JP2003085361A - デリバティブの設計支援システム、コンピュータプログラムおよび方法 - Google Patents

デリバティブの設計支援システム、コンピュータプログラムおよび方法

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JP2003085361A JP2002195191A JP2002195191A JP2003085361A JP 2003085361 A JP2003085361 A JP 2003085361A JP 2002195191 A JP2002195191 A JP 2002195191A JP 2002195191 A JP2002195191 A JP 2002195191A JP 2003085361 A JP2003085361 A JP 2003085361A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 顧客のニーズに柔軟に応え、且つ客観的な指
標に基づく台風関連デリバティブの迅速な設計を可能に
する設計支援システムを提供する。 【解決手段】 サーバ1は、対象物件の所在地の入力を
契機に当該所在地付近を過去に通過した歴史台風のデー
タを取得するとともに、個々の歴史台風による対象物件
の損害額の入力を受け付ける。そして、主制御部10に
よる制御のもと、歴史台風のデータと入力された損害額
との相関値に基づいて当該所在地における台風の実観測
データを指標とした損害額の発生リスクを定量化し、こ
の損害額の発生リスクに応じてデリバティブの給付処理
の実行条件を定める。このようにして、顧客のニーズに
合わせた台風関連デリバティブの基本部分を設計する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デリバティブ、殊
に自然現象、特に台風関連デリバティブの設計支援シス
テムに関する。より詳しくは、顧客の営業地付近、対象
物件の所在地付近を台風が通過したときに、その瞬間風
速が何メートル以上であったとか、所定期間内の台風の
通過回数が何回であったとかいうような、台風の発生に
起因する所定の指標に基づいて、予め定めた金額を給付
するかどうかを決定する情報処理による仕組みに関す
る。この明細書にいう「デリバティブ」とは、所定の条
件を満たす場合に有効となる特殊な金融派生商品の一形
態を指し、「台風関連デリバティブ」とはその条件が、
台風の発生に起因するものをいう。損害保険のような通
常の保険商品との違いは、保険商品が実際の災害発生時
の物的損害額等を基準とする実損てん補方式であるのに
対し、デリバティブは、予め約定時に定めた指標に基づ
いてのみその支払額が決定されるため(実際に損害が発
生したか否かを問わない)、物的損害の他、売上減や防
災費用の支出等の損害をも補償の対象とすることができ
る。このため、デリバティブにおいては、契約者にとっ
て、実際の損害額(実損)と指標値に基づくデリバティ
ブの支払い額との乖離が少なくなる方が望ましいと考え
られる。また、以後説明する「台風」という概念は、熱
帯低気圧やハリケーン等、風に起因する種々の自然現象
を包含するものである。
【0002】
【発明の背景】大きな損害をもたらす自然災害の一つと
して、台風がある。「台風」は、熱帯の海上で発生する
「熱帯低気圧」のうち、北西太平洋で発達して中心付近
の最大風速がおよそ17m/s(風力8)以上になった
ものであり、上空の風に流されて動き、また地球の自転
の影響で、北へ向かう性質をもつ。そのため、通常、東
風が吹いている低緯度では台風は西へ流されながら次第
に北上し,上空で強い西風(偏西風)が吹いている中・
高緯度に来ると台風は速い速度で北東へ進む。台風が接
近すると、強い風雨、河川の決壊、土砂崩れなどにより
家屋、工場等の施設に財産的な損害が発生する。また、
そのような狭義の財産的被害だけではなく、観光業等に
おいては交通網の麻痺、またお客の気分的な問題から観
光客数の減少につながり売上が減少するといった、いわ
ば二次的な被害が発生しうる。大きな台風が必ず年に何
回かやってくる地域もあり、そのような地域に立脚する
産業(製造業、観光業含む)にとっては、リスクヘッジ
の手段として、台風に関係する何らかの指標をもとにし
たデリバティブのニーズが存在する。
【0003】しかしながら、台風は、一般的には海上で
発生し、次々に進路を変えながら、また刻々とその勢力
を変化させながら移動するので、特定の地域における台
風の振る舞い(又は勢力)とそれによって生じ得る損害
額との関係を的確に推定することは困難である。また、
損害額は、施設損壊のような財産的被害によるものだけ
ではなく、上記の二次的な被害によるものもあり、同じ
勢力の台風であっても補填してもらいたいと感じる額
は、顧客によってまちまちとなる。ここに台風関連デリ
バティブが望まれる一要因がある。台風関連デリバティ
ブを設計する場合、保険会社にとって、台風の指標の種
類、その指標における想定元本に対する支払い割合、そ
れらに基づく保険料の設定をどのように定めるかは、顧
客の契約意欲を高める観点からも、企業活動を維持する
観点からも極めて重要な要素であり、それを決定するた
めの厳密かつ正確なシミュレーションが必要となる。な
お、ここでいう「保険料」は、デリバティブのために顧
客が支払う料金(オプション料)であって、通常の保険
商品とは異なるいわゆる「プレミアム」を意味するもの
であるが、本明細書では、説明の便宜上、このまま「保
険料」という表現を用いる。
【0004】本発明は、顧客によっては異なる可能性が
あるニーズに柔軟に応えることができ、且つ客観的な指
標に基づくデリバティブの迅速な設計を可能にする情報
処理の仕組みを提供することを、その主たる課題とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、過去に発生し
た自然現象(例えば、台風の発生)についてのデータを
取得するデータ取得手段と、自然現象に関するデリバテ
ィブ条件の入力を受け付ける手段と、取得した自然現象
についてのデータ(例えば、歴史台風のデータ)と前記
入力されたデリバティブ条件との相関値に基づいて、将
来発生する可能性がある自然現象(例えば、将来に発生
する台風)を指標としたリスクを定量化するリスク定量
化手段と、定量化されたリスクに応じてデリバティブの
給付処理の実行条件を定める実行条件決定手段とを備え
てなるデリバティブの設計支援システムを提供する。
【0006】本発明は、また、デリバティブ条件を台風
の発生に起因して生じる損害関連のものに特化したシス
テム、すなわち、対象物件の所在地の入力を契機に当該
所在地付近を過去に通過した歴史台風のデータを取得す
るデータ取得手段(歴史台風のデータを取得するデータ
取得手段)と、個々の歴史台風による前記対象物件の損
害に関するデータ(損害額や、損害額の対売上高比な
ど)の入力を受け付ける手段と、取得した歴史台風のデ
ータと前記入力された損害に関するデータとの相関値に
基づいて当該所在地における台風の実観測データを指標
とした前記損害の発生リスクを定量化するリスク定量化
手段と、定量化された前記損害の発生リスクに応じてデ
リバティブの給付処理の実行条件を定める実行条件決定
手段とを備えた設計支援システムをも提供する。
【0007】歴史台風のデータを取得するデータ取得手
段が、地図上に設定された台風発生ゲートを通過する歴
史台風のデータを取得するように構成することができ
る。
【0008】リスク定量化手段は、取得した歴史台風の
データと入力された損害に関するデータとの相関分析を
行い、その結果得られる相関係数が最も高くなる歴史台
風のデータの観測ポイントを特定する第1の手段と、取
得した歴史台風のデータと所定の地理データとに基づい
て仮想台風を発生させる第2の手段と、発生した仮想台
風による前記観測ポイントの影響度合いを算定する第3
の手段とを有し、この影響度合いに応じて前記発生リス
クを数値化するように構成することもできる。第2の手
段は、取得した歴史台風のデータから導出される所定領
域でのパラメータの変化値を要素とするモンテカルロシ
ミュレーションによって仮想台風を発生させるようにし
てもよい。第1の手段が、取得した歴史台風のうち所定
の基準を満たす歴史台風を選択して(各歴史台風につい
て閾値を越えるデータを記録した観測ポイントのみを選
択し)、選択した歴史台風のデータと入力された損害に
関するデータとの相関分析を行い、その結果得られる相
関係数が最も高くなる歴史台風のデータの観測ポイント
を特定するようにしてもよい。第1の手段が、前記取得
した歴史台風のうち所定の第1基準を満たす歴史台風を
選択し(各歴史台風について第1閾値を越えるデータを
記録した観測ポイントを選択し)、第1基準を満たす歴
史台風のデータと前記入力された損害に関するデータと
の相関分析を行い、その結果得られる相関係数が最も高
くなる歴史台風のデータの観測ポイント(以下、第1観
測ポイントという。)を選択するとともに、取得した歴
史台風のうち所定の第2基準を満たす歴史台風を選択し
(各歴史台風について第2閾値を越えるデータを記録し
た観測ポイントを選択し)、第2基準を満たす歴史台風
のデータと前記入力された損害に関するデータとの相関
分析を行い、その結果得られる相関係数が最も高くなる
歴史台風のデータの観測ポイント(以下、第2観測ポイ
ントという。)を選択し、第1観測ポイントに係る相関
係数と第2観測ポイントに係る相関係数とを比較して
(これにより閾値と観測ポイントとの組み合わせで相関
分析が行なわれる)、相関係数が最も高い観測ポイント
を歴史台風のデータの観測ポイントとして特定するよう
にしてもよい。
【0009】少なくとも、取得した前記歴史台風のデー
タに基づいて生成される当該歴史台風の振る舞いを表す
画像と、現状の地理データに基づく当該所在地付近の前
記歴史台風による影響度合いを表す画像と、前記影響度
合いに基づく損害額の入力を促す画像とが掲示された情
報提示画面を生成する手段をさらに備えて設計支援シス
