JP2003065204A - 風力発電用発電装置 - Google Patents

風力発電用発電装置

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JP2003065204A
JP2003065204A JP2001256073A JP2001256073A JP2003065204A JP 2003065204 A JP2003065204 A JP 2003065204A JP 2001256073 A JP2001256073 A JP 2001256073A JP 2001256073 A JP2001256073 A JP 2001256073A JP 2003065204 A JP2003065204 A JP 2003065204A
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impellers
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嘉彦 安藤
Noboru Aoki
登 青木
Kenichi Sato
健一 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発電出力を大きくしても翼車の直径を大きく
することなく、さらに翼車の直径を抑えることで回転数
の低下を防止し、これにより発電機自体の大きさを抑え
ることができる風力発電用発電装置を提供する。 【解決手段】 翼車と、翼車に接続した発電機を備えた
風力発電用発電装置において、少なくとも二組の翼車1
a,1bを有し、一組の翼車1aを発電機の回転子3
に、他の一組の翼車1bを回転可能とした発電機の固定
子8に取り付け、回転子と固定子を相対的に逆回転する
ようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】翼車を動力源として風力によ
ってこれを駆動し、翼車に取り付けた発電機を直接駆動
して発電する風力発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】風力発電とは風力によって回転する翼車
を駆動源とし、これに発電機を取り付けて発電機の回転
子を回転させ、発電機固定子と回転子間の電磁誘導によ
り固定子巻線、または回転子巻線に電力を発生させるも
のである。ここで用いる発電機には、誘導発電機、同期
発電機等があり、さらに誘導発電機は籠型、巻線型が代
表的で、同期発電機では永久磁石型、励磁型(界磁巻線
を他の電源で励磁する)が代表的である。
【0003】翼車の出力は、翼車効率、空気密度、受風
面積、それに風速の3乗に比例することが知られてい
る。従って、翼車効率、空気密度、風速が一定と仮定すれ
ば、出力を2倍にするには翼車直径を√2倍、即ち1.
4倍の大きさにする必要がある。また、翼車の回転数は翼
車の直径に反比例することも知られている。従って、翼車
の出力を上げるということは翼車の直径を大きくするこ
とが必要であるが、直径を大きくすることは回転数が低
下することを意味する。
【0004】今後、さらに従来以上の大容量発電機を稼
動させるためには、翼車の直径は大きくなり、回転数は
逆に低下することになる。一方、発電機の大きさは出力
容量/回転数で決まり、回転数を一定とすると、出力容量
を大きくすることは発電機自体も大きくなることを意味
する。さらに上記翼車の説明のように、翼車の出力を大
きくすることで翼車の回転数、即ち発電機の回転数が低
下することは発電機の大きさをさらに大きくすることを
意味する。
【0005】図3は、従来の風力発電用発電装置の構成
例を示す。翼車1がシャフト2に固定され、シャフト2
はベアリング4a,4bにより回転可能に支持されてい
る。シャフト2には回転子3が固定され、回転子3の外
周には界磁(永久磁石)3aが固定されている。界磁3
aの外周側には、わずかな空隙を介して固定子鉄心6が
配置され、固定子鉄心6には、電機子巻線6aが備えら
れている。固定子鉄心6は固定子枠8に固定されてい
る。
【0006】この従来の発電装置によれば、翼車1が風
力を受けて回転すると、これに伴い回転子3が回転し、
回転子3の外周部に設けられた界磁3aが形成する磁界
が電機子巻線6aを切ることにより、電機子巻線6aに
誘起電圧が生じる。従って、電機子巻線を適当な負荷に
接続することで、風力による発電電力が出力される。
【0007】ところで、係る従来の風力用発電発電装置
において、発電機の出力を増加するにあたっては、翼車
直径を増加しなければならず、翼車直径が増加すること
は翼の長さが長くなることで重量も増加し、これを支え
る塔も高くなることで望ましいことではない。特に、例
えば1000kW程度の発電出力を得ようとすると、所要の翼
車直径は50-60m程度と巨大な施設となり、施工コスト及
