JP2003055700A - 工芸用豚生皮の製造方法 - Google Patents

工芸用豚生皮の製造方法

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JP2003055700A
JP2003055700A JP2001250192A JP2001250192A JP2003055700A JP 2003055700 A JP2003055700 A JP 2003055700A JP 2001250192 A JP2001250192 A JP 2001250192A JP 2001250192 A JP2001250192 A JP 2001250192A JP 2003055700 A JP2003055700 A JP 2003055700A
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pig
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Yukio Ishii
幸夫 石井
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  • Treatment And Processing Of Natural Fur Or Leather (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明度と品質を長期間に亘って維持し、殆ど
無臭で手加工性に優れると共に所望する硬さ又は軟らか
さに加工できる皮革工芸用豚生皮を提供する。 【解決手段】 脱毛・石灰漬を行った豚裸皮を再石灰漬
を行った後、脱灰・ベーチング処理する工程と、過酸化
水素水による漂白工程と、塩の存在下で硫酸及び有機酸
の混液に浸漬する工程と、必要に応じて亜塩素酸ナトリ
ウム及と次亜硫酸ナトリウムによる再漂白を行ってから
pHを3.0〜4.5に調整した後、軟化剤としてグリ
セリンとエチレングリコールの1:1乃至1:2の混液
を裸皮重量に対し1%〜1.5%の範囲で添加して後乾
燥する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、豚生皮の製造法
に関し、特に透明感と加工性及び径時的な安定性を要求
される皮革工芸用豚生皮を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】革工芸用として提供されている従来品の
多くは透明性に劣る他、径日変化して黄味が増したり、
時には異臭を発したりするものがあった。また、従来法
では特に軟質調の加工性のよい生皮を安定して製造する
ことが困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記従来
品の欠陥がコラーゲン繊維中の夾雑蛋白質及び脂肪分に
起因するものと推測し、試行錯誤の結果、浸酸処理前に
これらを除去してコラーゲンを純化することが有効であ
ること及び浸酸処理後にグリセリンとエチレングリコー
ルの1:2の混液で処理することによって所望する硬さ
又は軟らかさで加工性のよい透明豚生皮が製造できるこ
とを発見した。従って本発明は、透明度と品質を長期間
に亘って維持し、殆ど無臭で任意の硬度又は軟度の加工
性に優れた皮革工芸用豚生皮を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、豚の原皮を脱
毛・石灰漬を行って得られる豚裸皮を再フレッシング、
トリミングして再石灰漬を行い、脱灰・ベーチング処理
の後脱臭を兼ねた漂白を行う。再石灰漬によって皮組織
中の非コラーゲン蛋白質が除去されると共に脂肪が鹸化
して除去される。また、脱灰・ベーチング処理では脱毛
石灰漬や再石灰漬で添加した水酸化カルシウムを除去す
る他、アルカリによって膨潤したコラーゲン繊維を元の
状態に戻すと共に蛋白質分解酵素による蛋白分解と溶剤
脱脂によってコラーゲン繊維束が純化され、引続く漂白
工程によって更にコラーゲンが純化される。漂白は、裸
皮重量に対し1.0〜2.5%の過酸化水素水を加え約
1時間ドラム回転させて行う。
【0005】その後、硫酸と有機酸の混液によりpH調
整を兼ねて浸酸処理を行なうことによってコラーゲンに
結合したカルシウムをほぼ完全に除去することができ
る。有機酸には蟻酸又は乳酸を使用し、混液は、6°B
e’(ボーメ)の食塩水に0.2%〜1.0%の有機酸
と0.2%〜0.8%硫酸(いずれも裸皮重量に対し
て)を添加してpHが3.0〜4.0になるように調整
する。高度な透明感を必要とする場合は、亜塩素酸ナト
リウムと次亜硫酸ナトリウムによる2次漂白を浸酸処理
後に更に行う。pH調整工程では浴液pHが4.0〜
4.5になるようにする。製品生皮の軟度を大きくする
場合は、約35°Cに保温されたドラムに軟化剤として
グリセリンとエチレングリコールの1:1乃至1:2の
混液を裸皮重量に対し0.5重量%以上、通常1%〜
1.5%の範囲で添加して皮組織中に含浸させ、硬質生
皮は同混液又はエチレングリコールのみを約0.02重
量%含浸させるか、季節によっては全く加えない場合も
ある。これらの処理を経た裸皮は、常法によってネット
張り乾燥するか、流水水洗後に2〜3日間馬掛けしてか
ら2つ折り乾燥する。
【0006】
【実施例】国産塩蔵豚皮(5.5kg)を常法により脱
