JP2003058884A - 物体存在密度測定装置 - Google Patents

物体存在密度測定装置

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JP2003058884A
JP2003058884A JP2001245733A JP2001245733A JP2003058884A JP 2003058884 A JP2003058884 A JP 2003058884A JP 2001245733 A JP2001245733 A JP 2001245733A JP 2001245733 A JP2001245733 A JP 2001245733A JP 2003058884 A JP2003058884 A JP 2003058884A
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JP2001245733A
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English (en)
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Shigeru Yamazaki
茂 山崎
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Nippon Signal Co Ltd
Original Assignee
Nippon Signal Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検出対象となる物体の色彩に拘わらず検出を
実行できる装置を提供する。 【解決手段】 円錐鏡20を利用した広角度距離測定装
置10により所定の撮像領域を焦点距離を変えながら撮
像し、反射像の各点に映る対象物までの距離を画像デー
タとする距離画像を生成する。この距離画像からなる基
準画像と現在画像との比較に基づいて、視野に侵入した
物体を検出する。距離情報に基づいて物体の存在密度を
算出するので、検出対象となる物体の色彩に拘わらず検
出を実行できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ある空間における
人や車などの物体の存在密度を測定するための物体存在
密度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ある空間における人や車などの物体の存
在密度を、自動的に測定できれば便利である。この種の
従来の技術としては、背景画像と測定画像とを比較し、
両者の差分に基づいて混雑度を出力するものが種々提案
されている(例えば、特開昭63−73103号公
報)。また、車両内に設けたテレビカメラによって乗客
を撮影し、この結果に基づいて混雑度を出力するものも
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの従来
例はいずれも、画像の輝度値や色彩に基づいて物体の存
在密度を算出するものであるため、背景画像と同じ色彩
をもつ物体は検出が困難である上、天候の変化に応じて
測定画像の色彩も変化するため、正確な測定が難しい。
【0004】そこで本発明の目的は、検出対象となる物
体の色彩に拘わらず検出を実行できる装置を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1の本発明は、所定の
測定領域内の複数の点について、基準位置からの距離を
示す距離情報を検出する距離情報検出手段と、前記距離
情報検出手段により検出された距離情報に基づいて、前
記測定領域における物体の存在密度を算出する存在密度
算出手段と、を備えてなる物体存在密度測定装置であ
る。
【0006】第1の本発明では、距離情報検出手段が、
測定領域内の複数の点について、基準位置からの距離を
示す距離情報を検出すると、存在密度算出手段が、距離
情報検出手段により検出された距離情報に基づいて、前
記測定領域における物体の存在密度を算出する。すなわ
ち第1の本発明では、距離情報に基づいて物体の存在密
度を算出するので、検出対象となる物体の色彩に拘わら
ず、高精度の検出を実行できる。
【0007】第2の本発明は、第1の本発明の物体存在
密度測定装置であって、前記物体の存在密度に対し、前
記基準位置からの距離が大きいほど小さく重み付けする
補正処理手段を更に備えたことを特徴とする物体存在密
度測定装置である。
【0008】俯角方向に測定する場合には、物体が遮る
地面・床面上の領域は、その物体が遠方にあるほど大き
くなる。ここで第2の本発明では、存在密度算出手段に
よって算出される物体の存在密度に対し、補正処理手段
が、基準位置からの距離が大きいほど小さく重み付けす
るので、物体が占有している面積を正しく評価して存在
密度の算出精度を向上することができる。
【0009】第3の本発明は、第1または第2の本発明
の物体存在密度測定装置であって、前記存在密度算出手
段は、物体存在時における基準位置からの距離と、所定
の閾値との比較結果に基づいて、前記存在密度を算出す
ることを特徴とする物体存在密度測定装置である。
【0010】第3の本発明では、物体存在時における基
準位置からの距離と所定の閾値との比較結果に基づいて
物体の存在密度を算出するので、物体の標準的な大きさ
が既知の場合に、測定の高精度化と演算処理の単純化を
実現できる。
【0011】第4の本発明は、第3の本発明の物体存在
密度測定装置であって、互いに異なる複数の前記閾値を
用いて物体の属性を判別する属性判別手段を更に備えた
ことを特徴とする物体存在密度測定装置である。
【0012】第4の本発明では、属性判別手段が、互い
に異なる複数の閾値を用いて物体の属性を判別するの
で、物体の存在密度を属性ごとに測定できる。
【0013】第5の本発明は、第1ないし第4のいずれ
かの本発明の物体存在密度測定装置であって、前記距離
情報検出手段は、供給する光と反射する光との位相差に
基づいて物体までの距離を検出することを特徴とする物
体存在密度測定装置である。
【0014】第5の本発明では、距離情報検出手段が、
供給する光と反射する光との位相差に基づいて物体まで
の距離を検出することとしたので、合焦距離に基づいて
