JP2003082060A - 熱可塑性セグメント化ポリウレタンおよび/またはポリウレタンウレア - Google Patents

熱可塑性セグメント化ポリウレタンおよび/またはポリウレタンウレア

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JP2003082060A
JP2003082060A JP2001277015A JP2001277015A JP2003082060A JP 2003082060 A JP2003082060 A JP 2003082060A JP 2001277015 A JP2001277015 A JP 2001277015A JP 2001277015 A JP2001277015 A JP 2001277015A JP 2003082060 A JP2003082060 A JP 2003082060A
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Hideyuki Yokota
英之 横田
Noriko Kadota
典子 門田
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の技術において問題のあった安定性、安
全性を改善し、かつ、良好な機械的特性、加工の容易
さ、硬度調整の容易さ、原料の選択による機能性付与の
容易さ、良好な生体適合性などの好ましい特性を同時に
実現することのできるポリウレタンおよび/またはポリ
ウレタンウレアを提供する。 【解決手段】ジイソシアネート成分として脂肪族系ジイ
ソシアネートと芳香族系ジイソシアネートを併用して得
られることとソフトセグメント成分が実質的にカルボン
酸エステル結合を含有しないことを特徴とする熱可塑性
セグメント化ポリウレタンおよび/またはポリウレタン
ウレア。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の構成成分か
らなる熱可塑性セグメント化ポリウレタンおよび/また
はポリウレタンウレアに関するものである。本発明のポ
リウレタンおよび/またはポリウレタンウレアは、特に
医療用材料への応用に好適である。
【0002】
【従来の技術】材料にはその用途に応じた特性が要求さ
れるが、一般的には共通して機械的特性すなわち、強度
や耐久性が要求される。医療用材料にも機械的特性の優
れた材料が応用されている。
【0003】同時に、医療用材料は直接生体と接触して
使用されることから、他の用途にも増して高い安全性が
求められる。しかしながら、医療用材料の安全性を含め
た生物学的特性は、近年まで十分な考慮・配慮に欠けて
いる傾向があった。特に、医療用途としての使用条件、
すなわち血液などの体液と接触することで材料に含まれ
る分解物や未反応モノマー、副生成物、オリゴマーが溶
出してくることは、医療用材料として重大な欠点であ
る。
【0004】例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)は可塑
剤の添加量によって硬度が自由に変えられること、一般
的な使用条件では比較的安定なこと、安価であることか
ら医療用材料として非常に広く利用されている。しかし
ながら、PVCは、使用時にフタル酸エステルなどの可
塑剤が溶出してくる可能性が有り、フタル酸エステルは
多くの研究により毒性を有することが示されており、安
全性の点で問題である。
【0005】シリコーンもまた医療用エラストマーとし
て各種カテーテルやチューブとして利用され、気体透過
特性から人工肺の膜素材としても応用されているが、長
期間体内に留置した場合には、溶出物として放出される
シリコーンの毒性が懸念されている。
【0006】ポリウレタンは、ソフトセグメントとなる
マクロポリオールとハードセグメントとなるジイソシア
ネートや鎖延長剤の配合比を適当に設定することで、添
加剤を使用することなく好ましい硬度の材料を調製する
ことが可能である。また、セグメント化ポリウレタンは
ミクロ相分離構造を形成し、それによって優れた血液適
合性を発揮することが知られている。また、例えばアミ
ノ基含有ジオールを原料のひとつとして使用することで
アミノ基含有ポリウレタンが調製できるなど、好ましい
官能基を有する材料を調製するのも比較的容易に行え
る。このような長所から、ポリウレタンは医療用材料と
して好んで使われる高分子材料のひとつである。しか
し、一方で滅菌処理や生体内での使用時に加水分解反応
などによって強度低下や溶出物の生成が報告されてお
り、安全性の点で問題となる可能性がある。
【0007】材料として求められる種々の物性を改善す
る目的で、脂肪族系ジイソシアネートと芳香族系ジイソ
シアネートを併用したポリウレタンおよび/またはポリ
ウレタンウレアおよび/またはポリウレア(以下ポリウ
レタン類と略記する)を利用する技術については、既に
報告されている。明確な意図を持って脂肪族系ジイソシ
アネートと芳香族系ジイソシアネートを併用したポリウ
レタン類を開示したものとしては、例えば、特開平05
−295063、特開平07−026096、特開平0
7−097560、特開平07−166052、特開平
08−052939、特開平08−067814、特開
平09−255866、特開平11−349805、特
開2000−034439などが挙げられる。
【0008】これらのうち、特開平05−29506
3、特開平07−026096、特開平09−2558
66、特開平11−349805、特開2000−03
4439ではジイソシアネートをイソシアヌレート基形
成によってポリイソシアネート化し、これを用いて調製
した架橋性ポリウレタンが開示されている。これらのポ
リウレタン類は架橋構造をとっているので、本願の目的
とする熱可塑性のセグメント化ポリウレタンおよび/ま
