JP2003074311A - 蒸気タービンの凝縮水滴の電荷制御装置 - Google Patents

蒸気タービンの凝縮水滴の電荷制御装置

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JP2003074311A JP2001265893A JP2001265893A JP2003074311A JP 2003074311 A JP2003074311 A JP 2003074311A JP 2001265893 A JP2001265893 A JP 2001265893A JP 2001265893 A JP2001265893 A JP 2001265893A JP 2003074311 A JP2003074311 A JP 2003074311A
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Kazuo Yoshida
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Wataru Shimizu
渡 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸気の湿度ひいては凝縮水滴径を小さしてタ
ービンの制動損失を低減し、同時にタービンの背圧を減
少できる技術として蒸気タービンの凝縮水滴電荷制御装
置を提供する。 【解決手段】 蒸気タービン発電設備においては、ボイ
ラ10内で加熱される蒸発管10aで給水を蒸気にし、
この蒸気を過熱器10bにより過熱蒸気にして高圧ター
ビン12、中圧タービン14、低圧タービン16のそれ
ぞれで蒸気のエネルギーを回転動力に変換し、この回転
動力で発電機18を駆動して発電する。低圧蒸気タービ
ン16の入り口蒸気温度が250℃以上であり、該蒸気
タービン16に供給する入り側蒸気管路16aの蒸気中
あるいはボイラ給水中にアミン類を添加するようにした
蒸気タービンの凝縮水滴の電荷制御装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電機用蒸気ター
ビンの効率向上を図り得る蒸気タービンの凝縮水滴の電
荷制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、火力発電所あるいは原子力発電
所においては原動機の蒸気タービンの発生動力により発
電機を回転駆動して電力を生み出しており、発電効率を
向上させるためには発生した蒸気のエネルギーをいかに
効率よくタービンの回転エネルギーに変換するかが重要
になっている。このような蒸気タービンの効率向上につ
いては、従来、設計段階において、蒸気条件の向上や動
翼・静翼の翼形状あるいは排気部形状の改善により実施
されてきたが、発電コスト低減等の要請からさらなる発
電効率向上が要請されている。
【0003】低圧蒸気タービンの効率は、蒸気の湿り度
の影響を受け、特に蒸気中で生成する水滴の寸法の影響
が大きい。水滴寸法が大きくなると、タービン内の蒸気
流れのエネルギー損失が大きくなり、これが蒸気タービ
ンの効率低下の一因と考えられている。水滴の成長は水
滴の合体によって生じるが、この合体の支配因子は、水
滴自身が流路で静電気を帯びる(特に正電荷を帯びる)
ことである。水滴の電荷を除荷することによって蒸気タ
ービンの効率が1〜2%向上することが知られている。
水滴の電荷(10-2C/kgオーダの電気密度)の除荷
方法としては、タービン内の蒸気流路にアースなどのネ
ットを設置する方法がある。しかしながら、この方法で
はネットによって流路抵抗が大きくなるために、タービ
ン効率を下げる方向に作用することになる。このような
流路抵抗を低減するために、流路に設置したネットに負
の電圧を付与することが考えられるが、なお、流路抵抗
の問題は残り、蒸気タービンの効率向上には不十分と考
えられる。
【0004】蒸気タービンの研究において、蒸気中の不
純物がタービンに及ぼす影響について米国EPRIで
は、AP-108184(1997年):21基の実機
タービンを用いた実験の報告、TR−108185(1
997年):実験室(モデル)タービンを用いた実験の
報告がなされている。これらの実験の結果、タービンブ
レード面上でのPTZ(Phase Transition Zone:相遷
移域)における蒸気の挙動に関する情報を得ることがで
き、添加物の蒸気の挙動に及ぼす影響についても概ね理
解を得ることができ、これらの情報は低圧タービン(火
力および原子力)ブレードの腐蝕疲労および応力腐食割
れの対策に資するものになった。
【0005】これらの成果に基づいて、(a)ブレード
の表面処理および湿り除去と、(b)蒸気化学および静