距離情報を取得する構成に比して、より高精度な距離情
報を取得することができる。
【0015】本発明の装置における測定領域はどのよう
にも設定できるが、第6の本発明のように列車駅のプラ
ットホームに、第7の本発明のように車室に、第8の本
発明のように街頭に、あるいは第9の本発明のように通
路に設定し、また物体を人とするのが特に好適である。
また、第10の本発明のように測定領域を駐車場に設定
し、物体を車両としてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施形態に
係る物体存在密度測定システムの全体構成を示す。同図
に示される物体存在密度測定システムは、プラットホー
ムの天井に設置され広角度距離画像を出力する広角度距
離測定装置10と、得られた画像データに基づいて移動
物体を検出する移動物体検出装置30と、検出された移
動物体の情報から緊急性の判断などを行う状況判断装置
40と、判断結果を外部機器との間で送受信する通信装
置50とを含んで構成されている。
【0017】図2において、広角度距離測定装置10
は、光学系2、焦点可変レンズユニット制御部4(以下
「レンズユニット制御部4」という)、画像処理部6、
中央制御部8、および出力部9を含んで構成される。光
学系2は円錐鏡20、主レンズ22、焦点可変レンズユ
ニット24、および電子カメラ26を含んで構成され
る。
【0018】円錐鏡20は外側面を鏡面に構成され、そ
の中心軸の周り全方位からの光を中心軸方向に反射する
ことができる。円錐面は直線を母線とするものでもよい
が、本実施形態では外側に凸の母線(例えば放物線)に
よって構成された円錐面を用いることにより、中心軸方
向から見た円錐鏡の反射像における仰角−俯角方向の画
角を拡大している。中心軸方向から見た反射像におい
て、円錐鏡20の周縁に近い部分は、円錐鏡20の底面
寄り(すなわち、図2のように円錐鏡20をその底面を
上にして設置した場合には、上寄りないし遠方)の部分
の反射像であり、円錐鏡20の中心に近い部分は、円錐
鏡20の頂点寄り(同じく、図2の場合には下寄りない
し近辺)の部分の反射像である。
【0019】主レンズ22と焦点可変レンズユニット2
4とは、それぞれの光軸が円錐鏡20の中心軸に一致す
るように配置され、当該中心軸方向から見た円錐鏡20
の反射像を電子カメラ26に結像させる。本装置では、
撮像される反射像のピント(合焦状態)に基づいて円錐
鏡20周辺の対象物までの距離を測定する。そこで、高
い距離分解能を得るため、主レンズ22と焦点可変レン
ズユニット24の被写界深度が浅く設定されている。こ
こでは、被写界深度を浅くするために、主レンズ22に
はF値の小さい明るいレンズを用い、また、光彩絞りを
設けない構成としている。
【0020】焦点可変レンズユニット24は、主レンズ
22の補助レンズとして使用されるレンズユニットであ
り、主レンズ22と焦点可変レンズユニット24とがな
す焦点距離を可変できる。焦点距離を変化させることに
より、電子カメラ26の結像面上において合焦する対象
物までの距離(物点距離)が変化する。すなわち、焦点
可変レンズユニット24の焦点距離を変化させることに
より、電子カメラ26の結像面上には、円錐鏡20から
の距離が異なる対象物に合焦した反射像が投影される。
【0021】電子カメラ26は、固体撮像素子を用いて
構成され、当該固体撮像素子上に結像される反射像を電
気的な映像信号に変換して出力する。固体撮像素子は、
例えば、入射光量を対数変換した出力信号として取り出
すことができるタイプのCMOSイメージセンサなどの
ダイナミックレンジの大きなものが好適である。
【0022】レンズユニット制御部4は、焦点距離を制
御するための制御信号を生成し、これにより焦点可変レ
ンズユニット24の焦点距離を制御する。焦点可変レン
ズユニット24は、この制御信号により達成されたレン
ズ焦点距離をレンズユニット制御部4に通知し、レンズ
ユニット制御部4はこれを焦点距離情報として画像処理
部6へ伝達する。またレンズユニット制御部4は、その
制御可否や応答状態などの制御状態を中央制御部8へ通
知する。
【0023】画像処理部6は、電子カメラ26から映像
信号を入力され、またレンズユニット制御部4から焦点
距離情報を入力され、これらに基づいて、反射像の各点
に映る対象物までの距離を画像データとする距離画像を
生成する。生成された距離画像は出力部9へ出力され
る。
【0024】中央制御部8は、レンズユニット制御部4
に対して出力する制御信号および画像処理部6に対して
出力する画像処理制御信号により、レンズユニット制御
部4および画像処理部6の動作を制御し、またレンズユ
ニット制御部4からの制御状態信号に基づいて、焦点可
変レンズユニット24の制御可否を検知し、広角度距離
測定装置10の全体の動作状態を監視する。
【0025】次に、広角度距離測定装置10の動作およ
び測定原理について説明する。図3は、電子カメラ26
から出力される円錐鏡20の反射像を示す。図におい
て、矩形の画像32内に映る円形の部分が、円錐鏡20
の反射像34である。
【0026】反射像34上の任意の点Pが円錐鏡20上
のどの点に対応するか、そしてその対応点での円錐鏡2
0の鏡面がどの方向を向いているかはそれぞれ既知であ
るので、点Pに映る対象物が円錐鏡20に対してどの方
向に位置するかを特定することができる。すなわち、対
象物の方位角θは、反射像34の中心点Oと点Pとを結
ぶ線分OPの向きから特定され、また円錐鏡20に対す
る対象物の相対的な高さ位置ないし仰角は、線分OPの
長さLに応じて決定される。
【0027】いま、焦点可変レンズユニット24の焦点
距離ξFを、最小値から最大値まで変化させると共に、
その変化の過程における例えば5段階(3m、5m、1
0m、20m、40m)の焦点距離ξFのそれぞれにつ
いて、電子カメラ26により反射像34を撮影する。す
ると画像処理部6は、各焦点距離ξFに対応する反射像
34のそれぞれについて、ピントが合っている部分(合
焦領域)を検出すると共に、合焦領域内の点に対して、
そのときの焦点距離ξFを、当該点に映る対象物の測定
距離ξΘとして決定する。
【0028】そして画像処理部6は、図4及び図5に示
すように、このステップを、焦点可変レンズユニット2
