JP2003065536A

JP2003065536A - 低ｎｏｘガスタービン燃焼器

Info

Publication number: JP2003065536A
Application number: JP2001250049A
Authority: JP
Inventors: Keishiro Saito; 圭司郎斉藤; Keisuke Matsuyama; 啓介松山; Shinji Akamatsu; 真児赤松; Kenji Sato; 賢治佐藤
Original assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Current assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date: 2001-08-21
Filing date: 2001-08-21
Publication date: 2003-03-05

Abstract

(57)【要約】【課題】燃焼筒の断面方向において発生する高周波数
の燃焼振動を低減させることができる低ＮＯ_Xガスター
ビン燃焼器を提供する。【解決手段】燃焼筒１と該燃焼筒１の上流に複数の予
混合ノズル２とを備えてなる低ＮＯ_Xガスタービン燃焼
器において、該予混合ノズル２のうち少なくとも１は長
さが異なることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、燃料と空気を予め
混合して燃焼させる低ＮＯ_Xガスタービン燃焼器に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】図６に示すように、低ＮＯ_Xガスタービ
ン燃焼器は、外部から取り込んだ空気６と、メイン燃料
供給口２１から供給されたメイン燃料とを、予混合ノズ
ル２で予め混合し、それを燃焼筒１で点火して、燃焼ガ
スを発生する。この燃焼ガスの噴射が、タービン（図省
略）を回すことで出力動力となる。このように燃料と空
気を予め混合してから燃焼することにより、ＮＯ_Xの生
成を低く抑えることができる。図７（ａ）は従来の低Ｎ
Ｏ_Xガスタービン燃焼器の概略を示す断面図であり、
（ｂ）は（ａ）を燃焼器の出口方向から見た正面図であ
る。図７（ａ）及び（ｂ）に示すように、燃焼筒１の上
流側に設置された８本の予混合ノズル２によって発生さ
れた予混合ガスは、燃焼筒１で火炎９として燃焼する。

【０００３】燃焼の際、ある条件によっては、燃焼筒１
の断面方向について、非常に高い周波数の燃焼振動が発
生する。燃焼筒１内の振動モードは、燃焼条件によって
異なる。図８は燃焼筒１の断面内での圧力変動のモード
を表し、外周が燃焼筒１の壁面で、直径線が節である。
＋−のマークは位相関係を示す。図８(ａ)に示すよう
に、周方向１波長分の１ノーダルモード（ＮＤ）を示す
場合や、より高次の振動モードとして、（ｂ）のように
２ＮＤを示す場合や、（ｃ）のように４ＮＤを示す場合
などがある。このような燃焼筒１の断面内での高サイク
ル振動の発生原因は、現在のところ解明されていない。
一方で、このような燃焼振動は、ガスタービンの大容量
化につれてより大きな問題になってきている。燃焼振動
の発生は、非常に大きな圧力変動を伴うので、燃焼器や
それに隣接する構造物に高い応力がかかり、構造物を壊
すことがある。そのため、このような燃焼振動を完全に
防止するか、又は発生しても圧力変動値を許容圧力以下
にさせる必要がある。このような状況に鑑みて、特開平
１０−３１８５４１号公報には、予混合ノズル内の燃料
噴霧器を各ノズルで長さ方向において多段化させて、燃
焼時の火炎を安定化させる手段が記載されているが、こ
の手段では燃焼器の軸方向モードの低減ということに主
眼をおき、断面内モードの振動を低減できる可能性は未
知数である。