電気法による凝縮プロセスの変更について研究が開始さ
れた。タービン蒸気の電荷に関する実験は、Ukrai
na(ウクライナ)の50MWのタービン(1930年
製)を一部改造して(センサー取付け)行われた。蒸気
は正の電荷を持っており、これを接地等の方法で除去す
れば、出力が向上することが認められた。この結果を受
けて米国の800MWタービンの実験では、蒸気電荷を
正から負に変化させると、蒸気のpHは9から8.2に
変化することが報告されている。これらの結果から、最
新のタービンで蒸気電荷(静電気)の影響を確認するこ
とが必要とされ、電荷が蒸気の湿り度、タービンの効率
等に及ぼす影響を確認するプロジェクトが行われた(E
PRIレポートTR−113091;1999年)。
【0006】蒸気の水質に関する実験は、EPRIレポ
ートTR−108185で使用されたモデルタービンに
8種類の蒸気水質(リン酸塩処理および酸素処理に様々
なレベルの硫酸塩および塩化物を添加)を供給して行っ
た。これらの実験の結果、腐食性の不純物の濃縮に及ぼ
す蒸気水質の影響、ブレード上の水膜の厚さに及ぼす蒸
気水質他を明らかにした(EPRIレポートTR−11
3090;1999年)。この結果に基づき、実機ブレ
ードの水膜の調査が行われ、PTZから流れ出る2相流
が帯電していることが認められ、この詳細検討は、モデ
ルタービンを用いてさらに実験することとなった。同時
にEPRIはこれまで得られた情報に基いて次の開発に
着手した。 (a)ブレードおよびディスクの腐蝕疲労および応力腐
食割れを評価するソフトウェアーの開発 (b)高圧電場または表面張力を利用した帯電した蒸気
の電気的性質の変更 タービンブレード上の水膜形成に及ぼす蒸気の湿り度の
影響については、添加物のない純水蒸気のデータがベー
スラインとして必要であるため、モデルタービンを改造
し、純水蒸気による実験が行われた。この実験で得られ
た純水蒸気のデータ、アンモニアを含む蒸気のデータお
よびこれまでの実験データ(水処理蒸気のデータ)を比
較した結果、すべてのデータは同じ傾向を示すことが分
った。すなわち、水滴は蒸気中で均一生成し、添加物が
あったとしても不均一生成は生じない。ブレード周囲の
圧力プロフィールの測定結果から大型タービンでさえ
も、水滴生成のプロセスは変わらないことが示唆され
た。他方、添加物が不均一水滴生成の要因となる可能性
があるならば、他の無機あるいは有機不純物の影響を比
較検討すべきと考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、蒸気タ
ービンの効率向上については、蒸気条件の向上や動翼・
静翼の翼系あるいは排気部形状の改善では限界があるの
で、蒸気の湿度ひいては凝縮水滴径を小さくしてタービ
ンの制動損失を低減し、同時にタービン背圧を減少でき
る技術の実現が必要であるが、未だ、その実用化技術が
開発されていないという問題点を有していた。
【0008】本発明は、上記従来技術の問題点に着目し
てなされたもので、蒸気の湿度ひいては凝縮水滴径を小
さくしてタービンの制動損失を低減し、同時にタービン
背圧を減少できる蒸気タービンの凝縮水滴電荷制御装置
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、次の構成を有する。本発明は、蒸気タービ
ンの入り口蒸気温度が250℃以上であり、当該蒸気タ
ービンに供給する蒸気中あるいはボイラ給水中にアミン
類を添加する手段を有したことを特徴とする蒸気タービ
ンの凝縮水滴の電荷制御装置である。本発明は、蒸気タ
ービン内タービンブレードまたは蒸気流路壁面の少なく
とも一部に光電子発生材を設置しまたは被覆し、この光
電子発生材の光電子を発生させる手段を設けたことを特
徴とする蒸気タービンの凝縮水滴の電荷制御装置であ
る。本発明においては、光電子発生材が光触媒であり、
紫外光をこの光触媒に向けて照射する手段を設けて、当
該光触媒に反応を起こさせて光電子を発生させるように
したことが好適である。また、本発明においては、蒸気
タービンの排気出口通路内面に光触媒を塗布したことが
好適である。本発明は、蒸気タービンのブレードに向け
てβ壊変電子線を放射する手段を設けたことを特徴とす
る蒸気タービンの凝縮水滴の電荷制御装置である。
【0010】本発明を、具体例を挙げながら詳細に説明
する。本発明は、以下の手法で蒸気タービンにおける凝
縮水滴径を小さくすることによって、タービンの制動損
失を減少させると同時にタービン背圧を減少させる効果
を得るものである。
【0011】凝縮水滴が正電荷を有する場合。 a)アミン類の添加 ホイラ給水または蒸気にアミン類(例えば脂肪族アミ
ン)を添加すると、アミン類は熱分解して中間生成物と
