JP2003069143A - 分布帰還型半導体レーザ - Google Patents

分布帰還型半導体レーザ

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JP2003069143A
JP2003069143A JP2001254016A JP2001254016A JP2003069143A JP 2003069143 A JP2003069143 A JP 2003069143A JP 2001254016 A JP2001254016 A JP 2001254016A JP 2001254016 A JP2001254016 A JP 2001254016A JP 2003069143 A JP2003069143 A JP 2003069143A
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Mitsuru Egawa
満 江川
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分布帰還型半導体レーザに関し、PH3 雰囲
気昇温時に再成長界面にダメージが導入されにくい利得
結合DFBレーザの構造を提供する。 【解決手段】 (100)面を主面とするInP基板1
を用いた分布帰還型半導体レーザに設ける回折格子の側
面の結晶面を(100)面から〔01−1〕方向或いは
〔011−〕方向のいずれかの方向に傾斜した結晶面、
即ち、「B面」で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は分布帰還型半導体レ
ーザに関するものであり、特に、光通信に用いる高い単
一波長性と高出力動作を両立することが可能な分布帰還
型(DFB:Distributed FeedBac
k)半導体レーザの結晶面方位に特徴のある分布帰還型
半導体レーザに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体レーザを光源として用いた
光通信システムが急速に発展してきており、光源として
用いる長距離大容量伝送用半導体レーザには発振波長の
単一化と高出力動作の両立が求められる。
【0003】従来、長距離大容量伝送用半導体レーザに
おいては、回折格子の位相を途中でλ/4シフトさせた、
即ち、山と谷を反転させたλ/4位相シフトDFBレー
ザが高い単一波長性を有するレーザとして実用化されて
いるが、レーザ両端面に反射防止膜を形成する必要があ
るため高出力化が困難であった。
【0004】一方、活性層に回折格子を形成し、光の導
波方向に利得が周期的に変調された構造の利得結合型D
FBレーザでは、片端面を高反射膜コーティングしても
高い単一波長性が得られる特徴があり、単一波長性と高
出力動作を両立できるレーザとして期待されている。
【0005】さらに、反射戻り光耐性も強いことが実験
的に確認されており、従来の屈折率結合型DFBレーザ
より高性能なDFBレーザとして早期開発が望まれてい
るので図6を参照して従来の利得結合型DFBレーザを
説明する。
【0006】図6(a)乃至(c)参照 図6(a)は従来の利得結合型DFBレーザの〔01−
1〕方向に垂直な概略的側断面図であり、図6(b)は
図6(a)に示した破線の方形内の拡大図であり、ま
た、図6(c)は〔011〕方向に垂直な概略的断面図
である。なお、本明細書においては、明細書作成の都合
上、“1バー”等で表す結晶面方位を“1−”等で表記
する。
【0007】まず、1 回目の成長として、(100)面
を主面とするn型InP基板51上に、バッファ層を兼
ねる厚さが、例えば、0.3μmのn型InPクラッド
層52、厚さが、例えば、50nmで組成波長が1.1
5μmのアンドープのi型InGaAsP光導波層5
3、厚さが、例えば、0.1μmのi型MQW活性層、
厚さが、例えば、10nmのアンドープのi型InP保
護層(図示を省略)を有機金属気相成長法(MOVPE
法)で順次堆積させる。なお、本明細書においては表記
を簡単にするために、アンドープ層をi型層と表記す
る。
【0008】なお、このi型MQW活性層は、厚さが、
例えば、5nmで、組成波長が1.71μm、圧縮歪が
