JP2003078463A - ブースター、ブースター利得制御方法 - Google Patents

ブースター、ブースター利得制御方法

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JP2003078463A JP2001265402A JP2001265402A JP2003078463A JP 2003078463 A JP2003078463 A JP 2003078463A JP 2001265402 A JP2001265402 A JP 2001265402A JP 2001265402 A JP2001265402 A JP 2001265402A JP 2003078463 A JP2003078463 A JP 2003078463A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周波数帯域が近接した電波を受信し、増幅し
て送信するブースターにおいて、それぞれの帯域の電波
を増幅する増幅器に他の帯域の信号が混入することによ
って生じる過大入力を解消し、歪みの発生を抑制し、電
力消費量も低減するブースターを提供する。 【解決手段】 下り信号及び上り信号の双方を一旦低い
周波数の中間周波信号に変換し、その中間周波信号を第
1フィルタ104及び第2フィルタ109で帯域制限
し、その帯域制限した信号を再び元の無線周波数に周波
数変換して可変増幅器107及び111で増幅し、移動
機または基地局に送信する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は基地局と移動機と
の間で送受信されるべき信号を受信し、増幅し、送信す
るブースター及びブースターの利得制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は「特開2001−6909
1」で開示するように、基地局と移動機との間で送受信
されるべき信号を受信し、増幅し、送信するブースター
及びこのブースターの動作を監視する監視装置、ブース
ターの制御方法等を提案した。この先に提案したブース
ターの特徴を簡単に説明すると、基地局とブースターと
の間の伝搬損を測定し、この伝搬損に基づいて上り信号
の増幅の利得及び下り信号の増幅の利得を制御する利得
制御方式を採用した点である。
【0003】この利得制御方式を採ることにより、主に
ブースターの雑音が基地局に大きな影響を与えないよう
にすることができる利点が得られる。また、利得の調整
を行うことにより、主に送信部に必要以上のレベルの信
号が入力される事態が回避されるため、信号の歪みを小
さくでき、また送信部の部品の低容量化、小型化及び低
消費電力化、低価格化を達することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところでブースターは
基地局からの電波が届き難い僻地に設置される性格の装
置であるため、異なる事業者により共用される場合が多
い。複数の事業者によりブースターを共用する場合、基
地局とブースター間の伝搬損は事業者ごとに異なるた
め、事業者ごとに適切な利得に設定するためには事業者
ごとに信号を分離し、分離した信号ごとに利得を調整す
る必要がある。このような場合、運用する帯域を限定
し、ガードバンドを広げ、選択度の穏やかなフィルタを
用いる方法があるが、適用領域が限定される。一般には
隣接の事業者間のガードハンドが狭いため、各事業者が
利用する信号を切り出すためには選択度の大きいフィル
タが必要となる。この要求を満たすフィルタとしては超
電導現象を利用した超電導フィルタを適用することが考
えられるが、超電導フィルタは高価であるため、ブース
ターに実装するには経済的な理由から適用しにくい。
【0005】この発明の目的は廉価な方法で事業者間の
信号の分離を実現し、各事業者ごとに適正な利得の調整
を可能としたブースターの構成及びブースター利得制御
方法を提案しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1で
は、基地局と移動機との間で送受信されるべき信号を受
信し、増幅し、送信するブースターであって、基地局か
ら移動機への下り信号を増幅する下り可変増幅器及び移
動機から基地局への上り信号を増幅する上り可変増幅器
と、基地局が送信した基準信号を受信し、この基準信号
のブースターにおける受信電力を測定する基準信号受信
測定手段と、基準信号の基地局における送信電力の情報
を受信する送信電力情報受信手段と、上り信号増幅手段
により増幅された上り信号のブースターにおける雑音電
力を測定する雑音電力測定手段と、基準信号の基地局に
