JP2003070800A - 超音波吸引装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ハンドピースを持ち替えることなく、ハンドピ
ースを操作しながらハンドスイッチの操作を容易に行え
る超音波吸引装置を提供することにある。 【解決手段】装置本体に接続され、この装置本体からの
電気信号を機械的振動に変換する超音波振動子２を内部
に有するハンドピース１と、このハンドピース１に着脱
自在に接合可能で超音波振動子２からの機械的振動を組
織に伝達するためのプローブ６と、このプローブ６の先
端に高周波電流を通電して組織の高周波切開及び高周波
凝固を行うために高周波電源本体から延長する通電コー
ドを接続可能なコード接続部を有し、高周波切開及び高
周波凝固を切替えるハンドスイッチ１７と、前記プロー
ブ６を覆い前記ハンドピース１に着脱自在なシース１０
とからなる超音波吸引装置において、前記ハンドスイッ
チ１７をシース１０に着脱可能に配置したことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】この発明は、生体の手術部位
の組織を超音波振動によって破砕吸引したり、高周波凝
固または高周波切開する超音波吸引装置に関する。 【０００２】 【従来の技術】超音波吸引装置は、超音波発生装置本
体、この超音波発生装置本体に接続する内部に超音波振
動源を有するハンドピース、このハンドピースに接続さ
れるプローブ、このプローブを覆いハンドピースと着脱
式に接続可能なシースとで構成されている。 【０００３】プローブは、例えば特公平６−４２８９３
号公報に開示されているようなストレート形状のものだ
けでなく、組織へのアプローチ性等、その目的に応じて
屈曲していたり、あるいは長いもの、短いものなどさま
ざまなタイプがある。超音波吸引装置を用いて組織を破
砕・乳化及び吸引する際は、プローブの先端を組織に軽
く押し当て、組織をなでるような使い方が効果的な使用
方法である。 【０００４】このような操作方法から、ハンドピースの
把持方法はペンシル型が一般的で、プローブの先端の手
ぶれ防止から、プローブの極力先端側を持つように保持
することは、ペンで字を書く場合から容易に想像できる
ところである。超音波手術装置を用いた手術において
は、外科的手術を効果的に行うため、超音波による組織
の乳化・破砕及び吸引の他に、プローブから高周波電流
を印加して、組織の切開・凝固操作を行うことが一般的
である。この高周波切開及び高周波凝固の出力操作は、
フットスイッチまたはハンドスイッチで行われている。 【０００５】特公平６−４２８９３号公報では、高周波
出力操作手段としてのハンドスイッチが、ハンドピース
と一体的に固定されている、ハンドピースに内蔵されて
いる、ハンドピースにスイッチアセンブリが着脱可能に
なっている、ハンドピースを構成するマニホールドと呼
ばれる部材に設けられているという技術が示されてい
る。 【０００６】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
６−４２８９３号公報のようにハンドスイッチをハンド
ピースに一体に固定した場合、ハンドスイッチは指先よ
りも手首側に配置される。高周波切開及び高周波凝固の
ハンドスイッチは、規格上スイッチを軸方向に配列され
ているため、特にハンドピースの基端側にあるスイッチ
を操作する場合には指を過度に曲げて操作する、あるい
はハンドピースを握り直して操作する必要があり、操作
性が悪いという問題もある。 【０００７】さらに、ハンドスイッチがハンドピースと
一体的に固定されていたり、ハンドピースに内蔵されて
いる場合には、次のような問題がある。プローブとハン
ドピースはねじ締結なため、屈曲したプローブを用いた
場合には、プローブの屈曲方向とハンドピースに固定あ
るいは内蔵されたハンドスイッチとの回転方向の位置関
係は常に一定というわけではない。従って、術者がハン
ドピースを操作しながらハンドスイッチを操作するとい
う作業において、ハンドスイッチの位置が最適な位置に
こない場合が多く、ハンドスイッチの操作性が悪いとい
う問題がある。 【０００８】この発明は、前記事情に着目してなされた
もので、その目的とするところは、ハンドピースを操作
しながらストレスを感じず、またハンドピースを持ち替
えることなくハンドスイッチの操作ができ、操作性に優
れた超音波吸引装置を提供することにある。 【０００９】 【課題を解決するための手段】この発明は、前記目的を
達成するために、装置本体に接続され、この装置本体か
らの電気信号を機械的振動に変換する超音波振動子を内
部に有するハンドピースと、前記ハンドピースに着脱自
在に接合可能で超音波振動子からの機械的振動を組織に
伝達するためのプローブと、前記プローブの先端に高周
波電流を通電して組織の高周波切開及び高周波凝固を行
うために高周波電源本体から延長する通電コードを接続
可能なコード接続部を有し、高周波切開及び高周波凝固
を切替えハンドスイッチと、前記プローブを覆い前記ハ
