のプラズマ発生ガスを供給す
ると、このプラズマ発生ガスが前記エネルギーを受けて
ラジカルチャンバ41内のプラズマ生成領域43で水素
および窒素等のプラズマが生成される。生成された水素
および窒素等のプラズマはプラズマ制御手段47により
制御されて、ラジカルチャンバ41内を均一に処理ガス
供給手段48に向かって拡散する。
【0033】ラジカルチャンバ41内に設けた処理ガス
供給手段48からウェハ表面処理に必要な処理ガスであ
る弗化窒素(NF3)を供給すると、均一に拡散した水
素および窒素等のプラズマにより、ウェハ表面処理に必
要な弗化窒素等のラジカルが生成される。生成された弗
化窒素等のラジカルはラジカル制御手段49により制御
されて、ラジカルチャンバ41に隣接したロードロンク
チャンバ31内に均一に拡散する。
【0034】ロードロンクチャンバ31内に均一に拡散
された弗化窒素等のラジカルは、ボート34に積載され
たウェハ35の表面上の自然酸化膜と反応して、保護膜
(錯体)を形成する。
【0035】ここで、錯体作成条件の一例を示せば次の
通りである。
【0036】 処理温度 :室温 チャンバ圧力 :1Pa〜133Pa ガス流量N2 :100〜500sccm H2 :100sccm〜1リットル NF3 :100sccm〜1リットル 処理時間 :5分〜30分 プラズマパワー :100W〜3kW
【0037】上記条件下で錯体を形成した後、所定の温
度(100℃以上)に加熱した処理室12にボート34
を搬入する。すると、上記の錯体は加熱されて昇華す
る。これを炉口フランジ20の排気口から排気して、錯
体を除去する。したがってウェハ35上の自然酸化膜が
除去される。自然酸化膜が除去されたウェハ35上に、
必要に応じて窒化膜等の成膜処理を行う。
【0038】このようにして実施の形態では、ロードロ
ックチャンバ31に隣接したラジカル制御装置40で、
水素および窒素等のプラズマ、およびウェハ表面処理に
必要な弗化窒素等のラジカルを生成するのみならず、水
素および窒素等のプラズマ、およびウェハ表面処理に必
要なラジカルの制御を行なっている。したがって、ラジ
カルをチャンバに均一に供給できる。その結果、基板処
理を行う上で均一な自然酸化膜除去の表面処理が可能で
ある。また、多数の基板を同時に処理するバッチ処理装
置において、数原子層の自然酸化膜の除去や均一なトレ
ンチ洗浄等の要求に応えることが可能となる。
【0039】また、プラズマ量の制御を行っているた
め、リモートプラズマ方式の利点である、プラズマによ
る基板へのダメージの低減を一層改善でき、均一な表面
処理が可能である。また、エッチングレートを有効に制
御でき、洗浄のコントロールを良好にできる。さらにエ
ッチング選択性の制御が可能となり、被エッチング層と
その下の非エッチング層とのマッチングがとりやすくエ
ッチング選択性が改善される。
【0040】上述した説明では、ウェハ表面の自然酸化
膜を除去する方法を説明した。同様に、ウェハ表面をプ
ラズマドライクリーニングする方法では、クリーニング
処理に必要なガスのラジカルを生成し、プラズマドライ
クリーニング処理を行なう。このことにより、ロードロ
ックチャンバ31内でウェハ表面上の自然酸化膜除去お
よびプラズマドライクリーニング等のウェハ表面バッチ
処理が可能である。さらに大気にさらされることなくウ
ェハ表面熱処理および成膜処理の一括バッチ処理が可能
である。このようにプラズマ及びラジカル量を制御する
ようにしたので、自然酸化膜除去、クリーニング等のウ
ェハ表面の均一なバッチ処理が可能である。
【0041】装置の部分説明(図2〜図9) つぎに、図2〜図9を用いて、上述した図1の半導体製
造装置を構成するラジカル供給装置40及びラジカル供
給装置40に設けられたプラズマ源50を具体的に説明
する。
【0042】図2はロードロックチャンバ31に隣接し
て設けられたラジカル供給装置40の具体的な構成図で
ある。図2(a)は側断面図、図2(b)は平断面図を
