JP2003061468A - 芯立する幹がなく樹冠形が半球状に生長する特異形質とどまつと、当該特異形質とどまつのつぎ木増殖法 - Google Patents
芯立する幹がなく樹冠形が半球状に生長する特異形質とどまつと、当該特異形質とどまつのつぎ木増殖法Info
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Abstract
の新品種「北林育1号」(種苗法品種登録第4169
号)が、つぎ木増殖の過程で樹形・樹冠形の生長が異な
った苗木に変化して特異形質とどまつになることと、そ
の特異形質とどまつのつぎ木増殖法に関する。 【解決手段】 とどまつの幼苗2年生又は幼苗3年生
で、その苗長がほぼ10〜15cm程度に生長した幼苗
を台木とし、その台木の高さ8〜13cmの位置をつぎ
木部位5として、つぎ穂のとどまつ北林育1号をつぎ木
し、活着した当該つぎ木を1年以上生長させることによ
り、樹形が芯立する幹がなく全部枝として生長する無幹
多枝状で、樹冠形が半球体に生長させたことを特徴とす
る芯立する幹がなく樹冠形が半球状に生長する特異形質
とどまつ1と、その特異形質とどまつのつぎ木増殖法で
ある。
Description
樹である「とどまつ」の新品種「北林育1号」(種苗法
品種登録第4169号)が、つぎ木増殖の過程で樹形・
樹冠形の生長が異なった苗木に変化して特異形質とどま
つになることと、その特異形質とどまつのつぎ木増殖法
に関する。
種で、高さ25〜30m、直径60〜100cm程度の
大木で、主に建築材として利用されている。この「とど
まつ」の新品種「北林育1号」は、平成6年11月22
日、種苗法の品種登録第4169号として登録された。
当該植物の種類及び登録品種の名称は、「とどまつ北林
育1号」と称されるが、その登録品種の植物体の特性の
概要は、次の通りと発表されている。
の後代家系の中の変異個体であり、単幹状で樹冠形が円
錐体の緑化木向きの品種である。幹の通直性は直、真円
性は正円である。樹皮の色は赤灰、厚さは中、き裂紋様
は平滑である。枝の太さは中、長さはやや短、岐出角度
は中、輪生枝の数は多、二次枝の着生形状は輪生多枝
型、着生本数は多、自然落枝性は難である。針葉の長さ
は中、先端の形は微凹頭、曲がりはやや曲がり、ねじれ
は無、夏の針葉の色及び冬の針葉の色は暗黄緑、斑の大
きさは無、枝の針葉の着生形状は円筒型、着葉密度は中
である。冬芽の鱗片数はかなり多である。成長性はやや
晩、発根性は極難、耐鼠性はやや強である。「稚内10
2号」、「古丹別104号」、「根室101号」と比較
して、二次枝の着生形状が輪生多枝であること、二次枝
の着生数が多いこと、枝の針葉の着生形状が円筒である
こと等で区別性が認められる。』
号」は、枝の出方が、主幹の形態と同様に多芯性であ
り、枝数が多く見かけ上の葉量が多くこんもりとした樹
形である。このため、当該新品種は、クリスマスツリ
ー、庭木、工場緑化、街路樹などの緑化木としての利用
が期待されている。
ぎ木による増殖でのみ生産可能であるが、そのつぎ木法
は、「とどまつ」の一般的な方法とされる割接法又は切
接法により行われる。従来より北方系樹種のクローン増
殖は、主にさし木よりつぎ木による無性繁殖される方が
良いとされ、「とどまつ」の苗木の生産は、次のような
一般的なつぎ木増殖法が採用されている。図7に示すよ
うに当該一般的な「とどまつ」つぎ木増殖法というの
は、造林直前の元気のよい実生4年生苗木乃至5年生苗
木(苗長30〜40cm)を台木として、その地面から
20〜35cmの位置をつぎ木部位とし、割接法又は切
接法によりつぎ木する方法である。「とどまつ」のつぎ
