JP2003079372A - 植物細胞において遺伝子の高発現能を有する5’−非翻訳領域配列 - Google Patents
植物細胞において遺伝子の高発現能を有する5’−非翻訳領域配列Info
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Abstract
翻訳後に得られる蛋白質量を増大させることができる翻
訳量増大機能を有する5'-非翻訳領域配列の提供。 【解決手段】 タバコ由来アルコールデヒドロゲナーゼ
遺伝子の5'-非翻訳領域の塩基配列又はこの塩基配列を
これが有する蛋白質増大機能を損なわない範囲内で変異
させた塩基配列を構造遺伝子の発現系に用いる。
Description
遺伝子の発現量を増大させる効果を持つDNAに関す
る。
は、アルコール発酵や二次代謝物質生産に代表されるよ
うな微生物や植物培養細胞の高生産能株の選抜、交配・
選抜による高生産植物の育種、培養条件の最適化などの
方法を駆使することにより効率化されてきた。
立され、外来遺伝子の導入やその高発現システムが導入
可能となったことにより、微生物においては異種生物の
遺伝子を導入した新規物質生産も併せて実用化されてき
た。植物においては、アグロバクテリウム法(Weising,
K. et al., Annu. Rev. Genet., 22, 421-477 (198
8))、エレクトロポレーション法(Toriyama, K. et a
l., Bio/Tec., 6, 1072-1074 (1988))、パーティクル
ボンバードメント法(Klein, T. M. et al., Nature, 3
27, 70-73 (1987))などの外来遺伝子導入技術が確立さ
れ、また、その発現システムの構築により、植物を用い
た有用物質生産の試みや植物形質の改変が盛んに行われ
るようになってきている。例えば、ヒト血清アルブミン
(Sijimons,P. C. et al., Bio/Tec., 8, 217-221 (199
0))、モノクローナル抗体(Benvenuto, E. et al., Pl
ant Mol. Biol., 17, 865-874 (1991))、殺虫タンパク
質であるBt toxin(Kota, M. et al., Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA, 96, 1840-1845(1999))、生分解性プラス
チックの原料であるPHB(V)(Slater, S. et al., Natur
e Biotechnol., 17, 333-338 (1999))等が生産できる
ことが報告されている。
写・転写後・翻訳・翻訳後の4つの段階を経て行われ、
基本的には転写レベルで制御されることが多い。転写
は、プロモーターを含む5'上流領域で調節されるが、転
写制御にとって重要な領域は、通常さらに上流に位置
し、この領域はシスエレメントと呼ばれている。このシ
スエレメントに特異的タンパク質が結合することによ
り、種々のプロモーター活性が制御され、器官及び時期
特異的な遺伝子発現が行われている。従って、導入有用
遺伝子を構成的にもしくは器官及び時期特異的に高いレ
ベルで発現させようとすれば、強力な転写活性を持つプ
ロモーター又はシスエレメントの制御下に目的遺伝子を
置くことが適当な方法と考えられ、盛んに研究が行われ
ている。
活性を持つものとしてよく用いられているものに、カリ
フラワーモザイクウィルス(CaMV)35Sプロモーター(B
enfey, P. et al., Science, 250, 959-966 (1990))が
挙げられる。この他に植物本来のプロモーターを用いた
報告も多くある(Foster, et al., Plant Mol. Biol.,
41, 45-55 (1999), Nagaya, S. et al., J. Biosci. Bi
oeng., 89, 231-235 (2000))。また、転写活性を高め
るエンハンサーも開発されている(Hayashi,H.et al.,
Science, 258, 1350-1353 (1992))。しかしながら、既
存のプロモーターの転写活性をさらに高めることには限
界がある。また、植物では、サイレンシングやDNAの
メチル化などにより核染色体へ導入された遺伝子が安定
に発現しない現象が報告されている(Vaucheret, H. et
al., Plant J., 16, 651-659 (1998))。このサイレン
シングの原因の一つに転写されたRNAの絶対量が挙げ
られる。ある種のRNA量が多すぎるとそのRNAの安
定性が極端に悪くなると考えられている。
タンパク質もしくはペプチドをより大量に得ようとする
には、高転写活性であることに加え、遺伝子の発現を転
写後レベルで高め、転写物を有効に利用することが重要
と考えられる。最近の知見として、酵母や動物では、転
写物の安定性を高めるSTE配列(Ruiz-Echevarrfa,M.