たはポリウレタンウレアを得ることは困難である。ま
た、これらは、塗料や接着剤としての用途を想定してい
るため、本願の目的である熱や加水分解に対する安定性
や安全性に関する配慮はなされていない。
【0009】また、特開平08−052939ではアロ
ファネート基を含有するポリイソシアネートが開示さ
れ、そのポリイソシアネートは芳香族ジイソシアネート
及び脂肪族ジイソシアネートから誘導されるとの記載が
あるが、アロファネート基を積極的に導入することは、
すなわち得られる材料に架橋構造を導入することとな
り、イソシアヌレート基形成によるポリイソシアネート
を使用する場合と同様、熱可塑性のセグメント化ポリウ
レタンおよび/またはポリウレタンウレアを得ることは
困難である。
【0010】さらに、特開平07−097560、特開
平07−166052では、それぞれ接着剤としての使
用、帯電部材としての使用を想定した芳香族ジイソシア
ネートと脂肪族ジイソシアネートを併用したポリウレタ
ンが開示されているが、いずれも安全性に関する配慮は
なされていない。
【0011】特開平08−067814では脂肪族ジイ
ソシアネート及び/又は脂環式ジイソシアネートと芳香
族ジイソシアネートの混合ジイソシアネートを原料にし
たポリウレタン樹脂を一成分とする樹脂組成物が開示さ
れている。これは耐黄変性、耐薬品性、溶媒への溶解
性、耐スクラッチ性が改善されたポリウレタン類であ
り、安全性(細胞毒性、急性毒性など)向上を意図した
ものではなく、特に加水分解物を生成しやすいポリカプ
ロラクトンポリオールを必須の成分としている点で、材
料の安全性には問題がある。
【0012】また、本願発明者らは生体適合性および抗
血栓性の材料としてWO98/46659、特開200
0−128950、特開2000−126566などを
出願している。これらの技術においては、生体適合性、
抗血栓性の向上を目的として、ホスホリルコリン構造を
有するジオールを少なくともジオール成分の一部として
用いて得られるポリウレタンまたはポリウレタンウレア
が開示されている。特開2000−128950、特開
2000−126566では2種以上のジイソシアネー
ト、特に2種以上の脂肪族系ジイソシアネート(脂環族
系を含む)を用いることで材料のセグメント化が促進さ
れ、ミクロ相分離構造を形成することによって著しく抗
血栓性が改善されることが開示されている。しかしなが
ら、これらの材料は医療用に使用することを主目的にし
ながら、溶出物が未だ多いという欠点を持っていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ポリウレタン類は、滅
菌処理や生体内での使用の際に加水分解反応などによる
強度低下や溶出物の生成が問題となる可能性はあるが、
機械的特性、加工の容易さ、硬度調整の容易さ、原料の
選択による機能性付与の容易さ、良好な生体適合性など
の観点から好ましい材料である。本発明は、これらの好
ましい特性を維持し、かつ従来の技術において問題のあ
った加工時の熱に対する安定性や使用時の加水分解、酸
化分解などに対する安定性が改善された安全性の高いポ
リウレタンおよび/またはポリウレタンウレアを提供す
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、既に2
種以上の脂肪族系(脂環族系を含む)ジイソシアネート
を併用して得られる抗血栓性が改善されたポリウレタン
もしくはポリウレタンウレアを見出した(特開2000
−128950)。更に、このような状況を鑑みて鋭意
検討を継続した結果、本発明に至った。すなわち、本発
明は、ジイソシアネート成分として脂肪族系ジイソシア
ネートと芳香族系ジイソシアネートを併用して得られる
こととソフトセグメント成分が実質的にカルボン酸エス
テル結合を含有しないことを特徴とする熱可塑性セグメ
ント化ポリウレタンおよび/またはポリウレタンウレ
ア、およびそれを含有する医療用材料、およびそれを主
成分とする医療材料である。
【0015】ポリウレタン類はジイソシアネート、ソフ
トセグメントとなるマクロポリオール、鎖延長剤の3成
分から調製される。このうちジイソシアネートは芳香族
系ジイソシアネート、脂肪族系ジイソシアネートに大別
される。芳香族系ジイソシアネートは比較的反応性が高
いので、ポリウレタンおよびポリウレタンウレア調製時
には、得られるポリウレタンおよびポリウレタンウレア
の分子量が向上して好ましい。しかしながら、酸化分解
による着色や、加水分解によって発癌性の危険のある芳
香族系アミンが生じる可能性がある。脂肪族系ジイソシ
アネートは着色の恐れは少なく、また加水分解されても
発癌性物質が生成する可能性は低い。ところが、一方で
反応性は芳香族系ジイソシアネートよりもやや劣り、ポ
リマー調製にはより過酷な条件や、触媒の添加が必要と
なる。
【0016】本発明で言う脂肪族系ジイソシアネートと
は、脂環族系ジイソシアネートをも包含する。例えば、
エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネ
ート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジ
イソシアネート、ドデカメチレンジソシアネート、3,
3’−ジイソシアナトプロピルエーテル、シクロペンタ
ンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネー
ト、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシア
ネート)などが例示されるが、これらに限定されない。
また、ジイソシアネートを形成する炭化水素骨格の水素
原子が他の原子や官能基などで置換されていてもよい。