それぞれ示す。
【0043】ラジカル供給装置を構成する各要素には、
ラジカルチャンバ41、誘電体窓45、プラズマ発生ガ
ス供給手段46、プラズマ制御手段47、処理ガス供給
手段48、及びラジカル制御手段49がある。ラジカル
チャンバ41内は、ラジカルチャンバ41内を誘電体窓
45側(プラズマ源50側)とロードロックチャンバ3
1側とに中央で仕切るプラズマ制御手段47によって、
プラズマ生成領域43とラジカル生成領域44とに区画
形成されている。各要素の構造、形状又は配置は、つぎ
の通りである。
【0044】ラジカル供給装置40を構成するラジカル
チャンバ41は略直方体をしている。このラジカルチャ
ンバ41よりも容積が大きく、同じく略直方体をしてい
るロードロックチャンバ31の一側面から大気側に突出
して、ロードロックチャンバ31と連通した形で並設さ
れている。ラジカルチャンバ41の高さはロードロック
チャンバ31と略同じである(図1参照)。
【0045】誘電体窓45は直方体状のラジカルチャン
バ41を構成する5つの壁面(上下面、両側面、背面)
のうちの、背面全面を構成する。誘電体窓45は、プラ
ズマ源50から励起のエネルギーを通過させてラジカル
チャンバ41内に入射させる。なお誘電体窓45は背面
の一部を構成してもよい。
【0046】プラズマ源50は、前述したようにマイク
ロ波を誘電体窓45から注入してラジカルチャンバ41
内でプラズマを生成するECR型、または高周波電界と
磁界とをラジカルチャンバ41内で発生させてプラズマ
を生成するマグネトロン型のプラズマ源で構成される。
【0047】プラズマ発生ガス供給手段46は、例えば
多数の噴射孔を設けたプラズマ発生ガス供給配管で構成
することができる。プラズマ発生ガス供給管は装置外に
設けたガス供給源(図示せず)につながっており、噴射
孔から水素及び窒素等のガスを噴出するようになってい
る。配管はステンレス又はアルミ合金で構成される。プ
ラズマ発生ガス供給配管で構成されるプラズマ発生ガス
供給手段46は、直方体状のラジカルチャンバ41を平
面視したときの四隅のうち誘電体窓45側のプラズマ生
成領域43の上流近傍となる2つの隅にそれぞれ1本づ
つ立設されている。各プラズマ発生ガス供給手段46か
ら、背面と側面に沿う直角に開いた2つの矢印間で挟ま
れた範囲15内に噴射することにより、プラズマ生成領
域43に均等に水素及び窒素等を供給する。供給された
水素及び窒素等は、励起エネルギーを受けて、水素およ
び窒素等のプラズマ16に生成される。なお、プラズマ
発生ガス供給手段46は、ラジカルチャンバ41のプラ
ズマ生成領域43を構成する側面全部、または側面の一
部に設けたシャワー板で構成してもよい。
【0048】処理ガス供給手段48は、例えば多数の噴
射孔を設けた処理ガス供給配管で構成される。処理ガス
供給管は装置外に設けたガス供給源(図示せず)につな
がっており、噴射孔から処理ガスを噴出するようになっ
ている。配管はステンレス又はアルミ合金で構成され
る。処理ガス供給配管で構成される処理ガス供給手段4
8は、直方体状のラジカルチャンバ41を平面視したと
きの四隅のうちロードロックチャンバ31側のプラズマ
生成領域43下流近傍となる2つの隅にそれぞれ1本づ
つ立設されている。処理ガス供給手段48から、前面と
側面に沿う直角に開いた2つの矢印間で挟まれた範囲1
8内に噴射することにより、ラジカル生成領域44に均
等に処理ガスを供給する。供給された処理ガスは、プラ
ズマ生成領域43で生成された水素および窒素等のプラ
ズマ16と接触することにより、ウェハ表面処理に必要
なラジカルに生成される。なお、処理ガス供給手段48
は、ラジカルチャンバ41のラジカル生成領域44を構
成する側面全部、または側面の一部に設けたシャワー板
で構成してもよい。
【0049】プラズマ制御手段47は、板状または網状
の構造体で構成し、その材質はアルミ等の金属またはセ
