JP2003062431A - チッ素酸化物吸着浄化剤およびそれを用いたチッ素酸化物浄化方法 - Google Patents

チッ素酸化物吸着浄化剤およびそれを用いたチッ素酸化物浄化方法

Info

Publication number
JP2003062431A
JP2003062431A JP2001252933A JP2001252933A JP2003062431A JP 2003062431 A JP2003062431 A JP 2003062431A JP 2001252933 A JP2001252933 A JP 2001252933A JP 2001252933 A JP2001252933 A JP 2001252933A JP 2003062431 A JP2003062431 A JP 2003062431A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nitrogen oxide
nitrogen
purification agent
adsorption
adsorption purification
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001252933A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Hamano
浩司 浜野
Akira Shiragami
昭 白神
Hiroaki Nakamune
浩昭 中宗
Minoru Sato
稔 佐藤
Yoji Fujita
洋司 藤田
Kenro Mitsuta
憲朗 光田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2001252933A priority Critical patent/JP2003062431A/ja
Publication of JP2003062431A publication Critical patent/JP2003062431A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 結露が生じる程度の高湿度下においても、チ
ッ素酸化物の吸着能が低下しない吸着剤を提供するとと
もに、吸着したチッ素酸化物と還元剤とを低温、たとえ
ば100℃以下の温度で反応させ、チッ素酸化物を浄化
する。 【解決手段】 少なくとも1種のチッ素酸化物吸着剤1
と酸化還元能を有する触媒粒子2と固体高分子電解質3
とからなるチッ素酸化物吸着浄化剤により、チッ素酸化
物を硝酸イオンに変換して吸蔵し、該チッ素酸化物吸着
浄化剤に還元性ガスを流入して吸着されたチッ素酸化物
を触媒反応により還元浄化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小型発電装置など
に使用される内燃機関などから大気中に排出されたチッ
素酸化物を吸着し浄化するチッ素酸化物吸着浄化剤、お
よび、それを用いた浄化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車から放出されるチッ素酸化
物は、三元触媒などにより還元浄化され大気放出されて
いる。一方、マイクロガスタービンなどの小型発電装置
やディーゼルエンジン自動車などから放出されるチッ素
酸化物は排気ガス中に酸素を多量に含むため、触媒によ
る完全な還元浄化が困難であり、微量の希薄チッ素酸化
物が大気中に放出される場合がある。とくに、地下駐車
場や道路トンネルなどの閉鎖空間内ではチッ素酸化物の
滞留が起こりやすくなるため、希薄なチッ素酸化物を除
去するための方法が求められている。その方法の1つと
して、吸着剤を用いてチッ素酸化物を捕捉し、そののち
種々の方法によりチッ素酸化物を分解除去する方法が実
用化されている。
【0003】たとえば、特開平5−253444号公報
では、回転吸着式脱硝装置により希薄チッ素酸化物を除
去する方法が開示されている。この方法では、チッ素酸
化物を回転式の吸着体に一旦吸着し、そののち吸着した
チッ素酸化物をアンモニアを用いて還元して浄化する。
この公報では、チッ素酸化物吸着剤として、アナターゼ
型チタニアを保持したセラミックペーパー担体にルテニ
ウムのハロゲン化物が担持されたものを使用している。
