JP2003085785A - 信号処理方法 - Google Patents

信号処理方法

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JP2003085785A
JP2003085785A JP2001278494A JP2001278494A JP2003085785A JP 2003085785 A JP2003085785 A JP 2003085785A JP 2001278494 A JP2001278494 A JP 2001278494A JP 2001278494 A JP2001278494 A JP 2001278494A JP 2003085785 A JP2003085785 A JP 2003085785A
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Hidetoshi Ema
秀利 江間
Narihiro Masui
成博 増井
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種サーボエラー信号の演算処理部を共通化
し、光ピックアップ構成の変更によってサーボエラー信
号演算処理方法を変更しても回路構成変更をする必要が
なく、また異なる複数種類の情報記録媒体のフォーマッ
トに互換対応してサーボエラー信号演算方法が異なる場
合であっても回路の共通化を図る。 【解決手段】 予めサーボエラー信号演算処理工程にお
ける所定の演算処理動作を変更し、ステップ11で情報
記録媒体に照射した光の反射光を検出する受光手段から
出力された受光信号をディジタル信号に変換し、ステッ
プ12〜23でディジタル信号変換工程によって変換さ
れたディジタル信号に所定の演算処理動作を施してサー
ボエラー信号を生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、CD−ROMド
ライブ装置,DVD−ROMドライブ装置等の情報再生
装置と、CD−Rドライブ装置,CD−RWドライブ装
置,DVD−Rドライブ装置,DVD−RWドライブ装
置,DVD−RAMドライブ装置,MDドライブ装置,
MOドライブ装置等の情報記録再生装置と、その情報再
生装置と情報記録再生装置を複数種類対応可能な情報記
録再生装置において情報記録媒体からの反射光を受光し
て得られる受光信号に所要の信号処理を行う信号処理方
法に関する。
【0002】従来より光ディスク装置等の情報記録再生
装置(情報再生装置も含む)においては、光ピックアッ
プにおいて情報記録媒体(光ディスク)に対して照射し
たレーザ光の反射光をPD(Photo Detect
or)などの受光素子によって受光して検出し、そのP
Dによって得られる受光電流を信号処理部に供給してい
る。PDは一般には微弱な電流である受光電流を電流電
圧変換して受光信号を生成して信号処理部に供給してい
る。この受光信号は再生品質や安定したサーボ動作など
のために高いS/N比が要求される。
【0003】また、照射光量や情報記録媒体の反射率や
光ピックアップ個体間の特性ばらつきなどにより、受光
量やサーボエラー信号ゲインがばらつき、これを吸収す
るために各信号処理部においてゲイン調整を行ってい
る。さらに、この光ピックアップは情報記録媒体の半径
方向に可動させるため(「シーク動作」と呼ぶ)、光ピ
ックアップと信号処理部等が搭載されている回路基板と
はフレキシブルプリント(Flexible Prin
t Circuit:FPC)基板と呼ばれる曲げの可
能な基板で接続されるのが一般であり、受光信号の伝送
はこのFPC基板を用いて配線されている。
【0004】ところで、近年は様々な種類の光ディスク
が提案されており、また異なる複数種類の情報記録媒体
のフォーマットに対応して互換性を持たせた情報記録再
生装置も提供されている。また、これらの情報記録再生
装置に搭載される光ピックアップにも様々な構成のもの
が実用に供されており、さらには小型化,低コスト化,
性能向上などの目的で様々な構成の光ピックアップが提
案されている。
【0005】しかしながら、従来では、この異なる構成
を持つ光ピックアップ毎に必要な信号処理部(特にサー
ボエラー信号を生成するための演算処理部)の構成や回
路特性が異なるため、採用する光ピックアップに適合し
た信号処理集積回路(サーボエラー信号生成部)が必要
になり、開発期間の短縮も低コスト化の実現も困難であ
った。また、異なる媒体フォーマットに互換対応する情
報記録再生装置においては、それぞれの信号処理部構成
や回路特性が異なる場合、信号処理部を別個に備える必
要があり、小型化が非常に困難であった。そこで、信号
処理部をできるだけ共通化させようとした場合、光ピッ
クアップへの要求スペックが厳しくなり、このような光
ピックアップを構成すること自体が困難になり、コスト
アップなどにもつながり、結果的に実現性に乏しくなっ
ていた。
【0006】このような問題を解決するものとして、光
ピックアップ側において受光電流を電圧に変換して得ら
れる光検出信号を先ずA/D変換することで、以降の再
生RF信号抽出処理や、各種サーボ制御のための演算処
理等をデジタル信号処理により行うようにし、また、情
報記録媒体の媒体フォーマットに応じて、例えば、トラ
ッキングエラー信号生成のための演算処理,各種サーボ
ゲインの切り換え等を行うように構成して、それらの処
理は全てデジタル信号処理で行うことによって簡易な処
理及び構成で実現した信号処理装置(例えば、特開平1
1−238245号公報参照)が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の信号処理装置では、サーボエラー信号生成にお
いては、必要なサーボエラー信号毎にその演算処理部を
設けており、また媒体フォーマットの違いによる異なる
演算方法のサーボエラー信号に適合するには、それぞれ
の演算処理部を設けてそれを切換えて対応しているの
で、小型化の点で不十分であり、さらには光ピックアッ
プ構成の変更によってサーボエラー信号演算方法が変更
される場合は、回路構成を変更しなければならず、小型
化とコスト低減が困難であるという問題があった。
【0008】この発明は上記の課題を解決するためにな
されたものであり、各種サーボエラー信号の演算処理部
を共通化し、光ピックアップ構成の変更によってサーボ
エラー信号演算処理方法を変更しても回路構成変更をす
る必要がなく、また異なる複数種類の情報記録媒体のフ
ォーマットに互換対応してサーボエラー信号演算方法が
異なる場合であっても回路の共通化を図れるようにする
信号処理方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するため、次の(1)〜(8)の各信号処理方法を
提供するものである。 (1)情報記録媒体に照射した光の反射光を検出する受
光手段から出力された受光信号について、上記情報記録
媒体に対する記録動作又は再生動作に関する所要の信号
処理を施す信号処理方法において、上記受光信号をディ
ジタル信号に変換するディジタル信号変換工程と、その
ディジタル信号変換工程によって変換されたディジタル
信号に所定の演算処理動作を施してサーボエラー信号を
生成するサーボエラー信号演算処理工程と、そのサーボ
エラー信号演算処理工程における所定の演算処理動作を
変更する演算処理動作変更工程とからなる信号処理方
法。
【0010】(2)上記のような信号処理方法におい
て、上記サーボエラー信号演算処理工程が、上記ディジ
タル信号変換工程によってディジタル信号に変換された
各受光信号に所定の乗算係数を掛ける乗算行程と、その
乗算行程によって得られた各信号を加算してサーボエラ
ー信号を生成する加算工程とからなり、上記演算処理動
作変更工程が、上記所定の乗算係数を変更して上記乗算
行程の演算処理動作を変更する行程である信号処理方
法。 (3)上記のような信号処理方法において、上記乗算工
程が、上記各受光信号に対して順次時系列に所定の乗算
係数を掛ける行程であり、上記加算工程が、上記乗算工
程によって得られた各信号を順次加算する行程である信
号処理方法。
【0011】(4)上記のような信号処理方法におい
て、上記演算処理動作変更工程と上記サーボエラー信号
演算処理工程とを繰り返し行うことによって時系列で各
種のサーボエラー信号を生成する信号処理方法。 (5)上記のような信号処理方法において、上記ディジ
タル信号変換工程によってディジタル信号に変換された
各受光信号の一つに対して上記演算処理動作変更工程と
上記乗算工程と上記加算工程とによる処理を各種のサー
ボエラー信号毎に行う処理工程と、その処理工程を上記
各受光信号毎に順次行う信号処理方法。
【0012】(6)上記のような信号処理方法におい
て、上記ディジタル信号変換工程によってディジタル信
号に変換された各受光信号にオフセット調整値を加算す
るオフセット加算工程を設け、そのオフセット加算工程
によってオフセット調整値を加算した各受光信号を上記
乗算工程に入力する信号処理方法。 (7)上記のような信号処理方法において、上記加算工
程によって得られたサーボエラー信号に対してオフセッ
ト調整処理又はゲイン調整処理の少なくとも一方の調整
処理を行う調整工程を設けた信号処理方法。 (8)上記のような信号処理方法において、上記情報記
録媒体の媒体フォーマットを判別する媒体フォーマット
判別工程を設け、上記演算処理動作変更工程が、上記媒
体フォーマット判別行程の判別結果に応じて上記所定の
演算処理動作を変更する行程である信号処理方法。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
に基づいて具体的に説明する。まず、この発明の信号処
理方法を適用する情報記録再生装置の全体構成及び動作
概要について説明する。図1は、この発明の信号処理方
法を適用する情報記録再生装置の概略構成を示すブロッ
ク図である。
【0014】この情報記録再生装置は、情報記録媒体1
00に対する情報(データ)の記録及び再生を行う装置
である。この情報記録媒体100は、例えば、CD−R
OM,DVD−ROM,CD−R,CD−RW,DVD
−R,DVD−RAM,MD,MOなどの光ディスク等
の再生すべき情報が記録された、あるいは情報の記録が
行われる記録媒体である。
【0015】光ピックアップ101は、例えば半導体レ
ーザ(LD)の光源102から出射したレーザ光(出射
光,照射光)を情報記録媒体100の記録面に照射して
情報の記録を行ったり、情報記録時又は情報再生時の照
射光に対する情報記録媒体100からの反射光を受光し
て受光信号に変換して出力するものであり、光源102
やその光源102を駆動する光源駆動部(公知技術なの
で図示と詳しい説明を省略)、反射光を受光して受光信
号に変換する受光部103などが配置されている。ま
た、光ピックアップ101には光源102の出射光の一
部をモニタするモニタ受光部(同じく公知技術なので図
示と詳しい説明を省略)も配置されており、そのモニタ
受光部から出力されるモニタ信号に基づいて光源102
の出射光の光量(出射光量)の変動を制御する。
【0016】さらに、情報記録媒体100の照射光に対
する傾き(「チルト」と呼ぶ)を検知するためのチルト
検出受光部(同じく公知技術なので図示と詳しい説明を
省略)などを配置してもよい。さらにまた、この情報記
録再生装置が異なる媒体フォーマットが定められた複数
種類の情報記録媒体に対する情報の記録及び再生が可能
な情報記録再生装置にする場合(例えば、DVD及びC
D両対応装置など)、それぞれの情報記録媒体に好適な
波長の光源を持ち、それぞれの光源の出射時に情報記録
媒体からの反射光を受光する受光部やモニタ受光部を別
個に備えるようにするとよい。
【0017】信号処理部104は、光ピックアップ10
1に配置された各種受光部からの受光信号を入力し、そ
の受光信号に基づいて様々な信号処理を行う。例えば、
受光信号から情報を再生したり、情報記録媒体100の
回転に伴う面振れやトラックの半径方向の振れなどの変
動に対して常に所定の誤差内で光を照射するようにフォ
ーカスサーボ制御及びトラックサーボ制御するために受
光信号からサーボエラー信号を生成し、そのサーボエラ
ー信号に従って光ピックアップ101を制御する。ま
た、記録すべき情報を所定の規則に従って変調し、記録
信号として光源102(または光源駆動部)に出力した
り、光源102のレーザ光の出射時の出力光量制御を行
う。
【0018】回転駆動部105は、情報記録媒体100
を回転させるスピンドルモータであり、信号処理部10
4によって回転速度が制御(スピンドルサーボ制御)さ
れる。CLV回転制御を行う際には、より精度よく回転
制御をするために情報記録媒体100に埋め込まれた回
転制御信号を光ピックアップ101を介して検出し、そ
の回転制御信号に基づいて回転制御を行う。その回転制
御信号には、例えば、再生専用の情報記録媒体などでは
記録された情報に所定間隔で配置された同期信号を、記
録可能な情報記録媒体では記録トラックが所定の周波数
で蛇行したウォブルなどを用いる。コントローラ106
は、ホストコンピュータ(図示を省略する)との記録再
生情報の受け渡しやコマンド通信を行うと共に、この情
報記録再生装置の全体の制御を行う。
【0019】なお、光ピックアップ101は、情報記録