1.0%のInGaAsP井戸層を6層と、厚さが、例
えば、10nmで、組成波長が1.3μmのInGaA
sP障壁層を7層を交互に積層させて構成する。
【0009】次いで、干渉露光法を用いてi型InP保
護層上に周期ΛがΛ=243nmの〔01−1〕方向に
延在する回折格子状のレジストパターン(図示を省略)
を形成し、このレジストパターンをマスクにしてi型I
nP保護層及びi型MQW活性層の上部4層のInGa
AsP井戸層をエッチングし深さ約75nmの回折格子
状MQW活性層54を形成する。
【0010】次いで、レジストパターンを剥離したの
ち、2 回目の成長として、回折格子状MQW活性層54
の凹部をi型InP埋込層55で埋め込み、引き続い
て、厚さが、例えば、50nmで組成波長が1.15μ
mのi型InGaAsP光導波層56、厚さが、例え
ば、3μmのp型InPクラッド層57、及び、厚さ
が、例えば、0.5μmのp型InGaAsコンタクト
層58を順次成長させる。
【0011】次いで、回折格子と垂直な〔01−1−〕
方向にストライプ状リッジ59を作製し、n側電極(図
示を省略)としてAuGeを、p側電極(図示を省略)
としてAu/Zn/Auを蒸着することによって、リッ
ジ型利得結合型DFBレーザの基本構成が完成する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来、InP系材料の
MOVPE成長の昇温雰囲気には通常フォスフィンPH
3 と水素の混合ガスが用いられている。これは昇温中に
InP表面からのP抜けを防止するためである。
【0013】本発明者は、利得結合型DFBレーザのよ
うに、再成長時のウエハ表面にInPだけでなくInG
aAsPも露出している場合には、InGaAsPの結
晶面方位や昇温等の成長条件によっては高温のPH3
囲気とInGaAsP表面とが反応して界面が劣化する
可能性があることを見出したのでこの事情を図7及び図
8を参照して説明する。
【0014】図7(a)参照 図7(a)に示すように、各種の面方位のInP基板6
1上に、MOVPE法を用いて厚さが0.2μmのIn
Pバッファ層62、及び、厚さが0.1μmのInGa
As層63を成長させたのち、成長中断を入れてInG
aAs層63の表面をPH3 雰囲気に晒し、次いで、厚
さが0.05μmのInPキャップ層64を成長させた
のち、InGaAs層63のフォトルミネッセンス(P
L)強度を測定した。なお、図における符号65は成長
中断界面である。
【0015】この測定したPL強度を、InPバッファ
層62乃至InPキャップ層64を成長中断なく成長さ
せたウェハにおけるInGaAs層63のPL強度で規
格化して示したのが図7(b)である。したがって、規
格化PL強度の低下は、PH3 雰囲気に晒したInGa
As層63の表面の劣化を意味する。
【0016】ここで使用したInP基板61の面方位
は、 (111)A15°off towards〔01
1〕、即ち、(111)A面から〔011〕方向に15
°傾斜した面で、(100)面から約70°傾斜した
「A面」、 (311)A、即ち、(100)面から約25°傾斜
した「A」面、 (100)面、 (311)B、即ち、(100)面から約25°傾斜
した「B」面、 (111)B15°off towards〔01−
1−〕、即ち、(111)B面から〔01−1−〕方向
に15°傾斜した面で、(100)面から約70°傾斜
した「B面」、 (111)B25°off towards〔01−
1−〕、即ち、(111)B面から〔01−1−〕方向
に25°傾斜した面で、(100)面から約80°傾斜
した「B面」 の6種類である。
【0017】図8(a)及び(b)参照 図8(a)は、III-V族化合物半導体の結晶方位を示す
上面図であり、また、図8(b)は斜視図であり、本発
明における「A面」とは(100)面から〔011〕方
向に傾斜した面、及び、結晶学的にそれと等価な面を意
味し、「A面」においてはIII 族元素が優勢に現れてお
り、典型的な「A面」である(111)A面において
は、ファセット面に現れる全ての元素がIII 族元素とな
る。
【0018】一方、本発明における「B面」とは(10
0)面から〔01−1〕方向に傾斜した面、及び、結晶