【0004】また、特開2001−120951号公報
においては、チッ素酸化物ガスにオゾンを混合し、それ
を水素イオンで終端されたゼオライトに吸着させること
によりチッ素酸化物を除去する方法が開示されている。
この方法によれば、オゾンによって大気中のチッ素酸化
物の主成分である一酸化チッ素が二酸化チッ素または五
酸化二チッ素に酸化されることにより、水素終端ゼオラ
イトへの効率よい吸着が可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平5−25344
4号公報に記載のチッ素酸化物の吸着体においては、水
分が吸着妨害物質になるため、吸着剤の前段に処理ガス
を除湿するための装置が必要であり、この除湿器が消費
するエネルギーが大きいために、チッ素酸化物の吸着に
多大なエネルギーを必要としていた。
【0006】また、特開2001−120951号公報
に記載のチッ素酸化物の吸着体においては、処理ガスを
除湿する必要はないものの、吸着体に結露が生じるほど
高湿度条件下の場合には吸着効率が極端に低下するとの
問題点があった。
【0007】本発明はこれらの問題点を鑑みてなされた
ものであり、結露が生じる程度の高湿度下においても、
チッ素酸化物の吸着能が低下しない吸着剤を提供すると
ともに、吸着したチッ素酸化物と還元剤とを低温、たと
えば100℃以下の温度で反応させ、チッ素酸化物を浄
化することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前記問題点を鑑
みてチッ素酸化物吸着剤の構成について検討を行なった
結果なされたものである。
【0009】本発明の第1の吸着浄化剤は、少なくとも
1種のチッ素酸化物吸着剤、酸化還元能を有する触媒粒
子および固体高分子電解質からなるチッ素酸化物吸着浄
化剤に関する。
【0010】本発明の第2の吸着浄化剤は、第1の吸着
浄化剤において、チッ素酸化物吸着剤が炭素、ケイ素、
アルミニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の
元素を含むチッ素酸化物吸着浄化剤に関する。
【0011】本発明の第3の吸着浄化剤は、第2の吸着
浄化剤において、チッ素酸化物吸着剤が活性炭、ゼオラ
イト、シリカゲルからなる群より選ばれた少なくとも1
種であるチッ素酸化物吸着浄化剤に関する。
【0012】本発明の第4の吸着浄化剤は、第1の吸着
浄化剤において、チッ素酸化物吸着剤の表面部分に触媒
粒子が担持されており、固体高分子電解質と触媒粒子と
が接触しているチッ素酸化物吸着浄化剤に関する。
【0013】本発明の第5の吸着浄化剤は、第4の吸着
浄化剤において、触媒粒子が白金、ルテニウム、パラジ
ウム、ロジウムからなる群より選ばれた少なくとも1種
の元素を含むチッ素酸化物吸着浄化剤に関する。
【0014】本発明の第6の吸着浄化剤は、第4の吸着
浄化剤において、固体高分子電解質がプロトン伝導性で
あるチッ素酸化物吸着浄化剤に関する。
【0015】本発明の第7の吸着浄化剤は、第4の吸着
浄化剤において、固体高分子電解質が多孔性であるチッ
素酸化物吸着浄化剤に関する。
【0016】本発明の第1の浄化方法は、第1、2、
3、4、5、6または7のチッ素酸化物吸着浄化剤にお
いて、チッ素酸化物を硝酸イオンに変換して吸蔵する吸
蔵工程、および、チッ素酸化物吸着浄化剤に還元性ガス
を流入して吸着されたチッ素酸化物を触媒反応により還
元浄化する還元浄化工程からなるチッ素酸化物の浄化方
法に関する。
【0017】本発明の第2の浄化方法は、第1の浄化方
法において、還元性ガスが水素であるチッ素酸化物の浄
化方法に関する。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のチッ素酸化物吸
着浄化剤の構造の一例を示す模式図である。図1におい
て、1はチッ素酸化物吸着剤、2は酸化還元能を有する
触媒粒子、3は固体高分子電解質である。図1では、チ
ッ素酸化物吸着剤1の表面に触媒粒子2が担持されてお
り、固体高分子電解質3は触媒粒子2と物理的かつ電気
的に接触している。
【0019】図2は、図1のチッ素酸化物吸着浄化剤に
よるチッ素酸化物の吸蔵工程を説明するための図であ
る。空気中に含まれるチッ素酸化物のうち主成分である