媒体100の半径方向(図中矢印107の方向)に可動
させるため(この動作を「シーク動作」と呼ぶ)、光ピ
ックアップ101自身と信号処理部104等が搭載され
ている回路基板とはフレキシブルプリント回路(Fle
xible Print Circuit:FPC)基
板(またはケーブル)と呼ばれる基板(またはケーブ
ル)で接続されるのが一般的であり、光源102や受光
部103等の光ピックアップ101に搭載される部品は
このFPC基板に実装されることも多い。
【0020】次に、上記情報記録再生装置におけるこの
発明の前提となる通常の信号処理部について説明する。
図2は、この発明の前提となる通常の信号処理部の内部
構成を示すブロック図である。この信号処理部104
は、異なるフォーマットの情報記録媒体へ対応させるた
めに二つの光源LD1とLD2を備えており、受光部P
D2とPD5によってそれぞれの光源LD1とLD2の
照射光の一部をモニタする。
【0021】受光部PD1では光源LD1によるレーザ
光の照射時に情報記録媒体からの反射光を受光し、受光
部PD4では光源LD2によるレーザ光の照射時に情報
記録媒体からの反射光を受光する。受光部PD3はチル
ト量を検知するための受光部である。上記受光部PD1
とPD3とPD4は、複数に分割された分割受光素子に
よって構成されており、その各受光素子によって反射光
を受光している。なお、光ピックアップによっては光源
LD1とLD2の出射光を同一の受光部でモニタするよ
うに構成されたものもある。同様にして、情報記録媒体
からの反射光を受光する受光部も同一とするように構成
されたものもある。
【0022】入力選択部1は、受光部PD1〜PD5の
出力する各受光信号を入力し、何れか一つを制御部11
からの選択信号に従って順次選択出力していく。調整部
2は、入力選択部1から出力された受光信号のオフセッ
ト調整及びゲイン調整を行う。A/D変換器3は、調整
部2から出力された受光信号をアナログ信号からデジタ
ル信号にデジタル変換(A/D変換)する。上記各部に
よる経路にて処理される受光信号は、後述するように比
較的低帯域な信号であり、複数の信号を時系列処理す
る。この入力選択部1,調整部2及びA/D変換器3に
よって受光信号変換部21′を構成する。
【0023】サーボ信号演算処理部13は、A/D変換
器3によってディジタル信号に変換された各受光信号に
基づいてサーボエラー信号を生成するディジタル演算処
理を行う。また、同時に、オフセット調整,ゲイン調整
も行ってその生成したサーボエラー信号をサーボプロセ
ッサ14へ供給する。RF選択部4は、受光部PD1と
PD4から出力された受光信号を入力し、後段の回路に
必要な信号を選択あるいは一部加減算などの演算を行
い、その後段の高速アナログ信号処理部5,ウォブル信
号生成部6,RF信号前処理部8の回路へ供給する。
【0024】高速アナログ信号処理部5は、DPD信号
生成やRFエンベロープ信号生成などの高速なアナログ
信号処理を行う。その各生成処理の詳細は後述するが、
その生成された信号は広帯域を必要としないので入力選
択部1に入力し、他の信号と同じく時系列処理をする。
ウォブル信号生成部6は、記録可能な情報記録媒体にプ
リフォーマットされたウォブルを検出するものである。
A/D変換器7は、ウォブル信号生成部6によって生成
されたウォブル信号をアナログ信号からデジタル信号に
デジタル変換(A/D変換)する。
【0025】ウォブル信号処理部15は、A/D変換器
7によってディジタル変換されたウォブル信号から二値
化ウォブル信号を抽出し、WCK生成部17及び回転制
御部18へ供給する。また、ウォブル信号から情報記録
媒体毎の所定規則で変調されたアドレス情報を復調し、
コントローラ19へ供給する。RF信号前処理部8は、
後段のRF信号後処理部/フェーズロックループ(PL
L)回路16と共に、RF選択部4から入力した再生R
F信号に基づいて二値化RF信号を生成し、再生してい
る情報記録媒体の変調方式規則に則って復調を行う。ま
た、そのPLL回路によって二値化RF信号から再生ク
ロックを抽出する。復調したデータはコントローラ19
へ供給する。さらに、二値化RF信号に所定間隔で挿入
された同期信号によって回転制御信号を抽出して回転制
御部18へ供給する。
【0026】回転制御部18は、ウォブル信号処理部1
5又はRF信号後処理部/PLL回路16から入力した
二値化ウォブル信号又は回転制御信号から回転制御を行
うためのスピンドルエラー信号を生成し、サーボプロセ
ッサ14へ供給する。また、情報記録媒体を角速度一定
(CAV)で回転させる場合は、回転制御駆動部(図示
を省略)から出力されるディスク回転を示す信号(図示
を省略)によりスピンドルエラー信号を生成する。サー
ボプロセッサ14は、コントローラ19からの指令に基
づき、入力される各種サーボエラー信号からサーボ制御
信号を生成し、サーボドライバ20へ出力する。
【0027】サーボドライバ20は、サーボプロセッサ
14から入力されるサーボ制御信号に基づいてサーボド
ライブ信号を生成し各駆動部へ供給する。その各駆動部
は供給されたサーボドライブ信号によってサーボ制御動
作が行われる。ここでは、サーボ制御動作はフォーカス
制御,トラック制御,シーク制御,スピンドル制御及び
チルト制御である。WCK生成部17は、ウォブル信号
処理部15から供給された二値化ウォブル信号に基づい
て記録クロック信号WCKを生成し、LD変調信号生成
部10,コントローラ19の各部へ供給する。記録時に
は、この記録クロック信号WCKを基準にして記録デー
タの生成などを行う。また、記録時にはコントローラ1
9から記録クロック信号WCKに同期させて記録データ
信号WdataをLD変調信号生成部10へ供給する。
この記録データ信号Wdataは記録すべき情報が所定
の規則に従って変調されている。
【0028】LD変調信号生成部10は、WCK生成部
17から入力される記録クロック信号WCK及びコント
ローラ19から入力される記録データ信号Wdataか
ら光源LD1あるいは光源LD2を変調するためのLD
変調信号を生成し、LDドライバ12へ供給する。LD
制御部9は、入力選択部1,調整部2を経由して受光部
PD2あるいは受光部PD5からのモニタ受光信号を入
力し、そのモニタ受光信号に基づいて光源LD1とLD
2の出射光量が所望の値となるようにLDドライバ12
にLD制御信号を供給する。いわゆるAPC(Auto
matic Power Control)制御を行
う。LDドライバ12は、LD制御部9から入力される
LD制御信号及びLD変調信号生成部10から入力され
るLD変調信号に基づいて光源LD1あるいはLD2を
電流駆動してレーザ発光させる。
【0029】また、図中の一点鎖線で括ったブロックは
集積回路22であり、その集積回路22を図1の光ピッ
クアップ101に搭載しており、制御部11はこの集積
回路22内の各部へ制御信号を供給してコントロールす
る。その際、コントローラ19から送られる制御コマン
ドによって各部の制御指令が出される。
【0030】次に、この発明に係わる主要部の回路ブロ
ックを詳細に説明する。上記前提となる受光信号変換部
21′に代えて設けるこの発明に係わる受光信号変換部
21の構成及び動作について説明する。図3は、この発
明に係わる主要部の詳細な構成を示すブロック図であ
る。また、図4は、図3に示したこの発明に係わる主要
部の動作説明に供する信号波形図である。図5は、図3
に示した各受光部の構成を示すブロック図である。
【0031】図3に示すように、この主要部は第1〜第
n受光部PD1〜PDnがそれぞれ一つから複数の受光
信号を出力する。入力選択部1は、N個のスイッチSW
1〜SWNからなり、それぞれのスイッチの一端が対応
する受光部からの受光信号Sin1〜SinNに接続さ
れている。これらのスイッチSW1〜SWNはそれぞれ
選択信号Ssel1〜SselNに応じて何れか一つの
スイッチがオンとなり、そのオンになったスイッチに対
応する受光信号が選択されて出力される。その出力され
る受光信号をSseloとする。調整部2は、オフセッ
ト調整部30及びゲイン調整部31からなり、受光信号
Sseloをそれぞれオフセット信号Sofs及びゲイ
ン信号Sgainに従ってそれぞれオフセット調整及び
ゲイン調整を行う。その調整後に出力される受光信号を
ADinとする。
【0032】A/D変換器3は、オフセット調整及びゲ
イン調整された受光信号ADinをアナログ値(アナロ
グ信号)からnビットのディジタル値(デジタル信号)
に変換する。A/D変換されたデータは第1インタフェ
ース(I/F)部32と第2インタフェース(I/F)
部33を介してデータ保持部34へ転送され、制御部1
1からの書込信号Wr1〜WrMによってデータ保持部
34のレジスタReg1〜RegMに順次格納してい
く。サーボ信号演算処理部13は、データ保持部34の
レジスタReg1〜RegMに格納された受光信号のデ
ータからサーボエラー信号を生成する演算処理を行う。
また、情報記録媒体や光ピックアップの個体間バラツキ
によるゲインバラツキを調整するゲイン調整やオフセッ
ト調整も行う。
【0033】なお、この実施形態において設けた受光部
の数,種類,受光信号線数は一例であり、受光信号の総
数が入力選択部1の入力端数N以内であれば、その他の
数,種類,受光信号線数でも実現可能である。以下の説
明では、これら受光部には、図2と同様に受光部PD1
〜PD5の五つの受光部を備えた情報記録再生装置で説
明する。
【0034】より具体的に説明するため、第1受光部P
D1は情報記録媒体からの反射光を、図5に示すような
四分割受光素子35によって受光(受光スポット36)
し、四分割受光素子35の各分割受光素子(a,b,
c,d)が受光量に応じて出力する受光電流を電流電圧
変換器37a〜37dによってそれぞれ受光信号VA,
VB,VC,VDに変換して出力する。ここで、光源の
照射光量や情報記録媒体の反射率などによって受光量が
大きくばらつくため、各電流電圧変換器37a〜37d
のゲイン、つまり電流電圧変換率をゲイン切換信号に従
って切換えられるようにしている。この場合、通常は帰
還抵抗の抵抗値を切換えることによって切換えることが
できる。これは記録時と再生時とで切換える程度のもの
でもよい。
【0035】そして、受光信号VAはスイッチSW1の
端子へ、受光信号VBがスイッチSW2の端子へ、受光
信号VCがスイッチSW4の端子へ、受光信号VDがス
イッチSW3の端子へそれぞれ出力される。また、この
ときフォーカスサーボ方式は非点収差法であり、トラッ
クサーボ方式はプッシュプル法で行うものとし、フォー
カスエラー信号FE及びトラックエラー信号TEはそれ
ぞれ次の数1と数2に基づく演算処理によって得られ
る。なお、非点収差法とプッシュプル法は共に周知の方
法であるからその詳細な説明は省略する。
【0036】
【数1】FE=(VA+VD)−(VB+VC)
【0037】
【数2】TE=(VA+VC)−(VB+VD)
【0038】図3の制御部11は、所定の規則に基づい
て時間によって選択信号Ssel1〜SselNのオン
にする信号を順次変えて、それを周期Tsmpで繰り返
す。その周期TsmpはM個の期間に分割し、その分割
された各期間毎に入力選択部1でオンになるスイッチが
変わり、そのオンになったスイッチの端子に流れる受光
信号が次段の調整部2へ選択出力される。
【0039】図4に示すように、期間T1には選択信号
Ssel1を、期間T2には選択信号Ssel2を、以
下選択信号Ssel4,Ssel3,・・・の順でオン
する信号を変えると、受光信号VA,VB,VC,V
D,・・の順でSseloとして出力する。A/D変換
器3では、受光信号Sseloをゲイン・オフセット調
整した信号ADinを、期間Ti(i=1〜M)に一度
A/D変換する。そのA/D変換された値は期間Tiに
変換された値ならばデータ保持部34のレジスタReg
iに格納する。つまり、受光信号VAの値はレジスタR
eg1に、VBの値はレジスタReg2にそれぞれ格納
される。
【0040】すなわち、各受光信号はサンプリングレー
トfsmp(=1/Tsmp)でA/D変換することが
でき、それをディジタル演算すればサーボエラー信号を
生成することができる。ここでは、サーボエラー信号及
びそれを生成するための各受光信号は広い帯域を必要と
せず(例えば、数kHz)、必要帯域に比べて十分高い
サンプリングレートfsmpでサンプリングを行えばサ
ーボ制御が行えることを利用している。同様にして、光
源の出力光量制御やチルト制御も通常は高速制御する必
要がないので、光源のモニタ受光信号(受光部PD2と
PD4の出力する受光信号)やチルト受光信号(受光部
PD3の出力する受光信号)も同様に行える。
【0041】ところで、制御部11において選択信号S
selの切換え順序はプログラミング可能にしている。
例えば、受光信号VA,VB,VC,VDが先の説明と
は別のスイッチに接続された場合、受光信号VA,V
B,VC,VDがそれぞれ接続されたスイッチが順番に
オンになるように選択信号Sselの切換え順序をプロ
グラミングすれば、上述と同様に受光信号VAの値はレ
ジスタReg1に、受光信号VBの値はレジスタReg
2に格納することができ、後段の処理部は変更する必要
