JP2003069369A - 水晶デバイス - Google Patents

水晶デバイス

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JP2003069369A
JP2003069369A JP2001256492A JP2001256492A JP2003069369A JP 2003069369 A JP2003069369 A JP 2003069369A JP 2001256492 A JP2001256492 A JP 2001256492A JP 2001256492 A JP2001256492 A JP 2001256492A JP 2003069369 A JP2003069369 A JP 2003069369A
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crystal
weight
substrate
oxide
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JP2001256492A
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English (en)
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Takuya Ouchi
卓也 大内
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】水晶振動子の発する基準信号が配線層で大きく
減衰する。 【解決手段】水晶振動子5が搭載される搭載部1aを有
し、該搭載部1aから外表面にかけて導出される配線層
2を有する基体1と、前記基体1の搭載部1aに固定材
7を介して固定され、電極が前記配線層2に電気的に接
続されている水晶振動子5と、前記基体1に取着され、
前記水晶振動子5を気密に収容する蓋体3とから成る水
晶デバイスであって、前記基体1が40乃至46重量%
の酸化珪素と、25乃至30重量%の酸化アルミニウム
と、8乃至13重量%の酸化マグネシウムと、6乃至9
重量%の酸化亜鉛と、8乃至11重量%の酸化ホウ素と
から成る結晶性ガラスで、配線層2が2.5μΩ・cm
以下の比電気抵抗を有する金属材で形成されており、か
つ前記固定材の弾性率が2.8GPa以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータ等の
情報処理装置や携帯電話等の電子装置において、時間お
よび周波数の基準源として使用される水晶デバイスに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ等の情報処理装置や携帯電
話等の電子装置において時間および周波数の基準源とし
て使用される水晶デバイスは、一般に、四角板状の水晶
基板に電圧印加用の電極を形成して成る水晶振動子を、
水晶振動子収納用パッケージ内に気密に収容することに
よって形成されている。
【0003】前記水晶振動子収納用パッケージは、一般
に、酸化アルミニウム質焼結体等の電気絶縁材料から成
り、上面中央部に水晶振動子を収容する空所を形成する
ための凹部、および凹部表面から外表面にかけて導出さ
れたタングステン、モリブデン等の高融点金属等の金属
材料から成る配線層を有する基体と、鉄−ニッケル−コ
バルト合金、鉄−ニッケル合金等の金属材料、または酸
化アルミニウム質焼結体等のセラミックス材料から成る
蓋体とから構成されている。
【0004】そして、水晶振動子の電極を基体の凹部内
表面に露出する配線層及びその周辺の基体表面に固定材
を介して取着することにより、水晶振動子が凹部内に接
着固定されるとともに配線層に電気的に接続され、しか
る後、基体の上面に蓋体を接着材による接着やシーム溶
接等の接合手段により取着し、基体と蓋体とから成る容
器内部に水晶振動子を気密に収容することによって製品
としての水晶デバイスが完成する。