J. et al., Cell, 101, 741-751 (2000))や翻訳レベ
ルを上昇させる効果を持つタバコモザイクウィルス(T
MV)のΩ配列(Gallie, D. et al., Mol. Gen. Gene
t., 228, 258-264 (1991), Mitsuhara, I. et al., Pla
nt Cell Physiol., 37, 49-59 (1996))などが報告され
ている。しかしながらこれらの例は必ずしも汎用性が高
いとは言えず、また転写物の安定性を高める効果のある
配列が植物から単離された例はこれまであまり知られて
いない。本発明者はこれまでに、タバコアルコールデヒ
ドロゲナーゼ遺伝子のコーディング領域の20塩基及び5'
-非翻訳領域(5'-UTR)40塩基の領域との両方を含む領
域が、下流につないだ遺伝子の発現量を転写後レベルで
高めることを見出している(Nagaya, S. et al., J. Bi
osci. Bioeng., 89, 231-235 (2000))。しかしなが
ら、5'-UTRのみでそのような効果があるのか、5'-UTR全
長ではどのような効果があるか、またアルコールデヒド
ロゲナーゼプロモーターと併用した場合にどのような効
果が期待されるかについては全く知られていなかった。
おける遺伝子の発現過程における翻訳後に得られる蛋白
質量を増大させることができる遺伝子の高発現能を有す
る5'-非翻訳領域配列を提供することを目的とする。
決するため、タバコアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子
の全長の5'-UTRを単離し、該配列を用いてタバコ培養細
胞を用いて、レポーター遺伝子の一過性発現解析を行っ
た。該配列が双子葉植物及び単子葉植物において翻訳を
増大させる機能を有することを発見し、本発明を完成す
るに至った。
記載のとおりである。 (1) 翻訳量増大機能を有する配列表の配列番号:1
で表わされる塩基配列からなることを特徴とするDNA。 (2) 配列表の配列番号:1で表わされる塩基配列に
対して、該塩基配列の翻訳量増大機能を損なわない範囲
内で、その1もしくは数個の塩基が欠失、置換又は付加
された塩基配列からなることを特徴とするDNA。 (3) 配列表の配列番号:1の塩基配列からなるDNA
とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、該塩
基配列の翻訳量増大機能を保持することを特徴とするDN
A。 (4) 上記1〜3項のいずれか一項に記載のDNAと、
植物の細胞で複製可能なベクター部分とを有することを
特徴とする組換えベクター。 (5) 上記1〜3項のいずれか一項に記載のDNAが、
プロモーター及び構造遺伝子の間に挿入されている請求
項4に記載の組換えベクター。 (6) 前記プロモーターが、タバコのアルコールデヒ
ドロゲナーゼ遺伝子のプロモーターである上記5項に記
載の組換えベクター。 (7) 上記5または6項に記載の組換えベクターによ
って形質転換されたことを特徴とする形質転換植物。 (8) 形質転換植物が植物細胞、植物組織、植物器官
又は植物体である上記7項に記載の形質転換植物。 (9) 上記8項に記載の形質転換植物体から得られた
ことを特徴とする種子。 (10) 上記5または6項の組換えベクターを植物に
導入することによって該組換えベクターに含まれる構造
遺伝子の発現を該植物内で増強することを特徴とする発
現増強方法。 (11) 上記7項に記載の形質転換植物に由来するこ
とを特徴とする植物体。
る。本発明において遺伝子の高発現能を有するDNAと
は、構造遺伝子の発現系に共存した際に、この構造遺伝
子にコードされた情報が、転写、翻訳されて蛋白質が形
成される際に、この翻訳により形成された蛋白質量を増
大させる機能を有するものである。この翻訳量増大機能
を有するDNAは、例えば、転写されmRNAになる配列の
うち、翻訳開始コドンより上流にありタンパク質には翻
訳されない部分の配列でかつ、該配列の下流にコードさ
れているタンパク質の翻訳量を増大させる効果を持つ配
列として存在しているもので、この配列を翻訳量増大機
能を有するDNAとして利用することができる。
配列番号:1の塩基配列からなるDNAだけではなく、配
列番号:1の塩基配列において1もしくは複数の塩基が
欠失、置換もしくは付加された配列からなり、かつ翻訳
量増大機能を有するDNAとして作用する能力を維持した
変異DNAを含む。
Aは、配列番号:1の塩基配列からなるDNAとストリンジ
ェントな条件下でハイブリダイズし、かつ翻訳量増大機
能を有するDNAとして作用する能力を維持した変異DNAを
含む。ここでストリンジェントな条件とは、2 × SSC
(330 mM NaCl, 30 mMクエン酸)、42℃である。
増大機能を有するDNAの単離方法、発現ベクターの構築
方法並びに形質転換植物の作成方法について説明する。
例えばタバコ培養細胞において高発現している遺伝子か
ら得ることができる。
クローニング タバコ培養細胞から高発現している遺伝子は例えば以下
のようにして単離される。
日目の細胞から全mRNAを調製し、これをもとにしてプラ
スミドcDNAライブラリーを作製する。一方、培養4日目
のタバコ培養細胞から調製されたmRNAに対し、ランダム
プライマーを用いてα-32P dCTP等によりラベルされた
一本鎖cDNAを合成する。このようなプライマーを用いた
cDNAの合成では、転写量の多いmRNAの一本鎖cDNAが合成
され易い。
写されていることが予想される。そこで、転写量の多い
mRNAに対応している可能性の高い上記一本鎖cDNAをプロ
ーブとして、cDNAライブラリーから無作為に選出したク
ローンについてスクリーニングを行う。このような方法
によって、転写量の多いmRNAに対応する可能性の高いク
ローンを選択することができる。
のRNA分離の方法(Longemann,J. etal.(1987) Anal.Bio
chem 163:16-20)に従って調製することができ、また、
オリゴdT-セルロースカラムなどのキットを用いた方
法、ポリU-セファロースカラムなどのキットを用いた方
法等により濃縮又は精製することができる。
述した32PでラベルしたcDNAを合成し、プローブとす
る。
明している場合には、その構造遺伝子に含まれる適当な
配列をプローブとしてクローンのスクリーニングを行な
うことができる。
単離し、これらのクローンの部分塩基配列を決定するこ
とにより、グループ分けを行う。ここで、タバコは複二
倍体であるため、単一コピーの遺伝子がそれほど多く存
在するとは考えにくい。そこで、前記のようにしてグル
ープ分けされたクローンについて、発現が強く、かつ、
ゲノム中のコピー数が少ないクローンを得る。本発明で
は、発現が強いクローンを得るには例えばノーザンハイ
ブリダイゼーションを、ゲノム中のコピー数が少ないク
