JP2003068766A - 電界効果トランジスタの製造方法 - Google Patents

電界効果トランジスタの製造方法

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JP2003068766A
JP2003068766A JP2001257601A JP2001257601A JP2003068766A JP 2003068766 A JP2003068766 A JP 2003068766A JP 2001257601 A JP2001257601 A JP 2001257601A JP 2001257601 A JP2001257601 A JP 2001257601A JP 2003068766 A JP2003068766 A JP 2003068766A
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Japan
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recess
oxide film
effect transistor
layer
manufacturing
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JP2001257601A
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Makoto Inai
誠 稲井
Hidehiko Sasaki
秀彦 佐々木
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲート領域にゲートリセスを形成するための
リセスエッチング工程に先立って、パターンマスクのエ
ッチャントに対する濡れ性を向上させるためのO 2 プラ
ズマ処理を実施したとき、パターンマスクの開口部に露
出する半導体層の表面に酸化膜が形成され、その後のリ
セスエッチング工程において、この酸化膜がエッチング
を阻害することがある。 【解決手段】 リセスエッチング工程の前に、パターン
マスク37の開口部において、O2 プラズマ処理38の
実施のために形成された酸化膜39を除去し、その後、
パターンマスク37を介してエッチングを実施し、リセ
ス34を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ヘテロ接合を用
いた電界効果トランジスタの製造方法に関するもので、
特に、ゲート領域にゲートリセスを形成するための方法
における改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波ないしミリ波領域で動作する
発振器やパワーアンプなどの素子として、ヘテロ接合構
造を有する電界効果トランジスタ(FET)が用いられ
ている。図3は、この発明にとって興味ある従来のヘテ
ロ接合構造を有するFET1の積層構造を図解的に示す
断面図である。
【0003】図3に示したFET1は、たとえばGaA
sからなる半絶縁性基板2を備え、この半絶縁性基板2
上に、それぞれ、エピタキシャル成長法により、バッフ
ァ層3、チャンネル層4、障壁層5、第1のコンタクト
層6、ストッパ層7および第2のコンタクト層8を順次
形成してなる積層構造を有している。
【0004】上述の第2のコンタクト層8の表面には、
オーミック電極からなるソース電極9およびドレイン電
極10が形成され、それによって、ソース領域およびド
レイン領域がそれぞれ形成される。
【0005】また、第2のコンタクト層8から第1のコ
ンタクト層6にわたって、各々の一部が除去され、それ
によって、ゲートリセス11が形成される。ゲートリセ
ス11は、第2のコンタクト層8の一部に形成される第
1のリセス12と、この第1のリセス12内において、
ストッパ層7および第1のコンタクト層6の各一部に形
成される第2のリセス13とからなる2段リセス構造を
有している。
【0006】上述したゲートリセス11、より特定的に
は第2のリセス13の形成によって露出した障壁層5の
表面には、ショットキー電極からなるゲート電極14が
形成され、ここにゲート領域が形成される。
【0007】また、第2のコンタクト層8、ストッパ層
7およびゲート電極14の露出した表面を覆うように、