テムを構成してもよい。この情報提示画面に前記実行条
件決定手段によって定められた実行条件も掲示される場
合は、掲示された実行条件に対する変更要求がある場合
に当該掲示中の実行条件を修正する手段をさらに備えて
設計支援システムを構成する。
【0010】本発明の他の設計支援システムは、顧客の
営業地(顧客の事業所の所在地やその商圏をいう)に関
連する台風通過判定ゲートを設定するとともに、設定さ
れた台風通過判定ゲートにおける所定期間毎の損害に関
するデータ(損害額や、損害額の対売上高比など)の入
力を受け付ける手段と、前記設定された台風通過判定ゲ
ートを実際に通過した歴史台風の数と前記入力された損
害に関するデータとの相関値に基づいて前記営業地にお
ける台風の実観測データを指標とした前記損害の発生リ
スクを定量化するリスク定量化手段と、定量化された前
記損害の発生リスクに応じてデリバティブの給付処理の
実行条件を定める実行条件決定手段とを備えてなる。こ
のリスク定量化手段が、地図上に設定された台風発生ゲ
ートを通過する歴史台風のデータを取得するように構成
することができる。また、このリスク定量化手段が、取
得した歴史台風のデータと所定の地理データとに基づい
て仮想台風を発生させるようにしてもよい。さらに、こ
のリスク定量化手段が、取得した歴史台風のデータから
導出されるパラメータの変化値を要素とするモンテカル
ロシミュレーションによって仮想台風を発生させるよう
に構成することができる。
【0011】本発明の他の設計支援システムは、ディス
プレイ及びデータ入力機構を備えた装置との間で台風関
連デリバティブの設計に関するデータの受け渡しをイン
タラクティブに行うシステムであって、地理画像を前記
ディスプレイに表示させるための地理データを保持する
地理データ保持手段と、前記データ入力機構を通じて入
力された顧客の営業地を含む地域の地理データを前記地
理データ保持手段から読み出して地理画像を生成し、こ
の地理画像上に当該営業地に関連する台風通過判定ゲー
トを設定するとともに、設定された台風通過判定ゲート
を実際に通過した歴史台風の所定期間毎の数を検出し、
検出結果を前記地理画像と共に前記ディスプレイに表示
させ、さらに、該表示に対応して前記データ入力機構を
通じて入力された前記所定期間毎の損害に関するデータ
の入力を受け付ける制御手段と、前記台風通過判定ゲー
トを通過した歴史台風の数と前記入力された損害に関す
るデータとの相関値に基づいて当該台風通過判定ゲート
における前記損害に関するデータの発生リスクを定量化
するリスク定量化手段と、定量化された前記損害額の発
生リスクに応じてデリバティブの給付処理の実行条件を
定める実行条件決定手段とを備えてなる。
【0012】制御手段は、前記入力された営業地に関連
する、異なる複数の仮台風通過判定ゲートを設定し、そ
れらの仮ゲートのなかから当該仮ゲートを通過した歴史
台風の所定期間毎の数を表すデータと入力された前記所
定期間毎の損害額との相関値が最も高い仮ゲートを特定
し、この特定したゲートを最適台風通過判定ゲートとし
て設定することもできる。
【0013】制御手段が、歴史台風の通過個数について
の閾値を設定可能にした場合の前記損害に関するデータ
との相関値が最も高い閾値を決定するとともに、前記複
数の仮台風通過判定ゲートの各々と前記決定した閾値を
所定値だけずらした値との組み合わせのそれぞれについ
て、歴史台風の通過個数と前記損害に関するデータの相
関分析を行い、相関係数が最も高くなる仮台風通過判定
ゲートと閾値の組み合わせを設定するように構成される
場合、前記リスク定量化手段は、当該設定された仮台風
通過判定ゲートを通過する台風の個数が前記設定された
閾値を超える場合のリスクを定量化するように構成する
ことができる。
【0014】本発明は、コンピュータを、過去に発生し
た自然現象についてのデータを取得するデータ取得手段
と、自然現象に関するデリバティブ条件の入力を受け付
ける手段と、取得した自然現象についてのデータと前記
入力されたデリバティブ条件との相関値に基づいて、将
来発生する可能性がある自然現象を指標としたリスクを
定量化するリスク定量化手段と、定量化されたリスクに
応じてデリバティブの給付処理の実行条件を定める実行
条件決定手段とを備えてなる、デリバティブの設計支援
システムとして動作させるためのコンピュータプログラ
ムを提供する。本発明は、また、コンピュータを、対象
物件の所在地の入力を契機に当該所在地付近を過去に通
過した歴史台風のデータを取得するデータ取得手段と、
個々の歴史台風による前記対象物件の損害に関するデー
タの入力を受け付ける手段と、取得した歴史台風のデー
タと前記入力された損害に関するデータとの相関値に基
づいて当該所在地における台風の実観測データを指標と
した前記損害の発生リスクを定量化するリスク定量化手
段と、定量化された前記損害の発生リスクに応じてデリ
バティブの給付処理の実行条件を定める実行条件決定手
段とを備えた、台風関連デリバティブの設計支援システ
ムとして動作させるための、コンピュータプログラムを
提供する。
【0015】本発明は、さらに、コンピュータを、顧客
の営業地に関連する台風通過判定ゲートを設定するとと
もに、前記設定された台風通過判定ゲートにおける所定
期間毎の損害に関するデータの入力を受け付ける手段
と、前記台風通過判定ゲートを実際に通過した歴史台風
の数と前記入力された損害に関するデータとの相関値に
基づいて前記営業地における台風の実観測データを指標
とした前記損害に関するデータの発生リスクを定量化す
るリスク定量化手段と、定量化された前記損害に関する
データの発生リスクに応じてデリバティブの給付処理の
実行条件を定める実行条件決定手段とを備えてなる、デ
リバティブの設計支援システムとして動作させるため
の、コンピュータプログラムを提供する。本発明は、さ
らに、コンピュータを、ディスプレイ及びデータ入力機
構を備えた装置との間で台風関連デリバティブの設計に
関するデータの受け渡しをインタラクティブに行うシス
テムであって、地理画像を前記ディスプレイに表示させ
るための地理データを保持する地理データ保持手段と、
前記データ入力機構を通じて入力された顧客の営業地を
含む地域の地理データを前記地理データ保持手段から読
み出して地理画像を生成し、この地理画像上に当該営業
地に関連する台風通過判定ゲートを設定するとともに、
設定された台風通過判定ゲートを実際に通過した歴史台
風の所定期間毎の数を検出し、検出結果を前記地理画像
と共に前記ディスプレイに表示させ、さらに、該表示に
対応して前記データ入力機構を通じて入力された前記所
定期間毎の損害に関するデータの入力を受け付ける制御
手段と、前記台風通過判定ゲートを通過した歴史台風の
数と前記入力された損害に関するデータとの相関値に基
づいて当該台風通過判定ゲートにおける前記損害の発生
リスクを定量化するリスク定量化手段と、定量化された
前記損害の発生リスクに応じてデリバティブの給付処理
の実行条件を定める実行条件決定手段とを備えた、台風
関連デリバティブの設計支援システムとして動作させる
ための、コンピュータプログラムを提供する。本発明
は、コンピュータをデリバティブの設計支援システムと
して動作させるための方法であって、過去に発生した自
然現象についてのデータを取得する処理と、自然現象に
関するデリバティブ条件の入力を受け付ける処理と、取
得した自然現象についてのデータと前記入力されたデリ
バティブ条件との相関値に基づいて、将来発生する可能
性がある自然現象を指標としたリスクを定量化する処理
と、定量化されたリスクに応じてデリバティブの給付処
理の実行条件を定める処理とを実行する方法を提供す
る。本発明は、また、コンピュータをデリバティブの設
計支援システムとして動作させるための方法であって、
対象物件の所在地の入力を契機に当該所在地付近を過去
に通過した歴史台風のデータを取得する処理と、個々の
歴史台風による前記対象物件の損害に関するデータの入
力を受け付ける処理と、取得した歴史台風のデータと前
記入力された損害に関するデータとの相関値に基づいて
当該所在地における台風の実観測データを指標とした前
記損害の発生リスクを定量化する処理と、定量化された
前記損害の発生リスクに応じてデリバティブの給付処理
の実行条件を定める処理とを実行する方法を提供する。
本発明は、さらに、コンピュータをデリバティブの設計
支援システムとして動作させるための方法であって、顧
客の営業地に関連する台風通過判定ゲートを設定すると
ともに、前記設定された台風通過判定ゲートにおける所
定期間毎の損害に関するデータの入力を受け付ける処理
と、前記台風通過判定ゲートを実際に通過した歴史台風
の数と前記入力された損害に関するデータとの相関値に
基づいて前記営業地における台風の実観測データを指標
とした前記損害に関するデータの発生リスクを定量化す
る処理と、定量化された前記損害に関するデータの発生
リスクに応じてデリバティブの給付処理の実行条件を定
める処理とを実行する方法を提供する。本発明は、さら
に、コンピュータを、ディスプレイ及びデータ入力機構
を備えた装置との間で台風関連デリバティブの設計に関
するデータの受け渡しをインタラクティブに行うデリバ
ティブの設計支援システムとして動作させるための方法
であって、前記ディスプレイに表示させるための地理画
像を含む地理データを保持する処理と、前記データ入力
機構を通じて入力された顧客の営業地を含む地域の地理
データを前記地理データから読み出して地理画像を生成
し、この地理画像上に当該営業地に関連する台風通過判
定ゲートを設定する処理と、前記設定された台風通過判
定ゲートを実際に通過した歴史台風の所定期間毎の数を
検出し、検出結果を前記地理画像と共に前記ディスプレ
イに表示させる処理と、前記検出結果の表示に対応して
前記データ入力機構を通じて入力された前記所定期間毎
の損害に関するデータの入力を受け付ける処理と、前記
台風通過判定ゲートを通過した歴史台風の数と前記入力
された損害に関するデータとの相関値に基づいて当該台
風通過判定ゲートにおける前記損害の発生リスクを定量
