JP2003073256A - 用時混合型洗浄剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】良好な使用性、使用感、及び有効成分の保存安
定性を有する洗浄剤組成物を提供する事。 【解決手段】次の組成物、（Ａ）水不溶性もしくは水溶
性粉体に有効成分を含浸もしくは混合してある粉末状組
成物、（Ｂ）少なくとも一つ以上の洗浄剤を含有する液
状もしくはペースト状の組成物をそれぞれ一つ以上を使
用時に混合することを特徴とする用時混合型洗浄剤組成
物。更に組成物（Ａ）の有効成分が、酵素である事を特
徴とする用時混合型洗浄剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は洗浄剤組成物に関
し、更に詳しくは、使用性、使用感、及び有効成分の保
存安定性が良好である用時混合型洗浄剤組成物に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、洗浄剤組成物においては、そ
の目的や用途に応じて、起泡性や洗浄力などを考慮し、
各種の界面活性剤などの原料を選択し、それらを組み合
わせることにより、要求品質を満たす製品開発の検討が
なされてきた。なかでも、酵素や殺菌剤、消炎剤といっ
た有効成分の配合された洗浄剤組成物も様々なものが提
案されており、使用時にそれらの持つ有効性が十分に発
揮されるように工夫されてきた。例えば、酵素について
は、洗顔パウダーの洗浄基材にポリアクリル酸ナトリウ
ム及び微生物起源の蛋白質分解酵素を混入し、洗顔パウ
ダーを製造することにより、酵素の安定化を図る提案と
して、特公平４―５４６４５号等があった。

【０００３】しかしながら、上記のような洗顔パウダー
においては、製剤としての制約上、洗浄成分の種類、配
合量に制限があり、泡立ちなどの使用性の満足なものが
得られなかった。また、グリセリンのような保湿剤やス
クワランのようなエモリエント剤の多量の配合は極めて
難しく、使用後の肌に十分なしっとり感や保湿感を付与
することが困難であった。一方、水性基材中に酵素を配
合すると保存安定性が悪くなり酵素が失活してしまう場
合があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、良好な使用
性、使用感、及び有効成分の保存安定性を有する洗浄剤
組成物を提供する事をその課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者は上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、
水不溶性もしくは水溶性粉体に有効成分を含浸もしくは
混合してある粉末状組成物及び少なくとも一つ以上の洗
浄剤を含有する液状もしくはペースト状の組成物を使用
時に混合して使用することにより、良好な使用性、使用
感、及び有効成分の保存安定性を有する洗浄剤組成物が
得られる事を見いだし、本発明を完成させた。

【０００６】すなわち本発明は、次の組成物、（Ａ）水
不溶性もしくは水溶性粉体に有効成分を含浸もしくは混
合してある粉末状組成物、（Ｂ）少なくとも一つ以上の
洗浄剤を含有する液状もしくはペースト状の組成物をそ
れぞれ一つ以上を使用時に混合することを特徴とする用
時混合型洗浄剤組成物である。更に、組成物（Ａ）の有
効成分が、酵素である用時混合型洗浄剤組成物である。
更に、組成物（Ｂ）に保湿剤及び/又はエモリエント剤
の少なくとも一種又は二種以上を含有する用時混合型洗
浄剤組成物である。更に、組成物（Ｂ）の洗浄剤として
アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤もしくはノニ
オン性界面活性剤をそれぞれ少なくとも一種又は二種以
上を含有する用時混合型洗浄剤組成物である。更に、組
成物（Ｂ）の洗浄剤としてアルキル硫酸エステル塩、ポ
リオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、脂肪酸塩、
Ｎ−アシルアミノ酸型界面活性剤、α−スルホ脂肪酸
塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、アルキロイルタ
ウリン塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルヒ
ドロキシエーテルカルボン酸、アルキルリン酸塩、スル
ホコハク酸エステル塩などのアニオン性界面活性剤及び
イミダゾリン型両性界面活性剤もしくは脂肪酸アルカノ
ールアミドをそれぞれ少なくとも一種又は二種以上を含
有する用時混合型洗浄剤組成物である。更に、洗顔料の
提供を目的とする用時混合型洗浄剤組成物である。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
本発明に用いられる組成物（Ａ）の有効成分は、洗浄、
消炎、殺菌、美白、養毛などの効果を発揮させることを
目的として含有されるものである。