一酸化チッ素(NO)は、触媒粒子2上に接触して吸着
されるとともに近傍の酸素(O 2)により酸化されて二
酸化チッ素となる。この二酸化チッ素は、近傍の水(H
2O)と反応し硝酸(HNO3)となる。この硝酸形態に
なったチッ素酸化物は電荷分離しやすいため、チッ素酸
化物吸着剤1の電荷保持サイトと静電相互作用を起こ
し、吸着される。
【0020】図3は、図1のチッ素酸化物吸着浄化剤に
より吸着されたチッ素酸化物の還元浄化工程を説明する
ための図である。チッ素酸化物を吸着したチッ素酸化物
吸着剤1に還元剤(ここでは、水素(H2))を導入す
ると、平衡変化によりチッ素酸化物吸着剤1からチッ素
酸化物(硝酸(HNO3))が放出される。この放出さ
れたチッ素酸化物と還元剤が触媒粒子2表面で反応し、
チッ素(N2)、酸素(O2)、水(H2O)に分解す
る。
【0021】これらは通常の触媒によるチッ素酸化物の
浄化反応であるが、固体高分子電解質3が存在すると、
固体高分子電解質3と触媒粒子2との界面近傍に接触し
た水素(H2)は、電子(e-)とプロトン(H+)に解
離し、プロトンは固体高分子電解質3内部を、電子は触
媒粒子2内部を通過することが可能となる。その結果、
水素解離部近傍にチッ素酸化物が存在しない場合にも、
別の部位に存在するチッ素酸化物(硝酸(HNO3))
の近傍に反応活性が大きいプロトンと電子が移動して、
チッ素酸化物が還元されることになる。これは、従来の
触媒反応によるチッ素酸化物の浄化に加えて、局部的な
電気化学反応による浄化反応が行なわれており、それ故
に、通常の触媒浄化反応よりもより低温でより高効率な
チッ素酸化物の浄化を行なうことが可能となる。
【0022】ここでは、触媒粒子2が電子伝導性である
場合について示したが、触媒粒子2が低電子伝導性の場
合には、チッ素酸化物吸着剤1が電子伝導性であればよ
い。
【0023】チッ素酸化物吸着剤としては、分子構造内
に正電荷を有する部位を保持し、表面積の大きい粒状物
質が用いられる。このようなチッ素酸化物吸着剤として
は、具体的には、ゼオライトまたは各種イオン交換ゼオ
ライト、活性炭などのカーボン材、アルミナ、チタニ
ア、シリカゲルなどがあげられる。各種イオン交換ゼオ
ライトとしては、たとえば、基本骨格構造がX型、Y
型、L型、モルデナイト型、フェリエライト型、ZSM
5型であり、Na、Kなどのアルカリ金属イオン、S
r、Baなどのアルカリ土類金属イオン、Cu、Fe、
Ni、Agなどの金属イオン、La、Ceなどの希土類
イオンを含むものがあげられる。これらのチッ素酸化物
吸着剤のなかでも、ゼオライト、活性炭が、チッ素酸化
物吸着能が高い点から好ましい。
【0024】チッ素酸化物吸着剤の平均2次粒子径は、
0.1〜100μmであることが好ましく、0.1〜2
0μmであることがより好ましい。平均粒子径が0.1
μm未満では粒子の均一分散が困難となる傾向があり、
100μmをこえると、ゼオライト重量あたりのチッ素
酸化物吸着量が低下する傾向がある。
【0025】酸化還元能を有する触媒粒子としては、具
体的には元素周期表第8族の元素であればよく、なかで
も白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(R
h)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オス
ミウム(Os)などの貴金属元素が適度な酸化活性を有
する点で好ましく、とくにPt、Pd、Ru、Rhが経
済性および吸着能の観点からも好ましい。
【0026】触媒粒子の平均粒子径は、1〜500nm
であることが好ましく、5〜100nmであることがよ
り好ましい。平均粒子径が1nm未満では触媒粒子を構
造する原子の数が小さくなるために、材料的に不安定に
なる傾向があり、500nmをこえると触媒重量あたり
の触媒表面積が小さくなるため、反応活性が低下する傾
向がある。
【0027】触媒粒子の含有量は、チッ素酸化物吸着剤
100重量部に対して0.1〜60重量部であることが
好ましい。触媒粒子の含有量が0.1重量部未満では、
供給されるチッ素酸化物を充分に酸化しうる触媒反応を
誘起することができない傾向があり、60重量部をこえ
ると経済性がわるくなる傾向がある。
【0028】固体高分子電解質としては、分子鎖中にス