【０００４】そこで本発明では、この高サイクル振動の
発生原因が、８本の予混合ノズル２の気柱共鳴により振
動が連成するためであると推定した。図７（ａ）に示す
ように、予混合ノズル２は、両端開の気柱とほぼ見な
せ、圧力変動の最も低次なもの（すなわち１次）は、振
幅１０を形成する。仮に、この周波数と図８に示す固有
周波数が一致又は非常に近い場合、圧力変動と発熱率変
動の位相差が特定の条件を満たせば、非常に激しい自励
振動を発生する。例えば、予混合ノズル２が、図７
（ｂ）に示すように偶数本配置されており、かつ、これ
ら予混合ノズル２の長さがすべて同じである場合や、例
えば、図８に示すような断面内周方向を偶数分割するよ
うなモードが発生し、かつ、その周波数と予混合ノズル
２の固有周波数が非常に近い場合は、互いの予混合ノズ
ル２の気柱共鳴が、燃焼筒１又は予混合ノズル２の上流
部分を介して連成し合い、前記した高サイクル振動が非
常に発生しやすい状況となる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に鑑み、燃焼筒の断面方向において発生する高周波数
の燃焼振動を低減させることができる低ＮＯ_Xガスター
ビン燃焼器を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の第１の実施の形
態に係る低ＮＯ_Xガスタービン燃焼器は、燃焼筒と該燃
焼筒の上流にある複数の予混合ノズルとを備えてなり、
該予混合ノズルの少なくとも１つは長さが異なることを
特徴とする。上記予混合ノズルの長さは、予混合ノズル
の固有振動数が１次のモードにおいて又は１次のモード
及び２次のモードにおいて少なくとも１つ異なるように
設計することができる。これにより、燃焼筒の断面内で
の振動周波数と各予混合ノズルの固有振動数との一致を
部分的にでも回避でき、音響的な減衰効果が大きくなる
とともに、予混合ガスの振幅による共鳴を防ぐことがで
きるため、燃焼筒の断面方向において発生する高サイク
ルな燃焼振動を低減させることができる。

【０００７】本発明の第２の実施の形態に係る低ＮＯ_X
ガスタービン燃焼器は、燃焼筒と該燃焼筒の上流にある
複数の予混合ノズルとを備えてなり、該予混合ノズルの
内壁の内側に音響ライナーを設けたことを特徴とする。
これにより、予混合ノズル内で発生する圧力変動振幅に
ついて、音響的な減衰効果を得ることができ、高サイク
ルな燃焼振動を低減できる。

【０００８】本発明の第３の実施の形態に係る低ＮＯ_X
ガスタービン燃焼器は、燃焼筒と該燃焼筒の上流にある
複数の予混合ノズルとを備えてなり、該予混合ノズルの
出口に旋回角を有する延長管をそれぞれ設け、すくなく
とも１つの延長管の旋回角は、他の延長管と異なること
を特徴とする。また、上記旋回角は、全ての延長管で異
なるようにすることもできる。これにより、火炎形状の
周方向対称性性が崩れ、音響減衰が増し、結果的に図８
に示すようなきれいな音圧モードが立ちにくくなり、高
サイクルな燃焼振動を低減させることができる。

【０００９】本発明の第４の実施の形態に係る低ＮＯ_X
ガスタービン燃焼器は、燃焼筒と該燃焼筒の上流にある
複数の予混合ノズルとを備えてなり、該予混合ノズルの
出口に延長管をそれぞれ設け、少なくとも１つの延長管
の出口の位置は、燃焼器の半径方向において、他の延長
管の出口の位置と異なることを特徴とする。また、上記
延長管の出口の位置は、燃焼器の半径方向において、全
ての延長管で異なるようにすることもできる。これによ
り、火炎形状の周方向の対称性が崩れ、音響減衰が増
し、結果的に図８に示すようなきれいな音圧モードが立
ちにくくなり、高サイクルな燃焼振動を低減させること
ができる。