4の焦点距離ξFを最小値から最大値まで変化させなが
ら実行し、これにより、反射像34内の全ての点につい
て、測定距離ξΘを求める。そして、反射像34内の全
ての点についてその測定距離ξΘを対応づけて記憶し、
さらに、各点の測定距離ξΘに応じて表示方法を変化さ
せた1フレームの距離画像を生成する。表示方法の変化
は色彩におけるものであってもよく、また明度における
ものであってもよい。なお、図4において物体44は合
焦領域50に含まれているため、生成された距離画像に
はこの焦点距離において撮像された物体44の反射像が
採用されるが、図5において物体44は合焦領域52に
含まれていないため、生成された距離画像にはこの焦点
距離において撮像された物体44の反射像は採用されな
いことになる。
【0029】再び図1において、移動物体検出装置30
は、周知のパーソナルコンピュータから構成されてお
り、広角度距離測定装置10から距離画像として入力さ
れる現在画像を、予め撮像されている基準画像と比較
し、その差分値に基づいて物体を検出して、その視野内
での位置および距離の情報を算出し、さらにこれらの情
報に基づき、後述するとおり混雑率を算出して、状況判
断装置40に出力する。また状況判断装置40からの要
求に応じて、検出された侵入物の大きさや形状などに係
る情報を状況判断装置40に送信する。また移動物体検
出装置30は、広角度距離測定装置10に対して、その
動作を制御するための制御出力を行うと共に、広角度距
離測定装置10の自己診断結果などの動作状況を状況判
断装置40に送信する。
【0030】状況判断装置40は、周知のサーバコンピ
ュータから構成されており、移動物体検出装置30から
入力される物体の位置および距離の情報に基づいて、そ
の物体がどのような動きベクトルを持っているかを検出
することにより、別の物体との衝突の可能性や、異常接
近・衝突の検出などを行う。また状況判断装置40は、
上位の外部装置への通報の必要性の有無の判断などを行
い、これらの結果を通信装置50に出力する。また状況
判断装置40から移動物体検出装置30へは、広角度距
離測定装置10及び移動物体検出装置30に対する制御
出力と、自己診断機能の動作・停止の指令信号を送信す
る。
【0031】通信装置50は、状況判断装置40からの
物体の位置情報、混雑率情報と緊急度情報、および各装
置の自己診断結果などを、図示しない外部装置に出力す
る。外部装置には、駅員が保持する無線通信可能な駅員
端末、および列車の運行状態を制御する列車制御系があ
る。駅員端末は、緊急度情報に応じて表示画面への警報
表示を出力するように構成されている。列車制御系は、
緊急度情報に応じて連動装置や緊急停止信号機などに対
する制御出力を行い、列車の運行を制御する。
【0032】以上のとおり構成された物体存在密度測定
システムにおける動作について、以下に説明する。
【0033】図6は、移動物体検出装置30において実
行される処理であって、混雑率の計算に関するものを示
す。この処理ルーチンは、移動物体検出装置30に含ま
れる図示しないCPUのクロック周波数に対応した所定
周期、あるいは予め所定値に設定された撮影時間ごとに
実行される。
【0034】まず、予め広角度距離測定装置10の視野
を上述のとおり焦点距離を異にして撮像して得られた距
離画像を、基準画像として読み込む(S2)。この基準
画像は、同じデータを常に使用してもよく、また、毎日
の起動時に更新したものや、例えば1時間おきに更新し
たものを使用してもよい。また、例えば照度や天候の変
化に応じて、あるいは目視による侵入物不存在確認後
に、マニュアル操作により撮像したものを使用してもよ
い。
【0035】次に、広角度距離測定装置10により、同
じ視野を、基準画像を撮像した際の複数の焦点距離に対
応する焦点距離で再度撮像して得られた距離画像を、現
在画像として入力する(S4)。
【0036】次に、基準画像と現在画像との差分値を算
出する(S6)。
【0037】次に、差分が存在する画素を残して他の画
素に係る画像データを消去し、これにより既存物を除去
して移動物体に係る画像データを抽出する(S8)。
【0038】次に、高さプロファイルを算出する(S1
0)。この高さプロファイルは、広角度距離測定装置1
0によって得られる距離情報に基づいて作成されるもの
であり、具体的には、各物体までの水平方向の距離x
(図8参照)と、物体の高さdとを互いに関連づけたテ
ーブル形式のデータ列であるプロファイル配列として作
成される。物体までの距離xと高さbとは、三角形の相
似を利用して算出される。すなわち、図8において、高
さhに設定されているO点から、高さdの物体の上端で
あるA点までの直線距離aとその物体までの水平方向の
距離x、ならびにO点からA点を見込む俯角と同一の俯
角に存在する地上のB点までの直線距離bと水平方向の
距離x'の間には、a:b=x:x'、および(b−
a):b=d:hの関係が成立する。これらの関係を利
用して、x=ax'/b、およびd=(b−a)h/b
の演算を行うことにより、O点に広角度距離測定装置1
0を設置した場合の物体までの水平方向の距離xと、物
体の高さhとを導くことができる。このプロファイル配
列は、装置の解像度に応じた方位角θごとに、広角度距
離測定装置10の全周囲に亘って作成される。
【0039】この高さプロファイルの算出は、図7のル
ーチンに従って実行される。まず、画像内の方位角θを
初期化し(S22)、また半径値を最小値に初期化する
(S24)。また、距離画像内の現在の方位角θにおけ
る半径値をプロファイル配列に格納する(S26)。次
に、先にステップS2において読み込まれている基準画
像から、半径値に対応する路面高距離、すなわち現在の
方位角θにおける路面上の距離x'を読み出す(S2
8)。
【0040】次に、上述の各数式に従って、実測距離a
に基づいて、物体の高さdと水平方向の距離xとを算出
し(S30)、その演算結果を、プロファイル配列に格
納する(S32)。
【0041】これらステップS26ないしS32の処理
は、距離画像内の半径値をインクリメント(S38)し
ながら、半径値が最大値になるまで(S34)繰り返し
実行され、ある方位角θについての処理が終了すると、
方位角θをインクリメント(S40)しながら、方位角
