JP2003058234A - 発電プラント構成部品の寿命管理システム - Google Patents

発電プラント構成部品の寿命管理システム

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JP2003058234A
JP2003058234A JP2001245512A JP2001245512A JP2003058234A JP 2003058234 A JP2003058234 A JP 2003058234A JP 2001245512 A JP2001245512 A JP 2001245512A JP 2001245512 A JP2001245512 A JP 2001245512A JP 2003058234 A JP2003058234 A JP 2003058234A
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Shinya Konno
晋也 今野
Hiroyuki Doi
裕之 土井
Jinichiro Goto
仁一郎 後藤
Naoyuki Nagabuchi
尚之 永渕
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発電プラント間の構成部品の移設時に、構成
部品余寿命を正確に算出し、移設処理を簡素化し、利益
が得られる発電プラント構成部品の寿命管理システムを
提供する。 【解決手段】 発電プラント11 〜13 、21 〜23
発電会社1〜2、構成部品メーカー3〜6、通信手段7
を備え、1社以上の構成部品メーカー3〜6は、通信手
段7により発電プラント11 〜13 、21 〜23 中の自
社製造の構成部品から稼働データを取得し、稼働データ
を用いて当該構成部品の保全情報を作成し、保全情報を
通信手段7により当該構成部品を保有する発電会社に提
供し、発電会社は、保全情報から当該構成部品の交換情
報を作成し、交換情報を通信手段7により当該構成部品
メーカーに提示し、当該構成部品メーカーが交換情報か
ら当該構成部品の再配置情報を作成し、再配置情報に従
い当該構成部品を再配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電プラント構成
部品の寿命管理システムに係り、特に、発電プラントを
構成する各構成部品を交換する際に、その発電プラント
に有利な交換条件の提示を行うことが可能な発電プラン
ト構成部品の寿命管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、原子力発電プラントや火力発電
プラントにおいては、発電プラントの規模が大きくなる
ことから、多くの発電プラント構成部品が用いられてい
る。これらの発電プラント構成部品は、多くの構成部品
が一体動作したときに所要の発電機能を充分に発揮させ
ることができるものであるため、構成部品の中の1つで
も、その特性が劣化したり、損傷が生じたような場合、
発電プラントの発電効率が低下し、発電コストが上昇す
ることになる。このため、各発電プラントにおいては、
通常、発電プラント構成部品が劣化したり、損傷が生じ
る前に、発電プラントの発電動作を停止させ、対象とす
る構成部品の交換を行っている。
【0003】この場合、発電プラントを構成する多くの
構成部品は、当該構成部品の使用箇所、当該構成部品の
使用条件、または、当該構成部品が発電プラントを動作
させる上で重要なものであるか否か等によりその耐用年
数がそれぞれ異なっている。このため、発電プラントを
構成する多くの構成部品は、使用開始されてから一定の
期間が経過したとき、まとめて交換されるものではな
く、各構成部品毎にそれぞれ交換時期を設定し、設定さ
れた交換時期が近づいた構成部品に対してその構成部品
を交換するようにしているもので、このような構成部品
毎の交換時期の設定や、構成部品毎の設定された交換時
期の管理は、発電プラント構成部品保全方式によって行
われている。
【0004】この他にも、発電プラントにおいては、そ
の発電規模や設置条件等によって、発電効率や発電コス
トの基準が厳しいものであったり、比較的緩やかなもの
であったりする。そして、発電効率や発電コストの基準
が厳しい発電プラントは、構成部品の劣化が認められた
り、または、構成部品に損傷が生じるようになるかなり
前に、その構成部品を新しい構成部品に交換して、発電
効率の低下や発電コストの上昇を回避するようにしてお
り、一方、発電効率や発電コストの基準が緩やかな発電
プラントは、構成部品の劣化が認められる、または、構
成部品に損傷が生じる直前になるまでその構成部品を交
換せず、交換する際にも高価な新しい構成部品を取得す
る代わりに、他の発電プラントから交換のために取り外
した余寿命が残存している安価な中古の構成部品を取得
し、その中古の構成部品を再利用することにより交換コ
ストを安価にする場合がある。特に、ガスタービンを有
する発電プラントにおいては、その発電プラントと同型
式のガスタービンを備えた発電プラントが他にも複数台
稼働している場合、これらの発電プラントの間でガスタ
ービンの移設ローテーションを実行し、ガスタービンを
交換する際の交換コストを安価にすることが行なわれて
いる。このような中古の構成部品の再利用計画、例えば
ガスタービンの使用ローテーション計画も、発電プラン
ト構成部品保全方式によって立案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】既知の発電プラント構
成部品保全方式は、中古の構成部品の再利用計画を立案