【００１０】本発明の第５の実施の形態に係る低ＮＯ_X
ガスタービン燃焼器は、燃焼筒と該燃焼筒の上流にある
奇数の予混合ノズルとを備えてなることを特徴とする。
また、前述した本発明に係る低ＮＯ_Xガスタービン燃焼
器においても、予混合ノズルの数を奇数にすることがで
きる。これにより、予混合ノズルの気柱共鳴が連成する
ような偶数分割の振動モードは生じ得なくなるため、高
サイクルな燃焼振動を低減させることができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の実施の形態について詳細に説明する。第１の実施の形態図１（ａ）は、本発明に係る低ＮＯ_Xガスタービン燃焼
器の一実施の形態であって、予混合ノズルの長さが異な
る場合を示す断面図であり、（ｂ）は（ａ）を燃焼器の
出口方向から見た正面図である。図１（ａ）及び（ｂ）
に示すように、低ＮＯ_Xガスタービン燃焼器は、火炎９
を形成させる燃焼筒１と、その上流側にあって円周方向
にそれぞれ隣接する８本の予混合ノズル２と、その８本
の予混合ノズル２の中心にノズルパイロット燃料棒７と
を備えている。８本の予混合ノズル２は全て、その中心
部においてメイン燃料を供給するためのメイン燃料棒３
と、上流部においてメイン燃料を噴霧するためのメイン
燃料ノズル４と、下流部において予混合ガスを旋回させ
るための予混合スワールベーン５とを備えている。ま
た、ここでは、この８本の予混合ノズル２の長さが少な
くとも１つは同一ではない。

【００１２】予混合ノズル２の長さの決定法としては、
８本の予混合ノズル２の固有振動数が１次のモード及び
２次のモードにおいて全てまたは一部が異なるようにし
て、８本の予混合ノズル２の長さを設計することができ
る。例えば、ある予混合ノズル２ａの固有振動数の１次
と２次がそれぞれ１０００Ｈｚと２０００Ｈｚの場合、
他の１つの予混合ノズル２ｂの固有振動数の１次と２次
が７５０Ｈｚと１５００Ｈｚとなるような長さにする。
同様にして、その他の予混合ノズル２についても、順
次、固有振動数が異なるような長さを採用し、８本のう
ち少なくとも１つの固有振動数が異なるように予混合ノ
ズル２の長さを決定することができる。

【００１３】また、予混合ノズル２の長さは、長さが異
なるもの同士のノズル２長さの比が、どの組み合わせを
とっても整数倍または整数分の１とならないようにする
のが好ましい。たとえば８本ノズル２に対し、最短の長
さを１、最長の長さを２未満となるようにし、他の６本
のノズル２長を等差的に長さを設定すればそのような組
み合わせとなり得る。

【００１４】また、予混合ノズル２の長さと直径の比が
比較的小さい場合、２次以上のモードは発生しにくくな
るため、１次のモードのみを考慮して、８本の予混合ノ
ズル２の長さをそれぞれ設計することもできる。なお、
８本ある予混合ノズル２の内、どのような規則で長さの
分布をつけるかは、発生しやすい燃焼振動モードに依存
するため、特に限定できない。８本の内の数本の長さを
変化させることもできるが、８本全てを不規則な並びに
することで、燃焼振動の発生はより抑えられる傾向とな
る。

【００１５】このような構成によれば、先ず、予混合ノ
ズル２に空気６が導入されるとともに、メイン燃料ノズ
ル４からメイン燃料が噴霧されることにより、空気６と
燃料の予混合ガスを形成する。この予混合ガスは、予混
合スワールベーン５により旋回しながら、燃焼筒１へと
送り出される。次に、この予混合ガスは、パイロット燃
料棒７から噴霧されたパイロット燃料８とともに燃焼
し、燃焼筒１で燃焼ガスと火炎９が発生する。このと
き、ある予混合ノズル２ａ内では圧力変動振幅１０ａが
発生するが、他のある予混合ノズル２ｂ内では、ノズル
の長さが異なるため、異なる振動数を有する圧力変動振
幅１０ｂが発生する。つまり、８本の予混合ノズル２の
長さがすべて異なる場合、８つの異なる振動数を有する
圧力変動振幅１０が発生するため、音響的な減衰効果が
大きくなることで、予混合ガスの振幅による共鳴を防ぐ
ことができる。また８本の内、一部の長さだけが異なる
場合でも、固有周波数の違うノズル２の存在が減衰作用
としてはたらき、予混合ガスの振幅による共鳴を防ぐこ
とができる。これにより、燃焼筒１の断面方向において
発生する高サイクルな燃焼振動を低減させることができ
る。したがって、燃焼振動を低く抑えながら、燃焼ガス
を発生させることができる。