化する処理と、定量化された前記損害の発生リスクに応
じてデリバティブの給付処理の実行条件を定める処理と
を実行する方法を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
る。まず、この実施形態で扱うデリバティブの種類につ
いて簡単に説明する。ここでは、デリバティブ条件とし
て台風の発生に起因する損害関連のものを用いた2種類
の台風関連デリバティブを扱う場合の例を挙げる。
【0017】第1の台風関連デリバティブは、対象物件
の所在地近辺の気象観測所(AMEDASまたは気象測
候所:以下、「観測ポイント」と称する)において、台
風時に観測される実観測データ、例えば最大風速または
最大瞬間風速をデリバティブの指標として用い、所定の
給付金支払パターンにおいてそれぞれ定めた想定元本に
対する支払い割合で給付を行うものである。このデリバ
ティブは、台風による物的損害が想定される業種グルー
プ(例:工場、プラント設備を有する業種、倉庫業)に
属する業種の顧客に対して、リスクヘッジを提供するも
のである。この業種グループに属する業種を「業種A」
と称する。
【0018】第2の台風関連デリバティブは、顧客の営
業地に関連する適切なサイズの台風通過判定ゲートを設
定し、その台風通過判定ゲートを通過するすべてのまた
は一定規模以上の台風の個数を指標として用い、所定の
給付金支払パターンにおいてそれぞれ定めた想定元本に
対する支払い割合で給付を行うものである。「台風通過
判定ゲート」とは、地図上に仮想的に設けられる、台風
の通過位置を特定するための範囲または領域(門)であ
る。ゲートの形状は、円形や方形(グリッドを含む)等
の所定の2次元図形や、地図上の2地点間を結ぶ線分と
することができる。また、ゲートを台風が通過したか否
かの判定は、一般的には台風の中心がゲートの境界線を
横切ることを条件として行うが、境界線をかすめる(接
線方向において接触する)、一点をかすめる(ゲートが
多角形の場合、その角の点)ときにも通過したと判定し
てもよい。「営業地に関連する」とは、顧客の営業地を
包含したり(2次元図形の場合)、営業地に近接したり
(2次元図形または線分の場合)、営業地に通じる主要
幹線路や主要交通ターミナルを包含またはそれらに近接
したり(2次元図形または線分の場合)することをい
う。このデリバティブは、台風による予約キャンセル等
の売上高減少の損害が想定される業種グループ(例:遊
園地、小売業、ホテル等)に属する業種の顧客に対し
て、リスクヘッジを提供するものである。この業種グル
ープに属する業種を「業種B」と称する。なお、以後の
説明では、特に断らない場合は、顧客の営業地と対象物
件の所在地とを含めて、「顧客の所在地等」と称する。
このような、台風時に観測される実観測データ(最大風
速、最大瞬間風速、通過する台風の個数等)を指標とす
る台風関連デリバティブにより、台風による被害リスク
を適切にヘッジすることが期待される。なお、上記業種
グループの分類法はあくまでも典型例を示したものであ
って、実際には顧客の希望に応じて第1・第2のいずれ
のデリバティブも選択しうる。例えば、ホテルが台風に
よるその付属施設への物的損害へのリスクヘッジを希望
する場合もある。
【0019】<システム構成>次に、上記の各台風関連
デリバティブの設計支援を行うためのシステムの構成例
を説明する。このシステムは、図1にその構成例が示さ
れているように、ネットワーク型のコンピュータシステ
ムとして実現される。すなわち、クライアント(端末)
CがネットワークNを介してアクセスすることができる
サーバ1として実現される。
【0020】クライアントCは、少なくともディスプレ
イとデータ入力機構とを備え、さらに、ディスプレイへ
の表示機能が搭載されたパーソナルコンピュータ等であ
る。サーバ1は、キーボードIN、ディスプレイDP、
プリンタPRが接続され、また、図示しないハードディ
スク等の記憶装置には、サーバ本体のCPUが読み取り
可能なコンピュータプログラム(通常は、コンピュータ
読み取り可能な可搬性の記録媒体に記録されて流通する
が、ネットワークを通じて流通される場合もある。)が
ロードされている。そして、このコンピュータプログラ
ムがCPUで実行されることにより、サーバ1内に、主
制御部10、入出力制御部11、データベース管理部1
2、基礎データ管理部13、シミュレーション実行部1
4、保険料算定部15の機能ブロックが形成されるよう
になっている。当該コンピュータプログラムは、サーバ
1のオペレーティングシステム(OS)が提供する機能と
協働して上記機能ブロックを形成するものであってもよ
い。
【0021】主制御部10は、ネットワークNを介して
行われるクライアントCとの通信を実現するための通常
のサーバ機能のほかに、台風関連デリバティブを設計す
る上で必要となる各部の制御を行う制御手段としての機
能、台風発生のリスクを他の機能ブロックと協働で定量
化するリスク定量化手段としての機能をコンピュータ内
に形成するものである。各部の制御の中には、クライア
ントCのディスプレイに表示される各種情報提示画面の
生成、この画面に掲示される画像、テキスト等の生成の
ための制御を含む。
【0022】入出力制御部11は、サーバ1が備えるキ
ーボード、マウス等の入力装置INあるいはネットワー
クNを介してクライアントCその他の情報提供手段から
入力される各種データを受け付けて主制御部10に導く
とともに、ディスプレイDPやプリンタPR等の出力装
置あるいはネットワークNに接続されているクライアン
トC宛に情報(後述する情報提示画面等)を出力するた
めの制御を行う。本実施形態では、運用時には、クライ
アントCから顧客の所在地等、業種ないし業種グルー
プ、想定元本等のデータを受け付けるとともに、受け付
けた各種データに基いて設計した台風関連デリバティブ
の内容を、推奨契約パターンとして出力できるようにす
る。また、その推奨契約パターンの内容の修正をも受け
付けるようにする。
【0023】データベース管理部12には、台風関連デ
リバティブの設計時に参照される各種データがデータベ
ース化されている。このデータベース管理部12の構造
は図2に示すとおりであり、過去に日本に接近または上
陸した台風(以下、「歴史台風」という。)のデータが
蓄積された歴史台風データファイル121と、乱数要素
をもったシミュレーション、例えば後述するモンテカル
ロ・シミュレーションによって生成される仮想台風のデ
ータが蓄積される仮想台風データファイル122と、日
本地図(都道府県、市町村の地図、地名、地形、地表面
に関する情報、各種観測ポイントの所在地、道路、鉄道
の駅、空港、港等の公共施設等の主要なランドマークの
位置を含む)データが記録された地理データファイル1
23と、顧客から入力された情報(顧客名、業種、対象
物件の内容、営業地または商圏等)およびそれに基いて
設計された台風関連デリバティブの内容を記録するため
の顧客データファイル124とが、内部バスBを介して
接続されている。また、これらのデータファイル121
〜124の作成、データ記録(更新を含む)及びデータ
検索を行うデータ記録・検索部120が備えられてい
る。各データファイル121〜124の全部または一部
は、互いに共通するデータ(システムID等)でリンク
されている。なお、台風関連デリバティブの処理の振り
分け先を決定するために、上記の業種A、業種Bをそれ
ぞれグループ化した業種グループのデータが、図示しな
い顧客マスタ等において管理されているものとする。
【0024】歴史台風データファイル121に蓄積され
ているデータは、検索可能な形態、例えば歴史台風毎に
時系列に整理された時系列データ、観測ポイント毎に整
理された台風観測データとして蓄積されている。例え
ば、台風名、その発生年月日、観測ポイント等をキーワ
ードとして随時検索できるようになっている。時系列デ
ータは、例えば図3のようなものである。図3の例で
は、台風の名前(例えば、伊勢湾台風)、発生年月日、
その台風に関する各種パラメータ、すなわち位置、中心
気圧、周辺気圧、最大風速、最大風速半径、暴風域サイ
ズ、強風域サイズ等が時系列的に挙げられている。図4
は、観測ポイント毎の台風観測データのレコードの例を
示している。台風観測データレコードには、観測ポイン
トの名称、台風の名前、気圧、風速等が時系列的に挙げ
られている。なお、歴史台風データファイル121の構
造は例示であって、常にこのような構造にしなければな
らないというものでもない。
【0025】基礎データ管理部13は、各種台風関連デ
リバティブを設計する際の基礎データ、すなわちデリバ
ティブを商品化する上で必要となるアルゴリズムデー
タ、マクロデータ、プログラムデータ等を管理(記録/
修正/削除)する。
【0026】シミュレーション実行部14は、台風発生
のシミュレーション、台風発生によるリスクのシミュレ
ーション、保険料算定のシミュレーション等を実行する
もので、各種シミュレーション用プログラム及び各種デ
ータを保持しており、用途に応じて、これらを選択的に
起動実行できるようになっている。
【0027】保険料算定部15は、後述するデリバティ
ブの給付処理条件に応じた保険料の額を算定するもので
ある。算定のアルゴリズムは、デリバティブを販売する
保険会社の事情に応じて任意のものを用いることができ
る。パラメータが逐次変更されるものは、上記のシミュ
レーション実行部14によって保険料を算定することが
できる。
【0028】<動作方法>次に、上記のように構成され
るサーバ1の動作方法を、先に述べた台風関連デリバテ
ィブの設計手順を例に挙げて説明する。図5は、台風関
連デリバティブの設計手順を示す図である。サーバ1
は、クライアントCとの間でインタラクティブにデータ
の受け渡しながら、台風関連デリバティブの設計支援を
行う。クライアントCは顧客が操作することを想定する
が、保険会社の担当者が操作してもよいことはいうまで
もない。
【0029】サーバ1は、ネットワークNを介してアク
セスしてきたクライアントCに対して、顧客の所在地等