木をする際、幼苗を台木とすると、苗長も発根もまだ充
分に発育していないので、著しく活着率や生長率が悪く
なるとのデータが発表され広く知られている。そのた
め、一般に「とどまつ」のつぎ木には、幼苗を台木とし
ては使用しないものとされていた。
育1号」の育成者の一人である本発明者は、この登録品
種「とどまつ北林育1号」の形質の再現性を確かめるた
めと、つぎ木による増殖でのみ生産可能であるこの登録
品種の普及を図るために、個体の試しつぎ木増殖を長年
にわたって繰り返しているうちに、実生2年生乃至3年
生の幼苗を台木とした場合には、単に著しく生長率が悪
くなるというだけでなく、親木の形態とは全く異なった
特異の樹形や樹冠形に生長する性質のあることに気がつ
いた。
号」の育成者でもある本発明者は、この新登録品種が、
つぎ木による増殖でのみ生産されることから、普及させ
るためにもこの新登録品種の最適なつぎ木増殖法を見出
すためと、この登録品種「とどまつ北林育1号」の形質
の再現性を確かめるために、様々な条件での試しつぎ木
法を長年にわたり試験研究してきた。その結果、発明者
は、「とどまつ北林育1号」のつぎ木増殖法として好適
なのは、前記の通り元気の良い4年生苗木または5年生
苗木を台木とし、前年生長した幹の部分をつぎ木部位と
して、「とどまつ北林育1号」のつぎ穂を割接法で5月
5日〜5月15日の期間内につぎ木する。すると、つぎ
木1年生長した部分に幹になる芯立が現れる。そこでつ
ぎ穂の丈長生長促進のため台木の枝を選定すると順調に
親木と同じような樹形に生長していくことが解った。こ
のような「とどまつ北林育1号」のつぎ木法は、従来の
一般的な「とどまつ」のつぎ木増殖法と同じである。
北林育1号」の形質の再現性を確かめるために、小さな
苗木(幼苗)を台木とするつぎ木法の試験を行ってい
た。発明者が、このような一般には行われない幼苗を台
木とするつぎ木法を試みたのは、台木の影響が少なくな
るかもしれないと考えからである。しかるに幼苗を台木
とするつぎ木法により生産した「とどまつ北林育1号」
は、樹形が苗木に芯立の無い無幹多枝状で、樹冠形が盆
栽型の半球状になってしまった。発明者は、当初、この
ように特異な樹形や樹冠形に形態変化するのは偶然であ
り、形質の再現性はないと考えていたが、昭和58年以
来繰り返し同じように幼苗を台木とするつぎ木法で「と
どまつ北林育1号」の試しつぎ木増殖を行って、その形
態変化の再現性について調査をした。その結果、繰り返
し試しつぎ木増殖試験のたびに、同じように特異な樹形
や樹冠形に形態変化して生長することが解った。
えで実施したのであったが、実際は逆に台木の影響によ
り形態変化が生じたものと考えられる。すなわち、充分
に発育していない幼苗を用いて、その低い部位でつぎ木
すると、「とどまつ北林育1号」のもつ多枝性の遺伝子
が強く発現し、芯立の遺伝子作用が抑えられて、幹が無
く芯立のしない半球状の樹冠形になるという特異な形質
になる性質があると思われる。本発明は、この新しく見
出した技術的知見に基づいて、本発明に係る芯立する幹
がなく樹冠形が半球状に生長する特異形質とどまつと、
当該特異形質とどまつのつぎ木増殖法を開発したもので
ある。
1発明は、とどまつの幼苗を台木とし、その台木のつぎ
木部位につぎ穂のとどまつ北林育1号をつぎ木し、活着
・生長させることにより、つぎ木部位より先には芯立す
る幹がなく全部枝として生長し樹形が無幹多枝状とな
り、樹冠形が半球体に生長したことを特徴とする特異形
質とどまつである。
つの幼苗2年生又は幼苗3年生で、その苗長がほぼ10
〜15cm程度に生長した幼苗を台木とし、その台木の
高さ8〜13cmの位置をつぎ木部位として、つぎ穂の
とどまつ北林育1号をつぎ木し、活着した当該つぎ木を