たとえばSiNからなる保護膜15が形成される。
【0008】このようなFET1が擬似格子整合系高電
子移動度トランジシスタ(PHEMT)である場合に
は、たとえば、バッファ層3はGaAsからなり、チャ
ンネル層4はInGaAsからなり、障壁層5はAlG
aAsからなり、コンタクト層6および8はGaAsか
らなり、ストッパ層7はAlGaAsからなる。
【0009】図示したFET1のようにエピタキシャル
成長層を基板として用いる場合、ゲート電極14を形成
する前に、ゲートリセス11をソース電極9およびドレ
イン電極10間に形成することが一般的である。ゲート
リセス11は、所望のピンチオフ電圧(Vp )および飽
和ドレイン電流(Idss )を得ることを目的とするもの
で、コンタクト層6および8をエッチングし、障壁層5
の表面を露出させるように形成される。
【0010】障壁層5の厚みは、所望のVp およびI
dss が得られるように設計されており、その表面に、ゲ
ート電極14を形成することによって、所望のFET特
性を得ることができる。障壁層5には、ゲート耐圧およ
びバリアハイトを得るため、前述したAlGaAs、あ
るいはAlInAsなどのAlを含むバンドギャップの
大きな半導体層が用いられる。
【0011】ゲートリセス11は、均一なVp およびI
dss を得るため、選択エッチングを施すことによって形
成されることが多い。このような選択エッチングは、R
IE等のドライプロセスを用いて行なわれる場合もある
が、ドライプロセスによると、エッチング後の表面にプ
ラズマ損傷が発生するため、このような損傷の発生しな
いウェットエッチングを用いることが好ましい。このウ
ェットエッチングにおけるエッチャントとしては、通
常、クエン酸系、アンモニア系のものが用いられるが、
その他、アジピン酸系、コハク酸系などが用いられるこ
ともある。
【0012】図1に示したFET1の場合には、上述の
エッチャントとして、コンタクト層6および8を構成す
るGaAsに対してエッチングレートが高く、障壁層5
およびストッパ層7を構成するAl含有半導体に対して
エッチングレートが低くなる系、たとえば、クエン酸/
過酸化水素水、アンモニア/過酸化水素水などが用いら
れ、ゲート領域にあるストッパ層7および障壁層5の各
々の表面でエッチングが停止するようにされる。
【0013】なお、ソース領域およびドレイン領域にお
いては、コンタクト層6および8がエッチングされずに
残っているため、接触抵抗および直列抵抗を小さく保つ
ことができる。
【0014】前述したようなマイクロ波ないしミリ波領
域で動作する発振器やパワーアンプなどの素子では、高
利得、高出力および高効率な特性が求められており、今
やそれを実現するために、ゲート長がサブミクロンない
しサブクォーターミクロン、すなわち0.1μmレベル
まで微細化されてきている。
【0015】このような微細なゲートを形成すべきゲー
ト領域に、ウェットエッチングにより、ゲートリセス1
1を形成しようとする場合、その深さが前述したVp
ds s に大きく影響を与えるため、歩留まりやコスト低
減の点から、ゲートリセス11は、均一に狙いどおりの
深さに形成される必要がある。
【0016】他方、ゲートリセス11を選択エッチング
によって形成する際に用いるパターンマスク、特に第2
のリセス13を形成する際に用いるパターンマスクは、
その開口部が微細でアスペクト比が大きいため、エッチ
ャント内に浸漬しても、エッチャントのパターンマスク
に対する濡れ性が悪く、エッチャントがパターンマスク
の表面ではじかれ、エッチャントが均一にパターンマス
クの開口部内に浸透して行かないという欠点がある。そ
のため、エッチング深さにばらつきが発生し、歩留まり
低下の原因となっている。
【0017】これを解決するため、上述したパターンマ
スクのエッチャントに対する濡れ性を向上させ、それに
よって、エッチャントをパターンマスクの開口部内に浸
透させやすくするため、O2 プラズマ処理を施す方法が
採用されている。この方法の詳細について、図4を参照
して説明する。
【0018】図4には、図3に示したゲートリセス1
1、特に第2のリセス13を形成するための工程および
ゲート電極14を形成するための工程が示されている。
【0019】ゲートリセス11を形成するため、まず、