【0005】なお、水晶振動子を取着するための固定材
としては、一般に、エポキシ樹脂等の有機樹脂と、銀粉
末等の導電性粉末とを主材として混合して成る導電性接
着材が使用されている。
【0006】また、蓋体を基体にシーム溶接で取着する
場合、通常、予め基体の凹部周囲に枠状のロウ付け用メ
タライズ層を形成しておくとともにこのメタライズ層に
金属枠体をロウ付けし、金属枠体に蓋体をシーム溶接す
る方法が用いられる。
【0007】更に前記水晶デバイスの外部電気回路基板
への実装は、基体の外表面に導出された配線層を外部電
気回路基板の配線導体に半田等の導電性接続材を介して
接続することによって行われ、水晶振動子は配線層を介
し外部電気回路に電気的に接続されるとともに外部電気
回路から印加される電圧に応じて所定の周波数で振動
し、基準信号を外部電気回路に供給する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
水晶デバイスは基体が酸化アルミニウム質焼結体で形成
されており、該酸化アルミニウム質焼結体の比誘電率は
9〜10(室温、1MHz)と高いことから基体に設け
た配線層を伝わる水晶振動子の基準信号の伝搬速度が遅
く、そのため基準信号を高周波とし信号の高速伝搬を要
求する水晶振動子は収容が不可となり、基準信号の周波
数が低いものに特定されるという欠点を有していた。
【0009】またこの従来の水晶デバイスにおいては基
体に形成されている配線層はタングステンやモリブデ
ン、マンガン等の高融点金属材料により形成されてお
り、該タングステン等はその比電気抵抗が5.4μΩ・
cm(20℃)以上と高いことから配線層に基準信号を
伝搬させた場合、基準信号に大きな減衰が生じ、基準信
号を外部電気回路に正確、かつ確実に伝搬させることが
できないという欠点を有していた。
【0010】本発明は上記欠点に鑑み案出されたもの
で、その目的は、水晶振動子の基準信号を外部電気回路
に高速かつ正確、確実に供給することができる水晶デバ
イスを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、水晶振動子が
搭載される搭載部を有し、該搭載部から外表面にかけて
導出される配線層を有する基体と、前記基体の搭載部に
固定材を介して固定され、電極が前記配線層に電気的に
接続されている水晶振動子と、前記基体に取着され、前
記水晶振動子を気密に収容する蓋体とから成る水晶デバ
イスであって、前記基体が40乃至46重量%の酸化珪
素と、25乃至30重量%の酸化アルミニウムと、8乃
至13重量%の酸化マグネシウムと、6乃至9重量%の
酸化亜鉛と、8乃至11重量%の酸化ホウ素とから成る
結晶性ガラスで、配線層が2.5μΩ・cm以下の比電
気抵抗を有する金属材で形成されており、かつ前記固定
材の弾性率が2.8GPa以下であることを特徴とする
ものである。
【0012】また本発明は、前記固定材がゴム粒子を添
加したエポキシ樹脂から成ることを特徴とするものであ
る。
【0013】本発明の水晶デバイスによれば、基体を4
0乃至46重量%の酸化珪素と、25乃至30重量%の
酸化アルミニウムと、8乃至13重量%の酸化マグネシ
ウムと、6乃至9重量%の酸化亜鉛と、8乃至11重量
%の酸化ホウ素とから成る結晶性ガラスで形成し、かか
る結晶性ガラスの比誘電率が約5(室温1MHz)と低
いことから、基体に設けた配線層を伝わる水晶振動子の
基準信号の伝搬速度を速いものとして基準信号を高周波
とし信号の高速伝搬を要求する水晶振動子の収容が可能
となって基準信号の周波数を非常に高いものとなすこと
ができる。
【0014】また同時に上記結晶性ガラスは焼成温度が
800〜1050℃と低いことから、基体と同時焼成に
より形成される配線層を比電気抵抗が2.5μΩ・cm
(20℃)以下と低い銅や銀、金で形成することがで
き、その結果、配線層に水晶振動子の基準信号を伝搬さ
せた場合、基準信号に大きな減衰を生じることはなく、
基準信号を外部電気回路に正確、かつ確実に伝搬させる
ことが可能となる。