学的にそれと等価な面を意味し、「B面」においてはV
族元素が優勢に現れており、典型的な「B面」である
(111)B面においては、ファセット面に現れる全て
の元素がV族元素となる。
【0019】図7(b)参照 図に示すように、B面の結晶方位ではPH3 雰囲気の温
度が概ね600℃まではPL強度が低下しないが、A面
の結晶方位では500℃でPL強度が低下しており60
0℃では全く発光しない。なお、(100)面はB面と
同じような振る舞いをする。
【0020】この結果は、InGaAsのPH3 耐性が
A面とB面で大きく異なりA面の方が弱いことを示して
おり、As組成によりPH3 耐性に差があるがInGa
AsP4 元混晶でも同様な面方位依存性が生じると考え
られる。
【0021】上述の図6に示した従来の利得結合型DF
Bレーザでは、回折格子の側面が〔01−1−〕方向や
〔011〕方向に傾斜したA面で構成されるため、2 回
目の成長で昇温条件、例えば、成長温度、昇温時間、或
いは、PH3 分圧等の条件が適切でないと昇温中に回折
格子の側面、特にAs組成の多いInGaAsP井戸層
の側面にダメージが導入される虞があり、この昇温ダメ
ージは非発光再結合中心となり活性層の発光効率を低下
させ素子特性を劣化させる原因となる。
【0022】したがって、本発明は、PH3 雰囲気昇温
時に再成長界面にダメージが導入されにくい利得結合D
FBレーザの構造を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理的構
成の説明図であり、この図1を参照して本発明における
課題を解決するための手段を説明する。なお、図におけ
る符号2,3,7,8は、夫々、クラッド層、光導波
層、クラッド層、及び、コンタクト層である。 図1参照 上述の目的を達成するために、本発明は、(100)面
を主面とするInP基板1を用いた分布帰還型半導体レ
ーザにおいて、回折格子の側面の結晶面を(100)面
から〔01−1〕方向或いは〔011−〕方向のいずれ
かの方向に傾斜した結晶面、即ち、「B面」で構成する
ことを特徴とする。
【0024】この様な構成により、回折格子の側面に形
成されるInP系半導体、典型的にはInGaAsPの
結晶方位がPH3 雰囲気耐性の強い「B面」であるた
め、回折格子の凹部を埋込層5で埋め込む際に、界面に
昇温ダメージを導入することなく成長温度を良好な回折
格子埋め込みが可能な600℃に昇温でき、それによっ
て、活性層4の発光効率低下がない回折格子埋め込みが
可能となり低しきい値発振や高効率動作を実現できる。
【0025】この場合、回折格子の形成方向を〔01
1〕方向と等価な方向とすると、回折格子の凸部断面形
状は回折格子の側面が「B面」で構成される順メサ形状
とし、一方、回折格子の形成方向を〔011−〕方向と
等価な方向とすると、回折格子の凸部断面形状は回折格
子の側面が「B面」で構成される逆メサ形状とする。
【0026】この回折格子は、活性層4に形成して利得
結合型の分布帰還共振器構造としても良いし、或いは、
光導波層6に設けても良いものである。また、この回折
格子は、周期が一定の通常の回折格子でも或いはλ/4
位相シフト領域を有する回折格子でも良い。
【0027】また、回折格子と垂直な光の導波方向に電
流狭窄のためのストライプ状メサを形成する場合、スト
ライプ状メサの側面を「B面」で構成することが望まし
く、特に、ストライプ状メサの側面にInGaAsP層
等の活性層4が露出する埋込ヘテロ接合構造(BH構
造)の場合に好適であり、それによって、高性能な利得
結合型DFBレーザが得られる。
【0028】
【発明の実施の形態】ここで、図2及び図3を参照し
て、本発明の第1の実施の形態のDFB半導体レーザの
製造工程を説明する。 図2(a)参照 まず、(100)面を主面とするn型InP基板11上
にMOVPE法を用いて、例えば、620℃の成長温度
で、厚さが、例えば、0.3μmのn型InPクラッド
層12、厚さが、例えば、50nmで組成波長が1.1
5μmのi型InGaAsP光導波層13、i型MQW
活性層、厚さが、例えば、10nmのi型InP保護層
15を順次堆積させる。
【0029】このi型MQW活性層は、厚さが、例え
ば、5nmで、組成波長が1.71μm、圧縮歪が1.