【０００８】本発明に用いられる組成物（Ａ）の有効成
分の具体例としては、リパーゼ、プロテアーゼ、パパイ
ン等の酵素類、イソプロピルメチルフェノール、サリチ
ル酸、トリクロサン、塩化ベンザルコニウム等の殺菌
剤、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体
等の消炎剤、アスコルビン酸誘導体やトコフェロール類
やレチノールなどのビタミン類、イチョウエキスなどの
養毛成分、アラントイン、イオウなどが挙げられる。こ
れらの中でも、保存安定性の改良効果が著しいものとし
て、酵素を例示する事ができる。

【０００９】本発明において、組成物（Ａ）中の有効成
分の含有量は、特に限定されるものではないが、全組成
中０．０００１〜２０質量％（以下、単に％と略記す
る）が好ましく、さらに０．００１〜１０％がより好ま
しい。

【００１０】本発明に用いられる組成物（Ａ）の水不溶
性もしくは水溶性粉体は、粉末状組成物を構成する上で
必須の成分である。水不溶性もしくは水溶性粉体は、有
効成分を安定に保持し、また使用性（組成物（Ｂ）との
混合性）を向上する目的で配合されるものである。

【００１１】本発明に用いられる組成物（Ａ）の水不溶
性もしくは水溶性粉体は、特に限定されるものではない
が、水不溶性粉体の具体例としては、タルク、カオリ
ン、マイカ、無水ケイ酸、ベントナイトやスメクタイト
などの粘土鉱物、酸化チタン、酸化亜鉛、雲母チタン、
炭酸カルシウム等の無機粉体、ポリアクリル酸ナトリウ
ム、ナイロン末、スチレン末、ウレタン末、シリコンエ
ラストマー、結晶セルロースなどの有機粉体が挙げられ
る。また水溶性粉体の具体例としては、デンプン、デキ
ストリン、ショ糖などの糖類、食塩などの無機塩類が挙
げられる。これらの中でも、使用性及び保存安定性の点
から、タルク、カオリン、マイカ、無水ケイ酸、ベント
ナイト、ポリアクリル酸ナトリウム、ナイロン末、結晶
セルロース、デキストリン、デンプンが好ましい例とし
て挙げられる。

【００１２】本発明に用いられる組成物（Ｂ）は、使用
時に優れた洗浄効果を付与することを目的とし、少なく
とも一つ以上の洗浄剤を含有するものである。本発明で
は、用事混合型として粉末状組成物から分けたことか
ら、洗浄剤の種類及び含有量の制限が無くなり、従来の
洗顔パウダーなどの粉末状洗浄剤組成物に比べて、洗浄
効果や泡立ちなどの使用性が著しく向上している。

【００１３】本発明に用いられる組成物（Ｂ）の洗浄剤
は、特に限定されないが、具体的に例示するのであれ
ば、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン
性界面活性剤、カチオン性界面活性剤などが挙げられ
る。アニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸エス
テル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、
アルキルアミド硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、脂肪酸塩、Ｎ−アシルアミノ酸型界面活性剤、α−
オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、アルキ
ロイルアルキルタウリン塩、アルキロイルタウリン塩、
アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルヒドロキシエ
ーテルカルボン酸、アルキルリン酸塩、アルキルアミド
リン酸塩、スルホコハク酸エステル塩等の骨格を有する
ものが挙げられ、アルキル基、アルキロイル基として
は、直鎖状、分岐状、不飽和結合等を有していてもよ
く、その炭素数は１〜２８であり、ポリオキシエチレン
基も１〜１０重合したものを各々選択する事が可能であ
る。またその対塩基としては、ナトリウム、カリウム等
のアルカリ金属、アルカノールアミン、アンモニウム、
塩基性アミノ酸等の有機塩基が挙げられる。この中で
も、より優れた洗浄効果を得られることから、アルキル
硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エス
テル塩、脂肪酸塩、Ｎ−アシルアミノ酸型界面活性剤、
α−オレフィンスルホン酸塩、アルキロイルアルキルタ
ウリン塩、アルキロイルタウリン塩、アルキルエーテル
カルボン酸塩、アルキルヒドロキシエーテルカルボン
酸、アルキルリン酸塩、スルホコハク酸エステル塩を好
ましいものとして例示することができる。更に具体的に
は、ヤシ油脂肪酸塩、Ｎ−ヤシ油脂肪酸アシルグリシン
塩、Ｎ−ヤシ油脂肪酸グルタミン酸塩、ヤシ油脂肪酸ア
シルメチルタウリン塩、テトラデセンスルホン酸塩、ポ
リオキシエチレンラウリルエーテル酢酸塩等が挙げられ
る。