【0017】本発明のポリウレタンおよび/またはポリ
ウレタンウレアの成分である脂肪族系ジイソシアネート
は、両末端にイソシアナト基を有する直鎖炭化水素ジイ
ソシアネートであることが好ましい。具体的には例えば
エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネ
ート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジ
イソシアネート、ドデカメチレンジソシアネートなどが
例示されるが、これらに限定されない。ジイソシアネー
トを形成する炭化水素骨格の水素原子が他の原子や官能
基などで置換されていてもよい。これらのうち、テトラ
メチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、オクタメチレンジイソシアネートが好ましく、
ヘキサメチレンジイソシアネートが特に好ましい。
【0018】本発明で言う芳香族系ジイソシアネートと
は、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタ
レンジイソシアネート、イソシアナトベンジルイソシア
ネート、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネ
ート)などが例示されるが、これらに限定されない。ま
た、ジイソシアネートを形成する炭化水素骨格の水素原
子が他の原子や官能基などで置換されていてもよい。こ
れらのうち、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシ
アネート)が特に好ましい。本発明に使用される脂肪族
系ジイソシアネート、芳香族系ジイソシアネートはそれ
ぞれ1種のジイソシアネートを使用しても、2種類以上
を混合して使用してもよい。
【0019】本発明のポリウレタンおよび/またはポリ
ウレタンウレアのソフトセグメント成分となるマクロポ
リオールについては、一般的なポリウレタン類に使用さ
れるマクロポリオールが広く利用可能であるが、実質的
にカルボン酸エステル結合を含有しないことマクロポリ
オールである必要がある。具体的には、例えば、低分子
量ジオール(例えば、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレ
ングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチ
レングリコール、デカメチレングリコール、2,2−ジ
メチルトリメチレングリコール、1,4−ジヒドロキシ
シクロヘキサン、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘ
キサンなど)とジカルボン酸またはそのエステル形成性
誘導体(例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グル
タル酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン
酸、テレフタル酸、イソフタル酸またはこれらの酸ハラ
イド、活性エステル、アミドなど)を反応させて得られ
るポリカルボン酸エステルジオール、ε−カプロラクト
ンなどの開環重合によって得られるポリラクトンジオー
ル(これも広義のポリカルボン酸エステルジオールに包
含される)などカルボン酸エステル結合を含有するマク
ロポリオールは、医療用材料として使用する時などに加
水分解反応によって低分子量物が生成し、溶出物となる
ので使用できない。実質的にカルボン酸エステル結合を
含まないソフトセグメント成分となるマクロポリオール
としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエ
ーテルジオール、ポリブタジエンジオール、ポリイソプ
レンジオール、水添ポリイソプレンジオールなどのポリ
アルキレンジオール、各種ポリカーボネートジオールな
どが例示される。これらのうちポリエーテルジオールが
特に好ましい。マクロポリオールは単独で使用しても、
2種以上を混合して使用してもよい。
【0020】本発明のポリウレタンおよび/またはポリ
ウレタンウレアの成分となる鎖延長剤については、特に
制限されず、一般的なポリウレタン類に使用される鎖延
長剤、および今後開発されるであろう鎖延長剤が広く利
用可能である。具体的には、例えば、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコ
ール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコ
ール、2,2−ジメチルトリメチレングリコール、1,
4−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,4−ジヒドロキ
シメチルシクロヘキサン、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコールなどのジオール、エチレンジアミ
ン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメ
チレンジアミン、キシリレンジアミン、フェニレンジア
ミン、4,4’−メチレンビス(フェニルアミン)など
のジアミン、2−アミノエタノール、3−アミノプロパ
ノール、4−アミノブタノールなどのアミノアルコー
ル、さらには、ジヒドラジド(例えばシュウ酸ジヒドラ
ジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、
アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イ
ソフタル酸ジヒドラジド)など広義のジアミンなどが例