おける送信電力、基準信号のブースターにおける受信電
力及び増幅された上り信号のブースターにおける雑音電
力に基づいて上り信号の増幅の利得及び下り信号の増幅
の利得を制御する利得制御手段とを備えたブースターに
おいて、下り信号の周波数を、この下り信号の周波数よ
り低い周波数の中間周波信号に変換する第1周波数変換
器及び上り信号の周波数をこの上り信号の周波数より低
い周波数の中間周波信号に変換する第2周波数変換器
と、この第1周波数変換器及び第2周波数変換器で周波
数変換した中間周波信号を下り信号に割当てられた帯域
の信号及び上り信号に割当てられた帯域の信号にろ波す
る第1フィルタ及び第2フィルタと、この第1フィルタ
及び第2フィルタでろ波した信号を移動機に発信するた
めの無線周波数信号及び基地局に発信するための無線周
波数信号に変換する第3周波数変換器及び第4周波数変
換器とを設けた構成としたブースターを提案する。
【0007】この発明の請求項2では、基地局と移動機
との間で送受信されるべき信号を受信し、増幅し、送信
するブースターであって、基地局から移動機への下り信
号を増幅する下り可変増幅器及び移動機から基地局への
上り信号を増幅する上り可変増幅器と、基地局が送信し
た基準信号を受信し、この基準信号のブースターにおけ
る受信電力を測定する基準信号受信測定手段と、基準信
号の基地局における送信電力の情報を受信する送信電力
情報受信手段と、基準信号の基地局における送信電力、
基準信号のブースターにおける受信電力に基づいて上り
信号の増幅の利得及び下り信号の増幅の利得を制御する
利得制御手段とを備えたブースターにおいて、下り信号
の周波数を、この下り信号の周波数より低い周波数の中
間周波信号に変換する第1周波数変換器及び前記上り信
号の周波数をこの上り信号の周波数より低い周波数の中
間周波信号に変換する第2周波数変換器と、この第1周
波数変換器及び第2周波数変換器で周波数変換した中間
周波信号を前記下り信号に割当てられた帯域の信号及び
上り信号に割当てられた帯域の信号にろ波する第1フィ
ルタ及び第2フィルタと、この第1フィルタ及び第2フ
ィルタでろ波した信号を前記移動機に発信するための無
線周波数信号及び前記基地局に発信するための無線周波
数信号に変換する第3周波数変換器及び第4周波数変換
器とを設けた構成としたブースターを提案する。
【0008】この発明の請求項3では請求項1又は2記
載の何れかのブースターにおいて、第1周波数変換器
と、第1フィルタと、第3周波数変換器と、下り可変増
幅器とによって構成された下り信号伝送路と、第2周波
数変換器と、第2フィルタと、第4周波数変換器及び上
り可変増幅器とによって構成される上り信号伝送路が複
数設けられ、複数の下り信号伝送路でそれぞれが異なる
帯域の信号にろ波されて増幅された下り信号は、合成器
で合成されて対移動機アンテナに給電され、移動機から
の上り信号は分配器により複数の上り信号伝送路に分配
され、分配された各上り信号は複数の上り信号伝送路で
それぞれが異なる帯域の信号にろ波され、増幅されて対
基地局用アンテナに給電される構成としたブースターを
提案する。
【0009】この発明の請求項4では請求項3記載のブ
ースターにおいて、合成器の合成出力を電気/光変換器
で光信号に変換し、この光信号を下り光伝送線路を通じ
て子部に伝送し、子部において光/電気変換器で電気信
号に変換し、その変換出力を対移動機アンテナに給電す
ると共に、対移動機アンテナに誘起された移動機からの
上り信号は電気/光変換器で光信号に変換し、この光信
号を上り光伝送線路を通じてブースターに伝送し、ブー
スターに設けた光/電気変換器で電気信号に変換し、こ
の電気信号を分配器に入力する構成としたブースターを
提案する。
【0010】この発明の請求項5では請求項4記載のブ
ースターにおいて、電気/光変換器は合成器の合成出力
を複数の光信号に変換し、この複数の光信号を複数の下
り光伝送線路を通じて複数の子部に伝送し、各子部にお
いて光/電気変換器で電気信号に変換し、その変換出力
をそれぞれ対移動機用アンテナに給電すると共に、対移
動機アンテナに誘起された移動機からの上り信号は各子
部に設けられた電気/光変換器で光信号に変換し、この
光信号を上り光伝送線路を通じてブースターに伝送し、
ブースターに設けた光/電気変換器で電気信号に変換
し、この電気信号を分配器に入力する構成としたブース
ターを提案する。
【0011】この発明の請求項6では請求項3記載のブ
ースターにおいて、合成器は複数の下り信号伝送路から
出力される下り信号を合成した後、その合成した信号を
複数の信号に分配する分配手段を具備し、この分配され
た複数の合成信号を複数の送信端子を通じて複数の対移