がない。例えば、受光信号VAをスイッチSW5の端子
に、受光信号VBをスイッチSW6の端子に、受光信号
VCをスイッチSW3の端子に、受光信号VDをスイッ
チSW2の端子にそれぞれ出力するように接続すると、
制御部11に対して期間T1に選択信号Ssel5を、
期間T2に選択信号Ssel6を、期間T3に選択信号
Ssel3を、期間T4に選択信号Ssel2をそれぞ
れオンにするようにプログラミングする。
【0042】なお、複数個の光源を用いる場合、未使用
の光源に対応する受光部から出力される受光信号の出力
先として接続されるスイッチは選択しない。また、情報
記録媒体からの反射光を別の受光部(PD4)で受光し
ている場合、入力選択部1でPD4から出力された受光
信号が順次選択されるようにプログラミングすれば、以
降の信号処理を同一の回路系で行うことができ、回路を
より小型化することができる。
【0043】このようにすれば、複数個の受光部があっ
ても、またその受光信号をどの入力端子に入力しても制
御部11におけるプログラミングによって対応可能であ
るので、これらの受光部の配置や端子配置、さらには光
源やLDドライバなども含め光ピックアップを構成する
パーツの配置の自由度が向上する。さらには、受光部が
異なる分割形状である受光素子であってサーボエラー信
号生成方法が異なる場合であっても、その受光部の出力
する各受光信号を制御部11におけるプログラミングに
よって順次選択後にA/D変換し、サーボエラー信号を
演算生成することができるので、既存の回路の変更なし
に多様な処理を行えるように対応させることができる。
【0044】図6は、図3に示した制御部11内に設け
たプログラミング可能な選択信号生成部の構成を示すブ
ロック図である。この選択信号生成部は、同期信号Ss
yによってカウントを開始するM進カウンタ38と、そ
のM進カウンタ38から出力される期間情報信号Sti
に基づいてデータ保持部34のデータ格納先のアドレス
を選択して指定する選択信号Ssel1〜SselNの
いずれかに変換する書き換え可能な変換テーブル(LU
T)39とからなる。
【0045】LUT39は、予めプログラミングされた
選択信号Ssel1〜SselNの切換え順序を記憶し
ており、期間情報信号Stiに基づいてその順序で各選
択信号Ssel1〜SselNのいずれかの出力を決定
する。例えば、期間情報信号Sti=3、つまり期間T
3の時、選択信号Ssel4=1、その他の選択信号S
sel1〜Ssel3とSsel5〜SselNは0を
出力する。また、選択信号の切換え順序のプログラミン
グはこのLUT39の内容を書き換えることによって行
う。また、選択信号Ssel1〜SselNの切換え順
序が固定であっても、データ保持部34の各レジスタR
eg1〜RegMへの書きこみ順序をプログラミング可
能にすれば、上述と同様の効果が得られる。
【0046】すなわち、選択信号をSsel1,Sse
l2,Ssel3,Ssel4,・・・の順で切換えて
いくとすると、入力選択部1から出力信号Sseloと
してVA,VB,VD,VC,・・の順で各受光信号が
出力されるので、期間T1にはレジスタReg1に、期
間T2にはレジスタReg2に、期間T3にはレジスタ
Reg4に、期間T4にはレジスタReg3にそれぞれ
A/D変換した値を書きこめばよい。これは各レジスタ
Reg1〜RegMへの書込み信号Wr1〜WrMを制
御することによって実現することができる。また、図3
に示した制御部11に設けるプログラミング可能な書込
信号生成部は、図6に示した選択信号生成部と同様の構
成にすればよい。
【0047】さらに、選択信号Ssel1〜SselN
の切換え順序とレジスタReg1〜RegMへの書込み
順序とを組み合わせてプログラミングしてもよい。ま
た、選択信号のプログラミングで必要な入力のみ順次選
択していくようにし(例えば、入力端子が未接続のスイ
ッチは選択しないようにする)、レジスタReg1〜R
egMへの書込み順序でデータの入れ替えを行うように
してもよい。さらに、時分割数Mも後段の処理部で必要
なデータ系列数(レジスタ数)に応じてプログラミング
できるようにするとよいし、期間Tiが各回路の遅延時
間を考慮しても十分なA/D変換時間が確保できる範囲
でサンプリング周期Tsmpを変更しても良い。
【0048】図6に示した選択信号生成部又は書込信号
生成部で選択信号を生成する場合、時分割数Mの変更は
M進カウンタ38の進数を変更することによって実現す
ることができる。また、オフセット調整部30及びゲイ
ン調整部31は、A/D変換器3の入力レンジを有効に
活用するために設けており、図3に示したように入力選
択部1の後段に置くことによって回路の共通化を図るこ
とができる。
【0049】さらに、オフセット信号Sofs及びゲイ
ン信号Sgainを選択信号Ssel1〜SselNの
切換えに連動させて変化させるようにすれば、各受光信
号を同一回路で個別にゲイン・オフセット調整が行える
ようになり、各受光部から出力される受光信号のレベル
に差があっても、それぞれの信号を精度よくA/D変換
することができるようになる。例えば、通常は受光部毎
に受光量は変わるので、受光部毎にゲインを変えればよ
い。なお、それらのオフセット調整値及びゲイン調整値
は制御部11に予め記憶させておく。
【0050】そのゲイン調整値の算出は例えば以下のよ
うにすればよい。受光量は、情報記録媒体への照射光
量,情報記録媒体の反射率,光ピックアップ個体間の特
性ばらつきなどによって変動する。したがって、光源の
モニタ受光信号を検出し、その検出したモニタ受光信号
によってゲイン調整値を算出すれば照射光量の変化分を
吸収することができる。また、情報記録媒体からの反射
光を分割受光素子で受光する場合、それらの各分割受光
素子から出力される各受光信号の和を算出すれば受光量
が検出できるので、その結果である和信号に基づいてゲ
インを算出してもよい。
【0051】同様にして、RF信号のピークエンベロー
プ信号(RF信号の極性が負である場合はボトムエンベ
ロープ信号)も受光量に依存する信号であるので、これ
を用いてもよい。なお、この実施形態によれば、それら
の検出値はA/D変換器3で検出可能である。また、図
示を省略したデータ変換部によってA/D変換したデー
タをオフセット調整部30及びゲイン調整部31のオフ
セット調整値及びゲイン調整値に応じてビット数の増加
をするようにデータの変換を行い、サーボ信号演算処理
部13でデータ変換値を演算処理すれば、A/D変換器
3のビット数を増やすことなく、より高精度な演算が行
えるようになる。
【0052】図7は、この実施形態の情報記録再生装置
における受光量に応じて自動的にゲイン調整部31のゲ
イン制御を行うゲイン制御部の構成を示すブロック図で
ある。ゲイン制御部80は制御部11内に設けており、
A/D変換した各受光信号の内所定のデータを加算する
加算部81と、その加算部81からの出力を平均化する
平均化部82と、所定の目標値と平均化部82からの出
力とからゲインを算出するゲイン算出部83とから構成
される。加算部81は、A/D変換器3からの出力に
“1”又は“0”の係数を掛ける乗算器87と、その乗
算器87からの出力と遅延レジスタ89からの出力とを
加算する加算器88と、その加算器88からの出力を1
クロック遅延させる遅延レジスタ89とからなり、加算
器88からの出力が加算部81からの出力となる。
【0053】上述の例によれば、A/D変換器3からは
Dva,Dvb,Dvc,Dvd,その他受光部出力の
順で各受光信号がA/D変換して出力される。Dva〜
Dvdまでの間を係数1とし、その他を係数0とすれば
1サイクル(Tsmp)でDva〜Dvdの加算出力つ
まり第1受光部PD1の和信号が得られる。その和信号
を平均化部82で平均化することによって和信号の直流
成分を検出する。ゲイン算出部83は、所定の目標値と
平均化部82からの出力とを比較部90によって比較
し、その比較結果に基づいてゲインの現在値を増加又は
減少させて再設定する。つまり、和信号が目標値よりも
小さければゲインを増加し、大きければ減少させ、所定
値内に収まっていれば現在値を保持する。加算器91
は、比較部90の出力するゲイン増減信号と保持部92
の出力であるゲインの現在値とを加算し、ゲインを更新
する。
【0054】このようにすれば、和信号(つまりは各受
光信号)がほぼ所定値になるように自動的に制御するこ
とができ、光源の出射光量や情報記録媒体の反射率が変
化して受光量が変動した場合でも安定して精度よくA/
D変換を行え、それによって安定したサーボ動作を行う
ことができる。また、制御対象とする信号は、受光量に
比例して変動する信号であれば上述した和信号でなくて
もよい。例えば、後述するRF信号のピークホールド信
号(またはボトムホールド信号)などがある。その信号
を用いればゲイン制御部内の加算部で演算する必要がな
いので回路を簡略化することができる。
【0055】なお、平均化部82と比較部90は接続順
序が前後しても同様の効果が得られる。また、上記ゲイ
ン制御部80と同様の構成のゲイン制御部86をゲイン
制御部80と並列に設ければ、それぞれの受光部毎にゲ
インの自動制御が行える。ゲイン選択部84は、それぞ
れゲイン制御部80と86によって算出したゲイン又は
ゲインレジスタ85に記憶したゲイン調整値を選択信号
Sselに連動して切り換える。例えば、モニタ受光信
号や和信号による情報記録媒体の反射率検出時などのよ
うにゲインの自動制御を必要としない信号や状況におい
ては、ゲインレジスタ85に記憶した調整値を用いるよ
うにすればよい。また、ゲイン制御部80で算出したゲ
インを読み取るようにすれば、上述したA/D変換デー
タのビット数増加の変換が行える。
【0056】次に、A/D変換データの転送について説
明する。図3に示した受光信号変換部21は、入力選択
部1,オフセット調整部30及びゲイン調整部31,A
/D変換器3及び第1インタフェース(I/F)部32
からなり、それらを制御する制御部11と共に後段の信
号処理部104とは切り離して光ピックアップ101に
搭載する。
【0057】このようにすれば、FPC基板によって転
送される信号線が第1I/F32と第2I/F33との
間のディジタル信号となり、またこれら回路を各受光部
の直近に配置することも可能になるため、微小なアナロ
グ信号であることの多い受光信号を長距離転送する必要
がなくなり、ノイズの影響を受け難くなる。また、イン
タフェース間のデータ転送をシリアル転送で行うことに
より、転送する信号線が大幅に削減できる。
【0058】さらに、この実施形態において、FPC基
板上(あるいは光ピックアップ基板上)で各受光部から
の受光信号を特定の入力端子に接続するには信号線が長
くなったり、信号線の交差が増えたりした場合は配線自
体が不可能になる不都合が生じる。したがって、この実
施形態において、上述したプログラミングによる接続入
力端子の自由化は特に有効に作用する。さらには、サー
ボ信号演算処理部13によるサーボ演算前の各受光信号
をディジタル変換して転送するので、後述する演算方法
のプログラミング可能なサーボ信号演算処理部が簡易な
処理及び構成で実現できる。
【0059】次に、インタフェース部の動作とデータ通
信方法について説明する。図8は、図3に示した主要部
中のデータ通信に係わる主要部の構成を示すブロック図
である。図9は、図8に示したデータ通信に係わる主要
部によるデータ通信方法の説明に供する信号波形図であ
る。図8に示すように、データ通信に係わる主要部は、
A/D変換器3がオフセット・ゲイン調整した信号AD
inを変換開始信号CNVに従ってアナログからデジタ
ル(A/D)に変換する。ラッチ部40はA/D変換さ
れたnビットのデータを制御部11からのラッチ信号L
ENに従って保持する。
【0060】パラレル/シリアル変換器(P/S変換
器)41は、データ通信クロックSck(周期をTsc
kとする)に同期してnビットのラッチ出力をパラレル
/シリアル変換し、シリアルデータDoutを出力す
る。P/S変換器41から出力されたデータを一旦シリ
アル/パラレル変換を行うシフトレジスタ(SR)42
に保持し、レジスタ書込み信号Wr1〜Mに従ってデー
タ保持部34の各レジスタReg1〜Mに順次記憶させ
る。制御部11及び第2I/F部33側で通信制御を行
う制御部43は、コントローラ(図示省略)から出力さ
れる同期信号Ssyに基づいて各部への制御信号を出力
する。制御部11は、同期信号Ssyに同期させて選択
信号Ssel1〜SselNの出力を開始する。
【0061】その選択信号Ssel1〜SselNは上
述したように予めプログラミングされた順序に従って出
力される。この時、1チャネル当りオンとする時間Tc
hは、Tch=n・Tsck(nはA/D変換ビット
数)とする。また、必要であれば同時にオフセット信号
Sofs,ゲイン信号Sgainもこれに同期させて変
更する。さらに、A/D変換器3へ変換開始信号CNV
を時間Tch毎に出力する。
【0062】なお、図9では、変換開始信号CNVの出
力タイミングは入力選択部のスイッチ切換え時間や各回
路の遅延時間などが無視できる程度短いとした場合であ
るが、必要であれば所定時間遅延させたものでもよい。
また、変換の終了したデータを保持するためラッチ信号
LENを時間Tch毎に出力する。これらの動作をMチ