ラミック等の絶縁体で覆われた金属もしくは絶縁体で構
成するとよい。この構造体でプラズマ生成領域43とラ
ジカル生成領域44とを物理的、電気的に仕切ることに
よって、プラズマ生成領域43からラジカル生成領域4
4へ供給される水素および窒素等のプラズマの量を制御
するようになっている。プラズマ制御手段47には、プ
ラズマ空間電位およびアースに対してプラズマ制御手段
47の電位を任意に可変できる電位可変手段37が接続
されている。電位可変手段37がプラズマ制御手段47
に与える電位に応じて、プラズマを反発させたり、加速
させたりすることで、プラズマ制御手段47によるプラ
ズマの制御量を制御するようになっている。特にプラズ
マ制御手段47を網状の構造体で構成すると、プラズマ
を処理ガス供給手段48から供給される処理ガスに対し
て、より均一に供給することが可能となる。
【0050】ラジカル制御手段49は、板状または網状
の構造体で構成し、その材質はアルミ等の金属またはセ
ラミック等の絶縁体で覆われた金属もしくは絶縁体で構
成するとよい。この構造体でラジカル生成領域44とロ
ードロックチャンバ31とを物理的に仕切ることによっ
て、ラジカル生成領域44からロードロックチャンバ3
1へ供給されるウェハ表面処理に必要なラジカルの量を
制御する。特にラジカル制御手段49を網状の構造体で
構成すると、ウェハ表面処理に必要なラジカルをロード
ロックチャンバ31内へ、より均一に供給することが可
能となる。
【0051】ロードロックチャンバ31内には、前述し
たようにプラズマ検出手段およびラジカル検出手段を備
えた検出手段38が設けられる。プラズマ検出手段は、
プラズマ生成時に発生する電子を検出する。例えば電子
捕獲用の電極で電子を捕獲して電流検出するようにして
も、プローブ測定法で電流量を検出するようにしてもよ
い。ラジカル検出手段は、ラジカルが電位をもっていな
いので、例えばラジカル供給時に発生する蛍光、紫外線
などの光を検出する。または化学物質を質量分析器にか
けて検出してもよい。例えば、NF3がNF2+Fに分離
されている場合、マスフローセンサでNF2の量を検出
することが可能である。
【0052】プラズマ検出手段からの信号に応じて、プ
ラズマ制御手段47によるプラズマ化したガス量の制御
量を調整し、あるいはプラズマ制御手段47の電位の可
変量を調整する。また、ラジカル検出手段からの信号に
応じて、ラジカル制御手段49による処理ガスのラジカ
ル量の制御量を調整する。これらの調整により、水素お
よび窒素等のプラズマ16およびウェハ表面処理に必要
なラジカルの制御を行ない、前述したようなプラズマ1
6およびラジカルによるウェハ処理ダメージ、エッチン
グレート、エッチング選択性等の制御を可能とする。
【0053】つぎに図3及び図4を用いてプラズマ制御
手段47の種々の態様を説明する。
【0054】図3(a)では、ラジカルチャンバ41の
左右内壁間の幅よりも狭い1枚のプラズマ制御板471
でプラズマ制御手段47を構成し、この1枚のプラズマ
制御板471をラジカルチャンバ41の中央に仕切壁と
して配置する。そしてプラズマ制御板471の両端と左
右内壁との間に間隙G1を形成する。プラズマ制御板4
71の幅F1を変えることにより、プラズマ生成領域4
3からラジカル生成領域44へ連通する間隙G1の面積
を変え、これにより間隙G1を通過するプラズマ量を制
御する。プラズマ制御板471の幅F1は固定であるか
らリアルタイムで可変できないが、ラジカルの生成に応
じた最適な間隙G1の幅を予め見い出すことで対処す
る。このようにして、プラズマ制御板471の幅F1を
変えることにより、ラジカル生成領域44へ供給される
プラズマ量を制御して、ラジカル生成領域44へプラズ
マを均一に供給する。
【0055】図3(b)では、プラズマ制御手段47
を、ラジカルチャンバ41をプラズマ生成領域43とラ
ジカル生成領域44とに仕切るプラズマ制御板472で