動機アンテナに給電する構成としたブースターを提案す
る。この発明の請求項7では請求項2,3,4,5,6
記載のブースターの何れかにおいて、対基地局アンテナ
がアレー状に配置され、アレー状に配置された複数の対
基地局アンテナに誘起された信号の位相及びアレー状に
配置された複数の対基地局アンテナに給電する信号のそ
れぞれの位相を調整する位相器が設けられ、この位相器
の設定によりアレー状に配置された対基地局アンテナの
指向方向を設定可能としたブースターを提案する。
【0012】この発明の請求項8では請求項1,2,
3,4,5,6,7記載のブースターの何れかにおい
て、下り可変増幅器及び上り可変増幅器は、第1フィル
タ及び第2フィルタにより下り信号及び上り信号に割当
てられた帯域に制限された下り信号及び上り信号を利得
制御手段によって制御される利得に従って増幅するブー
スター利得制御方法を提案する。
【0013】作 用 この発明で提案したブースター及びブースター利得制御
方法によれば、基地局とブースターとの間の伝送損に基
づいて下り信号の利得及び上り信号の利得を制御するこ
とにより得られる作用効果に加えて、下り信号及び上り
信号の何れでも、これら下り信号及び上り信号の周波数
より低い周波数の中間周波信号に変換し、この周波数の
低い中間周波信号をフィルタでろ波する構成としたか
ら、通常得られる回路素子のみで構成されるフィルタに
よって各下り信号及び上り信号に割当てられている帯域
の信号にろ波することができる。この結果、下り可変増
幅器及び上り可変増幅器には帯域が自己の帯域のみに制
限された信号(不要波の含有率が著しく低い信号)を入
力することができるから、送信部に印加する信号の電力
レベルを低減することができる。
【0014】この結果、基地局に送られる雑音のレベル
を低減することができるため、基地局における受信品質
の向上が期待できる。更に送信部を構成する部品、例え
ば電気/光変換器の所要歪特性を低減することができる
ため、使用部品のコストを下げることができる利点が得
られる。更に、送信電力を低減できることから歪みの少
ない信号の伝送が可能となり、更に電力消費量も低減で
きる利点も得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1にこの発明の第1実施形態を
示す。図中100はブースターの全体を示す。ブースタ
ー100には一般に複数のユニットU1,・・・Unが
実装される。各ユニットU1〜Unには対基地局アンテ
ナ101と、アンテナ共用器102,第1周波数変換器
103,第1フィルタ104,分配器105,第3周波
数変換器106,可変増幅器107,第2周波数変換器
108,第2フィルタ109,第4周波数変換器11
0,可変増幅器111,受信器112,利得制御器11
3とが設けられる。
【0016】第1周波数変換器103,第1フィルタ1
04,分配器105,第3周波数変換器106,可変増
幅器107により下り信号伝送路114が構成される。
また第2周波数変換器108,第2フィルタ109,第
4周波数変換器110,可変増幅器111により上り信
号伝送路115が構成される。受信器112には分配器
105から基地局200が発信する下り信号が分配さ
れ、下り信号に含まれる基準信号を受信する。基地局2
00から送られて来る基準信号には基地局200におけ
る送信電力の情報となる送信電力情報が搭載され、この
送信電力情報と自己の受信電力とにより各基地局200
とブースター100との間の伝搬損を算出する。また、
特に図示していないが、可変増幅器111の出力に発生
する雑音の電力を測定する手段を備え、この雑音電力測
定手段で測定した雑音電力と伝搬損が利得制御器113
に入力され、これらのパラメータに従って利得制御器1
13は可変増幅器107,111の利得を制御し、最適
なレベルの下り信号を合成器116に出力すると共に、
最適なレベルの上り信号をアンテナ共用器102に出力
する。これらの利得制御に関する詳細は「特開2001
−69091」を参照のこと。
【0017】ここでは基地局から送られてくる基準信号
受信手段及び基地局における送信電力情報を受信する送
信電力情報受信手段、ブースターにおける受信電力測定
手段雑音電力測定手段等が受信器112に実装されてい
るものとして説明する。各ユニットU1・・・Unで増
幅された下り信号は合成器116に入力され、この合成
器116で合成されて対移動機アンテナ117に給電さ
れる。ここで各ユニットU1〜Unに設けられた第1フ
ィルタ104は各事業者に割当てられた帯域の周波数を
ろ波するバンドパス特性に設定され、各ユニットU1〜
Unごとに異なる帯域の信号を出力し、その帯域が異な