ャネル分行う(以下、これを1フレームと呼ぶ)。当
然、同期信号Ssyの周期Tsmpは、Tsmp≧M・
Tchの関係が成り立っているものとする。
【0063】一方、制御部43では同期信号Ssyに基
づきレジスタ書込み信号Wrを出力する。図9に示した
信号波形の例の場合では、同期信号Ssyの2・Tch
(=2n・Tsck)後、最初の書込み信号Wr1を出
力し、1チャネル当りオンとする時間Tch毎に順次書
込み信号Wrを出力する。上述のように書込み信号Wr
1〜WrMの出力順序はプログラミング可能としてもよ
い。また、同期信号Ssyはフレーム毎に同期させるの
ではなく、kフレーム(k:自然数)に一度同期を取っ
てもよいし、1乃至数チャネル毎にとるようにしてもよ
い。
【0064】次に、制御部11へのコマンド通信とデー
タ転送の時分割多重化について説明する。次の実施形態
によれば、コントローラ19から制御部11への信号線
をコマンド通信とデータ転送とに共有化することができ
る。つまり、信号線をコントローラ19から制御部11
へのコマンド通信を行うコマンド通信フェーズとデータ
の転送を行うデータ転送フェーズに分けて使用する。こ
のようにすれば、信号線をより少なくすることができ
る。なお、通常はコマンド通信を頻繁に行う必要性は乏
しく、データ転送を妨げることはない。
【0065】以下にその通信方法の実施形態を示す。コ
マンド通信フェーズとデータ転送フェーズを識別する信
号線C/D(Hi:コマンド通信フェーズ,Low:デ
ータ転送フェーズとする)を設け、制御部11はその信
号に従ってフェーズを識別する。また、その信号線C/
Dの立下りによりデータ転送の同期を取るようにすれ
ば、同期信号Ssyを兼ねることができる。
【0066】図9に示した信号波形では、期間TMの
後、1チャネル分の時間をコマンド通信フェーズとして
割り当てている。なお、コマンド通信を時分割多重化す
る場合は、上述のフレームの定義を期間T1から次の期
間T1までの間隔へと拡張する。つまり、Mチャネル分
の期間に挿入されるコマンド通信フェーズ分の期間を加
えたものとする。
【0067】また、制御部11へのコマンド通信は制御
部11内にあるコマンドレジスタ(図示を省略)へのア
クセスによって行われ、1つのコマンドはコマンドレジ
スタのアドレス(7ビットとする)とリード/ライトア
クセスの区別を示すビット及び書込み/読み出しデータ
(8ビットとする)とからなる。1フレーム内に挿入す
るコマンド通信フェーズの期間は、1乃至数個のコマン
ドが転送できる時間でもよいし、複数フレームで1つの
コマンドが転送できる時間でもよい(つまり、例えば最
初のフレーム内のコマンド通信フェーズにアドレス及び
リード/ライトアクセスビットを、次のフレーム内のコ
マンド通信フェーズにデータを転送するようにしてもよ
い)。このようにして、予めコマンド通信フェーズを挿
入する方法を決めておけばフェーズを識別する信号線C
/Dが不要になり、信号線を削減することができる。
【0068】なお、同期信号Ssyは専用の信号線を設
けなくても、制御部11へのコマンド通信によって行っ
てもよい。すなわち、所定のコマンドレジスタへのアク
セスがあった場合、そのアクセス完了後、それぞれの制
御部で同一タイミングで同期信号を発生させればよい。
このようにすればさらに信号線を減らすことができる。
さらに、スタートアップ時や待機時など情報の再生・記
録が行われていない時、つまり光ピックアップ101が
動作しない時はA/D変換データの転送を行う必要がな
く、この間を常にコマンド通信フェーズとすれば、大量
のコマンド通信が必要となるコマンドレジスタの初期化
などを迅速に行えるようになる。そして、ピックアップ
動作を行う際になって多重化を行うモードに移行する。
【0069】次に、入力端子プログラミング化の他の実
施形態について説明する。図10は、上記受光部及び受
光信号変換部とからなる受光信号入力部の別の実施形態
の構成を示すブロック図である。N個の受光部PD1〜
PDn及び入力選択部1は図3と同様であり、選択信号
Ssel1〜SselNのプログラミングによって出力
信号Sseloは各受光信号が順次出力される。上述と
同様にしてオフセット調整部30とゲイン調整部31に
よって出力信号Sseloのオフセット・ゲイン調整を
行い、サンプルホールド(S/H)回路44は、第1サ
ンプルホールド(S/H)回路SH1〜第Mサンプルホ
ールド(SHM)回路SHMのM個からなり、その各S
/H回路SH1〜SHMによって各受光信号をサンプル
ホールドする。信号演算部45では各S/H回路SH1
〜SHMの出力(またはその一部)からサーボエラー信
号を生成する。
【0070】次に、この受光部が上述した図5に示した
受光部であり、サーボエラー信号(ここではFE及びT
Eの生成について説明する)を上記数1と数2に基づい
て演算する場合について説明する。入力選択部1は上述
と同様の構成と動作であり、出力信号Sseloには順
次受光信号VA,VB,VC,VDを出力する(それぞ
れ期間T1,T2,・・・に対応する)。S/H回路S
H1はサンプリング信号Ssmp1に従って期間T1は
サンプル動作を、他の期間はホールド動作をそれぞれ行
う。つまり、期間T1に選択されている受光信号VAが
周期Tsmpでサンプリングされる。同様にしてS/H
回路SH2は期間T2に、S/H回路SH3は期間T3
に、S/H回路SH4は期間T4にそれぞれサンプル動
作を行う。
【0071】このようにすれば、各受光信号をどこに入
力しても選択順序のプログラミングにより、第1S/H
回路SH1の出力には受光信号VAが、第2S/H回路
SH2の出力には受光信号VBが、第3S/H回路SH
3の出力には受光信号VCが、第4S/H回路SH4の
出力には受光信号VDがそれぞれ出力されるので、信号
演算部45には通常の演算回路を用いればよく、フォー
カスエラー信号は上記数1に基づく演算処理を行う演算
回路46によって生成し、トラックエラー信号生成は上
記数2に基づく演算処理を行う演算回路47によって生
成することができる。また、選択信号Sselの切換え
順序が固定であっても、第1S/H回路SH1〜第MS
/H回路SHMのそれぞれのサンプルタイミングSsm
p1〜Mをプログラミングできるようにすれば上述と同
様に実施できる。
【0072】次に、上記入力選択部1の他の実施形態に
ついて説明する。図11は図10に示した入力選択部1
の他の構成例を示すブロック図である。この入力選択部
1では、各スイッチSW1〜SWNにそれぞれローパス
フィルタ(LPF)48とサンプルホールド(S/H)
回路49を設けており(図ではスイッチSW1とSW2
にのみ図示し、その他は図示は省略する)、入力された
受光信号Sinに対して各ローパスフィルタLPF1〜
LPFNによって不要な高域成分をカットし、それぞれ
のスイッチSW1〜SWNに入力する。また、各サンプ
ルホールド回路SH1〜SHNによって同一タイミング
SMPinで各入力信号をサンプルホールドすることに
より、最大Tsmpの遅延差が生じる可能性のあったも
のが同一時刻でのA/D変換値が取得できるようにな
り、後段でのサーボエラー信号生成の際、LPFで除去
しきれない同相ノイズ成分を打ち消し合うことができ、
より精度よい信号生成が可能になる。
【0073】また、従来から記録時のサーボ動作を安定
させる方法として、光ディスクからの反射光の受光信号
を光量の大きい書き込み期間と同期した期間ホールド
し、その他の期間サンプルして、書き込み期間の信号を
サーボ信号生成には用いないようにしたものがあり、記
録時の光量変化によるサーボゲインの変化をなくし、サ
ーボ動作を安定させている。そこで、記録時にはサンプ
ルホールド回路のサンプル動作をサンプルタイミングS
MPinがHiレベルでかつ書き込み期間以外の期間で
行うようにすれば、上述の効果に加え、記録時の光量変
化によるサーボゲインの変化をなくし、サーボ動作を安
定させることができる。
【0074】上記受光部としては、電流電圧変換器を内
蔵せずに受光素子単体(PD:Photo Detec
torなど)でパッケージ化されたものもあり、その場
合の受光信号は電流として出力される。そのような場
合、電流電圧変換器は設置スペースやコストの観点から
信号処理部に集積化することが望ましい。そこで、次に
その場合の実施形態を示す。
【0075】次に、上記入力選択部1のさらに他の実施
形態について説明する。図12は、図10に示した入力
選択部1のさらに他の構成例を示すブロック図である。
この入力選択部1では、各スイッチSW1〜SWNの入
力端子には(またはその一部には)、それぞれ電流電圧
変換器50と電圧バッファ51(省略も可能)とそれら
の出力を選択出力するセレクタ52とを接続しており
(図ではスイッチSWNについてのみ図示し、その他の
図示は省略する)、そのセレクタ52はどちらの出力を
選択するかを設定できる。
【0076】このようにすれば、受光部の出力する受光
信号が電流信号/電圧信号どちらのタイプであっても、
またどの入力端子に接続されていても、プログラミング
によって対応させることが可能になる。また、電流電圧
変換器によって電圧変換された受光信号は、所定の基準
電圧に対して正側の信号(受光量が大きくなると電圧が
大きくなる)である場合と、負側の信号である場合があ
る。後段のA/D変換器を有効活用するためには、一方
に統一することが望ましい。そこで、次にその場合の実
施形態を示す。
【0077】次に、上記入力選択部1のさらにまた他の
実施形態について説明する。図13は、図10に示した
入力選択部1のさらにまた他の構成例を示すブロック図
である。この入力選択部1では、各スイッチSW1〜S
WNの入力端子には(またはその一部には)、極性選択
部53を接続しており(図ではスイッチSWNについて
のみ図示し、その他の図示は省略する)、極性選択信号
によって入力信号の極性反転を設定できる。極性選択部
53は、反転アンプ55,非反転アンプ54及びこれら
の出力を選択出力するセレクタ56から構成される。
【0078】また、極性選択部53を用いなくても、オ
フセット調整部30に所定のオフセットを印加してもよ
い。例えば、入力される受光信号が基準電圧Vrefに
対し負側の信号で入力ダイナミックレンジが0〜Vre
fである場合(図14の(a)を参照)、オフセットに
基準電圧Vrefの電圧だけ印加するようにすれば、A
/D変換器の入力では基準電圧に対して正側の信号にな
るので(同図14の(b)を参照)、A/D変換器の入
力範囲を無駄に広くする必要がなくなる。また、A/D
変換後(例えば、サーボ信号演算処理部13におい
て)、印加したオフセット電圧分の補正を行えばよい。
【0079】図15は、上記入力選択部1及び調整部2
の他の実施形態の構成を示すブロック図である。入力受
光信号Sin1〜SinNは、N個のスイッチSW1〜
SWNからなるスイッチ140のその各スイッチSW1
〜SWNの入力端子にそれぞれ接続される。各スイッチ
SW1〜SWNの他端子は直列に抵抗を介して演算アン
プ142の負入力端子に接続される。また、スイッチ1
41も同様にN個のスイッチSW(N+1)〜SW(2
N)からなり、各スイッチSW(N+1)〜SW(2
N)の入力端子は入力された受光信号Sin1〜Nに接
続され、他端子が直列抵抗を介して演算アンプ142の
正入力端子に接続される。
【0080】上記各スイッチに接続される抵抗値は全て
同一とする。また、各スイッチは選択信号Ssel1〜
Ssel(2N)に従ってオンオフ制御される。可変抵
抗145は演算アンプ142の帰還抵抗であり、可変抵
抗146は演算アンプ142の正入力端子と基準電圧間
に接続され、ゲイン制御信号によって抵抗値が設定され
る。さらに、D/A変換器(DAC)143はオフセッ
ト調整値SofsをD/A変換し、可変抵抗144を介
して演算アンプ142の負入力端子に接続される。この
可変抵抗144を変化させるとオフセット調整範囲を変
更することができる。
【0081】ここで、入力選択期間Tiの時、スイッチ
SW1,SW3,SW(N+2),SW(N+4)がオ
ンになるように選択信号Sselが与えられたとする
と、演算アンプ142から出力は次に示す数3に基づく
演算から得られる値になり、入力された受光信号の加減
算演算を行える。ここで、G:ゲイン,Ofs:オフセ
ットである。
【0082】
【数3】G・(−Sin1+Sin2−Sin3+Si
n4−Ofs)
【0083】従って、図15に示すように構成すれば、
演算アンプ142は選択信号Sselによる設定によっ
て入力された受光信号Sin1〜SinNの任意の信号
の加減算及びゲイン・オフセット調整ができ、その出力
をA/D変換器3に入力すれば演算信号がディジタル値
に変換できる。また、選択するスイッチを一つのみとす
れば、受光信号の選択も同一回路で行え、さらにはスイ
ッチ140と141を選択することによって極性選択も
可能となる。また、図示は省くが、スイッチ140に接
続される抵抗と並列にこれを短絡するためのスイッチを
設けると、入力される信号が受光電流であった場合、演
算アンプ142を電流電圧変換器として用いることも可
能となる。
【0084】このようにして、加減算演算した信号をデ
ィジタル値に変換し転送するようにすれば、演算前の各
受光信号データを転送してディジタル演算するより、第