してカルボキシル基を生じる。カルボキシル基の熱分解
反応は、蒸気中のラジカル(例えばOHラジカル)の存
在で容易に生じる。この熱分解の中間生成物であるカル
ボキシル基(あるいはカルボン酸)は、熱分解の過程で
RCOO-の遊離基となるのが一般的である。正の電荷
を帯びた水滴とマイナスイオンであるRCOO-の遊離
基が出会うと、水滴の正電荷を取り去る(除荷する)と
同時に、疎水性を有するアミン類の熱分解生成物が水滴
分離の核になり、水滴を小分割し、および正電荷と出会
ったときに小放電が生じて水滴の小分割を促進する。し
たがって、タービンブレードで生じた大きな水滴はアミ
ン類の熱分解生成物によってすぐに分解され、後段のタ
ービンブレードの制動損失を減少させる効果がある。ま
た、水滴を小分割することによって復水器の初期凝縮過
程において、滴状凝縮(膜状凝縮の場合より熱伝達率は
約6倍大きい)の時間を長くすることができるため、タ
ービンの背圧を減少させることができる。
【0012】b)β壊変で生じる電子線の利用 タービンブレードから正電荷を持つ水滴が生じるが、こ
の電荷はβ壊変時に放出される電子線で除去することが
可能である。β壊変で生じる電子線のエネルギーは、蒸
気中で蒸気を電離するのに十分な大きさである。この電
子線によって電離した蒸気は、タービンブレード上に生
成した水膜に付着し、水膜の正電荷を除荷すると同時に
タービンブレード面の負電荷も除荷する傾向がある。こ
の結果、タービンブレードから発生する水滴は、中和さ
れ正にも負にも帯電されないこととなる。さらに、電子
線はこの水滴をも電離させ、水滴同士の複雑な衝突を発
生させることとなる。これによって、水滴が粉砕し後段
のタービンブレードの制動損失を減少させる効果があ
る。また、水滴を小分割することによって復水器の初期
凝縮過程において、滴状凝縮(膜状凝縮の場合より熱伝
達率は約6倍大きい)の時間を長くすることができるた
め、タービンの背圧を減少させることができる。β壊変
による電子線の線源として使用可能な核種としては、β
壊変時にγ線を発生せず、β壊変後に生成する同位元素
が放射性同位元素でない、特に自然物ではRb−87、
人工物ではBe−10,C−14、Ca−145が挙げ
られる。
【0013】c)アミン類と光触媒反応によるラジカル
の併用 このケースでは、タービンブレード面に光触媒をコーテ
ィングする。このコーティングは全面を覆うものでも、
部分的にコーティングするものでも良い。光触媒のコー
ティングのない場合にタービンブレード表面から発生す
るプロトン(H +)は、光触媒反応の先行によって制限
され、光触媒の表面には荷電子帯に生成した正孔が生
じ、この強い酸化力にためOH-からOHラジカルが生
成する。このOHラジカルは水滴と共に復水器に運ばれ
るが、随伴するアミン類(例えば脂肪族アミン)の熱分解
を促進する。この場合のアミン類の熱分解温度は、蒸気
温度とほぼ同等またはそれ以下で、ボイラ、主蒸気管あ
るいは再熱蒸気管での熱分解が遅れることが望ましい。
タービンブレードから発生する水滴には、OHラジカル
が含まれていて、湿り蒸気には熱分解途中のカルボキシ
ル基またはRCOO-の遊離基を含む。OHラジカルは
これらと急速に反応し、水滴の電荷を除去すると同時に
水滴を粉砕する効果がある。これによって、水滴が粉砕
し後段のタービンブレードの制動損失を減少させる効果
がある。また、滴状凝縮(膜状凝縮の場合より熱伝達率
は約6倍大きい)の時間を長くすることができるため、
タービンの背圧を減少させる効果が期待できる。
【0014】ここで、上記a)およびb)の熱分解反応
は、蒸気中のラジカル(例えばOHラジカル)の存在で
容易に生じるものである。熱分解の中間生成物であるカ
ルボキシル基(あるいはカルボン酸)は分解の過程で、
例えばRCOO-の遊離基の形態を示すことが一般的で
ある。このマイナスイオンが水滴の正の電荷を除去す
る。カルボキシル基は、更に、熱分解による脱炭酸反応
を起こす。カルボン酸がRCOOHの場合には、熱分解
最終生成物は不安定かつ危険物(可燃性ガス等)となる
恐れがある。したがって、熱分解最終生成物は安定な有
機物であるべきである。更に、530℃以上で運転され
る事業用蒸気タービンと290℃前後で運転される自家
用蒸気タービンでは、熱分解温度が異なる有機物を使用
することが望ましい。すなわち、事業用蒸気タービンの
蒸気流路に熱分解温度が低い有機物だけを注入して、水
滴の正の電荷を除荷しても、その直後に帯電する可能性
がある。このため、上記a)およびb)においては、最
終熱分解生成物が安定な有機物として、アミノ基(NH
2)やイミノ基(NH)を有するアミン類(例えばアル
キルアミン)を挙げた。高級アミン(C10以上)は熱分