構成する。プラズマ制御板472は、その幅がラジカル
チャンバ41の左右内壁間の幅と一致しており、プラズ
マ制御板472の両端とラジカルチャンバ41との間に
は間隙はない。その代わり中央に間隙G2を形成してあ
る。この間隙G2の幅を変えることにより、プラズマ生
成領域43からラジカル生成領域44へ連通する間隙G
2の面積を変え、これにより間隙G2を通過するプラズ
マ量を制御する。ウェハ処理に応じた最適な間隙G2の
幅を予め見い出すことで対処することができる。
【0056】図4(a)では、プラズマ制御手段47
を、左右2枚のプラズマ制御板473で構成する。2枚
のプラズマ制御板473の中央部は、縦方向に設けられ
た各回転軸25に取り付けられて、矢印に示すように各
回転軸25を中心に2枚のプラズマ制御板473は回動
自在に設けられる。2枚のプラズマ制御板473をとも
に閉じたときは、プラズマ生成領域43とラジカル生成
領域44とは、閉時の間隙G3を残して仕切られる。2
枚のプラズマ制御板473を回動したとき、その回動角
度により、各プラズマ制御板473の外側両端、及び中
央部での間隙G3の幅を変える。これによりプラズマ生
成領域43からラジカル生成領域43へ連通する間隙面
積を変え、これにより間隙G3を通過するプラズマ量を
制御する。プラズマ制御板473は、固定ではなく回動
自在なので、ウェハ処理に応じた最適な間隙G3の幅を
検出手段38によりリアルタイムで見い出すことが可能
である。なお、左右2枚のプラズマ制御板473は、間
隙G3が可変となるように回動自在に設けるようにした
ものであるから、開閉方法は観音開き等、他の開け方で
もよい。
【0057】図4(b)では、プラズマ制御手段47
を、ラジカルチャンバ41の左右内壁間の幅と一致する
プラズマ制御板474で構成する。そのプラズマ制御板
474には、複数本のスリット39を形成してある。こ
のスリット39の間隙G4の幅や本数を変えることによ
り、プラズマ生成領域43からラジカル生成領域44へ
連通する間隙G4の面積を変え、これによりスリット3
9を通過するプラズマ量を制御する。ウェハ処理に応じ
た最適な間隙G4の幅や本数を予め見い出すことで対処
することができる。
【0058】なお、図3(a)、図3(b)、図4
(a)、図4(b)のいずれの場合においても、電位可
変手段37により、プラズマ制御板の電位を調整するこ
とにより、リアルタイムでプラズマ量を制御することが
可能である。
【0059】つぎに図5及び図6を用いて、ラジカル制
御手段49の種々の態様を説明する。なお、ラジカル制
御手段49の態様は、上述したプラズマ制御手段47の
態様と対応しているが、ラジカル制御手段49とプラズ
マ制御手段47との態様の組合わせは任意である。
【0060】図5(a)では、ラジカル制御手段49
を、ロードロックチャンバ31と連通するラジカルチャ
ンバ41の前面開口28に設けられ、ロードロックチャ
ンバ31とラジカルチャンバ41とを仕切る1枚のラジ
カル制御板491で構成する。そして、ラジカル制御板
491の両端と開口壁との間に間隙D1を形成する。ラ
ジカル制御板491の幅を変えることにより、ラジカル
生成領域44からロードロックチャンバ31へ連通する
間隙D1の面積を変え、これにより間隙D1を通過する
ラジカル量を制御する。ラジカル制御板491の幅C1
は固定であるから、リアルタイムで可変できないが、ウ
ェハ処理に応じた最適な間隙D1の幅を予め見い出すこ
とで対処することができる。このようにして、ラジカル
制御板491の幅C1を変えることにより、ラジカル量
の制御を行ない、ロードロックチャンバ31におけるウ
ェハ表面処理に必要なラジカルをロードロックチャンバ
31へ均一に供給する。
【0061】図5(b)では、ラジカル制御手段49
を、ラジカルチャンバ41とロードロックチャンバ31
とに仕切るラジカル制御板492で構成する。ラジカル
制御板492は、その幅がラジカルチャンバ41の前面