第2のコンタクト層8を広範囲に選択エッチングし、第
1のリセス12を形成することが行なわれる。この選択
エッチングは、数nmの厚みを有するAl含有半導体薄
層からなるストッパ層7で停止する。
【0020】次に、図4(1)に示すように、ゲート電
極14を形成すべきゲート領域に対応する微細な開口部
を有するパターンマスク16が、フォトリソグラフィ技
術を用いて形成される。
【0021】次に、図4(2)に示すように、FET1
を与えるウエハの表面に対して、O 2 プラズマ処理17
が施される。これによって、パターンマスク16の表面
層が酸化され、エッチャントに対する濡れ性が良好にさ
れ、エッチャントがパターンマスク16の開口部内に浸
透しやすくなる。
【0022】次に、図4(3)に示すように、パターン
マスク16を介してエッチングが実施される。これによ
って、パターンマスク16の開口部において、ストッパ
層7および第1のコンタクト層6が除去され、それによ
って、第2のリセス13が形成される。
【0023】次に、図4(4)に示すように、第2のリ
セス13の形成によって露出した障壁層5の表面に、ゲ
ート電極14が形成される。また、パターンマスク16
が除去されるとともに、図3に示すような保護膜15が
形成され、FET1が完成される。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た図4(2)に示すように、O2 プラズマ処理17を施
した後、図4(3)に示すように、選択エッチングを施
そうとするとき、次のような問題に遭遇する。
【0025】図4(2)に示すO2 プラズマ処理17
は、パターンマスク16の表面層だけでなく、パターン
マスク16の開口部に露出しているストッパ層7の表面
層および、場合によっては、第1のコンタクト層6の表
面層をも酸化し、そこに酸化膜18を形成してしまう。
【0026】この状態でエッチングしようとすると、選
択性のないエッチングであれば、酸化膜18の存在に関
わらず、エッチングが可能であるが、選択性がないた
め、横方向および深さ方向のエッチング量の調整が困難
である。
【0027】他方、選択エッチングの場合には、酸化膜
18があると、この酸化膜18ではエッチングが進行し
にくいため、酸化膜18の厚みのばらつきにより、エッ
チング量にばらつきが生じ、所望のエッチング深さが得
られるように調整することが困難であり、歩留まりが低
下するという問題を招く。特にストッパ層7のようなA
lGaAs層が露出している場合には、強力な酸化膜1
8が形成され、上述した問題がより顕著に現れる。
【0028】そこで、この発明の目的は、上述した問題
を解決し得る電界効果トランジシスタの製造方法を提供
しようとすることである。
【0029】
【課題を解決するための手段】この発明は、半導体層の
ゲート領域にゲートリセスを形成するために、半導体層
を選択的にエッチングするリセスエッチング工程を備え
る、ヘテロ接合構造を有する電界効果トランジシスタの
製造方法に向けられるものであって、上述した技術的課
題を解決するため、リセスエッチング工程の前に、半導
体層の表面に形成された酸化膜を専ら除去するための酸
化膜除去工程を実施することを特徴としている。
【0030】電界効果トランジシスタの製造方法におい
て、リセスエッチング工程の前に、このリセスエッチン
グ工程において用いるパターンマスクのエッチャントに
対する濡れ性を向上させるためのO2 プラズマ処理が実
施され、このO2 プラズマ処理によって、上述の酸化膜
が半導体層の表面に形成されるとき、この発明が特に有
利に適用される。
【0031】酸化膜除去工程では、たとえば、酸原液ま
たは酸に対して酸化剤である過酸化水素量の割合を1/
2以下にしたエッチャントが用いられる。
【0032】また、酸化膜除去工程において用いるエッ
チャントとリセスエッチング工程において用いるエッチ
ャントとは、互いに同一種であることが好ましい。
【0033】この発明の好ましい実施態様では、酸化膜
除去工程において、エッチャントとして、クエン酸原
液、リン酸原液、1〜3:0〜1:200の割合でクエ
ン酸と過酸化水素水と水とを混合した混合液、または、
1〜3:0〜1:200の割合でリン酸と過酸化水素水
と水とを混合した混合液が用いられ、リセスエッチング
工程において、エッチャントとして、クエン酸とアンモ