解温度が低く(例えば、C18では、熱分解温度は約25
0℃)、低級アミンの熱分解温度は高く(例えば、
6)では熱分解温度は約560℃)、事業用蒸気ター
ビンにおける蒸気温度でも熱分解しないものがある。
【0015】上記a)およびb)においては、これらの
アミン類を単独または組み合わせで、水滴電荷除荷用の
注入剤として用いている。注入量は、蒸気流量中の予測
水滴量の電気量に相当する量を相殺する量以上とする。
電子の電荷は、約1.6022×10-19Cであるか
ら、水滴の電荷(10-2C/kgオーダの電荷密度)を
除荷するためには、約0.624×1017個のアミン分
子が最低必要となる。アミン注入量は、蒸気流量中の予
測水滴量と注入アミン種を考慮して計算で求めることと
なる。
【0016】水滴が負電荷を有する場合 a)光触媒反応で生じるラジカルの利用 低圧蒸気タービンの出口のフード近傍を流れる蒸気水滴
が、負電荷を帯びている場合、この蒸気水滴の存在下で
光触媒(例;酸化チタン)反応を生じさせると、価電子
帯に生成した正孔は、強い酸化力を持つためOH-から
OHラジカルを生成する。このOHラジカルは、負の電
荷を持つ蒸気水滴と反応して水滴の電荷を除電する。ラ
ジカルと負電荷を持つ水滴との反応はラジカルと水滴が
接触した途端に爆発的に生じるため、この時に水滴の小
分割が生じる。この場合には、滴状凝縮(膜状凝縮の場
合より熱伝達率は約6倍大きい)の時間を長くすること
ができるため、タービン背圧を減少させることができる
効果のみが期待できる。光触媒は低圧蒸気タービンの排
気口の内面側の塗布しておき、光は波長410nm以下
の紫外光(例えば、キセノンランプ光)を光ファイバー
で排気口内面に導けば良い。なお、光は光触媒前面に照
射する必要がある。
【0017】なお、前記した米国EPRIの研究発表に
よれば、次のようなものが研究されているが、何れも実
用には至っていない。 界面活性剤としてオクタデシルアミン(ODA)を入
り口蒸気温度200℃以下の蒸気タービン内の蒸気流路
に注入する。 正電荷を持つ凝縮水滴には、プロトン(H+)が随伴
しているため、これに高電圧(強い高電圧と接地極との
間の電場)を付与する。この場合、電場中でのプロトン
の急激な運動によって蒸気水滴が粉砕され、粉砕された
蒸気核の凝縮熱伝達率が改善され、タービンの背圧が減
少する。同時に電場が蒸気核の流動を整流する効果があ
るため、更にタービン背圧が減少する。
【0018】本発明は、タービン蒸気中にアミン類(例
えば脂肪族アミン)を添加するものであるが、上記と
は、効率向上に至る過程が異なるものになる。すなわ
ち、脂肪族アミンの一種であるODAの分解温度は25
0℃であるため、入り口蒸気温度が200数℃以下の蒸
気タービン内では熱分解が生じない。このため、上記
の場合、ODAの疎水性を利用して、タービンブレード
からの水膜の剥離を促進することによってタービン効率
を向上させると言う点で、本発明とは全く異なるもので
ある。また、本発明は上記とは水滴径を減少させるた
めの手法が異なっている。上記の場合、上記流路の抵
抗が大きくなりタービン効率の向上は期待できない。そ
して、のいずれも、実用化には至っていない。本発
明は、このようなの問題点を解消したものであり、
実用化が容易であり、また、蒸気タービンの効率向上を
設計段階における各部形状の改善からさらなる効率向上
を達成し得るものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図に基づき本発明の実施の
形態を詳細に説明する。図1は本発明の実施形態に適用
する蒸気タービン発電設備の蒸気サイクルにおいての電
荷制御装置の設置状態の説明図、図2は他の電荷制御装
置の設置状態の説明図である。
【0020】図1の蒸気タービン発電設備においては、
ボイラ10内で加熱される蒸発管10aで給水を蒸気に
し、この蒸気を過熱器10bにより過熱蒸気にして高圧
タービン12に供給する。そして、高圧タービン12を
出た蒸気を再熱器10cで温度を高めて中圧タービン1
4に送り、中圧タービン14を出た蒸気を低圧タービン
16に送る。それぞれのタービン12,14,16で蒸
気のエネルギーを回転動力に変換し、この回転動力で発
電機18を駆動して発電する。低圧タービン16から排
出された蒸気は、復水器20で復水し復水ポンプ22で
給水として低圧給水加熱器24に送られる。この加熱器
24では、低圧タービン16の途中の抽気で給水を加熱
し脱気器26に送る。脱気器26では、中圧タービン1
4の途中の抽気で給水を直接加熱し酸素や炭酸ガスを抜
く(脱気)。脱気された給水を給水ポンプ28で高圧給
水加熱器30に送り、この加熱器30では中圧タービン