【００１４】両性界面活性剤としては、酢酸ベタイン型
両性界面活性剤、アミドアルキルベタイン型両性界面活
性剤、イミダゾリン型両性界面活性剤などのアミノ酸型
両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤など
が挙げられる。具体的な例では、酢酸ベタイン型界面活
性剤としてはオクチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラ
ウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチ
ルアミノ酢酸ベタイン、セチルジメチルアミノ酢酸ベタ
イン、ヤシ油脂肪酸ジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウ
リルジヒドロキシエチルアミノ酢酸ベタイン、セチルジ
ヒドロキシエチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
また、アミドアルキルベタイン型両性界面活性剤として
は、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸
アミドプロピルベタイン、ミリスチン酸アミドプロピル
ベタイン等が挙げられる。また、アミノ酸型両性界面活
性剤としては、Ｎ−ヤシ油脂肪酸アシル−Ｎ−カルボキ
シメチル−Ｎ−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナト
リウム、Ｎ−ヤシ油脂肪酸アシル−Ｎ−カルボキシメト
キシエチル−Ｎ−カルボキシメチルエチレンジアミン二
ナトリウム、２−アルキル−Ｎ−カルボキシメチル−Ｎ
−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミ
ダゾリン型両性界面活性剤やアルキルイミノジプロピオ
ン酸塩、アルキルイミノジ酢酸塩、Ｎ−〔３−アルキル
（１２，１４）オキシ−２−ヒドロキシプロピル〕−Ｌ
−アルギニン塩酸塩などが挙げられる。また、スルホベ
タイン型両性界面活性剤としては、ラウリルヒドロキシ
スルホベタイン、Ｎ−脂肪酸アミドプロピル−Ｎ，Ｎ−
ジメチルアンモニウム−Ｎ−（２−ヒドロキシプロピ
ル）スルホン酸塩、Ｎ−アルキル−Ｎ，Ｎ−ジメチルア
ンモニウム−Ｎ−（２−ヒドロキシプロピル）スルホン
酸塩、Ｎ−アルキル−Ｎ，Ｎ−ジメチルアンモニウム−
Ｎ−プロピルスルホン酸塩等が挙げられる。これらの中
でも、アニオン性界面活性剤と併用したときに洗浄効果
および泡立ち向上効果の高いものとして、２−アルキル
−Ｎ−カルボキシメチル−Ｎ−ヒドロキシエチルイミダ
ゾリニウムベタイン、Ｎ−ヤシ油脂肪酸アシル−Ｎ−カ
ルボキシメトキシエチル−Ｎ−カルボキシメチルエチレ
ンジアミン二ナトリウム等のイミダゾリン型両性界面活
性剤を好ましいものとして例示することができる。

【００１５】ノニオン性界面活性剤としては、ヤシ油脂
肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノール
アミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸
ジエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノール
アミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノー
ルアミド、ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノー
ルアミドなどのアルカノールアミド類、モノステアリン
酸ポリエチレングリコール、ポリアルキレン硬化ヒマシ
油、ポリオキシアルキレンコポリマー等が挙げられる。
これらの中でも、アニオン性界面活性剤と併用したとき
に洗浄効果および泡立ち向上効果の高いものとして、ヤ
シ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタ
ノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド
等の脂肪酸アルカノールアミドを好ましいものとして例
示することができる。