しているが、発電プラントを構成する各構成部品に対
し、その構成部品メーカー側が経年使用によるその構成
部品の特性の変化状況やその構成部品の劣化状況等を完
全に把握していないため、再利用した中古の構成部品の
余寿命を正確に算出することができないだけでなく、構
成部品メーカー側がその構成部品を使用している発電プ
ラントの運転条件を完全に把握していないため、1つの
発電プラントにおける余寿命が残存している構成部品を
他の発電プラントに移設した場合、その構成部品の移設
後の余寿命を正確に算出することができないものであ
る。
【0006】さらに、既知の発電プラント構成部品保全
方式は、中古の構成部品の再利用計画の立案を行ってい
るものの、その立案に従ってある発電プラントから他の
発電プラントに中古の構成部品の移設を行う場合に、あ
る発電プラントから取り外した構成部品を他の発電プラ
ントに取り付ける時期や、当該構成部品の再販価格や再
販可能な時期について明確に立案しているものではない
ので、当該構成部品の移設に伴う全スケジュールが明ら
かでなく、当該構成部品の移設に伴う処理手続が複雑に
なり、利益の有無の判断をすることができないものであ
った。
【0007】本発明は、このような技術的背景に鑑みて
なされたもので、その目的は、発電プラント間で構成部
品の移設を行う際に、移設後の構成部品の余寿命を正確
に算出できるともに、移設時の処理手続を簡素化するこ
とができ、互いに利益を期待できる発電プラント構成部
品の寿命管理システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明による発電プラント構成部品の寿命管理シス
テムは、複数基の発電プラントと、発電プラントを保有
する複数の発電会社と、複数の発電プラント構成部品メ
ーカーと、それらの間を選択接続する通信手段とを備
え、複数の発電プラント構成部品メーカーの中の少なく
とも1つは、通信手段を通して複数の発電プラントの中
の自社で製造した各構成部品からそれぞれ稼働データを
取得し、取得した稼働データを用いて当該構成部品の機
能状態を表す保全情報を作成し、作成した保全情報を通
信手段を通して当該構成部品を保有する発電会社に提供
し、発電会社は、提供された保全情報に基づいて当該構
成部品の交換情報を作成し、作成した交換情報を通信手
段を通して当該発電プラント構成部品メーカーに提示
し、当該発電プラント構成部品メーカーがその交換情報
に基づいて当該構成部品の再配置情報を作成し、作成し
た再配置情報に従って当該構成部品を再配置する第1の
手段を備える。
【0009】前記第1の手段によれば、発電プラント構
成部品メーカーが移設可能な自社で製造した発電プラン
ト構成部品から取得した稼働データを用い、当該構成部
品の機能状態を表す保全情報を発電会社に提供し、保全
情報の提供を受けた発電会社が当該構成部品の交換情報
を当該発電プラント構成部品メーカーに提示し、交換情
報の提示を受けた当該発電プラント構成部品メーカーが
当該構成部品の再配置情報を作成し、その再配置情報に
従った当該構成部品の再配置を行うようにしたもので、
当該構成部品の稼働データの取得、当該構成部品の保全
情報の提供、当該構成部品の交換情報の提示、当該構成
部品の再配置情報を作成、再配置情報に基づく当該構成
部品の再配置を連続して実施するようにしたので、構成
部品メーカー及び発電会社の双方が当該構成部品の機能
状態を把握することができ、当該構成部品を移設する双
方の発電会社に有利な条件で当該構成部品の移設を行う
ことが可能になり、移設する双方の発電会社及び構成部
品メーカーがそれぞれ利益を享受できる。
【0010】また、前記目的を達成するために、本発明
による発電プラント構成部品の寿命管理システムは、複
数基の発電プラントと、発電プラントを保有する複数の
発電会社と、複数の発電プラント構成部品メーカーと、
それらの間を選択接続する通信手段とを備え、複数の発
電プラント構成部品メーカーの中の少なくとも1つは、
通信手段を介して複数の発電プラントの中の自社で製造
した各構成部品からそれぞれ稼働データを取得し、取得
した稼働データを用いて当該構成部品の余寿命を表す余
寿命情報及び当該構成部品を備える発電プラントの運転
予測情報を作成し、作成した余寿命情報及び運転予測情
報を用いて当該構成部品の再配置情報を作成し、作成し
た再配置情報を通信手段を通して当該構成部品を保有す
る発電会社に提供する第2の手段を備える。
【0011】前記第2の手段によれば、発電プラント構
成部品メーカーが自社で製造した移設可能な発電プラン
ト構成部品から取得した稼働データを用い、当該構成部
品の余寿命を表す余寿命情報及び当該構成部品を備える
発電プラントの運転予測情報を作成した後、それらの余
寿命情報及び運転予測情報を用いて当該構成部品の再配
置情報を作成し、作成した再配置情報を発電会社に提供
するようにしているもので、構成部品メーカーにおける
当該構成部品の稼働データの取得、当該構成部品の余寿
命情報及び発電プラントの運転予測情報の作成、当該構
成部品の再配置情報の発電会社への提供を連続して実施
するようにしているので、再配置情報の提供を受けた発
電会社が当該構成部品の移設に対する各種の情報や条件
を直ちに把握することができ、しかも、当該構成部品を
移設する双方の発電会社に有利な条件で当該構成部品を
移設することが可能になって、構成部品メーカー及び移
設する双方の発電会社が利益を享受できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0013】図1は、本発明による発電プラント構成部
品の寿命管理システムの第1の実施の形態を示すもの