【0015】更に本発明の水晶デバイスによれば、基体
に水晶振動子を固定する固定材として、例えば、ゴム粒
子を添加したエポキシ樹脂等から成る弾性率が2.8G
Pa以下のものを使用したことから外部環境の変化に伴
い基体と水晶振動子に熱が繰り返し作用し、基体と水晶
振動子との間に両者の熱膨張係数差に起因する熱応力が
繰り返し発生したとしても、その熱応力は固定材を適度
に変形させることによって吸収され、固定材に機械的な
破壊が招来することはなく、その結果、基体に水晶振動
子を長期間にわたり確実、強固に固定することが可能と
なり、水晶デバイスの長期信頼性を高いものとなすこと
ができる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に本発明の水晶デバイスについ
て添付の図面を基にして詳細に説明する。図1は本発明
の水晶デバイスの一実施例を示す断面図であり、図1に
おいて、1は基体、2は配線層、3は蓋体である。この
基体1と蓋体3とにより形成される容器4内に水晶振動
子5を気密に収容することにより水晶デバイス6が形成
される。
【0017】前記基体1は、40乃至46重量%の酸化
珪素と、25乃至30重量%の酸化アルミニウムと、8
乃至13重量%の酸化マグネシウムと、6乃至9重量%
の酸化亜鉛と、8乃至11重量%の酸化ホウ素とから成
る結晶性ガラスで形成されており、その上面に水晶振動
子を5を収容するための空所となる凹部1aが設けてあ
り、該凹部1a内に水晶振動子5が収容される。
【0018】また前記基体1は、凹部1aの表面から外
表面にかけて配線層2が導出されており、配線層2の凹
部1a表面に露出する部位に水晶振動子5の電極が導電
性接着材等の固定材7を介して接着固定され、外表面に
導出された部位は外部電気回路基板の配線導体に半田等
のロウ材を介して接続される。
【0019】前記結晶性ガラスから成る基体1は、例え
ば、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等
の原料粉末にアクリル樹脂を主成分とするバインダー及
び分散剤、可塑剤、有機溶媒を加えて泥漿物を作るとと
もに該泥漿物をドクターブレード法やカレンダーロール
法を採用することによってグリーンシート(生シート)
となし、しかる後、前記グリーンシートに適当な打ち抜
き加工を施すとともにこれを複数枚積層し、約800℃
〜1050℃の温度で焼成することによって製作され
る。
【0020】前記基体1を40乃至46重量%の酸化珪
素と、25乃至30重量%の酸化アルミニウムと、8乃
至13重量%の酸化マグネシウムと、6乃至9重量%の
酸化亜鉛と、8乃至11重量%の酸化ホウ素とから成る
結晶性ガラスで形成すると基体1の比誘電率が約5(室
温1MHz)と低い値になり、その結果、基体1に設け
た配線層2を伝わる水晶振動子5の基準信号の伝搬速度
を速いものとして基準信号を高周波とし信号の高速伝搬
を要求する水晶振動子5の収容が可能となって基準信号
の周波数を非常に高いものとなすことができる。
【0021】また上述の結晶性ガラスはその焼成温度が
約800℃〜1050℃と低いことから、基体1と同時
焼成により形成される配線層2を比電気抵抗が2.5μ
Ω・cm(20℃)以下と低い銅や銀、金で形成するこ
とができ、その結果、配線層2に水晶振動子5の基準信
号を伝搬させた場合、基準信号に大きな減衰が生じるこ
とはなく、基準信号を外部電気回路に正確、かつ確実に
伝搬させることが可能となる。
【0022】なお、前記基体1を形成する40乃至46
重量%の酸化珪素と、25乃至30重量%の酸化アルミ
ニウムと、8乃至13重量%の酸化マグネシウムと、6
乃至9重量%の酸化亜鉛と、8乃至11重量%の酸化ホ
ウ素とから成る結晶性ガラスは焼成時にガーナイト(Z
nO・Al23)、コージェライト(2MgO・2Al
23)、スピネル型結晶相(MgO・Al23・ZnO
・Al23)等の結晶相を生成するがこれら結晶相の生
成が基体1の強度を向上させる。また前記基体1を形成
する結晶性ガラスは、酸化珪素の量が40重量%未満、