ローンを得るには例えばサザンハイブリダイゼーション
を行うことができる。
クローニングする。cDNAのクローニングには、例えばRA
CE(Rapid Amplification of cDNA ends)法が用いられ
る。RACE法とは、cDNAの5'欠失部位をPCRにより迅速に
回収する方法である。なお、RACEは、市販のキット(Mar
athonTM cDNA Amplification Kit(Clonetech社))を用い
ることができる。
ゲノムDNAの非翻訳領域に存在するため、cDNAの塩基配
列の解析のみならずゲノムライブラリーをスクリーニン
グすることが望ましい。そこで、前記のようにして得ら
れたクローンから翻訳量増大機能を有するDNA領域を得
るため、タバコゲノムライブラリーについて、前記cDNA
をプローブとして用いてスクリーニングを行い、得られ
たゲノムDNAの塩基配列の決定を行う。塩基配列の決定
は、マキサム−ギルバート法、ジデオキシ法等の公知手
法により、あるいはABI PRISMTMダイターミネーターサ
イクルシークエンシングキット(PERKIN ELMER)、BcaB
ESTTM ジデオキシシークエンシングキット(宝酒造社)等
を用いた自動塩基配列決定装置により行われる。
to, W.(1991) Gene 102: 67-70)、あるいは市販のキッ
ト(Takara社のLA PCR in vitro Mutagenesis シリーズ
キット)を用いて行うことができる。
の塩基配列が確定されると、その後は化学合成によっ
て、又は当該翻訳量増大機能を有するDNAの5'および3'
末端の塩基配列をプライマーとし、ゲノムDNAを鋳型と
したPCRによって、若しくは当該翻訳量増大機能を有す
るDNAが適当なベクターにクローニングされている場合
には、インサートとしてマルチクローニングサイトに挿
入されている当該翻訳量増大機能を有するDNAの5'およ
び3'方向外側の、ベクター起源の塩基配列を含むプライ
マーを用いたPCRによって、あるいは本発明の翻訳量増
大機能を有するDNAの塩基配列を有するDNA断片をプロー
ブとしてハイブリダイズさせることによって、本発明の
翻訳量増大機能を有するDNAを得ることができる。
明している場合には、その構造遺伝子に含まれる適当な
配列をプローブとしてクローンの選択を行なうことがで
きる。
量増大機能を有するか否かについては、例えばタバコ培
養細胞においてGUS(β−グルクロニダーゼ)遺伝子又は
ルシフェラーゼ遺伝子をレポーター遺伝子としたトラン
ジェントアッセイ、染色体に組込ませた形質転換細胞で
のアッセイ等により確認することができる。
翻訳量増大機能を有するDNAを連結(挿入)することによ
り得ることができる。本発明の翻訳量増大機能を有する
DNAを挿入するためのベクターは、宿主中で複製可能な
ものであれば特に限定されず、例えば、プラスミド DN
A、ファージ DNA等が挙げられる。プラスミド DNAは、
大腸菌やアグロバクテリウムからアルカリ抽出法(Birnb
oim,H.C. &Doly,J.(1979) Nucleic acid Res 7: 1513)
又はその変法等により調製することができる。また、市
販のプラスミドとして例えばpUC118(宝酒造社製)、pU
C119(宝酒造社製)、pBluescript SK+ (Stratagene 社
製)、pGEM-T (Promega 社製)等を用いてもよい。
M13mp19 、M13tv18等が挙げられる。
るDNAを挿入するには、まず、精製された翻訳量増大機
能を有するDNAを適当な制限酵素で切断または、PCR法な
どによって制限酵素部位を付加し、適当なベクター DNA
の制限酵素部位又はマルチクローニングサイトに挿入し
てベクターに連結する方法などが採用される。
物で機能する任意のプロモーター及び発現の目的遺伝子
を組み込むことにより発現用組換えベクターを作製する
ことができる。
構造遺伝子(この構造遺伝子は、細胞外への分泌のため
のシグナル配列を含んでいてもよい)等が利用でき、本
発明では特に限定されるものではない。例えば、このよ
うな遺伝子としては、異種生物の遺伝子、同種生物の遺
伝子、あるいは一部又は全部を化学合成した遺伝子など
の任意の遺伝子が挙げられる。また、当該遺伝子は何ら
かの機能を有するものであり、例えば有用タンパク質を
コードするものである。これらの遺伝子が発現すること
により、それぞれの遺伝子に対応する有用タンパク質が
生産される。なお、発現の目的となる遺伝子は、通常の
クローニング手法(例えばJ.Sambrook,etal., Molecul
ar cloning, Cold spring Harbor Laboratory Press, 1
989)を用いて調製することができる。
機能が発揮されるようにベクターに組み込まれることが
必要である。そこで、本発明の発現用組換えベクターに
は、プロモーター、本発明の翻訳量増大機能を有するDN
A及び上記目的遺伝子のほか、ターミネーター、薬物耐
性遺伝子等を組み込んでも良い。この場合、ターミネー
ターとしてはNOSなどが挙げられ、エンハンサーとして
は、Hayashiらが開発したカリフラワーモザイクウイル
スの35Sプロモーター中のエンハンサー領域を4つタン
デムに連結したユニット(Hayashi,H. (1992) Science
258: 1350-1353)などが挙げられ、薬物耐性遺伝子とし
てはカナマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺
伝子などが挙げられる。
を、目的遺伝子が発現し得るように宿主中に導入するこ
とにより得ることができる。ここで、宿主とは、植物体
全体、種子、植物器官(例えば葉、花弁、茎、根、根茎
等)、植物組織(例えば表皮、師部、柔組織、木部、維管
束等)又は植物培養細胞のいずれをも意味するものであ
る。
る場合、形質転換は、採取した植物切片に当該ベクター
をアグロバクテリウムのバイナリーベクター法又はパー
ティクルボンバードメント法で、あるいはプロトプラス
トにエレクトロポレーション法で導入し、形質転換の結
果得られる腫瘍組織やシュート、毛状根などを分離する
ことにより行われる。こうして得られる腫瘍組織やシュ
ート、毛状根などは、そのまま細胞培養、組織培養又は
器官培養に用いることが可能であり、また従来知られて
いる植物組織培養法を用い、適当な濃度の植物ホルモン
の投与などにより植物体に再生させることができる。例
えばイネではFujimuraら(Fujimuraら(1995)、Pl
ant Tissue Culture Lett.、vol.2:p74−)の方
法、トウモロコシでは、Shillitoら(Shillitoら(19
89)、Bio/Technology、vol.7:p581-)の方法、ジャ
ガイモでは、Visserら(Visserら(1989)、Theor.