0%のInGaAsP井戸層を6層と、厚さが、例え
ば、10nmで、組成波長が1.3μmのInGaAs
P障壁層を7層を交互に積層させて構成する。
【0030】次いで、干渉露光法を用いてi型InP保
護層15上に、〔01−1〕方向の周期Λが、Λ=24
3nmの回折格子状のレジストパターン16を形成し、
このレジストパターン16をマスクにしてInP保護層
15及びi型MQW活性層の上部4層のInGaAsP
井戸層をエッチングし深さ約75nmの回折格子状MQ
W活性層14を形成する。この場合、回折格子状MQW
活性層14の側面は「B面」からなる順メサ形状とな
る。
【0031】図2(b)参照 次いで、レジストパターン16を剥離したのち、2 回目
の成長として600℃の成長温度において、回折格子状
MQW活性層14の凹部をi型InP埋込層17で埋め
込み、引き続いて、厚さが、例えば、50nmで組成波
長が1.15μmのi型InGaAsP光導波層18、
厚さが、例えば、0.25μmのp型InPクラッド層
19を順次成長させる。
【0032】図2(c)参照 次いで、回折格子と垂直な〔011−〕方向と等価な方
向に延在するストライプ状のSiO2 パターン20を形
成し、このSiO2 パターン20をマスクとし、基板を
傾斜させたドライエッチングを施すことによって、高さ
が、1.5μmの逆メサ形状のストライプ状メサ21を
形成する。この逆メサ形状のストライプ状メサ21の側
面は「B面」となる。
【0033】図3(d)参照 次いで、3回目の成長として、600℃の成長温度にお
いて、SiO2 パターン20を選択成長マスクとして、
厚さが、例えば、0.7μmのp型InPブロック層2
2、及び、厚さが、例えば、0.7μmのn型InPブ
ロック層23を順次成長させて、ストライプ状メサ21
の側面を埋め込み、電流狭窄構造を形成する。
【0034】図3(e)及び(f)参照 次いで、SiO2 パターン20を除去したのち、4回目
の成長として、600℃の成長温度において、厚さが、
例えば、3.5μmのp型クラッド層24及び厚さが、
例えば、0.5μmのp型InGaAsコンタクト層2
5を順次成長させる。なお、図3(f)は、図3(e)
の光軸に沿った側断面図である。
【0035】最後に、n側電極(図示を省略)としてA
uGeを、p側電極(図示を省略)としてAu/Zn/
Auを蒸着することによって、埋め込みヘテロ接合型の
利得結合型DFBレーザの基本構成が完成する。
【0036】この本発明の第1の実施の形態において
は、i型MQW活性層に形成する回折格子の側面を「B
面」で構成しているので、i型InP埋込層17の成長
工程において、InGaAsPからなる回折格子状MQ
W活性層14の側面が600℃のPH3 雰囲気にさらさ
れても、ダメージの発生が抑制され、それによって、発
光効率の低下を抑制することができる。
【0037】また、電流狭窄構造として活性層の側面が
露出する埋込ヘテロ接合構造を採用する際に、ストライ
プ状メサ21を側面が「B面」となる逆メサ形状とした
ので、ブロック層等の埋込層を形成する際に、活性層へ
のダメージが抑制され、より高効率の利得結合型DFB
半導体レーザを構成することができる。
【0038】次に、図4を参照して、本発明の第2の実
施の形態のDFB半導体レーザを製造工程を説明する
が、基本的な工程手順は上記の第1の実施の形態と同様
であるので、最終的な構造の断面図及び側断面図のみを
図示する。なお、図4(a)は〔01−1−〕方向に沿
った断面図であり、図4(b)は図4(a)における破
線で示す方形内の拡大図であり、また、図4(c)は、
〔011〕方向に垂直な断面図である。
【0039】図4(a)乃至(c)参照 まず、上記の第1の実施の形態と同様に、(100)面
を主面とするn型InP基板31上にMOVPE法を用
いて、例えば、620℃の成長温度で、厚さが、例え
ば、0.3μmのn型InPクラッド層32、厚さが、