1I/F部32,第2I/F部33の間を転送すべきデ
ータ数が減る場合があり、転送レートを下げることがで
きるので、不要輻射を低減できる。また、図7に示した
加算部81のような演算手段を省略できる。
【0085】次に、広帯域信号処理出力のA/D変換に
ついて説明する。ところで、DVD−ROMなどでは位
相差検出法と呼ばれるトラッキング方法が用いられる。
この位相差検出法(以下DPD法と称する)は4分割受
光素子の対角和から得られる2つの信号の位相を比較
し、ビームスポットがピット中心をずれて通過する際生
じるこの2つの信号の位相進み量あるいは遅れ量からビ
ームスポットとトラックとの位相ずれを検出しトラッキ
ング動作を行うというものである。
【0086】各受光信号及びその信号処理部はRF帯域
が必要となるため、A/D変換を行ってディジタル信号
処理を行う場合は高速なA/D変換器を用いる必要があ
り、回路規模の増大や消費電力の増大などの弊害が生
じ、逆にA/D変換器速度が不十分である場合は精度よ
く信号が生成できない恐れがある。また、その他のサー
ボエラー信号生成には上述したように広帯域な信号処理
をする必要がないので回路の共通化を図った場合に無駄
である。一方、信号処理を終えて生成されたDPD信号
は、他のサーボエラー信号と同様の帯域の信号となる。
【0087】図16及び図17はこのような場合に好適
な実施形態の構成を示すブロック図である。第1受光部
PD1は、DPD法によってトラッキングを行う場合に
情報記録媒体からの反射光を受光する受光部であり、例
えば図5に示したような構成の受光部である。DPD信
号生成部71は、周知の信号処理回路を用いればよいの
で詳細な図示と説明を省略する。DPD信号生成部71
で生成されたDPD信号Sdpdは入力選択部1のある
一端に接続されている(図16ではスイッチSW5)。
その生成されたDPD信号Sdpdに必要な信号処理帯
域は他のサーボエラー信号や生成前の受光信号と同様で
いいので、上述と同様にして後段の処理がなされ、A/
D変換した値が所定のレジスタに格納されていく。
【0088】このようにすれば、RF帯域の信号処理が
必要な部分は高速なアナログ信号処理回路を用いるの
で、精度よく信号生成ができ、必要帯域が狭くなったと
ころでA/D変換してディジタル転送を行うので、高速
なA/D変換器を使用しなくても転送時のノイズによる
信号劣化を防ぐことができる。さらには、他のサーボエ
ラー生成前信号と同一回路で処理でき、また転送信号線
も共有できるので、回路規模の縮小及び転送信号線の削
減ができる。
【0089】さらには、DPD信号生成部71への各入
力の前に、RF選択部4(図3に示した入力選択部1と
同様に構成する)を設け、受光信号Sin1〜SinN
の一つをそれぞれ選択するようにすれば(スイッチの選
択はピックアップ固有に定められ動作中切換えることは
ない)、光ピックアップを構成するパーツの配置の自由
度向上の効果は同様に得られる。
【0090】また、RF信号のエンベロープ信号(ピー
クホールド(P/H)回路74またはボトムホールド
(B/H)回路75で生成する)や、記録中に形成され
た記録マークによって生じる反射光量の変化により記録
パワーを制御するランニングOPC(Optimum
Power Control)に用いられる記録時RF
信号の所定レベルをサンプリングするサンプルホールド
(S/H)回路76からの出力なども、DPD信号と同
様に信号生成処理部は高帯域処理が必要であるが生成さ
れた信号自体は広帯域を必要としないので、同様に行え
る。
【0091】加算アンプ72は、メインスポットの受光
信号を加算し、RF信号を生成するものである。受光部
によってはこの加算アンプ72を内蔵してRF信号を出
力するものもあるので、その場合はこの加算アンプ72
を省略してもよいし、図示とその詳細な説明を省くが、
これらの信号を選択できるようにしてもよい。また、可
変ゲインアンプ73はRF信号を制御部から指示される
RFゲイン信号に従って増幅するものであり、後段の回
路への入力レベルを上げることによって検出精度を向上
させることができる。
【0092】次に、ディジタル信号処理によるサーボエ
ラー信号の生成について説明する。図18は、上記サー
ボ信号演算処理部13の内部構成を示すブロック図であ
る。図19は、図18に示したサーボ信号演算処理部1
3の動作説明に供する波形図である。図18に示した構
成のサーボ信号演算処理部13によれば、後述する係数
の変更により、様々なサーボエラー信号生成の演算方法
に対応可能である。その一例として、フォーカスエラー
信号FEは非点収差法で、トラックエラー信号TEは差
動プッシュプル法でそれぞれ生成し、次の数4及び数5
に基づく演算処理によって生成する場合を説明する。非
点収差法,差動プッシュプル法とも周知の方法であるの
で詳細な説明は省略する。
【0093】
【数4】FE=(VA+VD)−(VB+VC)
【0094】
【数5】TE=(VA+VC)−(VB+VD)−K1
・((VE+VG)−(VF+VH))
【0095】ここで、上記数5のK1はメインビームと
サブビームとの光量比などから決定される定数であり、
これを適切に設定することにより、光軸ずれによって発
生するオフセット成分を補正できる。データ保持部34
のレジスタReg1〜RegMは、各受光信号VA〜V
HのA/D変換値Dva〜Dvhが格納されるレジスタ
であり、それぞれレジスタReg1〜Reg8に格納さ
れ、周期Tsmpの間隔で更新される。各レジスタは出
力イネーブル信号OE1〜OEMによって選択されたレ
ジスタの値が出力される。出力イネーブル信号OEはク
ロックMCKに従ってOE1からOEMまで順次切換わ
っていく。つまり、出力DxはDva,Dvb,・・
・,Dvh,・・・の順で出力されていく。なお、以降
の回路もクロックMCKに従って動作する。
【0096】加算器60は信号Dvと演算前オフセット
Dofsとを加算し、乗算器62は加算器60からの出
力に係数Kv倍の乗算を行う。オフセット値Dofs及
び係数Kvは出力イネーブル信号OE1〜OEMに従っ
て演算前オフセットレジスタ群61の各演算前オフセッ
トレジスタ群OFS1〜OFSMのうちの一つが、演算
係数レジスタ群63の各演算係数レジスタKv1〜Kv
Mのうちの一つがそれぞれ選択出力される。出力イネー
ブル信号OE1がオンとなっている期間には乗算器62
からの出力はKv1・(Dva+OFS1)となる。
【0097】演算前オフセットレジスタ群61の各演算
前オフセットレジスタOFS1〜OFSM)には、それ
ぞれ各受光信号VA〜VHのオフセット調整値が格納さ
れている。また、演算係数レジスタ群63は複数個のバ
ンクを備えており、それぞれのバンクは各演算係数レジ
スタKv1〜KvMのM個のレジスタ群であり、バンク
の切換えは演算フェーズ信号Sphによって切換わる。
演算フェーズ信号SphはFE演算フェーズ,TE演算
フェーズなどの各サーボエラー信号演算生成のフェーズ
を示す信号である。FE,TEを上記数4と数5に基づ
く演算処理で生成する場合には、演算係数レジスタ群6
3には次の表1に示す係数を格納する。
【0098】
【表1】
【0099】加算器64は、乗算器62からの出力とレ
ジスタRegTmp65からの出力とを加算する。レジ
スタRegTmp65は1クロック前の加算器64から
の出力を保持するものであり、出力イネーブル信号OE
1がオンとなる期間にリセットされる。加算器66は、
加算器64からの出力とサーボ信号オフセットSVOf
sとを加算し、乗算器68は加算器66からの出力に係
数Kg倍の乗算を行う。サーボ信号オフセットSVOf
sと係数Kgはそれぞれのサーボエラー信号のオフセッ
ト調整値とゲインであり、演算フェーズ信号Sphによ
って出力が切換わる。サーボエラー信号レジスタReg
SV70は演算された各サーボエラー信号を格納する保
持手段である。ここで、FE演算フェーズであるとする
と、レジスタRegTmpの出力は期間t1,t2,・
・・と移るにつれ、それぞれ以下の数6〜数9に示す値
になり、期間tmには加算器64の出力はFEが演算生
成されている。
【0100】
【数6】t1:0
【0101】
【数7】t2:Dva+OFS1
【0102】
【数8】t3:(Dva+OFS1)+(−1・(Dv
b+OFS2))
【0103】
【数9】t4:(Dva+OFS1)+(−1・(Dv
b+OFS2))+(−1・(Dvc+OFS3))
【0104】つまり、次の数10に示す値(オフセット
調整値は省略)となる。
【0105】
【数10】Dva−Dvb−Dvc+Dvd+0・(D
ve+・・・)
【0106】またこの時、この加算器64からの出力に
FEオフセット値FEOfsの加算とFEゲインが掛け
られてFE信号が生成され、レジスタRegFEに格納
される。同様にして、TE演算フェーズに移ると期間t
mには加算器64からの出力は、次の数11に示す値
(オフセット調整値は省略)になり、この加算器64か
らの出力にTEオフセット値TEOfsの加算とTEゲ
インが掛けられてTE信号が生成され、レジスタReg
TEに格納される。
【0107】
【数11】Dva−Dvb+Dvc−Dvd−K1・D
ve+K1・Dvf−K1・Dvg+K1・Dvh
【0108】さらに、以降の演算フェーズで制御に必要
な他のサーボエラー信号(例えば、レンズポジション信
号,トラッククロス信号,和信号,チルトサーボエラー
信号など)が生成される。
【0109】このようにすれば、同一回路で複数のサー
ボエラー信号の生成ができ、回路規模が縮小できる。ま
た、演算係数Kvを変更することによって様々な演算方
法によるサーボエラー信号を生成することができ、各種
の光ピックアップに対応させることができる。さらに、
情報記録媒体の媒体フォーマットの種類を判別する媒体
フォーマット判別部(図示を省略)を設け、サーボ信号
演算処理部13が媒体フォーマットの種類の判別結果に
基づいて上記演算処理内容を変更するようにすれば、複
数の異なるフォーマットの情報記録媒体に対応する装置
でサーボエラー信号生成方法が異なる場合であっても、
情報記録媒体の種類を識別し、その識別結果に応じて演
算係数Kvを変更することによって対応させることがで
きるので、それぞれのサーボエラー信号生成部を別個に
設ける必要がなくなり、回路規模を縮小できる。さらに
また、高速な演算処理が必要な場合は、同様の演算部を
設け、並列処理をするようにすればよい。
【0110】なお、この演算フェーズ中は各A/D変換
データを確定しておく(更新しない)必要があるので、
上述したコマンド通信フェーズをこの演算フェーズに充
てることでデータ及びコマンドの通信が無駄なく行える
ようになる。また、演算結果を格納するサーボエラー信
号レジスタRegSV70の出力をD/A変換器(D/
A変換手段)によってアナログ信号に変換するようにす
れば、アナログ信号であるサーボエラー信号入力を想定
した既存のサーボプロセッサを使用できるようになる。
さらに、そのD/A変換器からの出力をサンプルホール
ドするサンプルホールド回路を複数個設け、各演算フェ
ーズで生成したサーボエラー信号をそれぞれホールドす
るようにすればD/A変換器を共有化することができ
る。
【0111】次に、上記ウォブル信号生成部6について
詳しく説明する。図20は、図2に示したウォブル信号
生成部6の内部構成をその他の関係各部と共に示すブロ
ック図である。このウォブル信号生成部110は、図5
に示した受光部を想定しており、次の数12に基づく演
算処理によって、いわゆるプッシュプル信号PPを生成
し、そのプッシュプル信号PPから記録トラック(グル
ーブとする)が所定の周波数で蛇行しているウォブル信
号成分を抽出し、ウォブル信号WBLを生成する。
【0112】
【数12】PP=(VA+VC)−(VB+VD)
【0113】加算アンプ111と112は、それぞれV
A+VCとVB+VDの各受光信号を加算してVACと
VBDを出力する。DC成分除去部113と114は、
それぞれの受光信号VACとVBDのDC成分を除去す
るものであり、それぞれの信号からDC成分抽出部11
9によって生成したDC除去信号を減算し、信号VA
C′とVBD′を出力する。
【0114】DC成分抽出部119は、A/D変換器3
によって変換した受光信号VA〜VDのディジタル値を
加算部120で加算してそれぞれ信号VA+VCとVB
+VDを求め、平均化部121によってDC除去信号を
算出する。その際、ディジタル加算した値はゲイン調整
部31で調整したゲイン分増減しているので、加算アン
プ111と112のゲインと一致するように補正する。
DC成分除去部113と114はハイパスフィルタ(H
PF)で構成してもよいが、通常DC成分を除去するよ
うな低いカットオフ周波数のHPFは大容量のコンデン
サが必要となり、集積回路のチップサイズ増大やコンデ
ンサを外付けとするための端子が必要になったりすると
いう問題が生じる。しかし、この実施形態のようにすれ
ば、上記のような問題が生じない。さらに、平均化部1
21の変更によって生成するDC除去信号の帯域も変更
できる。
【0115】AGC(Automatic Gain
Contorol)回路115と116は、信号VA
C′とVBD′の振幅が所定値になるように自動的にゲ
イン調整する回路である。減算アンプ117はAGC回