或いは46重量%を超えると結晶性ガラスの焼成温度が
高いものとなって銅等の金属材料からなる配線層2と同
時に焼成するのが困難となる。従って、酸化珪素の量は
40〜46重量%の範囲に特定される。
【0023】また酸化アルミニウムの量が25重量%未
満、或いは30重量%を超えると結晶性ガラスの焼成温
度が高いものとなって銅等の金属材料からなる配線層2
と同時に焼成するのが困難となる。従って、酸化アルミ
ニウムの量は25〜30重量%の範囲に特定される。
【0024】また酸化マグネシウムの量が8重量%未満
となると焼成によって結晶性ガラスからなる基体1を製
作する際、生成するコージェライト(2MgO・2Al
23)の量が少なくなって基体1の強度を大きく向上さ
せることができず、また13重量%を超えると結晶性ガ
ラスの焼成温度が高いものとなって銅等の金属材料から
なる配線層2と同時に焼成するのが困難となる。従っ
て、酸化マグネシウムの量は8〜13重量%の範囲に特
定される。
【0025】また酸化亜鉛の量が6重量%未満となると
焼成によって結晶性ガラスからなる基体1を製作する
際、生成するガーナイト(ZnO・Al23)の量が少
なくなって基体1の強度を大きく向上させることができ
ず、また9重量%を超えると結晶性ガラスの焼成温度が
高いものとなって銅等の金属材料からなる配線層2と同
時に焼成するのが困難となる。従って。酸化亜鉛の量は
6〜9重量%の範囲に特定される。
【0026】また酸化ホウ素の量が8重量%未満となる
と焼成によって結晶性ガラスからなる基体1を製作する
際、ガーナイト(ZnO・Al23)、コージェライト
(2MgO・2Al23)、スピネル型結晶相(MgO
・Al23・ZnO・Al23)等の結晶相が過剰に生
成され、基体1が多孔質のものとなって容器4の気密の
信頼性が大きく低下してしまい、また11重量%を超え
ると耐薬品性が低下し、水晶デバイスとしての信頼性が
低下してしまう。従って、酸化ホウ素の量は8〜11重
量%の範囲に特定される。
【0027】更に前記結晶性ガラスはその内部に無機物
フィラー、具体的にはアルミナ、シリカ、窒化珪素、窒
化アルミニウム等の粉末を外添加で10〜100重量部
添加含有させておくと機械的強度が大幅に向上し、外力
印加によって破損等を招来するのが有効に阻止される。
従って、基体1の機械的強度を向上させ、外力印加によ
って破損等を招来しないようにするには前記結晶性ガラ
スに無機物フィラーを外添加で10〜100重量部添加
含有させて基体1を形成することが好ましい。
【0028】前記無機物フィラーは更にその粒径を0.
5μm〜5μmの範囲としておくとガラスセラミック焼
結体中に均一に分散含有させて基体1の機械的強度を均
一に向上させることができる。従って、前記無機物フィ
ラーはその粒径を0.5μm〜5μmの範囲としておく
ことが好ましい。
【0029】また前記基体1に形成されている配線層2
は、凹部1a内に収容される水晶振動子5と外部電気回
路基板の配線導体とを電気的に接続する作用をなし、例
えば、金、銀、銅等の比電気抵抗が2.5μΩ・cm以
下の金属材により形成されており、銅から成る場合であ
れば、銅粉末に適当な有機溶剤、有機バインダー等を添
加混合して得た金属ペーストを、基体1となるグリーン
シートの表面にスクリーン印刷法等で所定パターンに印
刷塗布しておくことによって形成される。
【0030】前記配線層2は、その露出する表面をニッ
ケル、金等の耐食性およびロウ材との濡れ性の良好な金
属から成るめっき層(不図示)で被覆しておくと、配線
層2の酸化腐食を良好に防止することができるととも
に、配線層2に対する半田等のロウ材の濡れ性を良好と
することができ、外部電気回路基板の配線導体に対する
配線層2の接続をより一層容易、かつ確実なものとする
ことができる。従って、前記配線層2は、その露出する
表面をニッケル、金等のめっき層、例えば、順次被着さ
れた厚み1μm〜10μmのニッケルまたはニッケル合
金めっき層、厚み0.1〜3μmの金めっき層で被覆し
