JP2003074453A - 衝動タービン - Google Patents

衝動タービン

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JP2003074453A JP2001265598A JP2001265598A JP2003074453A JP 2003074453 A JP2003074453 A JP 2003074453A JP 2001265598 A JP2001265598 A JP 2001265598A JP 2001265598 A JP2001265598 A JP 2001265598A JP 2003074453 A JP2003074453 A JP 2003074453A
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Shoichi Tan
省一 丹
Hajime Motohashi
元 本橋
Makoto Goto
誠 後藤
Hiroshi Kojima
博 小島
Koichi Tanba
廣一 丹波
Katsuyuki Takahashi
勝幸 高橋
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Maeta Concrete Industry Ltd
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で製作容易な衝動タービンを提供
することにある。 【解決手段】 離間した一対の円板2間に複数枚の羽根
3を前記円板の外周面接線と所定の羽根角度βで放射状
に並列して形成した羽根車1と、該羽根車をノズル4か
ら噴出する噴流で回転させる衝動タービンであって、前
記羽根の枚数が20枚以下,羽根角度が40〜70度と
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は衝動タービン、更に
詳しくは、噴流が羽根車内を通過する間に羽根に2度作
用する衝動タービンに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、分散型エネルギー開発の一環とし
て小型水力タービンの研究が盛んであり、小水量,高落
差を利用する衝動タービンがその対象となっている。こ
の衝動タービンは、蒸気またはガス等をノズル中で圧力
降下させて高速化し、それを羽根車の羽根に当て、その
衝動力により回転動力を発生させる構造のものである。
【0003】この衝動タービンには、衝動水車で代表的
なぺルトン水車を利用するものがある。このベルトン水
車は、円板の周囲に多数の碗型のバケットを配列して羽
根車を構成し、ノズルから水を噴射するとその水の運動
エネルギーが速度のエネルギーに変換され、それが前記
バケットに突き当たるときの衝撃作用によって羽根車を
回すものであり、水車タービン或いは回転式原動機とも
称されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の衝動タ
ービンの羽根車はペルトン水車にしても、その羽根車の
構造が複雑で製作が難しく高価なものとなること、羽根
車はケーシングで覆われているため装置全体が大型化す
るとゝもに、内部構造が見えないためにメンテナンスが
難しいといった諸問題点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来の衝動タ
ービンにおける羽根車よりも構造が簡単で製作が容易な
羽根車であって、特に、噴流が羽根車内を通過する間に
2度羽根に作用する羽根車、いわゆるクロスフロー型の
羽根車を利用することにより、上記のような従来の諸問
題点を解決した衝動タービンを提供することを目的とし
たものであり、その要旨は、所定間隔だけ離間した一対
の円板間に複数枚の羽根を前記円板の外周面接線と所定
の羽根角度で放射状に並列して形成した羽根車と、該羽
根車をノズルから前記円板の外周面接線方向に噴出する
噴流で回転させるように構成した衝動タービンであっ
て、前記羽根の枚数が20枚以下,羽根角度が40〜7
0度としたことを特徴とする衝動タービンなどにある。
【0006】
【発明の実施の態様】以下、本発明を詳細に説明する
に、本発明に係る衝動タービンは、上記のように、ペル
トン水車と異なり、噴流が水車内を通過する間に2度羽
根に作用する、いわゆるクロスフロー型の羽根車を利用
したものであるが、これにより、(1)構造が簡単で製
作が容易である。(2)装置を覆うケーシングが不要で