示される。これらに限らず、低分子量ジオール、ジアミ
ン、アミノアルコールとしては、公知、新規あるいはポ
リウレタン類への適用例の有無に関わらずすべて適用す
ることができる。これらの鎖延長剤は単独で使用して
も、2種以上を混合して使用してもよい。
【0021】本発明においては、ジイソシアネート、マ
クロポリオール、鎖延長剤以外の成分を添加してポリウ
レタンおよび/またはポリウレタンウレアを調製しても
よい。例えば医療用材料への応用を念頭に置き、ヘパリ
ン固定化用に第3級アミノ基含有ジオールを添加する手
法、細胞膜構成成分であるホスホリルコリン類似構造を
有するジオールを添加する手法、さらに、気体透過性材
料への応用を念頭に置きポリジメチルシロキサンジオー
ルを添加する手法などが例示される。
【0022】特に、下記化学式(6)もしくは下記化学
式(7)に示したホスホリルコリン類似構造含有ジオー
ルを原料の一つとして使用する手法は、得られる材料の
血液適合性を向上させるのに有効である。
【化6】
【化7】 [上記化学式(6)および化学式(7)において、
1、R2、R3、R6は炭素数1〜10のアルキレン基、
炭素数6〜12のアリーレン基、または炭素数7〜15
のアラルキレン基であり、それぞれ同じでも異なってい
てもよく、水素原子は他の原子や官能基で置換されてい
てもよい。R4、R5、R8は炭素数1〜10のアルキル
基、炭素数6〜12のアリール基、または炭素数7〜1
5のアラルキル基であり、それぞれ同じでもよく、異な
っていてもよく、各基の水素原子は他の原子や官能基で
置換されていてもよい。R7は炭素数1〜10のアルキ
ル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜15の
アラルキル基、または下記化学式(4)の構造を有する
基である。XはN、H−Cもしくは下記の化学式(5)
の構造を有する基である。]
【化8】
【化9】 [式中、Aは炭素数2〜10のオキシアルキレン基であ
り、1種または2種以上のオキシアルキレン基が混在し
てもよく、それらの結合順はブロックでもランダムでも
よい。また、nは1〜30の整数である。R9、R10
炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリー
ル基、または炭素数7〜15のアラルキル基であり、各
基の水素原子は他の原子や官能基で置換されていてもよ
い。]
【0023】ポリウレタンおよび/またはポリウレタン
ウレアの製造方法は特に制限されないが、例えば、次の
ような方法が例示される:マクロポリオールと脂肪族系
ジイソシアネートを適当な溶媒中で混合して反応させ、
これに芳香族系ジイソシアネートを添加してプレポリマ
ーを調製後、鎖延長剤を添加して高分子量のポリウレタ
ンおよび/またはポリウレタンウレアを得る。この際、
マクロポリオールと脂肪族系ジイソシアネートの反応
と、それに続き芳香族系ジイソシアネートを添加してプ
レポリマーを得る反応とでは、一般に芳香族系ジイソシ
アネートは脂肪族系ジイソシアネートよりも活性が高い
ので、後者の反応温度を前者の反応温度よりも低く設定
することが好ましい。脂肪族系ジイソシアネートの反応
に好適な温度のままで芳香族系ジイソシアネートを添加
するとゲル化を招く恐れがあり、芳香族系ジイソシアネ
ートの反応に好適な温度で脂肪族系ジイソシアネートの
反応を行うと反応が十分に進行せず、得られるポリウレ
タンおよび/またはポリウレタンウレアが材料として利
用しがたいものになってしまう可能性がある。
【0024】また、ホスホリルコリン類似構造含有ジオ
ールを添加した場合には、例えば、次のような方法が例
示される:ホスホリルコリン類似構造含有ジオールと脂
肪族系ジイソシアネートを適当な溶媒中で混合して反応
させ、これに芳香族系ジイソシアネート、続いてマクロ
ポリオールを添加しプレポリマーを調製後、鎖延長剤を
添加して高分子量のポリウレタンおよび/またはポリウ
レタンウレアを得る。この際にも、ホスホリルコリン類
似構造含有ジオールと脂肪族系ジイソシアネートを反応
させた後、温度を下げて芳香族系ジイソシアネート、続
いてマクロポリオールを添加するのが好ましい。
【0025】ポリウレタンおよび/またはポリウレタン
ウレアの製造方法を更に具体的に示す。以下の製造条件
は本発明を制限するものではない。脂肪族系ジイソシア
ネートと芳香族系ジイソシアネートの使用比率は、モル
比で脂肪族系ジイソシアネート/芳香族系ジイソシアネ
ート=1/9〜9/1、好ましくは2/8〜7/3さら
に好ましくは2/8〜6/4である。これよりも脂肪族
系ジイソシアネートが多いと反応が進行しにくく、これ
よりも芳香族系ジイソシアネートが多いと得られるポリ
ウレタンおよび/またはポリウレタンウレアが着色する
恐れがある。脂肪族系ジイソシアネートを反応させる時
の反応温度は50℃〜120℃、好ましくは60℃〜1
00℃、芳香族ジイソシアネートを反応させる時の反応
温度は30℃〜100℃、好ましくは40℃〜80℃
で、脂肪族系ジイソシアネートを反応させるときの温度
よりも低いことが好ましい。
【0026】反応に使用される溶媒も特に制限されない
が、原料に対して不活性であり、原料の溶解性に優れる
溶媒が好ましい。具体的には、例えば、N−メチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメ
チルリン酸トリアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、ジメチルスルホキシド、トルエンなどが例示され、
中でもN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N−メチルピロリドンが好ましい。溶
媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用しても