ルホン酸基などの負電荷を保持する置換基を含む高分子
を用いることができる。この固体高分子電解質中に水が
含まれることにより、水分子が解離してプロトンが生成
し、イオン伝導性物質すなわち電解質となる。また耐久
性の観点から、分子主鎖または側鎖にフッ素原子や塩素
原子などのハロゲン原子を含む高分子がさらに好まし
い。さらにこの固体高分子電解質は、微視的には電解質
能を有するとともに、巨視的には多孔性であることが望
ましい。多孔性であることにより、吸着剤内部までチッ
素酸化物と還元剤が到達することが可能になるため、吸
着剤の利用効率が向上する。
【0029】固体高分子電解質の含有量は、触媒粒子を
担持したチッ素酸化物吸着剤100重量部に対して、5
〜100重量部とすることが好ましい。固体高分子電解
質の含有量が5重量部未満では、固体高分子電解質の導
入効果が発現しない傾向があり、100重量部をこえる
と、チッ素酸化物吸着剤や触媒粒子の表面を電解質が被
覆しすぎるため、性能が低下する傾向がある。
【0030】チッ素吸着浄化剤は、ハニカム状基材など
に塗着させて使用することができる。このとき、基材の
壁厚は4〜20ミルであることが好ましい。壁厚が4ミ
ル未満ではハニカムの機械的強度が低下し、実用上不具
合が生じる傾向があり、20ミルをこえるとハニカム重
量あたりに塗着することができるチッ素酸化物吸着浄化
剤の量が少なくなる傾向がある。
【0031】チッ素酸化物を還元する物質としては、水
素原子を含む物質であればよく、たとえばメタン、エタ
ン、プロパンなどの炭化水素物質や、メタノール、エタ
ノールなどのアルコールが好ましい。また、水素ガスを
直接供給するのも好ましい。
【0032】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0033】<チッ素酸化物吸着剤への貴金属の担持> 製造例1 チッ素酸化物吸着剤として平均二次粒子径が8μmのH
終端ゼオライト(東ソー(株)製のHSZ−360HU
A)を用い、このゼオライトをジニトロアンミン白金硝
酸水溶液中に分散させ、50℃に加熱して4時間撹拌し
た。そののち分散溶液を150℃で3時間、300℃で
2時間、大気中で加熱して、ゼオライト上に白金化合物
を担持させ、さらに水素/チッ素気流中500℃で2時
間加熱して還元処理を行ない、白金を表面部分に担持し
たゼオライトを得た。
【0034】製造例2〜4 同様の方法で、ジニトロアンミンパラジウム硝酸水溶
液、硝酸ルテニウム水溶液、硝酸ロジウム水溶液を用い
て、パラジウム、ルテニウム、ロジウムを表面部分に担
持したゼオライトを得た。
【0035】製造例5 チッ素酸化物吸着剤として平均二次粒子径が10μmの
カーボンブラック粒子を用い、このカーボンブラック粒
子をジニトロアンミン白金硝酸水溶液中に分散させ、5
0℃に加熱して4時間撹拌した。そののち分散溶液を1
50℃で3時間、300℃で2時間、大気中で加熱し
て、カーボンブラック粒子上に白金化合物を担持させ、
さらに水素/チッ素気流中500℃で2時間加熱して還
元処理を行ない、白金を表面部分に担持したカーボンブ
ラック粒子を得た。
【0036】製造例6〜8 同様の方法で、ジニトロアンミンパラジウム硝酸水溶
液、硝酸ルテニウム水溶液、硝酸ロジウム水溶液を用い
て、パラジウム、ルテニウム、ロジウムを表面部分に担
持したカーボンブラック粒子を得た。
【0037】製造例9 チッ素酸化物吸着剤として平均二次粒子径が10μmの
シリカゲル粒子を用い、シリカゲル粒子をジニトロアン
ミン白金硝酸水溶液中に分散させ、50℃に加熱して4
時間撹拌した。そののち分散溶液を150℃で3時間、
300℃で2時間、大気中で加熱して、シリカゲル粒子
に白金化合物を担持させ、さらに水素/チッ素気流中5
00℃で2時間加熱して還元処理を行ない、白金を表面
部分に担持したシリカゲル粒子を得た。
【0038】製造例10〜12 同様の方法で、ジニトロアンミンパラジウム硝酸水溶
液、硝酸ルテニウム水溶液、硝酸ロジウム水溶液を用い
て、パラジウム、ルテニウム、ロジウムを表面部分に担
持したシリカゲル粒子を得た。
【0039】<スラリー作製と基材への塗着> 実施例1〜12 製造例1〜12で得た貴金属を担持した各チッ素吸着剤
2重量部に、ポリパーフルオロスルホン酸(デュポン
(株)製のナフィオン115)をエタノールに溶解した