ンドピースに着脱自在なシースとからなる超音波吸引装
置において、前記ハンドスイッチをシースに着脱可能に
配置したことを特徴とする。 【００１０】前記構成によれば、ハンドピースを操作し
ながらハンピースを持ち替えることなくハンドスイッチ
の操作が容易に行える。 【００１１】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。 【００１２】図１〜図３は第１の実施形態を示し、図１
は超音波吸引装置の全体の縦断側面図、図２はハンドピ
ースの把持部の側面図、図３は図２の矢印Ａ方向から見
た図である。 【００１３】図１〜図３に示すように、超音波吸引装置
を構成するハンドピース１の内部には中空状の振動子２
が固定されている。この振動子２には振幅拡大部として
のホーン３が設けられ、このホーン３の遠位端には雌ね
じ部４が設けられている。この雌ねじ部４にはこれとね
じ結合する雄ねじ部５を基端に有する中空状のプローブ
６が設けられている。 【００１４】前記ハンドピース１の基端にはプローブ６
及び振動子２とともに連通した吸引管路７を形成する吸
引口金８及び高周波通電コード接続部９が設けられてい
る。 【００１５】前記プローブ６にはホーン３の一部も覆う
シース１０が設けられている。このシース１０の挿入部
１１は外シース１２と内シース１３とで構成され、内シ
ース１３はテフロン（登録商標）等の低摩擦、遮熱性部
材で形成され、両端は水密的に固定されている。 【００１６】また、前記プローブ６の外周と前記シース
１０の内周とのクリアランスで送水管路１４が形成され
ている。シース１０の基端には送水管路１４と連通した
送水口金１５が設けられ、シース１０の基端には送水口
金１５よりも遠位端側にハンドスイッチ装着部１６が設
けられている。すなわち、ハンドスイッチ装着部１６
は、ハンドピース１の重心２２の位置から遠位端方向に
６０〜１２０ｍｍの位置に設けられいる。 【００１７】このハンドスイッチ装着部１６にはハンド
スイッチ１７が着脱自在に装着されるようにシース１０
の周方向に沿う凹陥部によって形成されている。ハンド
スイッチ１７のケーシング１７ａは弾性力を有する樹脂
材料からなり、前記ハンドスイッチ装着部１６と係合す
る一部切り欠き部１８を有する爪部１９を有している。
ハンドスイッチ１７には組織を高周波切開するための切
開ボタン２４と組織を高周波凝固するための凝固ボタン
２５とからなる信号切替え用のボタン２３が設けられて
いる。 【００１８】また、前記ハンドピース１の遠位部にはＣ
リング２０が設けられ、前記シース１０の基端にはＣリ
ング２０と結合するＣリング受け２１が設けられ、シー
ス１０がハンドピース１に対して着脱可能に連結されて
いる。 【００１９】このように構成された超音波吸引装置は、
プローブ６はハンドピース１に着脱自在にねじ締結さ
れ、シース１０がハンドピース１に対してＣリング２０
とＣリング受け２１によりワンタッチ着脱式に接続され
る。ハンドピース１のケーブルは図示しない超音波発生
装置本体に接続され、超音波発生装置本体からの電気信
号を振動子２により機械的振動に変換し、ホーン３によ
り振動の振幅拡大が行われ、プローブ６に振動が伝達さ
れる。 【００２０】ハンドピース１の基端に設けられた吸引口
金８には図示しない吸引源に接続された図示しない吸引
チューブが接続され、プローブ６の先端に伝達された超
音波振動により乳化・破砕した組織を、吸引管路７を介
して吸引回収する。シース１０の基端に設けられた送水
口金１５には図示しない送水源に接続された図示しない
送水チューブが接続され、プローブ６の超音波振動によ
る発熱や破断防止、超音波による組織の乳化・破砕及び
吸引効果を高める、あるいは組織の洗滌を行う等のた
め、送水管路１４を介してプローブ６の先端部に冷却水
が送水される。 【００２１】外シース１２と内シース１３との間に出来
た空気層は断熱層として作用する。超音波による乳化・
破砕は、脂肪や実質臓器等であり、血管、神経、筋等が
策状物として残る。ハンドピース１の基端に設けられた
高周波通電コード接続部９には、図示しない高周波焼灼
電源装置に接続された図示しない高周波通電コードが接
続され、不要な策状物の切除や微細出血切開及び凝固を
行うため、プローブ６の先端部に高周波電流を通電す
る。この高周波通電の操作をハンドスイッチ１７にて行
う。 【００２２】図３に示すように、ハンドスイッチ１７は
爪部１９の弾性力によりシース６のハンドスイッチ装着
部１６に着脱自在かつ回転自在にスナップフィット式に
取り付けられる。ここでハンドスイッチ装着部１６を送
水口金１５よりも前方に設けたことにより、送水口金１
５に取り付けた送水チューブと干渉することなくハンド
スイッチ１７は３６０゜回転自在である。 【００２３】図２に示すように、術者はハンドピース１
の重心２２を親指と人差し指の付け根にのせペンを握る
ように把持して操作する。このとき術者の人差し指の指
先はシース１０の基端近傍に位置し、人差し指でハンド