開口28と一致しており、ラジカル制御板492の両端
と、開口28の左右開口壁との間に間隙はない。その代
わり、中央に間隙D2を形成してある。この間隙D2の
幅を変えることにより、ラジカル生成領域44からロー
ドロックチャンバ31へ連通する間隙面積を変え、これ
により間隙D2を通過するラジカル量を制御する。ウェ
ハ処理に応じた最適な間隙幅を予め見い出すことで対処
することができる。
【0062】図6(a)では、ラジカル制御手段49
を、左右2枚のラジカル制御板493で構成する。2枚
のラジカル制御板493の中央部は、縦方向に設けられ
た各回転軸27に取り付けられて、矢印に示すように各
回転軸27を中心に回動自在に設けられる。2枚のラジ
カル制御板493をともに閉じたときは、ラジカル生成
領域43とロードロックチャンバ31とは、閉時の間隙
D3を残して仕切られる。2枚のラジカル制御板493
を回動したとき、その回動角度により、各ラジカル制御
板493の外側両端、及び中央部での間隙D3の幅を変
える。これによりラジカル生成領域44からロードロッ
クチャンバ31へ連通する間隙面積を変え、これにより
間隙D3を通過するラジカル量を制御する。ラジカル制
御板493は、固定ではなく回動自在なので、ウェハ処
理に応じた最適な間隙幅を検出手段38によりリアルタ
イムで見い出すことが可能である。なお、左右2枚のラ
ジカル制御板493は、間隙D3が可変となるように回
動自在に設けるようにしたものであるから、開閉方法は
観音開き等、他の開け方でもよい。
【0063】図6(b)では、ラジカル制御手段49
を、開口28の左右開口壁間の幅と一致するラジカル制
御板494で構成する。そのラジカル制御板494に
は、複数本のスリット59を形成してある。このスリッ
ト59の間隙D4の幅や本数を変えることにより、ラジ
カル生成領域44からロードロックチャンバ31へ連通
する間隙面積を変え、これによりスリット59を通過す
るラジカル量を制御する。ウェハ処理に応じた最適な間
隙幅や本数を予め見い出すことで対処することができ
る。
【0064】つぎに図7〜図9を用いてプラズマ源50
の2つの態様を説明する。
【0065】図7はマイクロ波式のプラズマ源を示し、
図7(a)は側断面図、図7(b)は平断面図である。
プラズマ源は、マイクロ波を発生するマイクロ波発生源
51と、マイクロ波のインピーダンスを整合するマイク
ロ波整合器52と、発生したマイクロ波を導入する導波
管53とから構成される。導波管53は延設されて、ラ
ジカルチャンバ41の誘電体窓45の外周面全面と接触
する。マイクロ波整合器52の整合により、導波管53
内に点線で示すように定在波26を励起させる。ラジカ
ルチャンバ41の誘電体窓45と接触する導波管53の
内壁面には後述するスロットが設けてある。そのスロッ
トから、ラジカルチャンバ41の背面に設けた誘電体窓
45を通してマイクロ表面波(μ波)が伝播し(図7
(b)参照)、ラジカルチャンバ41内にマイクロ表面
波励起プラズマを発生させ、高密度のプラズマ16を生
成する。
【0066】図8は導波管53の誘電体窓45側の内壁
面に設けるスロットについての複数の態様を示す。スロ
ット54は、導波管53の内壁面を削って薄肉化するこ
とにより、マイクロ波を誘電体窓45を通して伝播しや
すいようにする。スロット形状は、例えば誘電体窓45
の高さ方向に沿って等間隔に横に並べたステップ形スロ
ット54A(図8(a))、1本の連続したチャンネル
形スロット54B(図8(b))、前記ステップ形と前
記チャンネル形とを組合わせて構成したフィッシュボー
ン(魚の骨)形スロット54C(図8(c))、又はス
テップに傾斜を持たせ傾斜の方向を互い違いに変えて不
連続としたジグザグ形スロット54D(図8(d))な
どがある。
【0067】これらのスロット54を設ける位置および
スロット45の幅は、マイクロ波を導入する導波管53
内の定在波26(図7(a)参照)の振幅が最大になる