1年以上生長させることにより、芯立する幹がなく全部
枝として生長して樹形が無幹多枝状で、樹冠形が半球体
に生長したことを特徴とする芯立する幹がなく樹冠形が
半球状に生長する特異形質とどまつである。
つの重要な形質特性は、樹形が芯立する幹がない無幹多
枝状で、樹冠形が半球体に生長する特異形質とどまつで
ある。これに対し、親木となる「とどまつ北林育1号」
の形質特性は、樹形が単幹状で、樹冠形が円錐体であ
る。このように本発明に係る特異形質とどまつと登録品
種「とどまつ北林育1号」とは、植物体の基本的な形質
特性において大きく相違する。昭和58年以来繰り返し
同じように幼苗を台木とし、つぎ穂を「とどまつ北林育
1号」とするつぎ木法で試験生産増殖を行ってきた。そ
の結果、登録品種「とどまつ北林育1号」を育成したと
きと同様に、本発明に係る「特異形質とどまつ」独特の
形質特性を必ず発現するという形態変化の再現性につい
て確認した。その意味では、本発明にかかる特異形質と
どまつも、登録品種「とどまつ北林育1号」と同様に新
品種といえるものである。
形が独特であるというだけでなく、親木の「とどまつ北
林育1号」と同様に、耐寒性があり、多枝性、多葉性を
有しているので、ベランダ用の鉢植えにした緑化木、公
園木、道路分離帯、道路緑化木桝用に好適である。ま
た、苗木が小さい期間は緑化鑑賞用植物としての利用が
期待できる。
つの幼苗2年生又は幼苗3年生で、苗長がほぼ10〜1
5cm程度に生長した幼苗を台木として用意し、その台
木の高さ8〜13cmの位置をつぎ木部位として、つぎ
穂のとどまつ北林育1号をつぎ木し、活着したつぎ木を
生長させるようにしたことを特徴とする芯立する幹がな
く樹冠形が半球状に生長する特異形質とどまつのつぎ木
増殖法である。
とどまつを生産増殖するためのつぎ木増殖法である。と
どまつの幼苗2年生又は幼苗3年生で、苗長がほぼ10
〜15cm程度に伸びた苗木を台木として用いる点が第
1の特徴である。幼苗1年生は、その苗木の幹が小さす
ぎて、つぎ木をしても活着させることが困難であるし、
幼苗4年生を用いると、芯立がする幹が現れて必ずしも
特異形質とどまつを再現させることが出来ない。第2の
特徴は、その台木は、2年生乃至3年生の幼苗を使用
し、高さ8〜13cmの位置をつぎ木部位としてつぎ木
した点である。高さが14cm以上の位置をつぎ木部位
とすると、つぎ木後5年から10年後位に芯立する幹が
現れる場合がある。つぎ木の具体的な方法は、とどまつ
のつぎ木法として一般的な割接法又は切接法であれば良
い。つぎ木後の養苗期間は、一応つぎ木当年を含めて4
年であるが、特異形質とどまつの重要な形質特性である
『芯立する幹がなく樹冠形が完成度の高い半球体』が完
全に出来上がるまで生長するにはつぎ木5年生長程かか
る。上記条件でつぎ木増殖法を行えば、確実に特異形質
とどまつの生産が可能である。
に説明する。
質とどまつを示す斜視図で、図2は、第1発明、第2発
明に係る特異形質とどまつの樹形と樹冠形の構造的特徴
を略式構成図として示した形質説明図であり、図3は、
本発明の親木であるとどまつ北林育1号の正面図で、図
4は、親木であるとどまつ北林育1号の樹形と樹冠形の
構造的特徴を略式構成図として示した形質説明図であ
る。尚、図5は、通常のとどまつを示す正面図である。
また、図6は、本発明に係る特異形質とどまつのつぎ木
増殖法を実施して、特異形質とどまつが生長するにした
がって次第に特異な樹形と樹冠形が出来ていく過程を略
式構成図として示した形質説明図であり、図7は、比較
例として、「とどまつ北林育1号」のつぎ木増殖法によ
り、とどまつ北林育1号が生長するにしたがって次第に