路115と116の出力を減算し、ウォブル信号WBL
を生成する。その生成されたウォブル信号WBLはA/
D変換器118によってA/D変換され、第1I/F部
32と第2I/F部33を介して転送される。データの
通信方法やインタフェース部は、図8に示した主要部に
よる図9に示した信号波形による動作と同様に行えばよ
い。
【0116】ウォブル信号処理部122は、二値化ウォ
ブル信号の生成及び所定の情報記録媒体フォーマットに
従ったアドレス情報復調のディジタル信号処理を行う。
既記録領域をトラッキングしている際は、信号VACと
VBDには記録されたRF信号が同位相で重畳されて検
出される。重畳されるRF信号成分の振幅は受光量に依
存し、同一光量であれば減算することにより除去でき
る。しかし、光軸ずれや受光素子の初期調整ずれによっ
て受光スポット中心が分割線からずれると、各受光素子
間で受光量が偏り、RF信号成分が十分除去できなくな
る。また同様に、記録中においても光源の変調成分の除
去が不十分となる。このようなノイズが重畳された状態
でA/D変換して信号処理を行えば、正確な検出ができ
なくなる。また、後段のディジタル信号処理でこのノイ
ズ成分を除去するためには、これらノイズ成分帯域の数
倍でサンプリング可能な極めて高速なA/D変換器及び
ディジタル処理回路が必要となって現実的ではない。
【0117】しかし、この実施形態によれば、AGC回
路115と116によって各信号の振幅を一定にするこ
とにより、受光量の偏りがあってもRF信号成分,光源
変調成分を除去することができ、S/N比を向上させる
ことができる。これにより正確な検出ができるようにな
る。この実施形態のように、RF信号成分,光源変調成
分を除去したウォブル信号をアナログ回路により生成
し、これをA/D変換してウォブル信号処理をディジタ
ル信号処理すれば、高速なA/D変換器がなくとも精度
よく検出することができる。また、デジタル値を転送す
るので転送による信号劣化が生じない。
【0118】図21は、ウォブル信号の変換データの転
送を上述のサーボ演算前信号の転送線と共有して使用す
る場合の通信方法の説明に供する信号波形図である。ウ
ォブル周波数はサーボエラー信号帯域に比べ高い周波数
を必要とする。そこでこの実施形態では、A/D変換器
3の出力データであるサーボ演算前信号ADchの1チ
ャネル毎にウォブル信号変換データADwを一つ挿入し
て転送している。
【0119】A/D変換器3の変換ビット数をmビット
とすると、ウォブル信号のサンプリング周期TwsはT
ws=(n+m)・Tck(Tckは転送クロック周
期)となる。また、各サーボ演算前信号のサンプリング
周期(フレーム周期)Tsmpは、Tsmp=(M+
α)・Twsとなる。ここでMは転送するチャネル数、
αはコマンド通信フェーズを挿入する場合のチャネル転
送時間Tch相当数である。図21ではα=2としてい
る。このようにすれば、転送する信号線を削減すること
ができる。
【0120】次に、上記LD制御及びLD変調について
説明する。図22は、図2に示したLDドライバ12の
内部構成をLD制御部9とLD変調信号生成部10及び
他の関係部と共に示すブロック図である。図23は、図
22に示したLD制御部9とLD変調信号生成部10及
びLDドライバ12による動作の説明に供する信号波形
図である。この実施形態で想定する情報記録媒体は相変
化型記録媒体(例えばCD−RW)とし、図23の
(e)に示すような光変調波形でLDを発光させ、記録
マーク(同図23の(f))を形成する。すなわち、L
DパワーレベルはライトパワーPw,イレースパワーP
e,ボトムパワーPbの三値であり、図のようなマルチ
パルスで記録マークが形成される。この時、記録パワー
レベル及び各パルスのパルス幅・パルス間隔を精度よく
制御することによって正確な記録がなされる。
【0121】なお、再生時には一定の再生パワーPrで
発光する。また、図示は省くが、情報記録媒体からの戻
り光によるノイズを抑制するため高周波信号を重畳する
場合もある。図22に示すように、LD変調信号生成部
10は記録クロック信号WCKを基準に記録データ信号
Wdataから、図23の(d)と(c)にそれぞれ示
すようなLD変調信号MOD及びステート信号STを生
成する。図23の(d)と(c)では説明を簡単にする
ため、信号MOD及びSTの記録データWdataに対
する遅延は無視して図示している(通常は生成回路の都
合上所定クロック遅延する)。またこの時、LD変調信
号MODは所要の情報記録媒体に最適なパルス幅制御が
行われているものとする。
【0122】電流源137は光源LDへ駆動電流を出力
するものであり、それぞれの電流源の電流値Iw,Ie
(=Ie0=Ie1),Ibは電流設定部131によっ
て設定される。スイッチ132は選択信号St0とSt
1及びLD変調信号MODにしたがって電流源の何れか
一つを選択し、変調電流値Imodを出力する。スイッ
チ133は記録/再生を示す信号R/Wにより、変調電
流値Imodか再生電流値Irかを選択する。そして、
スイッチ133の出力電流値とLD制御部9の出力する
LD制御電流値Iapcとを加算してLD駆動電流値I
LDを生成し、LDを駆動する。この駆動電流値ILD
によってLDの出射光量が決まる。
【0123】すなわち、駆動電流値ILD=Iapc+
Iwの時は出射パワーP=Pwに、駆動電流値ILD=
Iapc+Ieの時は出射パワーP=Peに、駆動電流
値ILD=Iapc+Ibの時は出射パワーP=Pbに
それぞれなる。ステートマシン130は、LD変調信号
MOD及びステート信号STにしたがって選択信号St
0とSt1を出力する。
【0124】図24は、図22に示したステートマシン
130の状態遷移図であり、S0〜3の各状態に応じて
選択信号St0とSt1が決まる。状態の遷移条件は図
24に示す通りであり、図23の(b)はその遷移状態
を示す。また、次の表2は選択信号St0とSt1及び
変調信号MODによって選択される変調電流値Imod
の電流値を示す。
【0125】
【表2】
【0126】受光部PD2は光源LDの出射光の一部を
受光し、モニタ受光電流を出力する。モニタ受光電流
は、電流電圧変換器134,S/H回路135,入力選
択部1,調整部2,S/H回路136を経由してLD制
御部9に供給される。S/H回路135は、光源LDが
所定のパワーで照射中のモニタ受光レベルをサンプルす
る(例えば、図23の(e)に示すような光波形信号で
ある場合はイレースパワーPeでサンプルするとよ
い)。
【0127】S/H回路136は、入力選択部1がモニ
タ受光信号を選択している期間サンプルする。その他に
ついては上述した動作と同様である。LD制御部9は、
入力されたモニタ受光信号が所定の目標値となるように
LD制御電流値Iapcを制御する。また、LD制御部
9はA/D変換器3によってA/D変換されたモニタ受
光信号を入力し、ディジタル信号制御を行うものであっ
てもよい。タイミング信号生成部138は、S/H回路
135などの光波形に同期させてサンプルホールドを行
う回路のタイミング信号を生成するものであり、LD変
調信号を生成するLD変調信号生成部10から光波形同
期信号が供給される。
【0128】以上からわかるように、光源LDの光変調
波形のパルス幅は変調信号MODのみによって決まり、
LD変調信号生成部10からの出力の二つの信号間にス
キューがあっても光波形には影響を及ぼさず、正確な記
録マークが形成できる。したがって、LD変調信号生成
部10はLDドライバ12とは別の集積回路で構成して
もよく、それぞれ要望される回路特性にあった半導体プ
ロセスを選択できるようになり、コスト・性能に見合っ
た装置を構成することができる。すなわち、LD変調信
号生成部10では高速動作及び高集積化が求められるた
め微細なCMOSプロセスが好適である。
【0129】一方、LDドライバ12には、1〜数V程
度の動作電圧を持つ光源LDが接続されるため、高耐圧
プロセス(例えば5Vや3.3Vなど)が要求される。
通常、微細なCMOSプロセスでは高耐圧にすることは
困難である(例えば、0.18μmCMOSプロセスで
は1.8V程度の耐圧しかない)が、この実施形態によ
ればそれぞれを好適なプロセスで構成できるようにな
る。また、LD変調信号生成部10を光ピックアップに
搭載される集積回路内に設けることにより、変調信号の
LDドライバ12までの配線長を短くすることができ、
変調信号の劣化つまり光変調波形の劣化を防ぐことがで
きる。さらには、光波形との同期が要求される回路と同
一集積回路内に設けることができるので、各タイミング
信号の遅延の低減や、集積回路端子数の低減ができる。
【0130】次に、上記実施形態の情報記録再生装置を
異なる光変調波形に適用させる場合について説明する。
通常、情報記録媒体の種類により最適な光変調波形は異
なる。しかし、図22に示した各部の構成によれば、L
D変調信号MOD及びステート信号STの生成手段及び
電流源137の設定電流値を変更すれば各記録媒体に最
適な光波形を駆動することができる。例えば、図25の
(e)に示すような光変調波形が要求される情報記録媒
体の場合は、LD変調信号生成部10において図25の
(d)と(c)にそれぞれ示すような波形の信号を生成
し、電流源137の各電流値を次の表3に従うように設
定すればよい。なお、電流値Ib,Iw,Itはそれぞ
れLD制御電流値Iapcと加算され、光源LDを出射
パワーPb,Pw,Ptの各パワーで発光させる。この
場合においても、上述した効果が同様に得られる。
【0131】上述の説明では照射レベルが三値の場合に
ついて説明したが、より多値レベル化した場合でも、上
述と同様にして適用することができる。まず、ステート
マシン130で管理する各状態を照射レベルの内二値の
組み合わせ状態とする。選択信号St0とSt1はこれ
ら状態の現在値に対応して電流源137を選択する。そ
して変調信号MODによって、この二値間の変調を行
う。また、状態の遷移は変調信号MODによって非選択
である一方のみが変化する。このようにすれば、ステー
トマシンの組み方により、各種光変調波形を駆動でき
る。さらには、状態遷移条件を変更可能とすれば、情報
記録媒体に応じて最適な光変調が行えるようになる。ま
た、二値レベル変調へも容易に適用することができる。
【0132】
【表3】
【0133】次に、上記実施形態の情報記録再生装置に
おける集積回路構成例について説明する。上記実施形態
では、集積回路22は特に断りのない限り図2に示した
一点鎖線で括ったブロックを集積回路化した場合につい
て説明したが、集積回路22の構成形態は以下に示すよ
うな各種変形がなされたものにしてもよい。A/D変換
器3を後段に配置し、つまり集積回路22は入力選択部
1と調整部2を備えており、信号ADinをFPC基板
上で転送するようにしてもよい。このようにすれば、小
型化の望まれる光ピックアップ上に載る集積回路22の
回路規模を縮小できる。
【0134】なお、転送される信号線はアナログ信号と
なるが、上述のように各受光信号毎にゲイン調整を行え
ばS/N比の十分な信号レベルとすることができるの
で、ノイズの影響は受け難い。また、転送信号線の削減
や接続入力端子のプログラミングによる光ピックアップ
パーツ配置自由度の向上などの効果は同様に得られる。
サーボ信号演算処理部13を集積回路22内に設けても
よい。このようにすれば、転送するデータは演算後のサ
ーボエラー信号のみとなり、演算前の各受光信号データ
を転送するよりも転送データ数が減る場合があり、転送
レートを下げることができるので、不要輻射を低減でき
る。
【0135】さらに、A/D変換器7を後段に配置し、
(アナログ)ウォブル信号WBLを転送するようにして
もよい。情報記録媒体のフォーマットによっては、ウォ
ブル周波数が比較的高い場合がある(例えばRF信号帯
域の数分の1程度)。そのような場合、ディジタル変換
したデータをシリアル転送すると高転送レートにならざ
るを得ない。この場合生じる不要輻射によるノイズを低
減するには、ウォブル信号WBLを転送するようにすれ
ばよい。また、ウォブル信号をゲイン調整して十分な振
幅レベルにすれば、ノイズによる信号劣化を低減でき、
信号線の増加もなく、上述した効果が得られる。LDド
ライバ12を別の集積回路とする作用・効果は上述し
た。
【0136】次に、LDドライバ12の他の実施形態に
ついて説明する。図26は、図2に示したLDドライバ
12の他の実施形態の構成をLD変調信号生成部10と
共に示すブロック図である。図27は、図26に示した
LD変調信号生成部10とLDドライバ12による動作
説明に供する信号波形図である。なお、図22と図23
と同様の構成・動作をするものはその図示と説明を省略
する。この実施形態では、図27の(e)に示すような
6値(P1〜P6)のパワーレベルで発光する光変調波
形を駆動する場合について説明する。
【0137】図26に示すLDドライバ12において、
電流源152はLDの各発光レベルP1〜P6及び再生
レベルP0に対応した駆動電流を供給する複数の電流源
であり、各々の電流値Ip1〜Ip6,電流値Ip0は
電流設定部151によって設定される。スイッチ153
は選択信号Ssに従って各電流のスイッチングを行い、
電流加算部154によってスイッチ153の出力する電
