JP2003074308A

JP2003074308A - ガスタービン

Info

Publication number: JP2003074308A
Application number: JP2001265582A
Authority: JP
Inventors: Hideaki Sugishita; 秀昭椙下
Original assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Current assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date: 2001-09-03
Filing date: 2001-09-03
Publication date: 2003-03-12

Abstract

(57)【要約】【課題】アウトレットガイドベーンとディフューザを
有するガスタービンの圧損を改善し効率の向上したガス
タービンを提供すること。【解決手段】ガスタービンを、最終段動翼の下流側に
ディフューザが設けられ、同最終段動翼と同ディフュー
ザとの間にガスタービンの中心軸を囲むようにアウトレ
ットガイドベーンが複数設けられたガスタービンにおい
て、同アウトレットガイドベーンの前縁翼高さに対して
後縁翼高さが大きく設定されてなるように構成し、最終
段動翼の出口における駆動ガスの流出速度に対して、デ
ィフューザの入口の駆動ガス流入速度を低下させて、デ
ィフューザの圧損を低減し、タービン効率を向上した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、改良されたアウト
レットガイドベーンを備えたガスタービンに関する。

【０００２】

【従来の技術】図６と図７に基づき従来のアウトレット
ガイドベーンを備えたガスタービンにつき説明する。図
６は本発明に係る従来のガスタービンの要部の説明図で
あり、、最終段動翼前後の縦断面を模式的に示すもので
ある。また、図７は最終段動翼前後の速度三角図であ
る。

【０００３】図６に示すように、従来、ガスタービン０
１０の最終段動翼０１の下流側には、動圧回収のためデ
ィフューザ０２が設けられ、最終段動翼０１とディフュ
ーザ０２との間にガスタービン０１０の中心軸Ｘを囲む
ように、中心軸Ｘへ向けてアウトレットガイドベーン０
３が複数設けられるものがある。

【０００４】ガスタービン０１０の駆動ガスａは、上流
部の図示しない燃焼器から図６に一部示される中心軸Ｘ
回りに設けられた多段の静翼と動翼を通り、図６中の静
翼０４、最終段動翼０１を通過後、アウトレットガイド
ベーン０３を経て中心軸Ｘ回りの環状断面流路をなすデ
ィフューザ０２により放出される。

【０００５】駆動ガスａの静翼０４での絶対流出速度Ｖ
１、相対流出速度Ｖ１’と最終段動翼０１の周速Ｖの関
係、および最終段動翼０１での絶対流出速度Ｖ２、相対
流出速度Ｖ２’と最終段動翼０１の周速Ｖの関係は、図
７の速度三角図に示されるようになっており、最終段動
翼１を出る駆動ガスａの絶対流出速度Ｖ２の方向は、中
心軸Ｘ方向に対して必ずしも一致せず、中心軸Ｘ方向に
対しスワール角αを有する場合があるが、駆動ガスａは
圧損上、ディフューザ０２に入る段階で中心軸Ｘ方向の
速度Ｖ０を有することが好ましい。

【０００６】そのため、ディフューザ０２へ入る駆動ガ
スａの速度Ｖ０の方向を中心軸Ｘ方向に整流するため
に、アウトレットガイドベーン０３が設けられるもので
ある。

【０００７】図６中、Ａ１はアウトレットガイドベーン
０３の前縁、すなわち最終段動翼０１出口における駆動
ガスａの環状断面流路の環状面積、Ａ２はアウトレット
ガイドベーン０３の後縁、すなわちディフューザ０２の
入口における駆動ガスａの環状断面流路の環状面積、Ａ
３はディフューザ０２の出口における駆動ガスａの環状
断面流路の環状面積である。またｈ１はアウトレットガ
イドベーン０３の前縁における翼高さ（ガスタービン半
径方向の翼の長さ）、ｈ２はアウトレットガイドベーン
０３の後縁翼高さである。なお、前縁翼高さｈ１と後縁
翼高さｈ２は、最終段動翼の後縁翼高さに略等しい。