と業種を入力させるための情報提示画面を表示させる。
業種については、予めシステム側で用意しておいた業種
グループを例えばプルダウン形式で表示させ、顧客が容
易に自分の業種を選択できるようにしておく。予め所在
地等及び業種がわかっている顧客である場合は、これら
の入力処理に代えて、顧客情報からの所在地等の検索処
理を行うことになる。対象物件が複数ある場合であっ
て、それらが互いに近接しているような場合には、複数
の対象物件をひとまとめにして取扱うことも可能であ
る。いずれにしても、サーバ1は、これらの情報を受け
付けると(S101)、顧客の業種が、業種Aに属する
ものか、それ以外の業種グループに属するものかを判定
する(S102)。「それ以外の業種グループ」は、業
種Bであるものとする。
【0030】[第1の台風関連デリバティブ]業種Aで
あった場合は、第1の台風関連デリバティブの設計手順
に移る。すなわち、入力された顧客の所在地等(例え
ば、工場、事務所などの事業所の所在地など)をもと
に、過去N(N:例えば10)年間にその所在地等の付
近に襲来して影響を与えた歴史台風のデータを検索によ
って特定し、これをクライアントCに表示される情報提
示画面に掲示して、当該歴史台風による損害に関するデ
ータとして、損害額の対売上高比(以下、損害額と表示
する)の入力を促す(S103:Yes、S104)。
クライアントCに表示される情報提示画面の一例を図6
に示す。この例では、歴史台風の名称が表示され、それ
ぞれの歴史台風に対応する欄(右欄)に損害額を入力で
きるようになっている。
【0031】顧客が損害額を入力した場合は、それを受
け付け(S105)、検索された歴史台風について、例
えば次の基準で特定される観測ポイントで実際に観測さ
れた最大風速又は最大瞬間風速と損害額との相関分析を
行い、相関係数を算出する(S106)。相関係数が高
ければ、2つの変量(ここでは、最大風速等と損害額)
の相関が高いことを意味する。なお、相関分析の手法自
体は、この技術分野では公知なので、ここでは詳細な説
明を省略する。 (1)顧客の所在地等から100km以内の観測ポイン
ト (2)顧客の所在地等の最寄の重要な駅、空港または港
などの交通ターミナルから100km以内の観測ポイン
ト (3)顧客の所在地等に通じる主要幹線路(道路、鉄道
路、空路、航路など)沿いの50km以内の観測ポイン
ト 上記基準で特定される観測ポイントが複数存在する場合
には、すべての観測ポイントを抽出し、それらについて
相関分析を行う。
【0032】地理データファイル123に記録されてい
る道路、鉄道の駅、空港、港等の公共施設等の主要なラ
ンドマークの位置情報から、顧客の所在地等に通じる主
要幹線路または主要交通ターミナルを抽出することがで
きる。ここで、主要幹線路とは、顧客の所在地等に通じ
る国道、高速道路などの道路、鉄道路、航海路、航空路
などであり、また主要交通ターミナルとは、鉄道の駅、
港、飛行場である。これら主要幹線路または主要交通タ
ーミナル沿いにある観測ポイントの位置も地理データフ
ァイル123に記録されているので、それらから50k
m以内の観測ポイントを抽出することができる。こうし
て、顧客の所在地等が入力されることで、その所在地等
付近の観測ポイントが自動的に抽出される。
【0033】図7は、このようにして特定または抽出さ
れたある観測ポイントのデータと損害額との相関分析を
行った結果を示したグラフである。このグラフにおい
て、横軸は最大風速または瞬間最大風速(V:m/s)
であり、縦軸は台風による損害額(Loss)である。
このような相関分析によって、相関係数(R)および回
帰式(Loss=αV+β)が求められる。これらのデ
ータから、両者の相関度合いを算定することができる。
その後、上記の相関分析の結果をもとに、最も相関の高
い観測ポイントを決定する(S107)。相関分析の結
果は、所定レイアウトのチャート上に編集され、サーバ
1のディスプレイDP等に出力される。図8は、そのよ
うなチャートを表示した画面の一例である。図示の例で
は、各観測ポイントにおける相関係数(R)と回帰式と
が、相関の高い(つまり相関係数Rが大きい)順に、上
位5位まで表示されている。このような画面を表示する
のは、相関の度合いが2位以下となる観測ポイントをも
マニュアルで選択できるようにするためである。通常
は、相関係数が最も高くなる(1位)観測ポイントが選
択され、以後の処理に進むことになる。
【0034】なお、最も相関の高い観測ポイントを決定
する上では、図9に示すように、最大風速または最大瞬
間風速が所定の閾値以上になった台風だけを対象として
相関分析をすることができる。例えば、最大風速が15
メートル以上を記録した台風を抽出して分析することが
できる。さらに、一定の風速以上を記録した観測ポイン
トについて、例えば複数の閾値、例えば最大風速15メ
ートル、20メートル、25メートル、30メートル、
について、それぞれの閾値ごとに相関度を確認し、もっ
とも相関度の高い観測ポイントを(それに対応する閾値
とセットで)決定するようにしてもよい。
【0035】図10は、4種類の最大風速を閾値とし
て、観測ポイント毎に相関分析を行なった結果について
のチャートを表示する画面の例である(各チャートの横
軸は対応する閾値でオフセットしてある)。このチャー
トでは、観測ポイントと閾値(最大風速)の組み合わせ
ごとに、相関度の高い(相関係数が大きい)順に、上位
5位まで表示されている。通常は、最も相関係数が高い
観測ポイントと閾値の組み合わせが選択されるので、図
10の場合には、福岡が観測ポイントとして決定され
る。
【0036】観測ポイントを決定した後は、シミュレー
ション実行部14を起動して仮想台風の発生シミュレー
ションを行い(S108)、当該観測ポイントにおける
台風の最大風速の年間発生頻度(期待値及び分散)を算
出する(S109)。そして、最大風速(又は最大瞬間
風速)を指標とする台風関連デリバティブの内容(指標
の観測ポイント、指標値に対する給付金の支払パター
ン、保険料)を決定する(S110)。これらの内容
が、給付処理の実行条件の一例となる。図10の例で
は、福岡という観測ポイントについては、最大風速とし
て25メートルを閾値とした場合に相関度が高くなるこ
とから、給付処理の実行条件として、最大風速が25メ
ートル以上の台風のみを対象とする。以上の処理によ
り、過去の損害額等のデータに基づいて、合理的に観測
ポイントまたは観測ポイントと閾値との組み合わせを選
択することができる。なお、観測ポイントを顧客等が適
宜、任意に選択することを許容して、以上の処理を省略
することも可能である。
【0037】デリバティブの支払パターンは、決定され
た観測ポイントにおける回帰式をもとに最大風速(又は
最大瞬間風速)とそれに対応する支払い割合を適切に切
り分けて設定される。保険料は、保険料算定部15にお
いて、支払パターンに応じて設定された各給付(割
合)に、後述するハザード曲線に基づく発生確率をそれ
ぞれ掛け合わせ、それらの積算値に適正なコストおよび
利潤を加算したものである。必要に応じてシミュレーシ
ョン実行部14を起動してシミュレーションによって算
定することもできる。このようにして、台風の最大風速
(又は最大瞬間風速)を指標にした、第1の台風関連デ
リバティブの基本部分を設計することができる。
【0038】図24は、設計された第1の台風関連デリ
バティブの基本部分を推奨契約パターンとしてクライア
ントCに提示する画面の一例である。この画面には、指
標の種類(最大風速)、選定された観測ポイント(福岡
市***)、給付金支払パターン(給付処理の実行条件
の一部)、保険料が表示される。支払割合は最大風速に
応じて決定される想定元本に対する割合(%)であり、
保険会社が前記シミュレーションをもとに顧客に推奨す
る値として示されている。従って、顧客がこの割合を増
させるようにすることも可能である。
【0039】なお、推奨契約パターンもしくは給付金支
払いパターンは、図24の例に限られるものではなく、
例えば最大風速(又は最大瞬間風速)が所定の閾値を越
えるごとに一定額を支給するようにパターンを設計して
もよい。その場合、例えば最大風速が25メートルにな
った時点で100万円の給付がなされ、以後、最大風速
が5メートル増えるごとに50万円給付するような設計
としてもよい。
【0040】[仮想台風の発生シミュレーション]ここ
で、図5のS108における仮想台風の発生シミュレー
ションについて、より詳しく説明する。このシミュレー
ションの手順は、図11に示されるとおりである。すな
わち、地図上に台風発生ゲートを設定する(T10
1)。台風発生ゲートは、地図上に仮想的に設けられ
る、特定の範囲または領域(門)であり、後述する仮想
台風の発生ポイントとなる。台風発生ゲートは、それを
通過する歴史台風が顧客の所在地等になんらかの影響を
与えるような位置に設定される。台風発生ゲートの形
状、大きさ、位置及び数は、選択された観測ポイント又
は顧客の所在地等との関係で任意に設定することができ
る。例えば、台風発生ゲートを2地点間を結ぶ長さ約5
0kmの線分として設定することができる。また、台風
発生ゲートを複数連結して設定してもよい。
【0041】設定された台風発生ゲートを通過した歴史
台風のデータを歴史台風データファイル121から取得
する(T102)。取得されるデータは、台風発生ゲー
トにおける歴史台風の通過位置、中心気圧、周辺気圧、
ゲートを通過する際の進入角度等である。そして、台風
発生ゲート通過時(ゲートが海岸線沿いに設けられてい
るときには上陸後)のパラメータ分析を行う(T10
3)。具体的には、台風発生ゲートを通過した歴史台風
のゲート通過時のパラメータである確率分布フィッティ
ング、母数の推定(平均値と分散の算出)、ゲート毎の
通過頻度等の分析を行い、主要なパラメータについての
確率分布を求める。図12は、設定されたゲートを通過
した歴史台風の各種パラメータの確率分布を示す図であ
り、(a)はその周辺気圧と中心気圧差、(b)は進行
速度、(c)はゲート通過もしくは上陸角度の分布であ