本来の形質特性を発現した樹形と樹冠形が出来ていく過
程を略式構成図として示した形質説明図である。
冠形が半球体状に生長している特異形質とどまつ1の正
面図である。これは本来の一般的なとどまつ2(図5)
や近年新品種として種苗法に登録されたとどまつ北林育
1号3(図3)の樹木形態とは、大きく変化した姿形に
なっている。図2は、特異形質とどまつ1の枝振りとそ
の樹形を構造的特徴を略式構成図として説明したもので
ある。外観からは同属の植物体とどまつの一種とは思え
ない珍しい樹形・樹冠形の形態をしたものである。
つ」1を生産するのは、次のような方法による。先ず、
本発明の実施例として苗畑で養成した元気の良いとどま
つの幼苗2年生でその苗長が10cm程度に生長したも
のと、苗畑で養成した元気の良いとどまつの幼苗3年生
でその苗長がほぼ13〜15cm程度に生長した幼苗4
を台木として夫々数十本づつ用意した。その幼苗4台木
の地面から高さ8〜13cmの位置(前年生長した部
分)をつぎ木部位5として切断し、その台木の切断面の
中心を割った。一方「とどまつ北林育1号」のつぎ穂を
台木の数だけ用意し、その下端部を楔形に切削加工した
うえ、先に用意していた台木の割溝部に挿入し、その接
合部を巻きしめする試しつぎ木(割接法)を実行した。
このつぎ木法は、台木が幼苗であるため熟練者でなけれ
ば、うまく実行できない方法である。このような方法で
試しつぎ木したものが活着するのは50〜70%であっ
た。その活着したつぎ木を1年以上生長させることによ
り、樹形は芯立する幹がなく、全部枝として生長して無
幹多枝状に生長することを確認した。しかも多枝の着生
形状は、輪生多枝型に生長するので、樹冠形は生長する
に従って半球体を形成する。
位としてつぎ木して生産する特異形質とどまつ1は、つ
ぎ木1年生長の段階では、芯立する幹が出来ず、複数の
多枝が放射状に伸び始める。次に、つぎ木3年生長の段
階では、芯立する幹が無く、伸長した多枝がほぼ半球体
に近い形態が発現する。更に、これをつぎ木5年以上に
生長すると図1、図2に示すように、樹形が無幹多枝状
で樹冠形が完成度の高い半球体に生長する。当該特異形
質とどまつ1が生長するにしたがって次第に特異な樹形
と樹冠形が出来ていく過程を略式構成図として示した形
質説明図が図6である。尚、図1に示した特異形質とど
まつ1は、形質特性が明確に発現されたつぎ木10年生
長の実施例である。
したものは、例外なく樹形が芯立する幹がない無幹多枝
状となり、樹冠形が半球状に生長した。発明者は、この
ような試しつぎ木による特異形質とどまつ1の試験増殖
生産を、昭和58年より繰り返し続けたが、常に同じよ
うに樹形が芯立する幹がない無幹多枝状で、樹冠形が半
球状になるという独特の質特性をもった「特異形質とど
まつ」1を再現できることを確認した。従って、当該形
質特性の再現性は充分にあるといえる。
なつぎ木増殖法により、とどまつ北林育1号3をつぎ木
して生長するにしたがって次第にとどまつ北林育1号3
独特の形質特性が形成されていく過程を示すものであ
る。それはまず、苗長が30〜40cmに生長した元気
の良い4年生苗木または5年生苗木6を台木として用意
する。前年生長した苗木6の20〜30cmの位置をつ
ぎ木部位5として加工する。一方、つぎ穂としてとどま
つ北林育1号を用意し、当該つぎ穂を割接法で5月初旬
〜中旬にかけてつぎ木する。こうしてつぎ木したとどま
つ北林育1号3が、つぎ木1年生長すると、その1年生
長した部分には幹となる芯立が現れる。そこでつぎ穂の
丈長生長促進のため、台木の部分の枝を剪定する。これ
がつぎ木3年生長になると、芯立した幹にとどまつ北林
育1号の品種の特性である多枝性が現れ、一般的なとど