ておくことが好ましい。
【0031】また前記配線層2の表面をニッケル、金等
のめっき層で被覆する場合、その最表面の算術平均粗さ
(Ra)を1.5μm以下、自乗平均平方根粗さ(Rm
s)を1.8μm以下としておくと最表面の光の反射率
が40%以上となって水晶振動子5を配線層2に固定材
7を介して固定する際、その位置決め等の作業が容易と
なる。従って、前記配線層2の表面をニッケル、金等の
めっき層で被覆する場合、その最表面の算術平均粗さ
(Ra)を1.5μm以下、自乗平均平方根粗さ(Rm
s)を1.8μm以下としておくことが好ましい。
【0032】更に前記配線層2の表面を被覆するニッケ
ル、金等からなるめっき層の最表面の算術平均粗さ(R
a)を1.5μm以下、自乗平均平方根粗さ(Rms)
を1.8μm以下とするには配線層2を従来周知のワッ
ト浴にイオウ化合物等の光沢剤を添加した電解ニッケル
めっき液に浸漬して配線層2の表面にニッケルめっき層
を被着させ、しかる後、シアン系の電解金めっき液中に
浸漬し、ニッケルめっき層表面に金めっき層を被着させ
ることによって行なわれる。
【0033】前記配線層2はまたその一部(凹部1aの
内表面に露出している領域)に水晶振動子5が固定材7
を介して固定されており、該固定材7はゴム粒子を添加
したエポキシ樹脂等の弾性率が2.8GPa以下のもの
で形成されている。
【0034】前記固定材7はその弾性率が2.8GPa
以下であり、変形し易いことから、外部環境の変化に伴
い基体1と水晶振動子5に熱が繰り返し作用し、基体1
と水晶振動子5との間に両者の熱膨張係数差に起因する
熱応力が繰り返し発生したとしても、その熱応力は固定
材7を適度に変形させることによって吸収され、固定材
7に機械的な破壊が招来することはなく、その結果、基
体1に水晶振動子5を長期間にわたり確実、強固に固定
することが可能となり、水晶デバイス6の長期信頼性を
高いものとなすことができる。
【0035】前記固定材7はその弾性率が2.8GPa
を超えると外部環境の変化に伴って基体1と水晶振動子
5の両者に繰り返し熱が作用すると基体1と水晶振動子
5との両者の熱膨張係数差に起因する熱応力が固定材7
に繰り返し作用し、固定材7に機械的な破壊を招来して
水晶振動子5の固定材7を介しての固定が破れ、水晶デ
バイス6の信頼性が大きく低下してしまう。従って、前
記固定材7はその弾性率が2.8GPa以下のものに特
定され、2GPa以下のものであることがより一層好ま
しい。
【0036】前記弾性率が2.8GPa以下の固定材7
は、例えば、アクリルゴム、イソプレンゴム等のゴム粒
子を添加したエポキシ樹脂に対して、銀粉末等の導電性
粉末を15乃至60重量%の割合で添加したものが好適
に使用される。
【0037】また前記エポキシ樹脂としては、ビスフェ
ノールA型、ビスフェノールF型、ゴム変性型、ウレタ
ン変性型等のエポキシ樹脂、特に未硬化時に粘液状(室
温)のものが好適に使用される。
【0038】この場合、エポキシ樹脂へのゴム粒子の添
加量を増加させることにより固定材7の弾性率を低下さ
せることができ、エポキシ樹脂の状態(構造、架橋度、
重合度、硬化剤の種類等)に応じて適宜ゴム粒子の添加
量を制御することにより固定材の弾性率を2.8GPa
以下とすることができる。なお、エポキシ樹脂へのゴム
粒子の添加量が50重量%を超えると、未硬化の樹脂組
成物の流動性が大きく低下し、水晶振動子5の電極と配
線層2との間に固定材7を均一に介在させることが困難
となり、水晶振動子5を基体1に強固に固定することが
困難となる傾向にある。従って、エポキシ樹脂中にゴム
粒子を添加する場合、その添加量は、固定材7の弾性率
を2.8GPa以下とする範囲で、50重量%以下とし
ておくことが好ましい。
【0039】前記固定材7は、その弾性率が0.1GP
a未満になると、変形し易くなりすぎるため水晶振動子
5を基体1の凹部1a内の所定位置に確実に接着固定し
ておくことが困難となる傾向がある。従って、前記固定
材7はその弾性率を、2.8GPa以下の範囲で、0.