毛石灰漬を行った裸皮を所定の厚さ(厚口:2.8〜
3.3mm、薄口:1.9mm)に分割し、トリミング
後、流水で10分間水洗して重量を測定した。この裸皮
重量を以降の工程での重量基準とした。 (1)再石灰漬: 150% 水(25℃) 3% 塩化アンモニウム 40分間ドラム回転。 引続き水洗30分間。 200% 水(25℃) 3% ケロシン 2% 界面活性剤(サンドジンNIコンク) 5% 水酸化カルシウム 順次投入、120分毎に20分間ドラム回転、4回繰返
す。一夜放置。翌朝30分間ドラム回転、流水で浴が透
明になるまで水洗(約120分)。 (2)脱灰、ベーチング: 100% 水(25℃) 0.5% 硫酸アンモニウム 1.5% ベーチング剤(リバプロン) 30分間ドラム回転 15〜20% ケロシン 3.5% 界面活性剤(サンドジンNIコンク) 0.5% 塩酸 120分ドラム回転 溶液pH7.5〜8.0。120分毎に15分間ドラム
回転、4回繰返す。一夜放置、翌朝30分間ドラム回
転、流水で30分間水洗。 (3)漂白: 80% 水(30℃) 1.5% 過酸化水素水(工業用)(1:10希釈) 5分間隔で3回に分注、60分間ドラム回転、浴を排
出、20分間空打ち、流水で30分間水洗。溶液pH
7.0〜7.5。 (4)浸酸処理: 60% 水(25%) 10% 塩化ナトリウム 10分間ドラム回転。 0.5% ギ酸(1:10希釈) 5分間隔で3回に分注。 0.5% 硫酸(1:10希釈) 5分間隔で3回に分注。 0.2% リン酸(1:10希釈) (上記の酸はいずれも工業用以下同じ) 1% 分散剤(ターゴリックスA) 0.5% 界面活性剤(サンドジンNIコンク) 0.5% 金属イオン封鎖剤(ウタニット413) 0.3% 防黴剤(ファインサイド♯600) 120分間ドラム回転、一夜放置、溶液pH3.5〜
3.8。浴排出、平積み。 (5)再漂白: 200% 水 塩化ナトリウムを添加、5分間ドラム回転6°Be’に
調整。25℃。 2% 界面活性剤(サンドジンNIコンク) 5分間ドラム回転。 0.3% ギ酸(1:10希釈) 10分間ドラム回転。 0.5% 硫酸(1:10希釈) 10分間ドラム回転。 0.5% 亜塩素酸ナトリウム(1:10溶解) 40分間ドラム回転。 0.3% 次亜硫酸ナトリウム(1:10溶解) 20分間ドラム回転。溶液pH3.5〜3.8。 (6)pH調整: 水洗、注水せず溶液を1/2排出。 100% 水 0.6% 重炭酸ナトリウム(1:10溶解) 10分間隔で3回に分注後、30分間ドラム回転。流水
で10分間水洗。溶液pH4.0〜4.2。水切り。 (7)柔軟化処理および乾燥: 浴なしで35℃にドラム内部を保温。 1% 金属イオン封鎖剤(ウタニット413) 1% グリセリン・エチレングリコール 1:1
混液 0.5% 防黴剤(ファインサイド♯600) 20分間ドラム回転、馬掛け2〜3日間、フェルトマシ
ンで水絞り後、板張りまたはネット張り等で乾燥する。
硬い生皮を得たい場合は、上記グリセリンおよびエチレ
ングリコールの混合物を添加しなくてよい。
【0007】
【発明の効果】本発明によって得られる豚生皮は、半透
明で殆ど無臭であり、また硬軟様々なものについて希望
する触感で加工性に優れていて径日変化も従来品よりは
るかに少ないから革工芸素材として好適である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脱毛・石灰漬を行った豚裸皮を再石灰漬を
    行った後脱灰・ベーチング処理する工程と、過酸化水素
    水による漂白工程と、塩の存在下で硫酸及び有機酸の混
    液に浸漬する工程と、pHを3.0〜4.5の範囲に調
    整する工程と、常法により乾燥する工程とからなる工芸
    用豚生皮の製造方法。
  2. 【請求項2】浸酸工程の後に亜塩素酸ナトリウム及と次
    亜硫酸ナトリウムによる再漂白を行う請求項1記載の工
    芸用豚生皮の製造方法。
  3. 【請求項3】pH調整後にグリセリンとエチレングリコ
    ールの1:1乃至1:2の混液を裸皮重量に対し0.5
    %以上、通常1%〜1.5%の範囲で添加して後、乾燥
    することによって製品生皮の硬さを任意に調整すること
    を特徴とする請求項1又は2記載の工芸用豚生皮の製造
    方法。
JP2001250192A 2001-08-21 2001-08-21 工芸用豚生皮の製造方法 Pending JP2003055700A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008514775A (ja) * 2004-09-30 2008-05-08 サントーリ,アルベルト 動物の皮の化学的処理
JP2012050500A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Kyoko Kawai 革工芸品及びその作製方法

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JP2008514775A (ja) * 2004-09-30 2008-05-08 サントーリ,アルベルト 動物の皮の化学的処理
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