で、その要部構成を示す概要図である。
【0014】図1において、1、2は発電会社、11
2 、13 は発電会社1が保有する発電プラント、
1 、22 、23 は発電会社2が保有する発電プラン
ト、3、4、5、6は発電プラント構成部品メーカー、
7はインターネット(通信回線)である。
【0015】そして、各発電会社1、2と各発電プラン
ト11 、12 、13 、21 、22 、23 と各発電プラン
ト構成部品メーカー3、4、5、6は、それぞれインタ
ーネット7を介して選択的に接続されるように構成され
ている。なお、図1に示される各発電プラント11 、1
2 、13 、21 、22 、23 は、説明を簡単にするため
に、後述するように1台以上のガスタービン発電機が用
いられたものであるとする。
【0016】図2は、図1に図示された各発電プラント
に用いられるガスタービン発電機の要部構成の一例を示
す構成図である。
【0017】図2において、8はガスタービン発電機、
9は圧縮機、10は燃焼器、11はガスタービンであ
り、圧縮機9と燃焼器10とガスタービン11が図2に
図示されるように結合され、ガスタービン発電機8が構
成されている。そして、ガスタービン発電機8を構成し
ている主要機器、すなわち圧縮機9、燃焼器10、ガス
タービン11には、それぞれ、運転状態を監視したり、
運転状態の制御を行うための各種センサ(図2に図示な
し)がそれぞれの測定部分に配置されている。
【0018】ここで、第1の実施の形態による発電プラ
ント構成部品の寿命管理システムの動作の概要について
説明する。
【0019】図1に示されるように、各発電プラント構
成部品メーカー3、4、5、6は、複数台の発電プラン
ト11 、12 、13 、21 、22 、23 の保全を円滑に
実行するために、インターネット7等のネットワークを
介して、発電プラント11 、12 、13 、21 、22
3 を構成する主要機器の中の自社の製造した構成部品
の各部に取り付けた各種センサーの検知出力を当該主要
機器の稼働データとして取得する。
【0020】一般に、各発電プラント11 、12
3 、21 、22 、23 を構成する主要機器は、その構
成部品の中に、動作時に高温に曝されるため、短い交換
周期を有し、余寿命管理を行うことが必要となるものが
ある。このような構成部品は、疲労損傷とクリープ損傷
の発生の度合いが高く、これらの疲労損傷とクリープ損
傷の発生を管理することが重要である。この場合、疲労
損傷とクリープ損傷とが重畳して発生する構成部品は、
等価運転時間teqを用いて寿命を管理すると効果的であ
ることが知られている。この等価運転時間teqは、運転
時間をtop、起動回数をN、換算係数をAmとしたと
き、以下の式(1)によって表される。
【0021】 teq=top−Am×N… … … …(1) ここで、運転時間topの上限値が寿命Lmであり、構成
部品の運転時間topが寿命Lmを超えると、構成部品が
損傷する危険があるため、運転時間topが寿命Lmに到
達する以前に、当該構成部品を交換する必要がある。こ
の中で、換算係数Am及び寿命Lmは、発電プラント毎
にまたは構成部品毎にそれぞれ異なった定数になる。
【0022】ところで、換算係数Amは、発電プラント
の起動、停止に伴う熱応力によって発生する熱疲労損傷
を、寿命Lmは、発電プラントの運転中の温度及び応力
の連続付加によって発生するクリープ損傷を、それぞれ
FEM解析による熱応力、温度、遠心応力を計算するこ
とにより、それらの概算値を算出することができる。し
かしながら、それらの概算値は、実機から得られた稼働
データを用いて補正することによって正確な値に近似さ
せることができ、正確な換算係数Am及び寿命Lmを用
いれば、構成部品の寿命管理を高精度で行うことが可能
になる。
【0023】前述のように、等価運転時間teqを用いた
構成部品の寿命管理は、一般に実施されていることであ
るが、特に、この実施の形態に示すように、各発電プラ
ント構成部品メーカー3、4、5、6が、インターネッ
ト7を通して、各発電プラント11 、12 、13
1 、22 、23 における自社の製造した構成部品から
検出した当該構成部品の稼働データを取得し、取得した
稼働データを用いて補正した等価運転時間teqを得るこ
とにより、既知の構成部品の寿命管理よりも正確な構成
部品の寿命管理を行うことが可能になる。
【0024】この場合、各発電プラント11 、12 、1
3 、21 、22 、23 の主要機器を構成する各種構成部
品の各部に取り付けた各種センサーが当該構成部品の稼
働状態を検知し、その検知結果を稼働データとしてイン
ターネット7を通して対応する発電プラント構成部品メ
ーカー3、4、5、6に供給するもので、発電プラント
構成部品メーカー3、4、5、6は、供給された稼働デ
ータを構成部品毎に逐次メモリに記録する。また、発電
プラント構成部品メーカー3、4、5、6は、自社で製
造した使用済の構成部品について破壊調査を行い、その
破壊調査によって得られたクリープ損傷評価結果と当該
構成部品に関連する稼働データとの関係を解析すること
により、稼働データから当該構成部品のクリープ寿命L
mの予測を行い、同じように、その破壊調査により得ら
れる疲労損傷率と当該構成部品に関連する稼働データと
の関係を解析することにより、稼働データから当該構成
部品のクリープ寿命Amの予測を行う。なお、クリープ
損傷率の評価方法には、クリープ試験法、硬さ変化を基
準とした方法、組織変化をを基準とした方法等を用いる
ことが好ましく、疲労損傷の評価方法には、レプリカ法
等の亀裂長さを基準とした方法を用いることが好まし
い。