あるため装置全体を小型化できる。(3)内部構造が見
えるためにメンテナンスが容易である。(4)市街地近
郊に設置した場合には、一般市民に対するエネルギー・
環境教育上の効果が期待できる、などの特徴がある。
【0007】ここで、クロスフロー型の羽根車は、羽根
車内を通過して下部の羽根に再流入する噴流の流れか
ら、いかに効率的にエネルギーを取り出すかがクロスフ
ロー型水車を衝動タービンとして利用するときの大きな
ポイントとなるものである。しかし、噴流が羽根車内を
通過する間に2度羽根に作用するので噴流の流れが複雑
であり、水車の性能を左右する因子は多い。
【0008】詳述すると、羽根車については、羽根形状
(曲率及びコード長),羽根枚数,羽根角度,羽根幅等
があり、その他に、噴流の作用点や噴流口の断面形状な
どが水車性能を左右する因子となる。また、タービンと
しての最適形状を知るためには、これらの各因子がター
ビンの出力に及ぼす影響を把握する必要がある。そこ
で、本発明者等は上記の各要因の最適条件を求めるため
種々の実験を行い、この実験結果から本発明を完成する
に至ったものである。
【0009】以下、本発明を図1乃至図3に示す実施形
態により詳細に説明する。図において、Aは衝動タービ
ンで、羽根車1,ノズル4,直流回転発電機5及びトル
クセンサー6から主に構成されており、前記羽根車1は
落差により落下する水の重力作用を利用した重力水車と
ほゞ同一構造のもの、すなわち、一対の円板2,2の間
に水受として複数枚の平板状羽根3,3を所定の角度を
もって放射状に並列した構造のものである。
【0010】具体的には、前記羽根車1は羽根3の形状
が平板状であって、その装着枚数が20枚以下,羽根3
の取付け角度(羽根角度)βが40〜70度としてい
る。また、前記ノズル4の羽根車1の軸心Oからの高さ
Hに対する羽根車1の直径Dの比(H/D)が0.40
0〜0.45であり、更に、ノズル4から吐出する噴流
の流量が一定の場合には、前記ノズル4の噴流口の断面
形状を偏平としたものである。
【0011】つぎに、本発明の前記要件について、実験
例を参照しながら以下詳細に説明する。本発明では、各
要件の最適形状を求める第一ステップとして、羽根車の
羽根の曲率半径が無限大、すなわち、従来の衝動タービ
ンよりも構造上製作が容易な平板とした場合についてそ
の特性を調べた。その結果、平板状のものは適度な曲率
を有する羽根の場合に比べてタービン(水車)の効率は
低下するものの、その他の要因、すなわち、ノズルの噴
流断面形状,羽根車の羽根枚数,羽根角度の影響を模型
実験により調べるとゝもに、更に、流れの観察により、
これらがタービン出力に及ぼす影響を知見した。
【0012】模型実験に使用した羽根車1は図1に示し
たものと同一構造であり、該羽根車1の正面図を図2に
示す。図において、Dは羽根車1の直径で240mm、
Cは羽根3の長さで40mmとした。また、前記羽根車
1として羽根の枚数nおよび羽根角度βの異なるものを
複数個用意した。すなわち、羽根の枚数nは18,2
4,36の3通り、羽根角度βは40,50,60,7
0,80,90の6通りの計24種類の羽根車を準備し
た。
【0013】ここで前記羽根角度βは羽根車1の外周面
と接線となす角度、Lは羽根車1の軸心Oを通る垂直線
からノズル4の噴射口までの水平距離、Hは羽根車1の
軸心からノズル4の高さであり、dはノズル4の直径、
4Aはノズルの入口、4Bはノズルの出口を示す。な
お、流れの観察のために、前記羽根車1に離間して設け
た側板2には直径160mmの穴を開け、透明塩化ビニ
ール板で閉塞した。
【0014】前記羽根車1に対するノズル4の位置はタ
ービン(重力水車)の性能を左右する。予備実験により
その影響を調べたところ、水平距離Lが20%変化して
もタービンの出力には有意な差は生じなかった。一方、
ノズル4の高さHの影響は大きいが、最高効率を与える
高さ付近では、Hが±3%変わっても効率のピークの変
化は1%程度で、ほぼ一定であった。そこで、ノズル4
の位置を固定しても、それが適切な値であれば、タービ
ンの最適形状に関する議論の本質は失われないと判断
し、その値をL=125mm、H=105mmに設定し
た。
【0015】測定は次のように行った。実験中の羽根車
1の回転数の変動を抑えるために羽根車1をDCサーボ
モータで駆動し、モータ印加電圧を制御することにより
回転数Nを設定する。各回転数における水車トルクTは
トルクメータで検出する。ノズルの噴流速度Vは水中ポ
ンプ駆動用インバータの周波数で設定し、予め検定して