る。その後、各歴史台風の台風発生ゲート通過時(又は
上陸後)の各種パラメータの変化率を算出する(T10
4)。
【0042】上記のようにしてパラメータ及びその変化
の分析結果を得た場合は、これを要素として含むモンテ
カルロ・シミュレーションによる仮想台風の生成を行う
(T105)。具体的には、歴史台風の主要パラメータ
の確率分布をもとにシミュレーション実行部14でモン
テカルロ・シミュレーションを実行し、仮想台風を台風
発生ゲート上に(ゲートが複数設定された場合には、い
ずれかのゲート上に)発生させ(仮想台風データを生成
し)、これを図2に示した仮想台風ファイル122に記
録する。モンテカルロ・シミュレーションの手法自体に
ついては、関係書籍に紹介されたものを使用することが
できる。また、歴史台風の台風発生ゲート通過後(又は
上陸後)の各種パラメータの変化率を使用してこの仮想
台風の時系列データを作成して、仮想台風ファイル12
2に記録する(T106)。さらに、仮想台風の傾度風
(上空風速)、地上代表風速を算出し(T107,T1
08)、先に選定した観測ポイントにおける地形、地表
面の粗さを加味して、当該観測ポイントにおける風向
き、風速(風向き別の風速)を算出し、これを仮想台風
ファイル122に記録する(T109)。
【0043】仮想台風ファイル122に記録されたデー
タをもとに、10分間隔で仮想台風の位置を移動させる
(T110)。そしてその都度、観測ポイントへの影響
が小さくなったかどうかを判定し、影響が小さくない場
合はステップT106以降の処理を繰り返す(T11
1:No)。影響が小さいかどうかは、例えば風向別の
最大風速等が所定の閾値以下になっているかどうかで判
定する。影響が小さくなった場合は、当該仮想台風にお
けるその観測ポイントへの影響度を定量化する(T11
2))。例えば、所定年数分(例、一万年)の統計をと
り、統計結果を数値化する。選定されたゲートを通る歴
史台風の個数が年平均2.5個であったとすると、二万
五千個の仮想台風を発生させ、それぞれの仮想台風につ
いての統計結果が数値として表現される。そして、この
統計結果から、当該観測ポイントにおける一年を通じた
最大風速又は最大瞬間風速についてのハザード曲線を作
成する(T113)。「ハザード曲線」とは、最大風速
又は最大瞬間風速を横軸に、その風速が1年の期間中に
発生する確率を縦軸にとったグラフであり、定量化され
た台風の発生リスクの一例として使用される。
【0044】[第2の台風関連デリバティブの設計]次
に、第2の台風関連デリバティブの設計処理を説明す
る。この処理は、図5のS102において、顧客の業種
が「業種B」であると判定された場合に行われる。この
場合のサーバ1(主制御部10)による処理手順を図1
3に示す。まず、入力された顧客の営業地を中心とす
る、大きさが異なる大中小の方形の台風通過判定ゲート
(大:200km,中:150km,小:100km、
それぞれ一辺の長さ)を仮の台風通過判定ゲートとして
設定し、これらをクライアントCに表示される情報提示
画面の地理データ上に直接掲載する(S201)。図1
4は、このような情報提示画面の一例を示す図である。
【0045】初期の台風通過判定ゲートの設定位置は、
上記営業地をゲートの中心とするものに限らない。ま
た、この第2の台風関連デリバティブにおいて採用し得
る台風通過判定ゲートの形状は方形に限られるものでは
なく、円形、三角形、ひし形、線分等としてもよい。例
えば、台風通過判定ゲートが三角形の場合、その重心に
顧客の営業地がくるようにその初期位置を設定すること
ができる。また、台風通過判定ゲートが線分の場合、線
分の両端と顧客の営業地の3点が所在地等を頂点とする
二等辺三角形を描くようにその初期位置を設定すること
ができる。さらに、ゲートの大きさも上記3種類に限定
されるものではない。
【0046】次に、過去N(Nは例えば「10」)年間
にそれらの仮台風通過判定ゲートを通過した歴史台風を
検索し、クライアントCに表示される情報提示画面に、
年間の通過個数を掲示させるとともに、顧客に対してそ
れらの年における損害額に関するデータとしての対売上
高損害額比(以下、損害額という。)を入力させる(S
202)。図15はこのときの情報提示画面の一例を示
した図である。この例では、過去10年における各年の
歴史台風の通過個数が台風通過判定ゲートの大きさ別に
表示され、それぞれの年に対応する欄に、損害額(売上
高の減少率)を入力できるようになっている。
【0047】顧客が入力した損害額を受け付けると(T
203)、サーバ1は、それぞれの仮台風通過判定ゲー
トについての歴史台風の年間通過個数と損害額との相関
分析を行い、最も相関係数の高いゲート(台風通過判定
ゲートAという。以下、明細書または図面において、ゲ
ートAと略記する場合あり。)を決定する(S20
4)。図16は、台風通過判定ゲート(大)を通過した
台風の個数とそれによる売上減少率との間の相関分析の
結果を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は
台風通過判定ゲートを通過した台風の数であり、縦軸は
台風による損害額(Loss)である。
【0048】このような相関分析によって、相関係数
(R)および回帰式(Loss=αN+β)が求められ
る。大中小それぞれの台風通過判定ゲートについて、こ
の相関分析処理を行う。台風通過判定ゲートを通過した
歴史台風については、中心気圧、暴風域の大きさ、最大
風速のいずれか、又はそれらの組み合わせによる基準を
設定し、一定の規模以下の台風についてはカウントしな
いようにしてもよい。相関分析の結果は、チャートに編
集され、サーバ1のディスプレイDP等に出力される。
図17は、そのようなチャートを表示する画面の一例で
ある。台風通過判定ゲート別に相関係数(R)および回
帰式が表示されている。このような画面を表示するの
は、2位以下の台風通過判定ゲートをもマニュアルで選
択できるようにするためである。通常は、相関係数の最
も高い台風通過判定ゲートが選択され、以後の処理へと
進む。
【0049】続いて、選択された台風通過判定ゲートA
について、歴史台風の年間通過個数について閾値を設定
した場合の各閾値と損害額との相関分析を行い、最も相
関係数の高い閾値nを決定する(T205)。ここでい
う年間通過個数についての「閾値」とは、その値を超え
た場合にのみ給付金の支払い対象とする免責個数をい
う。
【0050】図18(a)〜(c)は、閾値を「1」〜
「3」にそれぞれ変化させた場合の台風の個数とそれに
よる売上減少率との間の相関分析の結果を示すグラフで
ある。これらのグラフにおいて、横軸は台風通過判定ゲ
ートを通過した台風の数であり、縦軸は台風による損害
額(Loss)である。横軸の括弧内の数字は実際に通
過した台風の数を示している。
【0051】相関分析の結果は、チャートに編集され、
サーバ1のディスプレイDP等に出力される。図示しな
いが、このチャートには、閾値の順番に、相関係数
(R:0.7、0.8等)が表示される。通常は、相関
係数Rが最も高くなる閾値nが選択され、以後の処理へ
と進む。
【0052】次に、台風通過判定ゲートの位置と閾値の
再調整を行う(S206,S207)。図19は、この
再調整の処理手順図であり、上述の台風通過判定ゲート
Aを選定した後、これを移動させて、最適台風通過判定
ゲートの位置を求める。この概念を図20に示す。実際
には、正確を期すため、台風通過判定ゲートAを8方位
(北、北東、東、南東、南、南西、西、北西)に10k
m又は20kmずらした仮台風通過判定ゲートの合計9
ゲートと、先に選択した閾値nに±1したもの(n−
1、n、n+1)との組み合わせ(計27パターン)の
それぞれについて、歴史台風の年間通過個数と損害額の
相関分析を行い、相関係数Rを求める(S211)。こ
の処理の内容を図表化したものを図21に示す。図中、
A10−N、A20−Nは、それぞれ台風通過判定ゲー
トAをいずれかの方向に10kmまたは20kmずらし
たものである。
【0053】次に、最も相関の高い台風通過判定ゲート
位置と閾値の組み合わせ(以下、台風通過判定ゲートB
という。明細書または図面において、ゲートBと略記す
る場合あり。)を選択する(S212)。台風通過判定
ゲートBの位置が台風通過判定ゲートAと同じであれば
台風通過判定ゲートBを最適なゲートとして最終的に選
択する(S213:Yes,S217)。台風通過判定
ゲートBの位置が台風通過判定ゲートAと異なる場合に
は(S213:No)、S214に進む。S214にお
いて、台風通過判定ゲートBについて、先のS211と
同様の処理を行う。より高い相関係数を持つ組み合わせ
が見つかった場合には、そのゲートと閾値の組み合わせ
を新たな台風通過判定ゲートBとして、さらにS214
に戻り、同様の処理を行う(S215:Yes)。この
際、S214において相関分析の対象として設定される
台風通過判定ゲートが方形や円形などの2次元図形とし
て設定される場合、はその中に顧客の所在地等を含むこ
とを条件とする。
【0054】また、台風通過判定ゲートが線分として設
定される場合には、線分の両端が顧客の所在地等から一
定距離内(例えば、300km以内)になるようにす
る。より高い相関を持つ組み合わせが見つからない場合
には、その台風通過判定ゲートBのゲート位置および閾
値を最適なものとして最終的に選択する(S215:N
o,S216)。
【0055】S211乃至S217による相関分析の結
果は、チャートに編集され、サーバ1のディスプレイD
P等に出力される。図22は、そのようなチャートを表
示した画面の一例である。図22では、相関係数Rの高
い順に、台風通過判定ゲートのサイズ、位置、閾値およ
び相関係数Rの値が表示される。このような画面を表示
するのは、2位以下の台風通過判定ゲートをもマニュア
ルで選択できるようにするためである。通常は、相関係
数Rの最も高い台風通過判定ゲートが選択され、以後の
処理へと進む。
【0056】上述のとおり、閾値を変化させながら台風
通過判定ゲートの位置を複数の方向に移動させてシミュ