Appl.Genet.、vol.78:p589-)の方法、シロイヌナズナ
ではAkamaらの方法(Akamaら(1992)、Plant Cell
Rep., vol.12:p7-)が挙げられる。これらの方法によ
り作出された形質転換植物体またはその繁殖媒体(例え
ば種子、塊茎、切穂等)から得た形質転換植物体は本発
明の対象である。
形質転換は、培養細胞に前記と同様、当該ベクターをエ
レクトロポレーション法又はアグロバクテリウムのバイ
ナリーベクター法若しくはパーティクルガン法で導入
し、以下、前記と同様にして細胞培養、組織培養、器官
培養及び植物体を得ることができる。
する形質転換体を培養又は栽培すれば、目的遺伝子の発
現産物を有用物質として生産することができる。ここ
で、目的遺伝子の発現産物が酵素である場合には、その
酵素によって触媒される反応の産物、又は該反応に続く
一連の生合成反応経路上の中間体及び/又は最終生産物
をも有用物質として生産することができる。さらに、目
的遺伝子が、タンパク質リン酸化酵素やG-プロテインな
どの情報伝達機構において、生合成等の反応経路全体の
機能調節を司る制御遺伝子(マスター遺伝子などとも呼
ばれる)である場合には、該制御遺伝子の情報伝達下流
に存在する反応経路上の中間体及び/又は最終生産物を
も有用物質として生産することができる。
場合は、培養は、通常の植物培養用培地、例えばMS基本
培地(Murashige, T. & Skoog, F. (1962) Physiol. Pla
nt.15: 473)、LS基本培地(Linsmaier, E. M. & Skoog,
F. (1965) Physiol. Plant.18: 100)、プロトプラスト
培養培地(LS培地を改変したもの)等を用いることにより
行うことができる。培養方法は、通常の固体培養法でも
よいが、液体培養法を採用することが好ましい。
g新鮮重/l接種し、必要によりNAA、2,4-D、BA、カイネ
チン等を適宜添加して培養する。培養開始時の培地の p
Hは5~7に調節し、培養は通常20~30℃、好ましくは25℃
前後で、また、0.2~1 vvm 通気、50~200 rpm攪拌で1~6
週間培養する。
ガラスハウスなどで栽培又は水耕培養することができ
る。培養終了後、培養物より有用物質を採取するには、
各物質の通常の精製手段を用いることができる。
物質を採取するには、セルラーゼ、ペクチナーゼ等の酵
素を用いた細胞溶解処理、超音波破砕処理、磨砕処理等
により細胞を破壊する。次いで、濾過又は遠心分離等を
用いて不溶物を除去し、粗ポリペプチド溶液、あるいは
植物の一次及び/又は二次代謝産物を含む溶液を得る。
上記粗ポリペプチド溶液からポリペプチドをさらに精製
するには、通常のタンパク質精製法を使用することがで
きる。例えば、硫安塩析法、イオン交換クロマトグラフ
ィー、疎水クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラ
フィー、アフィニティークロマトグラフィー、電気泳動
法等を、単独又は適宜組み合わせることにより行う。
二次代謝産物をさらに精製するには、従来から知られて
いる精製手法を使用することができる。例えば、溶媒抽
出、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラ
フィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、高速液体クロマ
トグラフィー等を、単独又は適宜組み合わせることによ
り行う。
るには、超音波破砕処理、磨砕処理等を行って上記有用
物質の抽出液を調製し、その後は上記の精製手法と同様
にして行うことができる。
に具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に
その技術的範囲が限定されるものではない。
ゲナーゼ遺伝子の5'-非翻訳領域の一過性発現実験 1.タバコ培養細胞の継代培養 タバコ(Nicotiana tabacum L. cv. Bright Yellow 2;
BY2)培養細胞は、300mlのマイヤーフラスコに改変LS培
地を95 ml入れ、7日毎に定常期に達した細胞を2 ml植え
継いで、25℃、130rpm、暗所下で培養を行った。
らのもの(Birnboim, H. C. and Doly, J., Nucleic A
cid Res., 7, 1537 (1979))に従った。組成は表1の通
りである。
リーの作成 植継ぎ後4日目のタバコBY2細胞から常法によりゲノムDN
Aを抽出した。Sau3AIにて部分的に制限酵素処理して約2
0 kbの断片を得た。このうち75 gを、20 mM Tris-HCl
(pH8.0)、5 mM EDTA、1 M NaClを含む38 mlの10〜40%シ
ョ糖密度勾配溶液で分画した。遠心条件は26,000 rpm、
24時間、15℃とし、Beckman社のSW28ローターを用い
た。分画後、250μlずつ集め、それぞれのフラクション
を20μlずつ0.6%アガロースゲル電気泳動した。15~20 k
bのフラグメントを含むフラクションをエタノール沈殿
し、回収したDNAフラグメントをEMBL3/BamHIベクター
(Stratagene社)にライゲーションし、GigapackII pac
kaging(Stratagene社)を用いてパッケージングした。
約1×106 pfu/gの規模のゲノムライブラリーを得た。
による翻訳量増大機能を有するDNAフラグメントの単離 上記ライブラリーに対し、タバコ培養細胞由来のアルコ