【００１６】第２の実施の形態図２（ａ）は、本発明に係る低ＮＯ_Xガスタービン燃焼
器の一実施の形態であって、予混合ノズルの内壁の内側
に音響ライナーを設けた場合を示す断面図であり、
（ｂ）はその音響ライナーの表面の拡大図である。図２
に示すように、低ＮＯ_Xガスタービン燃焼器は、図１と
同様に、燃焼筒１と、その上流側にあって円周方向に互
いに隣接する８本の予混合ノズル２と、パイロット燃料
棒７とを備えている。８本の予混合ノズル２は、その中
心にメイン燃料棒３と、上流部にメイン燃料ノズル４
と、下流部に予混合スワールベーン５とをそれぞれ備え
ている。

【００１７】この予混合ノズル２の内壁の内側には、吸
音性を有する音響ライナー１１がそれぞれ設けられてい
る。この音響ライナーは特に限定されるものではない
が、図２（ｂ）に示すように、その表面には連続的に小
孔があけられており、その開口率は周波数やガス流速な
どにより最適値が異なり、おおよそ数パーセントが好ま
しい。また、ノズル２の内壁と音響ライナー１１との間
には空間を設ける必要があるが、この空間の距離も周波
数などに依存した最適値が存在し、今回対称としている
周波数帯では１０ｍｍ前後が好ましい。ノズル２の内壁
とライナー１１との距離を約１０ｍｍ以下にすること
で、予混合ノズル２内における予混合のためのスペース
を十分に確保することができる。また、図２では、８本
の予混合ノズル２の長さは全て同じ場合を示したが、長
さが異なる場合にも適用できる。

【００１８】このような構成によれば、先ず、予混合ノ
ズル２に空気６が導入されるとともに、メイン燃料ノズ
ル４からメイン燃料が噴霧されることにより、空気６と
燃料の予混合ガスを形成する。この予混合ガスは、予混
合スワールベーン５により旋回しながら、燃焼筒１へと
送り出される。次に、この予混合ガスは、パイロット燃
料棒７から噴霧されたパイロット燃料８とともに燃焼
し、燃焼筒１で燃焼ガスと火炎９が発生する。このと
き、予混合ノズル２内では、圧力変動振幅１０が発生す
るが、ノズル２の内側に設けられた音響ライナー１１の
開口部において、周囲への音の放射が起こり、音響エネ
ルギーの散逸が発生するため、音響的な減衰効果を得る
ことができる。これにより、燃焼筒１の断面方向におい
て発生する高サイクルな燃焼振動との共鳴が避けられ、
燃焼振動を低く抑えながら、燃焼ガスを発生させること
ができる。

【００１９】ここで、燃焼筒１では火炎９により熱がか
かるので、音響ライナー１１を燃焼筒１の内壁に取り付
けるのは、ライナー１１の素材や加工、強度等に問題が
生じる。しかし、上記のように、音響ライナー１１を予
混合ノズル２の内壁に取り付けることによって、熱の影
響はほとんど受けず、素材の選択幅が広がり、構造や加
工等を容易にすることができる。

【００２０】第３の実施の形態図３（ａ）は、本発明に係る低ＮＯ_Xガスタービン燃焼
器の一実施の形態であって、予混合ノズル出口に旋回延
長管を設けた場合を示す断面図であり、（ｂ）は（ａ）
を燃焼器の出口方向から見た正面図である。図３に示す
ように、低ＮＯ _Xガスタービン燃焼器は、図１と同様
に、燃焼筒１と、その上流側にあって円周方向に互いに
隣接する８本の予混合ノズル２と、パイロット燃料棒７
とを備えている。８本の予混合ノズル２は、その中心に
メイン燃料棒３と、上流部にメイン燃料ノズル４と、下
流部に予混合スワールベーン５とをそれぞれ備えてい
る。さらに、ここでは、８本の予混合ノズル２の出口
に、旋回角を有する延長管１２をそれぞれ設けている。