14の抽気と高圧タービン12の排気により給水を加熱
してボイラ10に送る。
【0021】上記のような蒸気サイクルの蒸気タービン
発電設備において、実施形態1の電荷制御装置はアミン
類を低圧タービン16への入り側蒸気管路16aの蒸気
中にアミン類を注入・添加し、あるいは、復水ポンプ2
2出側の給水にアミン類を注入・添加する。
【0022】アミン類の例を次表に挙げる。
【表1】
【0023】低圧蒸気タービン16は、詳細には、図2
に示すように、概略鼓形状のケーシング32内壁に複数
の静翼34が固定され、複数の動翼36がロータ軸38
を中心に回転可能に設置され、静翼34と動翼36がロ
ータ軸38方向に一つおきに配列される。実施形態2で
は、ケーシング内壁にβ壊変電子線源40が蒸気の流れ
方向途中に設置され、蒸気に向けてβ壊変電子線を照射
するようになっている。また、実施形態3では、タービ
ンの静翼34および/または動翼36のブレードには、
光電子を発生する光触媒の代表的な酸化チタンTiO2
を塗布あるいは被覆する。そして、酸化チタンTiO2
を塗布、または、被覆部分42に紫外光(例えばキセノ
ン球の発生光)を照射する光源44を設置する。この光
は光源より直接照射しあるいは光ファイバで導光しても
良い。
【0024】
【発明の効果】以上説明したとおり、この発明によれば
蒸気の湿度ひいては凝縮水滴径を小さくしてタービンの
制動損失を低減し同時にタービンの背圧を減少すること
により、タービンの効率を向上できる技術としての蒸気
タービンの凝縮水滴電荷制御技術あるいは方法を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に適用する蒸気タービン発電
設備の蒸気サイクルにおいての電荷制御装置の設置状態
の説明図である。
【図2】他の電荷制御装置の設置状態の説明図である。
【符号の説明】
10 ボイラ 16 低圧タービン 20 復水器 22 復水ポンプ 28 給水ポンプ 32 ケーシング 34 静翼 36 動翼 40 β壊変電子線源 42 光触媒 44 光源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西井 俊明 神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎一丁目9番88号 電源開発株式会社茅ヶ崎研究センター内 (72)発明者 吉田 和夫 神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎一丁目9番88号 開発電気株式会社茅ヶ崎技術センター内 (72)発明者 清水 渡 神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎一丁目9番88号 株式会社電発環境緑化センター茅ヶ崎出張 所内 (72)発明者 林 弘二 神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎一丁目9番88号 株式会社電発環境緑化センター茅ヶ崎出張 所内 Fターム(参考) 3G081 BA02 BB03 BC04 BD00 4G069 AA02 BA04A BA04B BA48A CD10 EA11 EE07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸気タービンの入り口蒸気温度が250
    ℃以上であり、当該蒸気タービンに供給する蒸気中ある
    いはボイラ給水中にアミン類を添加する手段を有したこ
    とを特徴とする蒸気タービンの凝縮水滴の電荷制御装
    置。
  2. 【請求項2】 蒸気タービン内タービンブレードまたは
    蒸気流路壁面の少なくとも一部に光電子発生材を設置し
    または被覆し、この光電子発生材の光電子を発生させる
    手段を設けたことを特徴とする蒸気タービンの凝縮水滴
    の電荷制御装置。
  3. 【請求項3】 光電子発生材が光触媒であり、紫外光を
    この光触媒に向けて照射する手段を設けて、当該光触媒
    に反応を起こさせて光電子を発生させるようにしたこと
    を特徴とする請求項2に記載の蒸気タービンの凝縮水滴
    の電荷制御装置。
  4. 【請求項4】 蒸気タービンの排気出口通路内面に光触
    媒を塗布したことを特徴とする請求項2または3に記載
    の蒸気タービンの凝縮水滴の電荷制御装置。
  5. 【請求項5】 蒸気タービンのブレードに向けてβ壊変
    電子線を放射する手段を設けたことを特徴とする蒸気タ
    ービンの凝縮水滴の電荷制御装置。
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