ニアと過酸化水素水と水とからなる混合液が用いられ
る。
【0034】また、酸化膜除去工程において用いるエッ
チャントとリセスエッチング工程において用いるエッチ
ャントとはともに、クエン酸を主成分とするとともに、
互いに異なる割合で過酸化水素水を含むものであること
が好ましい。
【0035】この発明は、ゲートリセスが、第1のリセ
スとこの第1のリセス内に形成される第2のリセスとか
らなる2段リセス構造を有していてもよい。
【0036】また、この発明は、酸化膜除去工程の結
果、ゲートリセス内にAlGaAs層が現れるものであ
るとき、特に有利に適用される。
【0037】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の一実施形態に
よる製造方法によって得られた、ヘテロ接合構造を有す
る電界効果トランジシスタ(FET)21の積層構造を
図解的に示す、図3に相当する断面図である。
【0038】図1に示したFET21は、たとえばGa
AsまたはInPからなる半絶縁性基板22を備えてい
る。半絶縁性基板22上には、それぞれ、MBE、MO
CVD等を用いたエピタキシャル成長法により、バッフ
ァ層23、下部障壁層24、チャンネル層25、障壁層
26、第1のコンタクト層27、ストッパ層28および
第2のコンタクト層29が、積層構造をなしながら、順
次形成されている。
【0039】なお、このFET21においては、図3に
示したFET1と比較したとき、バッファ層23とチャ
ンネル層25との間に下部障壁層24が形成されている
が、このことは本質的な特徴ではなく、図3に示すよう
な積層構造を有していてもよい。
【0040】第2のコンタクト層29の表面には、オー
ミック電極からなるソース電極30およびドレイン電極
31が形成され、それによって、ソース領域およびドレ
イン領域がそれぞれ形成される。
【0041】また、第2のコンタクト層29から第1の
コンタクト層27にわたって、各々の一部が除去され、
それによって、ゲートリセス32が形成される。ゲート
リセス32は、第2のコンタクト層29の一部を除去し
て形成された第1のリセス33と、第1のリセス33内
において、ストッパ層28から第1のコンタクト層27
にわたって一部が除去されて形成された第2のリセス3
4とからなる2段リセス構造を有している。
【0042】ゲートリセス32、より特定的には第2の
リセス34の形成によって露出した障壁層26上には、
ショットキー電極からなるゲート電極35が形成され、
ここにゲート領域が形成される。なお、図1に示した実
施形態では、ゲート電極35は、その下部が障壁層26
に埋め込まれるように形成されているが、図3に示すよ
うに、ゲート電極が障壁層の表面上に形成されてもよ
い。
【0043】また、第2のコンタクト層29、ストッパ
層28およびゲート電極35の露出した表面を覆うよう
に、たとえばSiNからなる保護膜36が形成される。
【0044】このようなFET21において、バッファ
層23は、ノンドープGaAsとノンドープAlGaA
sとの積層構造からなる。主にノンドープGaAs層が
半絶縁性基板22の平坦化のために用いられ、その上層
を、高抵抗でバンドギャップの大きいノンドープAlG
aAs層で形成し、チャンネル層25から基板22方向
へのキャリヤの流出を防ぐようにしている。なお、バッ
ファ層23は、GaAs、AlGaAs、InAlAs
などを用いて構成してもよく、また、これらの材料を組
み合わせた層や超格子構造のような一般的な層構造を用
いてもよい。
【0045】下部障壁層24は、たとえばAlGaAs
からなり、電子供給層として機能させるために高濃度に
ドープされたn型層とされる。なお、前述したように、
この下部障壁層24はなくてもよい。
【0046】チャンネル層25は、たとえばn型InG
sAsからなる。なお、チャンネル層25は、n型ドー
プ層、ノンドープ層もしくはそれらの組み合わせまたは
GaAs層であってもよい。
【0047】障壁層26においては、障壁の高さが後述
する第1のコンタクト層27を構成するGaAsより高
い、たとえばAlGaAsを用いて構成される。このよ
うにAlGaAsを用いる場合、絶縁性を高めるため、
低濃度n型AlGaAsやノンドープAlGaAsを用
いることが多い。なお、AlGaAsに代えて、同様に