【０００８】ディフューザ０２は、最終段動翼０１の出
口での環状断面流路の環状面積Ａ１に対して、駆動ガス
ａから最適な動圧回収を得るように、その出口の環状面
積Ａ３を設定されている。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のアウトレットガイドベーン０３は、最終段動翼
０１の下流側に前縁翼高さｈ１と後縁翼高さｈ２とを略
同じくする静翼を設けたのに等しく、ディフューザ０２
における圧損については、なお改善の余地があった。本
発明はかかる従来のアウトレットガイドベーンとディフ
ューザを有するガスタービンの圧損を改善し効率の向上
したガスタービンを提供することを課題とするものであ
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】（１）本発明は、上記の
課題を解決するためになされたものであり。その第１の
手段として、最終段動翼の下流側にディフューザが設け
られ、同最終段動翼と同ディフューザとの間に、ガスタ
ービンの中心軸を囲むようにアウトレットガイドベーン
が複数設けられたガスタービンにおいて、前記アウトレ
ットガイドベーンの前縁翼高さに対して後縁翼高さが大
きく設定されてなることを特徴とするガスタービンを提
供する。

【００１１】第１の手段によれば、最終段動翼の出口に
おける駆動ガスの流出速度に対して、ディフューザの入
口の駆動ガス流入速度を低下させることができる。

【００１２】（２）第２の手段としては、第１の手段の
ガスタービンにおいて、前記アウトレットガイドベーン
の後縁における駆動ガスの環状断面流路の環状面積を、
前記最終段動翼の出口の環状面積に対し設定される前記
ディフューザの出口の環状面積と等しく設定してなるこ
とを特徴とするガスタービンを提供する。

【００１３】第２の手段によれば、第１の手段の作用に
加え、ディフューザの圧損が最小になり、アウトレット
ガイドベーンとディフューザの合計圧損が低減する。

【００１４】（３）また、第３の手段として、第２の手
段のガスタービンにおいて、前記ディフューザを設けな
いことを特徴とするガスタービンを提供する。

【００１５】第３の手段によれば、第２の手段の作用に
加え、アウトレットガイドベーン自体が設置すべき所定
のディフューザの作用効果を奏して動圧の回収を行い、
また、ディフューザを設けないので、流体摩擦等の僅か
な圧損もなくなる。

【００１６】（４）第４の手段として、第３の手段のガ
スタービンにおいて、前記複数のアウトレットガイドベ
ーンの一部を前縁側のみの幅の狭い狭幅アウトレットガ
イドベーンに置き換えてなることを特徴とするガスター
ビンを提供する。

【００１７】第４の手段によれば、第３の手段の作用に
加え、アウトレットガイドベーン３の整流作用を損なわ
ないまま、機体重量の増加を防止できる。

【００１８】

【発明の実施の形態】図１に基づき本発明の第１形態に
係るガスタービンを説明する。図１は本実施の形態のガ
スタービンの要部の説明図であり、最終段動翼前後の縦
断面を模式的に示すものである。

【００１９】図１に示すように、ガスタービン１０の最
終段動翼１の下流側には、動圧回収のためディフューザ
２が設けられる。最終段動翼１とディフューザ２との間
にガスタービン１０の中心軸Ｘを囲むように、中心軸Ｘ
へ向けてアウトレットガイドベーン３が複数設けらてい
る。

【００２０】本実施の形態は、アウトレットガイドベー
ン３の前縁翼高さｈ１に対して、後縁翼高さｈ２が大き
く設定されている点に特徴があり、その他は図６に示し
説明した従来例と同様である。

【００２１】以上のような本実施の形態においては、ア
ウトレットガイドベーン３の前縁翼高さｈ１に対して、
後縁翼高さｈ２が大きく設定されているので後縁側の環
状断面流路の環状面積Ａ２が前縁側の環状断面流路の環
状面積Ａ１より大きくなり、最終段動翼１の出口におけ
る駆動ガスａの絶対流出速度Ｖ２に対して、アウトレッ
トガイドベーン３の出口流出速度（すなわち、ディフュ
ーザ２入口の流入速度Ｖ０を低下させることができる。

【００２２】ディフューザ２の圧損は、駆動ガスａのデ
ィフューザ２入口の流入速度Ｖ０に略比例するため、本
実施の形態のガスタービン１０は、ディフューザ２の流
入速度Ｖ０の低下に伴い、ディフューザ２の圧損が低減
し、タービン効率が向上する。

【００２３】図２および図３に基づき本発明の第２形態
に係るガスタービンを説明する。図２は本実施の形態の
ガスタービンの要部の説明図であり、最終段動翼前後の
縦断面を模式的に示すものである。図３は、ガスタービ
ンにおけるアウトレットガイドベーンおよびディフュー
ザでの圧損と、ディフューザの入口の環状面積との関係
を示すものである。