び施工スペースに問題が生じる。
【0008】また、翼車の回転数が低下するということ
は、発電機の容量を増加させる以上に発電機が大きくな
ることを意味しており、翼車、発電機がともに塔の頂に
設置されることを考慮すれば望ましいことではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した事情
に鑑みて為されたもので、発電出力を大きくしても翼車
の直径を大きくすることなく、さらに翼車の直径を抑え
ることで回転数の低下を防止し、これにより発電機自体
の大きさを抑えることができる風力発電用発電装置を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の風力発電用発電
装置は、翼車と、該翼車に接続した発電機を備えた風力
発電用発電装置において、少なくとも二組の翼車を有
し、一組の翼車を発電機の回転子に、他の一組の翼車を
回転可能とした発電機の固定子に取り付け、回転子と固
定子を相対的に逆回転するようにしたことを特徴とす
る。
【0011】上述した本発明によれば、二組の翼車を用
い二組の翼車出力の合成値を採用することで、従来の一
組の翼車より翼車直径を小さくすることができる。さら
に、翼車直径を小さくすることで翼車の回転数を増加さ
せ、さらに二組の翼車を採用し二組の翼車を逆方向に回
転させることで相対回転数をさらに増加させることがで
きる。従って、従来の風力発電用発電装置と比較して翼
車を小さくし、発電機そのものを小型化することができ
る。
【0012】ここで、前記固定子鉄心の巻線に接続する
スリップリングを備え、該スリップリングから交流出力
を取り出すようにしてもよい。また、前記発電機の交流
出力を商用交流電源系統の周波数・電圧に変換する電力
変換装置を備えてもよい。また、前記発電機を、永久磁
石型発電機としてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図1及び図2を参照しながら説明する。
【0014】図1は、本発明の風力発電用発電装置の構
成例を示す。翼車1aを発電機のシャフト2に固定し、
シャフト2に固定した発電機の回転子3を翼車1aで直
接駆動可能とした。ここで回転子3は、界磁鉄心および
この外周に配置された界磁(永久磁石)3aとから構成
されている。また、このシャフト2はベアリング4a,
4bを介して固定子枠5に回転可能に支持されている。
固定子枠5には、回転子3に対向させて電機子巻線6a
を備えた電機子鉄心(固定子)6を固定している。従っ
て、回転子(界磁)3aを回転させることで電機子巻線
6aには電圧が誘起される。さらに固定子6は固定子枠
5に固定され、固定子枠5はベアリング7a,7bを介
して固定部8に支持されている。従って、固定子6を固
定した固定子枠5は、固定部8に対して回転可能となっ
ている。また、この回転子枠8の外側には翼車1aとは
反対方向に回転する翼車1bを取付けている。従って、
風力を受けて翼車1a,1bが互いに反対方向に回転す
ることで、回転子3と固定子6とは互いに反対方向に回
転する。
【0015】固定子6の電機子巻線6aに誘起された電
圧は、スリップリング9を介して外部に取り出される。
スリップリング9には電力変換装置10が接続され、ス
リップリング9から取り出される交流出力の周波数・電
圧を商用交流電源系統の周波数・電圧に適合するように
変換する。一般に、翼車の風力による回転速度は低く、
例えば発電機の定格出力を1000kW程度とすると、翼車直
径が50-60m程度となる。そして、この時の翼車の回転数
は約30rpm程度となる。従って、発電機の界磁極数をな
るべく大きくしても、発電機の出力周波数は10Hz程度と
なり、この周波数・電圧を交流商用電源系統の周波数・
電圧に適合させるように電力変換装置10により交流周
波数および電圧を変換する。また、翼車1a,1bが受
ける風速も時々刻々変化するので、発電機による発電電
力を電力変換装置で商用交流電源の周波数・電圧に変換
することが好ましい。電力変換装置とは、発電機で発生
した低周波電圧を一度直流に変換し、これをインバータ
で商用周波数の電圧に変換する装置である。
【0016】次に、この風力発電装置の動作について説
明する。この実施形態においては、回転子3に接続する
翼車1aの直径を40mとし、固定子6に接続する翼車1
bの直径を55mとしている。これにより定格風速を14m/s
とすると、翼車1aにより定格出力568kWが得られる。
また、この時の定格回転数は37rpmとなる。同様に回転
可能な固定子6に接続された翼車1bからは、定格出力
1075kWが得られ、この時の定格回転数約27rpmが得られ
る。従って、二組の翼車1a,1bの逆方向の回転か
ら、合計約1500kWの出力が得られる。従って、電機子巻