θが最大値になるまで(S36)繰り返し実行される。
このようにして、広角度距離測定装置10の全周囲に亘
る高さプロファイルが算出される。
【0042】再び図6において、次に、方位別の高さ情
報が計算される(S12)。ここでは、高さプロファイ
ルから方形波への変換が、所定の閾値に基づいて実行さ
れ、高さdが閾値と等しいかあるいは上回る場合には1
が、高さdが閾値を下回る場合には0が、それぞれ近似
値として与えられる。その結果、図9における向かって
左側のように混雑している領域ではDuty比の高い方
形波が、また向かって右側のように空いている領域では
Duty比の低い方形波が、それぞれ得られることにな
る。
【0043】次に、方位別の混雑率が計算される(S1
4)。ここでは、ある面積における物体の占める割合で
ある占有率を求め、この占有率を占有率重みによって補
正し、補正された占有率の平均値から混雑率を算出す
る。
【0044】ここにいう占有率は、ある面積における物
体の占める割合であり、上記ステップS12によって得
られた方形波(図10(b)参照)のDuty比に対応
する。一般に、俯角方向に測定する場合には、物体が遮
る地面・床面上の領域は、その物体が水平方向の遠方に
あるほど大きくなる。このため占有率も、物体が遠方に
あるほど高くなり、したがって、この占有率をそのまま
使用して混雑率を算出すると、たとえ物体が視野内に均
一に分布している場合であっても、遠方ほど混雑率が高
いという不適切な結果となる。そこで本実施形態では、
図10(c)のように、基準位置である広角度距離測定
装置10の設置点からの距離が大きいほど小さい値をと
る占有率重みを用い、占有率重みを算出された占有率に
乗ずることにより、占有率を図10(d)のとおりに補
正する。そして、補正された占有率の所定距離ごとの平
均値をとることにより、混雑率(図10(e)参照)を
算出する。この混雑率の算出は、装置の解像度に応じた
方位角θごとに実行され、混雑率の算出が広角度距離測
定装置10の全周囲について終了したことを条件に(S
16)、本ルーチンを終了する。なお、算出された混雑
率は状況判断装置40に出力される。
【0045】状況判断装置40では、上述のとおり、移
動物体検出装置30から入力される物体の位置および距
離の情報に基づいて、その物体がどのような動きベクト
ルを持っているかを検出することによって、別の物体と
の衝突の可能性や、異常接近・衝突の検出などを行う。
また状況判断装置40は、外部上位装置への通報の必要
性の有無の判断などを行い、これらの結果を通信装置5
0に出力する。また通信装置50は、状況判断装置40
からの物体の位置情報、混雑率情報と緊急度情報、およ
び各装置の自己診断結果などを、図示しない外部装置に
出力する。
【0046】以上のとおり、本実施形態では、測定領域
内の複数の点について、基準位置である広角度距離測定
装置10の設置点からの距離aを示す距離情報を検出
し、この距離情報に基づいて、測定領域における物体の
存在密度を算出する。すなわち本実施形態では、距離情
報に基づいて物体の存在密度を算出するので、検出対象
となる物体の色彩に拘わらず、高精度の検出を実行でき
る。
【0047】また、一般に、俯角方向に測定する場合に
は、物体が遮る地面・床面上の領域は、その物体が遠方
にあるほど大きくなるが、この点につき本実施形態で
は、算出される物体の存在密度が、基準位置からの距離
が大きいほど小さく重み付けされるので、物体が占有し
ている面積を正しく評価して存在密度の算出精度を向上
することができる。
【0048】また、第1実施形態では、物体存在時にお
ける基準位置からの距離と所定の閾値との比較結果に基
づいて物体の存在密度を算出するので、物体の標準的な
大きさが既知の場合に、測定の高精度化と演算処理の単
純化を実現できる。
【0049】なお、第1実施形態では、単一の閾値を用
いて物体の存在密度を算出したが、このような構成に代
えて、複数の閾値を用いることとしてもよい。すなわ
ち、この変形例では、図11(a)に示すように、上記
第1実施形態における閾値に相当する大人閾値AT、子
供が存在するかを識別するための子供閾値CT、および
上限値ULの3種類の閾値を用いる。そして取得された
距離画像における各画素についての高さdを、これら大
人閾値AT、子供閾値CT、および上限値ULと比較す
るものである。
【0050】すなわち、この変形例では、移動物体検出
装置30において、図12に示すように、物体の高さが
子供閾値CTを下回る領域を無人領域(S54)、物体
の高さが子供閾値CT以上であって大人閾値AT未満で
ある領域を子供領域(S52)、物体の高さが大人閾値
AT以上であって上限値UL未満である領域を大人領域
(S60)、物体の高さが上限値UL以上である領域を
エラー領域(S62)と判定する。
【0051】さらに、大人領域に接して子供領域がある
場合には、子供は大人のそばにいる、もしくは、大人の
肩や腕・荷物など大人閾値ATより低い高さにある部位
が子供領域として検出されている場合であるから、当該
子供領域の部分と大人領域の部分とを含めて一体の大人
領域と判定する(S48)。また、子供領域が大人領域
およびエラー領域のいずれにも隣接しておらず(S4
8,S50)、単独で存在する場合には、これを子供領
域と判定する(S52)。これらの処理により、本来で
あれば図12(b)のとおり判定されるべき高さプロフ
ァイルは、図12(c)のとおりに補正される。
【0052】このようにして各物体の属性が判別される
と、移動物体検出装置30では、子供領域の物体、大人
領域の物体、および全ての物体のそれぞれについて、個
別に混雑率が算出される。
【0053】しかして、この変形例によれば、互いに異
なる複数の閾値を用いて物体の属性を判別するので、物
体の存在密度を属性ごとに測定できる利点がある。
【0054】なお、この変形例においては、上限値UL
を越える高さをもつ物体が検出された場合には、多くの
場合その物体の上端と広角度距離測定装置10とが近接
するため、その物体によって非常に広い範囲の地面・床
面が遮られることになる。しかし、そのような物体はほ
とんどの場合人であり、その水平方向の幅は常識的なも
の(例えば、50cm)である筈である。したがって、
上限値ULを超える高さを持つ物体が検出された場合