障壁の高さが高いInAlAsやInGaPのような材
料を用いてもよい。
【0048】第1のコンタクト層27は、たとえばn型
GaAsからなる。なお、絶縁性を高くするために、低
濃度n型GaAsやノンドープGaAsを用いることも
ある。
【0049】ストッパ層28は、後述する選択エッチン
グにおけるエッチング停止のために設けられるもので、
たとえばn型AlGaAsのようなAlを含有する半導
体からなる。なお、絶縁性を高めるために、低濃度n型
AlGaAsやノンドープAlGaAsを用いてもよ
い。
【0050】第2のコンタクト層29は、ソース電極3
0およびドレイン電極31に対してオーミック接合を形
成するために、たとえば高濃度にドープされた、n型G
aAs層から構成されている。
【0051】次に、FET21の製造方法、特にゲート
リセス32の形成からゲート電極35の形成に至るまで
の工程について説明する。
【0052】ゲートリセス32を形成するため、前述し
た従来の場合と同様、まず、第2のコンタクト層29を
広範囲に選択エッチングし、第1のリセス33を形成す
ることが行なわれる。この選択エッチングは、ストッパ
層28で停止する。
【0053】以後の工程を、図2を参照しながら説明す
る。図2は、前述した図4に対応する図であって、第2
のリセス34を形成するための工程およびゲート電極3
5を形成するための工程が示されている。
【0054】前述したように、第1のリセス33を形成
した後、図2(1)に示すように、ゲート電極35を形
成すべきゲート領域に対応する微細な開口部を有するパ
ターンマスク37がフォトリソグラフィ技術を用いて形
成される。
【0055】次に、図2(2)に示すように、FET2
1を与えるウエハの表面に対して、O2 プラズマ処理3
8が施される。これによって、パターンマスク37の表
面層が酸化され、エッチャントに対する濡れ性が良好に
され、エッチャントがパターンマスク37の開口部分内
に浸透しやすくなる。
【0056】また、上述のO2 プラズマ処理38は、そ
の本来の目的ではないが、パターンマスク37の開口部
に露出しているストッパ層28の表面層および、場合に
よっては、第1のコンタクト層27の表面層をも酸化
し、そこに酸化膜39を形成してしまう。
【0057】以上の各工程は、前述した従来の場合と実
質的に同様である。
【0058】次に、図2(3)に示すように、上述した
酸化膜39を専ら除去するための酸化膜除去工程が実施
される。この酸化膜除去工程は、好ましくは、ウェット
エッチングにより実施される。このウェットエッチング
では、好ましくは、酸原液または酸に対して酸化剤であ
る過酸化水素量の割合を1/2以下にしたエッチャント
が用いられる。これによって、酸化膜39を除去した
後、再度、酸化物が堆積されることを防止することがで
きる。
【0059】上述したエッチャントとして、たとえば、
リン酸系エッチャント(リン酸原液、またはリン酸:過
酸化水素水:水=1〜3:0〜1:200の混合液)、
クエン酸系エッチャント(クエン酸原液、またはクエン
酸:過酸化水素水:水=1〜3:0〜1:200の混合
液)、または硫酸系エッチャント(硫酸原液、または硫
酸:過酸化水素水:水=1〜3:0〜1:200の混合
液)、その他、アンモニア系、アジピン酸系、コハク酸
系などのエッチャントを用いて、3秒間から30秒間エ
ッチングが行なわれ、これによって、酸化膜39が除去
される。
【0060】次に、図2(4)に示すように、パターン
マスク37を介して選択的にエッチングするリセスエッ
チングが実施される。この選択エッチングは、パターン
マスク37の開口部において、ストッパ層28の残部お
よび第1のコンタクト層27を除去するように進行し、
障壁層26に到達した時点で停止する。その結果、第2
のリセス34が形成されるとともに、第2のリセス34
内において障壁層26の表面が露出した状態が得られ
る。
【0061】上述したリセスエッチングにおいて、たと
えば、クエン酸系、アンモニア系、アジピン酸系などの
選択エッチャントが用いられる。より具体的には、たと
えば25:5〜9:25〜50:1000の割合でクエ
ン酸とアンモニアと過酸化水素水と水とを混合した混合
液をエッチャントとして用いることができる。
【0062】前述した酸化膜除去工程において用いるエ