レーションを行ない、台風の通過個数と損害額の相関が
最も高くなる台風通過判定ゲートと閾値とを求めること
で、顧客にとって望ましいデリバティブを設計すること
ができる。上では特定のシミュレーションの方法に基づ
いて説明したが、本発明が上記シミュレーションの方法
に限定されるものではない。例えば、閾値を変化させる
幅は±1に限られない。また、新たに任意の閾値を設定
してもよい。台風通過判定ゲートを設定するうえでは、
さらにゲートの形状や、その角度(回転)など、その他
の属性を加味して相関分析を行ないより適切なものを選
択するようにしてもよい。例えば、円形、方形、三角
形、線分のすべて、もしくはこれらのいくつかの形状に
ついて、通過個数と損害額の相関を確認し、より適切な
相関を持つ領域を選定することができる。この場合、各
形状について複数の閾値を設定して、それぞれの閾値に
ついて相関の程度を見るようにしてもよい。また、相関
度のシミュレーションをする順序は任意であり、最初に
台風通過判定ゲートの形状を相関分析によって決定した
うえで、その後ゲートの大きさやその位置(ゲートの移
動)について相関を見てもよい。逆に、仮の形状の台風
通過判定ゲートについてその大きさや位置を決定したあ
とに形状を選定するようにしてもよい。各形状に関する
相関分析の実施要領は、上述の方法と同様である。さら
に、仮に設定された台風通過判定ゲートについて、同じ
位置において例えば中心点、重心、または線分の場合に
は中間点などを起点として一定の角度で回転させ、角度
が変化したゲートについて、閾値を変化させながら台風
の通過個数と損害額の相関を見てもよい。角度が変化す
ることで、その台風通過判定ゲートを通過する台風の数
も変化する。角度を変えて相関度を見ることによって、
仮に設定された台風通過判定ゲートよりも、顧客にとっ
てより好ましい台風通過判定ゲートを求めることができ
る。台風通過判定ゲートの角度の変化は、例えば、15
度毎、30度毎、に変化させて、都合24個または12
個のゲートについて相関を見ることができる。この角度
変化のきざみは任意に設定することができる。また、角
度についても、適宜閾値を変化させ、それぞれの閾値に
ついて相関度を確認してもよい。台風通過判定ゲートの
角度の変化に関する相関分析の実施要領も、上述のゲー
トの大きさの変化、ゲート位置の移動による方法と同様
である。
【0057】このように、台風通過判定ゲートの大き
さ、位置、形状、角度などについて、それぞれ台風の通
過個数と損害額の相関を確認して、最適の台風通過判定
ゲートを選択することができる。相関分析を行なう属性
の選択と分析を行なう順序とは任意であり、台風通過判
定ゲートの各属性について任意の順列組み合わせによっ
て相関分析をすることができる。さらに、台風通過判定
ゲートの属性は既出のものに限定されず、その他の属性
を採用することも可能である。以上の処理により、過去
の損害額等のデータに基づいて合理的な閾値と台風通過
判定ゲートとを選択することができる。なお、以上の処
理によらず、顧客等が、閾値と台風通過判定ゲートとを
その意思で任意に選択することを許容する構成にするこ
ともできる。この場合は、以上の処理が省略される。
【0058】またその場合、顧客が任意に選んだ複数の
台風通過判定ゲートについて、それぞれ相関分析を行な
って相関度を比較してもよい。
【0059】図13に戻り、以上のような処理を終える
と、仮想台風の発生シミュレーションを行う(S20
8)。仮想台風発生シミュレーションの手順は、概ね図
11の場合と同じになる。すなわち、モンテカルロ・シ
ミュレーションにより、仮想台風を生成させ、生成され
た仮想台風の時系列データを作成し、そして、上述の最
終的に選択された台風通過判定ゲート(「最適台風通過
判定ゲート」と称する。明細書または図面において、
「最適ゲート」と略記する場合あり。)を通過する仮想
台風を選定する。なお、選定される仮想台風について、
その中心気圧、暴風域の大きさ、最大風速のいずれか、
又はそれらの組み合わせによる基準を設定し、一定の規
模以下の仮想台風についてはカウントしないようにして
もよい。
【0060】次に、最適台風通過判定ゲートを通過する
台風の個数に対する年間の超過確率の期待値及び分布を
算出し、台風発生によるリスクを定量化する(S20
9)。図23は、この分布図の例を示した図である。そ
の後、デリバティブの給付処理の実行条件、例えば、最
適台風通過判定ゲートを年間に通過する台風の個数が閾
値を超える場合の、超過個数に対するデリバティブの給
付金支払パターンを設定し、当該給付金支払パターンの
保険料を算出する(S210)。
【0061】デリバティブの支払パターンは、最適台風
通過判定ゲートおよび閾値における回帰式をもとに、年
間の超過通過個数とそれに対応する支払い割合を適切に
切り分けて設定される。保険料は、例えば、支払パター
ンに応じて割り当てられた各給付額(率)に、上述の確
率期待値をそれぞれ掛け、それらの積算値に適正なコス
トおよび利潤を加算したものである。その額は、保険料
算定部15において算定されるが、必要に応じて、シミ
ュレーション実行部14で、シミュレーションを行い、
その結果として算定するようにしてもよい。このように
して、台風の通過個数を指標にした第2の台風関連デリ
バティブの基本部分を設計することができる。
【0062】図25は、設計された第2の台風関連デリ
バティブの基本部分を推奨契約パターンとしてクライア
ントCに提示される画面の一例である。この画面には、
最適台風通過判定ゲートのサイズとその位置、閾値、給
付金支払パターン(給付処理の実行条件の一部)、保険
料が表示される。支払割合は、最適台風通過判定ゲート
における台風の年間通過個数に応じて決定される想定元
本に対する割合(%)であり、保険会社が前記シミュレ
ーションを通じて顧客に推奨するものである。従って、
顧客がこの割合を増減させることは可能である。
【0063】給付条件の設定方法は、上記例に限定され
るものではなく、例えば所定個数以上の数(例えば4
個)台風が発生したとき、発生個数が増加するたびに一
定額の給付をする(4個で100万円、5個で300万
円、6個で1000万円、7個で3000万円、8個で
1億円)ようにしてもよい。
【0064】このように、本実施形態では、サーバ1
が、顧客の業種に応じて設計すべき台風関連デリバティ
ブの手順を自動的に振り分け、さらに、顧客が感じるリ
スクを損害額と想定元本の額の形で任意に受け付けて、
顧客用に個性化された台風関連デリバティブを設計でき
るようにしたので、顧客がリスクヘッジを行う上で魅力
的となる金融関連商品を容易に設計できるようになる。
【0065】特に、コンピュータプログラムによって、
第1の台風関連デリバティブを設計する場合には、サー
バ1に、対象物件の所在地の入力を契機に所在地付近を
過去に通過した歴史台風のデータを取得する機能、個々
の歴史台風による対象物件の損害額の入力を受け付ける
機能、歴史台風のデータと入力された損害額との相関値
に基づいて、当該所在地における台風の実観測データを
指標とした損害の発生リスクを定量化する機能、損害の
発生リスクに応じてデリバティブの給付処理の実行条件
を定める機能を形成するようにしたので、多種多様の顧
客ニーズに柔軟に応えることができ、且つ客観的な指標
に基づく台風関連デリバティブの迅速な設計が可能にな
る。
【0066】第2の台風関連デリバティブを設計する場
合には、サーバ1に、顧客の営業地に関連する台風通過
判定ゲートを設定するとともに、設定された台風通過判
定ゲートにおける所定期間毎の損害に関するデータの入
力を受け付ける機能、設定された台風通過判定ゲートを
実際に通過した歴史台風の数と入力された損害に関する
データとの相関値に基づいて営業地に関連する地域にお
ける台風の実観測データを指標とした損害の発生リスク
を定量化する機能、損害の発生リスクに応じてデリバテ
ィブの給付処理の実行条件を定める機能を形成するよう
にしたので、多種多様の顧客ニーズに柔軟に応えること
ができ、且つ客観的な指標に基づく台風関連デリバティ
ブの迅速な設計が可能になる。
【0067】第1の台風関連デリバティブを設計する場
合には、顧客の要望に基づいて、台風発生ゲートを任意
に設定することもできる。この場合、サーバ1側では、
設定された台風発生ゲートを実際に通過した歴史台風の
データに基づいてリスクを定量化することで、デリバテ
ィブの設計に顧客が自ら関わることができ、商品内容を
顧客毎に設定することができるようになる。リスクの定
量化に際しては、歴史台風のデータと入力された損害に
関するデータとの相関分析により得られる相関係数が最
も高くなる歴史台風のデータの観測ポイントを特定し、
モンテカルロ・シミュレーションによって発生した仮想
台風による観測ポイントの影響度合いに応じて発生リス
クを数値化するようにしたので、確度の高い指標を作り
上げることができる。
【0068】なお、この実施形態では、デリバティブ条
件として台風の発生に起因する損害関連のものを用いた
台風関連デリバティブを扱う場合の例を挙げたが、本発
明は、台風関連のものに限定されず、他の自然現象によ
るデリバティブ条件に対して、共通に適用できるもので
ある。また、この実施形態では、ネットワーク型のコン
ピュータシステムの例を挙げ、主たる機能部分はサーバ
1において実現し、クライアントC側では、サーバ1と
の間でデリバティブの設計をインタラクティブに行う相
手側端末として説明したが、本実施形態で示したサーバ
1の機能のすべてを携帯性端末にもたせることも可能で
ある。
【0069】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、顧客のニーズに柔軟に応えることができ、且
つ客観的な指標に基づくデリバティブの迅速な設計を可
能にするデリバティブの設計支援システムを提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の台風関連デリバティブの設計支援シス
テムの構成図。