に、この物体の水平方向の幅wを、広角度距離測定装置
10に近い側から所定値(例えば、50cm)に制限
し、この所定値の範囲内を高身長領域と判定すると共
に、所定値を越える領域(図12(c)においてハッチ
ングを施した領域)をエラー領域と判定して、混雑率を
判定する構成としてもよい。
【0055】次に、第2実施形態について説明する。第
2実施形態は、上述した広角度距離測定装置10に代え
て、レーザによるいわゆるTOF(Time Of Flight)測
距を利用した広角度距離測定装置110を用いたもので
ある。
【0056】図13において、第2実施形態に係る広角
度距離測定装置110は、光学系102、ミラー制御器
104、ミラー位相検出器105、増幅器106、発信
器107、位相比較器108、距離演算部109、方向
別距離情報生成処理部110、および出力部111を含
んで構成される。これら各部は、図示しない中央制御部
の制御により、互いに同期して動作する。
【0057】光学系102は円錐鏡120、レンズ12
2、ハーフミラー123、可動ミラー124、レーザダ
イオード125、およびフォトダイオード126を含ん
で構成される。
【0058】円錐鏡120は、上記第1実施形態におけ
る円錐鏡20と同様に、外側面を鏡面に構成され、その
中心軸の周り全方位からの光を中心軸方向に反射するこ
とができるものである。
【0059】可動ミラー124は、レーザダイオード1
25の光軸と円錐鏡120の中心軸との交点に配置され
る。ハーフミラー123はレーザダイオード125の光
路中に配置されており、レーザダイオード125からの
レーザ光を透過すると共に、可動ミラー124から入射
する円錐鏡120からのレーザ光を反射し、フォトダイ
オード126に供給する。
【0060】可動ミラー124は、磁界中のコイルへの
通電によって生ずる電磁力を利用して2次元方向に動作
する光反射デバイスである。図14に示すとおり、可動
ミラー124は、外周コイルが形成された枠体130a
の内側に、内周コイルが形成されたミラーパネル130
bを配置し、これら枠体130aとミラーパネル130
bとを、互いに直交する方向に延設されたトーションバ
ー131によりそれぞれ揺動自在に保持してなる可動体
130を、永久磁石133による磁界中に配置したもの
である。ミラーパネル130bの内周コイルに電流IA
を流すと、磁界の成分BAとの相互作用によって電流値
に応じた力FAが生じ、ミラーパネル130bをトーシ
ョンバー131の復元力に釣り合う位置まで旋回させ
る。また枠体130aの外周コイルに電流IBを流す
と、磁界の成分BBとの相互作用によって電流値に応じ
た力FBが生じ、枠体130aをトーションバー131
の復元力に釣り合う位置まで旋回させる。
【0061】再び図13において、ミラー制御器104
は、可動ミラー124に電流IA,IBを供給すること
で可動ミラー124を制御する。ミラー位相検出器10
5は、ミラー制御器104と同期して動作するものであ
り、可動ミラー124への給電がオフされた際の各コイ
ルの姿勢の復帰に伴う各コイルからの誘起起電力を検出
することで、給電がオフされる前の可動ミラー124の
旋回角度を2次元方向についてそれぞれ算出し、これを
フィードバック信号としてミラー制御器104に出力す
ると共に、方向情報として方向別距離情報生成処理部1
10に出力する。
【0062】発信器107は、レーザダイオード125
への給電によりこれを駆動する。増幅器106は、フォ
トダイオード126から出力される反射光信号を増幅し
て出力する。そして位相比較器108は、発信器107
の駆動信号と、増幅器106からの反射光信号との位相
差を演算して出力する。この位相差は、円錐鏡120か
ら物体までの距離に応じて異なるから、この位相差に基
づいて物体までの距離を算出できる(TOF測距)。す
なわち距離演算部109は、入力された位相差に所定の
係数を乗じ、物体までの距離を演算して出力する。
【0063】方向別距離情報生成処理部110は、ミラ
ー位相検出器105から入力される可動ミラー124の
2次元方向の旋回角度信号から、レーザ光の現在の照射
方向を円錐鏡120に対する相対的な方向情報として算
出すると共に、これと距離演算部から入力される距離と
を関連づけることで、方向別距離情報を生成し出力す
る。出力部111は、入力された方向別距離情報を、移
動物体検出装置30に出力する。なお、第2実施形態に
おける移動物体検出装置30、状況判断装置40、およ
び通信装置50は、その処理において異なるのみで機械
的構成は上記第1実施形態におけるものと同様であるた
め、その詳細な説明は省略する。
【0064】第2実施形態の物体存在密度測定システム
における動作について、以下に説明する。
【0065】図15は、移動物体検出装置30において
実行される処理であって、方位別の距離測定に関するも
のを示す。この処理ルーチンは、移動物体検出装置30
に含まれる図示しないCPUのクロック周波数に対応し
た所定周期、あるいは予め所定値に設定された検出時間
ごとに実行される。
【0066】まず、可動ミラー124の方位角θを初期
化して可動ミラー124を初期位置(ホームポジショ
ン)にセットし(S72)、また俯角値を最小値に初期
化する(S74)。次に、上述のTOF測距を実行する
(S76)。このTOF測距は、半径方向の距離x'に
対応している俯角値をインクリメント(S88)しなが
ら、俯角値が最大値になるまで(S78)繰り返し実行
され、ある方位角θについての処理が終了すると、方位
角θをインクリメント(S90)しながら、方位角θが
最大値になるまで(S80)繰り返し実行される。
【0067】このようにして得られた方位角・俯角別の
距離データは、所定の距離配列テーブルに格納され、こ
れにより方位角・俯角別距離配列が生成される(S8
2)。
【0068】次に、この方位角・俯角別距離配列に対
し、円錐鏡120の母線の特性(例えば放物線)を示す
方程式を利用した演算が行われ、これにより方位角と俯
角とが、地面・床面上の位置座標系における水平方向の
方位と距離とに変換される(S84)。
【0069】そして、算出された水平方向の方位・距離
と、それぞれに対応する距離データとが互いに関連づけ
られて、テーブル形式のデータ列である方位別距離配列