ールデヒドロゲナーゼ遺伝子(NtADH, Shinmyo et al.,
Biotechnol.Bioeng.,58,329-332)をプローブに用いて
一次スクリーニングを行なった。得られたポジティブク
ローンに対し、さらに該遺伝子の5'-領域をプローブと
して二次スクリーニングを行ない、該遺伝子の5'-非翻
訳領域(5'-UTR)を含む上流域のゲノム断片を得た。パ
ッケージングキット付属のプライマー(要確認)を用
い、ABI PRISMTM Dye Terminator Cycle Sequencing Re
ady Reavtion Kit (PERKIN ELME社) を用いて5'-UTRの
塩基配列の決定を行った。得られたDNA配列を配列表の
配列番号1に示す。
過性発現実験 まず、タバコ培養細胞由来のアルコールデヒドロゲナー
ゼ(NtADH)遺伝子のプロモーターおよび5'-非翻訳領域
(5'-UTR)の配列及びNtADH遺伝子の開始コドン下流23
塩基(5'-atgtcaagcactgtcgggcaagt)を含む発現ベクタ
ーを用いて、BY2を対象とした一過性発現実験を行い、
レポーターであるGUS(β-glucuronidase)の発現量を
調べた。 (1)発現ベクターの構築 バイナリーベクターpBI101.2(Bevan, M., Nucleic Aci
d Res., 12, 8711-8721 (1984))へNtADH遺伝子のプロ
モーターおよび5'-UTRが挿入されている発現ベクターNt
ADHp-GUS(Nagaya, S. et al., J. Biosci. Bioeng., 8
9, 231-235 (2000))を制限酵素HindIIIおよびBamHIで
消化した。約2.4 kbのNtADH遺伝子のプロモーター、5'-
UTR及びNtADH遺伝子の開始コドン下流23塩基を含むDNA
断片を回収し、一過性発現ベクターpBI221(Jefferson,
R. A. et al., EMBO J., 6, 3901-3907 (1987))(図1
-a)のHindIIIおよびBamHI認識部位に連結し、ADH 2.4
kb fusion(図1-b)を構築した。なお、図1において、
矢印は予想される転写開始点を示している。"Met"は開
始メチオニンを、また、ボックスで囲まれた"TATATAA"
および"TATAAAT"は、プロモーターの"TATA"ボックスを
表す。
ト作製 改変LS培地で25℃の暗所下、4日間培養したタバコBY2
細胞をファルコンチューブに移して遠心(1000 rpm、5
min、室温、BECKMAN、GS-6KR Centrifuge)し、培地を
取り除いた。0.4 Mマンニトール溶液を入れて、遠心(1
000 rpm、5 min、室温)し、細胞を洗浄した。プロトプ
ラスト用酵素液 [0.1% (w/v) pectlyaseY23 (キッコー
マン)、1% (w/v) cellulase RS (ヤクルト)、0.4 M マ
ンニトール、pH 5.5] を入れて、1.5~2時間、15分毎に
軽くピペッティングしながら25℃の振盪培養槽において
ゆるやかに細胞をプロトプラスト化した。プロトプラス
ト化したことを顕微鏡で確認後、遠心(800 rpm、5 mi
n、4℃)し、プロトプラスト用酵素液を取り除いた。0.
4 Mマンニトール溶液を入れて、遠心(800 rpm、5min、
4℃)し、細胞を洗浄した。新たに適量の0.4 Mマンニト
ール溶液を入れて細胞を懸濁し、血球計算盤(エルマ)
を用いて細胞数を算出した。細胞は、1×106 個/ml に
なるように調整した。
の調製 QIAGEN Plasmid Midi Kit(QIAGEN)を用いて行った。
回収したDNAは、滅菌水に溶解し、1μg/μl になるよう
に各々調整した。
導入 1×106 個/ml に調整した細胞懸濁液1.5 ml に、2.5 ml
のエレクトロポーレーション溶液 (5 mM MES、70 mM
KCl、0.3 M マンニトール、pH 5.8] を加え、遠心(800
rpm、5 min、4℃)し、上清を取り除いた。新たに500
μl のエレクトロポーレーション溶液を入れ、細胞を分
散させた後、目的の配列(プロモーター領域又は5'-非
翻訳領域)を含み、GUS遺伝子をレポーターに持つDNA
溶液10μl(1μg/μl)、導入効率を評価するためのル
シフェラーゼ(LUC)遺伝子をレポーターに持つDNA溶液
10μl( 0.1μg/μl )を各々加え、氷中で15分間静置
した。 これを、氷冷した0.4 mm キュベットに移し、エ
レクトロポーレーター(BIO-RAD、Gene Pulser)により
電気パルス(0.2 kv、250μF、400Ω)を与え、DNA導入
を行った。DNA導入後の細胞を5 cm シャーレに移し、4.
5 ml のプロトプラスト用培地を加え、25℃の暗所下に
置いた。プロトプラスト用培地の組成は表2の通りであ
る。
活性 (i)DNA導入細胞からの粗酵素液の抽出 DNA導入18時間後の細胞をファルコンチューブに移し
て、遠心(800 rpm、5 min、4℃)し、上清を取り除い
た。そこへ、500μl のGUS/LUC溶解緩衝液(2 mM EDT
A、5% glycerol、2 mM DTT、100 mM KPO4、pH 7.8)を
入れ、エッペンドルフチューブに移した。氷冷しながら
エッペンドルフチューブ中でホモジェナイザーを用いて
細胞を破砕した後、遠心(15000 rpm、5 min、4℃)
し、上清を粗酵素液とした。 (ii) タンパク質の定量 タンパク質の定量は、Bradfordの方法(Bradford, M.