よい。また、無溶媒で反応を行う方法も適用できる。
【0027】ポリウレタンおよび/またはポリウレタン
ウレアを製造する際には、重合を効率的に行うため、重
合触媒を添加してもよい。重合触媒としては、例えば、
ジブチルジラウリン酸スズなどのスズ系触媒、テトラブ
トキシチタンなどのチタン系触媒などが例示される。
【0028】本発明のポリウレタンおよび/またはポリ
ウレタンウレアは単独で使用してもよく、また、ブレン
ド、コーティング、グラフト化、共重合などの方法で他
の素材に添加することも可能である。また、本発明のポ
リウレタンおよび/またはポリウレタンウレアを基材と
してブレンド、コーティング、グラフト化、共重合など
の方法により改質することも可能である。
【0029】ポリウレタン類は、PVCなどと異なり、
特に添加剤を加えることなく望む機械的特性を実現でき
るのが大きな特長のひとつであるが、本発明のポリウレ
タンおよび/またはポリウレタンウレアは、敢えて添加
剤を加えることも制限されない。例えば、材料に抗菌性
を付与する目的で、抗菌剤を練り込むことも可能であ
る。
【0030】詳細な機構は明らかで無いものの、脂肪族
系ジイソシアネートと芳香族系ジイソシアネートの相補
的、相乗的効果と考えられる影響によって、本発明のポ
リウレタンおよび/またはポリウレタンウレアは、機械
的特性、易加工性などのポリウレタン類が本来有する特
性の他、成型加工時の熱などに対して安定で分解物が生
成せず、実質的にカルボン酸エステル結合を含まないた
め加水分解反応による分解物の生成しないので、より優
れた安定性、安全性を実現することが可能である。
【0031】このような利点を活かして、本発明のポリ
ウレタンおよび/またはポリウレタンウレアは、従来ポ
リウレタン類が応用されていたあらゆる用途はもちろん
のこと、特に医療用材料として広く利用され得る。具体
的には、例えば、血液透析膜や血漿分離膜、血液中老廃
物の吸着材、人工肺用膜、血管内バルーン、血液バッ
グ、カテーテル、カニューレ、シャント、血液回路など
の医療用具の主基材、改質用添加剤、積層材、コーティ
ング材などが例示される。本発明のポリウレタンおよび
/またはポリウレタンウレアは、これらの材料の主成分
として、および一部として利用され得る。
【0032】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例によって制限されるものではな
い。
【0033】〈実施例1〉 (ポリウレタンの調製)数平均分子量2000のポリテ
トラメチレングリコール(PTMG)15.90gをセ
パラブルフラスコに秤取し、N−メチルピロリドン(N
MP)58mlを加えて溶解させた。以下の操作はすべ
て窒素雰囲気下で行った。溶液を75℃まで加熱し、ヘ
キサメチレンジイソシアネート(HDI)7.25gを
加え1時間撹拌した。反応温度を55℃にまで下げて3
0分撹拌し、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシ
アネート)(MDI)25.18gを加え、55℃で1
時間撹拌してプレポリマーを調製した。この反応混合液
に1,4−ブタンジオール(BD)10.08gを2回
に分けて添加し55℃で1時間撹拌した。NMP58m
lを加えて反応混合液を希釈し、55℃で12時間撹拌
して反応させた。BD1gを加えて末端停止を行い、5
5℃から徐々に室温になるまで撹拌を継続した。反応混
合液を5000mlの水に落とし込んで生成物を回収
し、70℃の温水で2時間洗浄後減圧乾燥してポリマー
Aを得た。
【0034】(分子量)臭化リチウムを0.1%添加し
たN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)にポリマー
Aを加えて溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)により分子量を測定した。ゲルカラム
はShodex AD−803/S、AD−804/
S、AD−806/S、AD−802/Sを直列に連結
して使用し、ポリエチレングリコールで作成した検量線
により、温度は50℃、移動相は臭化リチウムを0.1
%添加したDMFで測定した。結果は表1に示した。
【0035】(溶出物)ASTM F750(材料抽出
液のマウス全身毒性試験)の方法に引用された抽出条件
である、ASTM F619(メディカル・プラスティ
ックの抽出方法)に記載された抽出条件に準拠し、ポリ
マー4.0gを生理食塩水20mlに浸漬し50℃にて
72時間の抽出操作を行った。この抽出液中の総有機炭
素量(TOC)を、島津製作所製全有機体炭素計TOC
−5050Aにより測定した。結果は表1に示した。
【0036】(細胞毒性)薬機第99号(平成7年6月
27日)厚生省薬務局医療機器開発課長通知に記載され
た、医療用具又は材料の抽出液を用いた細胞毒性試験の
方法に準拠して、V79細胞を使用し、ポリマーAのI
C50(%)を求めた。結果は表1に示した。
【0037】
【表1】 表1の細胞毒性の値において100%とは、抽出原液で
も細胞の増殖抑制に影響が見られなかったことを示す。
【0038】〈実施例2〉 (ポリウレタンの調製)下記化学式(8)に示す化合物
(以下コリンジオールと略記する)10.00gをセパ
ラブルフラスコに秤取し、NMP52mlを加えて溶解
させた。以下の操作はすべて窒素雰囲気下で行った。溶
液を75℃まで加熱し、HDI7.25gを加え1時間
撹拌した。反応温度を55℃にまで下げて30分撹拌
し、MDI25.18gを加え、55℃で1時間撹拌
後、数平均分子量2000のPTMG19.20gをN
MP17mlに溶解して添加した。55℃で1時間撹拌
しプレポリマーを調製した。この反応混合液にBD7.