【0025】図2に示されるように、各発電プラント1
1 、12 、13 、21 、22 、23がそれぞれガスター
ビン発電機8を備え、しかも、各発電プラント11 、1
2 、13 、21 、22 、23 に同系統のガスタービン発
電機8が配置されている場合、これらの発電プラント1
1 、12 、13 、21 、22 、23 の中に、燃焼温度、
燃料、一部の燃焼器構成部品及び高温構成部品のコーテ
ィングが異なっているものがあっても、動翼、静翼及び
一部の燃焼器構成部品については、互いに流用すること
が可能である。これらの発電プラント11 、12
3 、21 、22 、23 は、燃焼系統別に2つのグルー
プA、Bに大別することができるもので、グループA
は、高効率、高出力型の発電プラント群を表すもので、
LNGや軽油等の高品質な燃料を用い、燃焼温度が12
50乃至1310℃程度と比較的高温度のものであり、
グループBは、効率や出力を上昇させるよりも燃料費を
低下させることにより利益向上を図った発電プラント群
を表すもので、重油等の低品質な燃料を用い、アルカリ
類やバナジウム等による腐食を低減するために、燃焼温
度が1180乃至1220℃程度と比較的低温度に抑え
たものである。
【0026】図3は、複数基の発電プラントにおいてそ
れらの燃焼温度、形式、発電出力、グループ種別等の諸
特性を表にした特性表の一例である。
【0027】図3において、1番目の欄(最左欄)は発
電プラント名、2番目の欄は発電プラント形式、3番目
の欄は発電出力、4番目の欄は燃焼温度、5番目の欄は
燃料の種類、6番目の欄(最右欄)は属するグループで
ある。
【0028】図3に示されるように、発電プラント名が
HUSAAの発電プラントは、発電プラント形式がHX
X125で、発電出力が25MWで、燃焼温度が125
0℃で、燃料が軽油であり、グループAに属しているこ
とを表している。他の発電プラントHCNAB、HKR
AK、… …についても同様である。
【0029】次に、図4は、複数基の発電プラントから
対応する発電プラント構成部品メーカー3、4、5、6
に供給される稼働データに基づいて、発電プラント構成
部品メーカー3、4、5、6、例えば発電プラント構成
部品メーカー3の表示画面に表示される発電プラントH
MNAGの動作状態を示す表示例である。
【0030】図4に示されるように、発電プラント構成
部品メーカー3の表示画面には、発電プラントHMNA
Gについて、圧縮器9の入口温度が22℃、圧縮器9の
出口温度が480℃、ガスタービン11の入口温度が1
255℃、ディスク間温度が460℃、排気温度が60
6℃であることが表示される。
【0031】次いで、図5は、発電プラントを構成する
構成部品から供給される稼働データに基づいて発電プラ
ント構成部品メーカーが作成し、当該発電プラントを保
有する発電会社に提供する当該構成部品の保全情報の一
表示例である。
【0032】図5に示されるように、この保全情報の表
示例は、発電プラントがGTGTAで、構成部品がガス
タービンの初段動翼であり、その運転時間が28000
時間、起動回数が500回、予想寿命が32000時
間、残余寿命が8000時間であることと、推奨保全情
報、下取り価格、その価格の有効期限、及び、再生品情
報が示されるものである。
【0033】ここで、図5に示されたガスタービンの初
段動翼を例にして、その寿命Lm及び換算係数Amを決
定する方法について述べる。
【0034】寿命Lmは、クリープ寿命tr を基にして
決定されるため、始めにクリープ寿命tr を評価、推定
することが必要である。クリープ寿命tr は、遠心応
力、金属温度及び運転時間の関数であり、ラルソンミラ
ーパラメータPを用いて、以下の式(2)、(3)によ
って評価されるのが一般的である。
【0035】 LogS=F(P)… … … … … … … …(2) P=K×(logtr +C)/1000… … … (3) ここで、Kは温度(K)、Sは応力(kgf/m
2 )、Cは定数である。
【0036】図6は、初段動翼材のクリープ破断時間を
式(2)、(3)の関係を用いてプロットした特性図で
ある。
【0037】図6において、横軸はラルソンミラーパラ
メータPであり、縦軸はkgf/mm2 で表した応力S
である。
【0038】応力Sは、FEM解析により高精度に算出
することができるが、ガスタービン11においては複雑
な冷却手段が用いられているため、FEM解析によって
得られる金属温度は誤差が大きくなる。従って、初段動
翼材のクリープ寿命tr を高精度に推定するためには、
実機環境下における金属温度を高精度に評価し、その評
価結果を用いて補正する必要がある。通常、ガスタービ
ン11の構成部品は、高温時に強度に優れた析出強化型
ニッケル(Ni)基合金やコバルト(Co)基合金を用
いている。初段動翼材の場合、析出物の初期平均粒径d
oは0.4乃至0.7μm程度であるが、初段動翼材が
800℃以上の高温に曝されると、析出物の平均粒径d
が粗大化し、長時間にわたって高温に曝されたとき、平
均粒径dは1乃至2μm以上に成長する。なお、析出物
の平均粒径dは下記の式(4)及び式(5)で表される
ことが知られている。
【0039】 d3 −do3 =kt… … … … … … … (4) k=(C1 /T)exp(−Q/RT)… … …(5) 前式(4)、(5)において、tは時間、kは粗大化速
度定数、dは析出物の平均粒径、C1 は定数、doは初
期平均粒径、Tは絶対温度、Qは活性化エネルギ、Rは
定数(気体定数)である。
【0040】析出物の平均粒径dは、前式(4)、
(5)に示すように、温度と時間の関数であるため、実