ッチャントとこのリセスエッチング工程において用いる
エッチャントとの各々の主成分が互いに同じ酸系である
場合、すなわち互いに同一種である場合には、酸化膜除
去工程とリセスエッチング工程との間での洗浄工程は不
要であるが、互いに異なる場合には、たとえば10秒間
程度の流水洗浄が必要である。なお、酸化膜除去工程と
リセスエッチング工程とにおいてそれぞれ用いるエッチ
ャントが互いに同一種である場合、各々、クエン酸を主
成分とするとともに、互いに異なる割合で過酸化水素水
を含む、エッチャントを共通して用いることが好まし
い。
【0063】次に、図2(5)に示すように、第2のリ
セス34の形成によって露出した障壁層26の上に、ゲ
ート電極35が、蒸着等の方法によって形成される。ま
た、パターンマスク37が除去されるとともに、図1に
示すような保護膜36が形成されて、FET21が完成
される。
【0064】なお、ゲート電極35は、Tiなどのショ
ットキー金属から構成されてもよいが、図1に示される
ように、熱拡散によって障壁層26内に埋め込む場合、
Ptを主体とした積層電極(Pt/Ti/Pt/Au、
Pt/Mo/Ti/Pt/Au等)であることが望まし
い。
【0065】以上、この発明を図示した実施形態に関連
して説明したが、この発明の範囲内において、その他、
種々の実施形態が可能である。
【0066】たとえば、図示のFET21は、2段リセ
ス構造を有するものであったが、1段リセス構造のFE
Tに対してもこの発明を適用することができる。
【0067】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、半導
体層のゲート領域にゲートリセスを形成するためのリセ
スエッチング工程の前に、半導体層の表面に形成された
酸化膜を専ら除去するための酸化膜除去工程を実施する
ようにしているので、酸化膜の存在によってエッチング
が阻害されたり、酸化膜の厚みのばらつきによってエッ
チング量にばらつきがもたらされたりすることがないの
で、均一な深さをもってゲートリセスを形成することが
容易になり、FETの製造における歩留まりを向上させ
ることができる。
【0068】上述した酸化膜がリセスエッチング工程に
おいて用いるパターンマスクのエッチャントに対する濡
れ性を向上させるためのO2 プラズマ処理の結果形成さ
れたものである場合には、この発明によれば、このよう
な酸化膜が除去されるので、パターンマスクの濡れ性を
向上させるためのO2 プラズマ処理を問題なく実施する
ことができ、そのため、パターンマスクの開口部が微細
でアスペクト比が大きい場合であっても、エッチング深
さにばらつきが生じにくくすることができ、FETに対
する高利得、高出力および高効率といった要望に十分対
応できるようになる。
【0069】また、酸化膜除去工程において、酸原液ま
たは酸に対して酸化剤である過酸化水素量の割合を1/
2以下にしたエッチャントを用いると、酸化膜除去工程
の後、再度、酸化物が半導体層上に堆積されることを有
利に防止することができる。
【0070】また、酸化膜除去工程において用いるエッ
チャントとリセスエッチング工程において用いるエッチ
ャントとが互いに同一種であると、これらの工程間で洗
浄工程を実施することが不要となり、工程数の低減に寄
与させることができる。
【0071】また、酸化膜除去工程の結果、ゲートリセ
ス内にAlGaAs層が現れる場合には、このAlGa
As層の表面には、強力な酸化膜が形成される傾向があ
るため、この発明による効果が一層顕著なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による製造方法によって
得られた、ヘテロ接合構造を有するFET21の積層構
造を図解的に示す断面図である。
【図2】図1に示した第2のリセス34を形成するため
の工程およびゲート電極35を形成するための工程を説
明するための図解的断面図である。
【図3】この発明にとって興味ある従来のヘテロ接合構
造を有するFET1の積層構造を図解的に示す断面図で
ある。
【図4】図3に示した第2のリセス13を形成するため
の工程およびゲート電極14を形成するための工程を説
明するための図解的断面図である。
【符号の説明】