M., Anal. Biochem., 72, 248-254 (1976))に従った。
定量試薬2.5 mlを試験管に入れてよく混合し、2分〜1時
間以内に595 nmの吸光度を測定した。サンプルの代わり
に既知濃度のBSAを用いて検量線を作製し、これよりサ
ンプルのタンパク質濃度を求めた。タンパク質定量試薬
の組成は表3の通りである。
No.2)で2回濾過した後に用いた。 (iii) GUS活性測定 GUSの比活性測定は、Jeffersonらの方法(Jefferson,
R. A., EMBO J., 6, 3901-3907 (1987))により行っ
た。
ベリフェリル--D-グルクロニド(4MUG)を含む200μl
のGUS/LUC溶解緩衝液を混合し、37℃で30分間酵素反応
を行った。超純水で調製した3 mlの0.2 M Na2CO3を加え
て反応を停止させ、蛍光光度計(Excitation wavelengt
h 365 nm、Emission wavelength 455 nm)により、反応
生成物4-メチル-ウンベリフェロン(4-MU)の蛍光量を
測定した。標準物質4-MU蛍光量から、生成した4-MU濃度
を決定して、以下のようにしてGUS比活性(pmol/min/mg
protein)を算出した。
用いて行った。20μlの粗酵素液と発光基質であるルシ
フェリンを含む発光試薬100μlをすばやく混合し、ルミ
ノメーター(Berthold、Lumat LB9501)により10秒間の
発光量を測定した。ルシフェラーゼ標品を用いて検量線
を作製し、発光量から粗酵素液1 mg中に含まれる生成し
たルシフェラーゼタンパク質量を算出して、LUC活性(p
mol/ mg protein)とした。 (v)GUS/LUC相対活性 細胞へのDNA導入効率のばらつきにより生じる誤差を考
慮し、目的遺伝子のレポーターであるGUSの発現量は、
共導入したpBI系ベクターのレポーターであるLUCの発現
量を基にGUS/LUCの相対活性として以下のように求め
た。
UTRの配列を含む発現ベクターによる一過性発現実験 NtADH遺伝子プロモーター、5'-UTR及びNtADH遺伝子の開
始コドン下流23塩基の配列を含む発現ベクター(ADH 2.
4 kb fusion)をタバコ培養細胞プロトプラストにエレク
トロポレーション法により導入し、一過性発現実験を各
々3回行った。
fusionを用いた場合は、約120倍高いGUS活性が得られ
た(図3)。なお、図3において、横軸の数値の範囲は0
〜10×104であり、図中にある数字はpBI221が示す
活性に対する相対活性を表す。5.CaMV35Sプロモータ
ーを用いた一過性発現実験 次に、NtADH遺伝子の5'-UTRがGUSの発現量を著しく高め
る能力を有するか否かを調べるために、対照実験に用い
たpBI221と同じカリフラワーモザイクウイルス(CaMV)
35Sプロモーター(Benfey, P. et al., Science, 250,
959-966 (1990))の下流にNtADH遺伝子の5'-UTR及びNtA
DH遺伝子の開始コドン下流23塩基を挿入し、一過性発現
実験を行った。
成したオリゴヌクレオチドのプライマー5'-TATTTAACTCA
GTATTCAGAAACAAC-3'(配列番号2)と5'-CCCGGGGATCCACT
TGCCCGA-3'(配列番号3)を用いて、発現ベクターADH
2.4 kb fusion(図1-b)を鋳型として、PCR 法によりNt
ADH遺伝子の5'-UTRを含むDNA断片を増幅した。この断片
をTaKaRa BKL Kit(宝酒造)を用いてpUC118ベクターの
HincII認識部位に挿入し、ABI PRISMDye Terminator Cy
cle Sequencing Ready ReactionKit(PERKIN ELMER)を
用いて塩基配列の決定を行った。塩基配列決定後、制限
酵素XbaIおよびBamHIで消化し、約130 bpのNtADH遺伝子
の5'-UTRを含むDNA断片を回収した。この断片をpBI221
のXbaIおよびBamHI認識部位に連結し、TS221(図1-c)
を構築した。
細胞プロトプラストにエレクトロポーレーション法によ
り導入し、一過性発現実験を各々3回行った。
細胞由来のNtADH遺伝子の5'-UTR及びNtADH遺伝子の開始
コドン下流23塩基の配列を含む発現ベクター(TS221)
を用いた場合は、約50倍高いGUS活性が得られた(図
3)。
一過性発現実験に使用した。 6.NtADH遺伝子の5'-UTRを5'側から欠失させた場合の
効果 (1)発現ベクターの構築 NtADH遺伝子の5'-UTRを5'側から欠失させるため、5'-UT
Rの塩基配列に基づいて合成したオリゴヌクレオチドの
プライマー5'-AGTTCTTCTCTACATAAAATTTTCC-3'(配列番
号4)と5'-CCCGGGGATCCACTTGCCCGA-3'(配列番号3)を
用いて、発現ベクターTS221(図1-c)を鋳型として、PC
R 法により部分欠失した5'-UTRを含むDNA断片を増幅し
た。この断片をTaKaRa BKL Kit(宝酒造)を用いてpUC1
18ベクターのHincII認識部位に挿入し、ABI PRISMDye T
erminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit(PER
KIN ELMER)を用いて塩基配列の決定を行った。塩基配
列決定後、制限酵素XbaIおよびBamHIで消化し、約100 b
pのNtADH遺伝子の5'-UTRの一部及びNtADH遺伝子の開始
コドン下流23塩基を含むDNA断片を回収した。この断片
をpBI221のXbaIおよびBamHI認識部位に連結し、TS60
(図2-a)を構築した。
ATCAAG-3'(配列番号5)と5'-CCCGGGGATCCACTTGCCCGA-
3'(配列番号3)を用いて、TS30(図2-b)を構築した。
過性発現実験は各々3回行った。
細胞由来のNtADH遺伝子の5'-UTRを5'末端から順次欠失
させた発現ベクターを用いた場合、TS60では約35倍、TS
30では約25倍高いGUS活性が得られた(図3)。
合の効果 先のNtADH遺伝子の5'-UTRの配列を含む発現ベクター(T
S221、TS60、TS30)は、いずれもNtADH遺伝子本来の開
始コドンから翻訳されるため、目的タンパク質はGUSタ