求めた流量係数(α=0.9536)を用いて、ノズル
4の出入口4A,4Bの圧力差から算出する。ここで、
ノズル4の出口流速を5m/s一定とした。また、ター
ビンの効率ηは下記(1)式で算出した。ここで、ωは
羽根車1の角速度、ρは水の密度、Uは羽根車1の周速
度(=Rω)、Aはノズル4の出口4Bの断面積であ
る。 効 率 η=ωT/(0.5ρV3A) (1) 周速比 λ=Rω/V (2)
【0016】実験の結果は以下の通りであった。 1.噴流断面形状の影響 図3の(a),(b)に示す2種類の断面形状のノズル
4A,4Bについて、ダービン出力におよぼす影響を調
べた。ノズル(a)は基準となる円形ノズル4Aで、ノ
ズル(b)は噴流の高さ方向の厚さを抑えるために偏平
化し偏平ノズル4Bであり、前記円形ノズル(a)の直
径Φは20mmで、その断面積は314mm、偏平ノ
ズル(b)の幅wは26.2mm、高さhは8.3mm
で、その断面積は203mmである。
【0017】前記ノズル4A,4Bの形状がタービン特
性に及ぼす効率の比較には、羽根形状が円弧形状のター
ビンを使用した。試験結果は図4に示すように、ほぼ相
似な出力特性が得られたが、最高効率は偏平ノズル4B
の方が4%程度高くなった。ノズルの高さHを調整すれ
ば、偏平ノズルの効率が向上して両者の差が拡がること
が考えられる。
【0018】これはノズルの断面形状が円形の場合、噴
流に高さ方向に幅があり、そのため噴流の上部は羽根の
先端部からタービンの外部に出て、その後タービンに作
用することがなく、一方、噴流の下部は進行する羽根の
裏面に当たって制動作用が生じるためと考えられる。こ
のことにより、流量が一定の場合には偏平ノズルが有効
であると言える。
【0019】しかし、実用には、噴流速度はほゞ落差に
よって定まり、ノズル形状には依存しない。そのため本
実験で使用したような円筒を潰した偏平ノズル4Bで
は、断面積減少に伴う流量低下の影響がノズル偏平化に
よる効率上昇の効果よりも大きい。すなわち、タービン
出力としては、逆に低下してしまうことになる。この対
策として、ノズル断面積を一定に保ったまま、ノズルを
偏平にすることも考えられる。しかし、タービン内で流
れが広がり摩擦損失が増加するため、必ずしも得策とは
考えられない。そこで、以後の実験においては円形ノズ
ル4Aのみを使用した。
【0020】2.羽根角度の影響 同一の羽根枚数nのタービンについて、羽根角度βが出
力特性におよぼす影響を調べた結果を図5乃至図7に示
す。図5は羽根枚数nが18、図6は羽根枚数nが2
4、図7は羽根枚数nが36の場合である。前記図にお
いて、羽根角度βが40度から90度の範囲で変化して
も、逸走時の周速度λは1割程度しか変わらない。一
方、各タービンの最高効率ηは広範囲にわたって変化す
る。これにより、羽根角度βはタービンの回転数より
も、出力トルクに大きく影響することがわかる。
【0021】羽根角度βを大きくすることは、周速比λ
が高い領域で噴流が羽根の裏面に当たる割合を軽減する
効果がある。図8は羽根の裏面に噴流が作用するように
なる周速比(以下、臨界周速比λと呼ぶ)を幾何的に
求めた結果である。例えば羽根角度β=50°では、周
速比が0.48を超えると、噴流の中心が裏面に作用す
るようになるが、β=90°では周速比が0.8近くま
で噴流全体が羽根表面に作用することがわかる。
【0022】しかし、本実験では図5乃至図7に示すよ
うに、効率ηのピークを与える周速比λの値に顕著な差
はなかった。一方、羽根角度βが大きくなると効率は低
下している。この原因としては、羽根角度βの増加によ
って流入噴流のエネルギーが消費されて水流の急速な速
度低下をきたし、羽根車下部への再流入時の流速が低下
することが考えられる。なお、効率がピークとなる周速
比λは、いずれも0.55程度であり、これは無負荷周
速比の6割に相当する。このことは最高効率で運転中
に、たとえば発電機出力を伝えるケーブルの断線によっ
て突然無負荷になっても、回転数の上昇が1.7倍程度
に抑えられることを意味しており、実用上都合のよい特
性である。
【0023】タービン毎に効率のピーク(ηmax)を
求め、羽根角度βとの関係を調べた結果を図9に示す。
羽根角度βの影響が支配的で、いずれの羽根枚数nにお
いてもβ=50°で効率が最大になる。羽根角度が小さ
い場合(β=40°)に効率が低下しているのは、噴流
が羽根の裏面に当たる割合が高いためである。
【0024】3.羽根枚数の影響 羽根の枚数nが効率のピーク(ηmax)に与える影響
をまとめた結果を図10に示す。羽根枚数n=18,羽