21 FET 22 半絶縁性基板 23 バッファ層 24 下部障壁層 25 チャンネル層 26 障壁層 27,29 コンタクト層 28 ストッパ層 30 ソース電極 31 ドレイン電極 32 ゲートリセス 33 第1のリセス 34 第2のリセス 35 ゲート電極 37 パターンマスク 38 O2 プラズマ処理 39 酸化膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F043 AA37 BB25 GG04 5F102 FA00 GB01 GC01 GD01 GJ05 GJ06 GK04 GK05 GK06 GK08 GL04 GM04 GM06 GN05 GN06 GQ02 GR04 GS02 GT01 GT03 GV08 HC01 HC15

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体層のゲート領域にゲートリセスを
    形成するために、前記半導体層を選択的にエッチングす
    るリセスエッチング工程を備える、ヘテロ接合構造を有
    する電界効果トランジスタの製造方法であって、 前記リセスエッチング工程の前に、前記半導体層の表面
    に形成された酸化膜を専ら除去するための酸化膜除去工
    程を実施することを特徴とする、電界効果トランジスタ
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記リセスエッチング工程の前に、当該
    リセスエッチング工程において用いるパターンマスクの
    エッチャントに対する濡れ性を向上させるためのO2
    ラズマ処理が実施され、前記酸化膜は、前記O2 プラズ
    マ処理によって前記半導体層の表面に形成されたもので
    ある、請求項1に記載の電界効果トランジスタの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記酸化膜除去工程において、酸原液ま
    たは酸に対して酸化剤である過酸化水素量の割合を1/
    2以下にしたエッチャントを用いる、請求項1または2
    に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記酸化膜除去工程において用いる前記
    エッチャントと前記リセスエッチング工程において用い
    る前記エッチャントとは、互いに同一種である、請求項
    1ないし3のいずれかに記載の電界効果トランジスタの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記酸化膜除去工程において用いる前記
    エッチャントは、クエン酸原液、リン酸原液、1〜3:
    0〜1:200の割合でクエン酸と過酸化水素水と水と
    を混合した混合液、または、1〜3:0〜1:200の
    割合でリン酸と過酸化水素水と水とを混合した混合液で
    あり、前記リセスエッチング工程において用いる前記エ
    ッチャントは、クエン酸とアンモニアと過酸化水素水と
    水とからなる混合液である、請求項1ないし4のいずれ
    かに記載の電界効果トランジスタの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記酸化膜除去工程において用いる前記
    エッチャントと前記リセスエッチング工程において用い
    る前記エッチャントとは、ともに、クエン酸を主成分と
    するとともに、互いに異なる割合で過酸化水素水を含
    む、請求項1ないし5のいずれかに記載の電界効果トラ
    ンジスタの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記ゲートリセスは、第1のリセスと前
    記第1のリセス内に形成される第2のリセスとからなる
    2段リセス構造を有する、請求項1ないし6のいずれか
    に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記酸化膜除去工程の結果、前記ゲート
    リセス内にAlGaAs層が現れる、請求項1ないし7
    のいずれかに記載の電界効果トランジスタの製造方法。
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