機の初段動翼の抜き取り調査やレプリカ調査によって析
出物の平均粒径dを測定すれば、その部位の金属温度が
推定できる。また、FEM解析による応力S、及び、図
6に図示の特性図からラルソンミラーパラメータPが算
出され、平均粒径dから推定された金属温度、前記ラル
ソンミラーパラメータP及び式(3)からクリープ寿命
r が算出される。このような手法を用いることによ
り、各発電プラント11 、12 、13 、21 、22 、2
3 毎、構成部品毎にクリープ寿命tr が推定できる。寿
命Lmは、クリープ寿命tr に安全率を乗算して算出す
る。しかしながら、各発電プラント11 、12 、13
1 、22 、2 3 毎に構成部品の抜き取り調査や構成部
品のレプリカ調査を行うことは、コスト増につながり、
また、新しい発電プラントにおける寿命Lmを事前に決
めることが困難である。
【0041】このため、この実施の形態においては、各
発電プラント11 、12 、13 、2 1 、22 、23 から
インターネット7を介して各発電プラント構成部品メー
カー3、4、5、6に供給される稼働データ及び運転デ
ータをデータベース化し、抜き取り調査等によって得ら
れた平均粒径dの測定結果から評価される寿命と、その
データベースに含まれるデータとを用いて統計解析を行
い、図7に示すような関係を得ている。
【0042】図7は、統計解析によって得られた初段動
翼材のクリープ破断時間推定曲線を示す特性図である。
【0043】図7において、横軸は℃で表したガスター
ビン11の平均燃焼温度であり、縦軸は時間(h)で表
した推定した初段動翼寿命である。
【0044】一般に、ガスタービン11の平均燃焼温度
と初段動翼材のクリープ寿命tr との間に相関が見られ
るが、ガスタービン11の型式や使用環境が異なってい
る場合、クリープ寿命tr は、平均燃焼温度だけでな
く、圧縮器出口温度等の稼働データとの間に相関を有す
ることがある。しかしながら、図7の特性曲線を用いる
ことにより、各発電プラント11 、12 、13 、21
2 、23 からインターネット7を介して発電プラント
構成部品メーカー3、4、5、6に供給される稼働デー
タに基づいて、各発電プラント11 、12 、13
1 、22 、23 毎の寿命Lmを決定することが可能に
なる。
【0045】続く、図8は、初段動翼材における換算係
数Amを決定するための手法を示す特性図である。
【0046】図8において、横軸は時間(h)で表した
運転時間であり、縦軸は起動回数であり、図8中の各点
は初段動翼材にクラックが発生したときを示すものであ
る。図8に示される直線Pは、当該発電プラントの寿命
Lmと各点を結んだ直線である。ガスタービン11は、
動翼におけるクラックの発生を許容していないので、ク
ラックが発生する以前に交換する必要がある。直線Pの
縦軸上の切片をNQとすると、以下の不等式が成り立つ
範囲内は安全と見なすことができる。
【0047】 N>t×(NQ /Lm)+NQ … … … … … (6) すなわち、t+N×(Lm/NQ )<Lm… … …(7) ここで、式(1)と式(7)とを比較すると、 Am=Lm/NQ … … … … … (8) になり、換算係数Amを算出することができる。
【0048】図9は、ガスタービン11における燃焼温
度Tfと圧縮器出口温度Tcoから換算係数Amを算出
する手法を示す特性図である。
【0049】図9において、横軸は温度Tf−0.8×
Tcoであり、縦軸は換算係数Amである。
【0050】図9に示されるように、温度Tf−0.8
×Tcoが940℃程度までは換算係数Amが30を少
し超えた程度であるが、温度Tf−0.8×Tcoが9
40℃から980℃に上昇すると、その温度上昇に対応
して換算係数Amが50程度にまで上昇する。
【0051】次に、発電プラント構成部品メーカー3、
4、5、6において、自社が製造した構成部品を移設す
る際の中古品の買取価格の設定及びその提示方法につい
て述べる。
【0052】移設する構成部品における当該構成部品の
損傷率φmは、下記の式(9)によって定義される。
【0053】 φm=top/Lm… … … … … …(9) いま、構成部品を移設する前の発電プラントAの寿命、
等価運転時間をそれぞれLA 、topA とし、構成部品を
移設した後の発電プラントBの寿命、見掛け上の等価運
転時間をそれぞれLB 、topB とすると、下記の等式
(10)が成り立つ。
【0054】 topA /LA =topB /LB … … … …(10) また、発電プラントAの構成部品を発電プラントBに移
設して使用した場合の残余寿命は、下記式(11)で表
される。
【0055】 LB −topB =LB (1−topA /LA )… … …(11) 図10は、発電プラント間において構成部品(初段動
翼)を移設する場合に、各発電プラントにおける諸特性
を示す一覧表である。
【0056】図10において、第1欄(最左欄)は発電
プラント名、第2欄はガスタービン11の平均燃焼温
度、第3欄は寿命Lm、第4欄は等価運転時間top、第
5欄は初段動翼の損傷率、第6欄は発電プラントの残余
寿命、第7欄は構成部品(初段動翼)寿命、第8欄(最
右欄)は定期点検周期である。この場合、発電プラント
の残余寿命は、稼働データのデータベース及び図7に示
される特性曲線から各発電プラント毎の寿命Lmを求
め、式(11)を用いて算出したものである。
【0057】ところで、図10に図示の例においては、
初段動翼を移設する場合の条件として、現在稼働中の初
段動翼の残余寿命が5000時間(約半年)以下であ
り、この初段動翼を移設した場合に、移設した初段動翼