る複数の信号を合成器116で合成する。
【0018】移動機300から発信された上り信号は対
移動機アンテナ118で受信され、その受信信号が分配
器119に入力される。分配器119は受信信号をユニ
ットU1〜Unの数に従って分配し、各ユニットU1〜
Unに受信信号を分配する。各ユニットU1・・・Un
は各ユニットU1〜Unに割当てられた周波数帯域の信
号を第2フィルタ109でろ波して抽出し、その上り信
号を上り可変増幅器111で増幅し、アンテナ共用器1
02に入力する。こゝでこの発明の特徴とする構成は、
各ユニットU1〜Un内に基地局200とブースター1
00間の伝搬損を測定してブースター100における増
幅の利得を調整する機能を装備していることに加えて下
り信号伝送路114に第1周波数変換器103と第1フ
ィルタ104及び第3周波数変換器106を設けた点
と、上り信号伝送路115に第2周波数変換器108
と、第2フィルタ109及び第4周波数変換器110を
設けた点である。
【0019】第1周波数変換器103と第2周波数変換
器108はそれぞれ下り信号の周波数を、この下り信号
の周波数より低い中間周波信号に変換する動作を実行
し、上り信号の周波数をこの上り信号の周波数より低い
中間周波信号に変換する動作を実行する。第1フィルタ
104と第2フィルタ109は中間周波数帯の信号に変
換された下り信号及び上り信号の中から自己に割当てら
れている帯域の信号をろ波して抽出する動作を実行す
る。無線周波数信号より低い周波数の信号に変換し、低
い周波数帯で自己に必要な信号のみを切り出すフィルタ
を構成するのは比較的容易である。
【0020】従って、この発明によれば各ユニットU1
〜Unにおいて、各下り信号伝送路114及び上り信号
伝送路115に割り当てた周波数帯域の信号のみを第1
フィルタ104及び第2フィルタ109で抽出し、この
抽出した帯域の信号のみを再び第3周波数変換器106
と第4周波数変換器110によって無線周波数帯の信号
に戻すことにより、各ユニットU1〜Unに設けた可変
増幅器107と111には自己に割当てられた帯域に制
限された信号が入力される。この結果、各ユニットU1
〜Unを異なる事業者が利用する場合でも、可変増幅器
107と111には他の事業者の信号が混在して入力さ
れないから各事業者ごとに適正な利得を設定することが
できる。また、各ユニットU1〜Unに設けた可変増幅
器107及び111には自己に割当てられた信号のみが
入力されるから、他の事業者の信号が混在している過大
な信号が入力されることがない。このため、主に可変増
幅器107及び111等の増幅器の飽和出力を小さくす
ることができるため、使用する部品を廉価にすることが
可能である。更に、電力消費量も低減することができる
利点も得られる。
【0021】図1に示した第1の実施形態では分配器1
05を第1フィルタ104と第3周波数変換器106の
間に挿入した例を示したが、図2に示す第2の実施形態
では第3周波数変換器106と下り可変増幅器107の
間に配置した場合を示す。図2に示したように構成して
も、上述と同様の作用効果を得ることができる。図3は
この発明の第3の実施形態を示す。この第3の実施形態
では対移動機アンテナ117を複数の子部121に実装
し、複数の子部121をブースター100から離れた任
意の位置(電波伝搬に都合がない位置)に設置できる構
成とした場合を示す。
【0022】またこの場合、ブースター100と子部1
21との間を光ファイバで構成した下り光信号伝送路1
22及び上り光信号伝送路123で接続した場合を示
す。このために合成器116の出力側に電気/光変換器
124を設け、この電気/光変換器124で合成器11
6で合成された信号を複数の光信号に変換し、この複数
の光信号を下り光信号伝送路122を通じて複数の子部
121に伝送し、各子部121に設けた光/電気変換器
125で電気信号に戻し、この電気信号をアンテナ共用
器126を通じて対移動機アンテナ117に給電する。
【0023】対移動機アンテナ117に受信された移動
機300からの上り信号は電気/光変換器127で光信
号に変換され、この光信号は光ファイバで構成された上
り光信号伝送路123を通じてブースター100に送ら
れる。ブースター100では光/電気変換器128によ
り電気信号に変換され、その電気信号が分配器119に
入力される。分配器119はブースター100内に実装
した複数のユニットU1〜Unに上り信号を入力し、各
ユニットU1〜Unでは上り信号伝送路115により各
上り信号ごとに第2フィルタ109で帯域を制限し、増
幅器111で増幅して対基地局アンテナ101から各基
地局200に送られる。
【0024】このように、ブースター100と子部12