位置、もしくはプラズマの生成状態に応じて設定され
る。スロット54間のスロット中心間隔は、マイクロ波
を導入する導波管53内の定在波26の波長の1/2、
もしくはプラズマの生成状態に応じて設定される。
【0068】図9はマグネトロン式のプラズマ源を示
し、図9(a)は側断面図、図9(b)は平断面図であ
る。プラズマ源は、RF発生源61と、RF整合器62
と、RF電極63と、RF電極63の面に平行な磁界1
7を発生させる永久磁石64とから構成される。RF電
極63は、ラジカルチャンバ41の誘電体窓45の外側
全面に設置する。このRF電極63の幅方向の両端に永
久磁石64を縦に平行に並べる。RF電極63から、ラ
ジカルチャンバ41の誘電体窓45を通してRFを伝播
させ、かつRF電極63面に平行に形成した磁界17に
より、ラジカルチャンバ41内のプラズマ生成領域43
にマグネトロンプラズマを発生させる。RF電極63面
に平行な磁界17の磁界強度を制御することにより、ラ
ジカルチャンバ41の背面に設けた誘電体窓45内壁面
に対するスパッタリングを抑制し、高密度のプラズマを
生成できる。
【0069】上述したようにラジカル供給装置40及び
プラズマ源50は種々の態様で構成できる。このような
構成のラジカル供給装置及びプラズマ源を備えた半導体
製造装置によれば、つぎのように作用する。
【0070】ラジカルチャンバ背面に設置した誘電体窓
45の大気側のプラズマ源50による励起エネルギーを
ラジカルチャンバ41内に注入する。これにより水素及
び窒素等のプラズマ発生ガスが供給されたプラズマ生成
領域43に、マイクロ波もしくはマグネトロンによる水
素および窒素等のプラズマが生成される。この水素およ
び窒素等のプラズマの生成量がプラズマ制御手段47に
より制御される。この制御は、プラズマ生成領域43と
ラジカル生成領域44との間隙設定、及び電位可変手段
37によるプラズマ制御手段47の電位設定によって行
う。
【0071】制御されたプラズマは、プラズマ生成領域
43からラジカル生成領域44に均一に拡散して、ラジ
カル生成領域44に供給されるウェハ表面処理に必要な
弗化窒素等の処理ガスに均一に接触する。水素および窒
素等のプラズマとの接触により、ウェハ表面処理に必要
な弗化窒素等のラジカルがラジカル生成領域43に生成
される。生成された弗化窒素等のラジカルは、ラジカル
制御手段49により制御される。この制御は、ラジカル
生成領域44とロードロックチャンバ32との間隙設定
によって行う。制御されたラジカルはロードロックチャ
ンバ31内に均一に拡散して、ボート34に積層された
多数のウェハの自然酸化膜と反応して、各ウェハ表面に
保護膜である錯体を形成する。
【0072】その後、ボート34を上昇させて、多数の
ウェハ35をロードロックチャンバ31から処理チャン
バ11へ移す。処理チャンバ11内でウェハ35を加熱
し、上記錯体を昇華させて除去する。錯体除去による自
然酸化膜除去後に、窒化膜等の成膜を行った後、ボート
34を下降させて、多数のウェハ35を処理チャンバか
ら11ロードロックチャンバ31へ移す。この間、ウェ
ハ35は大気にさらされることがなく、一括バッチ処理
ができる。また、プラズマ及びラジカルの量をそれぞれ
制御しているので、プラズマおよびラジカルによるウェ
ハ処理ダメージ、エッチングレート、エッチング選択性
等の制御が可能である。
【0073】なお、実施の形態では、プラズマ制御とラ
ジカル制御とを同時に行うようにした。しかしプラズマ
制御のみを行うようにしても、あるいはラジカル制御の
みを行うようにしても、同時に行うようにした場合と同
様に、均一な基板表面処理は可能である。
【0074】また、本発明の半導体処理は、自然酸化膜
の除去に限定されず、自然酸化膜以外の所定の膜、また
はチャンバ内壁等のクリーニングにも共通する。さら
に、所定の膜除去後の成膜にも適用できる。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、直接プラズマ制御を行