例えば、50nmで組成波長が1.15μmのi型In
GaAsP光導波層33、i型MQW活性層、厚さが、
例えば、10nmのi型InP保護層(図示を省略)を
順次堆積させる。
【0040】この場合も、i型MQW活性層は、厚さ
が、例えば、5nmで、組成波長が1.71μm、圧縮
歪が1.0%のInGaAsP井戸層を6層と、厚さ
が、例えば、10nmで、組成波長が1.3μmのIn
GaAsP障壁層を7層を交互に積層させて構成する。
【0041】次いで、干渉露光法を用いてi型InP保
護層上に、〔01−1−〕方向の周期Λが、Λ=243
nmの回折格子状のレジストパターン(図示を省略)を
形成し、このレジストパターンをマスクにして基板を傾
斜させたドライエッチングを施すことによってInP保
護層及びi型MQW活性層の上部4層のInGaAsP
井戸層をエッチングし深さ約75nmの回折格子状MQ
W活性層34を形成する。 この場合、回折格子状MQ
W活性層34の側面は「B面」からなる逆メサ形状とな
る。
【0042】次いで、レジストパターンを剥離したの
ち、2 回目の成長として600℃の成長温度において、
回折格子状MQW活性層34の凹部をi型InP埋込層
35で埋め込み、引き続いて、厚さが、例えば、50n
mで組成波長が1.15μmのi型InGaAsP光導
波層36、厚さが、例えば、0.25μmのp型InP
クラッド層37を順次成長させる。
【0043】次いで、回折格子と垂直な〔011〕方向
と等価な方向に延在するストライプ状のSiO2 パター
ン(図示を省略)を形成し、このSiO2 パターンをマ
スクとしてドライエッチングを施すことによって、高さ
が、1.5μmの順メサ形状のストライプ状メサ38を
形成する。この逆メサ形状のストライプ状メサ38の側
面は「B面」となる。
【0044】次いで、3回目の成長として、600℃の
成長温度において、SiO2 パターンを選択成長マスク
として、厚さが、例えば、0.7μmのp型InPブロ
ック層39、及び、厚さが、例えば、0.7μmのn型
InPブロック層40を順次成長させて、ストライプ状
メサ38の側面を埋め込み、電流狭窄構造を形成する。
【0045】次いで、SiO2 パターンを除去したの
ち、4回目の成長として、600℃の成長温度におい
て、厚さが、例えば、3.5μmのp型クラッド層41
及び厚さが、例えば、0.5μmのp型InGaAsコ
ンタクト層42を順次成長させる。
【0046】最後に、n側電極(図示を省略)としてA
uGeを、p側電極(図示を省略)としてAu/Zn/
Auを蒸着することによって、埋め込みヘテロ接合型利
得結合型DFBレーザの基本構成が完成する。
【0047】この本発明の第2の実施の形態において
は、i型MQW活性層に形成する逆メサ状の回折格子の
側面を「B面」で構成しているので、i型InP埋込層
35の成長工程において、InGaAsPからなる回折
格子状MQW活性層34の側面が600℃のPH3 雰囲
気にさらされても、ダメージの発生が抑制され、それに
よって、発光効率の低下を抑制することができる。
【0048】また、電流狭窄構造として活性層の側面が
露出する埋込ヘテロ接合構造を採用する際に、ストライ
プ状メサ38を側面が「B面」となるの順メサ形状とし
たので、ブロック層等の埋込層を形成する際に、活性層
へのダメージが抑制され、より高効率の利得結合型DF
B半導体レーザを構成することができる。
【0049】次に、図5を参照して、本発明の第3の実
施の形態のDFB半導体レーザを製造工程を説明する
が、基本的な工程手順は上記の第1の実施の形態と同様
であるので、最終的な構造の断面図及び側断面図のみを
図示する。なお、図5(a)は〔01−1〕方向に沿っ
た断面図であり、図5(b)は図5(a)における破線
で示す方形内の拡大図であり、また、図5(c)は、
〔01−1〕方向に垂直な断面図である。
【0050】図5(a)乃至(c)参照 まず、(100)面を主面とするn型InP基板11上