もの(樹脂濃度10重量%)を各11重量部混合し、さ
らにエタノールを10重量部添加してスラリーを作製し
た。このスラリーを材質がコージェライトであるハニカ
ム状基材(日本碍子(株)製:セル数400セル/平方
インチ、壁厚6ミル)の内壁に塗着したのち、減圧下で
80℃に加熱してアルコールを除去し、ハニカム状内壁
に塗着したチッ素酸化物吸着浄化剤を得た。
【0040】比較例1〜12 製造例1〜12で得た貴金属を担持した各チッ素酸化物
吸着剤9重量部に、ポリテトラフルオロエチレン微粒子
分散水溶液(ダイキン(株)製のD−1)を各15重量
部混合し、さらに水を100重量部添加してスラリーを
作製した。このスラリーを材質がコージェライトである
ハニカム状基材(日本碍子(株)製:セル数400セル
/平方インチ、壁厚6ミル)の内壁に塗着したのち、大
気圧下340℃で加熱して水分を除去し、ハニカム状内
壁に塗着したチッ素酸化物吸着浄化剤を得た。
【0041】<吸着浄化性能の評価>実施例1〜12お
よび比較例1〜12で得た吸着性能評価用の各サンプル
を用い、一酸化チッ素の吸着浄化性能評価試験を行なっ
た。試験条件は下記の通りであり、吸着と浄化を以下の
条件で交互に行なった。
【0042】(吸着条件) 一酸化チッ素濃度:10ppm(空気キャリア)、空間
速度:5600/時間、試験温度:20℃、評価ガス中
の水分割合:1.39%(体積比、20℃における湿度
60%相当)、流通時間:60分間
【0043】(脱着条件) 水素濃度:0.1%(チッ素キャリア)、空間速度:5
600/時間、試験温度:60℃、評価ガス中の水分割
合:4.19%(体積比、60℃における湿度21%相
当)、流通時間15分間
【0044】図4に、実施例1で作製した白金を担持し
たゼオライトに所定量の固体高分子電解質が含まれたハ
ニカムに関し、前記の評価を繰り返して実施した場合の
入口のチッ素酸化物(NOx)濃度(a)および水素
(H2)濃度(b)と出口のチッ素酸化物(NOx)濃度
(c)の時間変化を示す。最初の吸着条件下において
は、吸着時間60分間中で最後の5分間に若干出口でチ
ッ素酸化物が検出されたほかは、出口部でチッ素酸化物
は検出されなかかった。吸着時間経過後、15分間脱着
条件にて水素含有ガスを流通させ、そののち再度吸着条
件にてチッ素酸化物を吸着させたところ、同様に、吸着
時間60分間中で最後の5分間に若干出口でチッ素酸化
物が検出されたほかは、出口部でチッ素酸化物は検出さ
れなかかった。以上より、脱着条件下においては、吸着
されたチッ素酸化物はチッ素酸化物以外の物質に変化し
て脱離していると判断される。すなわち実施例1の吸着
浄化剤によってチッ素酸化物の吸着浄化が実現された。
【0045】同様の方法で、実施例2〜12で得た吸着
浄化剤を塗着したハニカムについて評価を行なったとこ
ろ、図4と同様の結果が得られた。すなわち、実施例2
〜12によってチッ素酸化物の吸着浄化が実現された。
【0046】図5に、比較例1で得た固体高分子電解質
を含まない白金を担持したゼオライトを所定量の固体高
分子電解質が含まれたハニカムに関し、前記評価を繰り
返して実施した場合の入口のチッ素酸化物(NOx)濃
度および水素(H2)濃度と出口のチッ素酸化物(N
x)濃度の時間変化を示す。最初の吸着条件下におい
ては、実施例1の場合とは異なり、吸着開始直後から出
口のチッ素酸化物濃度が徐々に入口濃度に接近していく
ことがわかる。60分の吸着時間経過後、15分間脱着
条件にて水素含有ガスを流通させ、そののち再度吸着条
件にてチッ素酸化物を吸着させたところ、出口部のチッ
素酸化物濃度は入口部とほぼ同一であることから、比較
例1で得たハニカムでは吸着されたチッ素酸化物は浄化
脱着しないと判断される。
【0047】同様の方法で、比較例2〜12で得たハニ
カムについて評価を行なったところ、図5と同様の結果
が得られた。すなわち、比較例2〜12により得られた
ハニカムでは、チッ素酸化物の吸着浄化は実現されない
ことがわかった。
【0048】
【発明の効果】本発明の第1の吸着浄化剤によれば、チ
ッ素酸化物吸着剤、酸化還元能を有する触媒粒子および
固体高分子電解質からなることにより、大気中のチッ素
酸化物を吸着するとともに、別途還元剤を導入して当該
吸着剤に吸着されたチッ素酸化物を還元浄化することが