【００２１】この旋回延長管１２は、８本全ての旋回角
が同一でなければ、特に限定されないが、旋回延長管１
２の出口が互いに隣同士でぶつかり合わない程度に不規
則に変化させるのが好ましい。例えば、８本の旋回角の
平均角度は２０〜４０度とし、各旋回延長管１２はその
平均から±５〜１５度の角度の変化をつけることができ
る。より好ましくは、旋回角の平均角度を３０度にし、
±１０度の角度の変化をつけることである。また、旋回
延長管１２の出口は、燃焼筒１の内壁にできるだけ近づ
けることが好ましい。このように、旋回延長管１２の出
口と燃焼筒１の内壁との間に空間ができることを避ける
ことで、その空間に予混合ガスが滞留することを防止で
きる。こうすることで、壁面近傍での燃焼が発生しにく
くなり、加振力となる火炎の発熱変動の入力が減り、断
面内振動モードが発生しにくくなる。

【００２２】このような構成によれば、先ず、予混合ノ
ズル２に空気６が導入されるとともに、メイン燃料ノズ
ル４からメイン燃料が噴霧されることにより、空気６と
燃料の予混合ガスを形成する。この予混合ガスは、予混
合スワールベーン５により旋回するとともに、さらに、
延長管１２がそれぞれ有する旋回角に従って旋回しなが
ら、燃焼筒１へと送り出される。次に、この予混合ガス
は、パイロット燃料棒７から噴霧されたパイロット燃料
８とともに燃焼し、燃焼筒１で燃焼ガスの旋回流１３と
火炎９が発生する。このとき、旋回延長管１２はそれぞ
れ旋回角が異なることから、火炎形状の周方向対称性が
崩れ、音響減衰が増し、結果的に図８に示すようなきれ
いな音圧モードが立ちにくくなる。これらによって、燃
焼筒１の断面方向において発生する高サイクルな燃焼振
動を低減させることができる。

【００２３】図３では、８本の予混合ノズル２の長さは
全て同じ場合を示したが、長さが異なる場合にも適用で
きる。また、上記の音響ライナーを設けることもでき
る。

【００２４】第４の実施の形態図４（ａ）は、本発明に係る低ＮＯ_Xガスタービン燃焼
器の一実施の形態であって、予混合ノズル出口に延長管
を設けた場合を示す断面図であり、（ｂ）は（ａ）を燃
焼器の出口方向から見た正面図である。図４に示すよう
に、低ＮＯ_Xガスタービン燃焼器は、図１と同様に、燃
焼筒１と、その上流側にあって円周方向に互いに隣接す
る８本の予混合ノズル２と、パイロット燃料棒７とを備
えている。８本の予混合ノズル２は、その中心にメイン
燃料棒３と、上流部にメイン燃料ノズル４と、下流部に
予混合スワールベーン５とをそれぞれ備えている。さら
に、ここでは、８本の予混合ノズル２の出口に、旋回角
を有しない延長管１４をそれぞれ設けている。

【００２５】この延長管１４は、図４（ｂ）に示すよう
に、８本全ての出口の位置が半径方向で同一でなけれ
ば、特に限定されないが、延長管１４の出口が互いに隣
同士でぶつかり合わない程度に不規則に変化させるのが
好ましい。例えば、燃焼筒１の中心点から８本の延長管
１４出口の平均をＲとすると、各延長管１４の出口は
０．７〜１．３Ｒの範囲に分散させることができる。ま
た、この平均Ｒは構造的制約条件から、燃焼筒１の半径
に対して、５０〜８０％程度の距離になる。例えば、燃
焼筒１の直径が３００ｍｍの場合、Ｒは７５〜１２０ｍ
ｍとすることができる。