【００１６】またカチオン性界面活性剤として、塩化ア
ルキルトリメチルアンモニウム等のアルキル４級アンモ
ニウム塩の配合も可能である。

【００１７】本発明において、組成物（Ｂ）中の洗浄剤
の含有量は、特に限定されるものではないが、全組成中
５〜４０％の範囲であることが好ましく、更に７〜３５
％がより好ましい。また、アニオン性界面活性剤と両性
界面活性剤もしくはノニオン性界面活性剤を併用するこ
とで、更に起泡性や洗浄性が相乗的に向上する。

【００１８】また、本発明において、使用感向上を目的
に、組成物（Ｂ）に保湿剤及び/またはエモリエント剤
を含有することも可能である。本発明では、用事混合型
として粉末状組成物から分けたことから、多量の配合も
可能になり優れた保湿効果やしっとり感を付与できる。
保湿剤及び/またはエモリエント剤は特に限定されない
が、保湿剤の例としては、１，３−ブチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、
グリセリン、ジグリセリン等のポリグリセリン、ヘキシ
レングリコール、３−メチル−１，３−ブタンジオー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等の多価アルコール類、ヒアルロン酸、コンドロイチ
ン硫酸ナトリウムなどのムコ多糖類、セリン、プロリ
ン、グルタミン酸などのアミノ酸類、尿素、乳酸塩、ピ
ロリドンカルボン酸等のＮＭＦ、トリメチルグリシン、
ぶどう糖や果糖などの糖類が挙げられる。

【００１９】エモリエント剤の例としては、スクワラ
ン、スクワレン、流動パラフィン、ワセリン等の炭化水
素油、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸セチル、ミ
リスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、オレイン
酸オレイル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イ
ソトリデシル等のエステル油、オリーブ油、マカデミア
ナッツ油、メドウフォーム油、アルモンド油、ホホバ
油、アボガド油、小麦胚芽油、コメヌカ油等のトリグリ
セライド、マイクロクリスタリンワックス、ミツロウ、
カルナウバロウ等のワックス類などが挙げられる。

【００２０】本発明において、組成物（Ｂ）中の保湿剤
及び/またはエモリエント剤の含有量は、特に限定され
るものではないが、全組成中０．０１〜５０％の範囲で
あることが好ましく、更に０．１〜４０％がより好まし
い。

【００２１】本発明において、組成物（Ａ）及び組成物
（Ｂ）の使用時における混合質量比は、特に限定される
ものではないが、使用性及び洗浄性の点から、組成物
（Ａ）：組成物（Ｂ）＝１：１〜１：１００の範囲であ
ることが好ましく、更に１：２〜１：２０の範囲がより
好ましい。また、組成物（Ａ）及び組成物（Ｂ）は、肌
の状態などを考慮し、使用時の目的に合わせてそれぞれ
複数の組成物から選択し、複数の組成物を組み合わせて
使うことも可能である。

【００２２】本発明の洗浄剤組成物は、上記必須成分に
加え、目的に応じて本発明の効果を損なわない量的、質
的範囲で、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガ
ム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシビニ
ルポリマー、ポリビニルピロリドン、（メタ）アクリル
酸・（メタ）アクリル酸アルキル共重合体及びその塩等
の水溶性高分子、水溶性多糖類等の粘度または感触改良
剤；アルキレングリコール脂肪酸エステル等のパール
剤；エタノール、水溶性美容成分等の水性成分；シリコ
ーン油、高分子シリコーン等の油性成分；ジブチルヒド
ロキシトルエン等の酸化防止剤；パラベン等の防腐剤；
エデト酸等のキレート剤；クエン酸またはその塩類、リ
ンゴ酸またはその塩類、リン酸またはその塩類等のｐＨ
調整剤；電解質；着色剤；香料など、洗浄剤において汎
用である他の成分の配合が可能である。

【００２３】本発明の組成物（Ａ）は、上記必須成分で
ある有効成分および水不溶性粉体や水溶性粉体を各々特
定量を撹拌混合、あるいは含浸し、場合によっては加
熱、冷却、乾燥処理を行って、必要に応じて上記任意成
分を適宜配合することにより、粉末状組成物として製造
することができる。