77gを2回に分けて添加し55℃で1時間撹拌した。
NMP30mlを加えて反応混合液を希釈し、55℃で
12時間撹拌して反応させた。BD1gを加えて末端停
止を行い、55℃から徐々に室温になるまで撹拌を継続
した。反応混合液を5000mlの水に落とし込んで生
成物を回収し、70℃の温水で2時間洗浄後減圧乾燥し
てポリマーBを得た。
【化10】
【0039】(分子量)、(溶出物)、(細胞毒性) 実施例1と同様の方法で分子量、溶出物、細胞毒性を分
析した。結果は表1に示した。
【0040】〈実施例3〉 (ポリウレタンの調製)数平均分子量2000のPTM
G13.00gをセパラブルフラスコに秤取し、NMP
48mlを加えて溶解させた。以下の操作はすべて窒素
雰囲気下で行った。溶液を75℃まで加熱し、HDI
7.14gを加え1時間撹拌した。反応温度を60℃に
まで下げて30分撹拌し、トリレン−2,4−ジイソシ
アネート(TDI)17.25gを加え、60℃で1時
間撹拌してプレポリマーを調製した。この反応混合液に
BD10.00gを2回に分けて添加し50℃で1時間
撹拌した。NMP48mlを加えて反応混合液を希釈
し、50℃で12時間撹拌して反応させた。BD1gを
加えて末端停止を行い、50℃から徐々に室温になるま
で撹拌を継続した。反応混合液を5000mlの水に落
とし込んで生成物を回収し、70℃の温水で2時間洗浄
後減圧乾燥してポリマーCを得た。
【0041】(分子量)、(溶出物)、(細胞毒性) 実施例1と同様の方法で分子量、溶出物、細胞毒性を分
析した。結果は表1に示した。
【0042】〈実施例4〉 (ポリウレタンの調製)コリンジオール10.00gを
セパラブルフラスコに秤取し、NMP42mlを加えて
溶解させた。以下の操作はすべて窒素雰囲気下で行っ
た。溶液を75℃まで加熱し、HDI7.14gを加え
1時間撹拌した。反応温度を60℃にまで下げて30分
撹拌し、TDI17.25gを加え、60℃で1時間撹
拌後、数平均分子量2000のPTMG16.20gを
NMP18mlに溶解して添加した。50℃で1時間撹
拌しプレポリマーを調製した。この反応混合液にBD
7.75gを2回に分けて添加し50℃で1時間撹拌し
た。NMP30mlを加えて反応混合液を希釈し、50
℃で12時間撹拌して反応させた。BD1gを加えて末
端停止を行い、50℃から徐々に室温になるまで撹拌を
継続した。反応混合液を5000mlの水に落とし込ん
で生成物を回収し、70℃の温水で2時間洗浄後減圧乾
燥してポリマーDを得た。
【0043】(分子量)、(溶出物)、(細胞毒性) 実施例1と同様の方法で分子量、溶出物、細胞毒性を分
析した。結果は表1に示した。
【0044】〈比較例1〉 (ポリウレタンの調製)数平均分子量2000のPTM
G13.01gをセパラブルフラスコに秤取し、NMP
47mlを加えて溶解させた。以下の操作はすべて窒素
雰囲気下で行った。溶液を75℃まで加熱し、HDI2
4.18gを加え1時間撹拌してプレポリマーを調製し
た。この反応混合液にBD10.04gを2回に分けて
添加し75℃で1時間撹拌した。NMP47mlを加え
て反応混合液を希釈し、75℃で12時間撹拌して反応
させた。BD1gを加えて末端停止を行い、75℃から
徐々に室温になるまで撹拌を継続した。反応混合液を5
000mlの水に落とし込んで生成物を回収し、70℃
の温水で2時間洗浄後減圧乾燥してポリマーEを得た。
【0045】(分子量)(溶出物)(細胞毒性) 実施例1と同様の方法で分子量、溶出物、細胞毒性を分
析した。結果は表1に示した。
【0046】〈比較例2〉 (ポリウレタンの調製)数平均分子量2000のPTM
G17.14gをセパラブルフラスコに秤取し、NMP
63mlを加えて溶解させた。以下の操作はすべて窒素
雰囲気下で行った。溶液を55℃まで加熱し、MDI3
5.97gを加え1時間撹拌してプレポリマーを調製し
た。この反応混合液にBD9.86gを2回に分けて添
加し55℃で1時間撹拌した。NMP63mlを加えて
反応混合液を希釈し、55℃で12時間撹拌して反応さ
せた。BD1gを加えて末端停止を行い、55℃から徐
々に室温になるまで撹拌を継続した。反応混合液を50
00mlの水に落とし込んで生成物を回収し、70℃の
温水で2時間洗浄後減圧乾燥してポリマーFを得た。
【0047】(分子量)(溶出物)(細胞毒性) 実施例1と同様の方法で分子量、溶出物、細胞毒性を分
析した。結果は表1に示した。
【0048】〈比較例3〉 (ポリウレタンの調製)コリンジオール10.00gを
セパラブルフラスコに秤取し、NMP44mlを加えて
溶解させた。以下の操作はすべて窒素雰囲気下で行っ
た。溶液を75℃まで加熱し、HDI24.18gを加
え1時間撹拌後、数平均分子量2000のPTMG1
6.31gをNMP14mlに溶解して添加した。75
℃で1時間撹拌しプレポリマーを調製した。この反応混
合液にBD7.90gを2回に分けて添加し75℃で1