に格納される(S86)。以上が方位別の距離測定に係
る処理である。
【0070】次に、このようにして取得された現在の方
位別の距離(以下、現在距離情報という)と、これと同
じ測定領域について予め取得されている無人時の方位別
の距離(以下、基準距離情報という)とに基づいて、移
動物体検出装置30において高さプロファイルが計算さ
れる。すなわち、図16において、まず、基準距離情報
を読み込む(S92)。この基準距離情報は、同じデー
タを常に使用してもよく、また、毎日の起動時に更新し
たものや、例えば1時間おきに更新したものを使用して
もよい。次に、現在距離情報を読み込む(S94)。
【0071】次に、基準距離情報と現在距離情報との高
さ成分の差分値を算出する(S96)。ここでは、基準
距離情報と現在距離情報とのそれぞれについて、円錐鏡
120からの距離値が高さに変換され、両者の差分値が
算出される。
【0072】このステップS96の処理は、半径方向の
距離x'をインクリメント(S104)しながら、距離
x'が最大値になるまで(S98)繰り返し実行され、
ある方位角θについての処理が終了すると、方位角θを
インクリメント(S106)しながら、方位角θが最大
値になるまで(S100)繰り返し実行される。
【0073】算出された俯角別かつ方位角θ別の差分値
は、テーブル形式のデータ列であるプロファイル配列に
格納される(S102)。
【0074】このようにして高さプロファイルが計算さ
れると、以後上記第1実施形態におけるステップS12
ないしS16と同様の処理が実行され、方位別の混雑率
が算出される。なお、算出された混雑率は状況判断装置
40に出力される。
【0075】以上のとおり、第2実施形態では、レーザ
によるいわゆるTOF測距(すなわち、供給する光と反
射する光との位相差に基づいて物体までの距離を算出す
る測距法)を利用する構成としたので、第1実施形態の
ように合焦距離に基づいて距離情報を取得する構成に比
して、より高精度な距離情報を取得することができる。
【0076】なお、第2実施形態におけるレーザ光は可
視光のほか、赤外線などの不可視光であってもよいが、
可視光の場合には現在の測定位置を容易に視認できる利
点がある。
【0077】ところで、第2実施形態のようにTOF測
距を利用する構成に加えて、円錐鏡からの入射光を撮像
して2次元画像を取得し、距離情報と画像情報とを重ね
合わせる構成としてもよい。このような変形例について
以下に説明する。
【0078】図17に示される変形例の広角度距離測定
装置210は、上記第2実施形態における広角度距離測
定装置110に、レンズ142、CCD144、および
画像処理装置146を付加したものであり、円錐鏡12
0からの入射光を撮像して2次元画像を取得し、方向別
距離情報生成処理部からの方向別距離情報に、2次元画
像の画像情報を重ね合わせ、融合情報として出力するも
のである。なお、この変形例における他の部材の構成
は、上記第2実施形態におけるものと同様であるため、
同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0079】この変形例の広角度距離測定装置210で
は、方向別距離情報生成処理部110からの方向別距離
情報に基づき、図16の処理と同様にして、物体につい
て高さプロファイルが計算される。また、円錐鏡120
からの入射光による光像がCCD144により撮像さ
れ、2次元画像として取得される。そして、計算された
高さプロファイルと、取得された2次元画像とが、画像
処理装置146により重ね合わせられ、具体的には、高
さプロファイルおよび2次元画像におけるそれぞれ対応
する地面・床面上の位置座標に基づいて、2次元画像中
の各画素と、その画素に対応する位置の高さ情報とが互
いに関連づけられて、出力部111から出力される。
【0080】しかして、この変形例によれば、高さ情報
と2次元画像とが関連づけて出力されるので、2次元画
像を適宜の表示装置に表示させておき、その表示画面を
見ることでオペレータが物体の種類を直観的に特定する
ことができる。さらに、例えばマウス入力装置やタッチ
パネル装置のような指示入力手段を利用することによ
り、表示されている画面中の特定の物体(特に、例えば
動力式床洗浄装置やこれを操作する作業者のように、混
雑率の計算からは除外すべき物体)をオペレータが視認
してこれにマークする操作を、容易に行うことができ
る。
【0081】次に、第3実施形態について説明する。上
述した第1及び第2実施形態および各変形例では、広角
度距離測定装置10,110,210をそれぞれ単独で
用いる例について説明したが、第3実施形態は広角度距
離測定装置210を複数組み合わせて用いるものであ
る。
【0082】図18において符号210aおよび210
bで示される広角度距離測定装置210は、プラットホ
ーム70の上方の屋根部71に下向きに設置される。各
広角度距離測定装置210の視野は、いずれも水平から
鉛直下方までの俯角方向であり、一の広角度距離測定装
置210の視野が他の装置の視野と互いに重複するよう
に設定される。なお広角度距離測定装置210は、売店
の屋根の上やプラットホーム上の広告看板の上、あるい
は専用の柱の上に設置してもよい。
【0083】他方、図19に示すように、列車80の車
両81(符号81aおよび81bで示される)における
車室内の天井面には、符号210cないし210gで示
される広角度距離測定装置210が下向きに設置され
る。
【0084】図20に示すように、第1列車80につい
て、多数の広角度距離測定装置210が設けられ、広角
度距離測定装置210のそれぞれに対応して、移動物体
検出装置30が一つずつ設けられている。移動物体検出
装置30のそれぞれは、第1列車80について1つ備え
られた状況判断装置40および列車無線通信装置150
に接続されている。列車側に設けられたこれら広角度距
離測定装置210、移動物体検出装置30、状況判断装
置40、および列車無線通信装置150は、列車内混雑
率検出系200Aを構成する。各列車80の列車無線通
信装置150は、駅に備えられた列車無線駅端末152
と通信可能に設定されている。
【0085】他方、第1プラットホーム(図20におい
ては「第1ホーム」と記載)70について、多数の広角