にMOVPE法を用いて、例えば、620℃の成長温度
で、厚さが、例えば、0.3μmのn型InPクラッド
層12、厚さが、例えば、50nmで組成波長が1.1
5μmのi型InGaAsP光導波層13、i型MQW
活性層26、及び、厚さが、例えば、50nmで組成波
長が1.15μmのi型InGaAsP光導波層を順次
堆積させる。
【0051】この場合も、i型MQW活性層26は、厚
さが、例えば、5nmで、組成波長が1.71μm、圧
縮歪が1.0%のInGaAsP井戸層を6層と、厚さ
が、例えば、10nmで、組成波長が1.3μmのIn
GaAsP障壁層を7層を交互に積層させて構成する。
【0052】次いで、干渉露光法を用いてi型InGa
AsP光導波層上に、〔01−1〕方向の周期Λが、Λ
=243nmの回折格子状のレジストパターン(図示を
省略)を形成し、このレジストパターンをマスクにして
ドライエッチングを施すことによってi型InGaAs
P光導波層をエッチングして回折格子状光ガイド層27
を形成する。この場合、回折格子状光ガイド層27の側
面は「B面」からなる順メサ形状となる。
【0053】次いで、レジストパターンを剥離したの
ち、2 回目の成長として600℃の成長温度において、
回折格子状光ガイド層27上に厚さが、例えば、0.2
5μmのp型InPクラッド層19を成長させる。
【0054】次いで、回折格子と垂直な〔01−1〕方
向に延在するストライプ状のSiO 2 パターン(図示を
省略)を形成し、このSiO2 パターンをマスクとし、
基板を傾斜させたドライエッチングを施すことによっ
て、高さが、1.5μmの逆メサ形状のストライプ状メ
サ21を形成する。この逆メサ形状のストライプ状メサ
21の側面は「B面」となる。
【0055】次いで、3回目の成長として、600℃の
成長温度において、SiO2 パターンを選択成長マスク
として、厚さが、例えば、0.7μmのp型InPブロ
ック層22、及び、厚さが、例えば、0.7μmのn型
InPブロック層23を順次成長させて、ストライプ状
メサ21の側面を埋め込み、電流狭窄構造を形成する。
【0056】次いで、SiO2 パターンを除去したの
ち、4回目の成長として、600℃の成長温度におい
て、厚さが、例えば、3.5μmのp型クラッド層24
及び厚さが、例えば、0.5μmのp型InGaAsコ
ンタクト層25を順次成長させる。
【0057】最後に、n側電極(図示を省略)としてA
uGeを、p側電極(図示を省略)としてAu/Zn/
Auを蒸着することによって、埋め込みヘテロ接合型D
FBレーザの基本構成が完成する。
【0058】この本発明の第3の実施の形態において
は、光導波層に回折格子を形成する際に、順メサ状の回
折格子の側面を「B面」で構成しているので、p型In
Pクラッド層19の成長工程において、i型MQW活性
層14の近傍に非発光性再結合中心が発生することがな
く、それによって、発光効率の低下を抑制することがで
きる。
【0059】また、電流狭窄構造として活性層の側面が
露出する埋込ヘテロ接合構造を採用する際に、ストライ
プ状メサ38を側面が「B面」からなる逆メサ形状とし
たので、ブロック層等の埋込層を形成する際に、活性層
へのダメージが抑制され、より高効率の利得結合型DF
B半導体レーザを構成することができる。
【0060】以上、本発明の各実施の形態を説明してき
たが、本発明は各実施の形態に記載した数値、条件等に
限られるものではなく、各種の変更が可能である。例え
ば、本発明の各実施の形態においては、電流狭窄構造を
備えた埋込ヘテロ接合構造によって構成しているが、従
来例のようにリッジ型等でも良い。
【0061】また、上記の各実施の形態においては、埋
込ヘテロ接合構造を、p/n/p/n構造としている
が、p/n/p/n構造に限られるものではなく、Fe
ドープ高抵抗InP層で埋め込んでも良い。
【0062】また、上記の第1乃至第2の実施の形態に
おいては、回折格子を埋め込む埋込層をi型InP層と