1との間に光伝送路を介挿させる場合、従来は電気/光
変換器124に各ユニットU1〜Unから各事業者ごと
に帯域制限されていない下り信号が供給され、過大な電
力供給量になるため、この電気/光変換器124には電
力容量の大きい電気/光変換器を用いる必要が生じた
が、この発明によれば各ユニットU1〜Unごとに、つ
まり事業者ごとに一定の帯域に制限された下り信号を供
給するため、電気/光変換器124に印加される電力量
を低減することができる。この結果、電気/光変換器1
24としては電力容量の小さい、従って廉価な部品を使
うことができる利点が得られる。
【0025】図4は図3と同様に、ブースター100と
子部121との間を光伝送路を介挿した実施形態を示
す。図3に示した実施形態との違いは下り信号伝送路1
14に設けた分配器105を第3周波数変換器106と
可変増幅器107との間に配置した点と、上り信号を増
幅する可変増幅器111を上り信号伝送路115の初段
に配置した点である。その他の構成は図3と全く同じで
あるから、これ以上の説明は省略する。図5は図3に示
した実施形態において、対基地局アンテナ101に指向
性を持たせる構成とした場合を示す。つまり、アレイ状
に配置した複数の対基地局アンテナ101の各給電路に
位相器129を設け、この位相器129により各対基地
局アンテナ101で受信した下り信号または各対基地局
101に給電する上り信号の位相を調整することによ
り、対基地局アンテナ101に指向性を持たせることが
できる。
【0026】なお、位相器129の制御は利得制御器1
13から受信電力測定値が与えられて動作する位相制御
装置131で行うことができる。また、130は複数の
対基地局アンテナ101で受信した信号を合成し、対基
地局アンテナ101に給電する信号を分配する合成分配
器である。各ユニットU1〜Unの対基地局アンテナ1
01に指向性を持たせ、その指向方向を各事業者の基地
局に合致させることにより、各ユニットU1〜Unから
発信される下り信号及び上り信号に他の事業者の信号が
混入する率を下げることができる。この対基地局アンテ
ナ101に指向性を与えたことによる分離度の向上と、
中間周波数帯に設けた第1フィルタ104と、第2フィ
ルタ110との分離度の向上の相乗効果により、各ユニ
ットU1〜Unから出力される下り信号及び上り信号に
混入する不要波の混入率を更に一層低減することができ
る利点が得られる。
【0027】図6は図5に示した実施形態において、下
り信号伝送路114に設けた分配器105を第3周波数
変換器106と可変増幅器107の間に配置した点のみ
が異なるだけであるから、ここではこれ以上の説明は省
略する。図7は図1に示した実施形態において、対基地
局アンテナ101に指向性を持たせた実施形態を示す。
この実施形態でも各ユニットU1〜Unに設けた下り信
号伝送路114と上り信号伝送路115の各中間周波数
帯に第1フィルタ104及び第2フィルタ109を設け
たことによる分離度の向上効果と、対基地局アンテナ1
01に指向性を持たせたことによる分離度の向上効果が
相乗される利点が得られる。
【0028】図8は図7に示した実施形態において、分
配器105を第3周波数変換器106と可変増幅器10
7との間に配置した点が異なるだけであるから、図8に
関してもこれ以上の説明は省略する。図9及び図10は
ブースター100に単一のユニットU1のみを搭載した
実施形態を示す。ブースター100内に単一のユニット
U1のみが搭載されている場合でも、付近に他の事業者
が同様のブースターを設置したとすると、上述と同様に
自己の帯域に隣接して他の事業者の電波が存在すること
になる。このために、単一のユニットU1のみを搭載し
たブースター100であっても、そのユニットU1に割
り当てられた帯域の信号をろ波して取り出し、送信する
機能を持つことが望ましい。
【0029】従って、この場合でも図9及び図10に示
すように、下り信号伝送路114に第1周波数変換器1
03−第1フィルタ104−第3周波数変換器106と
から成るろ波回路と、上り信号伝送路115にも第2周
波数変換器108−第2フィルタ109−第4周波数変
換器110とから成るろ波回路を設けることと、対基地
局アンテナ101に指向性を与える構成を付加し、他事
業者の信号の混入を阻止する構成としている。なお、図
9と図10との違いは分配器105の位置の違いのみで
ある。
【0030】図11はブースター100の送信部に複数
の送信端子132を設け、この複数の送信端子132に
複数の対移動機アンテナ117を接続する構成とした場
合を示す。各送信端子132にはレベル調整器135と
位相器133と増幅器134を通じて下り信号を印加