1GPa以上としておくことが好ましい。
【0040】なお、前記弾性率が2.8GPa以下の固
定材7は、上述のエポキシ樹脂組成物に限らず、シリコ
ーン樹脂等の低弾性率の熱硬化性樹脂、またはシリコー
ン樹脂等にシリカ等のフィラー成分を添加した樹脂組成
物に導電性粉末を添加することにより形成してもよい。
【0041】また前記水晶振動子5が固定材7を介して
接着固定されている基体1は、その上面に蓋体3が取着
され、これによって基体1と蓋体3とから成る容器4内
部に水晶振動子5が気密に収容され、水晶デバイス6と
なる。
【0042】前記蓋体3は、鉄−ニッケル−コバルト合
金、鉄−ニッケル合金等の金属材料や、酸化アルミニウ
ム質焼結体等のセラミック材料により形成され、例え
ば、鉄−ニッケル−コバルト合金のインゴット(塊)に
圧延加工、打ち抜き加工等の周知の金属加工を施すこと
によって形成される。
【0043】更に前記蓋体3の基体1への取着は、ロウ
材、ガラス、有機樹脂接着剤等の接合材を介して行う方
法や、シーム溶接等の溶接法により行うことができ、例
えば、蓋体3をシーム溶接にて取着する場合は通常、基
体1の凹部1a周囲に枠状のロウ付け用メタライズ層8
を配線層2と同様の方法で被着させておくとともに、該
ロウ付け用メタライズ層8に金属枠体9を銀ロウ等のロ
ウ材を介してロウ付けし、しかる後、前記金属枠体9に
金属製の蓋体3を載置させるとともに蓋体3の外縁部を
シーム溶接することによって行われる。この場合、金属
枠体9は、その上面と側面との間の角部に曲率半径が5
〜30μmの丸みを形成しておくと金属枠体9の上面側
にバリが形成されることがなく、この金属枠体9の上面
に蓋体3をシーム溶接する際に両者を信頼性高く気密
に、かつ強固に接合させることができる。従って、前記
金属枠体9はその上面と側面との間の角部を曲率半径が
5〜30μmの丸みをもたせるようにしておくことが好
ましい。
【0044】また更に、前記金属枠体9は、その下面と
側面との間の角部に曲率半径が40〜80μmの丸みを
形成しておくと、該金属枠体9をロウ付け用メタライズ
層8にロウ材を介して接合する際、ロウ付け用メタライ
ズ層8と金属枠体9の下面側角部との間に空間が形成さ
れるとともに該空間にロウ材の大きな溜まりが形成され
て金属枠体9のロウ付け用メタライズ層8への接合が強
固となる。従って、前記金属枠体9をロウ付け用メタラ
イズ層8にロウ材を介して強固に接合させるには金属枠
体9の下面と側面との間の角部に曲率半径が40〜80
μmの丸みを形成しておくことが好ましい。
【0045】かくして上述の水晶デバイス6によれば、
配線層2を外部電気回路に接続し、水晶振動子5の電極
に所定の電圧を印加させることによって水晶振動子5は
所定の振動数で振動し、コンピュータ等の情報処理装置
や携帯電話等の電子装置において時間および周波数の基
準源として使用される。
【0046】なお、本発明は上述の実施例に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば
種々の変更は可能であり、例えば、図2に示すように、
配線層2の一部に突起10を形成しておくと、この突起
10がスペーサーとなって配線層2と水晶振動子5との
間に一定のスペースが確保され、このスペースに十分な
固定材7が入り込んで水晶振動子5を配線層2に極めて
強固に接着固定することができる。
【0047】また上述の水晶デバイス6では基体1に凹
部1aを設け、該凹部1a内に水晶振動子5を収容する
ようになしたが、これを図3に示す如く、平坦な基体1
上に水晶振動子5を搭載固定し、該固定された水晶振動
子5を椀状の蓋体3で気密に封止するようになした水晶