でき、チッ素酸化物が含まれない清浄な空気を得ること
ができる。
【0049】本発明の第2の吸着浄化剤によれば、第1
の吸着浄化剤において、チッ素酸化物吸着剤が、その構
成元素として炭素、ケイ素、アルミニウムからなる群よ
り選ばれた少なくとも1種の元素を含むことにより、吸
着剤の比表面積が大きくなり、チッ素酸化物の吸着能を
高めることができる。
【0050】本発明の第3の吸着浄化剤によれば、第2
の吸着浄化剤において、チッ素酸化物吸着剤が、チッ素
酸化物吸着浄化剤が、活性炭、ゼオライト、シリカゲ
ル、アルミナからなる群より選ばれた少なくとも1種を
含むことにより、吸着剤の比表面積が大きくなり、チッ
素酸化物を多量に吸着することが可能となる。
【0051】本発明の第4の吸着浄化剤によれば、第1
の吸着浄化剤において、チッ素酸化物吸着剤の表面部分
に触媒粒子が担持されており、固体高分子電解質と触媒
粒子とが接触していることにより、還元性ガス流通時に
触媒粒子表面に生成したプロトンが固体高分子電解質内
部を移動し、吸着剤より放出された未反応のチッ素酸化
物と触媒上の別の部位で反応する。その結果、従来より
もチッ素酸化物の還元反応の反応確率が向上することに
なり、従来よりも低温条件下でチッ素酸化物の還元を行
なうことができる。
【0052】本発明の第5の吸着浄化剤によれば、第4
の吸着浄化剤において、触媒粒子が、白金、ルテニウ
ム、パラジウム、ロジウムからなる群より選ばれた少な
くとも1種の元素を含むことにより、大気中のチッ素酸
化物の空気酸化や吸着されたチッ素酸化物の還元反応を
より可逆的に連続的に行なうことができる。
【0053】本発明の第6の吸着浄化剤によれば、第4
の吸着浄化剤において、固体高分子電解質が、プロトン
伝導性であることにより、還元性ガスとして有効な水素
を伝導させることができ、水素を還元性ガスとした場合
のチッ素酸化物還元反応を従来よりも低温条件下で行な
うことができる。
【0054】本発明の第7の吸着浄化剤によれば、第4
の吸着浄化剤において、固体高分子電解質が多孔性であ
ることにより、基材表面に塗着されたチッ素吸着浄化剤
層内部にまで吸着ガス(チッ素酸化物)や還元性ガスが
浸透可能となり、吸着剤利用率を高めることが可能とな
る。
【0055】本発明の第1の浄化方法によれば、第1、
2、3、4、5、6または7記載のチッ素酸化物吸着浄
化剤により、チッ素酸化物を硝酸イオンに変換して吸蔵
する吸蔵工程、および、チッ素酸化物吸着浄化剤に還元
性ガスを流入して吸着されたチッ素酸化物を触媒反応に
より還元浄化する還元浄化工程からなるので、チッ素酸
化物の還元浄化が実現されるとともに、同時に吸着浄化
剤の再生利用を行なうことが可能となる。
【0056】本発明の第2の浄化方法によれば、第1の
浄化方法において、還元性ガスが水素であることによ
り、高反応性の還元性ガスを直接利用してチッ素酸化物
還元反応をより低温条件下で行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のチッ素酸化物吸着浄化剤の構造の一
例を示す模式図である。
【図2】 図1のチッ素酸化物吸着浄化剤によるチッ素
酸化物の吸蔵工程を説明するための図である。
【図3】 図1のチッ素酸化物吸着浄化剤により吸着さ
れたチッ素酸化物の還元浄化工程を説明するための図で
ある。
【図4】 実施例1で作製したチッ素吸着浄化剤の吸着
浄化性能を示す図である。
【図5】 比較例1で作製したチッ素吸着浄化剤の吸着
浄化性能を示す図である。
【符号の説明】
1 チッ素酸化物吸着剤、2 触媒粒子、3 固体高分
子電解質。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/10 B01D 53/36 102Z 3/28 301 53/34 129A (72)発明者 中宗 浩昭 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 佐藤 稔 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 藤田 洋司 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 光田 憲朗 