ンパク質との融合タンパク質として生成される。対照実
験に用いたpBI221との相違点の1つは、融合タンパク質
として生成されるか否かである。TS221、TS60、TS30で
見られた高いGUS活性は、融合タンパク質の比活性や安
定性が上昇した結果とも考えられる。
遺伝子に連結させるような非融合型の発現ベクター(TS
221 NF)の構築を行った。まず、GUSタンパク質の第3
アミノ酸にあたる塩基配列CGTをAGGに置換することによ
り、新たにStuI認識部位を挿入することを試みた。な
お、この塩基置換は、CGT、AGGがともにアルギニンをコ
ードすることからアミノ酸変異を伴わない。GUS遺伝子
の塩基配列に基づいて合成したオリゴヌクレオチドのプ
ライマー5'-GGTCTAGAATGTTAAGGCCTGTAGAAACCCCAACCCG-
3'(配列番号6)と5'-GGTACGTACACTTTTCCCGGCAAT-3'
(配列番号7)を用いて、発現ベクターTS221(図1-c)
を鋳型として、PCR 法により変異導入したGUS遺伝子を
含むDNA断片を増幅した。この断片をTaKaRa BKL Kit
(宝酒造)を用いてpUC118ベクターのHincII認識部位に
挿入し、ABI PRISMDye Terminator CycleSequencing Re
ady Reaction Kit(PERKIN ELMER)を用いて塩基配列の
決定を行った。塩基配列決定後、制限酵素XbaIおよびSn
aBIで消化し、約400 bpの変異導入をおこなったGUS遺伝
子断片を回収した。この断片をTS221のXbaIおよびSnaBI
認識部位に連結し、TS221ΔStuIを構築した。また、NtA
DH遺伝子の5'-UTRを直接、GUS遺伝子に連結させるた
め、5'-UTRに基づいて合成したオリゴヌクレオチドのプ
ライマー5'-TATTTAACTCAGTATTCAGAAACAAC-3'(配列番号
2)と5'-GGAGGCCTTAACATTTATTTTTCTTGATTTCCT-3'(配列
番号8)を用いて、発現ベクターTS221(図1-c)を鋳型
とし、PCR 法によってNtADH遺伝子の翻訳領域を欠失し
た5'-UTRを含むDNA断片を増幅した。上述の方法により
塩基配列決定後、制限酵素XbaIおよびStuIで消化し、約
100 bpのNtADH遺伝子の5'-UTRの一部を含むDNA断片を回
収した。この断片をTS221ΔstuIベクターのXbaIおよびS
tuI認識部位に連結し、TS221 NF(図2-c)を構築した。
過性発現実験は各々3回行った。対照としたpBI221と比
較して、タバコ培養細胞由来のNtADH遺伝子の翻訳領域
を欠失させた発現ベクター(TSNF)を用いた場合は、約
30倍高いGUS活性が得られた(図3)。この結果は、NtAD
H遺伝子の翻訳領域よりむしろ5'-UTR がTS221、TS60、T
S30で見られた翻訳量増大能に寄与することを示すもの
である。
ラスト作製 (2)シロイヌナズナ培養細胞(T87)の継代培養 シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)培養細胞は、
300 mlのマイヤーフラスコに改変LS培地を95 ml入れ、1
4日毎に定常期に達した細胞を5 ml植え継いで、27℃、1
30rpm、明所下で培養を行った。
らのもの(Birnboim, H. C. and Doly, J., Nucleic A
cid Res., 7, 1537 (1979))に従った。組成は表1の通
りである。
トプラスト作製 改変LS培地で27℃の明所下、5日間培養したシロイヌナ
ズナ培養細胞をファルコンチューブに移して遠心(1000
rpm、5 min、室温、BECKMAN、GS-6KR Centrifuge)
し、培地を取り除いた。0.4 Mマンニトール溶液を入れ
て、遠心(1000 rpm、5 min、室温)し、細胞を洗浄し
た。プロトプラスト用酵素液 [0.1% (w/v) pectlyase Y
23 (キッコーマン)、10% (w/v) cellulase RS (ヤクル
ト)、0.4 M マンニトール、pH 5.5] を入れて、2〜3時
間、室温で振盪させながらゆるやかに細胞をプロトプラ
スト化した。プロトプラスト化したことを顕微鏡で確認
後、遠心(800 rpm、5 min、4℃)し、表層部に浮かん
でいる細胞を回収した。そこへ0.4Mマンニトール溶液を
加えて、遠心(800 rpm、5 min、4℃)し上清を取り除
いた。再度、0.4 Mマンニトール溶液を入れて、遠心(8
00 rpm、5 min、4℃)し細胞を洗浄した。新たに適量の
0.4 Mマンニトール溶液を入れて細胞を懸濁し、40μmの
ナイロンメッシュに通した。血球計算盤(エルマ)を用
いて細胞数を算出した後、細胞を5×106 個/ml になる
ように調整した。
ラスコに改変LS培地を95 ml入れ、14日毎に定常期に達
した細胞を5 ml植え継いで、27℃、130rpm、明所下で培
養を行った。
らのもの(Birnboim, H. C. and Doly, J., Nucleic A
cid Res., 7, 1537 (1979))に従った。組成は表1の通
りである。
作製 改変LS培地で27℃の明所下、5日間培養したイネ培養細
胞をファルコンチューブに移して遠心(800 rpm、5 mi
n、室温、BECKMAN、GS-6KR Centrifuge)し、培地を取
り除いた。0.4 Mマンニトール溶液を入れて、遠心(800
rpm、5 min、室温)し、細胞を洗浄した。プロトプラ
スト用酵素液 [0.1% (w/v) pectlyase Y23(キッコーマ
ン)、10% (w/v) cellulase RS (ヤクルト)、0.4 M マン
ニトール、pH 5.5] を入れて、5〜6時間、室温で振盪さ
せながらゆるやかに細胞をプロトプラスト化した。プロ
トプラスト化したことを顕微鏡で確認後、遠心(800 rp
m、5min、4℃)し、プロトプラスト用酵素液を取り除い
た。そこへ0.5 Mスクロース溶液を加えて懸濁後、遠心
(800 rpm、5 min、4℃)し、表層部に浮かんでいる細
胞を回収した。そこへ0.4μMマンニトール溶液を加え
て、遠心(800 rpm、5 min、4℃)し上清を取り除い
た。再度、0.4 Mマンニトール溶液を入れて、遠心(800
rpm、5 min、4℃)し細胞を洗浄した。新たに適量の0.