【００２６】このような構成によれば、先ず、予混合ノ
ズル２に空気６が導入されるとともに、メイン燃料ノズ
ル４からメイン燃料が噴霧されることにより、空気６と
燃料の予混合ガスを形成する。この予混合ガスは、予混
合スワールベーン５により旋回し、延長管１４を介して
燃焼筒１へと送り出される。次に、この予混合ガスは、
パイロット燃料棒７から噴霧されたパイロット燃料８と
ともに燃焼し、燃焼筒１で燃焼ガスの旋回流１５が発生
する。このとき、延長管１４の出口はそれぞれが燃焼筒
１の中心からの距離が異なることから、火炎形状の周方
向対称性が崩れ、音響減衰が増し、結果的に図８に示す
ようなきれいな音圧モードが立ちにくくなる。これらに
よって、燃焼筒１の断面方向において発生する高サイク
ルな燃焼振動を低減させることができる。

【００２７】図４では、８本の予混合ノズル２の長さは
全て同じ場合を示したが、長さが異なる場合にも適用で
きる。また、上記の音響ライナーを設けることもでき
る。

【００２８】第５の実施の形態図５（ａ）は、本発明に係る低ＮＯ_Xガスタービン燃焼
器の一実施の形態であって、予混合ノズルを奇数設けた
場合を示す断面図であり、（ｂ）は（ａ）を燃焼器の出
口方向から見た正面図である。図５に示すように、低Ｎ
Ｏ_Xガスタービン燃焼器は、燃焼筒１と、その上流側に
あって円周方向に互いに隣接する７本の予混合ノズル２
と、パイロット燃料棒７とを備えている。７本の予混合
ノズル２は、その中心にメイン燃料棒３と、上流部にメ
イン燃料ノズル４と、下流部に予混合スワールベーン５
とをそれぞれ備えている。図５では７本の予混合ノズル
を示したが、５本や９本等の奇数本であれば良い。

【００２９】このような構成によれば、先ず、予混合ノ
ズル２に空気６が導入されるとともに、メイン燃料ノズ
ル４からメイン燃料が噴霧されることにより、空気６と
燃料の予混合ガスを形成する。この予混合ガスは、予混
合スワールベーン５により旋回して、燃焼筒１へと送り
出される。次に、この予混合ガスは、パイロット燃料棒
７から噴霧されたパイロット燃料８とともに燃焼し、燃
焼筒１で燃焼ガスと火炎９が発生する。このとき、予混
合ノズル２が奇数個であるため、燃焼筒１で発生する周
方向の振動モードが、奇数個の予混合ノズルと同調する
ことはない。したがって、燃焼筒１の断面方向において
発生する高サイクルな燃焼振動を低減させることができ
る。また、図５では、７本の予混合ノズル２の長さは全
て同じ場合を示したが、長さが異なる場合にも適用でき
る。また、上記の音響ライナーや、旋回角を有する延長
管、旋回角を有しない延長管をそれぞれ設けることもで
きる。

【００３０】

【発明の効果】上述してきたように、本発明によれば、
燃焼筒の断面方向において発生する高周波数の燃焼振動
を低減させることができる低ＮＯ_Xガスタービン燃焼器
を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は本発明に係る予混合ノズルの長さがそ
れぞれ異なる場合の低ＮＯ_Xガスタービン燃焼器を示す
断面図であり、（ｂ）は（ａ）を燃焼器の出口方向から
見た正面図である。