まつに比較して枝数が多くこんもりとなる。更に、つぎ
木5年生長になると、とどまつ北林育1号の特性である
多枝性がより顕著に発現し、一般的なとどまつの樹形と
は明確に差異のある多枝・多緑形態の植物体となる。す
なわちとどまつ北林育1号3は、図3、図4に示すよう
にその重要な形質特性である樹形が単幹状で、樹冠形が
円錐体に生長したものになるのである。これは、普通の
とどまつ2の形質特性とも、特異形質ととどまつ1の形
質特性とも大きく相違している。
「とどまつ北林育1号」とを比較すると、両者はその植
物体としての重要な形質特性である樹形や樹冠形が大き
く相違する。「特異形質とどまつ」のように樹形が芯立
する幹がない無幹多枝状で、樹冠形が半球体に生長する
形態の「とどまつ」というのは従来存在しない珍品種で
ある。しかし、両者ともつぎ木によって生産、増殖が可
能となるが、その親木が「とどまつ北林育1号」である
点も、そのつぎ木用台木が「とどまつ」である点も、共
通している。しかるに、前者の場合の台木を実生2〜3
年生の幼苗にし、後者の場合に台木を実生4〜5年生の
苗木にしたことと、それらのつぎ木部位を前者の場合に
20〜35cmと高い位置にし、後者の場合に8〜13
cmと低い位置にしてつぎ木をしただけで、生長したと
きの両者の樹形と樹冠形は、全く別異なものになってし
まうのである。そして、つぎ木後の生長年数が増えれば
増えるほど、両者の重要な形質にかかる樹形と樹冠形の
差異がはっきりと発現してくる。しかも、その形質特性
は、前記の通り幼苗・低位置つぎ木部位にしたつぎ木増
殖法を実施する限り、特異形質ととどまつの形質特性の
再現性もある。
立する幹がなく樹冠形が半球体に生長するとい珍しい形
質特性をもっているうえ、親木の「とどまつ北林育1
号」と同様に耐寒性があり、多枝性、多葉性を有してい
るので、ベランダ用の鉢植えにした緑化木、公園木、道
路分離帯、道路緑化木桝用に好適である。しかも、当該
特異形質とどまつの苗木が小さい期間は、緑化鑑賞用植
物としての利用も期待できるので、実用性の高いものに
なる。
を示す正面図である。
の樹形と樹冠形の構造的特徴を略式構成図として示した
形質説明図である。
面図である。
特徴を略式構成図として示した形質説明図である。
法を実施して、特異形質とどまつが生長するにしたがっ
て次第に特異な樹形と樹冠形が出来ていく過程を略式構
成図として示した形質説明図である。
増殖法により、とどまつ北林育1号が生長するにしたが
って次第に特異な樹形と樹冠形が出来ていく過程を略式
構成図として示した形質説明図である。
9)
樹種で、高さ25〜30m、直径60〜100cm程度
の大木で、主に建築材として利用されている。この「と
どまつ」の新品種「北林育1号」は、平成6年11月2
2日、種苗法の品種登録第4169号として登録され
た。当該植物の種類及び登録品種の名称は、「とどまつ
北林育1号」と称されるが、その登録品種の植物性の特
性の概要は、次の通りと発表されている。
1号」は、枝の出方が、主幹の形態と同様に多芯性であ
り、枝の数が多く、しかも小さいため葉量が多くこんも
りとした樹形である。このため、当該新品種は、クリス
マスツリー、庭木、工場緑化、街路樹などの緑化木とし
ての利用が期待されている。
1号」の育成者でもある本発明者は、この新登録品種
が、つぎ木による増殖でのみ生産されることから、普及
させるためにもこの新登録品種の最適なつぎ木増殖法を
見出すためと、この登録品種「とどまつ北林育1号」の
形質の再現性を確かめるために、様々な条件での試しつ
ぎ木法を長年にわたり試験研究してきた。その結果、発
明者は、「とどまつ北林育1号」のつぎ木増殖法として