流とLD制御電流Iapcを加算し、LDに駆動電流I
LDを供給する。ステートマシン150は、LDの発光
状態を管理し、一つの状態が一つの発光状態を示す。す
なわち、状態Sp0〜Sp6は、それぞれ発光レベルP
0〜P6に対応している。また、ステートマシン150
は状態に対応して選択信号Ssを出力し、電流源152
内の対応した電流源のスイッチングを行う。
【0138】図28は、図26に示したステートマシン
150の状態遷移図である。同図中の一点鎖線枠内で示
す記録動作中においては、変調信号MODの切換わりに
よって状態の遷移が行われる。つまり、発光パワーレベ
ルの変化タイミングは変調信号MODによって決まり、
LD変調信号生成部10から出力された二つの信号間に
スキューがあっても光波形には影響を及ぼさず、正確な
記録マークが形成できる。
【0139】以下に遷移条件を示す。 (イ)状態Sp0:R/W=Writeによって状態S
p3に遷移する。 (ロ)状態Sp3:ST=L、MOD=↑(「↑」は立
ち上りを表す)で次状態に遷移する。但し、モードMo
deによって遷移先が異なり、Mode=0の時にSp
4へ、Mode=1の時にSp5へ、Mode=2の時
にSp6へそれぞれ遷移する。また、ST=Hの時、M
ODのパルス数によってモードModeの値を変化させ
る。まず、状態Sp3への遷移によってModeは0に
リセットされる。そして、ST=Hの間、MODの立ち
上り毎にModeをインクリメント(+1)する。例え
ば図27の期間(A)ではMode=2になる。
【0140】(ハ)状態Sp4:ST=L,MOD=↓
(「↓」は立ち下がりを表す)で状態Sp1に遷移す
る。また、ST=H,MOD=↓で状態Sp2に遷移す
る。 (ニ)状態Sp5,Sp6:状態Sp4と同様である。
但し、本実施形態においては、状態の遷移と共にMod
eをデクリメント(−1)させる(Mode=0の時は
そのまま)。なお、モードModeの変更動作と変える
と(例えば状態の遷移と共にModeを0にリセットす
ると)、図26とは異なる光波形を生成できるようにな
る。
【0141】(ホ)状態Sp1:ST=L、MOD=↑
で次状態に遷移する。但し、モードModeにより遷移
先が異なり、Mode=0の時Sp4へ、Mode=1
の時Sp5へ、Mode=2の時Sp6へ遷移する。ま
た、ST=H、MOD=↑で状態Sp3に遷移する。 (ヘ)状態Sp2:MOD=↑で状態Sp3に遷移す
る。なお、状態Sp1の遷移条件と同様にしてもよい。
また、状態Sp0(再生モード)への復帰は、R/W=
Raed後に最初に状態Sp3に戻った後に移行するよ
うにしてもよいし、R/W=Readによって強制的に
移行するようにしてもよい。
【0142】ところで、情報記録媒体によってはマーク
が形成されるとき、隣接のスペース長によって媒体上で
熱的影響を受け、マークのエッジが隣接スペース長によ
ってさまざまに変化する場合がある。これを避けるため
に、従来では隣接のスペース長を考慮して光変調波形の
各パルス幅を変えている。この実施形態では、加えて、
隣接のスペース長を考慮してパワーを変えられるように
なる。つまり、スペース長に応じてモードModeを変
えることにより、先頭パルス(及び以降のパルス)のパ
ワーを変化させることができる。また、ステート信号S
Tの立ち上りタイミングによっても、最終ボトムパワー
パルス(クーリングパルスと呼ぶ)のパワー設定が可能
になる。
【0143】このようにすれば、隣接スペース長に応じ
てパルス幅補正をするのと等価になるので、パルス幅制
御分解能の細分化が軽減され、高速記録化対応に適する
ようにすることができる。また、よりパワーレベル数の
増加や、複雑な光波形が要求される場合は、状態数を増
やし、モードによる遷移先分岐条件及び各状態でのモー
ドの変更動作を変更すればよい。さらには、モードによ
る遷移先分岐条件を含めた遷移条件をプログラミング可
能とすれば、記録媒体に応じた最適な光変調波形を生成
することができる。モードModeの制御は、変調信号
MODとステート信号STによって行うため、信号線を
増加する必要はない。逆に、モード制御信号を加え、よ
り複雑なモード設定に対応するようにしてもよい。
【0144】次に、この発明に係わる信号処理であるサ
ーボエラー信号処理について説明する。図29は、図1
8によって説明したサーボ信号演算処理部13における
乗算係数設定処理を示すフローチャートである。図30
は、図18によって説明したサーボ信号演算処理部13
におけるサーボエラー信号生成処理を示すフローチャー
トである。
【0145】まず、図29のステップ(図中「S」で示
す)1のディスク判別処理において記録再生動作の対象
となる情報記録媒体100の媒体フォーマットの種別を
判別する。この情報記録媒体の判別手段及び判別方法に
ついては、従来の公知技術を用いればよい。すなわち、
このステップ1が情報記録媒体の媒体フォーマットを判
別する媒体フォーマット判別工程である。
【0146】ステップ2においては、ステップ1で判別
した情報記録媒体の媒体フォーマットの種別に応じて、
演算係数レジスタ群63の乗算係数Kvを各種サーボエ
ラー信号に適した値に変更する。この値はコントローラ
19などにある内部メモリ(記憶手段)に予め記憶して
おくものとする。また、乗算係数Kvは記録時と再生時
で演算処理方法が異なる場合もその動作に適した値に変
更する。すなわち、このステップ2がサーボエラー信号
演算処理工程における所定の演算処理動作を変更する演
算処理動作変更工程であり、所定の乗算係数を変更して
乗算行程の演算処理動作を変更する行程に相当する。こ
こでは、上記媒体フォーマット判別行程の判別結果に応
じて記所定の演算処理動作を変更する演算処理動作変更
工程である。その後に続けてサーボエラー信号演算処理
を行う。
【0147】図30に示すように、ステップ(図中
「S」で示す)11において、各受光信号(1〜M)を
それぞれA/D変換し、変数Dvi(i=1〜M)に代
入して保持する。すなわち、このステップ11は情報記
録媒体に照射した光の反射光を検出する受光手段から出
力された受光信号をディジタル信号に変換するディジタ
ル信号変換工程である。この実施形態では、各種サーボ
エラー信号は時系列的に処理するものとし、各サーボエ
ラー信号の演算工程を演算フェーズと呼ぶ。演算フェー
ズは変数svで表し、例えば、sv=1の時はFE演算
フェーズ,sv=2の時はTE演算フェーズ、・・・と
して各演算フェーズで所要のサーボエラー信号の演算処
理を行う。演算フェーズ数をSVmaxとする。
【0148】ステップ12で演算フェーズの初期化を行
う。つまりsv=1とする。ステップ13で乗算係数K
vを演算フェーズsvに適合した演算係数Kv(sv)
に切換え、Kv=Kv(sv)にする。図18に示した
サーボエラー信号演算処理部では、演算係数レジスタ群
63のバンク切換えを実行することによって行われる。
ステップ14で各変数の初期化を行う。つまり、i=
1,X=0とする。ステップ15で受光信号i(Dv
i)に対してオフセットの加算(各受光信号のオフセッ
ト調整)と係数Kviの乗算を行い、Y=Kvi*(D
vi+Ofsi)を求める。
【0149】すなわち、このステップ15は、上記ディ
ジタル信号変換工程によってディジタル信号に変換され
た各受光信号にオフセット調整値を加算するオフセット
加算工程と、上記ディジタル信号変換工程によってディ
ジタル信号に変換された各受光信号に所定の乗算係数を
掛ける乗算行程であり、そのオフセット調整値を加算し
た各受光信号を乗算工程に入力する。
【0150】ステップ16において、ステップ15にお
ける演算結果を変数Xの現在値に加算し、X=X+Yを
求める。すなわち、このステップ16が上記乗算行程に
よって得られた各信号を加算してサーボエラー信号を生
成する加算工程である。ステップ17でi≧Mの判定を
行い、i≧Mならばステップ18へ進み、i≧Mでなけ
ればステップ22へ進んでi=i+1としてステップ1
5へ戻る。つまり、i=1〜Mに対してステップ15と
16の処理を繰り返す。すなわち、ステップ14〜1
7,22による処理は、上記各受光信号に対して順次時
系列に所定の乗算係数を掛ける乗算工程とその乗算工程
によって得られた各信号を順次加算する加算行程であ
る。この処理は、次の数13の演算式に基づく演算処理
を行っているのと同等である(i=1toM)。
【0151】
【数13】X=Σ(Kvi*(Dvi+Ofsi))
【0152】したがって、上記演算式が並列処理される
ものでもよい。ステップ18でステップ16における演
算結果Xに対し、オフセットOfs(sv)の加算(各
サーボエラー信号のオフセット調整)と、ゲインKg
(sv)の乗算(各サーボエラー信号のゲイン調整)を
行い、Z=Kg(sv)*(X+Ofs(sv))を求
める。すなわち、このステップ18は、上記加算工程に
よって得られたサーボエラー信号に対してオフセット調
整処理又はゲイン調整処理の少なくとも一方の調整処理
を行う調整工程である。ステップ19でステップ18に
おける演算結果ZをReg(sv)に代入する。
【0153】ステップ20で全ての演算フェーズにおい
て一連の処理が終了したか否かを判定し、つまりsv≧
SVmaxの判定をし、終了(sv≧SVmax)なら
ばステップ21へ進み、終了でない(sv≧SVmax
でない)ならばステップ23において次の演算フェーズ
への移行処理(sv=sv+1)を行い、ステップ13
へ戻る。ステップ21においてサーボ演算動作を終了す
るか否かの判定を行い、終了するならば終了し、終了し
ないならばステップ11へ戻り、各種サーボエラー信号
の生成処理を繰り返す。
【0154】これらの繰り返しを所定の周期Tsmpで
行うことによって、サンプリング周波数fsmp(=1
/Tsmp)の各種サーボエラーを生成することができ
る。すなわち、ステップ13〜19,22の処理が、デ
ィジタル信号変換工程によって変換されたディジタル信
号に所定の演算処理動作を施してサーボエラー信号を生
成するサーボエラー信号演算処理工程に相当し、ここで
は、演算処理動作変更工程とサーボエラー信号演算処理
工程とを繰り返し行うことによって時系列で各種のサー
ボエラー信号を生成する。
【0155】上述の処理では、各サーボエラー信号の生
成処理(ステップ13〜19)を時系列処理するように
しているが、各演算処理を並列に行ってもよい。図31
は、図18によって説明したサーボ信号演算処理部13
における他のサーボエラー信号生成処理を示すフローチ
ャートである。この処理は、各ステップ毎の処理内容は
図30に示したフローチャートと同様であるが、その処
理順序が異なる。ステップ31において、i=1,X
(sv)=0(但し、sv=1〜SVmax)の初期化
を行う。次に、ステップ32において、受光信号(i)
をA/D変換し、変数Dviに代入する。続いて、この
変数Dviに対して次の一連の処理を行う。
【0156】まず、乗算係数Kvを演算フェーズsvに
適合した乗算係数Kv(sv)に切換え(ステップ3
4)、Kvi*(Dvi+Ofsi)なる演算を行い
(ステップ35)、変数X(sv)の現在値に加算する
(ステップ36)。そして、オフセットOfs(sv)
の加算とゲインKg(sv)の乗算を行い(ステップ3
7)、Reg(sv)に代入する(ステップ38)。各
演算フェーズ毎に上記一連の処理を終えたら、変数iを
インクリメント(+1)し(ステップ43)、i=Mま
でステップ32〜43を繰り返し、各種サーボエラー信
号を生成する。最後に、ステップ41において、サーボ
演算動作を終了するか否かの判定を行い、終了するなら
ば終了し、終了しないならばステップ42へ戻り、各種
サーボエラー信号の生成処理を繰り返す。
【0157】このようにすれば、受光信号のA/D変換
を全て終えた後に演算処理を行わなくても、順次各受光
信号をA/D変換し、これに対して演算処理を行って各
サーボエラー信号に順次加算していくので、処理時間の
効率化が図れる。この演算処理動作を実現するには、図
18において、レジスタRegTmp65をSVmax
個並列に設ける構成とし、各レジスタに変数X(sv)
の機能を持たせればよい。なお、このレジスタは信号S
phによって一つを選択するように動作する。
【0158】この発明の請求項1に係わるサーボエラー
信号生成処理によれば、情報記録媒体に照射した光の反
射光を検出する受光手段から出力された受光信号をディ
ジタル信号に変換し、その変換されたディジタル信号に
所定の演算処理動作を施してサーボエラー信号を生成す
る際、上記所定の演算処理動作を変更するので、光ピッ
クアップ構成の変更によってサーボエラー信号演算方法
の変更があっても演算処理動作の変更によって対応する
ことができる。また、この発明の請求項2に係わるサー
ボエラー信号生成処理によれば、ディジタル信号に変換
された各受光信号に所定の乗算係数を掛け、それによっ
て得られた各信号を加算してサーボエラー信号を生成
し、所定の乗算係数を変更して前記乗算行程の演算処理
動作を変更するので、簡便な処理で実現できる。
【0159】さらに、この発明の請求項3に係わるサー
ボエラー信号生成処理によれば、各受光信号に対して順
次時系列に所定の乗算係数を掛け、それによって得られ
た各信号を順次加算するので、演算処理工程を共通化す
ることができ、処理を簡易化できる。また、この発明の