根角度=70°を除くと、いずれも羽根枚数が少ないほ
ど高くなる傾向にある。この理由としては、次のことが
考えられる。噴流を受ける一枚の羽根によるトルクが最
大になるのは、その羽根がタービンの最上部付近に位置
した時と推測される。
【0025】しかしながら、羽根枚数が多いと、噴流を
受けている羽根がタービンの最上部付近に達する前に次
の羽根が噴流を受けるようになる。その結果、最も発生
トルクが大きくなるであろう位置において、充分な力を
受けることができなくなるためと思われる。
【0026】羽根角度β=40°で羽根枚数nの影響が
特に大きくなっているのは、羽根枚数nが多いと、ター
ビン内に流入し流れがタービンの外に出る際の流動抵抗
が増すために、タービン内に水が溜まりやすく効率が低
下するためである。この結果により、流動抵抗の減少と
流れの不均一化との兼ね合いで、羽根枚数がさらに少な
い場合に最適枚数があることも考えられる。
【0027】なお、羽根角度β=70°の場合、羽根枚
数n=18の効率が、羽根枚数n=24よりも1%程度
低下している。これは一定としたノズルの高さHが必ず
しも全てのタービンで適切な値とは限らないためであ
り、最適な高さに設定すればこの部分的な逆転現象は無
くなると思われる。
【0028】4.流れの観察 羽根角度βおよび羽根枚数nが出力特性に与える影響を
調べるために、羽根車1に作用する流れを観察した。そ
の結果を図11に示す。図において、上段の図(a)の
3個の羽根車は、いずれも羽根角度β=18,羽根枚数
n=50°で、周速比λ0.21,0.57,0.88
の羽根角度βおよび羽根枚数nの影響を調べたものであ
って、今回調べた範囲で最も効率が良かった羽根車であ
る。
【0029】これに対して、中段の図(b)の3個の羽
根車はいずれも羽根枚数n=36,羽根角度β=50°
で、周速比λ0.21,0.57,0.88の羽根枚数
nの影響を調べたものである。下段の3個の羽根車
(c)はいずれも羽根枚数n=18,羽根角度β=90
°で、周速比λ0.21,0.57,0.88の羽根角
度βの影響を調べたものである。
【0030】前記の図から分かることは、全般的に低周
速比(λ=0.21)では羽根車に作用した直後の噴流
角度変化が大きく、高周速比(λ=0.88)では羽根
車に殆ど作用せず直進する。前記上段の図(a)のλ=
0.21では、羽根車1内を通過した流れが再度羽根に
当たって、図の左上方(羽根車の外)と右下方(羽根車
の内)の流れに分かれる。後者はさらに羽根車下部に再
流入するが、この流れを羽根が妨げる角度にあるため
に、直ぐに羽根車外に流出できず、しばらく引きずられ
てから、羽根の間からこぼれるように流出する。
【0031】このような傾向は羽根角度βが小さいほど
強くなる。回転数が上がると(λ=0.57)、羽根車
に作用した噴流が羽根車下部に再流入する割合が少し低
下する。この再流入した流れの大部分は、羽根車の出力
トルクに寄与するように羽根に作用するが、前記λ=
0.21に見られた回転に引きずられながら流出する流
れが一部残る。
【0032】次に、中段の図(b)に示すように羽根枚
数nが増えた場合、λ=0.21では、再流入した流れ
の多くが図の左上方に流出することや、右下方の流れが
引きずられた後に、羽根の間からこぼれるように流出す
る傾向は前記図(a)の場合と同じである。また、図
(b)のλ=0.57では、羽根車に作用した直後に羽
根車の外に出る流れが減少している。また、羽根車内を
通過する流れが殆ど見られないが、羽根に作用して大き
く曲げられた流れが観察される。
【0033】これらはトルクに寄与する流れであるが、
一方、遠心ポンプにように羽根車下側の広範囲から飛び
出す流れが、図(a)よりも強くなり、その分、効率低
下の原因となる。そこで、羽根枚数が18よりも少ない
場合にさらに効率が高くなることも考えられる。更に、
下段の図(c)のように、羽根角度が大きいと、羽根車
内を通過する流れが強くなるものの、この流れは再流入
時に殆ど羽根に作用せず直進する。このため、羽根車の
効率が前記図11(a)に示したように極端に低くなる
と考えられる。
【0034】以上により、タービン性能を左右する因子
について実験的研究を進めた結果、次の結論が得られ
た。(1)ノズル断面形状を偏平化すると、タービン効
率が上昇する。しかし、実用の際には、噴流速度は落差
によって一定であり、ノズル断面積の減少にともない流
量が低下することを考慮すると、円形ノズルの方が大き
なタービン出力を得られる。(2)羽根角度が大きいほ