し、レベル調整器135により対移動機アンテナ117
に給電する下り信号をレベルを揃えることができる構成
としている。また位相器133により複数の対移動機ア
ンテナ117に給電する下り信号の位相を調整すること
により、放射パターン(指向性)を任意に設定可能とし
ている。
【0031】図11に示したように、対移動機アンテナ
117を複数にすることにより、増幅器134は各1台
当たりの飽和出力を小さくすることが可能となるため、
装置規模の増加を最小限に抑えつつ、大出力の装置を実
現することが可能となる。図12及び図13は、図11
示した複数の送信端子132を単一のユニットU1のみ
を搭載したブースター100に適用した実施形態を示
す。この場合でも複数の送信端子132を装備すること
により対移動機アンテナ117を複数設けることができ
る。このため、単一のユニットだけのブースター100
であっても、対移動機アンテナ117を複数に分岐する
ことにより装置規模の増大を抑えつつ、大出力化を実現
することができる利点が得られる。なお、図12と図1
3の違いは下り信号伝送路114に設けた分配器105
の配置のみである。
【0032】図14は図11で説明した複数の送信端子
132を設けた構成に対基地局アンテナ101に指向性
を持たせた実施形態を示す。この実施形態によれば対基
地局アンテナ101に与えた指向性による他事業者との
分離効果と中間周波数帯での第1フィルタ104及び第
2フィルタ110による分離効果の相乗と共に、対移動
機アンテナ117を複数に分岐することによる装置規模
の増大を抑えつつ、大出力化を実現することができる効
果が得られる。図15及び図16は単一ユニットU1を
搭載したブースター100に図14に示した実施形態を
適用した実施形態を示す。この実施形態でも図14に示
した実施形態と同様の作用効果が得られる。なお、図1
5と図16の違いは下り信号伝送路114に設けた分配
器105の配置のみである。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば
基地局とブースターとの間の伝搬損を測定し、その伝搬
損に従って利得を調整する機能を備えたブースターにお
いて、下り信号及び上り信号の各伝送路に下り信号及び
上り信号の周波数より低い周波数の中間周波数帯に変換
する周波数変換器103,108を設け、この周波数変
換器103,108で周波数変換した信号を第1フィル
ター104と第2フィルター109でろ波する構成とし
たから、低い周波数帯でのろ波特性は廉価なフィルター
でも充分急峻な特性を得ることができる。従って他の事
業者の信号を充分に除去し、周波数帯域を充分制限した
信号を可変増幅器107,111に印加して利得制御を
施す利得制御方法を採ることができるから、可変増幅器
107及び111に過大な信号が入力されることがな
く、歪みの発生を抑制することができる。しかも過大な
信号が入力されることがないから可変増幅器107,1
11の飽和出力も小さくすることができる。
【0034】更に、合成器の出力側に電気/光変換器1
24を配置する場合には、この電気/光変換器124に
過大な電気信号が印加されることがなくなるため、必要
以上に大きいレベルの入力に対して歪みを発生させない
高価な部品を用いなくても済む利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の基本的な実施形態を説明するための
ブロック図。
【図2】図1に示した実施形態の変形例を説明するため
のブロック図。
【図3】図1に示した実施形態に光伝送部を付加した実
施形態を説明するためのブロック図。
【図4】図3に示した実施形態の変形例を説明するため
のブロック図。
【図5】図3に示した実施形態において、対基地局アン
テナに指向性を持たせた実施形態を説明するためのブロ
ック図。
【図6】図5の変形例を説明するためのブロック図。
【図7】図1に示した実施形態において、対基地局アン
テナに指向性を持たせた実施形態を説明するためのブロ
ック図。
【図8】図7の変形例を説明するためのブロック図。
【図9】単一のユニットを搭載したブースターにこの発
明を適用した実施形態を示すブロック図。
【図10】図9の変形例を説明するためのブロック図。
【図11】この発明によるブースターに複数の送信端子
を設けた実施形態を説明するためのブロック図。
【図12】単一のユニットを搭載したブースターに複数
の送信端子を設け、更に対基地局アンテナに指向性を持
たせた実施形態を説明するためのブロック図。
【図13】図12の変形例を説明するためのブロック
図。
【図14】図2に示した実施形態において複数の送信端