好適なのは、前記の通り元気の良い4年生苗木または5
年生苗木を台木とし、前年生長した幹の部分をつぎ木部
位として、「とどまつ北林育1号」のつぎ穂を割接法に
より、同じ条件で毎年5月5日〜5月15日の期間内に
つぎ木する。すると、つぎ木1年生長した部分に幹にな
る芯立が現れる。そこでつぎ穂の丈長生長促進のため台
木の枝を選定すると順調に親木と同じような樹形に生長
していくことが解った。このような「とどまつ北林育1
号」のつぎ木法は、従来の一般的な「とどまつ」のつぎ
木増殖法と同じである。
まつの重要な形質特性は、樹形が芯立する幹がない無幹
多枝状で、樹冠形が半球体に生長する特異形質とどまつ
である。これに対し、親木となる「とどまつ北林育1
号」の形質特性は、樹形が単幹状で、樹冠形が円錐体で
ある。このように本発明に係る特異形質とどまつと登録
品種「とどまつ北林育1号」とは、植物体の基本的な形
質特性において大きく相違する。昭和58年以来繰り返
し同じ条件で幼苗を台木とし、つぎ穂を「とどまつ北林
育1号」とするつぎ木法で試験生産増殖を行ってきた。
その結果、登録品種「とどまつ北林育1号」を育成した
ときと同様に、本発明に係る「特異形質とどまつ」独特
の形質特性を必ず発現するという形態変化の再現性につ
いて確認した。その意味では、本発明にかかる特異形質
とどまつも、登録品種「とどまつ北林育1号」と同様に
新品種といえるものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 とどまつの幼苗を台木とし、その台木の
つぎ木部位につぎ穂のとどまつ北林育1号をつぎ木し、
活着・生長させることにより、つぎ木部位より先には芯
立する幹がなく全部枝として生長して樹形が無幹多枝状
となり、樹冠形が半球体に生長したことを特徴とする特
異形質とどまつ。 - 【請求項2】 とどまつの幼苗2年生又は幼苗3年生
で、その苗長がほぼ10〜15cm程度に生長した幼苗
を台木とし、その台木の高さ8〜13cmの位置をつぎ
木部位として、つぎ穂のとどまつ北林育1号をつぎ木
し、活着した当該つぎ木を1年以上生長させることによ
り、芯立する幹がなく全部枝として生長して樹形が無幹
多枝状で、樹冠形が半球体に生長したことを特徴とする
芯立する幹がなく樹冠形が半球状に生長する特異形質と
どまつ。 - 【請求項3】 とどまつの幼苗2年生又は幼苗3年生
で、苗長がほぼ10〜15cm程度に生長した幼苗を台
木として用意し、その台木の高さ8〜13cmの位置を
つぎ木部位として、つぎ穂のとどまつ北林育1号をつぎ
木し、活着したつぎ木を生長させるようにしたことを特
徴とする芯立する幹がなく樹冠形が半球状に生長する特
異形質とどまつのつぎ木増殖法。
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JP2001250130A JP3783129B2 (ja) | 2001-08-21 | 2001-08-21 | 芯立する幹がなく樹冠形が半球状に生長する特異形質とどまつと、当該特異形質とどまつのつぎ木増殖法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2001250130A JP3783129B2 (ja) | 2001-08-21 | 2001-08-21 | 芯立する幹がなく樹冠形が半球状に生長する特異形質とどまつと、当該特異形質とどまつのつぎ木増殖法 |
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2001
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