の構成部品寿命が次回の定期検査日と次々回の定期検査
日との間隔よりも長くなるような初段動翼を移設対象と
して選んでいる。
【0058】まず、初段動翼の残余寿命が5000時間
以下であるのは、発電プラント(HJPAN)の初段動
翼だけであって、残余寿命は4165時間であり、損傷
率は0.828である。次に、発電プラント(HJPA
N)の初段動翼を使用した場合に、その初段動翼の残余
寿命が次回の定期検査日と次々回の定期検査日との間隔
よりも長くなる発電プラントを検索すると、2つの発電
プラント(HBRAE)及び(HKAAJ)を抽出する
ことができた。そこで、抽出した2つの発電プラント
(HBRAE)、(HKAAJ)を保有する発電会社に
対し、図5に図示の保全情報の再生品情報欄に発電プラ
ント(HJPAN)の動翼をそれぞれの発電プラント
(HBRAE)及び(HKAAJ)にローテーションし
た場合の寿命及び納期を記入して提示したところ、発電
プラント(HBRAE)を保有する発電会社から初段動
翼を移設したい旨の情報(交換情報)を受けたので、こ
の交換情報に基づいて発電プラント(HJPAN)を保
有する発電会社に初段動翼の買取価格を提示したとこ
ろ、発電プラント(HJPAN)を保有する発電会社
は、動翼の売却を決定した。
【0059】このように、それぞれの発電プラント構成
部品メーカー3、4、5、6が、インターネット7を利
用して各発電プラント11 、12 、13 、21 、22
3の中の自社が製造した構成部品から稼働データ及び
運転データを取得し、取得した稼働データ及び運転デー
タを用いて対応する各構成部品の損傷状態及び運転状態
を把握することによって、その構成部品の移設時に利益
を得ることができるとともに、安価かつ信頼性の高い中
古の当該構成部品の購入が可能になる。また、発電プラ
ント構成部品メーカー3、4、5、6は、中古の当該構
成部品の売買による利益や、発電会社との契約を結ぶこ
とによる契約料が得られるだけでなく、ランニングコス
トを低減することが可能になり、この点をセールスポイ
ントとした新規な受注を有利に展開することができる。
【0060】次に、本発明による発電プラント構成部品
の寿命管理システムの第2の実施の形態について説明す
る。
【0061】第2の実施の形態による基本的なシステム
構成は、図1に図示された第1の実施の形態によるシス
テム構成と同じである。この第2の実施の形態は、各発
電プラント構成部品メーカー3、4、5、6が、各発電
プラント11 、12 、13 、21 、22 、23 の中の自
社で製造した構成部品から、インターネット7を介し
て、稼働データ及び運転データを取得している点で第1
の実施の形態と同じであるが、各発電プラント構成部品
メーカー3、4、5、6は、取得した稼働データ及び運
転データを用いて当該構成部品の余寿命を表す余寿命情
報と、当該構成部品を備える発電プラントの運転予測情
報とを作成し、作成した余寿命情報及び運転予測情報を
用いて当該構成部品の再配置情報を作成し、作成した再
配置情報をインターネット7を介して、当該構成部品を
保有する発電会社に提供するようにしている。
【0062】図11は、1つの発電プラント(HJPA
M)のガスタービン11からインターネット7を介して
ガスタービン11を製造した発電プラント構成部品メー
カーに供給されたホイルスペース温度及び圧縮器出口温
度を示す稼働データの一例である。
【0063】ガスタービン11において、ガスタービン
ディスクは、圧縮器出口とホイルスペースとの中間に位
置し、ガスタービンディスクの中で最もクリープ損傷の
激しい位置の温度は、ホイルスペース温度と圧縮器出口
温度の平均値であることが、事前の温度解析から判って
いる。ガスタービン11を定常運転したときの作用遠心
応力は、ガスタービン11の回転数が一定であるため、
使用条件によらず一定である。
【0064】図12は、ガスタービンディスクに用いら
れている12クローム(Cr)鋼のクリープ破断時間推
定曲線を示す特性図である。
【0065】図12において、横軸はT(logtr+
C)/1000で表されたLMPであり、縦軸はkgf
/mm2 で表された応力である。
【0066】図12に示されるように、応力から式
(3)におけるラルソンミラーパラメータPを算出でき
る。また、稼働データによって検出される温度Tを用い
れば、その温度Tにおける破断時間trを算出できる。
【0067】この場合、微小時間Δt(h)の間に構成
部品に発生するクリープ損傷率φは、次式(12)、
(13)で表される。
【0068】 ΣΔφ… … … … … … …(12) Δφ=Δt/tr … … … … (13) ここで、tr =f(tdisk)、tdiskはディスク温度 図13は、発電プラント(HJPAN)で使用されたガ
スタービンディスクのクリープ損傷率と運転時間との関
係を示す特性図であり、この特性曲線は、前式(12)
及び図12における稼働データから算出される。この特
性曲線によれば、約95000時間運転したとき、クリ
ープ損傷率が約0.35に達することが判る。ガスター
ビンディスクについては、安全率を見込み、クリープ損
傷率が0.5までの使用を許容している。
【0069】このガスタービンディスクはまだ残余寿命
があるが、発電プラント(HJPAN)の性能向上を図
るため、新型のローター(ディスクを含む)を組み込む
ことになり、このガスタービンディスクを取り外すこと
になった。一方、他の発電プラント(HDVAN)にお
いては、約200000時間運転したガスタービンディ
スクの寿命が到来したので、新たなガスタービンディス
クが必要になった。