【図２】（ａ）は本発明に係る音響ライナーを備えた低
ＮＯ_Xガスタービン燃焼器を示す断面図であり、（ｂ）
は音響ライナーの表面を示す図である。

【図３】（ａ）は本発明に係る旋回延長管を備えた低Ｎ
Ｏ_Xガスタービン燃焼器を示す断面図であり、（ｂ）は
（ａ）を燃焼器の出口方向から見た正面図である。

【図４】（ａ）は本発明に係る延長管を備えた低ＮＯ_X
ガスタービン燃焼器を示す断面図であり、（ｂ）は
（ａ）を燃焼器の出口方向から見た正面図である。

【図５】（ａ）は本発明に係る予混合ノズルを奇数備え
た低ＮＯ_Xガスタービン燃焼器を示す断面図であり、
（ｂ）は（ａ）を燃焼器の出口方向から見た正面図であ
る。

【図６】従来の低ＮＯ_Xガスタービン燃焼器を示す断面
の概略図である。

【図７】（ａ）は従来の低ＮＯ_Xガスタービン燃焼器を
示す断面図であり、（ｂ）は（ａ）を燃焼器の出口方向
から見た正面図である。

【図８】燃焼筒の断面内での圧力変動モードを示した図
であり、（ａ）は周方向１ＮＤ、（ｂ）は周方向２Ｎ
Ｄ、（ｃ）は周方向４ＮＤの場合を表す。

【符号の説明】

１燃焼筒２予混合ノズル３メイン燃料棒４メイン燃料ノズル５予混合スワールベーン６空気流７パイロット燃料棒８パイロット燃料９火炎１０予混合ノズル内の圧力変動振幅１１音響ライナー１２旋回延長管１３、１５旋回流１４延長管２１メイン燃料供給口２２パイロット燃料供給口２３ステイ２４車室

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者赤松真児兵庫県高砂市荒井町新浜２丁目１番１号三菱重工業株式会社高砂製作所内 (72)発明者佐藤賢治兵庫県高砂市荒井町新浜２丁目１番１号三菱重工業株式会社高砂製作所内Ｆターム(参考） 3K019 AA06 AA08 BA01 BA06 BB02 BD09 BD12 3K065 TA01 TA07 TC08 TD02 TD05 TG04 TH01 TJ03

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】燃焼筒と該燃焼筒の上流にある複数の予
混合ノズルとを備えてなり、該予混合ノズルの少なくと
も１つは長さが異なることを特徴とする低ＮＯ_Xガスタ
ービン燃焼器。
【請求項２】上記予混合ノズルの長さは、予混合ノズ
ルの固有振動数が１次のモードにおいて又は１次のモー
ド及び２次のモードにおいて少なくとも１つは異なるよ
うに設計されていることを特徴とする請求項１記載の低
ＮＯ_Xガスタービン燃焼器。
【請求項３】燃焼筒と該燃焼筒の上流にある複数の予
混合ノズルとを備えてなり、該予混合ノズルの内壁の内
側に音響ライナーを設けたことを特徴とする低ＮＯ_Xガ
スタービン燃焼器。
【請求項４】燃焼筒と該燃焼筒の上流にある複数の予
混合ノズルとを備えてなり、該予混合ノズルの出口に旋
回角を有する延長管をそれぞれ設け、少なくとも１つの
延長管の旋回角は、他の延長管と異なることを特徴とす
る低ＮＯ_Xガスタービン燃焼器。
【請求項５】上記旋回角は、全ての延長管で異なるこ
とを特徴とする請求項４記載の低ＮＯ_Xガスタービン燃
焼器。
【請求項６】燃焼筒と該燃焼筒の上流にある複数の予
混合ノズルとを備えてなり、該予混合ノズルの出口に延
長管をそれぞれ設け、少なくとも１つの延長管の出口の
位置は、燃焼器の半径方向において、他の延長管の出口
の位置と異なることを特徴とする低ＮＯ_Xガスタービン
燃焼器。
【請求項７】上記延長管の出口の位置は、燃焼器の半
径方向において、全ての延長管で異なることを特徴とす
る請求項６記載の低ＮＯ_Xガスタービン燃焼器。
【請求項８】燃焼筒と該燃焼筒の上流にある奇数の予
混合ノズルとを備えてなることを特徴とする低ＮＯ_Xガ
スタービン燃焼器。
【請求項９】上記予混合ノズルの数は奇数であること
を特徴とする請求項１〜７のいずれか１つ記載の低ＮＯ
_Xガスタービン燃焼器。