スイッチ１７のボタン２３を操作することができる。 【００２４】本実施形態によれば、ハンドスイッチ１７
をシース１０の基端に配置したことで、指にストレスを
かけずに、ハンドピース１を操作しながらハンドスイッ
チ１７のボタン２３の操作を容易にできる。 【００２５】また、外シース１２と内シース１３との間
に出来た空気層からなる断熱層により、プローブ６の発
熱防止に必要な冷却水の送水量を低減でき、内視鏡下手
術の場合において、超音波発振によるミスト飛散が防止
でき、良好な術野の確保が出来る。さらに、内シース１
３の両端を水密固定したことで、分解、洗滌のメンテナ
ンス作業性を向上できる。 【００２６】図４は第２の実施形態を示し、第１の実施
形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略す
る。 【００２７】シース１０の挿入部１１は一重構造で構成
されている。プローブ６の基端には屈曲チップ２６が設
けられている。この屈曲チップ２６には雄ねじ部５が形
成され、ホーン３の遠位端に設けられた雌ねじ部４とね
じ結合されている。また、プローブ６及びホーン３の一
部は屈曲シース２７によって覆われている。 【００２８】本実施形態の作用は、基本的には第１の実
施形態と同じである。但し、プローブ６は屈曲されてい
て、かつねじ着脱のため、ハンドピース１とプローブ６
の先端の回転方向の向きは着脱するたびに方向性が異な
る。 【００２９】本実施形態によれば、ハンドスイッチ１７
をシース１０の基端に配置したことで、指にストレスを
かけずに、ハンドピース１を操作しながらハンドスイッ
チ１７のボタン２３の操作を容易に行える。 【００３０】また、ハンドスイッチ１７をシース１０に
対して着脱自在かつ回転自在としたことにより、屈曲し
たプローブ６を使用した時でもハンドスイッチ１７の位
置は常に最適な位置に配置でき、ハンドスイッチ１７の
ボタン２３の操作を容易に出来る。 【００３１】前記実施形態によれば、次のような構成が
得られる。 【００３２】（付記１）装置本体に接続され、この装置
本体からの電気信号を機械的振動に変換する超音波振動
子を内部に有するハンドピースと、前記ハンドピースに
着脱自在に接合可能で超音波振動子からの機械的振動を
組織に伝達するためのプローブと、前記プローブの先端
に高周波電流を通電して組織の高周波切開及び高周波凝
固を行うために高周波電源本体から延長する通電コード
を接続可能なコード接続部を有し、高周波切開及び高周
波凝固を切替えるハンドスイッチと、前記プローブを覆
い前記ハンドピースに着脱自在なシースとからなる超音
波吸引装置において、前記ハンドスイッチをシースに着
脱可能に配置したことを特徴とする超音波吸引装置。 【００３３】（付記１）前記ハンドピースを把持した術
者の指先が前記ハンドスイッチのボタン近傍にくる位置
にハンドスイッチを配置したことを特徴とする付記１に
記載の超音波吸引装置。 【００３４】（付記３）前記ハンドスイッチのボタンが
前記ハンドピースの重心位置から６０〜１２０ｍｍの位
置に来るように前記ハンドスイッチを配置したことを特
徴とする付記１に記載の超音波吸引装置。 【００３５】（付記４）前記シースに対してハンドスイ
ッチを着脱自在かつ回転自在としたことを特徴とする付
記１〜３のいずれかに記載の超音波吸引装置。 【００３６】 【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、シースの基端にハンドスイッチを着脱可能に配置し
たことで、指にストレスをかけることなく且つハンドピ
ースを持ち替えることなく、さらにどのようなタイプの
プローブを使用する場合においても、ハンドピースを操
作しながらハンドスイッチの操作を容易に行えるという
効果がある。

【図面の簡単な説明】 【図１】この発明の第１の実施形態を示す超音波吸引装
置の全体の縦断側面図。 【図２】同実施形態のハンドピースの把持部の側面図。 【図３】同実施形態を示し、図２の矢印Ａ方向から見た
図。 【図４】この発明の第２の実施形態を示し、超音波吸引
装置の全体の側面図。 【符号の説明】 １…ハンドピース ２…超音波振動子 ６…プローブ １０…シース １７…ハンドスイッチ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 装置本体に接続され、この装置本体から
   の電気信号を機械的振動に変換する超音波振動子を内部
   に有するハンドピースと、 前記ハンドピースに着脱自在に接合可能で超音波振動子
   からの機械的振動を組織に伝達するためのプローブと、 前記プローブの先端に高周波電流を通電して組織の高周
   波切開及び高周波凝固を行うために高周波電源本体から
   延長する通電コードを接続可能なコード接続部を有し、
   高周波切開及び高周波凝固を切替えるハンドスイッチ
   と、 前記プローブを覆い前記ハンドピースに着脱自在なシー
   スとからなる超音波吸引装置において、 前記ハンドスイッチをシースに着脱可能に配置したこと
   を特徴とする超音波吸引装置。