【図2】データベース管理部の構造説明図。
【図3】台風自体の時系列データのレコード例を示す
図。
【図4】観測ポイント毎の台風観測データのレコードの
例を示す図。
【図5】第1の台風関連デリバティブの設計手順を示す
図。
【図6】第1の台風関連デリバティブの設計時にクライ
アントに表示される情報提示画面の一例を示した図。
【図7】ある観測ポイントのデータと損害額との相関分
析を行った結果を示すグラフ。
【図8】相関分析の結果をもとに決定した相関係数の高
い観測ポイントの例を示した図。相関係数(R)と回帰
式とが相関係数の高い順番に、上位5位まで示されてい
る。
【図9】所定の閾値以上の最大風速を観測した観測ポイ
ントのデータと損害額との相関分析を行った結果を示す
グラフ。
【図10】相関分析の結果をもとに決定した相関係数の
高い観測ポイントの例を示した図。相関係数(R)およ
び閾値の組み合わせとその回帰式とが相関係数の高い順
番に、上位5位まで示されている。
【図11】仮想台風の発生シミュレーションの手順説明
図。
【図12】(a)〜(c)は、あるゲートを通過した歴
史台風の各種パラメータの確率分布を示す図。
【図13】第2の台風関連デリバティブの設計処理の手
順図。
【図14】第2の台風関連デリバティブの設計時にクラ
イアントに表示される情報提示画面の一例(複数の仮台
風通過判定ゲート)を示した図。
【図15】第2の台風関連デリバティブの設計時にクラ
イアントに表示される情報提示画面の一例(歴史台風に
よる損害額との関係)を示した図。
【図16】台風通過判定ゲート(大)を通過した台風の
個数とそれによる売上減少率との間の相関分析の結果を
示すグラフ。
【図17】相関分析の結果、編集されるチャートの例を
示した図。
【図18】(a)〜(c)は、閾値を変化させた場合の
台風の個数とそれによる売上減少率との間の相関分析の
結果を示すグラフ。
【図19】台風通過判定ゲートの位置と閾値とを再調整
するときの処理手順図。
【図20】台風通過判定ゲートの位置と閾値の再調整の
概念図。
【図21】台風通過判定ゲートAおよびそこから8方位
に10km又は20kmずらしたゲートを仮に設定し
て、選定された閾値およびその閾値に±1した閾値を設
定した計27パターンについてそれぞれ相関分析を行っ
た結果の相関係数Rを示した表。
【図22】台風通過判定ゲートの位置と閾値の組み合わ
せの相関結果を示すチャート図。
【図23】台風の通過個数とその頻度Fの分布図。
【図24】第1の台風関連デリバティブの推奨契約パタ
ーンの一例を示した図。
【図25】第2の台風関連デリバティブの推奨契約パタ
ーンの例を示した図。
【符号の説明】
1 サーバ 10 主制御部 11 入出力制御部 12 データベース管理部 13 基礎データ管理部 14 シミュレーション実行部 15 保険料算定部 120 データ記録・検索部 121 歴史台風データファイル 122 仮想台風データファイル 123 地理データファイル 124 顧客データファイル 13 基礎データ管理部 14 シミュレーション実行部 15 保険料算定部 C クライアント(端末) N ネットワーク

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過去に発生した自然現象についてのデー
    タを取得するデータ取得手段と、 自然現象に関するデリバティブ条件の入力を受け付ける
    手段と、 取得した自然現象についてのデータと前記入力されたデ
    リバティブ条件との相関値に基づいて、将来発生する可
    能性がある自然現象を指標としたリスクを定量化するリ
    スク定量化手段と、 定量化されたリスクに応じてデリバティブの給付処理の
    実行条件を定める実行条件決定手段とを備えてなる、 デリバティブの設計支援システム。
  2. 【請求項2】 対象物件の所在地の入力を契機に当該所
    在地付近を過去に通過した歴史台風のデータを取得する
    データ取得手段と、 個々の歴史台風による前記対象物件の損害に関するデー
    タの入力を受け付ける手段と、 取得した歴史台風のデータと前記入力された損害に関す
    るデータとの相関値に基づいて当該所在地における台風
    の実観測データを指標とした前記損害の発生リスクを定
    量化するリスク定量化手段と、 定量化された前記損害の発生リスクに応じてデリバティ
    ブの給付処理の実行条件を定める実行条件決定手段とを
    備えてなる、 デリバティブの設計支援システム。
  3. 【請求項3】 前記歴史台風のデータを取得するデータ
    取得手段が、地図上に設定された台風発生ゲートを通過
    する歴史台風のデータを取得するように構成されてい
    る、請求項2記載の設計支援システム。
  4. 【請求項4】 前記リスク定量化手段が、 前記取得した歴史台風のデータと前記入力された損害に
    関するデータとの相関分析を行い、その結果得られる相
    関係数が最も高くなる歴史台風のデータの観測ポイント
    を特定する第1の手段と、 前記取得した歴史台風のデータと所定の地理データとに
    基づいて仮想台風を発生させる第2の手段と、 発生した仮想台風による前記観測ポイントの影響度合い
    を算定する第3の手段とを有し、この影響度合いに応じ
    て前記発生リスクを数値化するように構成されている、 請求項2記載の設計支援システム。
  5. 【請求項5】 前記第1の手段が、前記取得した歴史台
    風のうち所定の基準を満たす歴史台風を選択し、前記選
    択した歴史台風のデータと前記入力された損害に関する
    データとの相関分析を行い、その結果得られる相関係数
    が最も高くなる歴史台風のデータの観測ポイントを特定
    する、請求項4記載の設計支援システム。
  6. 【請求項6】 前記第1の手段が、前記取得した歴史台
    風のうち所定の第1基準を満たす歴史台風を選択し、前
    記第1基準を満たす歴史台風のデータと前記入力された
    損害に関するデータとの相関分析を行い、その結果得ら
    れる相関係数が最も高くなる歴史台風のデータの観測ポ
    イント(以下、本請求項において第1観測ポイントとい
    う。)を選択するとともに、 前記取得した歴史台風のうち所定の第2基準を満たす歴
    史台風を選択し、前記第2基準を満たす歴史台風のデー
    タと前記入力された損害に関するデータとの相関分析を
    行い、その結果得られる相関係数が最も高くなる歴史台
    風のデータの観測ポイント(以下、本請求項において第
    2観測ポイントという。)を選択し、 前記第1観測ポイントに係る相関係数と前記第2観測ポ
    イントに係る相関係数とを比較して、相関係数が最も高
    い観測ポイントを歴史台風のデータの観測ポイントとし
    て特定する請求項4記載の設計支援システム。
  7. 【請求項7】 前記第2の手段が、前記取得した歴史台
    風のデータから導出されるパラメータの変化値を要素と
    するモンテカルロシミュレーションによって前記仮想台
    風を発生させるように構成されている、請求項4記載の
    設計支援システム。
  8. 【請求項8】 前記影響度合いは前記観測ポイントにお
    いて観測される最大風速又は最大瞬間風速であり、前記
    第3の手段が、想定元本に対するデリバティブの給付割
    合を、前記観測ポイントにおいて観測される最大風速又
    は最大瞬間風速に応じて数値化するように構成されてい
    る、請求項4記載の設計支援システム。
  9. 【請求項9】 少なくとも、取得した前記歴史台風のデ
    ータに基づいて生成される当該歴史台風の振る舞いを表
    す画像と、現状の地理データに基づく当該所在地付近の
    前記歴史台風による影響度合いを表す画像と、前記影響
    度合いに基づく損害額の入力を促す画像とが掲示された
    情報提示画面を生成する手段をさらに備えてなる、請求
    項2記載の設計支援システム。
  10. 【請求項10】 前記情報提示画面には前記実行条件決
    定手段によって定められた実行条件も掲示されており、
    該掲示された実行条件に対する変更要求がある場合に当
    該掲示中の実行条件を修正する手段をさらに備えてな
    る、請求項9記載の設計支援システム。
  11. 【請求項11】 顧客の営業地に関連する台風通過判定
    ゲートを設定するとともに、前記設定された台風通過判
    定ゲートにおける所定期間毎の損害に関するデータの入
    力を受け付ける手段と、 前記台風通過判定ゲートを実際に通過した歴史台風の数
    と前記入力された損害に関するデータとの相関値に基づ
    いて前記営業地における台風の実観測データを指標とし
    た前記損害に関するデータの発生リスクを定量化するリ
    スク定量化手段と、 定量化された前記損害に関するデータの発生リスクに応
    じてデリバティブの給付処理の実行条件を定める実行条
    件決定手段とを備えてなる、 台風関連デリバティブの設計支援システム。
  12. 【請求項12】 前記リスク定量化手段が、地図上に設
    定された台風発生ゲートを通過する歴史台風のデータを
    取得するように構成されている、請求項11記載の設計
    支援システム。
  13. 【請求項13】 前記リスク定量化手段が、前記取得し
    た歴史台風のデータと所定の地理データとに基づいて仮
    想台風を発生させるように構成されている、請求項12
    記載の設計支援システム。
  14. 【請求項14】 前記リスク定量化手段が、前記取得し
    た歴史台風のデータから導出されるパラメータの変化値
    を要素とするモンテカルロシミュレーションによって前
    記仮想台風を発生させるように構成されている、請求項
    13記載の設計支援システム。
  15. 【請求項15】 ディスプレイ及びデータ入力機構を備
    えた装置との間で台風関連デリバティブの設計に関する