時間撹拌した。NMP30mlを加えて反応混合液を希
釈し、75℃で12時間撹拌して反応させた。BD1g
を加えて末端停止を行い、75℃から徐々に室温になる
まで撹拌を継続した。反応混合液を5000mlの水に
落とし込んで生成物を回収し、70℃の温水で2時間洗
浄後減圧乾燥してポリマーGを得た。
【0049】(分子量)、(溶出物)、(細胞毒性) 実施例1と同様の方法で分子量、溶出物、細胞毒性を分
析した。結果は表1に示した。
【0050】〈比較例4〉 (ポリウレタンの調製)コリンジオール10.00gを
セパラブルフラスコに秤取し、NMP55mlを加えて
溶解させた。以下の操作はすべて窒素雰囲気下で行っ
た。溶液を55℃まで加熱し、MDI35.97gを加
え1時間撹拌後、数平均分子量2000のPTMG2
0.44gをNMP20mlに溶解して添加した。55
℃で1時間撹拌しプレポリマーを調製した。この反応混
合液にBD7.72gを2回に分けて添加し75℃で1
時間撹拌した。NMP40mlを加えて反応混合液を希
釈し、55℃で12時間撹拌して反応させた。BD1g
を加えて末端停止を行い、55℃から徐々に室温になる
まで撹拌を継続した。反応混合液を5000mlの水に
落とし込んで生成物を回収し、70℃の温水で2時間洗
浄後減圧乾燥してポリマーHを得た。
【0051】(分子量)(溶出物)(細胞毒性) 実施例1と同様の方法で分子量、溶出物、細胞毒性を分
析した。結果は表1に示した。
【0052】〈比較例5〉 (ポリウレタンの調製)数平均分子量2000のPTM
G16.00gをセパラブルフラスコに秤取し、NMP
60mlを加えて溶解させた。以下の操作はすべて窒素
雰囲気下で行った。溶液を75℃まで加熱し、HDI
7.25gを加え1時間撹拌した。反応温度を55℃に
まで下げて30分撹拌し、4,4’−メチレンビス(シ
クロヘキシルイソシアネート)(HMDI)26.39
gを加え、55℃で1時間撹拌してプレポリマーを調製
した。この反応混合液にBD10.00gを2回に分け
て添加し55℃で1時間撹拌した。NMP60mlを加
えて反応混合液を希釈し、55℃で12時間撹拌して反
応させた。BD1gを加えて末端停止を行い、55℃か
ら徐々に室温になるまで撹拌を継続した。反応混合液を
5000mlの水に落とし込んで生成物を回収し、70
℃の温水で2時間洗浄後減圧乾燥してポリマーIを得
た。
【0053】〈比較例6〉 (ポリウレタンの調製)数平均分子量2000のPTM
G16.00gをセパラブルフラスコに秤取し、NMP
60mlを加えて溶解させた。以下の操作はすべて窒素
雰囲気下で行った。溶液を100℃まで加熱し、HDI
7.25gを加え1.5時間撹拌した。さらに、HMD
I26.39gを加え、100℃で1時間撹拌してプレ
ポリマーを調製した。この反応混合液にBD10.00
gを2回に分けて添加し100℃で1時間撹拌した。N
MP60mlを加えて反応混合液を希釈し、100℃で
12時間撹拌して反応させた。BD1gを加えて末端停
止を行い、100℃から徐々に室温になるまで撹拌を継
続した。反応混合液を5000mlの水に落とし込んで
生成物を回収し、70℃の温水で2時間洗浄後減圧乾燥
してポリマーJを得た。
【0054】(分子量)(溶出物)(細胞毒性) 実施例1と同様の方法で分子量、溶出物、細胞毒性を分
析した。結果は表1に示した。
【0055】〈比較例7〉 (ポリウレタンの調製)コリンジオール10.00g、
数平均分子量1320のPTMG11.27gをセパラ
ブルフラスコに秤取し、DMAc200mlを加えて溶
解させた。以下の操作はすべて窒素雰囲気下で行った。
溶液を100℃まで加熱し、HMDI24.64gをゆ
っくり加え、添加後5時間撹拌した。HDI6.77g
をゆっくり加え、添加後100℃で10時間撹拌した。
BD7.85gをゆっくり添加し、さらに100℃で5
時間撹拌した。反応後、この反応混合液を5000ml
の水に落とし込んだ。得られた沈澱物を濾別し、THF
に溶解して再びメタノールに注ぎ込み、生じた沈澱物を
回収、減圧乾燥してポリマーKを得た。
【0056】(分子量)(溶出物)(細胞毒性) 実施例1と同様の方法で分子量、溶出物、細胞毒性を分
析した。結果は表1に示した。
【0057】実施例と比較例より明らかなように、本発
明のポリウレタンは、溶出物、細胞毒性が低いことがわ
かった。詳細な機構は明らかで無いものの、脂肪族系ジ
イソシアネートと芳香族系ジイソシアネートの相補的あ
るいは相乗的効果によるものであると考えられ、本発明
の有用性が示された。
【0058】
【発明の効果】本発明のポリウレタンおよびポリウレタ
ンウレアは、従来のポリウレタンおよびポリウレタンウ
レアに比べて、溶出物と細胞毒性が低いので、一般的用