しているが、InGaAsPで埋め込んでも良い。
【0063】また、上記の各実施の形態においては、活
性層を井戸層が6層で障壁層が7層のMQW活性層とし
ているが、層数は任意であり、さらには、活性層はMQ
W活性層に限られるものではなく、バルク活性層を用い
ても良いものである。
【0064】また、上記の第1乃至第2の実施の形態に
おいては、クラッド層と活性層との間に一対の光導波層
を設けているが、光導波層は必ずしも必要がないもので
あり、少なくとも一方を除いても良いものである。
【0065】また、上記の各実施の形態においては、光
ファイバー損失が最小になる1.55μm帯のDFBレ
ーザを例としたが、回折格子の周期Λを約200nmと
し屈折率分散が最小となる1.3μm帯のDFBレーザ
に適用しても良いことは言うまでもない。
【0066】また、上記の各実施の形態においては、回
折格子を周期が一定の通常の回折格子としているが、必
ずしもこの様な回折格子である必要はなく、λ/4位相
シフト領域を有する回折格子を用いても良いものであ
る。
【0067】ここで、再び、図1を参照して、改めて本
発明の詳細な構成の特徴点を説明する。 図1参照 (付記1) (100)面を主面とするInP基板1上
に、互いに異なる導電型の1対のクラッド層2,7間に
少なくとも活性層4を備えるとともに、回折格子を設け
た分布帰還型半導体レーザにおいて、前記回折格子の側
面を(100)面から〔01−1〕方向或いは〔011
−〕方向のいずれかの方向に傾斜した結晶面で構成する
ことを特徴とする分布帰還型半導体レーザ。 (付記2) 上記回折格子が、活性層4に形成されて利
得結合型の分布帰還型共振器構造を構成することを特徴
とする付記1記載の分布帰還型半導体レーザ。 (付記3) 上記回折格子が、上記活性層4と上記クラ
ッド層7との間に設けられた光導波層6に設けられたこ
とを特徴とする付記1記載の分布帰還型半導体レーザ。 (付記4) 上記回折格子が、周期が一定の回折格子で
あることを特徴とする付記2または3に記載の分布帰還
型半導体レーザ。 (付記5) 上記回折格子が、λ/4位相シフト領域を
有する回折格子であることを特徴とする付記2または3
に記載の分布帰還型半導体レーザ。 (付記6) 上記回折格子の形成方向を〔011〕方向
と等価な方向とし、前記回折格子の凸部断面形状を順メ
サ形状とすることを特徴とする付記1乃至5のいずれか
1に記載の分布帰還型半導体レーザ。 (付記7) 上記回折格子の形成方向を〔011−〕方
向と等価な方向とし、前記回折格子の凸部断面形状を逆
メサ形状とすることを特徴とする付記1乃至5のいずれ
か1に記載の分布帰還型半導体レーザ。 (付記8) 光の導波方向に電流狭窄のためのストライ
プ状メサを形成するとともに、前記ストライプ状メサの
側面を(100)面から〔01−1〕方向或いは〔01
1−〕方向のいずれかの方向に傾斜した結晶面で構成す
ることを付記1乃至7のいずれか1に記載の分布帰還型
半導体レーザ。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、活性層或いは光導波層
に回折格子を形成する際に、周期的凹凸の側面を「B
面」で構成しているため、結晶成長時の高温のPH3
囲気に対する耐性が強く、活性層の発光効率の低下を抑
制することができ、それによって、しきい値電流Ith
低減と高効率動作を実現でき、ひいては、優れた単一波
長性と高出力動作を両立した利得結合型DFBレーザ等
の実現に寄与する所が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態のDFB半導体レー
ザの途中までの製造工程の説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態のDFB半導体レー
ザの図2以降の製造工程の説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態のDFB半導体レー