ど噴流が羽根の裏面に当たる割合が減少するが、タービ
ンの最高効率を与える角度は50度であった。
【0035】また、(3)羽根枚数については、18枚
の場合に効率が最大となった。しかし、流れの不均一化
と流動抵抗の減少との兼ね合いで、最適枚数が18より
も少なくなることも考えられる。(4)流れの観察によ
り、羽根角度および羽根枚数が出力特性に与える影響が
明らかになった。なお、上記実験では羽根車の一部の形
状因子の影響について調べただけであるが、ケーシング
不要の単純な構造ながら60%以上の効率を有すること
が確認できた。
【0036】
【発明の効果】本発明に係る衝動タービンは、上記のよ
うな構成であるため、(1)構造が簡単で製作が容易で
ある。(2)装置を覆うケーシングが不要であるため装
置全体が小型化されるとゝもに、(3)内部構造が見え
るためにメンテナンスが容易である。(4)羽根車が回
転している様子の観察が可能であるため、市街地近郊に
設置すれば、一般市民に対するエネルギー,環境教育上
の効果を期待することができる。(5)装置全体が小
型,軽量なので、将来的には開発途上国や山間部等の無
電源地域における利用の可能である、といった諸効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る衝動タービンの斜視図である。
【図2】羽根車の正面図である。
【図3】異なる二種類のノズルの断面図である。
【図4】ノズルがタービン特性に及ぼす影響を示す図で
ある。
【図5】同一羽根枚数における羽根車の角度が出力特性
に及ぼす影響を示す図である。
【図6】図5の羽根枚数とは異なる同一羽根枚数におけ
る羽根車の角度が出力特性に及ぼす影響を示す図であ
る。
【図7】図6の羽根枚数とは異なる同一羽根枚数におけ
る羽根車の角度が出力特性に及ぼす影響を示す図であ
る。
【図8】羽根角度と臨界周速比との関係を幾何学的に示
した図である。
【図9】羽根角度と最高効率との関係を示す図である。
【図10】羽根枚数と最高効率との関係を示す図であ
る。
【図11】羽根角度および羽根枚数の異なる羽根車に対
する噴流の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 羽根車 2 円板 3 羽根 4 ノズル 4A 円形ノズル 4B 偏平ノズル β 羽根角度 n 羽根枚数 H ノズルの高さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 誠 山形県鶴岡市大字井岡字沢田104 鶴岡工 業高等専門学校内 (72)発明者 小島 博 山形県酒田市上本町6番7号 前田製管株 式会社内 (72)発明者 丹波 廣一 山形県鶴岡市大字井岡字沢田104 鶴岡工 業高等専門学校内 (72)発明者 高橋 勝幸 山形県鶴岡市大字井岡字沢田104 鶴岡工 業高等専門学校内 Fターム(参考) 3H072 AA05 AA26 BB07 CC12 CC43 CC91

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定間隔だけ離間した一対の円板間に複
    数枚の羽根を前記円板の外周面接線と所定の羽根角度で
    放射状に並列して形成した羽根車と、該羽根車をノズル
    から前記円板の外周面接線方向に噴出する噴流で回転さ
    せるように構成した衝動タービンであって、前記羽根の
    枚数が20枚以下,羽根角度が40〜70度としたこと
    を特徴とする衝動タービン。
  2. 【請求項2】 前記ノズルの羽根車の軸心からの高さH
    に対する前記羽根車の直径Dの比(H/D)が0.40
    0〜0.45であることを特徴とする請求項1記載の衝
    動タービン。
  3. 【請求項3】 前記ノズルから噴出する噴流の流量を一
    定とし、前記ノズルの噴流口の断面形状を偏平としたこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の衝動タービン。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013127234A (ja) * 2011-12-19 2013-06-27 Osamu Nagao 上掛け水車
JP2014514154A (ja) * 2011-05-12 2014-06-19 アルファ・ラバル・コーポレイト・エービー 遠心分離機を備えているデバイス

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