【００２４】本実施の形態のガスタービン１０’は、デ
ィフューザ２’の出口の環状面積Ａ３を、最終段動翼１
の出口すなわちアウトレットガイドベーン３’の前縁の
環状面積Ａ１に対して最適な動圧回収を得るように設定
し、アウトレットガイドベーン３’の後縁すなわちディ
フューザ２’の入口における駆動ガスの環状断面流路の
環状面積Ａ２を、ディフューザ２’の出口の環状面積Ａ
３と等しく設定したものである。

【００２５】図３に示すように、一般にディフューザの
圧損Δｐ１はディフューザの入口における駆動ガスａの
環状断面流路の環状面積Ａ２が、ディフューザの出口に
おける駆動ガスａの環状断面流路の環状面積Ａ３と等し
くなる点で最小となるカーブを描く。一方、アウトレッ
トガイドベーンの３’の圧損Δｐ２は環状面積Ａ２の増
加につれて緩く漸増するカーブを描く。

【００２６】したがって、アウトレットガイドベーンの
圧損Δｐ２とディフューザの圧損Δｐ１の合計圧損Δｐ
ｔは、環状面積Ａ２を、環状面積Ａ３と概ね等しくした
時（Ａ２＝Ａ３）最小となる。

【００２７】本実施の形態は、そのことを見出して構成
されており、本実施の形態のガスタービン１０’は、デ
ィフューザ２’の圧損が低減し、タービン効率がより向
上する。

【００２８】図４に基づき本発明の第３形態に係るガス
タービンを説明する。図４は本実施の形態のガスタービ
ンの要部の説明図であり、最終段動翼前後の縦断面を模
式的に示すものである。

【００２９】本実施の形態のガスタービン１０”は、ア
ウトレットガイドベーン３”の後縁の環状断面流路の環
状面積Ａ２を、前述の実施の第２形態と同様に最終段動
翼１の出口の環状断面流路の環状面積Ａ１に対して設定
されるディフューザの出口の環状断面流路の環状面積Ａ
３と等しく設定した上で、且つ、実際にはディフューザ
を設けることを省いたものである、すなわち、アウトレ
ットガイドベーン３”の後縁の環状断面流路が拡大し、
その環状面積Ａ２がＡ３となった点で、上述の実施の第
２形態のディフューザ２’による動圧回収と同等の動圧
回収が行われていることを踏まえて、さらにその下流側
にあえてディフューザ２’を設けることを省いたもので
ある。

【００３０】本実施の形態のガスタービン１０”は、ア
ウトレットガイドベーン３”自体が設置すべき所定のデ
ィフューザ２’の作用効果を奏して動圧の回収を行うの
で、上記実施の第２形態のガスタービン１０’と同じ動
圧の回収を得られるとともに、ディフューザ２’におけ
る流体摩擦等の僅かな圧損もなくなりタービン効率が向
上する他、ディフューザ部分が無くなることによる部材
低減、重量低減、スペース改善等の作用効果も得られる
ものとなる。

【００３１】図５により実施の第３形態の変形例を説明
する。図５は本変形例のガスタービンの要部の説明図で
あり、最終段動翼前後の縦断面を模式的に示すものであ
る。

【００３２】本変形例のガスタービン１０ａ”は、図５
に示すように中心軸Ｘ回りに配置された複数のアウトレ
ットガイドベーン３”の一部、例えば一つ置きにアウト
レットガイドベーン３”を翼幅（前縁から後縁迄の長
さ）を短くした狭幅アウトレットガイドベーン３ａ”に
置き換えたものである。

【００３３】すなわち、実施の第３形態においては、ア
ウトレットガイドベーン３”の後縁おける環状断面流路
の環状面積Ａ２を、最終段動翼１の出口の環状断面流路
の環状面積Ａ１に対して設定されるディフューザの出口
の環状断面流路の環状面積Ａ３と等しく設定しているの
で、概してアウトレットガイドベーン３”の翼幅が大き
くなり、装置重量、製造コストを増大させる要因として
働くが、アウトレットガイドベーン３”の整流作用は翼
の前縁側がほとんど寄与していることを見いだした。

【００３４】そこでなされたのが本変形例であり、図５
に示すように、複数のアウトレットガイドベーン３”の
内の一部を翼幅を翼前縁側の部分のみとし、後縁側を欠
いて短くした狭幅アウトレットガイドベーン３ａ”に置
き換えたものである。

【００３５】本変形例によれば、アウトレットガイドベ
ーン３”の整流作用を損なわないまま、機体重量の増加
を防止でき、ガスタービン１０ａ”の製造コストを低減
できるものとなる。