【0070】図14は、この発電プラント(HDVA
N)における過去200000時間の稼働データを示す
特性図である。
【0071】図14において、横軸は時間(h)で表し
たガスタービンディスクの運転時間、縦軸は℃で表した
温度であり、曲線aはホイルスペース温度であり、曲線
bは圧縮器出口温度である。
【0072】また、図15は、発電プラント(HJPA
N)から取り外されたガスタービンディスクを組み込ん
だ場合の予想クリープ損傷率と運転時間との関係を示す
特性図である。
【0073】図15において、横軸は時間(h)で表し
たガスタービンディスクの運転時間、縦軸は予想クリー
プ損傷率である。
【0074】ガスタービンディスクの取り外しには、費
用と時間が必要となるため、10万時間を単位とする取
り外し時期が必要になるが、10万時間運転したとして
もクリープ損傷率がその上限値である0.5に達しない
ため、発電プラント(HJPAN)から取り外されたガ
スタービンディスクを発電プラント(HDVAN)に組
み込むことが有効であると判断した。この場合、発電プ
ラント(HJPAN)から取り外されたガスタービンデ
ィスクのクリープ損傷率は、ガスタービン11の運転時
の稼働データに基づいて正確に計算されているため、発
電プラント(HJPAN)から取り外された時点のガス
タービンディスクのクリープ損傷率を、発電プラント
(HDVAN)における初期の同クリープ損傷率に一致
させた。
【0075】この場合、初期のガスタービンディスクの
クリープ損傷率に過去200000時間に及ぶ稼働デー
タから推定される平均ディスク温度を基にして計算され
るガスタービンディスクのクリープ損傷率を加算し、運
転時間の増加に伴うガスタービンディスクのクリープ損
傷率の増加を推定している。運転条件が途中で変更され
ることを考えると、この推定は安全であると言い難い
が、運転条件の傾向が変更されたとしても、危険な状態
の発生は回避することができる。
【0076】この実施の形態によれば、発電プラントを
構成する構成部品からインターネット7を介してその構
成部品を製造した発電プラント構成部品メーカーに稼働
データが供給され、発電プラント構成部品メーカーは、
供給された稼働データに基づいて構成部品の取り外し時
の損傷の程度を正確に把握することができ、また、この
構成部品を他の発電プラントに移設させても、移設した
後でその構成部品を運転した際に、その損傷の程度を逐
次監視することができるので、従来、困難であった廃棄
構成部品や取外した構成部品を他の発電プラントに移設
することによる再利用が容易になるものである。
【0077】前記実施の形態においては、各発電プラン
ト構成部品メーカー3、4、5、6がそれぞれ自社が製
造した構成部品から検出した稼働データを取得している
例を挙げて説明したが、本発明においては各発電プラン
ト構成部品メーカー3、4、5、6の全てがこのような
稼働データの取得を行う必要はなく、1社またはそれ以
上の発電プラント構成部品メーカーがこのような稼働デ
ータの取得を行うものであってもよい。
【0078】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
よれば、発電プラント構成部品メーカーが移設可能な自
社で製造した発電プラント構成部品から取得した稼働デ
ータを用い、当該構成部品の機能状態を表す保全情報を
発電会社に提供し、保全情報の提供を受けた発電会社が
当該構成部品の交換情報を当該発電プラント構成部品メ
ーカーに提示し、交換情報の提示を受けた当該発電プラ
ント構成部品メーカーが当該構成部品の再配置情報を作
成し、その再配置情報に従った当該構成部品の再配置を
行うようにしたもので、当該構成部品の稼働データの取
得、当該構成部品の保全情報の提供、当該構成部品の交
換情報の提示、当該構成部品の再配置情報を作成、再配
置情報に基づく当該構成部品の再配置を連続して実施す
るようにしたので、構成部品メーカー及び発電会社の双
方が当該構成部品の機能状態を把握することができ、当
該構成部品を移設する双方の発電会社に有利な条件で当
該構成部品の移設を行うことが可能になり、移設する双
方の発電会社及び構成部品メーカーがそれぞれ利益を享
受できるという効果がある。
【0079】また、請求項2に記載の発明によれば、発
電プラント構成部品メーカーが自社で製造した移設可能
な発電プラント構成部品から取得した稼働データを用
い、当該構成部品の余寿命を表す余寿命情報及び当該構
成部品を備える発電プラントの運転予測情報を作成した
後、それらの余寿命情報及び運転予測情報を用いて当該
構成部品の再配置情報を作成し、作成した再配置情報を
発電会社に提供するようにしているもので、構成部品メ
ーカーにおける当該構成部品の稼働データの取得、当該
構成部品の余寿命情報及び発電プラントの運転予測情報
の作成、当該構成部品の再配置情報の発電会社への提供
を連続して実施するようにしているので、再配置情報の
提供を受けた発電会社が当該構成部品の移設に対する各
種の情報や条件を直ちに把握することができ、しかも、
当該構成部品を移設する双方の発電会社に有利な条件で
当該構成部品を移設することが可能になって、構成部品
メーカー及び移設する双方の発電会社が利益を享受でき
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による発電プラント構成部品の寿命管理
システムの第1の実施の形態を示すもので、その要部構
成を示す概要図である。
【図2】図1に図示された各発電プラントに用いられる
ガスタービン発電機の要部構成の一例を示す構成図であ
る。
【図3】複数基の発電プラントにおいてそれらの燃焼温