線6aには、互いに逆方向に回転する固定子と回転子と
の相対的な回転数は約63rpmが得られる。
【0017】発電機においては、回転子の回転速度と出
力とは比例関係にある。即ち、形状寸法を同一として、
回転速度が例えば2倍に上昇することで2倍の出力が得
られる。換言すれば、出力を一定として回転速度を上げ
ることにより、発電機を小型化することができる。従っ
て、上記実施形態の風力発電装置においては、二組の翼
車を設け、それぞれを互いに逆方向に回転可能な回転子
及び固定子に接続することで、1台分の翼車の約2倍の
発電出力が得られる。更に、回転子と固定子の相対的な
回転速度を1台分の翼車に対して約2倍に向上させるこ
とができるので、これにより発電機の電力容量、換言す
れば発電機の寸法サイズ及び重量を大幅に低減すること
ができる。
【0018】次に、本発明の風力発電装置の諸元につい
て定量的に検討する。風力発電機の出力は駆動源が翼車
で有るため、翼車の出力によって発電電力が決定され
る。一般に翼車の出力は P=1/2CP・m・V2=1/2CP・(ρAV)V2=1/2CP・ρ・A・V3 で表される。但し、P:翼車出力、CP:翼車効率、m:質
量、V:風速、ρ:空気密度、A:受風面積
【0019】すなわち翼車の出力は翼車効率、空気密
度、受風面積、それに風速の3乗に比例することが知ら
れている。従って、風速、空気密度、受風面積等が一定
と仮定すると、出力は翼車が回転して描く面積、即ち受
風面積に比例するため、翼車出力は翼車半径の二乗に比
例して増加することになる。
【0020】一方、翼車の直径と回転数の関係は N=Vm・R/(π・D) で表せる。 但し、N:回転数、Vm:定格風速、R:周速比、D:翼車直径
【0021】即ち、翼車の出力を増すと言うことは翼車
直径が大きくなり、翼車直径が大きくなることで回転数
は低下することになる。例えば、定格出力100kW、翼車直
径17m、回転数86rpmとして、これと翼車効率等の条件が
まったく同じと仮定して、定格出力を1000kWで単純に計
算すると、翼車直径53m、回転数27rpmとなる。即ち、出
力を10倍にすることで翼車直径は約3倍と大きくな
り、回転数は1/3以下に低減する。
【0022】一方、交流発電機の極数と回転数の関係は n=120・f/P で表せる。 但し、n:回転数、f:周波数、P:極数 上記計算式において、商用周波数を50Hzとして回転数が
30rpm程度であれば、単純計算で発電機の極数は200Pに
なる。誘導発電機の極数は通常4Pまたは6Pで、多くとも
8P程度であり、特殊な例を除いては効率等を考慮した場
合、200Pという極数は現実的ではない。即ち、上記回転
数(30rpm程度)で誘導発電機を稼動するのは得策ではな
い。
【0023】他方、同期発電機は発電機の直径を大きく
して極数を増やすことも可能であるが、同様に200Pとい
う極数は現実的ではない。しかしながら、発電機で発生
した電圧の発生周波数を商用周波数に限定せず、例えば
10Hz程度の交流電圧を発生させ、これを直流に整流後、
再度インバータで商用周波数に変換することは実際に使
用されている。例えば回転数を30rpm、発生周波数を10Hz
とすれば発電機の極数は40Pとなり実用的に製造可能と
なる。
【0024】ここで、上述したように回転電機機器の大
きさは出力/回転数に比例するので、例えば100kW,100r
pmの発電機と1000kW,1000rpmの発電機は概略同じ大き
さで製造することができる。翼車の定格出力を100kWから
1000kWにした場合、翼車直径は約3倍に回転数は約1/
3になるが、これを発電機に置き換えて100kW,86rpmの
発電機と1000kW,86rpmの発電機の例で比較すると、容
量を10倍にすることで、発電機の体積は約10倍にな
る。また容量を同じにして回転数を1/3にすると、例
えば1000kW,86rpmの発電機と1000kW,27rpmの発電機の
例で比較すると、寸法サイズは約3倍になる。従って、
100kW,86rpmの発電機と1000kW,27rpmの発電機の例で
比較すると、風力発電機の出力を100kWから1000kWに変
えることで回転数も変わるため、発電機の寸法サイズは
約30倍とかなり大きくなる。
【0025】次に、図2を参照して本発明の風力発電装
置と、従来の風力発電装置の諸元について対比して説明
する。図2は大きさの違いを明確にするため、概略同じ
縮尺で記載した。
【0026】以下の説明は、共に1500kWの定格出力を得
ることを条件としている。計算上の前提は次の通りであ
る。 周速比:5.5 カットイン風速:3m/s 定格風速:14m/s 翼車効率:0.275 空気密度:1.2kg/m3
【0027】上記条件において従来の風力発電装置では