デバイス6にも適用し得る。
【0048】
【発明の効果】本発明の水晶デバイスによれば、基体を
40乃至46重量%の酸化珪素と、25乃至30重量%
の酸化アルミニウムと、8乃至13重量%の酸化マグネ
シウムと、6乃至9重量%の酸化亜鉛と、8乃至11重
量%の酸化ホウ素とから成る結晶性ガラスで形成し、か
かる結晶性ガラスの比誘電率が約5(室温1MHz)と
低いことから、基体に設けた配線層を伝わる水晶振動子
の基準信号の伝搬速度を速いものとして基準信号を高周
波とし信号の高速伝搬を要求する水晶振動子の収容が可
能となって基準信号の周波数を非常に高いものとなすこ
とができる。
【0049】また同時に上記結晶性ガラスは焼成温度が
800〜1050℃と低いことから、基体と同時焼成に
より形成される配線層を比電気抵抗が2.5μΩ・cm
以下と低い銅や銀、金で形成することができ、その結
果、配線層に水晶振動子の基準信号を伝搬させた場合、
基準信号に大きな減衰を生じることはなく、基準信号を
外部電気回路に正確、かつ確実に伝搬させることが可能
となる。
【0050】更に本発明の水晶デバイスによれば、基体
に水晶振動子を固定する固定材として、例えば、ゴム粒
子を添加したエポキシ樹脂等から成る弾性率が2.8G
Pa以下のものを使用したことから外部環境の変化に伴
い基体と水晶振動子に熱が繰り返し作用し、基体と水晶
振動子との間に両者の熱膨張係数差に起因する熱応力が
繰り返し発生したとしても、その熱応力は固定材を適度
に変形させることによって吸収され、固定材に機械的な
破壊が招来することはなく、その結果、基体に水晶振動
子を長期間にわたり確実、強固に固定することが可能と
なり、水晶デバイスの長期信頼性を高いものとなすこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水晶デバイスの一実施例を示す断面図
である。
【図2】本発明の水晶デバイスの他の実施例を示す要部
断面図である。
【図3】本発明の水晶デバイスの他の実施例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1・・・・・基体 1a・・・・凹部 2・・・・・配線層 3・・・・・蓋体 4・・・・・容器 5・・・・・水晶振動子 6・・・・・水晶デバイス 7・・・・・固定材 8・・・・・ロウ付け用メタライズ層 9・・・・・金属枠体 10・・・・突起

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水晶振動子が搭載される搭載部を有し、該
    搭載部から外表面にかけて導出される配線層を有する基
    体と、前記基体の搭載部に固定材を介して固定され、電
    極が前記配線層に電気的に接続されている水晶振動子
    と、前記基体に取着され、前記水晶振動子を気密に収容
    する蓋体とから成る水晶デバイスであって、前記基体が
    40乃至46重量%の酸化珪素と、25乃至30重量%
    の酸化アルミニウムと、8乃至13重量%の酸化マグネ
    シウムと、6乃至9重量%の酸化亜鉛と、8乃至11重
    量%の酸化ホウ素とから成る結晶性ガラスで、配線層が
    2.5μΩ・cm以下の比電気抵抗を有する金属材で形
    成されており、かつ前記固定材の弾性率が2.8GPa
    以下であることを特徴とする水晶デバイス。
  2. 【請求項2】前記固定材がゴム粒子を添加したエポキシ
    樹脂から成ることを特徴とする請求項1に記載の水晶デ
    バイス。
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