【００２４】本発明の組成物（Ｂ）は、上記必須成分で
ある洗浄剤および必要に応じて保湿剤、エモリエント剤
の各々特定量を撹拌混合し、必要に応じてｐＨ調整を行
い、場合によっては加熱、冷却処理を行って、必要に応
じて上記任意成分を適宜配合することにより製造するこ
とができる。また、本発明の組成物（Ｂ）は、他の成分
との併用や容器の機構により、低粘度〜高粘度の液状、
乳液状、クリーム状、ジェル状、ペースト状等の形態に
て実施することができる。組成物（Ｂ）の粘度として
は、５００００ｍＰａ・ｓ以下（２０℃）が好ましい。

【００２５】本発明の用事混合型洗浄剤組成物は、組成
物（Ａ）及び組成物（Ｂ）を使用時に混合して使用する
が、そのまま泡立てて皮膚に塗布して使用することも可
能であり、また混合物に更に水を添加してから泡立てて
使用することも可能である。

【００２６】

【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を更に説明す
る。なお、これらは本発明を何ら限定するものではな
い。

【００２７】実施例１〜９および比較例１：用時混合型
酵素配合洗顔料 下記表１、表２に示す組成および下記製法にて組成物
（Ａ）及び組成物（Ｂ）を調製し、使用試験により
（１）洗浄効果、（２）使用感（うるおい感）、（３）
使用性（泡立ち、混合性）を評価し、更に（４）有効成
分の保存安定性について評価した。結果を表１、表２に
併記する。

【００２８】

【表１】

【００２９】

【表２】

【００３０】（製法） 組成物例Ａ１〜６ ａ．成分（１）〜（３）を均一に混合する。 ｂ．ａを容器に充填して、組成物Ａを得る。 組成物例Ｂ１〜１０ ａ．成分（１）〜（１２）を均一に混合する。 ｂ．ａを容器に充填して、組成物Ｂを得る。

【００３１】評価項目：使用試験の評価方法、判定方法 １０名の専門パネルに実施例１〜９および比較例１の各
試料を分配して使用してもらい、各々に対して洗浄効
果、使用感（うるおい感）、使用性（泡立ち、混合性）
の各評価項目について、下記（イ）絶対評価基準を用い
て７段階評価してもらった。その後、各試料の評点の平
均値を（ロ）４段階評価基準を用いて評価した。 （イ）絶対評価基準 （評点）： （評価） ６ ： 非常に良い ５ ： 良い ４ ： やや良い ３ ： 普通 ２ ： やや悪い １ ： 悪い ０ ： 非常に悪い （ロ）４段階評価基準 （評点） ：（評価） ５．０を超える ： ◎ ３．０を超えて５．０以下： ○ １．０を超えて３．０以下： △ １．０以下 ： ×

【００３２】評価項目：保存安定性の評価方法、判定方
法 有効成分の保存安定性については、調製直後と４５℃に
て３ヶ月後とでの酵素活性値を比較した。定量は化粧品
種別配合成分規格一般試験法のプロテアーゼ力価試験法
第３法により行い、次の基準で評価した。 （ハ）評価基準 （評価） ○ ：安定性良好 （初期の酵素活性を保持している） × ：安定性不良 （初期の酵素活性を保持していない）

【００３３】表１、表２の結果から明らかなように、本
発明の用時混合型酵素配合洗顔料は比較例１の洗顔料と
比較して、洗浄効果、使用感（うるおい感）、使用性
（泡立ち、混合性）、有効成分の保存安定性の各評価項
目において優れた効果を示すものであることが実証され
た。

【００３４】 実施例１０：用時混合型酵素配合洗顔料 ＜組成物例Ａ１０＞ （成分） （％） （１）ポリオキシプロピレンメチルグルコシド １ （２）モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン （２０Ｅ．Ｏ．） ０．４ （３）セスキオレイン酸ソルビタン ０．２ （４）スクワラン ３ （５）デキストリン ２０ （６）ベントナイト １．５ （７）タルク 残部 （８）カオリン ２０ （９）キサンタンガム ０．５ （１０）無水ケイ酸 １５ （１１）パラオキシ安息香酸メチル ０．２ （１２）パパイン ２ ＜製造方法＞上記（１）〜（４）を均一に混合した後、
（５）〜（１２）を添加混合して、組成物例Ａ１０を得
た。