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3G091 AA05 AB06 BA14 CA19 FB02 FC07 GB05W GB06W GB07W GB09Y GB17Y HA18 4D002 AA12 AB01 BA04 BA05 BA06 DA41 DA45 DA46 EA01 4D048 AA06 AB01 AB02 AC01 BA05X BA06X BA11X BA30X BA31X BA32X BA33X BB02 EA04 4G069 AA03 AA08 BA02B BA07B BA08B BA13B BA22A BA22B BC70B BC71B BC72B BC75B CA02 CA07 CA08 CA13 DA06 EA19 FA02 FA03 FB14 FB23 FB44 ZA01B

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種のチッ素酸化物吸着剤、
    酸化還元能を有する触媒粒子および固体高分子電解質か
    らなるチッ素酸化物吸着浄化剤。
  2. 【請求項2】 チッ素酸化物吸着剤が炭素、ケイ素、ア
    ルミニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元
    素を含む請求項1記載のチッ素酸化物吸着浄化剤。
  3. 【請求項3】 チッ素酸化物吸着剤が活性炭、ゼオライ
    ト、シリカゲルからなる群より選ばれた少なくとも1種
    である請求項2記載のチッ素酸化物吸着浄化剤。
  4. 【請求項4】 チッ素酸化物吸着剤の表面部分に触媒粒
    子が担持されており、固体高分子電解質と触媒粒子とが
    接触している請求項1記載のチッ素酸化物吸着浄化剤。
  5. 【請求項5】 触媒粒子が白金、ルテニウム、パラジウ
    ム、ロジウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の
    元素を含む請求項4記載のチッ素酸化物吸着浄化剤。
  6. 【請求項6】 固体高分子電解質がプロトン伝導性であ
    る請求項4記載のチッ素酸化物吸着浄化剤。
  7. 【請求項7】 固体高分子電解質が多孔性である請求項
    4記載のチッ素酸化物吸着浄化剤。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5、6または7
    記載のチッ素酸化物吸着浄化剤において、チッ素酸化物
    を硝酸イオンに変換して吸蔵する吸蔵工程、および、チ
    ッ素酸化物吸着浄化剤に還元性ガスを流入して吸着され
    たチッ素酸化物を触媒反応により還元浄化する還元浄化
    工程からなるチッ素酸化物の浄化方法。
  9. 【請求項9】 還元性ガスが水素である請求項8記載の
    チッ素酸化物の浄化方法。
JP2001252933A 2001-08-23 2001-08-23 チッ素酸化物吸着浄化剤およびそれを用いたチッ素酸化物浄化方法 Pending JP2003062431A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001252933A JP2003062431A (ja) 2001-08-23 2001-08-23 チッ素酸化物吸着浄化剤およびそれを用いたチッ素酸化物浄化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001252933A JP2003062431A (ja) 2001-08-23 2001-08-23 チッ素酸化物吸着浄化剤およびそれを用いたチッ素酸化物浄化方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003062431A true JP2003062431A (ja) 2003-03-04

Family

ID=19081329

