JP2003064094A - 新規環状ペプチド - Google Patents

新規環状ペプチド

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JP2003064094A
JP2003064094A JP2001295045A JP2001295045A JP2003064094A JP 2003064094 A JP2003064094 A JP 2003064094A JP 2001295045 A JP2001295045 A JP 2001295045A JP 2001295045 A JP2001295045 A JP 2001295045A JP 2003064094 A JP2003064094 A JP 2003064094A
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JP
Japan
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group
cyclic peptide
amino acid
independently
structural formula
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Withdrawn
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JP2001295045A
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English (en)
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Takashi Takahashi
孝志 高橋
Takayuki Doi
隆行 土井
Sayaka Shimazu
さやか 島津
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Chemgenesis Inc
Tokyo Chemical Industries Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Kasei Kogyo Co Ltd
Chemgenesis Inc
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Publication date
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】環状ペプチドはプロテアーゼ阻害剤を始めとす
る種々の生理活性が知られている。そして,β−ターン
構造をミミックする環状ペプチドがプロテアーゼ阻害剤
となりうる可能性を有している。しかしながら,環状ペ
プチドのコンホメーションは自由度が高く,ことに水溶
液中では3次元構造が失われ,期待されるプロテアーゼ
阻害能を発現しない場合がある。そのため,環状ペプチ
ドのコンホメーションを規制し,固定化することが強く
望まれている。 【解決手段】上記課題解決のため,環状ペプチドに芳香
環および2つのカルボニル基を導入し,環状ペプチドの
コンホメーションを規制し,固定化した。また,芳香環
を変えることで,種々のコンホメーションが可能とな
る。したがって,本発明は種々の生理活性環状ペプチド
の提供が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は環状ペプチドに関す
るもので,β−ターン構造をミミックし,プロテアーゼ
阻害剤として供されるものである。
【0002】
【従来の技術】プロテアーゼ阻害剤は,抗ウイルス剤な
どをはじめとする薬剤になり得る可能性を有している。
例えば,C型肝炎ウイルス(HCV)は宿主細胞に寄生
し,増殖する。通常,この増殖は機能タンパクの生成に
よりはじまる。HCVはRNAをゲノムとして有するR
NAウイルスで,宿主細胞において,ゲノム上の翻訳領
域から,一本鎖のタンパク質が翻訳される。このタンパ
ク質が宿主細胞やHCV由来のプロテアーゼにより切断
され,それぞれ機能タンパク質となる。このHCV由来
のプロテアーゼによる切断が新たなHCVウイルス生成
の初期過程である。したがって,HCV由来のプロテア
ーゼの活性を阻害することで,機能タンパク質の生成を
阻害し,ウイルスの増殖を抑えることができる。このた
め,プロテアーゼ阻害剤の探索,研究が盛んに行われて
いる。
【0003】HCV由来プロテアーゼと特異的に反応す
るモノクローナル抗体が報告されており,そして,プロ
テアーゼに対する抗体中の相補性決定領域と同一,ある
いは類似のアミノ酸配列を有する合成環状ペプチドにH
CV由来プロテアーゼ阻害作用があることも報告されて
いる。この抗体の相補性決定領域は,β−ターン構造を
形成している。したがって,β−ターン構造を有する,