【００３６】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、
本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えて
もよいことは言うまでもない。

【００３７】

【発明の効果】（１）請求項１の発明によれば、ガスタ
ービンを、最終段動翼の下流側にディフューザが設けら
れ、同最終段動翼と同ディフューザとの間に、ガスター
ビンの中心軸を囲むようにアウトレットガイドベーンが
複数設けられたガスタービンにおいて、前記アウトレッ
トガイドベーンの前縁翼高さに対して後縁翼高さが大き
く設定されてなるように構成したので、最終段動翼の出
口における駆動ガスの流出速度に対して、ディフューザ
の入口の駆動ガス流入速度を低下させることができ、デ
ィフューザの圧損が低減し、タービン効率の向上する。

【００３８】（２）請求項２の発明によれば、請求項１
に記載のガスタービンにおいて、前記アウトレットガイ
ドベーンの後縁における駆動ガスの環状断面流路の環状
面積を、前記最終段動翼の出口の環状面積に対し設定さ
れる前記ディフューザの出口の環状面積と等しく設定し
てなるように構成したので、請求項１の発明の効果に加
え、ディフューザの圧損が最小になり、アウトレットガ
イドベーンとディフューザの合計圧損が低減し、タービ
ン効率がより向上する。

【００３９】（３）請求項３の発明によれば、請求項２
に記載のガスタービンにおいて、前記ディフューザを設
けないようにしたので、請求項２の発明の効果に加え、
アウトレットガイドベーン自体が設置すべき所定のディ
フューザの作用効果を奏して動圧の回収を行い、ディフ
ューザを設けないので、流体摩擦等の僅かな圧損もなく
なりタービン効率が向上する他、部材低減、重量低減、
スペース改善等の作用効果も得られるものとなる。

【００４０】（４）請求項４の発明によれば、請求項３
に記載のガスタービンにおいて、前記複数のアウトレッ
トガイドベーンの一部を前縁側のみの幅の狭い狭幅アウ
トレットガイドベーンに置き換えてなるように構成した
ので、請求項３の発明の効果に加え、アウトレットガイ
ドベーンの整流作用を損なわないまま、機体重量の増加
を防止でき、ガスタービンの製造コストを低減できるも
のとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の第１形態に係るガスタービンの
要部の説明図であり、最終段動翼前後の縦断面を模式的
に示す。

【図２】本発明の実施の第２形態に係るガスタービンの
要部の説明図であり、最終段動翼前後の縦断面を模式的
に示す。

【図３】ガスタービンにおけるアウトレットガイドベー
ンおよびディフューザでの圧損とディフューザ入口の環
状面積との関係図である。

【図４】本発明の実施の第３形態に係るガスタービンの
要部の説明図であり、最終段動翼前後の縦断面を模式的
に示す。

【図５】本発明の実施の第３形態の変形例に係るガスタ
ービンの要部の説明図であり、最終段動翼前後の縦断面
を模式的に示す。

【図６】本発明の従来例のガスタービンの要部の説明図
であり、最終段動翼前後の縦断面を模式的に示す。

【図７】ガスタービンの最終段動翼前後の速度三角図で
ある。

【符号の説明】

１最終段動翼２、２’ ディフューザ３、３’、３” アウトレットガイドベーン３ａ” 狭幅アウトレットガイドベ
ーン４静翼１０、１０’、１０” ガスタービン１０ａ” ガスタービン

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】最終段動翼の下流側にディフューザが設
けられ、同最終段動翼と同ディフューザとの間に、ガス
タービンの中心軸を囲むようにアウトレットガイドベー
ンが複数設けられたガスタービンにおいて、前記アウト
レットガイドベーンの前縁翼高さに対して後縁翼高さが
大きく設定されてなることを特徴とするガスタービン。
【請求項２】請求項１に記載のガスタービンにおい
て、前記アウトレットガイドベーンの後縁における駆動
ガスの環状断面流路の環状面積を、前記最終段動翼の出
口の環状面積に対し設定される前記ディフューザの出口
の環状面積と等しく設定してなることを特徴とするガス
タービン。
【請求項３】請求項２に記載のガスタービンにおい
て、前記ディフューザを設けないことを特徴とするガス
タービン。
【請求項４】請求項３に記載のガスタービンにおい
て、前記複数のアウトレットガイドベーンの一部を前縁
側のみの幅の狭い狭幅アウトレットガイドベーンに置き
換えてなることを特徴とするガスタービン。