度距離測定装置210が設けられ、広角度距離測定装置
210のそれぞれに対応して、移動物体検出装置30が
一つずつ設けられている。移動物体検出装置30のそれ
ぞれは、当該プラットホーム70について1つ備えられ
た状況判断装置40に接続され、各プラットホーム70
の状況判断装置40は、当該駅について1つ備えられた
通信装置50に接続されている。駅側に設けられたこれ
ら広角度距離測定装置210、移動物体検出装置30、
状況判断装置40、および通信装置50は、駅混雑率検
出系200Bを構成する。
【0086】列車無線駅端末152、および各駅の通信
装置50は、例えば列車運行指令室に備えられた情報集
約装置154に接続されている。情報集約装置154は
通信装置156に接続され、駅員端末158および広報
装置160に対して通信可能とされている。駅員端末1
58は、各駅員が保持する無線通信可能な携帯情報端末
機であり、広報装置160は、プラットホーム70およ
びコンコースに設けられている電光掲示板である。
【0087】第3実施形態の動作について、以下に説明
する。列車側では、まず図21に示すように、広角度距
離測定装置210のそれぞれについての混雑率情報が、
各移動物体検出装置30から入力されると(S112な
いしS116)、状況判断装置40では、これらの混雑
率情報を1車両について集計する(S118)。そして
図22に示すように、各車両についての混雑率情報が入
力されると(S122ないしS126)、状況判断装置
40では、これらの混雑率情報を1編成について集計し
(S128)、列車無線通信装置150に出力する。こ
の1編成ごとの混雑率情報は、列車無線駅端末152で
集計され、情報集約装置154に送信される。
【0088】また駅側では、まず図23に示すように、
広角度距離測定装置210のそれぞれについての混雑率
情報が、各移動物体検出装置30から入力されると(S
132ないしS136)、状況判断装置40では、これ
らの混雑率情報を各プラットホーム70について集計す
る(S138)。そして、図24に示すように、各プラ
ットホーム70についての混雑率情報、およびコンコー
スについての混雑率情報が入力されると(S142ない
しS148)、状況判断装置40では、これらの混雑率
情報を1駅について集計し(S150)、通信装置50
に出力する(S152)。この1駅ごとの混雑率情報
は、通信装置50により情報集約装置154に送信され
る。
【0089】図25に示すように、情報集約装置154
では、列車無線駅端末152および通信装置50から受
信した混雑率情報、および図示しない列車運行管理装置
から受信する列車番号情報・編成情報・入線番線情報お
よびダイア情報を読み込み(S162ないしS16
6)、これらの情報をテーブル形式のデータ列である混
雑率集約テーブルに格納する(S168)。
【0090】次に情報集約装置154では、図26に示
す処理により混雑率情報を出力する。まず、列車が所定
時間内に入線する見込みかを、列車運行管理装置からの
情報に基づいて判断し(S172)、所定時間内に入線
する見込みがない場合には該判断を繰り返す。所定時間
内に入線する場合には、その編成の列車についての混雑
率情報を、混雑率集約テーブルから読み出す(S17
4)。読み出された混雑率情報は、各車両についての混
雑率情報に分解され(S176)、広報装置160およ
び駅員端末158に送信される(S178,S18
0)。なお、この混雑率情報の出力処理は所定時間ごと
に繰り返して実行され、オペレータの終了指示入力(S
182)に応じて終了する。
【0091】以上のとおり、第3実施形態では、広角度
距離測定装置210を複数組み合わせて使用し、これを
プラットホーム70上の複数の点に、各編成の列車80
に、および各車両81にそれぞれ設置したので、プラッ
トホーム70(図18参照)における混雑率の高い領域
pと混雑率の低い領域q、混雑している編成の列車80
と混雑していない編成の列車80、および各列車80
(図19参照)における混雑率の高い車両81aと混雑
率の低い車両81bの分布を把握できる。
【0092】また本実施形態では、プラットホーム70
上の領域別および列車80の編成別・車両別の混雑度情
報を、広報装置160および駅員端末158にそれぞれ
出力することとしたので、乗客が混雑度の高い編成の列
車や混雑度の高い車両を回避でき、また駅員が、混雑度
の高いプラットホーム70や混雑度の高い車両81aの
停止位置にあたるプラットホーム70上の領域への乗客
の入場を制限するなどの混雑緩和措置を採ることができ
る。
【0093】なお、本発明は、臨時的・非恒常的に存在
する物体の存在密度が問題となりうるような各種の用途
に適用できる。本発明における測定領域はどのようにも
設定でき、例えばバスの車室内、道路、街頭の広場、あ
るいは建物内の通路に設定してもよい。
【0094】また例えば、本発明における測定領域を駐
車場に設定し、物体を車両としてもよい。この場合に
は、広角度距離測定装置10,110または210を街
路灯の上端や専用の支柱の上端などの高い位置に設置
し、空車時の距離情報と現在の距離情報との比較結果に
基づいて、駐車場における各駐車レーンの空き状況を検
出すると共に、その結果を空き駐車レーンの位置を示す
地図情報として、駐車場の入り口付近に設置された表示
盤に表示するように構成するのが好適である。この場合
には、広角度距離測定装置10,110または210に
よって広い測定領域に係る車両の存在密度を測定できる
ので、各駐車レーンにループコイルを敷設して車両を電
磁誘導により検知する従来の方法に比して、設備を大幅
に単純化できる利点がある。
【0095】また、上記各実施形態では、合焦する焦点
距離や、レーザ光による位相差を利用して距離情報を取
得する構成としたが、本発明における距離情報の取得方
法はこれらの方法に限らず従来公知の各種の測距手段に
よることができ、かかる構成も本発明の範疇に属するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態に係る物体存在密度測定システ
ムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】 広角度距離測定装置の構成例を示すブロック
図である。