請求項4に係わるサーボエラー信号生成処理によれば、
演算処理動作変更工程とサーボエラー信号演算処理工程
とを繰り返し行うことによって時系列で各種のサーボエ
ラー信号を生成するので、各種サーボエラー信号の演算
処理工程を共通化することができ、より簡易化できる。
【0160】さらに、この発明の請求項5に係わるサー
ボエラー信号生成処理によれば、ディジタル信号に変換
された各受光信号の一つに対して演算処理動作変更工程
と乗算工程と加算工程とによる処理を各種のサーボエラ
ー信号毎に行い、その処理工程を各受光信号毎に順次行
うので、受光信号のA/D変換を全て終えた後に演算処
理を行わなくても、各受光信号に対し順次演算処理を開
始することができ、処理時間の効率化が図れる。また、
この発明の請求項6に係わるサーボエラー信号生成処理
によれば、ディジタル信号に変換された各受光信号にオ
フセット調整値を加算し、オフセット調整値を加算した
各受光信号を乗算工程に入力するので、各信号でそれぞ
れオフセットの除去が可能になり、精度よい信号処理が
できるようになる。
【0161】さらに、この発明の請求項7に係わるサー
ボエラー信号生成処理によれば、加算工程によって得ら
れたサーボエラー信号に対してオフセット調整処理又は
ゲイン調整処理の少なくとも一方の調整処理を行うの
で、情報記録媒体や光ピックアップなどのバラツキによ
り、サーボゲイン又はオフセットが変動する場合であっ
ても補正が可能になり、より精度よく安定にサーボ動作
が行えるようになる。さらにまた、この発明の請求項8
に係わるサーボエラー信号生成処理によれば、情報記録
媒体の媒体フォーマットを判別し、その判別結果に応じ
て所定の演算処理動作を変更するので、異なる複数種類
の情報媒体のフォーマットに互換対応し、サーボエラー
信号演算方法が異なる場合にも対応可能になる。
【0162】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明の信
号処理方法によれば、各種サーボエラー信号の演算処理
部を共通化し、光ピックアップ構成の変更によってサー
ボエラー信号演算処理方法を変更しても回路構成変更を
する必要がなく、また異なる複数種類の情報記録媒体の
フォーマットに互換対応してサーボエラー信号演算方法
が異なる場合であっても回路の共通化を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の受光信号処理装置を適用する情報記
録再生装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の前提となる通常の信号処理部の内部
構成を示すブロック図である。
【図3】この発明に係わる主要部の詳細な構成を示すブ
ロック図である。
【図4】図3に示したこの発明に係わる主要部の動作説
明に供する信号波形図である。
【図5】図3に示した各受光部の構成を示すブロック図
である。
【図6】図3に示した制御部内に設けたプログラミング
可能な選択信号生成部の構成を示すブロック図である。
【図7】この実施形態の情報記録再生装置における受光
量に応じて自動的にゲイン調整部のゲイン制御を行うゲ
イン制御部の構成を示すブロック図である。
【図8】図3に示した主要部中のデータ通信に係わる主
要部の構成を示すブロック図である。
【図9】図8に示したデータ通信に係わる主要部による
データ通信方法の説明に供する信号波形図である。
【図10】上記受光部及び受光信号変換部とからなる受
光信号入力部の別の実施形態の構成を示すブロック図で
ある。
【図11】図10に示した入力選択部の他の構成例を示
すブロック図である。
【図12】図10に示した入力選択部のさらに他の構成
例を示すブロック図である。
【図13】図10に示した入力選択部のさらにまた他の
構成例を示すブロック図である。
【図14】この実施形態のオフセット調整部に所定のオ
フセットを印加する説明に供する波形図である。
【図15】上記入力選択部及び調整部の他の実施形態の
構成を示すブロック図である。
【図16】この発明に係わる主要部の他の実施形態の構
成例を示すブロック図である。
【図17】同じくこの発明に係わる主要部の他の実施形
態の構成例を示すブロック図である。
【図18】上記サーボ信号演算処理部の内部構成を示す
ブロック図である。
【図19】図18に示したサーボ信号演算処理部の動作
説明に供する波形図である。
【図20】図2に示したウォブル信号生成部の内部構成
をその他の関係各部と共に示すブロック図である。
【図21】この実施形態におけるウォブル信号の変換デ
ータの転送をサーボ演算前信号の転送線と共有して使用
する場合の通信方法の説明に供する信号波形図である。
【図22】図2に示したLDドライバの内部構成をLD
制御部とLD変調信号生成部及び他の関係部と共に示す
ブロック図である。
【図23】図22に示したLD制御部とLD変調信号生
成部及びLDドライバによる動作の説明に供する信号波
形図である。
【図24】図22に示したステートマシンの状態遷移図
である。
【図25】この実施形態を異なる光変調波形に適用させ
る場合の説明に供する信号波形図である。
【図26】図2に示したLDドライバ12の他の実施形
態の構成をLD変調信号生成部10と共に示すブロック
図である。
【図27】図26に示したLD変調信号生成部10とL
Dドライバ12による動作説明に供する信号波形図であ
る。
【図28】図26に示したステートマシン150の状態
遷移図である。
【図29】図18によって説明したサーボ信号演算処理
部13における乗算係数設定処理を示すフローチャート
である。
【図30】図18によって説明したサーボ信号演算処理
部13におけるサーボエラー信号生成処理を示すフロー
チャートである。
【図31】図18によって説明したサーボ信号演算処理
部13における他のサーボエラー信号生成処理を示すフ
ローチャートである。
【符号の説明】
1:入力選択部 2:調整部 3,7,118:A/D変換器 4:RF選択部 5:高速アナログ信号処
理部 6:ウォブル信号生成部 8:RF信号前処理部 9:LD制御部 10:LD変調信号生成
部 11,43:制御部 12:LDドライバ 13:サーボ信号演算処理部 14:サーボプロセッサ 15,122:ウォブル信号処理部 16:RF信号後処理部/PLL回路 17:WCK生成部 18:回転制御部 19,106:コントローラ 20:サーボドライバ 21,21′:受光信号変換部 22:集積回路 30:オフセット調整部 31:ゲイン調整部 32:第1I/F 33:第2I/F 34:データ保持部 35:四分割受光素子 36:受光スポット 37a〜37d:電流電圧変換器 38:M進カウンタ 39:変換テーブル 40:ラッチ部 41:パラレル/シリアル変換器(P/S変換器) 42:シフトレジスタ(SR) 45:信号演算部 46,47:演算回路 48:ローパスフィルタ(LPF) 49,76,136:サンプルホールド(S/H)回路 50:電流電圧変換器 51:電圧バッファ 52,56:セレクタ 53:極性選択部 54:非反転アンプ 55:反転アンプ 60,64,66,88,91:加算器 61:演算前オフセットレジスタ群 62,68,87:乗算器 63:演算係数レジスタ
群 65:レジスタRegTmp 70:サーボエラー信号レジスタRegSV 71:DPD信号生成部 72,111,112:加算アンプ 73:可変ゲインアンプ 74:ピークホールド(P/H)回路 75:ボトムホールド(B/H)回路 80:ゲイン制御部 81,120:加算部 82,121:平均化部 83:ゲイン算出部 84:ゲイン選択部 85:ゲインレジスタ 86:ゲイン制御部 89:遅延レジスタ 90:比較部 92:保持部 100:情報記録媒体 101:光ピックアップ 102,LD1,LD2:光源 103,PD1〜PDn:受光部 104:信号処理部 105:回転駆動部 107:光ピックアップの駆動方向 110:ウォブル信号生成部 113,114:DC成分除去部 115,116:AGC回路 117:減算アンプ 119:DC成分抽出部 130:ステートマシン 131:電流設定部 132,133,140,141,SW1〜SW(2
N):スイッチ 134:電流電圧変換器 137:電流源 138:タイミング信号生成部 142:演算アンプ 143:D/A変換器 144〜146:可変抵抗 150:ステートマシン 151:電流設定部 152:電流源 153:スイッチ 154:電流加算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D096 RR01 RR02 RR18 5D118 AA13 AA18 AA29 CA01 CD01 CD11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報記録媒体に照射した光の反射光を検
    出する受光手段から出力された受光信号について、前記
    情報記録媒体に対する記録動作又は再生動作に関する所
    要の信号処理を施す信号処理方法において、 前記受光信号をディジタル信号に変換するディジタル信
    号変換工程と、 該ディジタル信号変換工程によって変換されたディジタ
    ル信号に所定の演算処理動作を施してサーボエラー信号
    を生成するサーボエラー信号演算処理工程と、 該サーボエラー信号演算処理工程における所定の演算処
    理動作を変更する演算処理動作変更工程とからなること
    を特徴とする信号処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の信号処理方法において、 前記サーボエラー信号演算処理工程が、前記ディジタル
    信号変換工程によってディジタル信号に変換された各受
    光信号に所定の乗算係数を掛ける乗算行程と、該乗算行
    程によって得られた各信号を加算してサーボエラー信号
    を生成する加算工程とからなり、 前記演算処理動作変更工程が、前記所定の乗算係数を変
    更して前記乗算行程の演算処理動作を変更する行程であ
    ることを特徴とする信号処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の信号処理方法において、 前記乗算工程が、前記各受光信号に対して順次時系列に
    所定の乗算係数を掛ける行程であり、 前記加算工程が、前記乗算工程によって得られた各信号
    を順次加算する行程であることを特徴とする信号処理方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の
    信号処理方法において、 前記演算処理動作変更工程と前記サーボエラー信号演算
    処理工程とを繰り返し行うことによって時系列で各種の
    サーボエラー信号を生成することを特徴とする信号処理
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の信号処理方法において、 前記ディジタル信号変換工程によってディジタル信号に
    変換された各受光信号の一つに対して前記演算処理動作
    変更工程と前記乗算工程と前記加算工程とによる処理を
    各種のサーボエラー信号毎に行う処理工程と、 該処理工程を前記各受光信号毎に順次行うことを特徴と
    する信号処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項2乃至5のいずれか一項に記載の
    信号処理方法において、 前記ディジタル信号変換工程によってディジタル信号に
    変換された各受光信号にオフセット調整値を加算するオ
    フセット加算工程を設け、該オフセット加算工程によっ
    てオフセット調整値を加算した各受光信号を前記乗算工
    程に入力することを特徴とする信号処理方法。
  7. 【請求項7】 請求項2乃至6のいずれか一項に記載の
    信号処理方法において、 前記加算工程によって得られたサーボエラー信号に対し
    てオフセット調整処理又はゲイン調整処理の少なくとも
    一方の調整処理を行う調整工程を設けたことを特徴とす
    る信号処理方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の
    信号処理方法において、 前記情報記録媒体の媒体フォーマットを判別する媒体フ
    ォーマット判別工程を設け、 前記演算処理動作変更工程が、前記媒体フォーマット判
    別行程の判別結果に応じて前記所定の演算処理動作を変
    更する行程であることを特徴とする信号処理方法。
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JP2007109295A (ja) * 2005-10-12 2007-04-26 Pulstec Industrial Co Ltd 光ディスクのサーボ用エラー信号生成装置及び光ディスクのサーボ用エラー信号生成方法
JP2009205759A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 Canon Inc 信号処理装置

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