子を設けた構成と、対基地局アンテナに指向性を持たせ
た実施形態を説明するためのブロック図。
【図15】単一のユニットを搭載したブースターに複数
の送信端子を設けた構成と、対基地局アンテナに指向性
を持たせた構成を付加した実施形態を説明するためのブ
ロック図。
【図16】図15の変形例を説明するためのブロック
図。
【符号の説明】
100 ブースター 117,118
対移動機アンテナ U1,Un ユニット 119
分配器 101 対基地局アンテナ 119′
分配合成器 102 アンテナ共用器 121
子部 103 第1周波数変換器 122
下り光信号伝送路 104 第1フィルタ 123
上り光信号伝送路 105 分配器 124,127
電気/光変換器 106 第3周波数変換器 125,128
光/電気変換器 107 下り可変増幅器 126
共用器 108 第2周波数変換器 129
位相器 109 第2フィルタ 130
合成分配器 110 第4周波数変換器 131
位相制御装置 111 上り可変増幅器 132
送信端子 112 受信器 133
位相器 113 利得制御器 134
増幅器 114 下り信号伝送路 135
レベル調整器 115 上り信号伝送路 116 合成器 116′ 合成分配器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5K022 AA10 AA11 AA31 5K072 AA22 BB13 BB25 CC33 DD11 DD16 DD17 EE08 EE19 GG02 GG03 GG14 GG22 GG39 HH08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基地局と移動機との間で送受信されるべ
    き信号を受信し、増幅し、送信するブースターであっ
    て、 前記基地局から前記移動機への下り信号を増幅する下り
    可変増幅器及び前記移動機から前記基地局への上り信号
    を増幅する上り可変増幅器と、 前記基地局が送信した基準信号を受信し、この基準信号
    の前記ブースターにおける受信電力を測定する基準信号
    受信測定手段と、 前記基準信号の前記基地局における送信電力の情報を受
    信する送信電力情報受信手段と、 前記上り信号増幅手段により増幅された上り信号の前記
    ブースターにおける雑音電力を測定する雑音電力測定手
    段と、 前記基準信号の前記基地局における送信電力、前記基準
    信号の前記ブースターにおける受信電力及び前記増幅さ
    れた上り信号の前記ブースターにおける雑音電力に基づ
    いて前記上り信号の増幅の利得及び下り信号の増幅の利
    得を制御する利得制御手段とを備えたブースターにおい
    て、 前記下り信号の周波数を、この下り信号の周波数より低
    い周波数の中間周波信号に変換する第1周波数変換器及
    び前記上り信号の周波数をこの上り信号の周波数より低
    い周波数の中間周波信号に変換する第2周波数変換器
    と、 この第1周波数変換器及び第2周波数変換器で周波数変
    換した中間周波信号を前記下り信号に割当てられた帯域
    の信号及び上り信号に割当てられた帯域の信号にろ波す
    る第1フィルタ及び第2フィルタと、 この第1フィルタ及び第2フィルタでろ波した信号を前
    記移動機に発信するための無線周波数信号及び前記基地
    局に発信するための無線周波数信号に変換する第3周波
    数変換器及び第4周波数変換器と、を設けた構成とした
    ことを特徴とするブースター。
  2. 【請求項2】 基地局と移動機との間で送受信されるべ
    き信号を受信し、増幅し、送信するブースターであっ
    て、 前記基地局から前記移動機への下り信号を増幅する下り
    可変増幅器及び前記移動機から前記基地局への上り信号
    を増幅する上り可変増幅器と、 前記基地局が送信した基準信号を受信し、この基準信号
    の前記ブースターにおける受信電力を測定する基準信号
    受信測定手段と、 前記基準信号の前記基地局における送信電力の情報を受
    信する送信電力情報受信手段と、 前記基準信号の前記基地局における送信電力、前記基準
    信号の前記ブースターにおける受信電力に基づいて前記
    上り信号の増幅の利得及び下り信号の増幅の利得を制御
    する利得制御手段とを備えたブースターにおいて、 前記下り信号の周波数を、この下り信号の周波数より低
    い周波数の中間周波信号に変換する第1周波数変換器及
    び前記上り信号の周波数をこの上り信号の周波数より低
    い周波数の中間周波信号に変換する第2周波数変換器