【図3】 広角度距離測定装置の測定原理を示す説明図
である。
【図4】 広角度距離測定装置の測定例を示す説明図で
ある。
【図5】 広角度距離測定装置の測定例を示す説明図で
ある。
【図6】 第1実施形態における移動物体検出装置によ
る混雑率の計算に係る処理を示すフロー図である。
【図7】 第1実施形態における移動物体検出装置によ
る高さプロファイルの計算に係る処理を示すフロー図で
ある。
【図8】 第1実施形態における広角度距離測定装置に
よる高さおよび水平方向距離の測定原理を示す説明図で
ある。
【図9】 第1実施形態における移動物体検出装置によ
る方形波への変換方法を示す説明図である。
【図10】 (a)ないし(e)は第1実施形態におけ
る移動物体検出装置による混雑率の算出方法を示す説明
図である。
【図11】 (a)ないし(c)は閾値を複数用いる変
形例による方形波への変換方法を示す説明図である。
【図12】 閾値を複数用いる変形例による物体の属性
判別処理を示すフロー図である。
【図13】 第2実施形態に係る広角度距離測定装置の
構成を示すブロック図である。
【図14】 可動ミラーの動作原理を示す説明図であ
る。
【図15】 第2実施形態における広角度距離測定装置
による測定処理を示すフロー図である。
【図16】 第2実施形態における移動物体検出装置に
よる高さプロファイルの計算処理を示すフロー図であ
る。
【図17】 第2実施形態の変形例に係る広角度距離測
定装置の構成を示すブロック図である。
【図18】 第3実施形態における広角度距離測定装置
を配置したプラットホームを示す一部切欠した正面図で
ある。
【図19】 第3実施形態における広角度距離測定装置
を配置した列車を示す一部切欠した正面図である。
【図20】 第3実施形態に係る物体存在密度測定シス
テムの全体構成を示すブロック図である。
【図21】 第3実施形態における移動物体検出装置に
よる1車両の混雑率集計処理を示すフロー図である。
【図22】 第3実施形態における移動物体検出装置に
よる1編成の混雑率集計処理を示すフロー図である。
【図23】 第3実施形態における移動物体検出装置に
よる1ホームの混雑率集計処理を示すフロー図である。
【図24】 第3実施形態における移動物体検出装置に
よる駅ごとの混雑率集計処理を示すフロー図である。
【図25】 第3実施形態における情報集約装置による
情報集約処理を示すフロー図である。
【図26】 第3実施形態における情報集約装置による
混雑率情報出力処理を示すフロー図である。
【符号の説明】
10,110,210 広角度距離測定装置、30 移
動物体検出装置、40状況判断装置、50 通信装置、
70 プラットホーム、80 列車、150列車無線通
信装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 7/18 G01V 9/04 S

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の測定領域内の複数の点について、
    基準位置からの距離を示す距離情報を検出する距離情報
    検出手段と、 前記距離情報検出手段により検出された距離情報に基づ
    いて、前記測定領域における物体の存在密度を算出する
    存在密度算出手段と、を備えてなる物体存在密度測定装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の物体存在密度測定装置
    であって、 前記物体の存在密度に対し、前記基準位置からの距離が
    大きいほど小さく重み付けする補正処理手段を更に備え
    たことを特徴とする物体存在密度測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の物体存在密度測定装
    置であって、 前記存在密度算出手段は、物体存在時における基準位置
    からの距離と、所定の閾値との比較結果に基づいて、前
    記存在密度を算出することを特徴とする物体存在密度測
    定装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の物体存在密度測定装置
    であって、 互いに異なる複数の前記閾値を用いて物体の属性を判別
    する属性判別手段を更に備えたことを特徴とする物体存
    在密度測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の物
    体存在密度測定装置であって、前記距離情報検出手段
    は、供給する光と反射する光との位相差に基づいて物体
    までの距離を検出することを特徴とする物体存在密度測
    定装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の物
    体存在密度測定装置であって、 前記測定領域が、列車駅のプラットホームに設定されて
    おり、前記物体が人であることを特徴とする物体存在密
    度測定装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の物
    体存在密度測定装置であって、 前記測定領域が、車室に設定されており、前記物体が人
    であることを特徴とする物体存在密度測定装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の物
    体存在密度測定装置であって、 前記測定領域が、街頭に設定されており、前記物体が人
    であることを特徴とする物体存在密度測定装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の物
    体存在密度測定装置であって、 前記測定領域が、通路に設定されており、前記物体が人
    であることを特徴とする物体存在密度測定装置。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれかに記載の
    物体存在密度測定装置であって、 前記測定領域が、駐車場に設定されており、前記物体が
    車両であることを特徴とする物体存在密度測定装置。
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