ザの概略的構成図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態のDFB半導体レー
ザの概略的構成図である。
【図6】従来の利得結合型DFB半導体レーザの概略的
構成図である。
【図7】PL強度の成長面方位依存性の説明図である。
【図8】III-V族化合物半導体の結晶面方位の説明図で
ある。
【符号の説明】
1 InP基板 2 クラッド層 3 光導波層 4 活性層 5 埋込層 6 光導波層 7 クラッド層 8 コンタクト層 11 n型InP基板 12 n型InPクラッド層 13 i型InGaAsP光導波層 14 回折格子状MQW活性層 15 i型InP保護層 16 レジストパターン 17 i型InP埋込層 18 i型InGaAsP光導波層 19 p型InPクラッド層 20 SiO2 パターン 21 ストライプ状メサ 22 p型InPブロック層 23 n型InPブロック層 24 p型InPクラッド層 25 p型InGaAsコンタクト層 26 i型MQW活性層 27 回折格子状光導波層 31 n型InP基板 32 n型InPクラッド層 33 i型InGaAsP光導波層 34 回折格子状MQW活性層 35 i型InP埋込層 36 i型InGaAsP光導波層 37 p型InPクラッド層 38 ストライプ状メサ 39 p型InPブロック層 40 n型InPブロック層 41 p型InPクラッド層 42 p型InGaAsコンタクト層 51 n型InP基板 52 n型InPクラッド層 53 i型InGaAsP光導波層 54 回折格子状MQW活性層 55 i型InP埋込層 56 i型InGaAsP光導波層 57 p型InPクラッド層 58 p型InGaAsコンタクト層 59 ストライプ状リッジ 61 InP基板 62 InPバッファ層 63 InGaAs層 64 InPキャップ層 65 成長中断界面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (100)面を主面とするInP基板上
    に、互いに異なる導電型の1対のクラッド層間に少なく
    とも活性層を備えるとともに、回折格子を設けた分布帰
    還型半導体レーザにおいて、前記回折格子の側面を(1
    00)面から〔01−1〕方向或いは〔011−〕方向
    のいずれかの方向に傾斜した結晶面で構成することを特
    徴とする分布帰還型半導体レーザ。
  2. 【請求項2】 上記回折格子が、活性層に形成されて利
    得結合型の分布帰還型共振器構造を構成することを特徴
    とする請求項1記載の分布帰還型半導体レーザ。
  3. 【請求項3】 上記回折格子の形成方向を〔011〕方
    向と等価な方向とし、前記回折格子の凸部断面形状を順
    メサ形状とすることを特徴とする請求項1または2に記
    載の分布帰還型半導体レーザ。
  4. 【請求項4】 上記回折格子の形成方向を〔011−〕
    方向と等価な方向とし、前記回折格子の凸部断面形状を
    逆メサ形状とすることを特徴とする請求項1または2に
    記載の分布帰還型半導体レーザ。
  5. 【請求項5】 光の導波方向に電流狭窄のためのストラ
    イプ状メサを形成するとともに、前記ストライプ状メサ
    の側面を(100)面から〔01−1〕方向或いは〔0
    11−〕方向のいずれかの方向に傾斜した結晶面で構成
    することを請求項1乃至4のいずれか1項に記載の分布
    帰還型半導体レーザ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016005163A (ja) * 2014-06-18 2016-01-12 キヤノン株式会社 プリント回路板

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