4 Mマンニトール溶液を入れて細胞を懸濁し、40μmのナ
イロンメッシュに通した。血球計算盤(エルマ)を用い
て細胞数を算出した後、細胞を1×107 個/ml になるよ
うに調整した。
導入 (1)シロイヌナズナ培養細胞(T87)へのDNA導入 5×106 個/ml に調整した細胞懸濁液1 ml に、2 ml の
エレクトロポーレーション溶液 (5 mM MES、70 mM KC
l、0.3 M マンニトール、pH 5.8)を加え、遠心(800 r
pm、5 min、4℃)し、上清を取り除いた。新たに500μl
のエレクトロポーレーション溶液を入れ、細胞を分散
させた後、目的の配列(プロモーター領域又は5'-UT
R)を含み、GUS遺伝子をレポーターに持つDNA 溶液10μ
l(1μg/μl)、導入効率を評価するためのルシフェラ
ーゼ(LUC)遺伝子をレポーターに持つDNA溶液10μl(
0.1μg/μl )を各々加え、氷中で15分間静置した。 こ
れを、氷冷した0.4 mm キュベットに移し、エレクトロ
ポーレーター(BIO-RAD、GenePulser)により電気パル
ス(0.3 kv、250μF、400Ω)を与え、DNA導入を行っ
た。DNA導入後の細胞を5 cm シャーレに移し、4.5 ml
のプロトプラスト用培地を加え、25℃の暗所下に置い
た。プロトプラスト用培地の組成は表2の通りである。
のエレクトロポーレーション溶液(5 mM MES、70 mM K
Cl、0.3 M マンニトール、pH 5.8) を加え、遠心(800
rpm、5 min、4℃)し、上清を取り除いた。新たに500
μl のエレクトロポーレーション溶液を入れ、細胞を分
散させた後、目的の配列(プロモーター領域又は5'-UT
R)を含み、GUS遺伝子をレポーターに持つDNA 溶液10μ
l(1μg/μl)、導入効率を評価するためのルシフェラ
ーゼ(LUC)遺伝子をレポーターに持つDNA溶液10μl(
0.1μg/μl )を各々加え、氷中で15分間静置した。 こ
れを、氷冷した0.4 mm キュベットに移し、エレクトロ
ポーレーター(BIO-RAD、Gene Pulser)により電気パル
ス(0.2 kv、960μF)を与え、DNA導入を行った。DNA導
入後の細胞を5 cm シャーレに移し、4.5 ml のプロトプ
ラスト用培地を加え、25℃の暗所下に置いた。プロトプ
ラスト用培地の組成は表2の通りである。
培養細胞プロトプラストを用いた一過性発現実験 実験は各々3回行った。対照としたpBI221と比較して、
タバコ培養細胞由来のNtADH遺伝子のプロモーター、5'-
UTR及びNtADH遺伝子の開始コドン下流23塩基の配列を含
む発現ベクター(ADH 2.4 kb fusion)を用いた場合
は、シロイヌナズナ培養細胞では約4倍高くなったが、
イネ培養細胞では1/10程度のGUS活性を示した(図4:横
軸の数値の範囲は0〜10×104である)。これに対
して、pBI221と同じカリフラワーモザイクウイルス(Ca
MV)35Sプロモーターの下流にNtADH遺伝子の5'-UTR及び
NtADH遺伝子の開始コドン下流23塩基を挿入した発現ベ
クター(TS221)を用いた場合では、シロイヌナズナ培
養細胞では約40倍、イネ培養細胞においても約5倍高いG
US活性が得られた。このことは、タバコ培養細胞由来の
NtADH遺伝子の5'-UTRの配列がGUSの発現量を著しく高め
る能力を有することを証明するものである。
子の発現過程における翻訳後に得られる蛋白質量を増大
させることができる翻訳量増大機能を有する5'-非翻訳
領域配列を提供することができる。
ある。
ある。
である。
である。
Claims (11)
- 【請求項1】 翻訳量増大機能を有する配列表の配列番
号:1で表わされる塩基配列からなることを特徴とする
DNA。 - 【請求項2】 配列表の配列番号:1で表わされる塩基
配列に対して、該塩基配列の翻訳量増大機能を損なわな
い範囲内で、その1もしくは数個の塩基が欠失、置換又
は付加された塩基配列からなることを特徴とするDNA。 - 【請求項3】 配列表の配列番号:1の塩基配列からな
るDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズ
し、該塩基配列の翻訳量増大機能を保持することを特徴
とするDNA。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載のDN
Aと、植物の細胞で複製可能なベクター部分とを有する
ことを特徴とする組換えベクター。 - 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか一項に記載のDN
Aが、プロモーター及び構造遺伝子の間に挿入されてい
る請求項4に記載の組換えベクター。 - 【請求項6】 前記プロモーターが、タバコのアルコー
ルデヒドロゲナーゼ遺伝子のプロモーターである請求項
5記載の組換えベクター。 - 【請求項7】 請求項5または6に記載の組換えベクタ
ーによって形質転換されたことを特徴とする形質転換植
物。 - 【請求項8】 形質転換植物が植物細胞、植物組織、植
物器官又は植物体である請求項7に記載の形質転換植
物。 - 【請求項9】 請求項8に記載の形質転換植物体から得
られたことを特徴とする種子。 - 【請求項10】 請求項5または6に記載の組換えベク
ターを植物に導入することによって該組換えベクターに
含まれる構造遺伝子の発現を該植物内で増強することを
特徴とする発現増強方法。 - 【請求項11】 請求項7に記載の形質転換植物に由来
することを特徴とする植物体。
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- 2000-12-28 JP JP2000402281A patent/JP4627879B2/ja not_active Expired - Fee Related
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