    と、 この第1周波数変換器及び第2周波数変換器で周波数変
    換した中間周波信号を前記下り信号に割当てられた帯域
    の信号及び上り信号に割当てられた帯域の信号にろ波す
    る第1フィルタ及び第2フィルタと、 この第1フィルタ及び第2フィルタでろ波した信号を前
    記移動機に発信するための無線周波数信号及び前記基地
    局に発信するための無線周波数信号に変換する第3周波
    数変換器及び第4周波数変換器と、を設けた構成とした
    ことを特徴とするブースター。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のブースターの何れ
    かにおいて、前記第1周波数変換器と、第1フィルタ
    と、第3周波数変換器と、下り可変増幅器とによって構
    成される下り信号伝送路と、前記第2周波数変換器と、
    第2フィルタと、第4周波数変換器及び上り可変増幅器
    とによって構成される上り信号伝送路が複数設けられ、
    複数の下り信号伝送路でそれぞれが異なる帯域の信号に
    ろ波されて増幅された下り信号は、合成器で合成されて
    対移動機アンテナに給電され、前記移動機からの上り信
    号は分配器により前記複数の上り信号伝送路に分配さ
    れ、分配された各上り信号は前記複数の上り信号伝送路
    でそれぞれが異なる帯域の信号にろ波され、増幅されて
    対基地局アンテナに給電される構成としたことを特徴と
    するブースター。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のブースターにおいて、前
    記合成器の合成出力を電気/光変換器で光信号に変換
    し、この光信号を下り光伝送線路を通じて子部に伝送
    し、子部において光/電気変換器で電気信号に変換し、
    その変換出力を対移動機アンテナに給電すると共に、対
    移動機アンテナに誘起された移動機からの上り信号は電
    気/光変換器で光信号に変換し、この光信号を上り光伝
    送線路を通じて前記ブースターに伝送し、ブースターに
    設けた光/電気変換器で電気信号に変換し、この電気信
    号を前記分配器に入力する構成としたことを特徴とする
    ブースター。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のブースターにおいて、前
    記電気/光変換器は前記合成器の合成出力を複数の光信
    号に変換し、この複数の光信号を複数の下り光伝送線路
    を通じて複数の子部に伝送し、各子部において光/電気
    変換器で電気信号に変換し、その変換出力をそれぞれ対
    移動機アンテナに給電すると共に、対移動機アンテナに
    誘起された移動機からの上り信号は各子部に設けられた
    電気/光変換器で光信号に変換し、この光信号を上り光
    伝送線路を通じてブースターに伝送し、ブースターに設
    けた光/電気変換器で電気信号に変換し、この電気信号
    を前記分配器に入力する構成としたことを特徴とするブ
    ースター。
  6. 【請求項6】 請求項3記載のブースターにおいて、前
    記合成器は前記複数の下り信号伝送路から出力される下
    り信号を合成した後、その合成した信号を複数の信号に
    分配する分配手段を具備し、この分配された複数の合成
    信号を複数の送信端子を通じて複数の対移動機アンテナ
    に給電する構成としたことを特徴とするブースター。
  7. 【請求項7】 請求項2,3,4,5,6記載のブース
    ターの何れかにおいて、対基地局アンテナがアレー状に
    配置され、アレー状に配置された複数の対基地局アンテ
    ナに誘起された信号の位相及びアレー状に配置された複
    数の対基地局アンテナに給電する信号のそれぞれの位相
    を調整する位相器が設けられ、この位相器の設定により
    前記アレー状に配置された対基地局アンテナの指向方向
    を設定可能としたことを特徴とするブースター。
  8. 【請求項8】 請求項1,2,3,4,5,6,7記載
    のブースターの何れかにおいて、前記下り可変増幅器及
    び上り可変増幅器は、前記第1フィルタ及び第2フィル
    タにより下り信号及び上り信号に割当てられた帯域に制
    限された下り信号及び上り信号を前記利得制御手段によ
    って制御される利得に従って増幅することを特徴とする
    ブースター利得制御方法。
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