【００３５】 ＜組成物例Ｂ１０＞ （成分） （％） （１）モノステアリン酸ポリエチレングリコール ３ （２）ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド ４ （３）モノステアリン酸エチレングリコール ５ （４）スクワラン ０．１ （５）サラシミツロウ １．５ （６）パルミチン酸セチル ０．３ （７）精製水 残部 （８）１，３−ブチレングリコール ３ （９）ジプロピレングリコール ８ （１０）グリセリン １０ （１１）パラオキシ安息香酸エチル ０．1 （１２）ヤシ油脂肪酸トリエタノールアミン ５ （１３）Ｎ−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム ５ （１４）ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン ３ （１５）２−アルキル−Ｎ−カルボキシメチル−Ｎ− ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン ３ （１６）Ｎ−ヤシ油脂肪酸アシル−Ｎ−カルボキシメ トキシエチル−Ｎ−カルボキシメチルエチレ ンジアミン二ナトリウム １ （１７）ヒドロキシエタンジホスホン酸 ０．１ （１８）セイヨウハッカエキス ０．３ （１９）アスパラガスエキス ０．２ （２０）プルーン分解物 ０．１ （２１）タイソウエキス ０．１ ＜製造方法＞上記（１）から（１７）を８０℃にて均一
に加熱混合した後、冷却し、室温に下げた後、（１８）
から（２１）を添加混合して、組成物例Ｂ１０を得た。

【００３６】実施例１０は、組成物例Ａ１０：０．５ｇ
と組成物例Ｂ１０：２．５ｇを用時混合して使用する
と、洗浄中の泡立ちなどの使用性に優れ、泡の感触が良
好で、十分な洗浄効果を有し、すすぎ時に滑らかな感触
を与え、後肌がしっとりするなど、優れた使用感を有
し、また酵素の保存安定性が良好な、用時混合型酵素配
合洗顔料であった。

【００３７】 実施例１１：用時混合型殺菌剤、消炎剤配合身体用洗浄料 ＜組成物例Ａ１１−１＞ （成分） （％） （１）タルク 残部 （２）ナイロン末 ３ （３）セルロース末 ３ （４）ケイ酸アルミニウム ５ （５）食塩 ５ （６）イソプロピルメチルフェノール １ （７）メントール ０．３ （８）パラオキシ安息香酸メチル ０．２ ＜製造方法＞上記（１）から（８）を均一に混合した
後、組成物例Ａ１１−１を得た。

【００３８】 ＜組成物例Ａ１１−２＞ （成分） （％） （１）タルク 残部 （２）カオリン ２０ （３）マイカ １５ （４）ポリアクリル酸ナトリウム ３ （５）トウモロコシデンプン ５ （６）グリチルリチン酸ジカリウム １ （７）パラオキシ安息香酸メチル ０．２ ＜製造方法＞上記（１）から（７）を均一に混合した
後、組成物例Ａ１１−２を得た。

【００３９】 ＜組成物例Ｂ１１＞ （成分） （％） （１）ジステアリン酸エチレングリコール ２ （２）ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド １ （３）精製水 ４０ （４）Ｎ−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム ７ （５）ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン ２ （６）ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン ８ （７）精製水 残部 （８）アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 １．５ （９）グリセリン ３ （１０）パラオキシ安息香酸メチル ０．１ （１１）塩化Ｏ−〔２−ヒドロキシ−３−（トリメチ ルアンモニオ）プロピル〕ヒドロキシエチル セルロース ０．２ （１２）染料 微量 （１３）香料 １．２ （１４）トリエタノールアミン 適量 ＜製造方法＞上記（１）から（１１）を８０℃にて加熱
溶解し、攪拌しながら冷却した後、（１２）から（１
３）を攪拌しながら添加混合を行い、（１４）にてｐＨ
を７にして、組成物例Ｂ１１を得た。

【００４０】実施例１１は、肌をより清潔に保ちたい場
合には、殺菌剤を配合した組成物例Ａ１１−１、また肌
の炎症を抑えたい場合には、消炎剤を配合した組成物例
Ａ１１−２をそれぞれ組成物例Ｂ１１と組み合せて使用
することにより、肌をより清潔に保つことや炎症を抑え
ることが可能になり、かつ、使用性が良く、洗浄中の泡
立ち、泡の感触が良好で、滑らかな感触を与え、有効成
分の保存安定性が良好で、十分な洗浄効果のある用時混
合型身体用洗浄料であった。