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001252933A Pending JP2003062431A (ja) 2001-08-23 2001-08-23 チッ素酸化物吸着浄化剤およびそれを用いたチッ素酸化物浄化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003062431A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006242424A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 Mitsubishi Electric Corp 換気装置及び換気装置の有害物質除去方法
JP2006255654A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Mitsubishi Electric Corp 窒素酸化物除去装置、その運転方法および窒素酸化物吸着剤の再生方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006242424A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 Mitsubishi Electric Corp 換気装置及び換気装置の有害物質除去方法
JP4617927B2 (ja) * 2005-03-01 2011-01-26 三菱電機株式会社 換気装置及び換気装置の有害物質除去方法
JP2006255654A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Mitsubishi Electric Corp 窒素酸化物除去装置、その運転方法および窒素酸化物吸着剤の再生方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20080077163A (ko) 배기가스정화장치
JP2004512162A (ja) Co、vocおよびハロゲン化有機物の放出物を消失させる触媒
JPH08229404A (ja) 排ガス浄化触媒および排ガス浄化装置
JP2003062431A (ja) チッ素酸化物吸着浄化剤およびそれを用いたチッ素酸化物浄化方法
JP4780490B2 (ja) 活性炭フィルタ
WO2021192693A1 (ja) 排ガス浄化触媒装置
JP3285206B2 (ja) 排ガス浄化用触媒およびその製造方法
JPH11137656A (ja) 脱臭触媒素子及びその製造方法
JPH0810613A (ja) 自動車排ガス浄化用吸着材
JP2005513725A (ja) 溶融炭酸塩型燃料電池の排気処理および濾過システム
JP2001058130A (ja) 窒素酸化物分解用触媒
JP2000345175A (ja) 一酸化炭素の選択除去方法
JP2004176589A (ja) 排ガス浄化装置
JP2003010646A (ja) ディーゼル排ガス浄化装置及び排ガス浄化方法
JPH0576753A (ja) 一酸化窒素吸着剤及びその製法並びに一酸化窒素の吸着除去法
JP2000202243A (ja) 内燃機関の排ガス浄化方法と浄化触媒および排ガス浄化装置
JPH06327967A (ja) ハニカム状吸着体
KR102392961B1 (ko) 배기가스 처리 장치 및 배기가스 처리 방법
KR102382524B1 (ko) 배기가스 처리 장치 및 배기가스 처리 방법
JPH10118486A (ja) 希薄窒素酸化物の濃縮方法
JP2002210366A (ja) NOx浄化用プラズマアシスト触媒
JPH0824579A (ja) 低濃度NOx含有ガスの処理方法
JP2002239346A (ja) 排気ガス浄化装置および製造方法
JP2008229587A (ja) 触媒体および触媒構造体、ならびにこれらを備えた空気調和機
JPH08257351A (ja) 低濃度NOx含有ガスの処理システム及びその処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070921

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090610

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090616

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091020