途はもちろんのこと、特に医療用材料として有用であ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C081 AC11 AC12 AC16 BA01 BB08 BB09 CA211 CB011 4J034 BA08 CA04 CA15 CC03 CC05 CC09 CD07 DA01 DG03 DG04 DG06 GA05 GA06 GA33 HA07 HA13 HC03 HC12 HC17 HC22 HC45 HC46 HC52 HC64 HC67 HC71 HC73 RA02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジイソシアネート成分として脂肪族系ジ
    イソシアネートと芳香族系ジイソシアネートを併用して
    得られることとソフトセグメント成分が実質的にカルボ
    ン酸エステル結合を含有しないことを特徴とする熱可塑
    性セグメント化ポリウレタンおよび/またはポリウレタ
    ンウレア。
  2. 【請求項2】 ソフトセグメント成分が、ポリエーテル
    ポリオールを主成分とする請求項1記載の熱可塑性セグ
    メント化ポリウレタンおよび/またはポリウレタンウレ
    ア。
  3. 【請求項3】 熱可塑性セグメント化ポリウレタンおよ
    び/またはポリウレタンウレアの分子内にリンを含有す
    る請求項1または2に記載の熱可塑性セグメント化ポリ
    ウレタンおよび/またはポリウレタンウレア。
  4. 【請求項4】 熱可塑性セグメント化ポリウレタンおよ
    び/またはポリウレタンウレアの分子内に下記化学式
    (1)の構造を有する請求項3記載の熱可塑性セグメン
    ト化ポリウレタンおよび/またはポリウレタンウレア。 【化1】 [上記化学式(1)において、Rは炭素数1〜10のア
    ルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基、または炭
    素数7〜15のアラルキレン基であり、各基の水素原子
    は他の原子や官能基で置換されていてもよい。]
  5. 【請求項5】 熱可塑性セグメント化ポリウレタンおよ
    び/またはポリウレタンウレアの分子内に下記化学式
    (2)もしくは化学式(3)の構造を有する請求項4記
    載の熱可塑性セグメント化ポリウレタンおよび/または
    ポリウレタンウレア。 【化2】 【化3】 [上記化学式(2)および化学式(3)において、
    1、R2、R3、R6は炭素数1〜10のアルキレン基、
    炭素数6〜12のアリーレン基、または炭素数7〜15
    のアラルキレン基であり、それぞれ同じでも異なってい
    てもよく、水素原子は他の原子や官能基で置換されてい
    てもよい。R4、R5、R8は炭素数1〜10のアルキル
    基、炭素数6〜12のアリール基、または炭素数7〜1
    5のアラルキル基であり、それぞれ同じでもよく、異な
    っていてもよく、各基の水素原子は他の原子や官能基で
    置換されていてもよい。R7は炭素数1〜10のアルキ
    ル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜15の
    アラルキル基、または下記化学式(4)の構造を有する
    基である。XはN、H−Cもしくは下記の化学式(5)
    の構造を有する基である。] 【化4】 【化5】 [式中、Aは炭素数2〜10のオキシアルキレン基であ
    り、1種または2種以上のオキシアルキレン基が混在し
    てもよく、それらの結合順はブロックでもランダムでも
    よい。また、nは1〜30の整数である。R9、R10
    炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリー
    ル基、または炭素数7〜15のアラルキル基であり、各
    基の水素原子は他の原子や官能基で置換されていてもよ
    い。]
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4、または5記載の
    熱可塑性セグメント化ポリウレタンおよび/またはポリ
    ウレタンウレアを含有することを特徴とする医療用材
    料。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、または5記載の
    熱可塑性セグメント化ポリウレタンおよび/またはポリ
    ウレタンウレアを主成分とすることを特徴とする医療用
    材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100969046B1 (ko) 2008-02-05 2010-07-09 현대자동차주식회사 낮은 이온 함량 및 높은 고형분 함량을 갖는 수분산폴리우레탄 수지의 제조방법

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