うことにより間接的にラジカル制御を行うようにしたの
で、基板上の自然酸化膜除去、および基板のプラズマド
ライクリーニング等の基板表面処理を均一にできる。ま
た、直接ラジカル制御を行うようにしたので、均一な基
板表面処理ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基板処理装置の実施の形態によるリモートプラ
ズマ型の半導体製造装置の概略全体構成図である。
【図2】実施の形態によるプラズマ源を備えたラジカル
供給装置の構成図である。
【図3】実施の形態によるプラズマ制御手段の構成図で
ある。
【図4】実施の形態によるプラズマ制御手段の構成図で
ある。
【図5】実施の形態によるラジカル制御手段の構成図で
ある。
【図6】実施の形態によるラジカル制御手段の構成図で
ある。
【図7】実施の形態によるリモートプラズマ源をECR
方式としたラジカル供給装置の構成図である。
【図8】実施の形態によるスロットの説明図である。
【図9】実施の形態によるリモートプラズマ源をマグネ
トロン方式としたラジカル供給装置の構成図である。
【符号の説明】
31 ロードロックチャンバ 35 基板 40 ラジカル供給装置 43 プラズマ生成領域 44 プラズマ生成領域 46 プラズマ発生ガス供給手段 47 プラズマ制御手段 48 処理ガス供給手段 49 ラジカル制御手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板を収容するチャンバと隣接する位置
    に、前記チャンバ内にラジカルを供給するラジカル供給
    装置を有する基板処理装置において、 前記ラジカル供給装置は、 プラズマを発生させるためのガスを供給するプラズマ発
    生ガス供給手段と、 前記プラズマ発生ガス供給手段から供給されるガスをプ
    ラズマ化するプラズマ生成領域と、 前記プラズマ生成領域でプラズマ化されたガスの量を制
    御するプラズマ制御手段と、 前記プラズマ制御手段で制御されるプラズマ化されたガ
    スの下流側に設けられ、前記基板を処理するための処理
    ガスを供給する処理ガス供給手段と、 前記処理ガス供給手段から供給される処理ガスに、前記
    プラズマ制御手段で制御されるプラズマ化したガスを接
    触させてラジカルを形成するラジカル生成領域とを備え
    たことを特徴とする基板処理装置。
  2. 【請求項2】基板を収容するチャンバと隣接する位置
    に、前記チャンバ内にラジカルを供給するラジカル供給
    装置を有する基板処理装置において、 前記ラジカル供給装置は、 プラズマを発生させるためのガスを供給するプラズマ発
    生ガス供給手段と、 前記プラズマ発生ガス供給手段から供給されるガスをプ
    ラズマ化するプラズマ生成領域と、 前記プラズマ生成領域でプラズマを発生させるためのガ
    スの下流側に設けられ、前記基板を処理するための処理
    ガスを供給する処理ガス供給手段と、 前記処理ガス供給手段から供給される処理ガスに、前記
    プラズマ生成領域でプラズマ化したガスを接触させてラ
    ジカルを形成するラジカル生成領域と、 前記チャンバと前記ラジカル生成領域との間に設けら
    れ、前記ラジカル生成領域で形成されたラジカルの量を
    制御するラジカル制御手段とを備えたことを特徴とする
    基板処理装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP5276101B2 (ja) * 2008-06-24 2013-08-28 東芝三菱電機産業システム株式会社 窒素ラジカル発生器、窒化処理装置、窒素ラジカルの発生方法および窒化処理方法

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