度、形式、発電出力、グループ種別等の諸特性を表にし
た特性表の一例である。
【図4】複数基の発電プラントから対応する発電プラン
ト構成部品メーカーに供給される稼働データに基づいて
発電プラント構成部品メーカーの表示画面に表示される
発電プラントの動作状態を示す表示例である。
【図5】発電プラントを構成する構成部品から供給され
る稼働データに基づいて発電プラント構成部品メーカー
が作成し、当該発電プラントを保有する発電会社に提供
する当該構成部品の保全情報の一表示例である。
【図6】初段動翼材のクリープ破断時間を式(2)、
(3)の関係を用いてプロットした特性図である。
【図7】統計解析によって得られた初段動翼材のクリー
プ破断時間推定曲線を示す特性図である。
【図8】初段動翼材における換算係数Amを決定するた
めの手法を示す特性図である。
【図9】ガスタービンにおける燃焼温度と圧縮器出口温
度から換算係数を算出する手法を示す特性図である。
【図10】発電プラント間において構成部品を移設する
場合に、各発電プラントにおける諸特性を示す一覧表で
ある。
【図11】1つの発電プラントのガスタービンからこの
ガスタービンを製造した発電プラント構成部品メーカー
に供給されたホイルスペース温度及び圧縮器出口温度を
示す稼働データの一例である。
【図12】ガスタービンディスクに用いられている12
クローム鋼のクリープ破断時間推定曲線を示す特性図で
ある。
【図13】発電プラントで使用されたガスタービンディ
スクのクリープ損傷率と運転時間との関係を示す特性図
である。
【図14】1つの発電プラントにおける過去20000
0時間の稼働データを示す特性図である。
【図15】発電プラントから取り外されたガスタービン
ディスクを組み込んだ場合の予想クリープ損傷率と運転
時間との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1、2 発電会社 11 、12 、13 、21 、22 、23 発電プラント 3、4、5、6 発電プラント構成部品メーカー 7 インターネット(通信回線) 8 ガスタービン発電機 9 圧縮器 10 燃焼器 11 ガスタービン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 仁一郎 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 永渕 尚之 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 Fターム(参考) 5H223 AA02 AA19 DD07 DD09 EE05 EE06 EE29 FF08 FF09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数基の発電プラントと、前記発電プラ
    ントを保有する複数の発電会社と、複数の発電プラント
    構成部品メーカーと、それらの間を選択接続する通信手
    段とを備え、前記複数の発電プラント構成部品メーカー
    の中の少なくとも1つは、前記通信手段を通して前記複
    数の発電プラントの中の自社で製造した各構成部品から
    それぞれ稼働データを取得し、取得した稼働データを用
    いて当該構成部品の機能状態を表す保全情報を作成し、
    作成した保全情報を前記通信手段を通して当該構成部品
    を保有する発電会社に提供し、前記発電会社は、提供さ
    れた保全情報に基づいて当該構成部品の交換情報を作成
    し、作成した交換情報を前記通信手段を通して当該発電
    プラント構成部品メーカーに提示し、当該発電プラント
    構成部品メーカーがその交換情報に基づいて当該構成部
    品の再配置情報を作成し、作成した再配置情報に従って
    当該構成部品を再配置することを特徴とする発電プラン
    ト構成部品の寿命管理システム。
  2. 【請求項2】 前記再配置情報は、当該構成部品を新品
    と交換する場合、他の発電プラントから譲り受ける場
    合、当該構成部品を他の発電プラントに譲り渡す場合の
    それぞれについて、当該構成部品の残余寿命及び交換費
    用に関する情報を含んでいることをことを特徴とする請
    求項1に記載の発電プラント構成部品の寿命管理システ
    ム。
  3. 【請求項3】 複数基の発電プラントと、前記発電プラ
    ントを保有する複数の発電会社と、複数の発電プラント
    構成部品メーカーと、それらの間を選択接続する通信手
    段とを備え、前記複数の発電プラント構成部品メーカー
    の中の少なくとも1つは、前記通信手段を介して前記複
    数の発電プラントの中の自社で製造した各構成部品から
    それぞれ稼働データを取得し、取得した稼働データを用
    いて当該構成部品の余寿命を表す余寿命情報及び当該構
    成部品を備える発電プラントの運転予測情報を作成し、
    作成した余寿命情報及び運転予測情報を用いて当該構成
    部品の再配置情報を作成し、作成した再配置情報を前記
    通信手段を通して当該構成部品を保持する発電会社に提
    供することを特徴とする発電プラント構成部品の寿命管
    理システム。
  4. 【請求項4】 前記余寿命情報は、発電プラントで使用
    していた中古構成部品の破壊調査結果を含むものである
    ことを特徴とする請求項3に記載の発電プラント構成部
    品の寿命管理システム。
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