あるいはミミックする合成環状ペプチドはプロテアーゼ
阻害作用を有する可能性がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,一般に
合成環状ペプチドの構造は自由度が高く,ことに水溶液
中では3次元構造が失われ,期待されるプロテアーゼ阻
害能を発現しない場合がある。そのため,構造を固定化
する試みが活発に行われている。例えば,ペプチドの両
端にシステインを導入し,分子内でS−S結合を形成さ
せたもの,あるいはペプチド中にベンゼン環,ナフタレ
ン環などを挿入したものが報告されている。これら環状
ペプチドはプロテアーゼ阻害能を有するものも存在する
が,必ずしも満足できるものではない。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで,発明者らは鋭意
研究を重ね,本発明を完成するに至った。すなわち,本
発明は下記構造
【0006】
【化6】
【0007】(ただし,nおよびmはそれぞれ独立に0
あるいは1以上の整数で,AA,AA,AAはそ
れぞれ独立にアミノ酸残基で,同一であっても異なって
いても良く,AAは任意のアミノ酸残基,Rはアルキル
基,アルケニル基,アルキニル基であって,ヒドロキシ
ル基,アミノ基,メルカプト基,カルボニル基で置換さ
れていてもいなくとも良い,Arは芳香環である)で示
される新規ジカルボニル環状ペプチドを提供することで
あり,また,新規ジカルボニル環状ペプチドの合成法を
提供することにある。本発明に係る新規ジカルボニル環
状ペプチドの代表例として下記構造式1
【0008】
【化7】 で示される新規ジカルボニル環状トリペプチドを取り上
げ,本発明を開示する。これは,例示であり,本発明を
制限するものではない。構造式1で示されるジカルボニ
ル環状トリペプチドは文献未載の新規化合物であり,下
記反応式に従って合成される。
【0009】
【化8】
【0010】上記反応式において出発物質は,3−ヨー
ドベンジルアミンにN−保護フェニルアラニンを縮合
後,脱保護する。次いでN−保護−D−アラニンを縮
合,脱保護後,N−保護グリシンを反応させ,脱保護す
ることで得られる。また,N−保護グリシル−D−アラ
ニルフェニルアラニンを3−ヨードベンジルアミンと縮
合させ,脱保護することでも得られる。従って,出発物
質はトリペプチドのC末端を3−ヨードベンジルアミン
でアミド化した形になっている。このトリペプチド誘導
体を塩基,およびパラジウム触媒の存在下,一酸化炭素
と反応させることでジカルボニル環状トリペプチドが得
られる。この工程で使用しうる溶媒はジメチルホルムア
ミド,N−メチル−2−ピロリドン,ジメチルスルホキ
シド,ジメチルイミダゾールなどが挙げられ,パラジウ
ム触媒としてはテトラキス(トリフェニルホスフィン)
パラジウム(0),ビス(アセトニトリル)パラジウム
(II)ジクロリド,ビス(ベンゾニトリル)パラジウ
ム(II)ジクロリド,ビス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム(II)ジクロリド,1,1−ビス(ジ
フェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジ
クロリド,トリス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム(II)ジクロリド,塩化パラジウムなどが挙げられ
る。塩基としてはトリエチルアミン,炭酸カリウム,炭
酸ナトリウム,炭酸水素カリウム,炭酸水素ナトリウ
ム,ピリジンなどから選択される。一酸化炭素の圧力は
常圧から200気圧の間で選ばれるが,好ましくは10
気圧から100気圧である。反応温度は0℃から150
℃の間で適宜選択される。反応に要する時間は使用する
触媒,反応温度,一酸化炭素圧により異なるが,1時間
から36時間を必要とする。
【0011】上記方法により合成される構造式1の環状
トリペプチドは,1つのベンゼン環と2つのカルボニル
基が環状ペプチド鎖に挿入された構造をとっている。こ
のベンゼン環により軸の回転が規制され,コンホメーシ
ョンを規制できる。また,ベンゼン環に直結した2つの
カルボニル基は,アミドの水素原子との水素結合に利用
され,コンホメーションの固定化に有用である。本発明
に係る化合物は芳香環成分を変えることで,環状ペプチ
ドのコンホメーションを変えることができる。したがっ
て,タンパク質のβ−ターン構造をミミックする環状ペ
プチドを極めて容易にデザインすることができる。
【0012】以下に本発明の好ましい実施例を記載する
が,これは例示の目的であり,本発明を制限するもので
はない。本発明の範囲内では変形が可能なことは当業者
には明らかであろう。
【0013】実施例1 N−(グリシル−D−アラニルフェニルアラニル)−3
−ヨードベンジルアミン1mmolをジメチルホルムア