【００４１】 実施例１２：用時混合型育毛、殺菌、消炎剤入りシャンプー ＜組成物例Ａ１２−１＞ （成分） （％） （１）モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン ０．５ （２０Ｅ．Ｏ．） （２）プロピレングリコール ２ （３）ハッカ油 ０．３ （４）イチョウエキス ０．５ （５）タルク 残部 （６）メントール ０．５ （７）カンファ ０．３ ＜製造方法＞上記（１）から（４）を均一に混合した
後、（５）から（７）を均一に添加混合し、組成物例Ａ
１２−１を得た。

【００４２】 ＜組成物例Ａ１２−２＞ （成分） （％） （１）カオリン 残部 （２）ショ糖 ８ （３）マイカ ５ （４）ポリアクリル酸ナトリウム ２ （５）イソプロピルメチルフェノール ０．２ （６）グリチルリチン酸ジカリウム ０．７ （７）パラオキシ安息香酸メチル ０．２ ＜製造方法＞上記（１）から（７）を均一に混合し、組
成物例Ａ１２−２を得た。

【００４３】 ＜組成物例Ｂ１２＞ （成分） （％） （１）ジステアリン酸エチレングリコール ２ （２）ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド ２ （３）ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド ０．２ （４）ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム ８ （５）ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナト リウム ８ （６）ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン ５ （７）ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン ５ （８）精製水 残部 （９）安息香酸 ０．４ （１０）パラオキシ安息香酸メチル ０．２ （１１）塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル アミド共重合体 １ （１２）塩化Ｏ−〔２−ヒドロキシ−３−（トリメチ ルアンモニオ）プロピル〕ヒドロキシエチル セルロース ０．５ （１３）染料 微量 （１４）香料 ０．５ （１５）クエン酸 適量 ＜製造方法＞上記（１）から（１２）を８０℃にて加熱
溶解し、攪拌しながら冷却した後、（１３）から（１
４）を攪拌しながら添加混合を行い、（１５）にてｐＨ
を５．５にして、組成物例Ｂ１２を得た。

【００４４】実施例１２は、育毛効果を得たい場合に
は、育毛成分を配合した組成物例Ａ１２−１、頭皮のか
ゆみや炎症を抑えたい場合には、殺菌剤及び消炎剤を配
合した組成物例Ａ１２−２をそれぞれ組成物例Ｂ１２と
組み合せて使用することにより、育毛効果を得ることや
頭皮のかゆみを抑えることが可能になり、かつ、使用性
が良く、洗浄中の泡立ち、泡の感触が良好で、滑らかな
感触を与える、有効成分の保存安定性が良好で、十分な
洗浄効果のある用時混合型シャンプーであった。

【００４５】

【発明の効果】以上詳述した如く、本発明の用時混合型
洗浄剤組成物は、良好な使用性（泡立ち、混合性）、使
用感（しっとり感）を有し、更に有効成分の保存安定性
に優れる洗浄剤組成物であった。

【手続補正書】

【提出日】平成１４年７月１９日（２００２．７．１
９）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】発明の名称

【補正方法】変更

【補正内容】

【発明の名称】 用時混合型洗浄剤組成物

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１２

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１２】本発明に用いられる組成物（Ｂ）は、使用
時に優れた洗浄効果を付与することを目的とし、少なく
とも一つ以上の洗浄剤を含有するものである。本発明で
は、用時混合型として粉末状組成物から分けたことか
ら、洗浄剤の種類及び含有量の制限が無くなり、従来の
洗顔パウダーなどの粉末状洗浄剤組成物に比べて、洗浄
効果や泡立ちなどの使用性が著しく向上している。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１８