    データの受け渡しをインタラクティブに行うシステムで
    あって、 地理画像を前記ディスプレイに表示させるための地理デ
    ータを保持する地理データ保持手段と、 前記データ入力機構を通じて入力された顧客の営業地を
    含む地域の地理データを前記地理データ保持手段から読
    み出して地理画像を生成し、この地理画像上に当該営業
    地に関連する台風通過判定ゲートを設定するとともに、
    設定された台風通過判定ゲートを実際に通過した歴史台
    風の所定期間毎の数を検出し、検出結果を前記地理画像
    と共に前記ディスプレイに表示させ、さらに、該表示に
    対応して前記データ入力機構を通じて入力された前記所
    定期間毎の損害に関するデータの入力を受け付ける制御
    手段と、 前記台風通過判定ゲートを通過した歴史台風の数と前記
    入力された損害に関するデータとの相関値に基づいて当
    該ゲートにおける前記損害の発生リスクを定量化するリ
    スク定量化手段と、 定量化された前記損害の発生リスクに応じてデリバティ
    ブの給付処理の実行条件を定める実行条件決定手段とを
    備えてなる、デリバティブの設計支援システム。
  16. 【請求項16】 前記制御手段は、前記入力された営業
    地に関連する、異なる複数の仮台風通過判定ゲートを設
    定し、これらの仮台風通過判定ゲートのなかから当該仮
    台風通過判定ゲートを通過した歴史台風の所定期間毎の
    数を表すデータと入力された前記所定期間毎の損害に関
    するデータとの相関値が最も高い仮台風通過判定ゲート
    を特定し、それを最適台風通過判定ゲートとして設定す
    る、 請求項15記載の設計支援システム。
  17. 【請求項17】 前記制御手段が、歴史台風の通過個数
    についての閾値を設定可能にした場合の前記損害に関す
    るデータとの相関値が最も高い閾値を決定するととも
    に、前記複数の仮台風通過判定ゲートの各々と前記決定
    した閾値を所定値だけずらした値との組み合わせのそれ
    ぞれについて、歴史台風の通過個数と前記損害に関する
    データの相関分析を行い、相関係数が最も高くなる仮台
    風通過判定ゲートと閾値の組み合わせを設定するように
    構成され、 前記リスク定量化手段は、当該設定された仮台風通過判
    定ゲートを通過する台風の個数が前記設定された閾値を
    超える場合のリスクを定量化するように構成される、 請求項15記載の設計支援システム。
  18. 【請求項18】 コンピュータを、過去に発生した自然
    現象についてのデータを取得するデータ取得手段と、自
    然現象に関するデリバティブ条件の入力を受け付ける手
    段と、取得した自然現象についてのデータと前記入力さ
    れたデリバティブ条件との相関値に基づいて、将来発生
    する可能性がある自然現象を指標としたリスクを定量化
    するリスク定量化手段と、定量化されたリスクに応じて
    デリバティブの給付処理の実行条件を定める実行条件決
    定手段とを備えてなる、デリバティブの設計支援システ
    ムとして動作させるためのコンピュータプログラム。
  19. 【請求項19】 コンピュータを、対象物件の所在地の
    入力を契機に当該所在地付近を過去に通過した歴史台風
    のデータを取得するデータ取得手段と、個々の歴史台風
    による前記対象物件の損害に関するデータの入力を受け
    付ける手段と、取得した歴史台風のデータと前記入力さ
    れた損害に関するデータとの相関値に基づいて当該所在
    地における台風の実観測データを指標とした前記損害の
    発生リスクを定量化するリスク定量化手段と、定量化さ
    れた前記損害の発生リスクに応じてデリバティブの給付
    処理の実行条件を定める実行条件決定手段とを備えた、
    デリバティブの設計支援システムとして動作させるため
    のコンピュータプログラム。
  20. 【請求項20】 コンピュータを、顧客の営業地に関連
    する台風通過判定ゲートを設定するとともに、前記設定
    された台風通過判定ゲートにおける所定期間毎の損害に
    関するデータの入力を受け付ける手段と、前記台風通過
    判定ゲートを実際に通過した歴史台風の数と前記入力さ
    れた損害に関するデータとの相関値に基づいて前記営業
    地における台風の実観測データを指標とした前記損害に
    関するデータの発生リスクを定量化するリスク定量化手
    段と、定量化された前記損害に関するデータの発生リス
    クに応じてデリバティブの給付処理の実行条件を定める
    実行条件決定手段とを備えてなる、デリバティブの設計
    支援システムとして動作させるためのコンピュータプロ
    グラム。
  21. 【請求項21】 コンピュータを、ディスプレイ及びデ
    ータ入力機構を備えた装置との間で台風関連デリバティ
    ブの設計に関するデータの受け渡しをインタラクティブ
    に行うシステムであって、 地理画像を前記ディスプレイに表示させるための地理デ
    ータを保持する地理データ保持手段と、 前記データ入力機構を通じて入力された顧客の営業地を
    含む地域の地理データを前記地理データ保持手段から読
    み出して地理画像を生成し、この地理画像上に当該営業
    地に関連する台風通過判定ゲートを設定するとともに、
    設定された台風通過判定ゲートを実際に通過した歴史台
    風の所定期間毎の数を検出し、検出結果を前記地理画像
    と共に前記ディスプレイに表示させ、さらに、該表示に
    対応して前記データ入力機構を通じて入力された前記所
    定期間毎の損害に関するデータの入力を受け付ける制御
    手段と、 前記台風通過判定ゲートを通過した歴史台風の数と前記
    入力された損害に関するデータとの相関値に基づいて当
    該台風通過判定ゲートにおける前記損害の発生リスクを
    定量化するリスク定量化手段と、 定量化された前記損害の発生リスクに応じてデリバティ
    ブの給付処理の実行条件を定める実行条件決定手段とを
    備えた、デリバティブの設計支援システムとして動作さ
    せるための、コンピュータプログラム。
  22. 【請求項22】 コンピュータをデリバティブの設計支
    援システムとして動作させるための方法であって、過去
    に発生した自然現象についてのデータを取得する処理
    と、自然現象に関するデリバティブ条件の入力を受け付
    ける処理と、取得した自然現象についてのデータと前記
    入力されたデリバティブ条件との相関値に基づいて、将
    来発生する可能性がある自然現象を指標としたリスクを
    定量化する処理と、定量化されたリスクに応じてデリバ
    ティブの給付処理の実行条件を定める処理とを実行する
    方法。
  23. 【請求項23】 コンピュータをデリバティブの設計支
    援システムとして動作させるための方法であって、対象
    物件の所在地の入力を契機に当該所在地付近を過去に通
    過した歴史台風のデータを取得する処理と、個々の歴史
    台風による前記対象物件の損害に関するデータの入力を
    受け付ける処理と、取得した歴史台風のデータと前記入
    力された損害に関するデータとの相関値に基づいて当該
    所在地における台風の実観測データを指標とした前記損
    害の発生リスクを定量化する処理と、定量化された前記
    損害の発生リスクに応じてデリバティブの給付処理の実
    行条件を定める処理とを実行する方法。
  24. 【請求項24】 コンピュータをデリバティブの設計支
    援システムとして動作させるための方法であって、顧客
    の営業地に関連する台風通過判定ゲートを設定するとと
    もに、前記設定された台風通過判定ゲートにおける所定
    期間毎の損害に関するデータの入力を受け付ける処理
    と、前記台風通過判定ゲートを実際に通過した歴史台風
    の数と前記入力された損害に関するデータとの相関値に
    基づいて前記営業地における台風の実観測データを指標
    とした前記損害に関するデータの発生リスクを定量化す
    る処理と、定量化された前記損害に関するデータの発生
    リスクに応じてデリバティブの給付処理の実行条件を定
    める処理とを実行する方法。
  25. 【請求項25】 コンピュータを、ディスプレイ及びデ
    ータ入力機構を備えた装置との間で台風関連デリバティ
    ブの設計に関するデータの受け渡しをインタラクティブ
    に行うデリバティブの設計支援システムとして動作させ
    るための方法であって、 前記ディスプレイに表示させるための地理画像を含む地
    理データを保持する処理と、 前記データ入力機構を通じて入力された顧客の営業地を
    含む地域の地理データを前記地理データから読み出して
    地理画像を生成し、この地理画像上に当該営業地に関連
    する台風通過判定ゲートを設定する処理と、 前記設定された台風通過判定ゲートを実際に通過した歴
    史台風の所定期間毎の数を検出し、検出結果を前記地理
    画像と共に前記ディスプレイに表示させる処理と、 前記検出結果の表示に対応して前記データ入力機構を通
    じて入力された前記所定期間毎の損害に関するデータの
    入力を受け付ける処理と、 前記台風通過判定ゲートを通過した歴史台風の数と前記
    入力された損害に関するデータとの相関値に基づいて当
    該台風通過判定ゲートにおける前記損害の発生リスクを
    定量化する処理と、 定量化された前記損害の発生リスクに応じてデリバティ
    ブの給付処理の実行条件を定める処理とを実行する方
    法。
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