ミド20mlに溶解させ,これをオートクレーブに入れ
る。次いで,トリエチルアミン3mmol,4−ジメチ
ルアミノピリジン1mmol,テトラキス(トリフェニ
ルホスフィン)パラジウム3mol%を加え,一酸化炭
素の30気圧になるように導入する。80℃に加温し,
12時間反応させる。カラム精製を行い,収率71%
で,ジカルボニル環状トリペプチドを得た。
【0014】以下に主な物性値を示す。 IR(KBr):3299,3073,2932,24
15,1637,1544,1430,1369,13
13,1237,1173,1067,744,69
2,601cm−1H NMR(270MHz,D
MSO−d)δ1.07(3H,d,J=6.60H
z),2.84(1H,m),3.18(1H,m),
3.88(2H,m),4.22(1H,m),4.4
3(2H,d,J=5.61),4.48(1H,
m),7.24(5H,m),7.53−8.07(4
H,m),13C NMR(67.8MHz,DMSO
−d)δ16.2,36.5,41.4,41.6,
48.7,53.5,125.5,125.7,12
7.6(X2),128.2,128.5(X2),1
30.1,132.8,133.2,137.7,13
9.0,166.0,168.4,170.5,17
1.6,190.3
【0015】
【発明の効果】以上のように本発明化合物は極めて容易
に合成でき,また,芳香環を変えることで環状ペプチド
のコンホメーションを変えることができる。そして,2
つのカルボニル基は水素結合に利用され,コンホメーシ
ョンの固定化に有用である。したがって,本発明はβ−
ターン構造をミミックする種々の環状ペプチドを提供す
ることができ,また,それらを簡便に合成することがで
き,極めて有用であるといえる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 A61K 37/64 (72)発明者 土井 隆行 東京都目黒区大岡山2−12−1 (72)発明者 島津 さやか 東京都目黒区大岡山2−12−1 Fターム(参考) 4C084 AA01 AA06 AA07 BA01 BA09 BA10 BA15 BA28 CA59 DC32 NA03 NA14 ZB331 ZC412 4H039 CA42 CH10 4H045 AA10 BA12 EA29 FA30 GA21

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記構造式 【化1】 (ただし,nおよびmはそれぞれ独立に0あるいは1以
    上の整数で,AA,AA,AAはそれぞれ独立に
    アミノ酸残基で,同一であっても異なっていても良く,
    AAは任意のアミノ酸残基,Rはアルキル基,アルケニ
    ル基,アルキニル基であって,ヒドロキシル基,アミノ
    基,メルカプト基,カルボニル基で置換されていてもい
    なくとも良い,Arは芳香環である)で示される新規ジ
    カルボニル環状ペプチド。
  2. 【請求項2】nおよびmが0である請求項1記載の新規
    ジカルボニル環状ペプチド。
  3. 【請求項3】nおよびmが0で,AAがL−フェニル
    アラニン,AAがD−フェニルアラニン,AAがグ
    リシン,Arがm−フェニレンである請求項1記載の新
    規ジカルボニル環状ペプチド。
  4. 【請求項4】下記構造式 【化2】 (ただし,nおよびmはそれぞれ独立に0あるいは1以
    上の整数で,AA,AA,AAはそれぞれ独立に
    アミノ酸残基で,同一であっても異なっていても良く,
    AAは任意のアミノ酸残基,Rはアルキル基,アルケニ
    ル基,アルキニル基であって,ヒドロキシル基,アミノ
    基,メルカプト基,カルボニル基で置換されていてもい
    なくとも良い,Arは芳香環である)で示されるペプチ
    ドをパラジウム触媒の存在下,一酸化炭素と反応させ,
    環化させることを特徴とする下記構造式 【化3】 (ただし,nおよびmはそれぞれ独立に0あるいは1以
    上の整数で,AA,AA,AAはそれぞれ独立に
    アミノ酸残基で,同一であっても異なっていても良く,
    AAは任意のアミノ酸残基,Rはアルキル基,アルケニ
    ル基,アルキニル基であって,ヒドロキシル基,アミノ
    基,メルカプト基,カルボニル基で置換されていてもい
    なくとも良い,Arは芳香環である)で示される新規ジ
    カルボニル環状ペプチドの製造方法。
  5. 【請求項5】下記構造式 【化4】 で示されるトリペプチドをパラジウム触媒の存在下,一
    酸化炭素と反応させ,環化させることを特徴とする下記
    構造式 【化5】 で示される新規ジカルボニル環状トリペプチドの製造方
    法。
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