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１８】また、本発明において、使用感向上を目的
に、組成物（Ｂ）に保湿剤及び/またはエモリエント剤
を含有することも可能である。本発明では、用時混合型
として粉末状組成物から分けたことから、多量の配合も
可能になり優れた保湿効果やしっとり感を付与できる。
保湿剤及び/またはエモリエント剤は特に限定されない
が、保湿剤の例としては、１，３−ブチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、
グリセリン、ジグリセリン等のポリグリセリン、ヘキシ
レングリコール、３−メチル−１，３−ブタンジオー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等の多価アルコール類、ヒアルロン酸、コンドロイチ
ン硫酸ナトリウムなどのムコ多糖類、セリン、プロリ
ン、グルタミン酸などのアミノ酸類、尿素、乳酸塩、ピ
ロリドンカルボン酸等のＮＭＦ、トリメチルグリシン、
ぶどう糖や果糖などの糖類が挙げられる。

【手続補正４】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００２５

【補正方法】変更

【補正内容】

【００２５】本発明の用時混合型洗浄剤組成物は、組成
物（Ａ）及び組成物（Ｂ）を使用時に混合して使用する
が、そのまま泡立てて皮膚に塗布して使用することも可
能であり、また混合物に更に水を添加してから泡立てて
使用することも可能である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｃ１１Ｄ 1/14 Ｃ１１Ｄ 1/14 1/18 1/18 1/28 1/28 1/29 1/29 1/34 1/34 1/52 1/52 1/90 1/90 3/12 3/12 3/386 3/386 10/02 10/02 17/00 17/00 Ｆターム(参考） 4C083 AA082 AA112 AB052 AB172 AB222 AB312 AB332 AB432 AB442 AC022 AC112 AC122 AC132 AC182 AC231 AC232 AC241 AC302 AC312 AC342 AC442 AC472 AC482 AC542 AC641 AC642 AC661 AC662 AC712 AC781 AC791 AC792 AC851 AC852 AC901 AC902 AD072 AD092 AD212 AD242 AD262 AD282 AD352 AD471 AD472 AD532 BB04 BB05 BB07 BB25 CC23 CC38 DD22 DD23 EE01 EE06 4H003 AB03 AB05 AB10 AB21 AB22 AB23 AB27 AB31 AB38 AC03 AC10 AC12 AC13 AD03 AD04 BA09 BA12 BA15 DA02 DC01 EA25 EA27 EB07 EB08 EB09 EB41 EB42 EB43 EB46 EC01 EC02 ED02 ED28 FA16 FA18 FA21 FA26

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 次の組成物（Ａ）、（Ｂ）；（Ａ）水不
   溶性もしくは水溶性粉体に有効成分を含浸もしくは混合
   してある粉末状組成物（Ｂ）少なくとも一つ以上の洗浄
   剤を含有する液状もしくはペースト状の組成物をそれぞ
   れ一つ以上を使用時に混合することを特徴とする用時混
   合型洗浄剤組成物。
2. 【請求項２】 組成物（Ａ）の有効成分が、酵素である
   事を特徴とする請求項１に記載の用時混合型洗浄剤組成
   物。
3. 【請求項３】 組成物（Ｂ）に保湿剤及び/又はエモリ
   エント剤の少なくとも一種又は二種以上を含有する事を
   特徴とする請求項１又は２のいずれかに記載の用時混合
   型洗浄剤組成物。
4. 【請求項４】 組成物（Ｂ）の洗浄剤としてアニオン性
   界面活性剤及び両性界面活性剤もしくはノニオン性界面
   活性剤をそれぞれ少なくとも一種又は二種以上を含有す
   る事を特徴とする請求項１から３のいずれかに記載の用
   時混合型洗浄剤組成物。
5. 【請求項５】 組成物（Ｂ）の洗浄剤としてアルキル硫
   酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステ
   ル塩、脂肪酸塩、Ｎ−アシルアミノ酸型界面活性剤、α
   −スルホ脂肪酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、
   アルキロイルタウリン塩、アルキルエーテルカルボン酸
   塩、アルキルヒドロキシエーテルカルボン酸、アルキル
   リン酸塩、スルホコハク酸エステル塩などのアニオン性
   界面活性剤及びイミダゾリン型両性界面活性剤もしくは
   脂肪酸アルカノールアミドをそれぞれ少なくとも一種又
   は二種以上を含有する事を特徴とする請求項４に記載の
   用時混合型洗浄剤組成物。
6. 【請求項６】 洗顔料である事を特徴とする請求項１か
   ら５のいずれかに記載の用時混合型洗浄剤組成物。