翼車直径を65mにすることで、 定格出力=1.2/2×0.275×(π/4×652)×143=1500kW 定格回転数=14×5.5/(π×65)×60=22.6rpm が得られた。 次いでこのデータをもとに22.6rpm、1500kW、の同期発
電機を極数68で設計すると、 固定子枠径:5m、固定子長:1.7m、設計重量:52Ton、
となる。
【0028】本発明の風力発電装置では翼車1aの直
径:40m 翼車1bの直径:55mとし、他の諸条件は上記
と同一として実施した。ここで、翼車1bの直径を翼車
1aの直径よりも1.3倍以上に設定している。これ
は、後流側の翼車の寸法を大きくすることで前段の翼車
による風力の利用効率の劣化を防止している。
【0029】翼車1aを直径40mとすることで 定格出力=1.2/2×0.275×(π/4×402)×143=568kW 定格回転数=14×5.5/(π×40)×60=36.8rpm が得られた。次いで、翼車1bを直径55mとすることで 定格出力=1.2/2×0.275×(π/4×552)×143=1075kW 定格回転数=14×5.5/(π×55)×60=26.8rpm が得られた。
【0030】次いでこのデータをもとに 63.6rpm、1500kWの同期発電機を極数24で設計すると 固定子枠:3m、固定子長:1.5m、設計重量:25Ton、が
得られた。
【0031】この結果、同一出力の翼車で従来方式に比
較し翼車直径を15%削減できた。さらに、同一容量の
発電機で従来方式に比較し体積比では1/3、重量比で
は1/2にすることができる。即ち、本発明によれば翼
車の受風面積を従来の一組から二組にすることで翼長を
短くすることができる。翼長を短くすることで製造が楽
になるばかりでなく塔の高さを抑えることもできる。さ
らに翼長を短くすることで翼車の回転数を上げることが
でき、固定子を回転子と反対方向に回転させることによ
り、さらに相対的に回転数を上げることができる。この
ため、上述したように発電機自体を小さくすることが可
能となる。
【0032】尚、上記実施形態では二組の翼車を直接回
転子及び固定子に接続する例について述べたが、ギヤ等
を介して回転子及び回転可能な固定子に接続するように
してもよい。
【0033】また、上記実施形態は好ましい一実施例に
ついて述べたものであり、本発明の趣旨を逸脱すること
なく、種々の変形実施例が可能なことは勿論である。即
ち、翼車の寸法及び発電機の諸元等は、設置現場の要求
及び状況等に応じて種々変更されるべきものである。
【0034】
【発明の効果】総じて本発明によれば、所要発電出力に
対して、翼車直径を小さくでき、且つ発電機自体を小さ
くすることが可能となる。これにより、風力発電装置の
製造コストを低減し、且つ風力の電力エネルギーへの変
換効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の風力発電装置の断面図であ
る。
【図2】(a)は本発明の風力発電装置を示し、(b)
は従来の風力発電装置を示し、それぞれの形状寸法を対
比した断面図である。
【図3】従来の風力発電装置の断面図である。
【符号の説明】
1a,1b 翼車 2 シャフト 3 界磁鉄心 3a 界磁(永久磁石) 4a,4b ベアリング 5 固定子枠 6a 電機子巻線 7a,7b ベアリング 8 固定部 9 スリップリング 10 電力変換装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 健一 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 Fターム(参考) 3H078 AA02 AA26 AA31 BB11 BB18 BB21 CC01 CC11 CC22 5H607 BB02 BB06 BB07 BB18 CC05 DD17 DD19 FF26 GG01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 翼車と、該翼車に接続した発電機を備え
    た風力発電用発電装置において、少なくとも二組の翼車
    を有し、一組の翼車を発電機の回転子に、他の一組の翼
    車を回転可能とした発電機の固定子に取り付け、回転子
    と固定子を相対的に逆回転するようにしたことを特徴と
    する風力発電用発電装置。
  2. 【請求項2】 前記発電機の固定子に取り付ける翼車の
    直径を、前記回転子に取り付ける翼車の直径の1.3倍
    以上に設定したことを特徴とする請求項1記載の風力発
    電用発電装置。
  3. 【請求項3】 前記発電機固定子を回転可能な固定子枠
    に固定し、該固定子枠に前記翼車を直接取り付けたこと
    を特徴とする請求項1記載の風力発電用発電装置。
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